JP2629327B2 - 濾紙及びその製造方法 - Google Patents

濾紙及びその製造方法

Info

Publication number
JP2629327B2
JP2629327B2 JP32832488A JP32832488A JP2629327B2 JP 2629327 B2 JP2629327 B2 JP 2629327B2 JP 32832488 A JP32832488 A JP 32832488A JP 32832488 A JP32832488 A JP 32832488A JP 2629327 B2 JP2629327 B2 JP 2629327B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
filter paper
binder
resin
fluororesin
silicone resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP32832488A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02175997A (ja
Inventor
宏紀 北脇
和夫 後藤
彰一 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Sheet Glass Co Ltd filed Critical Nippon Sheet Glass Co Ltd
Priority to JP32832488A priority Critical patent/JP2629327B2/ja
Publication of JPH02175997A publication Critical patent/JPH02175997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2629327B2 publication Critical patent/JP2629327B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は濾紙及びその製造方法に係り、特に粒子捕集
効率が高く、しかも圧力損失が低く処理効率にも優れる
濾紙及び製造方法に関する。
[従来の技術] 電子精密工場等のクリーンルーム、バイオロジカルク
リーンルーム、クリーンベンチ等の清浄空間における空
気中の浮遊微粒子の捕集には、空気中のサブミクロン粒
子を効率的に捕集することができるエアフィルタ用濾紙
が用いられている。このようなエアフィルタ用濾紙は、
一般に微細なマイクログラスファイバーを水中に分散さ
せて湿式抄紙し、樹脂溶液又はエマルジョン中に浸漬処
理後、乾燥して製造される。
このようなエアフィルタ用濾紙においては、送風によ
って空気中の微粒子を捕集する際、微粒子の捕集効率が
高いことは言うまでもないが、動力費の節減のためには
できるだけ空気抵抗の少ない(ΔPの低い)濾紙が要求
される。この捕集効率とΔPのバランスに大きく影響を
及ぼすのは、製造に際してグラスファイバーに付着させ
るバインダーの種類、量であり、一般にはアクリル系樹
脂、ウレタン系樹脂、ポリビニルアルコール、エポキシ
系樹脂を主剤として、ワックス、シリコンが併用され、
マイクログラスファイバーに対して1〜10重量%付着さ
せることにより、繊維の再飛散が防止されると共に、濾
紙の強度及びその他の特性の向上を図っている。また、
従来、弗素含有樹脂を繊維に付着させた濾紙及びその製
造方法も提案されている(特開昭62−90395号)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、従来のエアフィルタ用濾紙にあって
は、その製造に関し、マイクログラスファイバーの微細
繊維同志の凝集、結合が生じ、これが繊維表面積を低下
させ、捕集効率の高い濾紙が得られない。また、前述の
如く、再飛散防止、濾紙の強度、その他の特性の向上の
ためにバインダーを用いるが、バインダーを付着させる
ことにより次のような問題が生じる。
即ち、バインダーの表面張力が高いために、繊維間に
バインダーの膜が水かき状に形成され、圧力損失が高く
なり空気が通り難くなる。このため処理効率が低下す
る。圧力損失を低くおさえるためにバインダーの使用量
を少なくすると、強度が保持できなくなる。
本発明の目的は上記従来の問題点を解決し、圧力損失
が小さく、しかも高い捕集効率を有する濾紙及びその製
造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の濾紙は、濾紙を構成する繊維にバインダー、
フッ素樹脂及びシリコン樹脂を付着させたことを特徴と
する。
本発明の濾紙の製造方法は、濾紙を構成する繊維を水
中に分散させてなるスラリーを湿式抄紙し、得られた湿
紙にフッ素樹脂及びシリコン樹脂を含有するバインダー
を付着させた後乾燥することを特徴とする。
