JPH10244112A - エアフィルター用濾紙 - Google Patents

エアフィルター用濾紙

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JPH10244112A
JPH10244112A JP5021397A JP5021397A JPH10244112A JP H10244112 A JPH10244112 A JP H10244112A JP 5021397 A JP5021397 A JP 5021397A JP 5021397 A JP5021397 A JP 5021397A JP H10244112 A JPH10244112 A JP H10244112A
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JP
Japan
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filter paper
resin
flame
emulsion
fiber
Prior art date
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Pending
Application number
JP5021397A
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English (en)
Inventor
Hiroyoshi Ueno
浩義 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ビル空調用、半導体工場等用途を問わずに使用
できる撥水性、難燃性の濾紙を安価に供給すること。 【解決手段】ソープフリーエマルジョンをバインダー樹
脂として使用し、アンチモンゾルを難燃剤として使用す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は中・高性能エアフィ
ルター用濾紙の改良に関する。更に詳しくは半導体工
場、ビル空調用を問わず使用できる撥水性、難燃性に優
れたエアフィルター用濾紙に関する。
【0002】
【従来の技術】ビル管理法により室内の浮遊粉塵量が規
定された各種ビルや半導体工場等のクリーンルーム等に
使用されるエアフィルター用濾紙は必要に応じて撥水性
を付与する必要がある。特に近年はこれらの建築物が海
岸近くに建設されることが以前にもまして増加してお
り、これらに使用されるエアフィルターには空気中に含
まれる塩分を除去するため撥水性が必要であることは周
知である。また、このようなエアフィルターは、難燃で
あることが好ましいことは防災上いうまでもない。
【0003】このような濾紙に撥水性、難燃性を付与す
る方法は様々なものが提案されている。撥水性について
は特開平2-175997に示されるようにシリコン樹脂とフッ
素樹脂を併用するもの、もしくは特開平2-41499に示さ
れるようシリコン樹脂を使用するもの、及び特開平7-18
5235に示されるようシリコン変成アクリルを使用するも
の等が提案されている。
【0004】また、難燃性については特開昭60-58221に
示されるようにガラス繊維を使用し、可燃物であるバイ
ンダーをカチオン性にすることにより接着力を強め、そ
の結果少量のバインダー(可燃物)で十分な接着力を得
て難燃性を得るもの、また特開昭54-83181に示されるよ
うに燐-ハロゲン系難燃剤を使用するもの等が知られて
いる。
【0005】しかし、半導体工場では、周知のとおり高
純度のシリコンにごく微量の燐等を配合し、その量を極
めて正確にコントロールする必要があるため、撥水剤と
してシリコン樹脂、もしくはシリコン樹脂とフッ素樹脂
を使用するものは、不良品増加を招く恐れがある上、こ
れらの樹脂は高価である。難燃剤として燐-ハロゲン系
難燃剤を使用するものも、上記の理由で半導体工場では
不良品増加を招く恐れがあり、使用することは好ましく
ない。
【0006】また、少量のバインダーで接着力を得るこ
とにより難燃化した場合、これに撥水性を付与するため
にはシリコン樹脂やフッ素樹脂を更に加える必要があ
り、これらは可燃成分を含むために、トータル可燃成分
量が多くなるので難燃性を維持できない上、半導体工場
に使用することは好ましくない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの状況を鑑み、
本発明の目的は、高価で、半導体工場の生産に悪影響を
及ぼすシリコン樹脂、フッ素樹脂、燐-ハロゲン系難燃
剤を含まず、ビル空調用、半導体工場等用途を問わずに
使用できる撥水性、難燃性の濾紙を安価に供給すること
である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は「無機繊維を主
