JP2764928B2 - 濾紙及びその製造方法 - Google Patents

濾紙及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は濾紙及びその製造方法に係り、特に粒子補集
効率が高く、しかも圧力損失が低く処理効率にも優れる
濾紙及びその製造方法に関する。
[従来の技術] クリーンルーム、バイオロジカルクリーンルーム、ク
リーンベンチ等の清浄空間における空気中の浮遊微粒子
の補集には、空気中のサブミクロン粒子を効率的に補集
することができるエアフィルタ用濾紙が用いられてい
る。このようなエアフィルタ用濾紙は、一般に微細なマ
イクログラスファイバーを水中に分散させて湿式抄紙
し、樹脂溶液又はエマルジョン中に浸漬処理後、乾燥し
て製造される。製造にあたっては、樹脂の他に、必要に
応じて撥水剤、サイズ剤を併用する。
バインダーとしては樹脂液又は樹脂エマルジョンが使
用されている。具体的には、ポリビニルアルコール、ア
クリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂等が使
用される。これらの樹脂を一般にマイクログラスファイ
バーに対して1〜10重量%付着させることにより、繊維
の再飛散が防止されると共に、濾紙の強度及びその他の
特性が付与される。
なお、従来、弗素含有樹脂を繊維に付着させた濾紙及
びその製造方法が提案されている(特開昭62−90395
号)。
[発明が解決しようとする課題] エアフィルタ用濾紙の製造には繊維の再飛散防止、濾
紙の強度、その他の特性の向上のためにバインダーが必
要であるが、バインダーを付着させることにより次のよ
うな問題が生じる。
即ち、バインダーの表面張力が高いために、繊維間に
バインダーの膜が水かき状に形成され、圧力損失が高く
なり空気が通り難くなる。このため処理効率が低下す
る。圧力損失を低くおさえるためにバインダーの使用量
を少なくすると、強度が保持できなくなる。
本発明の目的は上記従来の問題点を解決し、圧力損失
が小さく、しかも高い補集効率を有する濾紙及びその製
造方法を提供することにある。
なお、特開昭62−90395号の如く、弗素含有樹脂によ
れば、濾紙の圧力損失を高めることなく、補集効率をあ
る程度改善することが可能であるが、本発明は特開昭62
−90395号と比較しても更に優れた効果が奏される濾紙
及びその製造方法を提供するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明の濾紙は、濾紙を構成する繊維にバインダー及
びシリコン樹脂を付着させてなる濾紙であって、該シリ
コン樹脂がジメチルポリシロキサンであり、該バインダ
ーのバインダー樹脂成分及びジメチルポリシロキサンの
合量に対するジメチルポリシロキサンの割合が0.1〜20
重量%であることを特徴とする。
本発明の濾紙の製造方法は、濾紙を構成する繊維を水
中に分散させてなるスラリーを湿式抄紙し、得られた湿
紙にシリコン樹脂を含有するバインダーを付着させた後
乾燥して濾紙を製造する方法であって、該シリコン樹脂
がジメチルポリシロキサンであり、該バインダー中のジ
メチルポリシロキサンの割合がバインダーのバインダー
樹脂成分及びジメチルポリシロキサンの合量に対して0.
1〜20重量%であることを特徴とする。
なお、以下において、ジメチルポリシロキサンを単に
シリコン樹脂と称し、ジメチルポリシロキサンを含有す
るバインダーをシリコン樹脂含有バインダーということ
がある。
本発明において、濾紙を構成する繊維としては特に制
限はなく、従来より用いられているものをいずれも適用
することができるが、特にマイクログラスファイバーが
好適である。用いるマイクログラスファイバーは、平均
繊維径0.1〜10μm程度のものが好ましく、濾紙の強
度、耐薬品性等の向上のために、ポリアミド繊維等の有
機繊維や炭素繊維等を1〜10重量%混合使用しても良
い。
シリコン樹脂としては、その粘度が1000cps以下のシ
リコン油が好ましい。粘度が1000cpsを超えるシリコン
油であると、エマルジョン化が困難で処理効率が悪い。
本発明では、この粘度、撥水性、耐水性の面から、シリ
コン樹脂としてジメチルポリシロキサンを用いる。
バインダー中の樹脂成分(以下、バインダー樹脂成分
ということがある。)としては従来用いられているもの
をいずれも適用可能であり、例えばポリビニルアルコー
ル、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂
等が挙げられる。
本発明の濾紙においては、シリコン樹脂を含むバイン
ダーを繊維に付着させることにより製造しても良いが、
シリコン樹脂を先に繊維に付着させ、その後バインダー
を付着させて繊維同志を結着させるようにしても良い。
シリコン樹脂とバインダー樹脂成分との割合は、シリ
コン樹脂をシリコン樹脂及びバインダー樹脂成分の合量
に対し0.1〜20重量%とする。シリコン樹脂の割合が0.1
重量%未満では表面張力の低下効果が少なく、20重量%
を超えるとバインダーの接合強度の低下が著しく、バイ
ンダーとしての作用が不十分となる。
また、シリコン樹脂含有バインダーの付着量(樹脂重
量)は、濾紙を構成する繊維重量に対して3.0〜10重量
%とするのが好ましい。シリコン樹脂含有バインダーの
付着量が3.0重量%未満では濾紙の強度が十分に得られ
ず、10重量%を超えると濾紙の圧力損失を不必要に高め
ることとなる。
次に請求項(2)の濾紙の製造方法について説明す
る。
この製造方法においては、まず、繊維を水中に分散さ
せたスラリーを湿式抄紙して湿紙を得る。この湿式抄紙
にあたり、スラリー中の繊維の分散性を良くするため
に、水に少量の酸を加え、スラリーをpH2〜5程度の酸
性とするのが好ましい。即ち、スラリーのpHは低いほど
繊維の分散性が良くなるが、pH2未満では、酸性が強す
ぎて繊維や装置等に悪影響を及ぼすこととなるため、ス
ラリーのpHは2〜5程度に調整するのが好ましい。スラ
リーのpH調整に用いる酸としては、塩酸、硫酸、硝酸等
の無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。
次いで、得られた湿紙にシリコン樹脂含有バインダー
を付着させる。このシリコン樹脂含有バインダーを付着
させる方法としては、特に制限はないが、例えば次の
、の方法を採用することができる。
湿紙をシリコン樹脂含有バインダーの液又はエマル
ジョン中に浸漬する。
湿紙の表面にシリコン樹脂含有バインダー液又はエ
マルジョンをスプレーにより吹き付ける。あるいは塗布
する。
ここで用いるシリコン樹脂含有バインダー液又はエマ
ルジョンのシリコン樹脂含有バインダーの濃度は、0.1
〜5重量%であることが好ましい。シリコン樹脂含有バ
インダー濃度が0.1重量%未満では湿紙へのシリコン樹
脂含有バインダーの付着効率が悪く、5重量%を超えて
も付着効率に差異はなくコスト高となる。
このようにして湿紙をシリコン樹脂含有バインダーで
処理した後は、これを加熱炉等により乾燥する。乾燥温
度は110〜200℃とするのが好ましい。この乾燥のための
熱処理によりシリコン樹脂は高分子化し、ゴム状になっ
て撥水性、耐水性を有するようになる。また、バインダ
ーも架橋反応を起し、濾紙の強度を向上させる。
[作用] シリコン樹脂はバインダーの表面張力を低下させる作
用がある。そのため、繊維間に形成される水かき状の膜
を解消又は減少させ、バインダーを繊維同志の交点に集
中して存在させることができる。従って、濾紙の圧力損
失を小さくすることができる。また、繊維密度を高めて
も圧力損失は従来の濾紙と同程度又はそれ以下にできる
から、圧力損失が小さくしかも補集効率の高いエアフィ
ルタ用濾紙を提供することができる。
ジメチルポリシロキサンは特に撥水性が良く、かつ耐
水性に優れることから、濾紙に水が浸み込みにくくする
ことができる。因みに、後述の実施例で用いたシリコン
樹脂含有バインダーと特開昭62−90395に開示される弗
素含有樹脂について、撥水性、耐水性を比較すると下記
第1表の通りである。
第1表から、本発明に係るシリコン樹脂含有バインダ
ーは、弗素含有樹脂に比較して、撥水性、耐水性が良
く、水が浸み込み難いことから、濾紙の耐水特性を高め
ることが認められる。
[実施例] 以下、実施例及び比較例について説明する。
実施例1 平均繊維径0.5μm、1μm、4μmの三種類の繊維
をそれぞれ30重量部、50重量部及び20重量部の割合で混
合してなるマイクログラスファイバーを、pH4の硫酸水
溶液中に分散後、TAPPIシートマシンにより湿式抄紙し
た。
得られた湿紙をバインダー液として下記組成のシリコ
ン樹脂含有バインダーのエマルジョンに浸漬して脱液
後、140℃にて乾燥させた。シリコン樹脂含有バインダ
ーの付着量は4.4g/m2であり、濾紙を構成するマイクロ
グラスファイバーに対して6重量%であった。
バインダー組成(樹脂の重量%) ジメチルポリシロキサン:0.14重量% アクリル酸エステル共重合物:1.86重量% (合計:2重量%) なお、上記バインダー液は、アクリル酸エステル共重
合エマルジョンにジメチルポリシロキサンを混合し、更
に希釈して調製した。このバインダー液の表面張力をデ
ニュイ氏法表面張力測定器(島津製作所)にて測定し、
結果を第2表に示した。
また、得られた濾紙について、下記方法により圧力損
失、補集効率を測定し、結果を第2表に示した。
圧力損失(mmAg) 濾紙に通過風速5.3cm/秒で空気を通風させた時の通気
抵抗をマノメーターにより測定した。
補集効率(%) 平均粒子径約0.3μm程度のジオクチルフタレート(D
OP粒子)を発生させて濾紙に通し、濾紙の上流側と下流
側のDOPスモークの濃度比をフォトメータで測定し、0.3
μmの粒子の補集効率を算出した。
比較例1 シリコン樹脂を含まないバインダー液で処理したこと
以外は実施例1と同様にして濾紙を製造した。バインダ
ー液の表面張力、得られた濾紙の圧力損失、補集効率を
実施例1と同様にして測定し、その結果を第2表に示
す。
第2表より明らかなように、本発明で用いるバインダ
ー液は、シリコン樹脂の作用により表面張力が小さく、
従って水かき状の膜の形成が低減されるため、製造され
る濾紙は、圧力損失が低く、しかも補集効率は著しく高
い。
[発明の効果] 以上詳述した通り、本発明の濾紙及びその製造方法に
よれば、圧力損失が小さく、しかも補集効率が高い濾紙
を提供することが可能とされる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−79822(JP,A) 特開 昭58−150411(JP,A) 特開 昭59−21800(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】濾紙を構成する繊維にバインダー及びシリ
    コン樹脂を付着させてなる濾紙であって、該シリコン樹
    脂がジメチルポリシロキサンであり、該バインダーのバ
    インダー樹脂成分及びジメチルポリシロキサンの合量に
    対するジメチルポリシロキサンの割合が0.1〜20重量%
    であることを特徴とする濾紙。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載の濾紙におい
    て、該ジメチルポリシロキサン及びバインダーの合計付
    着量が、濾紙を構成する繊維重量に対して3.0〜10重量
    %であることを特徴とする濾紙。
  3. 【請求項3】濾紙を構成する繊維を水中に分散させてな
    るスラリーを湿式抄紙し、得られた湿紙にシリコン樹脂
    を含有するバインダーを付着させた後、乾燥して濾紙を
    製造する方法であって、 該シリコン樹脂がジメチルポリシロキサンであり、 該バインダー中のジメチルポリシロキサンの割合がバイ
    ンダーのバインダー樹脂成分及びジメチルポリシロキサ
    ンの合量に対して0.1〜20重量%であることを特徴とす
    る濾紙の製造方法。
  4. 【請求項4】特許請求の範囲第3項に記載の濾紙の製造
    方法において、該ジメチルポリシロキサンを含有するバ
    インダーの付着量が、濾紙を構成する繊維重量に対して
    3.0〜10重量%であることを特徴とする濾紙の製造方
    法。
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