なお、以下において、フッ素樹脂及びシリコン樹脂を
含有するバインダーをフッ素樹脂・シリコン樹脂含有バ
インダーということがある。
本発明において、濾紙を構成する繊維としては特に制
限はなく、従来より用いられているものをいずれも適用
することができるが、特にマイクログラスファイバーが
好適である。用いるマイクログラスファイバーは、平均
繊維径0.1〜10μm程度のものが好ましく、濾紙の強
度、耐薬品性等の向上のために、ポリアミド繊維等の有
機繊維や炭素繊維等を1〜10重量%混合使用しても良
い。
フッ素樹脂としては、下記一般式で示されるパーフル
オロアルキル基含有樹脂等のフッ素原子を含有する樹脂
を用いることができる。
なお、上記式中、パーフルオロアルキル基Rfとしては
C F,C F等が挙げられる。また、アクリル主鎖のア
ルキル基Rとしては炭素数4〜12のアルキル基が挙げら
れる。
一方、シリコン樹脂としては、その粘度が1000cps以
下のシリコン油が好ましい。粘度が1000cpsを超えるシ
リコン油であると、エマルジョン化が困難で処理効率が
悪い。なお、撥水性、耐水性の面から、下記[II]式で
示されるジメチルシリコン(通常のシリコン油)よりも
下記[I]式で示されるHシリコンが好ましい。
シリコン樹脂としては、特に、ジメチルポリシロキサ
ン等のジメチルシロキサンが好ましい。
バインダー中の樹脂成分(以下、バインダー樹脂成分
ということがある。)としては従来用いられているもの
をいずれも適用可能であり、例えばポリビニルアルコー
ル、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂
等が挙げられる。
本発明の濾紙においては、フッ素樹脂及びシリコン樹
脂を含むバインダーを繊維に付着させることにより製造
しても良いが、フッ素樹脂及びシリコン樹脂を先に繊維
に付着させ、その後バインダーを付着させて繊維同志を
結着させるようにしても良い。
フッ素樹脂及びシリコン樹脂とバインダー樹脂成分と
の割合は、フッ素樹脂及びシリコン樹脂をフッ素樹脂、
シリコン樹脂及びバインダー樹脂成分の合量に対し0.1
〜20重量%とするのが好ましい。シリコン樹脂の割合が
0.1重量%未満では表面張力の低下効果が少なく、20重
量%を超えるとバインダーの接合強度の低下が著しく、
バインダーとしての作用が不十分となる。
また、フッ素樹脂・シリコン樹脂含有バインダーの付
着量(樹脂重量)は、濾紙を構成する繊維重量に対して
3.0〜10重量%とするのが好ましい。シリコン樹脂含有
バインダーの付着量が3.0重量%未満では濾紙の強度が
十分に得られず、10重量%を超えると濾紙の圧力損失を
不必要に高めることとなる。
なお、付着させるフッ素樹脂とシリコン樹脂との比率
には特に制限はなく、10:90〜90:10の範囲で適宜調整す
ることができるが、好ましくは30:70〜50:50とするのが
有利である。
次に請求項(2)の濾紙の製造方法について説明す
る。
この製造方法においては、まず、繊維を水中に分散さ
せたスラリーを湿式抄紙して湿紙を得る。例えば、ガラ
ス微細繊維とガラスチョップトスランドを水中に分散さ
せ、このスラリーを抄紙機にて抄紙し湿紙を得る。この
湿式抄紙にあたり、スラリー中の繊維の分散性を良くす
るために、水に少量の酸を加え、スラリーをpH2〜5程
度の酸性とするのが好ましい。即ち、スラリーのpHは低
いほど繊維の分散性が良くなるが、pH2未満では、酸性
が強すぎて繊維や装置等に悪影響を及ぼすこととなるた
め、スラリーのpHは2〜5程度に調整するのが好まし
い。スラリーのpH調整に用いる酸としては、塩酸、硫
酸、硝酸等の無機酸、酢酸等の有機酸を用いることがで
きる。
次いで、得られた湿紙にフッ素樹脂・シリコン樹脂含
有バインダーを付着させる。このフッ素樹脂・シリコン
樹脂含有バインダーを付着させる方法としては、特に制
限はないが、例えば次の、の方法を採用することが
できる。
湿紙をフッ素樹脂・シリコン樹脂含有バインダーの
液又はエマルジョン中に浸漬する。
湿紙の表面にフッ素樹脂・シリコン樹脂含有バイン
ダー液又はエマルジョンをスプレーにより吹き付ける。
あるいは塗布する。
ここで用いるフッ素樹脂・シリコン樹脂含有バインダ
ー液又はエマルジョンのフッ素樹脂・シリコン樹脂含有
バインダーの濃度は、0.1〜10重量%であることが好ま
しい。フッ素樹脂・シリコン樹脂含有バインダー濃度が
0.1重量%未満では湿紙へのシリコン樹脂含有バインダ
ーの付着効率が悪く、10重量%を超えても付着効率に差
異はなくコスト高となる。
このようにして湿紙をフッ素樹脂・シリコン樹脂含有
バインダーで処理した後は、これを加熱炉等により乾燥
する。乾燥温度は110〜200℃とするのが好ましい。この
乾燥のための熱処理によりフッ素樹脂は繊維表面を均一
に覆う。また、シリコン樹脂は高分子化し、ゴム状にな
って撥水性、耐水性を有するようになる。また、バイン