体とした濾紙において、ソープフリーエマルジョンをバ
インダー樹脂として使用した撥水性濾紙」である。ま
た、第2の発明は上記濾紙においてアンチモンゾルを上
記バインダー樹脂に対し5〜45%含ませた難燃、撥水
性濾紙である。以下本発明について説明する。
【0009】本発明者らはソープフリーエマルジョン樹
脂が撥水性に優れることを無機繊維を主体とした中・高
性能エアフィルター用濾紙のバインダー樹脂に応用して
本発明に到達した。
【0010】ここでいうソープフリーエマルジョン樹脂
とは保護コロイド、反応性乳化剤等を用いて重合し、界
面活性剤を含まないかまたは樹脂に対して2%以下のエ
マルジョンである。バインダー樹脂とはアクリル樹脂、
スチレン樹脂、ポリビニールアルコール樹脂等をいう。
バインダ−添加量は特に限定されるものではないが濾紙
に対して1%〜15% が適当である。これよりバインダ
ー樹脂添加量が少ないと必要な強度が得られず、また、
多いと圧力損失が高くなり、好ましくない。
【0011】また、ソープフリーエマルジョンと通常の
エマルジョンを併用しても、撥水性を発現することがで
きる。この場合、まず通常の樹脂を添加し、加熱、キュ
アさせた後ソープフリーエマルジョン樹脂を添加するこ
とが望ましい。また、通常の樹脂の添加量はソープフリ
ーエマルジョン樹脂の添加量の110%以下であること
が望ましい。
【0012】また、無機繊維としてはBガラス、Eガラ
ス、Cガラス、クオーツ等のガラス繊維や、セラミック
繊維、アルミナ繊維、シリカアルミナ繊維等が挙げられ
る。
【0013】本来、上記の樹脂は架橋剤の使用等で十分
架橋させれば、耐水性が強くなり、撥水性を発現する。
しかしながら、従来のように乳化剤を使用してエマルジ
ョン化したバインダー樹脂を使用した場合、乳化剤が緻
密なバインダー樹脂の皮膜を作ることを妨げ、また乳化
剤自体親水性であるため、バインダー樹脂本来の撥水性
を発現できない。
【0014】そこで、ソープフリーエマルジョンをバイ
ンダー樹脂として使用する。このことにより、バインダ
ー樹脂自体の撥水性を利用し、濾紙を撥水性とすること
ができる。濾紙の主体繊維である無機繊維は、特にガラ
ス繊維など親水性であることが多いが、撥水性のバイン
ダー樹脂で表面がコートされるため撥水性が得られる。
【0015】濾紙を難燃化するために使用する難燃剤と
しては先に述べた理由で燐-ハロゲン系難燃剤等は好ま
しくない。また、多量の添加は圧力損失を高め、またコ
スト高となるため好ましくない。 本発明の濾紙は難燃
性の無機繊維を主体としている上、撥水剤等の可燃成分
を含まないため、可燃成分が少量のバインダー樹脂のみ
であり、もともと難燃性に優れている。そのため、濾紙
を難燃化するための難燃剤はアンチモンゾルをバインダ
ー樹脂分に対し5〜45%含有させれば十分である。濾
紙に対しての添加量は0.05%〜6.75%と僅かであ
り、圧力損失やコストにほとんど悪影響を及ぼさない。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明の内容は実施例に限られるも
のではない。
【0017】本発明において難燃性はJIS.L-1091 A-1
法に規定される方法で測定し、最も厳しい区分3を達成
したものを合格、他は不合格とした。
【0018】また、撥水性はMIL-STD-282 Method 60
3.1.に準拠して測定した。数値が大きいほど撥水性がよ
い。
【0019】圧力損失、DOP透過率はASTM D-2986-7
1に準拠して測定した。圧力損失は通常、DOP透過率
が小さくなる(捕集効率が大きくなる)ほど大きくなる
が、DOP透過率が同じならば圧力損失は小さいほどフ
ィルターとして性能に優れる。
【0020】
【実施例1】平均繊維径3μmのマイクロガラスと、繊
維径9μm、繊維長10mmのガラス繊維を25%対7
5%の比率で配合し、TAPPI T 205に規定された標準
手抄き装置でシート化し、更に乾燥し、米坪70g/m
2のシートを得た。以下このシートを「原紙」とする。
次に反応性乳化剤を用いてエマルジョン化したソープ
フリーアクリル樹脂 (ヨドゾール AD−57,カネ
ボウ・エヌエスシー株式会社製)とアンチモンゾル(酸
化アンチモンゾル、日産化学工業株式会社製)を固形分
比100/20の比率で配合し、この溶液を、原紙に対
しアクリル樹脂固形分量が8%となるよう含浸し、11
0℃の熱風乾燥機で乾燥した。
【0021】
【実施例2】反応性乳化剤を用いてエマルジョン化した
ソープフリーアクリル樹脂とアンチモンゾルを、固形分
比100/30の比率で配合し、この溶液を、原紙に対
しアクリル樹脂固形分量が8%となるよう含浸し、11
0℃の熱風乾燥機で乾燥した。
【0022】
【実施例3】反応性乳化剤を用いてエマルジョン化した
ソープフリーアクリル樹脂とアンチモンゾルを、固形分
