JPH10239857A - 感光性樹脂版の現像液および現像方法 - Google Patents

感光性樹脂版の現像液および現像方法

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JPH10239857A
JPH10239857A JP9043687A JP4368797A JPH10239857A JP H10239857 A JPH10239857 A JP H10239857A JP 9043687 A JP9043687 A JP 9043687A JP 4368797 A JP4368797 A JP 4368797A JP H10239857 A JPH10239857 A JP H10239857A
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JP
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meth
acrylate
developing
water
photosensitive resin
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JP9043687A
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Hiroshi Shibano
博史 柴野
Yoshihiro Kasho
芳宏 嘉生
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】硬度の高い水を使用した場合でも現像速度およ
び画像再現性の向上を高めることが出来る感光性樹脂版
の現像液および現像方法を見出すこと。 【解決手段】感光性樹脂版を露光後、未露光部を水を主
成分とする現像液を用いて除去する際に用いられる現像
液であって、多価の金属イオンとイオン交換能力をもっ
た物質を含むことを特徴とする感光性樹脂版の現像液お
よび現像方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は感光性樹脂版の現像
方法および現像液に関し、水現像が可能で、かつ耐イン
キ性の優れた凸版およびフレキソ印刷用として有用な感
光性樹脂版の現像液および現像方法に関する。さらに詳
しくは、感光性樹脂版の水系現像液での現像現像工程の
際、硬度の高い水を使用した場合でも現像速度および画
像再現性の向上を高めることが出来る感光性樹脂版の現
像液および現像方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、作業環境面や地域環境面から水、
界面活性剤水溶液、アルカリ水溶液、酸水溶液などを現
像液とする水現像型感光性樹脂版が多く用いられてきて
いる。また最近感光性フレキソ版においても、毒性安全
性の面から水系現像液に現像可能なものが提案されてお
り、これらは版組成物中にカルボキシル基やその塩類を
導入することにより、炭酸ナトリウムや硼砂などを添加
したアルカリ水溶液または中性の水による現像を可能と
するものである。しかしこれら組成物は実用可能である
現像深度(1mm)にまで現像するには、現像時間が長
時間必要であったり、現像された版の細線や網点が欠け
ると言った画像再現性の不足、さらには現像した樹脂が
スカムとなって版に付着し画像を乱すといった大きな問
題があり、水現像の感光性樹脂版の普及の妨げとなって
いた。
【0003】そこで、これらを解決するために、現像液
として、水に界面活性剤を添加したものも考案され、実
用に供されている。しかしながら、これらの界面活性剤
を添加した現像液の中で脂肪酸のアルカリ金属塩やノニ
オン系界面活性剤に無機アルカリ塩を添加したもの、原
料であるエタノールアミン類が若干量過剰となった脂肪
酸エタノールアミド類、といったアルカリ性を有するも
のは現像速度が速くなるものの、硬度の高い水を現像液
の水として使用した場合、現像速度が低下したり、洗い
出された樹脂や脂肪酸の多価金属塩がスカムとなって洗
い出された版面に付着したりして、満足する結果が得ら
れなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、硬度の高い
水や低い水を用いても現像速度および画像再現性の向上
を高めることが出来る感光性樹脂版の現像液および現像
方法を見出すことを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明者らは現像液について鋭意、研究、検討を繰
り返した結果、遂に本発明を完成するに到った。すなわ
ち本発明は、感光性樹脂版を露光後、未露光部を水を主
成分とする現像液を用いて除去する際に用いられる現像
液であって、多価の金属イオンとイオン交換能力をもっ
た物質を含むことを特徴とする感光性樹脂版の現像液お
よび感光性樹脂版を露光後、未露光部を水を主成分とす
る現像液を用いて除去する現像方法であって、多価の金
属イオンとイオン交換能力を持った物質を含んだ現像液
を用いることを特徴とする感光性樹脂版の現像方法であ
る。
【0006】本発明で用いられる感光性樹脂組成物とし
ては、ポリアミドを必須成分とするポリアミド系感光性
樹脂組成物、ポリビニルアルコールを必須成分とするポ
リビニルアルコール系感光性樹脂組成物、低分子不飽和
基含有ポリエステルを必須成分とするポリエステル系感
光性樹脂組成物、アクリル系低分子モノマーを必須成分
とするアクリル系感光性樹脂組成物、およびポリウレタ
ンを必須成分とするポリウレタン系感光性樹脂組成物等
が挙げられる。これら感光性樹脂組成物には光重合性不
飽和単量体、光増感剤その他が添加されることによって
感光性を付与している。
【0007】また本発明で用いられる水現像型のフレキ
ソ版用感光性樹脂組成物としては、共役ジエン系炭化水
素とα、β−エチレン性不飽和カルボン酸またはその塩
を必須成分とし、これにモノオレフィン系不飽和化合物
とを含む共重合体と光重合性不飽和単量体、光増感剤を
含有する感光性樹脂組成物(特開昭52−134655
号公報、特開昭53−10648号公報、特開昭61−
22339号公報参照)、共役ジエン系炭化水素重合体
又は共役ジエン系炭化水素とモノオレフィン系不飽和化
合物との共重合体と親水性高分子化合物または水膨潤性
高分子化合物、非気体性エチレン性不飽和化合物および
光重合開始剤を必須成分として含有する感光性エラスト
マー組成物(特開昭60−211451号公報参照)、
α、β−エチレン性不飽和基を含有する疎水性オリゴマ
ー、エラストマー水膨潤性物質及び光集合開始剤を必須
成分として含有する感光性樹脂組成物(特開昭60−1
73055号公報参照)等が挙げられる。
【0008】また、刷版の機械的強度、反発弾性等の性
能の向上を目的として、硬質の有機微粒子を含有する感
光性樹脂組成物(特開昭63−8648号公報参照)、
水現像性の付与、水性インク耐性の付与、及び印刷性の
向上を目的として、架橋性樹脂微粒子を含有する感光性
樹脂組成物(特開平2−175702号公報、特開平3
−228060号公報、特開平4−293907号公
報、特開平4−293909号公報、特開平4−294
353号公報、特開平4−340968号公報、特開平
5−32743号公報、特開平5−150451号公
報、特開平5−204139号公報参照)、刷版のイン
キ受容性向上を目的として2相構造を有し、ジアゾ化合
物、重クロム酸塩を連続相に含み、分散相が10μm以
下の粒子を含有する感光性樹脂組成物(特開昭59−3
6731号公報参照)等が挙げられる。
【0009】以上のように本発明において用いられる感
光性樹脂組成物としては前記の組成物が挙げられるが、
本発明では特に、疎水性成分に親水性成分を付与する方
法として、疎水性ポリマーをカルボン酸またはその塩類
で変性した樹脂を主成分とするもの、疎水性ポリマーを
主成分とした疎水性成分と親水性または水膨潤性ポリマ
ーを主成分とした親水性成分の混合体を主成分とするも
の、疎水性ポリマーと親水性または水膨潤性ポリマーを
化学的に結合させたものを主成分とするもの、疎水性ポ
リマーの原料となる疎水性モノマーと親水性または水膨
潤性ポリマーの原料となる親水性モノマーをブロック共
重合体させたポリマーを主成分とするもの等に挙げられ
るように、疎水性の成分に何らかの形で親水性成分を組
み合わせて、水系現像液に分散型の感光性フレキソ版と
したタイプのものが好ましい例として挙げられる。
【0010】ここで挙げた疎水性ポリマーとしては例え
ば、1,4−ポリブタジエン、1,2−ポリブタジエ
ン、アクリロニトリルゴム、ブタジエンアクリロニトリ
ルゴム、クロロプレンゴム、ポリウレタンゴム、ブタジ
エンスチレンコポリマー、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロックコポリマー、スチレン−イソプレン−スチ
レンブロックコポリマー、ポリアミド樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、ブタジエン−(メタ)アクリル酸コポリ
マー、ブタジエン−(メタ)アクリル酸−アクリルエス
テルコポリマー、シリコンゴム、ポリオキシプロピレン
グリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、等
のような版にゴム弾性を与えるポリマーや、ポリメチル
(メタ)アクリレート、ポリエチル(メタ)アクリレー
ト、ポリイソプロピル(メタ)アクリレート、ポリn−
ブチル(メタ)アクリレート等のアクリル樹脂、ポリス
チレン、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩素化ポリエ
チレン、ポリアクリロニトリル、ポリ塩化ビニル、ポリ
酢酸ビニルやこれらの共重合体、ポリウレタン樹脂、ポ
リエステル樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、等の
ような版に硬度や安定性を与えるポリマーを挙げること
ができ、これらを単独または必要に合わせて複数組み合
わせて用いられる。またこれら樹脂類は、モノマーや架
橋剤と、またはポリマー同志で反応できるように変性す
ることも可能である。
【0011】親水性また水膨潤性ポリマーとしては例え
ば、ポリ(メタ)アクリル酸またはその塩類の重合体、
(メタ)アクリル酸またはその塩類−アルキル(メタ)
アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸またはその
塩類−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸またはそ
の塩類−酢酸ビニル共重合体、(メタ)アクリル酸また
はその塩類−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルア
ルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリアクリル
アミド、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレンオ
キサイド、ポリエチレンイミン、−COOM基や−SO
3 M基や−SO 4 M基や−PO(OM)n(nは1−3
の整数)基を含有するポリアクリレート、ポリビニル化
合物、ポリウレタン、ポリウレアウレタン、ポリエステ
ル、エポキシ化合物、ポリアミドおよびこれらの塩類や
誘導体等が挙げられる(なおここに挙げたMは水素原
子、1価の金属原子、2価の金属原子、3価の金属原
子、アンモニウム化合物のいずれかを示す)。また親水
性成分も同様に複数組み合わせて用いることが可能であ
り、必要に応じて変性しても良い。
【0012】感光性樹脂組成物の原料としてはこのほか
に、ラジカル重合性モノマー、架橋剤、光反応開始剤、
酸化安定剤、重合禁止剤などを必要に合わせて前述のポ
リマー類に添加してもかまわない。ラジカル重合性モノ
マーとしては例えば、スチレン、ビニルトルエン、クロ
ロスチレン、t−ブチルスチレン、α−メチルスチレ
ン、アクリロニトリル、アクリル酸、メタアクリル酸、
メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレ
ート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プ
ロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アク
リレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、se
c−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)
アクリレート、2ーエチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−デシル(メ
タ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、n
−トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メ
タ)アクリレート、エチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールモノメチルエーテルモノ
(メタ)アクリレート、ポリポリプロピレングリコール
モノメチルエーテルモノ(メタ)アクリレート、ポリエ
チレングリコールモノエチルエーテルモノ(メタ)アク
リレート、ポリプロピレングリコールモノエチルエーテ
ルモノ(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチル(メ
タ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、
シクロヘキシル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)ア
クリレート、アリル(メタ)アクリレート、ベンジル
(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)ア
クリレート、2,3−ジクロロプロピル(メタ)アクリ
レート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリ
ルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、等が挙げ
られる。
【0013】架橋剤としては、例えばエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、
ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタ
エリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリス
リトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリト
ールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メ
タ)アクリレート、グリセロールアリロキシジ(メタ)
アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルエ
タンジ(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒド
ロキシメチルエタントリ(メタ)アクリレート、、1,
1,1−トリスヒドロキシメチルプロパンジ(メタ)ア
クリレート、1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロ
パントリ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルトリメリ
テート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタレー
ト、ジビニルベンゼン、ポリウレタン(メタ)アクリレ
ート、ポリエステル(メタ)アクリレート等のような1
分子中に2個以上のラジカル重合性エチレン基を持つ化
合物が挙げられるが、その他に1分子中にエチレン基、
エポキシ基、イソシアネート基、アミノ基、ヒドロキシ
ル基、カルボキシル基等、反応性の官能基を複数個持つ
化合物も挙げられる。
【0014】このような感光性樹脂組成物の好適な構造
としては、疎水性成分(ポリマー)が粒子状の分散相で
親水性または水膨潤性成分(ポリマー)がその周りを取
り囲み連続相となった構造、疎水性成分(ポリマー)が
コアで親水性または水膨潤性成分(ポリマー)がシェル
となったコアシェル粒子をさらに別の疎水性成分(ポリ
マー)が連続相となった構造、親水性または水膨潤性成
分(ポリマー)が粒子状の分散相となり疎水性成分(ポ
リマー)が連続相となった構造、疎水性成分(ポリマ
ー)と親水性または水膨潤性成分(ポリマー)のいずれ
もが連続相でお互いに絡み合いモザイク状となった構
造、疎水性成分(ポリマー)と親水性または水膨潤性成
分(ポリマー)が均一に相溶した構造、などが挙げられ
る。これらの場合において連続相は未硬化の状態で架橋
されていないことが必要であるが、粒子状の疎水性成分
は未硬化の状態で架橋されていても架橋されていなくて
もかまわない。
【0015】感光性樹脂組成物の製造方法としては、エ
マルション重合やサスペンション重合によってやポリマ
ーを粉砕するなどして得られた分散相の成分を単独また
は連続相の成分と共にニーダーや押し出し機で混合後成
型する方法、疎水性成分と親水性成分とを塊状のままニ
ーダーや押し出し機で混練りし相分離・分散させた後成
型する方法、疎水性成分と親水性成分とを塊状のままニ
ーダーや押し出し機で混練りし均一に相溶させた後成型
する方法、など様々な方法が用いられる。
【0016】これらの原料、方法を必要に応じて適宜選
択する事により、版に要求される物性および性能に合わ
せて感光性樹脂組成物として製造することができる。例
えば印刷用刷版に要求される物性としては、JIS A
硬度が30−80度、反発弾性率が20%以上である
ことが印刷特性上望ましい。このような感光性樹脂組成
物は紫外線によって硬化させる。硬化させる際に使用さ
れる紫外線は150〜500nmの波長、特に300〜
400nmの波長のものが有効であり、使用される光源
としては低圧水銀灯、高圧水銀灯、カーボンアーク灯、
紫外線蛍光灯、ケミカルランプ、キセノンランプジルコ
ニウムランプが望ましい。
【0017】次に本発明において感光性樹脂板は上記光
源下で透明画像を有するネガフィルムをあてて紫外線を
照射し画像露光させた後、露光されない非画像部を現像
液を用いて除去することによって、レリーフ画像が得ら
れ、一方溶解除去された未硬化の感光性樹脂は乳濁液あ
るいは懸濁状溶液となって現像槽中に残る。
【0018】本発明で用いられる現像液は、多価の金属
イオンとイオン交換能力をもった物質を含むことを特徴
とする。多価の金属イオンとイオン交換能力をもった物
質とは、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、
鉄、亜鉛やクロムなどといった水中で2価以上のカチオ
ンイオン状態となる元素のイオンと水中で接触した時
に、これらイオンを自身の原子や分子構造の中に取り込
み固定したり、自身の持つアニオン性基と結合する能力
を持つ水に不溶性の物質であって、例えば、雲母、カオ
リン、モンモリロナイト(酸性白土)、ハロサイト、パ
ーライト、ベントナイトなどの天然鉱物、天然や合成の
アルミノケイ酸ソーダ類(一般名ゼオライト)、強酸性
や弱酸性の陽イオン交換樹脂が挙げられる。
【0019】強酸性の陽イオン交換樹脂としてはスチレ
ンとジビニルベンゼンを主とした共重合体にスルホン基
を導入したものでスルホン基が酸型となったもの(−S
3H)やスルホン基がアルカリ塩型(−SO3 Na、
−SO3 K)となったものが挙げられる。また、弱酸性
の陽イオン交換樹脂としてはアクリル酸またはメタクリ
ル酸とジビニルベンゼンを主とした共重合体で、これら
も酸型となったもの(−COOH)やアルカリ塩型とな
ったもの(−COONa,−COOK)が挙げられる。
さらにはイミノジ酢酸基(酸型、アルカリ塩型)等のよ
うなキレート化合物を結合させたキレート型のイオン交
換樹脂も挙げられる。なお、これらの陽イオン交換樹脂
はさらに他の成分が共重合されていてもかまわない。さ
らに、陽イオン交換樹脂は製造方法によりゲル型とMR
型があるが、これらいずれであってもかまわない。
【0020】本発明で用いられる多価の金属イオンとイ
オン交換能力をもった物質の形状としては、塊状、粒
状、顆粒状、粉末状など特に限定するものではない。ま
た、イオン交換樹脂においては、直径1mm程度の球形
粒子状のものや微粉砕したものも市販されているが特に
形状によって限定されるものではない。
【0021】本発明で用いられる多価の金属イオンとイ
オン交換能力をもった物質の好ましい添加量は用いられ
る水の硬度および多価の金属イオンとイオン交換能力を
もった物質の種類によって異なるが、全現像液量に対し
て重量で0.001%以上20%以下である。さらに好
ましくは0.01%以上10%以下である。さらに本発
明で用いられる現像液は、水に上記の多価の金属イオン
とイオン交換能力をもった物質を添加したのみのもので
も可能であるが、現像速度を速めるためや、洗い出され
た樹脂の溶解性や分散性を高めるため種々の添加剤を入
れることが出来る。添加剤としては、塩酸や硫酸や硝酸
やリン酸などの無機酸類、酢酸や乳酸などの有機酸類、
水酸化ナトリウムなどの無機アルカリ類、アミン類など
の有機アルカリ類、硫酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウ
ム、ほう酸ナトリウム、珪酸ナトリウム、酢酸ナトリウ
ム、ナトリウムメチラートなどの酸性およびアルカリ性
の無機および有機の塩類、アニオン系やノニオン系やカ
チオン系の界面活性剤、陰イオン交換樹脂、その他粘度
調整剤、分散安定剤、凝集剤、など各種の添加剤を必要
に応じて加えることができる。
【0022】アニオン系界面活性剤としては例えば、ラ
ウリン酸ソーダ、ステアリン酸ソーダ、オレイン酸ソー
ダなどの脂肪族カルボン酸塩類、アビエチン酸ソーダ、
ロジン酸ソーダなどの樹脂石鹸類、ラウリル硫酸ソー
ダ、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどの1級およ
び2級のアルキル硫酸塩類、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル硫酸ソーダ、ポリオキシエチレンラウリルエ
ーテル硫酸トリエタノールアミンをなどの1級および2
級のポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩類、ラ
ウリルベンゼンスルホン酸ソーダ、ステアリルベンゼン
スルホン酸ソーダなどのアルキルベンゼンスルホン酸塩
類、プロピルナフタレンスルホン酸ソーダ、ブチルナフ
タレンスルホン酸ソーダなどのアルキルナフタレンスル
ホン酸塩類、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエー
テルスルホン酸ソーダなどのポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテルスルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、
硫酸化牛油などの硫酸化油類、硫酸化オレイン酸ブチル
などの硫酸化脂肪酸エステル類、ジオクチルスルホ琥珀
酸ソーダを代表とするアルキルスルホ琥珀酸塩類、α−
オレフィンスルホン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホ
ン酸塩類、N−メチル−N−アルキルタウリン塩類、N
−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド塩類、脂肪酸モノグ
リセライド硫酸エステル塩類、アルキルジフェニルエー
テルジスルホン酸塩類、ラウリルアルコール燐酸モノエ
ステルジソーダ塩やラウリルアルコール燐酸ジエステル
ソーダ塩などのアルキルホスフェートの塩類、ポリオキ
シエチレンラウリルエーテル燐酸モノエステルジソーダ
塩やポリオキシエチレンラウリルエーテル燐酸ジエステ
ルソーダ塩などのポリオキシエチレンアルキルホスフェ
ートの塩類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
類、スチレン−無水マレイン酸共重合体部分鹸化物の塩
類、オレフィン−無水マレイン酸共重合体部分鹸化物の
塩類などが挙げられる。なお、具体例としては主にナト
リウム塩を挙げたが、カリウム塩、アンモニウム塩、な
ども可能で、特にこれらに限定されるものではない。
【0023】またノニオン系活性剤としては例えば、ポ
リオキシエチレンオレイルエーテルやポリオキシエチレ
ンラウリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキル
エーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテ
ルやポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテルなど
のポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール類、
ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレ
ングリコールモノオレート、ポリエチレングリコールジ
ラウレートなどの脂肪酸とポリエチレングリコールとの
モノおよびジエステル類、ソルビタンモノラウレートや
ソルビタンモノオレートなどの脂肪酸とソルビタンのエ
ステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレー
ト、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、
ポリオキシエチレンソルビタントリラウレートなどのソ
ルビタンのポリオキシエチレン付加物と脂肪酸とのエス
テル類、ソルビットモノパルチミテートやソルビットジ
ラウレートなどの脂肪酸とソルビットとのエステル類、
ポリオキシエチレンソルビットモノステアレートやポリ
オキシエチレンソルビットジオレートなどのソルビット
のポリオキシエチレン付加物と脂肪酸とのエステル類、
ペンタエリスリトールモノステアレートなどの脂肪酸と
ペンタエリスリトールとのエステル類、グリセリンモノ
ラウレートなどの脂肪酸とグリセリンとのエステル類、
砂糖およびしょ糖の脂肪酸エステル類、ラウリン酸ジエ
タノールアミドやラウリン酸モノエタノールアミドなど
の脂肪族アルカノールアミド類、ラウリルジメチルアミ
ンオキサイドなどのアミンオキサイド類、ステアリルジ
エタノールアミンなどの脂肪族アルカノールアミン類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン類、トリエタノール
アミン脂肪酸エステル類などが挙げられる。さらに、現
像液には、必要に応じてエタノール、イソプロパノー
ル、セロソルブ、グリセリン、ポリエチレングリコー
ル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ア
セトンといった水に溶解する他の有機溶媒を混合しても
良い。
【0024】これら現像液の成分は必要なものを別々に
準備し、現像液調整時に別々に添加しても良いし、予め
これらの成分を混合しておいてもかまわない。さらに、
これら現像液成分が含まれているものであれば、市販さ
れている各種の衣料用や食器用や住居用洗剤や洗浄剤、
工業用途の洗剤や洗浄剤、など各種のものを単独または
混合して利用することも可能である。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明現像方法としては、感光性
樹脂組成物を前記本発明現像液に浸漬し、必要ならばブ
ラシで感光性樹脂組成物をこすり未硬化部分を除去して
行う方法、本発明現像液をスプレーなどで直接未硬化部
分に接触させて除去して行う方法あるいは両者を組み合
わせた方法等が採用できる。現像時の温度は10−50
℃が好ましい。さらに、現像終了後の感光性樹脂を含ん
だ現像液は適正な処理後廃棄しても良いし、樹脂を、沈
降分離、フィルター濾過、メンブレンフィルター濾過、
遠心分離、凝集剤による分離等、何らかの方法で除去後
に現像液として再利用してもかまわない。この場合必要
に応じて不足分の現像成分を添加することもできる。
【0026】
【実施例】以下、例を挙げて本発明を具体的に説明する
が本発明はこれらの実施例により限定されるものではな
い。なお実施例および比較例における現像速度とは15
分間現像後のレリーフ深度を表し、硬化した部分に比較
して未硬化部分が現像により掘り出された深さを示す。
【0027】実施例1−17および比較例1−8 感光性フレキソ版(東洋紡績株式会社製コスモライトC
LH)をA2の大きさに切り、各線幅の細線やベタ部な
どを有する適当なネガフィルムを密着させ、照度50W
/m2 の水銀灯で、10分間照射を行いパターンを焼き
付けた。ネガフィルムを除いた後、各種の現像液中(5
0リットル)で40℃で15分間、ナイロンブラシこす
りによる現像を行った後、60℃で30分間乾燥させ、
さらに同じ水銀灯で10分間後硬化を行いレリーフを作
成した。合計でA2を10枚現像し、1枚目と10枚目
の現像速度を測定し、また10枚目の版のスカム付着状
況を観察した。その結果を表1および表2に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】 表1および表2においてイオン交換樹脂の添加量は乾燥
重量で表した。 A型ゼオライト;シルトンB(水澤化学工業株式会社
製) 強酸性陽イオン交換樹脂Na型;アンバーライトCG1
20(ローム アンドハース ジャパン株式会社製) 強酸性陽イオン交換樹脂H型;アンバーライトCG12
0を塩酸で処理した 強塩基性陰イオン交換樹脂OH型;アンバーライトCG
400(ローム アンドハース ジャパン株式会社製)
を水酸化ナトリウム水溶液で処理した
【0030】
【発明の効果】以上、表1および表2からも明らかなよ
うに、本発明の現像液および現像方法を採用することに
より、従来に比較し、硬度の高い水を使用した場合で
も、現像速度の低下を押さえることができ、現像液中に
流出する樹脂が凝集して生じるスカムの発生量も少な
く、スカムが現像された刷版に付着し、印刷時に画像が
乱れるといったトラブルも押さえることができることが
判る。また本発明により、現像機のブラシや配管やフィ
ルターなどの液接部のスケールやスカムの付着などによ
るトラブルも防止することが出来る。さらに、本発明現
像液は水系であるため、pH調整、吸着剤や凝集剤の添
加、微生物処理といった公知の廃液処理技術により容易
に処理できることも大きな利点であり、産業界に寄与す
ること大である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光性樹脂版を露光後、未露光部を水を主
    成分とする現像液を用いて除去する際に用いられる現像
    液であって、多価の金属イオンとイオン交換能力をもっ
    た物質を含むことを特徴とする感光性樹脂版の現像液。
  2. 【請求項2】感光性樹脂版を露光後、未露光部を水を主
    成分とする現像液を用いて除去する現像方法であって、
    多価の金属イオンとイオン交換能力を持った物質を含ん
    だ現像液を用いることを特徴とする感光性樹脂版の現像
    方法。
JP9043687A 1997-02-27 1997-02-27 感光性樹脂版の現像液および現像方法 Pending JPH10239857A (ja)

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PCT/JP1998/000774 WO1998038550A1 (fr) 1997-02-27 1998-02-26 Solution revelatrice pour plaque de resine photosensible
EP98905652A EP0897136B1 (en) 1997-02-27 1998-02-26 Developing solution for photosensitive resin plate

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