ダーも架橋反応を起し、濾紙の強度を向上させる。
[作用] フッ素樹脂は、繊維の均一分散性を高める作用があ
り、また、シリコン樹脂はバインダーの表面張力を低下
させる作用がある。そのため、本発明によれば、抄き上
げられた濾紙中の微細繊維同志の凝集・結合を防止し、
均一分散性を高めると共に、繊維間に形成される水かき
状の膜を解消又は減少させ、バインダーを繊維同志の交
点に集中して存在させることができる。従って、繊維の
有効表面積を大きくすることができ、また、濾紙の圧力
損失を小さくすることができる。しかも、繊維密度を高
めても圧力損失は従来の濾紙と同程度又はそれ以下にで
きるから、圧力損失が小さくしかも捕集効率の高いエア
フィルタ用濾紙を提供することができる。
更に、フッ素樹脂及びシリコン樹脂とりわけシリコン
は、著しく撥水性が良く、かつ耐水性に優れることか
ら、濾紙に水が浸み込みにくくすることができるという
作用もある。このため、濾紙の耐水特性が著しく高めら
れる。
特に、本発明においてはフッ素樹脂とシリコン樹脂と
を併用することにより、その優れた相乗作用により各々
の単独使用では実現することができないような、著しく
捕集効率の高いエアフィルタ用濾紙が提供される。
[実施例] 以下、実施例及び比較例について説明する。
実施例1 平均繊維径0.5μm、1μm、4μmの三種類の繊維
をそれぞれ30重量部、50重量部及び20重量部の割合で混
合してなるマイクログラスファイバーを、pH4の硫酸水
溶液中に分散後、TAPPIシートマシンにより湿式抄紙し
た。
得られた湿紙をバインダー液として下記組成のフッ素
樹脂・シリコン樹脂含有バインダーのエマルジョンに浸
漬して脱液後、140℃にて乾燥させた。フッ素樹脂・シ
リコン樹脂含有バインダーの付着量は4.4g/m2であり、
濾紙を構成するマイクログラスファイバーに対して6重
量%であった。
バインダー組成(樹脂の重量%) パーフルオロアルキル化合物: 0.08重量% ジメチルポリシロキサン: 0.08重量% アクリル酸エステル共重合物: 1.84重量% (合計:2 重量%) なお、上記バインダー液は、アクリル酸エステル共重
合エマルジョンにパーフルオロアルキル化合物とジメチ
ルポリシロキサンを混合し、更に希釈して調製した。こ
のバインダー液の表面張力をデニュイ氏法表面張力測定
器(島津製作所)にて測定し、結果を第1表に示した。
また、得られた濾紙について、下記方法により圧力損
失、捕集効率を測定し、結果を第1表に示した。
圧力損失(mmAq) 濾紙に通過風速5.3cm/秒で空気を通風させた時の通気
抵抗をマノメーターにより測定した。
捕集効率(%) 平均粒子径約0.3μm程度のジオクチルフタレート(D
OP粒子)を発生させて濾紙に通し、濾紙の上流側と下流
側のDOPスモークの濃度比をフォトメータで測定し、0.3
μmの粒子の捕集効率を算出した。
比較例1〜3 第1表に示す如く、フッ素樹脂及び/又はシリコン樹
脂を含まないバインダー液で処理したこと以外は実施例
1と同様にして濾紙を製造した。バインダー液の表面張
力、得られた濾紙の圧力損失、捕集効率を実施例1と同
様にして測定し、その結果を第1表に示す。
第1表より明らかなように、本発明で用いるバインダ
ー液は、フッ素樹脂及びシリコン樹脂の作用により、繊
維の均一分散性が良好で、また表面張力が小さく、従っ
て水かき状の膜の形成が低減されるため、製造される濾
紙は、圧力損失が低く、しかも繊維の有効面積が大きい
ことから捕集効率は著しく高い。特に、本発明の方法に
従って、フッ素樹脂及びシリコン樹脂を併用することに
より、圧力損失に対する捕集効率の値を大幅に向上させ
ることができる。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の濾紙及びその製造方法に
よれば、圧力損失が小さく、しかも捕集効率が著しく高
い濾紙を提供することが可能とされる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濾紙を構成する繊維にバインダー、フッ素
    樹脂及びシリコン樹脂を付着させたことを特徴とする濾
    紙。
  2. 【請求項2】濾紙を構成する繊維を水中に分散させてな
    るスラリーを湿式抄紙し、得られた湿紙にフッ素樹脂及
    びシリコン樹脂を含有するバインダーを付着させた後、
    乾燥することを特徴とする濾紙の製造方法。
JP32832488A 1988-12-26 1988-12-26 濾紙及びその製造方法 Expired - Fee Related JP2629327B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32832488A JP2629327B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 濾紙及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32832488A JP2629327B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 濾紙及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02175997A JPH02175997A (ja) 1990-07-09
