JPH10239526A - ミラー - Google Patents

ミラー

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Publication number
JPH10239526A
JPH10239526A JP9061830A JP6183097A JPH10239526A JP H10239526 A JPH10239526 A JP H10239526A JP 9061830 A JP9061830 A JP 9061830A JP 6183097 A JP6183097 A JP 6183097A JP H10239526 A JPH10239526 A JP H10239526A
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JP
Japan
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light
mirror
incident
polarized light
polarization
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Application number
JP9061830A
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English (en)
Inventor
Mikio Okamoto
幹夫 岡本
Naotaka Shimamura
尚孝 島村
Tetsuo Hattori
徹夫 服部
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 投射型表示装置において使用することによ
り、ライトバルブに入射する光の偏光の純度を上げて投
射像のコントラストを向上させることができ、しかも当
該装置のコストダウンと小型化を図ることができるミラ
ーを提供する。 【解決手段】 B光用のミラーは、屈折率n=1.52
の透明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に
積層された誘電体多層膜とから構成される。この誘電体
多層膜は、高屈折率物質H1としての酸化ジルコン(Z
rO2:屈折率n=2.05)からなる層と、低屈折率
物質L1としての二酸化珪素(SiO2:屈折率n=
1.47)からなる層とを、それぞれ所定の膜厚で交互
に計18層積層して形成したものである。このミラーで
は、入射角度45度で入射する光に関して、B光波長領
域の略全体に渡って、S偏光光の反射率が95%以上で
あり、P偏光光の反射率はS偏光光の反射率より約20
%低い値を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶ライトバルブ
を使用した投射型表示装置等において使用するミラーに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】入射光を映像電気信号又は光学信号に応
じて変調させて変調光として出射させるライトバルブに
光を照射し、当該ライトバルブから出射された変調光を
取り出して投射光学系によりスクリーン上に投射し、光
学像を拡大投射する投射型表示装置が種々知られてい
る。これらの投射型表示装置に使用されるライトバルブ
は、散乱型のライトバルブでない限り、一般的には、偏
光分離装置によって直線偏光光を前もって作製し、当該
直線偏光光を当該ライトバルブに入射させてライトバル
ブの持っている変調機能によって変調させ、この変調光
を偏光分離素子にて検光して取り出すように構成されて
いる。
【0003】このような構成を有するライトバルブとし
て、入射した直線偏光光を内部に所有する反射ミラーに
よって光を入射方向と反対方向に反射させて出射する反
射型ライトバルブと、入射した直線偏光光を変調させて
透過して出射する透過型ライトバルブとの2種類のライ
トバルブが知られている。
【0004】前者の反射型ライトバルブを用いた場合に
は、一般的に、ランダム偏光光を偏光ビームスプリッタ
に入射させて、当該偏光ビームスプリッタを出射した一
方の直線偏光光を当該ライトバルブに入射させ、当該ラ
イトバルブにて反射されて出射された変調光を再度前記
偏光ビームスプリッタに入射させて検光して信号成分の
みを取り出す。一方、後者の透過型ライトバルブを用い
た場合には、一般的に、当該ライトバルブはクロスニコ
ルを構成する偏光板にて液晶パネルを挟み込みんだ構造
を有しており、入射側の偏光板にて直線偏光光を作製
し、当該液晶パネルを透過して出射された変調光を透過
出射側に配置した偏光板にて検光する。
【0005】しかし、前記反射型ライトバルブや前記透
過型ライトバルブに入射する直線偏光光の偏光の純度
は、前記偏光ビームスプリッタや前記偏光板によって決
定されるのであるが、偏光ビームスプリッタや偏光板の
性能は決して完全とは言えない。このため、そのままで
は、投射像のコントラストが低下してしまう。そこで、
反射型ライトバルブや透過型ライトバルブを用いた従来
の投射型表示装置では、投射像のコントラストを上げる
べく、良好な純度の直線偏光の光をライトバルブに入射
させるために、前記偏光ビームスプリッタや前記偏光板
の前段に更なる偏光分離装置(予備偏光分離装置)を配
置する方法が採られている。
【0006】前記予備偏光分離装置を有する投射型表示
装置として、特表昭62−502149号公報には、前
記反射型ライトバルブを使用した投射型表示装置(特
に、当該公報のFIG.1)が開示されている。この投
射型表示装置では、光源光を前記予備偏光分離装置とし
ての前段の偏光ビームスプリッタに入射させ、これを透
過した直線偏光光を後段の偏光ビームスプリッタの偏光
分離膜の面に対してS偏光となるように当該後段の偏光
ビームスプリッタに入射させており、その結果後段の偏
光ビームスプリッタから反射して出射されるS偏光光
は、偏光の純度が良好な直線偏光となる。このS偏光光
は、複数のダイクロイックミラーから構成される色分解
合成光学系にてR光(赤色光)、G光(緑色光)、B光
(青色光)に色分解され、色分解された各色光が各色光
毎に配置された反射型ライトバルブに入射される。当該
各色光用の反射型ライトバルブにて変調を受けた各色の
変調光は、当該各ライトバルブを出射して前記色分解合
成光学系に入射され、前記色分解合成光学系にて色合成
される。当該色合成光は前記後段の偏光ビームスプリッ
タに入射されて検光され、当該検光光が投射レンズにて
投射される。
【0007】一方、前記予備偏光分離装置を有する投射
型表示装置として、特開平5−157915号公報に
は、前記透過型ライトバルブを使用した投射型表示装置
(特に、当該公報の図8)が開示されている。この投射
型表示装置では、前記予備偏光分離装置として、両面に
高屈折率の誘電体膜を蒸着したガラス基板をジグザグ配
置して蛇腹構成とした偏光分離装置が用いられている。
この投射型表示装置では、光源光を前記偏光分離装置に
入射させて、一方方向の振動方向の偏光成分(P偏光成
分)を多分に有する光を前記偏光分離装置を透過させ、
この透過光を色分解用の複数のダイクロイックミラーに
てR光、G光、B光に色分解して、各色光毎に配置され
た偏光板をクロスニコルで挟み込んだ透過型ライトバル
ブにそれぞれ入射させ、各ライトバルブにて変調されて
出射側の各偏光板にて検光された光を色合成用の複数の
ダイクロイックミラーにて色合成し、当該色合成光を投
射レンズにて投射する。
【0008】当該公報には前記ダイクロイックミラーの
膜構成等の開示はないが、前記ダイクロイックミラーと
して、例えば図23に示すような従来のダイクロイック
ミラーが採用されているものと考えられる。図23に示
す従来のダイクロイックミラーは、45度で入射する光
に対して最適化したG光反射ダイクロイックミラーの例
であり、屈折率n=1.52の透明ガラス基板と、該ガ
ラス基板の片面(入射面)に積層された誘電体多層膜と
から構成されている。この誘電体多層膜は、図23に示
すように、高屈折率物質H1としての酸化ジルコン(Z
rO2:屈折率n=2.05)からなる層と、低屈折率
物質L1としての二酸化珪素(SiO2:屈折率n=
1.47)からなる層とを、それぞれλ/4の膜厚で交
互に計17層積層して形成したものである。なお、図2
3に示すダイクロイックミラーは、前記特開平5−15
7915号公報に開示された投射型表示装置用なので、
入射角度45度で入射する光に対して最適化されてい
る。この図23に示す従来のダイクロイックミラーの入
射角度45度における反射特性を図24に示す。図24
において、実線はS偏光光の反射率を示し、破線はP偏
光光の反射率を示している。図24からわかるように、
この従来のダイクロイックミラーでは、S偏光光の方が
波長領域として広い幅でもって反射特性を有し、さらに
P偏光光はS偏光光より5%程度反射率が落ちてはいる
ものの、まだかなりの反射特性を有しており、実質的に
偏光特性を有していないことがわかる。
【0009】以上説明した両公報に開示されたいずれの
投射型表示装置においても、ライトバルブに入射する直
線偏光の性能が向上するので長期にわたって明るく、高
画質の投射像が得られるとされている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記各公報に
開示された従来の投射型表示装置においては、以下の問
題が生じていた。
【0011】すなわち、前記特表昭62−502149
号公報に開示された投射型表示装置では、予備偏光分離
装置として前段の偏光ビームスプリッタが必要になるた
め、コストアップを免れない。偏光ビームスプリッタは
各種光学部材のなかでも、決して安価に作製できるもの
でなく、1個の偏光ビームスプリッタとはいえそのコス
トは無視できるものではない。ましてや、当該公報に開
示された投射型表示装置のように1個の前段偏光ビーム
スプリッタにてB光波長領域からR光波長領域まで全波
長領域の光を偏光させることは、当該偏光ビームスプリ
ッタの偏光分離膜の設計の上で容易なことでないため
に、より高性能の投射型表示装置、例えば光源光をまず
色分解し、各色光を各色光毎に配置した偏光ビームスプ
リッタにて偏光光分離し、各色光の一方の偏光光をライ
トバルブにて変調させて出射させ、この各色の変調光を
前記各色光用偏光ビームスプリッタにてそれぞれ検光
し、当該各色の検光光を色合成するような構成の投射型
表示装置においては、各色光用偏光ビームスプリッタの
前段のそれぞれに更に各色光用偏光ビームスプリッタを
配置するような構成とする必要があるが、こうすること
は更なるコスト上昇を招く。
【0012】また、前記特開平5−157915号公報
に開示された投射型表示装置では、予備偏光分離装置と
して前記蛇腹構成の偏光分離装置が必要になるため、や
はりコストアップを免れないとともに、この偏光分離装
置を配置する空間が必要となって投射型表示装置の大型
化を招くことになる。
【0013】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、投射型表示装置等において使用することによ
り、ライトバルブに入射する光の偏光の純度を上げて投
射像のコントラストを向上させることができ、しかも当
該装置のコストダウンと小型化を図ることができるミラ
ーを提供することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明の第1の態様によるミラーは、反射光を直線
偏光光に近づける偏光特性(偏光分離特性)を有するも
のである。このミラーは、反射波長選択性を有するダイ
クロイックミラーであってもよい。
【0015】この第1の態様によるミラーは、反射光を
直線偏光光に近づける偏光特性を有しているので、反射
機能と偏光機能とを同時に達成することになる。したが
って、前記第1の態様によるミラーは、例えば、投射型
表示装置においてライトバルブへの光の入射光路中に配
置されている当該光路を折り曲げるための折り曲げミラ
ーとして前記第1の態様によるミラーを採用することが
でき、それによりライトバルブへ入射する光の偏光の純
度が高まり投射像のコントラストが向上する。前記従来
の投射型表示装置における予備偏光分離装置としての偏
光ビームスプリッタや蛇腹構成の偏光分離装置と異な
り、例えば後述する第5の態様のように、ガラス基板と
誘電体多層膜とにより構成することができるので、コス
トダウンを図ることができる。しかも、前記第1の態様
によるミラーは、前述したようにそもそも投射型表示装
置が有している折り曲げミラーとして用いることができ
るので、一層のコストダウンを図ることができるととも
に装置の小型化を図ることができる。もっとも、前記従
来の投射型表示装置における予備偏光分離装置を併用し
てもよく、その場合には、前記従来の投射型表示装置と
比較してさほどコストが上昇することないとともに何ら
装置の大型化を招くことなく、ライトバルブへの入射光
の偏光の純度を一層高めることができ、ひいては投射像
のコントラストを一層向上させることができる。
【0016】本発明の第2の態様によるミラーは、B光
波長領域の略全体に渡って、所定入射角度で入射するS
偏光光の反射率が90%以上であるとともに、前記所定
入射角度で入射するP偏光光の反射率が前記所定入射角
度で入射するS偏光光の反射率より15%以上下がって
いるものである。このミラーは、反射波長選択性を有す
るダイクロイックミラーであってもよい。
【0017】本発明の第3の態様によるミラーは、G光
波長領域の略全体に渡って、所定入射角度で入射するS
偏光光の反射率が90%以上であるとともに、前記所定
入射角度で入射するP偏光光の反射率が前記所定入射角
度で入射するS偏光光の反射率より15%以上下がって
いるものである。このミラーは、反射波長選択性を有す
るダイクロイックミラーであってもよい。
【0018】本発明の第4の態様によるミラーは、R光
波長領域の略全体に渡って、所定入射角度で入射するS
偏光光の反射率が90%以上であるとともに、前記所定
入射角度で入射するP偏光光の反射率が前記所定入射角
度で入射するS偏光光の反射率より15%以上下がって
いるものである。このミラーは、反射波長選択性を有す
るダイクロイックミラーであってもよい。
【0019】前記第2乃至第4の態様では、各色の波長
領域ごとに十分に高いS偏光光の反射率とそれよりかな
り低いP偏光光の反射率とを得ているので、B光波長領
域からR光波長領域まで全波長領域に対して反射光にお
ける偏光特性を得る場合に比べてその設計が容易とな
る。なお、前記第2乃至第4の態様によるミラーは、前
記第1の態様によるミラーと同様に、例えば、投射型表
示装置における折り曲げミラーとして用いることにより
同様の利点が得られるが、色分解後でかつライトバルブ
入射前の各色光を反射するように用いられる。
【0020】本発明の第5の態様によるミラーは、前記
第1乃至第4のいずれかのミラーにおいて、ガラス基板
と、該ガラス基板上に積層された誘電体多層膜とを備え
たものである。
【0021】このような基本構成は、前述した従来のダ
イクロイックミラーと同様であるが、誘電体多層膜の各
層の厚さ等を変えることにより前記第1乃至第4のよう
な特性を得ることができる。なお、このような構成は、
前記特開平5−157915号公報に開示されている両
面に高屈折率の誘電体膜(多層膜ではない)を蒸着した
ガラス基板の構成と本質的に全く異なるものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)本発明の第1の実施の形態による
ミラーについて、図1乃至図4を参照して説明する。
【0023】図1は、本実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。図2乃至図4は、それぞ
れ図1に示すミラーの反射特性を示す図である。
【0024】本実施の形態によるミラーは、入射角度4
5度で入射する光に対して最適化したB光用のミラーの
例であり、図1に示すように、屈折率n=1.52の透
明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積層
された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電体
多層膜は、図1に示すように、高屈折率物質H1として
の酸化ジルコン(ZrO2:屈折率n=2.05)から
なる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪素(Si
2:屈折率n=1.47)からなる層とを、それぞれ
図1に示す膜厚で交互に計18層積層して形成したもの
である。
【0025】図2は、図1に示すミラーの入射角度45
度における反射特性を示している。図2において、実線
はS偏光光の反射率を示し、破線はP偏光光の反射率を
示している(後述する図3、図4、図6、図7、図8、
図10、図12、図14、図16、図18も同様)。図
2からわかるように、図1に示すミラーでは、入射角度
45度で入射する光に関して、B光波長領域(400n
m〜500nm)の略全体に渡って、S偏光光の反射率
が95%以上であり、P偏光光の反射率はS偏光光の反
射率より約20%低い値を示しており、B光波長領域に
おいて反射光を直線偏光光に近づける偏光特性を有して
いることが理解できる。なお、図2からわかるように、
図1に示すミラーは、反射波長選択性を有するダイクロ
イックミラーとなっている。
【0026】図3は、図1に示すミラーの入射角度30
度における反射特性を示している。図3からわかるよう
に、図1に示すミラーでは、入射角度30度で入射する
光に関して、B光波長領域において、S偏光光の反射率
が低下し、P偏光光の反射率が上がることから、反射光
を直線偏光光に近づける偏光特性は強くないことがわか
る。したがって、図1に示すミラーは、入射角度30度
で使用することは好ましくないが、入射角度が30度で
あっても実質的に偏光特性を有しているので、入射角度
30度で使用することも可能である。
【0027】図4は、図1に示すミラーの入射角度65
度における反射特性を示している。図4からわかるよう
に、図1に示すミラーでは、入射角度65度で入射する
光に関して、B光波長領域において、S偏光光の反射率
が更に高まり、P偏光光の反射率が更に低減してS偏光
光の反射率よりも約40%も低減して更に良好な偏光特
性(良好な反射消光比)を有することになる。ただし、
この場合には、図4からわかるように、S偏光光の反射
できる波長幅が45度入射の場合に比して低減する。図
1に示すミラーは、入射角度65度で使用することも可
能である。
【0028】(第2の実施の形態)本発明の第2の実施
の形態によるミラーについて、図5乃至図8を参照して
説明する。
【0029】図5は、本実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。図6乃至図8は、それぞ
れ図5に示すミラーの反射特性を示す図である。
【0030】本実施の形態によるミラーは、入射角度6
5度で入射する光に対して最適化したB光用のミラーの
例であり、図5に示すように、屈折率n=1.52の透
明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積層
された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電体
多層膜は、図5に示すように、高屈折率物質H1として
の酸化ジルコン(ZrO2:屈折率n=2.05)から
なる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪素(Si
2:屈折率n=1.47)からなる層とを、それぞれ
図5に示す膜厚で交互に計14層積層して形成したもの
である。図5中の誘電体多層膜と図1中の誘電体多層膜
とは、膜を構成する各物質H1,L1は同じであるが、
その膜厚及び層数が異なっている。
【0031】図6は、図5に示すミラーの入射角度65
度における反射特性を示している。図6からわかるよう
に、図5に示すミラーでは、B光波長領域の略全体に渡
って、S偏光光の反射率が95%以上の良好な反射率で
あり、P偏光光の反射率はS偏光光の反射率より50%
近く反射率が落ちており、図1に示す前記第1の実施の
形態による45度入射用のミラーよりも優れた偏光分離
特性を有していることが理解できる。なお、図6からわ
かるように、図5に示すミラーも、反射波長選択性を有
するダイクロイックミラーとなっている。
【0032】図7は、図5に示すミラーの入射角度30
度における反射特性を示している。図7からわかるよう
に、図5に示すミラーでは、入射角度30度で入射する
光に関して、S偏光光の反射率は低下してしまい、P偏
光光の反射率は特性は上昇し、かつS偏光光の反射波長
領域(反射率の高い波長領域)がG光領域側にずれてし
まう。したがって、図5に示すミラーは、入射角度30
度では、B光用として更に偏光反射ミラーとして使用す
ることはできない。
【0033】図8は、図5に示すミラーの入射角度45
度における反射特性を示している。図8からわかるよう
に、図5に示すミラーでは、入射角度45度で入射する
光に関して、S偏光光の反射率は95%程度となって少
し下がり、P偏光光の反射率は逆に70%以上に上がっ
ている。しかし、この場合にも比較的良好な偏光特性を
有しているので、図5に示すミラーは、入射角度45度
で使用可能である。ただし、図8に示すように反射波長
領域がG光波長領域(500nm〜600nm)側にず
れているので、図5に示すミラーは、入射角度45度で
使用するより入射角度65度で使用することが好まし
い。
【0034】(第3の実施の形態)本発明の第3の実施
の形態によるミラーについて、図9及び図10を参照し
て説明する。
【0035】図9は、本実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。図10は、図9に示すミ
ラーの反射特性を示す図である。
【0036】本実施の形態によるミラーは、入射角度4
5度で入射する光に対して最適化したG光用のミラーの
例であり、図9に示すように、屈折率n=1.52の透
明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積層
された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電体
多層膜は、図9に示すように、高屈折率物質H1として
の酸化ジルコン(ZrO2:屈折率n=2.05)から
なる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪素(Si
2:屈折率n=1.47)からなる層とを、それぞれ
図9に示す膜厚で交互に計18層積層して形成したもの
である。
【0037】図10は、図9に示すミラーの入射角度4
5度における反射特性を示している。図10からわかる
ように、図9に示すミラーでは、G光波長領域の略全体
に渡って、S偏光光の反射率が95%以上であり、P偏
光光の反射率はS偏光光の反射率より約20%低い値を
示しており、G光波長領域において反射光を直線偏光光
に近づける偏光特性を有していることが理解できる。な
お、図10からわかるように、図9に示すミラーも、反
射波長選択性を有するダイクロイックミラーとなってい
る。
【0038】前記第2の実施の形態と同様に、誘電体多
層膜を構成する高屈折率物質H1及び低屈折率物質L1
として本実施の形態と同じ物質を使用して層数及び膜厚
を変えることにより入射角度65度で入射する光に対し
て最適化したG光用のミラーを作製することができ、そ
の偏光特性はG光波長領域において本実施の形態による
ミラーよりも優れている。
【0039】(第4の実施の形態)本発明の第4の実施
の形態によるミラーについて、図11及び図12を参照
して説明する。
【0040】図11は、本実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。図12は、図11に示
すミラーの反射特性を示す図である。
【0041】本実施の形態によるミラーは、入射角度4
5度で入射する光に対して最適化したR光用のミラーの
例であり、図11に示すように、屈折率n=1.52の
透明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積
層された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電
体多層膜は、図11に示すように、高屈折率物質H1と
しての酸化ジルコン(ZrO2:屈折率n=2.05)
からなる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪素
(SiO2:屈折率n=1.47)からなる層とを、そ
れぞれ図11に示す膜厚で交互に計18層積層して形成
したものである。
【0042】図12は、図11に示すミラーの入射角度
45度における反射特性を示している。図12からわか
るように、図11に示すミラーでは、R光波長領域(6
00nm〜700nm)の略全体に渡って、S偏光光の
反射率が95%以上であり、P偏光光の反射率はS偏光
光の反射率より約20%低い値を示しており、G光波長
領域において反射光を直線偏光光に近づける偏光特性を
有していることが理解できる。なお、図12からわかる
ように、図11に示すミラーも、反射波長選択性を有す
るダイクロイックミラーとなっている。
【0043】前記第2の実施の形態と同様に、誘電体多
層膜を構成する高屈折率物質H1及び低屈折率物質L1
として本実施の形態と同じ物質を使用して層数及び膜厚
を変えることにより入射角度65度で入射する光に対し
て最適化したR光用のミラーを作製することができ、そ
の偏光特性はR光波長領域において本実施の形態による
ミラーよりも優れている。
【0044】(第5の実施の形態)本発明の第5の実施
の形態によるミラーについて、図13及び図14を参照
して説明する。
【0045】図13は、本実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。図14は、図13に示
すミラーの反射特性を示す図である。
【0046】本実施の形態によるミラーは、入射角度4
5度で入射する光に対して最適化したG光用のミラーの
例であり、図13に示すように、屈折率n=1.52の
透明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積
層された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電
体多層膜は、図13に示すように、高屈折率物質H2と
しての二酸化チタン(TiO2:屈折率n=2.25)
からなる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪素
(SiO2:屈折率n=1.47)からなる層とを、そ
れぞれ図13に示す膜厚で交互に計15層積層して形成
したものである。図13中の誘電体多層膜は、図1、図
5、図9及び図11にそれぞれ示す誘電体多層膜と異な
り、高屈折率物質として酸化ジルコンに代えて二酸化チ
タンが用いられている。
【0047】図14は、図13に示すミラーの入射角度
45度における反射特性を示している。図14からわか
るように、図13に示すミラーでは、G光波長領域の略
全体に渡って、S偏光光の反射率が95%以上であり、
P偏光光の反射率はS偏光光の反射率より約20%低い
値を示しており、G光波長領域において反射光を直線偏
光光に近づける偏光特性を有していることが理解でき
る。
【0048】なお、図14からわかるように、本実施の
形態による図13に示すミラーはS偏光光に対してB光
波長領域にも高反射領域を有しているが、この領域にお
いてはP偏光光において高反射率を有しており、実質的
に偏光分離をすることができないといってよい。本実施
の形態によるミラーにて偏光分離を実施するには、G光
波長領域の光を入射させる。
【0049】なお、前記第2の実施の形態と同様に、誘
電体多層膜を構成する高屈折率物質H2及び低屈折率物
質L1として本実施の形態と同じ物質を使用して層数及
び膜厚を変えることにより入射角度65度で入射する光
に対して最適化したG光用のミラーを作製することがで
き、その偏光特性はG光波長領域において本実施の形態
によるミラーよりも優れている。
【0050】(第6の実施の形態)本発明の第6の実施
の形態によるミラーについて、図15及び図16を参照
して説明する。
【0051】図15は、本実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。図16は、図15に示
すミラーの反射特性を示す図である。
【0052】本実施の形態によるミラーは、入射角度4
5度で入射する光に対して最適化したR光用のミラーの
例であり、図15に示すように、屈折率n=1.52の
透明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)に積
層された誘電体多層膜とから構成されている。この誘電
体多層膜は、図15に示すように、高屈折率物質H1と
しての酸化ジルコニウム(ZrO2:屈折率n=2.0
5)からなる層と、低屈折率物質L2としてのフッ化マ
グネシウム(MgF2:屈折率n=1.38)からなる
層とを、それぞれ図15に示す膜厚で交互に計15層積
層して形成したものである。図15中の誘電体多層膜
は、図1、図5、図9及び図11にそれぞれ示す誘電体
多層膜と異なり、低屈折率物質として二酸化珪素に代え
てフッ化マグネシウムが用いられている。
【0053】図16は、図15に示すミラーの入射角度
45度における反射特性を示している。図16からわか
るように、図15に示すミラーでは、R光波長領域の略
全体に渡って、S偏光光の反射率が95%以上であり、
P偏光光の反射率はS偏光光の反射率より約20%低い
値を示しており、R光波長領域において反射光を直線偏
光光に近づける偏光特性を有していることが理解でき
る。
【0054】なお、前記第2の実施の形態と同様に、誘
電体多層膜を構成する高屈折率物質H1及び低屈折率物
質L2として本実施の形態と同じ物質を使用して層数及
び膜厚を変えることにより入射角度65度で入射する光
に対して最適化したR光用のミラーを作製することがで
き、その偏光特性はR光波長領域において本実施の形態
によるミラーよりも優れている。
【0055】(第7の実施の形態)本発明の第7の実施
の形態によるミラーについて、図17及び図18を参照
して説明する。
【0056】図17は、本実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。図18は、図17に示
すミラーの反射特性を示す図である。
【0057】本実施の形態によるミラーは、入射角度5
4.6度で入射する光に対して最適化したB光用のミラ
ーの例であり、図17に示すように、屈折率n=1.5