比100/45の比率で配合し、この溶液を、原紙に対
しアクリル樹脂固形分量が8%となるよう含浸し、11
0℃の熱風乾燥機で乾燥した。
【0023】
【実施例4】通常の乳化剤を用いてエマルジョン化した
アクリル樹脂とアンチモンゾルを、固形分比100/4
5の比率で配合し、この溶液を、原紙に対しアクリル樹
脂固形分量が4.2%となるよう含浸し、110℃の熱
風乾燥機で乾燥した。 その後、反応性乳化剤を用いて
エマルジョン化したソープフリーアクリル樹脂とアンチ
モンゾルを、固形分比100/45の比率で配合し、こ
の溶液を、原紙に対しアクリル樹脂固形分量が3.9%
となるよう含浸し、110℃の熱風乾燥機で乾燥した。
【0024】
【比較例1】通常の乳化剤を用いてエマルジョン化した
アクリル樹脂とアンチモンゾルを、固形分比100/2
0の比率で配合し、この溶液を、原紙に対しアクリル樹
脂固形分量が8%となるよう含浸し、110℃の熱風乾
燥機で乾燥した。
【0025】
【比較例2】通常の乳化剤を用いてエマルジョン化した
アクリル樹脂とアンチモンゾルを、固形分比100/2
0の比率で配合し、この溶液を、原紙に対しアクリル樹
脂固形分量が8%となるよう含浸し、110℃の熱風乾
燥機で乾燥した。その後、更にフッ素系撥水剤を原紙に
対して7.5%含浸し、110℃の熱風乾燥機で乾燥し
た後170℃で1分間キュアした。
【0026】以上の実施例と比較例で得られたシートの
物性を表1に示した。ソープフリーアクリル樹脂を使用
した実施例はいずれも難燃性、撥水性が良好である。
【0027】ところが通常のアクリルエマルジョンを使
用した比較例では、比較例1では撥水性が劣る。撥水性
向上のためフッ素系撥水剤を使用した比較例2では、撥
水性の向上はみられるものの難燃性が劣る上、撥水剤を
添加したため圧力損失も高くなる。
【0028】
【表1】
【0029】
【発明の効果】本発明により、ビル空調用、半導体工場
等用途を問わずに使用できる撥水性、難燃性の濾紙を安
価に供給することができた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】無機繊維を主体とした濾紙において、ソー
    プフリーエマルジョンをバインダー樹脂として使用した
    エアフィルター用濾紙。
  2. 【請求項2】請求項1の濾紙においてアンチモンゾルを
    上記バインダー樹脂に対し5〜45%含ませたエアフィ
    ルター用濾紙。
JP5021397A 1997-03-05 1997-03-05 エアフィルター用濾紙 Pending JPH10244112A (ja)

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JP5021397A JPH10244112A (ja) 1997-03-05 1997-03-05 エアフィルター用濾紙

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JP5021397A JPH10244112A (ja) 1997-03-05 1997-03-05 エアフィルター用濾紙

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JPH10244112A true JPH10244112A (ja) 1998-09-14

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JP5021397A Pending JPH10244112A (ja) 1997-03-05 1997-03-05 エアフィルター用濾紙

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547339B2 (en) 2000-12-21 2009-06-16 Hokuetsu Paper Mills, Ltd. Filter material take-up product for air filter
CN102888785A (zh) * 2012-09-20 2013-01-23 蚌埠凤凰滤清器有限责任公司 一种硅胶负载氧化锆空气滤纸及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7547339B2 (en) 2000-12-21 2009-06-16 Hokuetsu Paper Mills, Ltd. Filter material take-up product for air filter
CN102888785A (zh) * 2012-09-20 2013-01-23 蚌埠凤凰滤清器有限责任公司 一种硅胶负载氧化锆空气滤纸及其制备方法
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