JP2629327B2 true JP2629327B2 (ja) 1997-07-09

Family

ID=18208965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32832488A Expired - Fee Related JP2629327B2 (ja) 1988-12-26 1988-12-26 濾紙及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2629327B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5579055B2 (ja) 2008-03-25 2014-08-27 北越紀州製紙株式会社 エアフィルタ用濾材
CN102888785B (zh) * 2012-09-20 2014-10-29 蚌埠凤凰滤清器有限责任公司 一种硅胶负载氧化锆空气滤纸及其制备方法
CN106345182B (zh) 2013-04-15 2019-01-22 北越株式会社 空气过滤器用滤材、其制造方法及具备其的空气过滤器
JP7055261B1 (ja) 2021-10-04 2022-04-15 北越コーポレーション株式会社 エアフィルタ用濾材及びその製造方法
WO2023062964A1 (ja) 2021-10-15 2023-04-20 北越コーポレーション株式会社 高性能エアフィルタ用濾材及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02175997A (ja) 1990-07-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6212619B2 (ja) エアフィルタ用濾材及びそれを備えるエアフィルタ
EP1314468B1 (en) Filter medium for air filtration and method for its production
JP2018038983A (ja) エアフィルタ用濾材の製造方法
JP2629327B2 (ja) 濾紙及びその製造方法
JP3874038B2 (ja) エアフィルタ用濾材およびその製造方法
JP7055261B1 (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP2008194584A (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP6270971B2 (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
US4526914A (en) Whitewater formulation containing a cationic polyacrylamide
JP3669756B2 (ja) エアフィルタ用濾材およびその製造方法
US4693928A (en) Porous, fibrous structures with thermoplastic fluorocarbon coating and method of making
JP6087207B2 (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP2764928B2 (ja) 濾紙及びその製造方法
JPH0443684B2 (ja)
JPH07185235A (ja) ろ紙とその製造方法
CN105735037A (zh) 热固性空气滤纸及其制备方法
JP4891498B2 (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法
JP5173969B2 (ja) エアフィルタ用濾材
JPH10180020A (ja) 難燃減容高性能エアフィルタ濾材およびその製造方法
JPH0755283B2 (ja) 空気濾紙
CN109320651A (zh) 一种超疏水聚丙烯酸酯复合乳液及其制备方法和应用
JPH0757293B2 (ja) エアフィルタ用濾材
JP2003135917A (ja) エアフィルタ用濾材
JPS61271012A (ja) エアフイルタ−用濾紙の製造法
JP7157270B1 (ja) エアフィルタ用濾材及びその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees