JPH10241748A - 密閉型電池部材の回収方法及び回収装置 - Google Patents

密閉型電池部材の回収方法及び回収装置

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JPH10241748A
JPH10241748A JP6560397A JP6560397A JPH10241748A JP H10241748 A JPH10241748 A JP H10241748A JP 6560397 A JP6560397 A JP 6560397A JP 6560397 A JP6560397 A JP 6560397A JP H10241748 A JPH10241748 A JP H10241748A
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直哉 小林
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 密閉型電池の構成部材を安全で且つ変質損傷
なく回収する。 【構成】 密閉型電池の構成部材の回収方法において、
少なくとも正極と負極間のイオン伝導度を低下させる工
程と、該工程の後に電池ハウジングを開封する工程を有
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密閉型電池を構成
する部材の回収方法および回収装置に関し、より詳細に
は密閉型電池を安全に開封して構成する部材を回収する
方法および回収装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、大気中に含まれるCO2 ガス量が
増加しつつある為、温室効果により地球の温暖化が生じ
る可能性が指摘されている。火力発電所は化石燃料など
を燃焼させて得られる熱エネルギーを電気エネルギーに
変換しているが、燃焼によりCO2ガスを多量に排出す
るため、新たに建設することが難しくなって来ている。
したがって、火力発電所などの発電機にて作られた電力
の有効利用として、余剰電力である夜間電力を一般家庭
に設置した二次電池に蓄えて、これを電力消費量が多い
昼間に使用して負荷を平準化する、いわゆるロードレベ
リングが提案されている。
【0003】また、COx、NOX,CHなどを含む大気
汚染にかかわる大気汚染物質を排出しないという特徴を
有する電気自動車用途では、高エネルギー密度の二次電
池の開発が期待されている。さらに、ブック型パーソナ
ルコンピューター、ワードプロセッサー、ビデオカメラ
及び携帯電話などのポータブル機器の電源用途では、小
型・軽量で高性能な二次電池の開発が急務になってい
る。
【0004】上記用途に使用する蓄電池(二次電池)と
しては、密閉型(シール型)の、鉛蓄電池、ニッケル−
カドミウム蓄電池に加え、新しく高エネルギー密度のニ
ッケル−水素(吸蔵合金)蓄電池や、リチウム二次電
池、リチウムイオン二次電池(蓄電池)が開発されてき
ている。これらの電池は、長寿命を達成するために、あ
るいは安全性を確保するために、密閉された電池ハウジ
ングが採用されており、ほとんどがさらに安全性を確保
するために、安全弁が設けられている。この安全弁は、
電池ハウジング内の圧力が何らかの原因である値以上に
なると、電池ハウジング外の雰囲気と電池ハウジング内
が連通するように開放されるようになっている。
【0005】ニッケル−水素吸蔵合金蓄電池は、水素イ
オンの電気化学的な酸化還元反応を利用したもので、負
極材料(活物質層)として、水素吸蔵合金を用い、充電
時には負極の水素吸蔵合金に電解液中の水素イオンを還
元した水素を貯蔵し、放電時には貯蔵した水素を酸化し
て電解液中に水素イオンとして放出する。正極材料(活
物質層)としては水酸化ニッケル(水酸化第一ニッケ
ル、Ni(OH)2 )が用いられ、充電時には酸化さ
れ、放電時には還元され元の水酸化ニッケルに戻る。充
電時に負極の水素吸蔵合金に水素を効率よく貯蔵し、電
池の容量を高めるために通常電池ハウジング(電槽)に
密閉されるタイプが採用されている。
【0006】リチウム電池は、リチウムイオンの電気化
学的な酸化還元反応を利用した電池であり、リチウムが
大気中の水分と反応し、電池の容量低下を引き起こすた
め、電解液の溶媒には水分を十分除去した非水の有機溶
媒や無機溶媒が使用され、かつ、密閉される電池ハウジ
ングが採用され、電池の組み立ても十分に水分の除去さ
れた雰囲気で行なわれている。現在市販されているリチ
ウム一次電池と研究されているリチウム金属二次電池で
は負極材料(活物質)層にリチウム金属が用いられてい
る。また、市販されているいわゆる“リチウムイオン電
池”はリチウムイオンを充電時に層間にインターカレー
トできる黒鉛などの炭素材を負極材料(活物質)層に用
い、正極には、放電時に層間にリチウムイオンをインタ
ーカレートできる遷移金属化合物が用いられている。
(ここでは、リチウム一次電池、リチウム金属二次電
池、リチウムイオン電池を総称としてリチウム電池と呼
ぶことにする。)
【0007】既に携帯用機器に数多く使用されている上
記蓄電池をはじめとする密閉型の各種電池では、新たな
携帯用機器の開発に加えて、将来電気自動車、ロードコ
ンディショナー、電力貯蔵の用途として発展し、消費量
も拡大する一方であると予想されるとともに、上記密閉
型電池の回収と電池内部材の再利用が必須になると考え
られる。
【0008】しかし、上記密閉型電池から構成部材を回
収するためには、まず密閉されている電池ハウジングを
開封しなければならず、開封時に正極と負極が抵触し、
短絡を引き起こし、残存していた電気容量が短時間に急
激に消費され発熱が起こり、電池の構成部材の変質を生
じさせてしまう場合も起こるという、そして再利用可能
な部材の回収率が低下するといった問題点があった。し
たがって、上記密閉型電池では、開封時に正極と負極が
接触した場合でも電池構成部材の変質などの損傷が極力
ない開封方法を含めた電池部材の回収方法の開発が望ま
れる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、この様な従
来の問題点に鑑みてなされたものであり、密閉型電池の
構成部材の回収において、より安全な、変質などの損傷
の起きにくい密閉型電池部材の回収方法及び回収装置
(システム)を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の第一は、密閉型
電池の構成部材の回収方法において、少なくとも正極と
負極間のイオン伝導度を低下させる工程と、該イオン伝
導度を低下させる工程の後に、電池ハウジングを開封す
る工程を有することを特徴とする密閉型電池部材の回収
方法である。
【0011】本発明の第二は、密閉型電池の構成部材の
回収装置において、少なくとも密閉型電池の正極と負極
間のイオン伝導度を低下させる手段と、電池ハウジング
を開封する手段を有することを特徴とする密閉型電池部
材の回収装置である。
【0012】本発明の密閉型電池の構成部材の回収方法
及び装置では、密閉型電池の開封に先立って、正極及び
負極間のイオン伝導度を低下させる工程を経ること、あ
るいは当該工程を行うパートを備えた点で最も特徴的で
ある。
【0013】本発明の密閉型電池部材の回収方法及び回
収装置を用い、電池ハウジングの開封時に、例えば密閉
型電池ハウジング内の電解液または電解液中の溶媒を電
池ハウジング外に取り出して負極と正極間のイオン伝導
度を下げることによって、後続する工程でハウジングを
開封する時あるいは部材をハウジング内からとり出す際
に負極と正極が万が一短絡した場合でも短絡による急激
なエネルギー放出と引火を抑制でき、その結果、より安
全に変質あるいは消失することなく電池を構成する部材
を回収することができ、安全で回収率の高い密閉型電池
の部材回収が実現できる。
【0014】本発明は、密閉型電池が一次電池、二次電
池の如何に係わらず、密閉型電池を構成する部材の回収
方法として有効である。
【0015】本発明の回収方法及び装置が、特に好適に
採用できる密閉型電池としては、例えばリチウムイオン
の酸化還元反応を利用したリチウム電池(負極にリチウ
ムをインターカレートする炭素材を用いたいわゆる“リ
チウムイオン二次電池”を含む)、水素イオンの酸化還
元反応を利用し水素吸蔵合金を負極に使用した蓄電池、
ニッケル−カドミウム蓄電池、鉛蓄電池が挙げられる。
【0016】尚、リチウム電池については、既にカメラ
や腕時計などに多数使用されている、負極にリチウム金
属を使用したリチウム一次電池と、消費量が伸びると予
想されるリチウム二次電池を合わせた、リチウムを含有
するリチウム電池の廃棄処理が他の密閉型電池同様将来
大きな問題になってくることが当然予想され、負極、正
極、電解質、セパレータ、ハウジングをはじめとする構
成部材を分離回収し、再生することが要望される。
【0017】使用済みのリチウム電池から種々の構成材
を分離回収するためには、電池特性の劣化の原因となる
外部からの水分の浸入を抑えるようにして密閉されてい
る電池ハウジング(電槽)を開封しなければならない。
【0018】リチウム電池においても、電池ハウジング
(電槽)の開封の最も簡便な方法として、機械的切断が
考えられるが、特にリチウム電池は単位体積及び単位重
量当たりのエネルギーが非常に高く、可燃性の有機溶剤
などを含有しているので、電池ハウジングの切断によっ
て火花が発生したり、負極と正極が短絡したりする部材
の変質等がひきおこされる場合が全くないとはいえな
い。
【0019】そして、開封後の電池ハウジングに納めら
れた電池構成材を取り出す時、リチウム電池では負極と
正極が接近しているために、短絡し易く、短絡した場合
には電池の残存エネルギーが一挙に放出されるので、急
激な発熱を引き起こすことになる。
【0020】したがって、リチウム電池では、より安全
で、電池構成材料の回収時に損傷を与えない、電池の回
収方法および回収装置が将来求められており、本発明の
回収方法及び装置は特に好ましく適用される。
【0021】本発明の密閉型電池部材の回収方法におい
て、特に電解液を使用する電池である所の上記電池の正
極と負極間のイオン伝導度を低下させる工程が少なくと
も電池ハウジング内の電解液または電解液中の溶媒を電
池ハウジング外に取り出す方法によってなされることが
好ましい。
【0022】密閉型電池に安全弁が設けられている場合
には、上記電解液又はその溶媒をハウジング外に取り出
す操作を、該安全弁を介して、例えば電池ハウジング外
の雰囲気の圧力を減少させ、電池ハウジング内の圧力を
増加させるなどして電池ハウジング内外に差圧を発生さ
せて、該安全弁を作動させて、これを介して行うことが
作業性等の観点で好ましい。上記密閉型電池のハウジン
グ外に取り出した電解液または電解液中の溶媒は、回収
され再生され得る。
【0023】本発明の、密閉型電池部材の回収方法にお
いて、上記密閉型電池の正極と負極間のイオン伝導度を
低下させる工程が、少なくとも密閉型電池を冷却する方
法により行われることも好ましい。
【0024】当該方法を採用する際、特に密閉型電池の
電解液に溶媒が使用されている場合には、上記密閉型電
池の電解液の溶媒の凝固点以下に冷却するのが好まし
い。又、密閉型電池に高分子を用いて固定化した高分子
固体電解質が使用されている場合には、該高分子固体電
解質の高分子のガラス転移点以下に冷却するのが好まし
い。
【0025】上記密閉型電池の冷却方法の具体例として
は、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭
素およびフルオロカーボンから選択される一種類以上の
不燃性の圧縮ガスを利用して冷却する方法が挙げられ
る。
【0026】また、上記密閉型電池の冷却方法として、
密閉型電池を寒剤若しくは液化ガスに浸して冷却する方
法を採用することも好ましい。上記寒剤としては、例え
ばドライアイス−メタノールあるいはドライアイス−エ
タノールが使用される。上記液化ガスとしては、例えば
液体窒素が使用される。この他、密閉型電池を水に浸し
て、水ごと凍らせて冷却することもできる。この場合、
氷中に密封された状態で密閉型電池を開封することが好
ましい。
【0027】本発明の密閉型電池部材の回収方法におい
て、上記工程において正極と負極間のイオン伝導度を低
下させた後、当該電池を開封する工程では、開封を実施
する雰囲気が、不燃性雰囲気であるのが好ましい。不燃
性雰囲気を用いることによって、電池構成部材の酸化、
燃焼を抑制でき、回収する部材の損傷を極力抑えること
ができる。その結果、安全で回収率の高い密閉型電池の
部材回収が実現される。
【0028】上記開封を実施する不燃性雰囲気として
は、例えば、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、
二酸化炭素、水蒸気およびフルオロカーボンから選択さ
れる一種類以上のガスから成る雰囲気が採用される。電
池内部の正極と負極間のイオン伝導度の低下に上述した
冷却手段を採用する場合では、上記の開封雰囲気を構成
するガス種と、冷却手段に用いるガス種が同一であるの
が好ましい。
【0029】上記開封方法としては、例えば、高圧水、
エネルギービームおよび機械切断から選択される切断方
法、研磨材を混合した高圧水をジェットノズルから電池
ハウジングに吹きつけて切断する方法が挙げられる。
【0030】本発明では、上記密閉型電池の開封前(好
ましくは正極と負極間のイオン伝導度低下前)に、電池
を放電させることによって、開封をより安全に行うこと
が可能になる。この放電により、正極活物質層及び負極
活物質層の構成物質の組成が、放電前の残存容量に依ら
ず均一に成り、均一な正極部材及び負極部材の回収が可
能になる。また、放電によって、密閉型電池に残存して
いたエネルギーを回収することも可能になる。
【0031】加えて、密閉型電池の正極、負極間のイオ
ン伝導度を低下させる前に、密閉型電池の形状あるいは
型式によって予め選別することによって、電池を構成す
る部材を効率よく回収することが可能になる。
【0032】本発明の密閉型電池部材の回収装置は、前
述した回収方法の工程を順次行なう手段(パート)から
構成されるものである。上記電池の正極と負極間のイオ
ン伝導度を低下させる手段の好ましい一例は、少なくと
も上記電池ハウジング内の電解液または電解液中の溶媒
を電池ハウジング外に取り出す手段であるのが好まし
い。
【0033】当該手段は、密閉型電池に安全弁が設けら
れている場合には、該安全弁を介して例えば電池ハウジ
ング外の雰囲気の圧力を減少させ、あるいは電池ハウジ
ング内の圧力を増加させるなどの電池ハウジング内外で
の差圧を発生させる。これにより該安全弁を作動させる
機能と、上記電池ハウジング内の電解液または電解液中
の溶媒を電池ハウジング外に取り出す手段を少なくとも
有しているのが好ましい。
【0034】上記密閉型電池ハウジング外に電解液また
は電解液中の溶媒を取り出す手段が少なくとも排気手段
が接続された容器から構成されているのが好ましい。
【0035】更に、上記排気手段が設けられている容器
が、上記密閉型電池の安全弁周辺の電池フタ部分を含め
た電池ハウジング外壁面に密着あるいは接合する部材を
有し、電池から抜き取る電解液または電解液中の溶媒を
上記容器に移すための口(通路)が設けられているのが
好ましい。
【0036】上記容器に空気、窒素若しくは不燃性ガス
を導入できる口がバルブを介して設けることもできる。
上記回収装置(システム)では、例えば上記密閉型電池
のフタを含めたハウジング外壁の一部若しくは全部(電
解液もしくは電解液中の溶媒を抜きとる箇所を含む)と
上記容器から成る密閉された空間を作り、該空間内に上
記電池の安全弁部が含まれた状態で、該空間の圧力を上
記密閉型電池内部の圧力より減じることによって、上記
電池ハウジング内の電解液または電解液中の溶媒を安全
弁を介して上記容器に回収され得る。
【0037】上記回収装置(システム)において、上記
排気手段で該排気手段を備えた容器内の圧力を大気圧よ
り減じた後、該容器を電池ハウジングの電解液もしくは
電解液中の溶媒を抜きとる箇所(例えば安全弁部)を含
む領域に接続し、上記密閉型電池ハウジング外壁と上記
容器から成る空間を形成するのが好ましい。
【0038】又、上記回収装置(システム)において、
排気手段を備えた容器と、電池ハウジングの電解液もし
くは電解液の溶媒を抜きとる箇所(例えば安全弁部)を
含む領域を接続した密閉型電池ハウジング外壁と上記容
器で密閉された空間を形成した後に、上記容器に接続さ
れた排気手段で、上記空間の圧力を、上記密閉型電池内
部の圧力より減じることもできる。
【0039】本発明の密閉型電池部材の回収装置(シス
テム)において、上記密閉型電池の正極と負極間のイオ
ン伝導度を低下させる手段の好ましい他の例が、少なく
とも密閉型電池を冷却する手段である。
【0040】上記密閉型電池の冷却手段に、窒素ガス、
アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素およびフルオ
ロカーボンから選択される一種類以上の不燃性の圧縮ガ
スを利用して冷却するのが好ましい。また、上記密閉型
電池の冷却手段に、寒剤若しくは液化ガス、あるいは電
池を水中に浸漬させ凍結し氷中に密封する部材を用いる
こともできる。
【0041】一方、本発明の密閉型電池の部材の回収装
置(システム)において、電池ハウジングを開封する手
段としては、高圧水切断手段、エネルギービーム切断手
段、機械的切断手段を好ましく用いることができる。
【0042】かかる開封を実施する手段は、不燃性雰囲
気に、例えば窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、
二酸化炭素、水蒸気およびフルオロカーボンから選択さ
れる一種類以上のガス内に設定される。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい態様を、
図1と図2を参照して説明する。図1は、本発明の密閉
型電池部材の回収方法の主要部分の一例を示す工程図で
ある。図1に添って本発明の密閉型電池部材の回収フロ
ーの一例を説明する。
【0044】電池の構成部材の回収方法を効率的に行な
うために、先ず、使用済みの密閉型電池を形状あるいは
型式別に分別する(a2)。次に、電池ハウジング内の
正極と負極間のイオン伝導度を低下させる(a3)。上
記イオン伝導度を低下させる具体的な方法として、前述
したように、 一つには正極と負極間に存在する電解液あるいは電解
液中の溶媒を電池ハウジングに付随している安全弁など
を介して電池ハウジング外に抜き出す方法が挙げられる
(正極、負極間に電解液を用いる場合)。 他の方法として、電池を冷却することによって電解質
あるいは電解液のイオン伝導度を低下させる方法が挙げ
られる。次に、電池ハウジングの開封(a4)、電池ハ
ウジング内の電池構成部材の取り出し(a5)、洗浄
(a6)、個々の部材の分離回収(a7)を行う。
【0045】図2は、密閉型電池が特にリチウム電池で
あり、冷却することによって電池ハウジング内の正極と
負極間のイオン伝導度を低下させた後に、電池ハウジン
グを開封し、電池を構成する部材を回収する、より具体
的な回収フローの一例を示したものである。図2を以下
に説明する。
【0046】分解回収を効率的に行うために、先ず、使
用済みの電池を形状あるいは型式別に分別する(b
2)。次に、電池を冷却して電解質のイオン伝導度を低
下させ、内部抵抗を上げる(b3)。ついで、不燃性雰
囲気下で冷却された電池ハウジングの開封を行う(b
4)。次に、例えば密閉型電池がリチウム電池である場
合、電池ハウジング内の活性なリチウムに反応剤を反応
させて、反応性を低下させる(b5)。その後、電池ハ
ウジング内の電池構成部材を取り出し(b6)、電解質
が液状である場合には、有機溶媒で洗浄し(b7)、電
池構成材の分別回収を行う(b8)。
【0047】場合によっては、図1及び図2の例には図
示していないが、電池形状別の選別後に、電池を放電さ
せて、電池の残存エネルギーを放出させた方が、より安
全に電池ハウジングの開封及び分解回収が可能になる。
電池の残存エネルギーを放出させる具体的な方法として
は、正極、負極端子間に抵抗を接続して放電させる。又
は正極端子、負極端子間にコンデンサを接続し、コンデ
ンサを充電させるといった方法が挙げられる。使用済み
の電池の容量が急激に低下するまで放電することが好ま
しい。
【0048】次に、上述した電池における正極と負極間
のイオン伝導度を減少させる方法として、電解液を電池
から抜き取る。工程の例について図面を参照して具体的
に説明する。
【0049】図3は本発明の回収装置(密閉型電池部材
の回収装置)において、密閉型電池(電池のハウジン
グ)を開封する前に、電解液を抜き取り、正極と負極間
のイオン伝導度を低下させる装置(パート)の一例を示
す断面概略構成図である。図4は本発明の回収装置(シ
ステム)において密閉型電池(電池のハウジング)を開
封する前に、電解液を抜き取り、正極と負極間のイオン
伝導度を低下させる装置(パート)の他の例を示した装
置の断面概略構成図である。
【0050】図3および図4に示す装置は、密閉型電池
を開封することなく、安全弁などを介して電解液あるい
は電解液中の溶媒を抜き取って回収するとともに、密閉
型電池内の正極と負極間のイオン伝導度を低下させるた
めの系の一例である。図3に示す装置では、密閉型電池
の安全弁周辺の電池ハウジング外壁に密着して、安全弁
周辺を局所的に減圧することによってハウジング内外に
差圧を生じさせ安全弁を作動させ電池ハウジング内外を
連通させ、電解液あるいは電解液中の溶媒を抜き取るも
のである。図4に示す装置では、密閉可能な容器に密閉
型電池を収納させた後に、容器を減圧にし、密閉型電池
のハウジング内の内圧を高めてハウジング内外に差圧を
生じさせて安全弁を作動させるものである。
【0051】図3に示す系(装置)及び動作について詳
述する。図3において、100は密閉型電池、101は
電池ハウジング、102は密閉型電池付属の安全弁、1
03は電解液あるいは電解液中の溶媒の抽出用の電解液
抽出管、104は密閉型電池から抜き出した電解液ある
いは電解液中の溶媒の貯蔵をするための電解液貯蔵タン
ク、105は真空ポンプなどの排気手段、106は密着
させるために使用するOリング、107は排気管、10
8は電解液あるいは電解液中の溶媒を抜き出すための開
閉バルブからなる電解液抜き出し用バルブ、109は排
気系に接続するための開閉バルブからなる排気バルブ、
110は抜き取った電解液あるいは電解液中の溶媒をタ
ンクから排出するための排液バルブ、113は減圧され
た系内に空気あるいは不燃性ガスを導入するリークバル
ブである。
【0052】電解液抽出管103は一端に密閉型電池の
安全弁周辺(電池蓋部)を含めた周縁部にOリング10
6を備えた第一の開口部と、電解液拭き出し用バルブ1
08を介した他端の第二の開口部と、分岐してリークバ
ルブ113を備えた不燃性ガスを導入できる開口部を有
する。密閉型電池100の安全弁l02付近(電池蓋
部)を含めたハウジング外壁部に電解液抽出管103の
第一の開口部側がOリング106を介して密着又は接合
される。電解液抽出管103は第二の開口部側において
電解液貯蔵タンク104に挿入されており、密閉型電池
100とタンク104内を連通させている。
【0053】上記の系において、密閉型電池100の安
全弁102を含むハウジング外壁の一部と、抽出管10
3と、タンク104からなる空間を形成し、電解液貯蔵
タンク104に排気バルブ109を有する排気管107
を介して接続された排気手段105により系内を減圧し
て、上記空間を密閉型電池100内部の圧力より小さく
なるようにする。ここで、密閉型電池100は安全弁1
02が設けられた箇所を下方に向けて配置される。こう
して、密閉型電池100の安全弁102が作動し(開放
し)、電池内部の電解液を抽出管103を経てタンク1
04内に抽出され回収される。こうして、密閉型電池1
00内の正極と負極間では電解液の不在となり、イオン
伝導度が低減される。尚、上記操作では必要に応じてリ
ークバルブ113を作動させて系内に空気、窒素又は不
燃性ガスを導入することが好ましい。
【0054】尚、電解液貯蔵タンク104内に抽出され
た電解液は一定量ごとに廃液バルブ1l0を作動させて
該バルブを介し外部に排出され回収され、再生され得
る。
【0055】図4に示す系(装置)及びその動作につい
て詳述する。同図に示す系では、電解液抽出管103の
一端側にこれに連通して電池収納器111が設けられ、
内部に密閉型電池100が収容される。該収納器111
はその開口側においてOリング106を介して電池収納
容器蓋112が設けられ、収納器内部が密閉されてい
る。更に収納器111の一壁面にはリークバルブ113
が設けられている。電解液抽出管103は電解液抜き出
し用バルブ108を有して他端側において電解液貯蔵タ
ンク104に挿入されている。他の部材の構造及び配置
については図3に示す系と同様である。
【0056】上記の系において、電池収納器111と、
電池収納容器蓋112と、安全弁102を含むハウジン
グ外壁の全部と、抽出管103と、タンク104からな
る空間を形成し、電解液貯蔵タンク104に排気バルブ
109を有する排気管107を介して接続された排気手
段105により系内(電解液抽出管103から電解液貯
蔵タンク104)を減圧して、上記空間を密閉型電池1
00内部の圧力より小さくなるようにする。こうして、
密閉型電池100の安全弁102が作動し(開放し)、
電池内部の電解液を抽出管103を経てタンク104内
に抽出され回収される。こうして、密閉型電池100内
の正極と負極間では電解液の不在によりイオン伝導度が
低減される。
【0057】このように図3又は図4に示す系で電解質
が抜き取られた密閉型電池は、正極と負極間のイオン伝
導度が減少された状態で、種々の方法によりその電気ハ
ウジングが開封され、内容部材が回収される。
【0058】次に、密閉型電池における正極と負極間の
イオン伝導度を減少させ電池部材を回収する方法におい
て、電池を冷却して電池内部の電気抵抗を上昇させる工
程、更にこの冷却された電池のハウジングを開封する工
程の例について、当該工程を行なうパートを有する装置
を(図5)を参照して説明する。
【0059】図5は、本発明の密閉型電池部材の回収装
置の、密閉型電池を冷却して、電池ハウジングを開封す
る部分の一例を示す概略構成図である。図5の装置で
は、密閉型電池の冷却装置として圧縮ガスを利用して冷
却する方法を採用し、電池ハウジングを開封する際の雰
囲気に冷却に用いた不燃性ガスと同一のものを用いた場
合を示した。また、電池の冷却に用いたガスを回収し純
化して圧縮して再利用する手段も備えている。電池ハウ
ジングの開封手段には、高圧水あるいはエネルギービー
ムを用いている。
【0060】図5に示す装置及び動作について詳述す
る。図5において、200は密閉型電池、201は冷却
装置(低温ガス吐出装置)、202は低温ガス、203
は不燃性雰囲気、204は電池ハウジングの開封装置、
205は高圧水又はエネルギービーム、206は冷却及
び切断ラインの外気との隔壁、207は密閉型電池の固
定台、208は密閉型電池の搬送装置、209は圧縮ガ
スの送ガス管、210はコンプレッサー、211は水分
などの不純物除去装置、212は不燃性ガス回収装置、
213は不燃性ガス回収用送ガス管、214は高圧水あ
るいはエネルギービーム発生装置、215は高圧水の輸
送管あるいはエネルギービームの伝送管である。
【0061】同図に示す装置においては、隔壁206で
区画されたチャンバー内に設けられた搬送装置208に
備えられた固定台207に使用済みの密閉型電池200
を固定し、冷却装置201を有する冷却工程の領域、及
び開封装置204を有する開封工程の領域に順次搬送す
る。隔壁206で区画された空間は、冷却装置201の
領域及び開封装置204の領域のいずれもが同様に不燃
性ガスで満たされている(不燃性雰囲気203)。
【0062】冷却装置201では、不燃性ガスを冷却し
た低温ガス202を密閉型電池200に供給し、内部の
電解質を冷却しそのイオン伝導度を低下させる。ここで
低温ガス202としては、好ましくは隔壁206内の不
燃性ガスを循環させて使用する。即ち、該不燃性ガス
が、該隔壁で区画されたチャンバーに接続されたガス回
収用送ガス管213を通じて不燃性ガス回収装置212
によって回収され、不純物除去装置211により不純物
を除去し、更にコンプレッサー2l0により圧縮され、
冷却装置201に供給される。そして、低温ガス(圧縮
ガス)202として密閉型電池200に供給される。
【0063】尚、上記の密閉型電池の冷却の工程では、
例えば寒剤や、液化ガスを用い電池の冷却を行なうこと
もできる。また、密閉型電池を水に浸しそのまま凍らせ
て氷中に密封して、電池を冷却することもできる。
【0064】続いて、開封装置204では、例えば高圧
水或いはエネルギービーム205を上述したような工程
で冷却された密閉型電池200に作用させ、該電池のハ
ウジングの開封を行なう。高圧水或いはエネルギービー
ムは、高圧水或いはエネルギービーム発生装置214で
形成され、輸送管又は伝送管215を通じて開封装置2
04に供給される。
【0065】上記装置を用いた場合等における冷却工程
での更に詳細な設定について述べる。 〔冷却温度〕密閉型電池がリチウム電池の場合に電解質
のイオン伝導度を低下させるには、具体的には上記リチ
ウム電池の電解液に有機溶媒が使用されている場合に
は、電解液の有機溶媒の凝固点以下に冷却し、電解質に
高分子を使用して固定化した高分子固体電解質が使用さ
れている場合には、該高分子固体電解質の高分子のガラ
ス転移点以下に冷却するのが好ましい。より具体的な冷
却温度の範囲としては、0℃以下が好ましく、−20℃
以下がより好ましい。密閉型電池の電解液の溶媒に水が
使用されているニッケル−水素電池、ニッケル−カドミ
ウム電池、鉛電池などでも、冷却温度は上記範囲が好ま
しい。
【0066】〔冷却手段〕密閉型電池の電解質のイオン
伝導度を低下させるためのより具体的手段としては、不
燃性の圧縮ガスを利用した冷却(図5に示す装置201
のような形態)、液化ガスあるいは寒剤による冷却など
の冷却方法が挙げられる。
【0067】圧縮ガスの膨張を利用した冷却装置の一例
としては、図6の、圧縮ガス供給口705、調圧弁70
6付き熱風排出口708、冷却ガス出口702、渦流発
生器703を備えたチューブ形の冷却装置が挙げられ
る。この冷却装置の高圧ガス供給口705に供給圧縮ガ
ス704を流すことによって、冷却ガス出口702から
冷却ガス701が吐出される。温度16℃のガスを圧力
3〜7kg/cm2 で高圧ガス供給口に供給した場合
には、−10〜−50℃程度の冷風が得られることにな
る。この冷却装置に用いる圧縮ガスのガス種としては、
本発明では、不燃性のガスである、窒素ガス、アルゴン
ガス、ヘリウムガス、二酸化炭素、フルオロカーボンか
ら選択される一種以上のガスを用いるのが好適である。
【0068】これにより、特に、当該電池の冷却と後続
する開封の工程を連続した雰囲気で行う場合、切断など
の手法での電池ハウジングの開封時に万が一負極と正極
が短絡した場合でも、火花の発生を抑えることができ
る。さらに、切断といった操作を行わず、分解して開封
可能な電池ハウジングを使用した密閉型電池において
も、電極などの取りだし時に負極と正極が短絡して発火
が発生することを避けることができるので安全に回収作
業が行われる。
【0069】液化ガスを用いる方法としては、液体窒
素、液体ヘリウム等の液化ガスに開封すべき電池を直接
浸して冷却するか、電池ハウジングに液化ガスの気化し
た低温のガスを吹きつけて冷却する方法を取ることがで
きる。
【0070】寒剤を用いる場合、寒剤の具体例として
は、ドライアイス−メタノールあるいはドライアイス−
エタノール、氷などが挙げられる。また、密閉型電池を
水に浸漬し、水ごと凍結させ、氷中に密封して電池を冷
却することもできる。
【0071】続いて、本発明の方法で採用する、例えば
上述した図4に示す装置で電解質のイオン伝導度が低下
された密閉型電池の開封工程、あるいは図5に示す装置
での開封工程での更に詳細な設定について述べる。
【0072】〔開封雰囲気〕(図5に示す装置では20
3) 本発明の方法において電池ハウジングの開封を行う雰囲
気は、不燃性のガスである、窒素ガス、アルゴンガス、
ヘリウムガス、二酸化炭素、水蒸気およびフルオロカー
ボンから選択される一種類以上のガスを用いるのが好適
である。これにより、電池ハウジングの開封時に万が一
負極と正極が短絡した場合でも、火花の発生、電池構成
部材の酸化による損傷を抑えることができる。前記冷却
手段で低温ガスを吹きつけて冷却する手段を採用する場
合には、低温ガスのガス種と同種のガスを開封雰囲気に
使用することによって、ガスの回収再利用なども含めて
運転が容易で運転コストも安価になる利点を有してい
る。
【0073】フルオロカーボンの例としては、テトラフ
ルオロメタン、ヘキサフルオロエタン、パーフルオロプ
ロパン、トリフルオロメタン、モノブロモトリフルオロ
メタン、ジクロロジフルオロメタン、クロロトリフルオ
ロメタンなどが挙げられる。
【0074】〔開封手段〕(図5に示す装置では20
4) 本発明の方法において、密閉型電池ハウジングの開封を
行う開封手段の例としては、高圧水、エネルギービー
ム、機械切断などが挙げられる。
【0075】高圧水による切断は、1,000kg/c
2 以上、より好ましくは3,000kg/cm2 以上
の超高圧の水をノズルからジェット状にして電池ハウジ
ングに吹きつけて切断するものである。電池ハウジング
の材質に応じて超高圧水に研磨剤を混合し吹きつけて切
断することも可能である。上記開封手段のエネルギービ
ームの例としては、レーザービーム、電子ビームなどが
挙げられる。上記開封手段の機械的切断の手段として
は、円盤状の刃を高速回転して切断する装置、シェアな
どが挙げられる。尚、前述した氷中に電池を密封して冷
却した場合、密封された状態で開封することが好まし
い。
【0076】上述したように電解質のイオン伝導度の低
下がなされ、更にハウジングの開封がなされた密閉型電
池については、必要に応じてハウジング内部の洗浄等が
なされた後、電池構成部材の取り出し、分別、分離工程
に移され、最終的に電池を構成する部材を回収する。
【0077】〔活性なリチウムの反応性の低減及びリチ
ウム元素の回収〕密閉型電池がリチウム電池である場
合、電池ハウジングの開封後に、リチウム電池に含有さ
れる活性なリチウムの反応性を低下することによって、
その後の電池を構成する部材の回収を安全に行うことが
可能になる。反応性の高い活性なリチウムの反応性を低
下させる手段としては、反応剤を反応させる方法が挙げ
られる。また、反応剤とリチウムとの反応生成物から、
リチウム元素の回収も容易になる。上記反応剤の具体例
としては、水、アルコール、酸、二酸化炭素から選択さ
れる一種類以上の反応剤が挙げられる。
【0078】〔電解液の回収〕密閉型電池の内圧を高め
て電解液を電池ハウジング外に抜き取った後に電池ハウ
ジングを開封する方法を用いる場合には、電解液の回収
は容易に実施できる。一方、密閉型電池を冷却して電池
ハウジングを開封する場合は、以下のような手順で電解
液を回収する。
【0079】密閉型電池の電解液が水溶液である場合に
は、電池ハウジングの開封後に水洗浄し、洗浄液を回収
ろ過の後、水を蒸発させて電解質を回収することができ
る。
【0080】上記開封して構成部材を回収すべき密閉型
電池がリチウム電池で、電解質を有機溶媒に溶解した電
解液が使用されている場合には、電池ハウジングの開封
後に有機溶媒で洗浄する工程を導入して、分留操作を経
て電解液を回収する。また、この洗浄工程で使用する有
機溶媒に、水と共沸混合物をつくらない有機溶剤を用い
た場合には、電池ハウジングの切断手段に高圧水による
切断を採用することができるし、活性なリチウムの反応
性を低下させる反応剤として安価な水を採用することが
できる。
【0081】〔水と共沸混合物を作らない洗浄用有機溶
媒〕本発明をリチウム電池に適用する場合、開封後の洗
浄に使用する有機溶媒に水と共沸混合物を作らないもの
を使用することで、リチウム電池内の活性なリチウムと
の反応剤に安価な水を用いた場合にも、水と洗浄用有機
溶媒を容易に分留で分離できる。
【0082】水と共沸混合物を作らない洗浄用有機溶媒
の例としては、メタノール、アセトン、1,2−プロパ
ンジオール、ジメチルスルホキシド、ブチロラクトン、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどが
挙げられる。
【0083】図7は、本発明の回収方法で構成部材を回
収する、密閉型電池の基本構造の断面を示す概念図であ
り、負極301と、正極302、セパレータ及び電解質
303が、電池ハウジング304に納められて構成され
ている。なお、電解質に固体電解質が採用されている場
合には、セパレータが設けられていない場合もある。負
極301には負極端子305が、正極302には正極端
子306が夫々接続されている。
【0084】本発明で構成部材を収容する密閉型電池
(特に二次電池)の具体的な形状としては、例えば、扁
平形、円筒形、直方体形、シート形などがある。又、電
池の構造としては、例えば、単層式、多層式、スパイラ
ル式などがある。その中でも、スパイラル式円筒形の電
池は、負極と正極の間にセパレータを挟んで巻くことに
よって、電極面積を大きくすることができ、充放電時に
大電流を流すことができるという特徴を有する。また、
直方体形やシート形の電池は、複数の電池を収納して構
成する機器の収納スペースを有効に利用することができ
る特徴を有する。
【0085】以下では、図8、図9、図10を参照し
て、電池の形状と構造についてより詳細な説明を行う。
図8は単層式扁平形(コイン形)電池の断面図であり、
図9はスパイラル式円筒形電池の断面図を、図10は直
方体形電池の断面構造を表している。これらのリチウム
電池は基本的には図7と同様な構成で、負極、正極、電
解質・セパレータ、電池ハウジング、出力端子を有す
る。
【0086】図8と図9と図10において、401と5
02と601は負極、403と508と603は正極、
405と505と605は負極端子(負極キャップ)、
406と506と606は正極端子(正極缶)、407
と507と607はセパレータ・電解液、410と51
0はガスケット、500と600は負極集電体、504
は正極集電体、511は絶縁板、512は負極リード、
513は正極リード、514と614は安全弁で、60
9は電池ハウジング(電槽)である。
【0087】図8に示す扁平型(コイン型)の密閉型電
池では、正極活物質層を含む正極403と負極材料層を
備えた負極401が少なくとも電解液を保持したセパレ
ータ407を介して積層されており、この積層体が正極
端子としての正極缶406内に正極側から収容され、負
極側が負極端子としての負極キャップ405により被覆
されている。そして正極缶内の他の部分にはガスケット
410が配置されている。
【0088】図9に示すスパイラル式円筒型の密閉型電
池では、正極集電体504上に形成された正極(材料)
層503を有する正極508と、負極集電体500上に
形成された負極(材料)層501を有した負極502
が、少なくとも電解液を保持したセパレーター507を
介して対向し、多重に巻回された円筒状構造の積層体を
形成している。当該円筒状構造の積層体が、正極端子と
しての正極缶506内に収容されている。また、当該正
極缶506の開口部側には負極端子としての負極キャッ
プ505が設けられており、正極缶内の他の部分におい
てガスケット510が配置されている。円筒状構造の電
極の積層体は絶縁板511を介して負極キャップ側と隔
てられている。負極502については負極リード512
を介して負極キャップ505に接続されている。又正極
508については正極リード513を介して正極缶50
6と接続されている。負極キャップ側には電池内部の内
圧を調整するための、更に前述したように電解液を外部
に抽出するために利用する安全弁514が設けられてい
る。
【0089】図10の直方体電池の例では、負極601
/電解液を含有したセパレーター607/正極603か
らなる単位セルをセパレーターを介して複数個重ね、並
列接続されており、これらが電池ケース609(電槽)
内に収容されている、負極601は負極端子605に、
正極603は正極端子606に接続されている、また当
該密閉型電池には後述するような安全弁614が設けら
れている。
【0090】上述した密閉型電池の例における部材の態
様について説明する。 (ガスケット)ガスケット(410、510)の材料と
しては、例えば、フッ素樹脂、ポリアミド樹脂、ポリス
ルフォン樹脂、各種ゴムが使用できる。電池の封口方法
としては、図8と図9のような構造では好ましくはガス
ケットを用いて負極キャップ(405、505)に「か
しめ」がなされている方法が用いられるが、ガラス封
管、接着剤、溶接、半田付けなどの方法が用いられる。
【0091】また、図9の絶縁板(511)の材料とし
ては、各種有機樹脂材料やセラミックスが用いられる。
【0092】(電池ハウジング/正極缶、負極キャッ
プ)本発明で回収がなされる密閉型電池で各部材を収容
する電池ハウジングとしては、例えば、図8及び図9に
示す例のように電池の各電極端子と正極缶及び負極キャ
ップ等を兼用する。図8に示す例では正極缶406及び
負極キャップ405が、図9に示す例では、正極缶50
6及び負極キャップ505が、夫々出入力端子を兼ねる
電池ハウジングとなる。出入力端子を兼ねる電池ハウジ
ングの材料としては、ステンレススチールが好適に用い
られる。特に、チタンクラッドステンレス板や銅クラッ
ドステンレス板、ニッケルメッキ鋼板などが多用され
る。
【0093】特に図8と図9に示す例では正極缶40
6、506が電池ハウジングを兼ねているため、上記の
ステンレススチールが好ましい。一方、図10に示す例
のように正極缶ないし負極缶が電池ハウジングを兼用し
ない場合には、電池ハウジングの材質としては、ステン
レススチール以外にも亜鉛などの金属、ポリプロピレン
などのプラスチック、又は金属若しくはガラス繊維とプ
ラスチックの複合材が挙げられる。
【0094】(安全弁)本発明で回収がなされる密閉型
の電池には、電池の内圧が高まった時の安全対策とし
て、安全弁(図9に示す例では514、図10に示す例
では614)が設けられることが好ましい。安全弁とし
ては、例えば、ゴム、スプリング、金属ボール、破裂箔
なとが使用できる。かかる安全弁は、前述したように電
池内の電解質を抜き取る部材に適用することができる。
【0095】続いて、本発明で用いる密閉型電池を構成
する部材について説明する。 〔負極〕本発明において用いる密閉型電池の電解液が水
溶液系であるものとして、例として鉛蓄電池、ニッケル
−カドミウム蓄電池、ニッケル−水素(化物)蓄電池、
ニッケル−亜鉛蓄電池が挙げられる。それらの電池の負
極は、鉛、カドミウム、水素吸蔵合金、亜鉛のそれぞれ
の負極材料(活物質)と集電体から構成されている。
【0096】本発明における密閉型電池がリチウム電池
である場合の負極としては、放電前の状態でリチウムを
保持しているもの、例えば、リチウム金属、リチウムを
インターカレートした炭素材料や遷移金属酸化物や遷移
金属硫化物、リチウム合金などの主構成物と、少なくと
も集電体から構成されている。
【0097】〔負極の集電体〕本発明で用いる密閉型電
池における負極の集電体は、充放電時の電極反応で消費
する電流を効率よく供給する、あるいは発生する電流を
集電する役目を担っている。したがって、負極の集電体
を形成する材料としては、電導度が高く、かつ、電池反
応に不燃性な材質が望ましい。
【0098】好ましい材質としては、ニッケル、チタニ
ウム、銅、アルミニウム、ステンレススチール、白金、
パラジウム、金、亜鉛、各種合金、及び上記材料の二種
以上の複合金属が挙げられる。集電体の形状としては、
例えば、板状、箔状、メッシュ状、スポンジ状、繊維
状、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどの形成
状が採用されている。
【0099】〔正極〕本発明で用いられる密閉型電池に
おける正極は、集電体、正極材料(活物質)、導電補助
材、結着剤などから構成されるものである。この正極
は、正極活物質、導電補助材及び結着剤などを混合した
ものを、集電体の表面上に成形して作製される。
【0100】正極に使用する導電補助材としては、黒
鉛、ケッチェンブラックやアセチレンブラックなどのカ
ーボンブラック、ニッケルなどの金属微粉末などが挙げ
られる。
【0101】正極に使用する結着剤としては、例えば、
電解液が非水溶媒系の場合には、ポリエチレンやポリプ
ロピレンなどのポリオレフィン、又はポリフッ化ビニリ
デンやテトラフルオロエチレンポリマーのようなフッ素
樹脂が挙げられる。電解液が水溶液である場合には、上
記非水溶媒系に使用の結着剤の材料に加えて、セルロー
ス類、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニルなどが使
用される。
【0102】水溶液系の電解液を用いた密閉型電池の代
表例である鉛蓄電池、ニッケル−カドミウム、ニッケル
−水素(化物)蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池の正極活
物質としては、それぞれ酸化鉛、オキシ水酸化ニッケル
(III)もしくは水酸化ニッケルが使用されている。
【0103】密閉型電池がリチウム電池の場合の正極材
料(活物質)としては、遷移金属酸化物、遷移金属硫化
物、リチウム−遷移金属酸化物、又はリチウム−遷移金
属硫化物が一般に用いられる。遷移金属酸化物や遷移金
属硫化物の遷移金属元素としては、例えば、部分的にd
殻あるいはf殻を有する元素であるところの、Sc,
Y,ランタノイド,アクチノイド,Ti,Zr,Hf,
V,Nb,Ta,Cr,Mo,W,Mn,Tc,Re,
Fe,Ru,Os,Co,Rh,Ir,Ni,Pd,P
t,Cu,Ag,Auが挙げられる。特に、第一遷移系
列金属であるTi,V,Cr,Mn,Fe,Co,N
i,Cuが好適に用いられる。
【0104】〔正極の集電体〕本発明における密閉型電
池で用いる正極の集電体は、充放電時の電極反応で消費
する電流を効率よく供給するあるいは発生する電流を集
電する役目を担っている。したがって、正極の集電体を
形成する材料としては、電導度が高く、かつ、電池反応
に不燃性な材質が望ましい。
【0105】好ましい材質としては、ニッケル、チタニ
ウム、銅、アルミニウム、ステンレススチール、白金、
パラジウム、金、亜鉛、各種合金、及び上記材料の二種
以上の複合金属が挙げられる。ただし、単体で電解液中
に溶出し易いものは溶出しない安定な他の金属でコーテ
ィング処理をするなどが必要である。集電体の形状とし
ては、例えば、板状、箔状、メッシュ状、スポンジ状、
繊維状、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどの
形状が採用されている。
【0106】尚、本発明では「活物質」とは電池におけ
る充電及び放電の電気化学的可逆反応のくり返しに関与
する物質である。更に、上記の物質であって、自身で上
記反応に関与し、他の上記反応に関与する物質をも包含
する。 〔セパレータ〕本発明における密閉型電池でのセパレー
タは、負極と正極の短絡を防ぐ役割がある。また、電解
液を保持する役割を有する場合もある。
【0107】セパレータは、電池の充放電反応に係るイ
オンが移動できる細孔を有し、かつ電解液に不溶で安定
である必要ある。したがって、セパレータとしては、例
えば、ガラス、ポリプロピレンやポリエチレンなどのポ
リオレフィン、フッ素樹脂、ポリアミドなどの不織布あ
るいはミクロポア構造の材料が好適に用いられる。ま
た、微細孔を有する金属酸化物フィルム、又は金属酸化
物を複合化した樹脂フィルムも使用できる。
【0108】〔電解質〕本発明における密閉型電池での
電解質の使用法としては、次の3通りが挙げられる。 (1)そのままの状態で用いる方法。 (2)溶媒に溶解した溶液として用いる方法。 (3)溶液にポリマーなどのゲル化剤を添加することに
よって、固定化したものとして用いる方法。
【0109】一般的には、溶媒に電解質を溶かした電解
液を多孔性のセパレータに保液させて使用する。電解質
の導電率は、25℃における値として、好ましくは1×
10-3S/cm以上、より好ましくは5×10-3S/c
m以上であることが必要である。
【0110】鉛蓄電池では電解液に硫酸水溶液が用いら
れている。ニッケル−カドミウム蓄電池、ニッケル−水
素(化物)蓄電池、ニッケル−亜鉛蓄電池では、電解質
にアルカリ水溶液が用いられ、一般的には水酸化リチウ
ムを添加した水酸化カリウム水溶液が用いられている。
【0111】リチウム電池では、以下に示す電解質とそ
の溶媒が好適に用いられる。電解質としては、例えば、
2 SO4 、HCl、HNO3 などの酸、リチウムイオ
ン(Li+ )とルイス酸イオン(BF4 - 、PF6 -
AsF6 - 、ClO 4 - 、CF3 SO3 - 、BPh4 -
(Ph:フェニル基))から成る塩、およびこれらの混
合塩が挙げられる。また、ナトリウムイオン、カリウム
イオン、テトラアルキルアンモニウムイオンなどの陽イ
オンとルイス酸イオンからなる塩も使用できる。上記塩
は、減圧下で加熱したりして、十分な脱水と脱酸素を行
っておくことが望ましい。
【0112】上記電解質の溶媒としては、例えば、アセ
トニトリル、ベンゾニトリル、プロピレンカーボネイ
ト、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジ
エチルカーボネート、ジメチルホルムアミド、テトラヒ
ドロフラン、ニトロベンゼン、ジクロロエタン、ジエト
キシエタン、1,2−ジメトキシエタン、クロロベンゼ
ン、γ−ブチロラクトン、ジオキソラン、スルホラン、
ニトロメタン、ジメチルサルファイド、ジメチルサルオ
キシド、ギ酸メチル、3−メチル−2−オキダゾリジノ
ン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−プロピルシド
ノン、二酸化イオウ、塩化ホスホニル、塩化チオニル、
塩化スルフリル又はこれらの混合液が使用できる。
【0113】上記溶媒は、リチウム電池に使用するため
に、例えば、活性アルミナ、モレキュラーシーブ、五酸
化リン、塩化カルシウムなどで脱水するか、溶媒によっ
ては、不燃性ガス中でアルカリ金属共存下で蒸留して不
純物除去と脱水をも行われる。
【0114】電解液の漏洩を防止するために、ゲル化す
ることが好ましい。ゲル化剤としては電解液の溶媒を吸
収して膨潤するようなポリマーを用いるのが望ましい。
このようなポリマーとしては、ポリエチレンオキサイ
ド、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミドなどが
用いられる。
【0115】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0116】実施例1 本実施例では、図10に示した角形のニッケル−水素化
物蓄電池を図1のフローシートに基づき、前述した回収
装置の一部である図3の装置を用い、上記電池の正極と
負極間のイオン伝導度を低下させた後、電池ハウジング
を開封し、洗浄後電池を構成する部材を取り出し、分別
回収した。
【0117】ここで用いた使用済みのニッケル−水素化
物蓄電池としては、正極が多孔質ニッケルに水酸化ニッ
ケルとニッケル微粒子を充填したもの、負極が多孔質ニ
ッケルに水素吸蔵合金粉末と結着剤を充填したもの、電
解液が水酸化リチウム添加の水酸化カリウム水溶液であ
り、電池ハウジングがポリプロピレン製のものである密
閉型電池を使用して、構成部材の回収を行なった。
【0118】以下では、図1と図3を参照して、電池内
のイオン伝導度低下、開封、回収について順次説明す
る。
【0119】使用済みの上記角形ニッケル−水素化物
蓄電池の出力端子にコンデンサを接続し、残存電気量を
放電させた。 放電させた上記電池の安全弁部を下方にして、図3の
ようにセットした。
【0120】排気手段105である真空ポンプを起動
させ、排気バルブ109を開け、電解液貯蔵タンク10
4内を減圧にした後、排気バルブ109を閉じ、次に電
解液抜き出し用バルブ108を開け、電池の安全弁を作
動させ、高まった電池ハウジング内の気圧で電解液を押
し出し、電解液貯蔵タンク104に電池内の電解液を抜
き取った。その後、リークバルブ113を開け、窒素ガ
スを導入し、貯蔵タンク104内を大気圧に戻し、電解
液を抜き取った電池を取りはずした。電解液を抜き取っ
た電池は当然のことながら、電池内の正極と負極間のイ
オン伝導度は低下し、電池の内部抵抗は増大した。電解
液は貯蔵タンク104内に回収された。尚、得られた電
解液については、ろ過、精製することにより再利用する
ことができる。
【0121】上記の操作で電解液を抜き取った電池
を、高圧水切断装置にセットし、研削材粉を混合した3
500kg/cm2 の高圧水を吹きつけ、電池ハウジン
グを切断し、開封した。 電池ハウジング開封後、正極、負極、セパレータを取
り出し、水洗、乾燥の後、それぞれ分別して回収した。
【0122】の操作で予め電解液を抜き取っていたた
め、特に電極取り出し時に正極と負極が接触してもエネ
ルギーが放出されることなく安全に回収操作を実行でき
た。尚、電解液を抜きとる前の電池の正極端子及び負極
端子間インタピーダンスをインピーダンスメータで測定
したところ、2mΩであったのに対し、電解液を抜きと
った後の電池では5MΩ以上であり、インピーダンスの
増大が認められた。上記の電解液の抜きとり操作により
電池の内部抵抗が高くなっていることが判った。
【0123】実施例1では、ニッケル−水素化物蓄電池
の電池構成部材の回収操作に関して記載したが、これに
限定されることなく、ニッケル−カドミウム蓄電池、鉛
蓄電池、リチウムイオン電池を含めたリチウム電池な
ど、液状の電解質を有する、安全弁付き密閉型電池であ
れば適用可能である。
【0124】尚、安全弁のない密閉型電池を用い、電池
ハウジング内に穴を開け、図3のOリング付き電解液抜
き取り口が管状になったものを、上記穴に挿入し、電解
液を抜き取り、後続の工程を行い、上記同様に電池内部
材を回収した。同様に電極とり出し時に正極、負極が接
融してもエネルギーの放出はなく、安全に回収操作がな
された。
【0125】実施例2 本実施例では、図9に示した円筒形のリチウム電池を図
2のフローシートに基づき、図5の冷却・開封装置を用
いて、リチウム電池ハウジングの開封し、洗浄後に電池
を構成する部材を取り出し、分別回収した。
【0126】ここで用いた使用済みのリチウム電池に
は、負極がニッケルのエクスパンドメタルにリチウム金
属箔を圧着して形成されたもの、正極が二酸化マンガン
の正極活物質に導電補助材のアセチレンブラックと結着
剤のポリフッ化ビリニデンとを混合しN−メチルピロリ
ドンを添加して調製したペーストをニッケルメッシュに
塗布し乾燥して形成されたもの、セパレータがポリエチ
レンの微孔セパレータ、電解液がエチレンカーボネート
(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の等量混合
溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム塩を1M(mol/l)
溶解したものであり、負極キャップをかしめて封缶して
あるリチウム一次電池を用いた。尚、電池ハウジングと
してステンレススチールを用いた。
【0127】以下では、図2と図5を参照して、図2の
フローチャートの電池の冷却前に電池残電気量の放電か
ら始め、冷却、開封、回収について順次説明する。冷却
手段としては、液体窒素を使用した。
【0128】使用済みの円筒形リチウム一次電池の残
存電気量を放電回収するために、電池の出力端子にコン
デンサを接続して電池を放電し、コンデンサに残存電気
量を蓄電させた。
【0129】放電させた電池と液体窒素に漬けて(図
5の冷却装置201)、電解液に使用している有機溶媒
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートの凝固点
以下に冷却し、電池内部のイオン伝導度を低下させた。
実施例1の場合と同様に、インピーダンスメーターを用
いて冷却前後の電池の正極端子、負極端子間のインピー
ダンスを測定したところ、冷却前で60mΩ、冷却後で
50kΩ以上に増大し、電池の内部抵抗が増加している
ことが認められた。尚、上記同様の条件で電池に用いる
電解液の冷却操作を行い、冷却前後の電解液のイオン伝
導度を測定したところ、冷却後の電解液は冷却前の1/
10以下となっていた。
【0130】上記の操作で冷却した電池を、アルゴ
ンガス雰囲気下に取り出して、固定台(207)に乗せ
て高圧水切断装置(図5の開封装置204)のところに
搬送し(搬送装置208)、ノズルから3500kg/
cm2 の研磨材を含む超高圧水を吹きつけて切断した。
【0131】切断した円筒形リチウム一次電池を、メ
タノールで洗浄して活性なリチウムはリチウムアルコラ
ートに変えた後、電解液とメタノールの混合溶剤を回収
した。電池ハウジングである円筒缶から、負極、セパー
レータ、正極を取り出して回収した。
【0132】実施例3 本実施例では、図8に示したコイン形のリチウム電池を
図2のフローシートに基づき、図5の冷却・開封装置を
用いて、リチウム電池ハウジングを開封し、洗浄後に各
電池を構成する部材を取り出し、分別回収した。
【0133】ここで用いた使用済みのリチウム電池に
は、負極がニッケルのエクスパンドメタルにリチウム金
属箔を圧着して形成されたもの、正極がリチウム−ニッ
ケル酸化物の正極活物質に導電補助材のアセチレンブラ
ックと結着剤のポリフッ化ビニリデンとを混合しN−メ
チル−2−ピロリドンを添加して調製したペーストをニ
ッケルメッシュに塗布し乾燥して形成されたもの、電解
質がジエチルカーボネートとプロピレンカーボネートの
等量混合溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム塩を1M(mo
l/l)溶解したものにポリエチレンオキサイドを加え
固形化した高分子固体電解質であり、かしめて封缶して
あるリチウム二次電池を用いた。尚、電池ハウジングと
してステンレススチールを用いた。
【0134】以下では、図2と図5を参照して、図2の
フローチャートの電池の冷却から始め、冷却、開封、回
収について順次説明する。冷却手段としては、図5に示
すような圧縮ガスを利用した冷却装置201(米国VO
RTEX社製、VORTEX TUBE)を使用した。
圧縮ガスには二酸化炭素ガスを用いた。
【0135】使用済みのコイン形リチウム二次電池
に、冷却装置(図5に示す201)の供給口に5kg/
cm2 の二酸化炭素ガスを供給し、−40℃の二酸化炭
素の冷風を吹きつけて高分子固体電解質に使用している
ポリエチレンオキサイドのガラス転移点以下に冷却し、
電池内部のイオン伝導度を低下させた。実施例1の場合
と同様に電池の冷却前後の正極端子、負極端子間のイン
ピーダンスを測定したところ、冷却前では500mΩ、
冷却後では5MΩ以上であり、電池の内部抵抗が増大し
ていることが認められた。この結果と実施例2における
電解液のイオン伝導度の測定結果によれば、上記の冷却
操作により電解液のイオン伝導度が低下していることが
認められる。
【0136】上記の操作で冷却した電池を、二酸化
炭素雰囲気下に取り出して、固定台(207)に乗せて
YAGレーザー切断装置(図5に示す開封装置204)
のところに搬送し(搬送装置208)、レーザービーム
を照射して切断した。 切断したコイン形リチウム二次電池缶から、負極、高
分子電解質、正極を取り出して回収した。
【0137】実施例4 本実施例では、図9に示した円筒形のリチウム二次電池
を図2のフローシートに基づき、図5の冷却・開封装置
を用いて、リチウム電池ハウジングを開封し、洗浄後に
各電池を構成する部材を取り出し、分別回収した。
【0138】ここで用いた使用済みのリチウム電池に
は、負極が銅箔に天然黒鉛と結着剤のポリフッ化ビリニ
デンとを混合しN−メチル−2−ピロリドンを添加して
調製したペーストを塗布乾燥して形成されたもの、正極
がリチウムコバルト酸化物の正極活物質に導電補助材の
アセチレンブラックと結着剤のポリフッ化ビリニデンと
を混合し、N−メチル−2−ピロリドンを添加して調製
したペーストをアルミニウム箔に塗布し乾燥して形成さ
れたもの、セパレータがポリエチレンの微孔セパレー
タ、電解液がエチレンカーボネート(EC)とジメチル
カーボネート(DMC)の等量混合溶媒に四フッ化ホウ
酸リチウム塩を1M(mol/l)溶解したものであ
り、かしめて封缶してあるリチウム二次電池を用いた。
尚、電池ハウジングとしてステンレススチールを用い
た。
【0139】以下では、図2と図5を参照して、図2の
フローチャートの電池の冷却前に電池残存電気量の放電
から始め、冷却、開封、回収について順次説明する。冷
却手段としては、図5に示すように圧縮ガスを利用した
冷却装置201(米国VORTEX社製、VORTEX
TUBE)を使用した。圧縮ガスにはアルゴンガスを
用いた。
【0140】使用済みの円筒形リチウム二次電池の残
存電気量を放電回収するために、電池の出力端子にコン
デンサを接続して電池を放電し、コンデンサに残存容量
を蓄電させた。
【0141】上記の操作で放電した円筒形リチウム
二次電池に、冷却装置(図5に示す201)の供給口に
7kg/cm2 のアルゴンガスを供給し、−30℃のア
ルゴンガスの冷風を吹きつけて電解液に使用しているエ
チレンカーボネートとジメチルカーボネートの凝固点以
下に冷却し、電池内部のイオン伝導度を低下させた。実
施例1の場合と同様に、冷却前後の電池の正極、負極端
子間のインピーダンスを測定したところ、冷却前では8
0mΩ、冷却後では5kΩであり、イオン伝導度として
1/10以下に低下していることが認められ、電池の内
部抵抗が増大していた。この結果と実施例2における電
解液のイオン伝導度についての測定結果を考慮すれば、
上記冷却操作においても電解液のイオン伝導度が低下し
ていることが認められる。
【0142】上記の操作で冷却した電池を、アルゴ
ンガス雰囲気下に取り出して、固定台(207)に乗せ
て超高圧水切断装置(開封装置204)のところに搬送
し(搬送装置208)、ノズルから研削材粉を混合した
3500kg/cm2 の超高圧水を吹きつけて切断し
た。
【0143】上記の操作で切断した円筒形リチウム
二次電池を、水洗で活性なリチウムは水酸化リチウムに
変えた後、さらに、メタノールで洗浄して電解液とメタ
ノールと水の混合液を回収した。電池ハウジングである
円筒缶から、負極、セパレータ、正極を取り出して回収
した。電解液とメタノールと水の混合溶液は分留によっ
て、電解質、有機溶媒、メタノールをそれぞれ回収し
た。
【0144】実施例5 本実施例では、実施例4に用いた電池と同じリチウム二
次電池を用い、図2のフローシートに基づき、リチウム
電池ハウジングを開封し、洗浄後に各電池を構成する部
材を取り出し、分別回収した。
【0145】以下では、図2を参照して、図2のフロー
チャートの電池の冷却前に電池残存電気量の放電から始
め、冷却、開封、回収について順次説明する。冷却は、
氷の中に電池を密封して行った。
【0146】使用済みの円筒形リチウム二次電池の残
存電気量を放電回収するために、電池の出力端子にコン
デンサを接続して電池を放電し、コンテンサに残存容量
を蓄電させた。
【0147】上記の操作で放電した円筒形リチウム
二次電池を、水を満たし容器に浸し急速冷凍で、氷の中
に電池を封入し、電池内部のイオン伝導度を低下させ
た。冷却前後の電池について、実施例1の場合と同様に
正極端子、負極端子間のインピーダンスを測定したとこ
ろ、冷却前は80mΩ、冷却後は3kΩ以上にも増大
し、電池の内部抵抗が増大していた。この結果と上記実
施例2における電解液のイオン伝導度の測定結果を考慮
すれば、上記冷却操作により電解液のイオン伝導度が低
下していることが認められる。
【0148】上記の操作で氷の中に封入した電池
を、窒素ガス雰囲気下に取り出して、固定台に乗せて円
盤状の刃を高速回転させて切断するディスクカッターの
ところに搬送し、氷ごと切断した。
【0149】切断した円筒形リチウム二次電池を解凍
した後、さらに、アセトンで洗浄して電解液とアセトン
と水の混合溶液を回収した。電池ハウジングである円筒
缶から、負極、セパレータ、正極を取り出して回収し
た。電解液とアセトンと水の混合溶液を分留することに
よって、電解質、有機溶媒、アセトンをそれぞれ回収し
た。
【0150】実施例6 本実施例では、図10に示した角形のリチウム二次電池
を図2のフローシートに基づき、リチウム電池ハウジン
グを開封し、洗浄後に各電池を構成する部材を取り出
し、分別回収した。なお、この角形電池には、図10に
は図示されていないが、ハウジングの材質がアルミニウ
ム合金で構成され出入力端子と安全弁がついた蓋がOリ
ングを介してビスで組みつけられているものを使用し
た。
【0151】ここで用いた使用済みのリチウム電池に
は、負極が銅箔に天然黒鉛と結着剤のポリフッ化ビニリ
デンとを混合しN−メチル−2−ピロリドンを添加して
調製したペーストを塗布乾燥して形成されたもの、正極
がリチウムコバルト酸化物の正極活物質に導電補助材の
アセチレンブラックと結着剤のポリフッ化ビニリデンと
を混合しN−メチル−2−ピロリドンを添加して調製し
たペーストをアルミニウム箔に塗布し乾燥して形成され
たもの、セパレータがポリエチレンの微孔セパレータ、
電解液がエチレンカーボネート(EC)とジメチルカー
ボネート(DMC)の等量混合溶媒に四フッ化ホウ酸リ
チウム塩を1M(mol/l)溶解したものであり、正
極と負極の電極間距離を縮めるために加圧するための板
バネが挿入されてあるリチウム二次電池を用いた。
【0152】以下では、図2を参照して、図2のフロー
チャートの電池の冷却前に電池残存電気量の放電から始
め、冷却、開封、回収について順次説明する。冷却手段
としては、ドライアイス−メタノールを使用した。
【0153】使用済みの角形リチウム二次電池の残存
電気量を放電回収するために、電池の出力端子にコンデ
ンサを接続して電池を放電し、コンデンサに残存電気量
を蓄電させた。
【0154】上記の操作で放電した角形リチウム二
次電池を、メタノールにドライアイスを添加して調製し
た寒剤ドライアイス−メタノールに浸し、電解液に使用
しているエチレンカーボネートとジメチルカーボネート
の凝固点以下に冷却し、電池内部のイオン伝導度を低下
させた。冷却前後の電池について実施例1の場合と同様
にインピーダンスを測定したところ、冷却前で70m
Ω、冷却後では1MΩであり、電池の内部抵抗が増大し
ていることが認められた。
【0155】上記の操作で冷却した電池を、アルゴ
ンガス雰囲気下で、ビスを緩めて出入力端子と安全弁が
ついた蓋をはずし、電池ハウジングを開封した。この結
果と上記実施例2における電解液のイオン伝導度の測定
結果を考慮すれば、上記冷却操作により電解液のイオン
伝導度が低下していることが認められる。
【0156】上記の操作で開封した角形リチウム二
次電池から、負極、セパレータ、正極、板バネを取り出
して、メタノールで洗浄して、負極、セパレータ、正
極、板バネ、電解液とメタノールの混合溶液を回収し
た。電解液とメタノールの混合溶液は分留によって、電
解質、有機溶媒、メタノールをそれぞれ回収した。
【0157】尚、前記、実施例2〜6において、それぞ
れ電池10個について同様に回収操作を行ったが、いず
れも、発煙も発火も起きることなく、部材の燃焼などの
損傷もなく、リチウム電池を構成する部材の回収を行う
ことができた。
【0158】また、実施例2〜6では密閉型電池として
リチウム電池を使用したが、これら実施例の結果よりこ
れに限定されることなく、ニッケル−水素(化物)蓄電
池、ニッケル−カドミウム蓄電池、鉛蓄電池など他の密
閉型電池にも適用可能であることが認識される。
【0159】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
密閉型電池を構成する部材の回収において、より安全
に、部材の損傷を抑えて回収することができる。また、
本発明の密閉型電池の構成部材の回収装置(システム)
を用いることによって、比較的容易に、低コストで、回
収が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の密閉型電池を構成する部材の主な回収
方法の一例を示す工程図である。
【図2】本発明の密閉型電池を構成する部材の主な回収
方法の他の例を示す工程図である。
【図3】本発明の回収装置の一部である密閉型電池を開
封する前に、電解液を抜き取り、正極と負極間のイオン
伝導度を低下させる装置の一例を示す断面概略構成図で
ある。
【図4】本発明の回収装置の一部である密閉型電池を開
封する前に、電解液を抜き取り、正極と負極間のイオン
伝導度を低下させる装置の他の例を示す装置の断面概略
構成図である。
【図5】本発明の密閉型電池を構成する部材の回収装置
の主要部分である、冷却手段と開封手段を有する装置部
分を示す概念図である。
【図6】本発明の電池部材回収装置に用いる冷却装置の
一例を示す断面図である。
【図7】本発明で回収する密閉型電池の一例を示す概略
断面図である。
【図8】コイン形電池の一例を示す断面図である。
【図9】スパイラル式円筒形電池の一例を示す断面図で
ある。
【図10】角形電池の一例を示す断面図である。
【符号の説明】
100 密閉型電池 101 電池ハウジング 102 安全弁 103 電解液抽出管 104 電解液貯蔵タンク 105 排気手段 106 Oリング 107 排気管 108 電解液抜き出し用バルブ 109 排気バルブ 110 排液バルブ 111 電池収納容器 112 電池収納容器蓋 113 リークバルブ 201 冷却装置(低温ガス吐出装置) 202 低温ガス 203 不燃性雰囲気 204 電池ハウジングの開封装置 205 高圧水又はエネルギービーム 206 冷却及び切断ラインの外気との隔壁 207 密閉型電池の固定台 208 密閉型電池の搬送装置 209 圧縮ガスの送ガス管 210 コンプレッサー 211 水分などの不純物除去装置 212 不燃性ガス回収装置 213 不燃性ガス回収用送ガス管 214 高圧水あるいはエネルギービーム発生装置 215 高圧水の輸送管あるいはエネルギービーム伝
送管 301、401、502、601 負極 302、403、508、603 正極 303、407、507、607 セパレータ・電解
液 304、609 電池ハウジング(電槽) 305、405、505、605 負極端子 306、406、506、606 正極端子 500、600 負極集電体 410、510 ガスケット 501 負極層 503 正極層 504 正極集電極体 511 絶縁板 512 負極リード 513 正極リード 514、614 安全弁 701 冷却ガス 702 冷却ガス出口 703 渦流発生器 704 供給圧縮ガス 705 供給口 706 調整弁 707 熱風 708 熱風排出口 709 渦流

Claims (68)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉型電池の構成部材の回収方法におい
    て、少なくとも正極と負極間のイオン伝導度を低下させ
    る工程と、該イオン伝導度を低下させる工程の後に、電
    池ハウジングを開封する工程を有することを特徴とする
    密閉型電池部材の回収方法。
  2. 【請求項2】 上記密閉型電池が正極と負極間に電解液
    を有し、前記正極と負極間のイオン伝導度を低下させる
    工程が、密閉型電池ハウジング内の電解液または電解液
    中の溶媒を電池ハウジング外に取り出すことを特徴とす
    る請求項1記載の密閉型電池部材の回収方法。
  3. 【請求項3】 上記密閉型電池が安全弁を有し、該安全
    弁を介して電池ハウジング外と電池ハウジング内間に差
    圧を発生させて安全弁を作動させて、上記密閉型電池ハ
    ウジング内の電解液または電解液中の溶媒を電池ハウジ
    ング外に取り出す請求項2記載の密閉型電池部材の回収
    方法。
  4. 【請求項4】 上記密閉型電池の安全弁が設けられた箇
    所を下にして、安全弁部から電解液または電解液中の溶
    媒を電池ハウジング外に取り出す請求項3記載の密閉型
    電池部材の回収方法。
  5. 【請求項5】 上記密閉型電池のハウジング外に取り出
    した電解液または電解液中の溶媒を回収する請求項2記
    載の密閉型電池部材の回収方法。
  6. 【請求項6】 上記密閉型電池の正極と負極間のイオン
    伝導度を低下させる工程が、少なくとも密閉型電池を冷
    却する請求項1記載の密閉型電池部材の回収方法。
  7. 【請求項7】 上記密閉型電池が正極と負極間に電解液
    を有し、該電解液に溶媒が使用されており、上記密閉型
    電池を冷却して電解液の溶媒の凝固点以下に冷却する請
    求項6記載の密閉型電池部材の回収方法。
  8. 【請求項8】 上記密閉型電池において、高分子を使用
    して固定化した高分子固体電解質が使用されており、該
    高分子固体電解質の高分子のガラス転移点以下に冷却す
    る請求項6記載の密閉型電池部材の回収方法。
  9. 【請求項9】 上記密閉型電池の冷却工程において、窒
    素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素およ
    びフルオロカーボンから選択される一種類以上の不燃性
    の圧縮ガスを利用して冷却する請求項6記載の密閉型電
    池部材の回収方法。
  10. 【請求項10】 上記密閉型電池の冷却工程において、
    密閉型電池を寒剤若しくは液化ガスに浸して冷却する請
    求項6記載の密閉型電池部材の回収方法。
  11. 【請求項11】 上記寒剤がドライアイス−メタノール
    あるいはドライアイス−エタノールである請求項10記
    載の密閉型電池部材の回収方法。
  12. 【請求項12】 上記液化ガスが液体窒素である請求項
    10記載の密閉型電池部材の回収方法。
  13. 【請求項13】 上記密閉型電池を水に浸して、水ごと
    凍らせて、氷中に密封した後、密封された密閉型電池を
    開封することを特徴とする請求項6記載の密閉型電池部
    材の回収方法。
  14. 【請求項14】 上記開封工程を実施する雰囲気が、不
    燃性雰囲気である請求項1記載の密閉型電池部材の回収
    方法。
  15. 【請求項15】 上記開封工程を実施する不燃性雰囲気
    が、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭
    素、水蒸気およびフルオロカーボンから選択される一種
    類以上のガスから成る雰囲気である請求項14記載の密
    閉型電池部材の回収方法。
  16. 【請求項16】 前記開封工程を行う雰囲気を構成する
    ガス種と、冷却工程を行うガス種が同一である請求項9
    記載の密閉型電池部材の回収方法。
  17. 【請求項17】 上記開封工程において、高圧水、エネ
    ルギービームおよび機械切断から選択される切断方法を
    採用する請求項1記載の密閉型電池部材の回収方法。
  18. 【請求項18】 上記開封工程において、研磨材を混合
    した高圧水をジェットノズルから電池ハウジングに吹き
    つけて切断を行う請求項17記載の密閉型電池部材の回
    収方法。
  19. 【請求項19】 上記開封工程に用いるエネルギービー
    ムが、レーザービームである請求項17記載の密閉型電
    池部材の回収方法。
  20. 【請求項20】 上記密閉型電池がリチウムイオンの酸
    化還元反応を利用したリチウム電池である請求項1の密
    閉型電池部材の回収方法。
  21. 【請求項21】 上記密閉型電池が水素イオンの酸化還
    元反応を利用し水素吸蔵合金を負極に使用した蓄電池で
    ある請求項1記載の密閉型電池部材の回収方法。
  22. 【請求項22】 上記密閉型電池がニッケル−カドミウ
    ム蓄電池である請求項1記載の密閉型電池部材の回収方
    法。
  23. 【請求項23】 上記密閉型電池が鉛蓄電池である請求
    項1記載の密閉型電池部材の回収方法。
  24. 【請求項24】 開封工程後に、密閉型のリチウム電池
    に含有されるリチウムに、反応剤を反応させて、活性な
    リチウムの反応性を低下させる工程を含む請求項20記
    載の密閉型電池部材の回収方法。
  25. 【請求項25】 上記リチウムとの反応剤に、水、アル
    コール、酸および二酸化炭素から選択される一種類以上
    の物質を用いる請求項24記載の密閉型電池部材の回収
    方法。
  26. 【請求項26】 上記密閉型電池の開封後に、有機溶媒
    で洗浄する工程を有している請求項20記載の密閉型電
    池部材の回収方法。
  27. 【請求項27】 上記有機溶媒の洗浄工程に使用する有
    機溶媒が、水と共沸混合物をつくらない有機溶剤である
    請求項26記載の密閉型電池部材の回収方法。
  28. 【請求項28】 上記有機溶媒での洗浄後に、密閉型電
    池を構成する部材を分離回収する工程を有する請求項2
    6に記載の密閉型電池部材の回収方法。
  29. 【請求項29】 上記密閉型電池の形状若しくは型式別
    に選別した後に、密閉型電池の正極と負極間のイオン伝
    導度を低下させる工程に移る請求項1記載の密閉型電池
    部材の回収方法。
  30. 【請求項30】 上記密閉型電池の正極と負極間のイオ
    ン伝導度を低下させる工程前に、上記密閉型電池の残電
    気量の放電を行う工程を有する請求項1記載の密閉型電
    池部材の回収方法。
  31. 【請求項31】 上記密閉型電池の残電気量の放電を行
    う工程で、同時に放電されるエネルギーを回収する請求
    項30記載の密閉型電池部材の回収方法。
  32. 【請求項32】 密閉型電池の構成部材の回収装置にお
    いて、少なくとも電池の正極と負極間のイオン伝導度を
    低下させる手段と、電池ハウジングを開封する手段を有
    することを特徴とする密閉型電池部材の回収装置。
  33. 【請求項33】 上記密閉型電池が正極と負極間に電解
    液を有し、該正極と負極間のイオン伝導度を低下させる
    手段が、密閉型電池ハウジング内の電解液または電解液
    中の溶媒を電池ハウジング外に取り出す手段である請求
    項32記載の密閉型電池部材の回収装置。
  34. 【請求項34】 上記密閉型電池が安全弁を有し、該安
    全弁を介して電池ハウジング外と電池ハウジング内間に
    差圧を発生させて、該安全弁を作動させ上記密閉型電池
    ハウジング内の電解液または電解液中の溶媒を電池ハウ
    ジング外に取り出す手段を少なくとも有している請求項
    33記載の密閉型電池部材の回収装置。
  35. 【請求項35】 上記密閉型電池ハウジング外に電解液
    または電解液中の溶媒を取り出す手段が、少なくとも、
    排気手段が接続された容器から構成されている請求項3
    4記載の密閉型電池部材の回収装置。
  36. 【請求項36】 上記密閉型電池の安全弁を含めた電池
    ハウジング外壁面に密着あるいは接合する部材を上記容
    器に有した、上記電池から抜き取る電解液または電解液
    中の溶媒を上記容器に移す口が設けられている請求項3
    5記載の密閉型電池部材の回収装置。
  37. 【請求項37】 上記容器に、空気、窒素若しくは不燃
    性ガスを導入できる通路がバルブを介して設けられてい
    る請求項35記載の密閉型電池部材の回収装置。
  38. 【請求項38】 上記密閉型電池のフタを含めたハウジ
    ング外壁の一部若しくは全部と上記容器から成る密閉さ
    れた空間を作り、該空間内に上記電池の安全弁部が含ま
    れた状態で、該空間の圧力を上記密閉型電池内部の圧力
    より減じることによって、上記電池ハウジング内の電解
    液または電解液中の溶媒を安全弁を介して上記容器に回
    収する請求項34記載の密閉型電池部材の回収装置。
  39. 【請求項39】 上記排気手段で上記容器内の圧力を大
    気圧より減じた後に上記密閉型電池ハウジング外壁と上
    記容器から成る空間を形成する請求項38記載の密閉型
    電池部材の回収装置。
  40. 【請求項40】 上記回収装置において、上記密閉型電
    池ハウジング外壁と上記容器で密閉された空間を形成し
    た後に、上記容器に接続された排気手段で、上記空間の
    圧力を、上記密閉型電池内部の圧力より減じる請求項3
    8記載の密閉型電池部材の回収装置。
  41. 【請求項41】 上記密閉型電池の正極と負極間のイオ
    ン伝導度を低下させる手段が、少なくとも密閉型電池を
    冷却する手段である請求項32記載の密閉型電池部材の
    回収装置。
  42. 【請求項42】 上記密閉型電池が、正極と負極間に電
    解液を有し、該電解液に溶媒が使用されており、上記密
    閉型電池を冷却する手段が電解液の溶媒の凝固点以下に
    冷却する手段である請求項41記載の密閉型電池部材の
    回収装置。
  43. 【請求項43】 上記密閉型電池において、高分子を使
    用して固定化した高分子固体電解質が使用されており、
    密閉型電池の冷却手段が該高分子固体電解質の高分子の
    ガラス転移点以下に冷却する手段を有している請求項4
    1記載の密閉型電池部材の回収装置。
  44. 【請求項44】 上記密閉型電池の冷却手段が、窒素ガ
    ス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化炭素およびフ
    ルオロカーボンから選択される一種類以上の不燃性の圧
    縮ガスを利用して冷却する手段である請求項41記載の
    密閉型電池部材の回収装置。
  45. 【請求項45】 上記密閉型電池の冷却手段に、寒剤若
    しくは液化ガスを用いる請求項41記載の密閉型電池部
    材の回収装置。
  46. 【請求項46】 上記寒剤にドライアイス−メタノール
    あるいはドライアイス−エタノールを用いる請求項45
    記載の密閉型電池部材の回収装置。
  47. 【請求項47】 上記液化ガスが液体窒素である請求項
    45記載の密閉型電池部材の回収装置。
  48. 【請求項48】 上記密閉型電池を冷却する手段が、該
    電池を水に浸して、水ごと凍らせて、氷中に密封する手
    段であり、密封型電池を開封する手段が該氷中に密封さ
    れた密閉型電池を開封する手段である請求項41記載の
    密閉型電池部材の回収装置。
  49. 【請求項49】 上記開封を実施する手段が雰囲気を不
    燃性雰囲気に保つ手段を有する請求項32記載の密閉型
    電池部材の回収装置。
  50. 【請求項50】 上記開封を実施する手段の不燃性雰囲
    気に、窒素ガス、アルゴンガス、ヘリウムガス、二酸化
    炭素、水蒸気およびフルオロカーボンから選択される一
    種類以上のガスを用いる請求項49記載の密閉型電池部
    材の回収装置。
  51. 【請求項51】 上記の開封手段の雰囲気を構成するガ
    ス種と、電池の冷却手段に用いるガス種が同一である請
    求項50記載の密閉型電池部材の回収装置。
  52. 【請求項52】 上記開封手段が、高圧水切断手段、エ
    ネルギービーム切断手段および機械切断手段から選択さ
    れる切断手段である請求項32記載の密閉型電池部材の
    回収装置。
  53. 【請求項53】 上記開封手段がジェットノズルを有
    し、研磨材を混合した高圧水を該ジェットノズルから吹
    きつけて電池ハウジングを切断する手段である請求項5
    2記載の密閉型電池部材の回収装置。
  54. 【請求項54】 上記開封手段のエネルギービームが、
    レーザービームである請求項52記載の密閉型電池部材
    の回収装置。
  55. 【請求項55】 上記密閉型電池がリチウムイオンの酸
    化還元反応を利用したリチウム電池である請求項32記
    載の密閉型電池部材の回収装置。
  56. 【請求項56】 上記密閉型電池が水素イオンの酸化還
    元反応を利用し水素吸蔵合金を負極に使用した蓄電池で
    ある請求項32記載の密閉型電池部材の回収装置。
  57. 【請求項57】 上記密閉型電池がニッケル−カドミウ
    ム蓄電池である請求項32記載の密閉型電池部材の回収
    装置。
  58. 【請求項58】 上記密閉型電池が鉛蓄電池である請求
    項32記載の密閉型電池部材の回収装置。
  59. 【請求項59】 上記開封後に、密閉型リチウム電池に
    含有される活性なリチウムに反応剤を反応させて、活性
    なリチウムの反応性を低下させる手段を有する請求項5
    5記載の密閉型電池部材の回収装置。
  60. 【請求項60】 上記反応剤に、水、アルコール、酸お
    よび二酸化炭素から選択される一種類以上の物質を用い
    る請求項59記載の密閉型電池部材の回収装置。
  61. 【請求項61】 上記密閉型電池の開封後に、電池内部
    を有機溶媒で洗浄する手段を有している請求項32記載
    の密閉型電池部材の回収装置。
  62. 【請求項62】 上記有機溶媒の洗浄に使用する有機溶
    媒が、水と共沸混合物をつくらない有機溶剤を用いる請
    求項61記載の密閉型電池部材の回収装置。
  63. 【請求項63】 上記有機溶媒での洗浄後に、密閉型電
    池の構成部材を回収する手段を有する請求項61または
    62記載の密閉型電池部材の回収装置。
  64. 【請求項64】 上記密閉型電池の正極と負極間のイオ
    ン伝導度を低下させる前に、上記密閉型電池の形状若し
    くは型式別に選別する手段を有する請求項32記載の密
    閉型電池部材の回収装置。
  65. 【請求項65】 上記密閉型電池の正極と負極間のイオ
    ン伝導度を低下させる前に、上記密閉型電池の残電気量
    の放電を行う手段を有する請求項32記載の密閉型電池
    部材の回収装置。
  66. 【請求項66】 上記密閉型電池の残電気量の放電を行
    う手段に、同時に放電されるエネルギーを回収する手段
    を付設した請求項65記載の密閉型電池部材の回収装
    置。
  67. 【請求項67】 上記密閉型電池の開封雰囲気の不燃性
    ガスを回収し不純物を除き再生して再利用する手段を有
    する請求項50記載の密閉型電池部材の回収装置。
  68. 【請求項68】 上記密閉型電池の冷却に使用するガス
    を回収し不純物を除き再生して再利用する手段を有する
    請求項44記載の密閉型電池部材の回収装置。
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