2の透明ガラス基板と、該ガラス基板の片面(入射面)
に積層された誘電体多層膜とから構成されている。この
誘電体多層膜は、図17に示すように、高屈折率物質H
1としての酸化ジルコン(ZrO2:屈折率n=2.0
5)からなる層と、低屈折率物質L1としての二酸化珪
素(SiO2:屈折率n=1.47)からなる層とを、
それぞれ図17に示す膜厚で交互に計18層積層して形
成したものである。
【0058】図18は、図17に示すミラーの入射角度
54.6度における反射特性を示している。図18から
わかるように、図17に示すミラーでは、B光波長領域
の略全体に渡って、S偏光光の反射率が95%以上であ
り、P偏光光の反射率はS偏光光の反射率より約30%
低い値を示しており、B光波長領域において反射光を直
線偏光光に近づける偏光特性を有していることが理解で
きる。
【0059】なお、誘電体多層膜を構成する高屈折率物
質H1及び低屈折率物質L1として本実施の形態と同じ
物質を使用して層数及び膜厚を変えることにより、入射
角度54.6度で入射する光に対して最適化したR光用
のミラー及びG光用のミラーも作製することができる。
【0060】前述した第1乃至第7の実施の形態のよう
に、ガラス基板上に、高屈折率物質及び低屈折率物質を
交互に積層してなる誘電体多層膜を形成することによっ
て、反射光に偏光分離特性を持たせたミラー(すなわ
ち、反射光を直線偏光光に近づける偏光特性を有するミ
ラー)を作製することができ、このミラーに所定の入射
角度にて所定波長領域の光を入射させれば、反射光とし
て偏光分離された光を取り出すことができる。
【0061】以上、本発明の各実施の形態によるミラー
について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限
定されるものではない。
【0062】(投射型表示装置の第1の例)次に、前述
した実施の形態によるミラーを使用した投射型表示装置
の第1の例について、図19を参照して説明する。
【0063】図19は、本例による投射型表示装置を示
す概略構成図である。説明の便宜上、図に示すように互
いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。
【0064】本例による投射型表示装置では、図19に
示すように、Y方向に進行する図示しない光源から発せ
られた白色光源光は、図示しない赤外線吸収フィルター
及び紫外線吸収フィルターを経由して、色分解光学系を
構成するクロスダイクロイックミラー3に入射される。
クロスダイクロイックミラー3は、B光反射ダイクロイ
ックミラー3BとR光反射ダイクロイックミラー3Rと
を互いに直交するようにX型に配置したものであり、各
ミラー3B,3Rは入射角度が45度となるように配置
されている。クロスダイクロイックミラー3にY方向に
入射した光源光は、−X方向に進行するR光と、X方向
に進行するB光と、クロスダイクロイックミラー3をそ
のまま透過してY方向に進行するG光とに色分解され
る。
【0065】クロスダイクロイックミラー3によって色
分解されたR光、G光、B光は、それぞれ本発明による
ミラーを採用した折り曲げミラー4R,4G,4Bにて
光軸をそれぞれZ方向に変え、各色光用の偏光ビームス
プリッタ5R,5G,5Bにそれぞれ入射される。本例
では、折り曲げミラー4R,4G,4Bには各色光が入
射角度45度にて入射されるので、折り曲げミラー4
R,4G,4Bとして、前述した各実施の形態によるミ
ラーのうち、入射角度45度にて入射する光に対して最
適化したミラーが採用されている。具体的には、折り曲
げミラー4Rとして図11又は図15に示すミラーを採
用することができ、折り曲げミラー4Gとして図9又は
図13に示すミラーを採用することができ、折り曲げミ
ラー4Bとして図1に示すミラーを採用することができ
る。
【0066】このように本発明によるミラーが採用され
た折り曲げミラー4R,4G,4Bにはクロスダイクロ
イックミラー3によって色分解されたR光、G光、B光
がそれぞれランダム偏光の状態で入射角度45度にて入
射され、前述した実施の形態にて述べた偏光分離特性を
含む反射特性に従って反射される。すなわち、ミラー4
R,4G,4Bにてそれぞれ反射された各色光は、S偏
光成分がP偏光成分より多く含んだ状態となって、各色
光用の偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bにそれぞ
れ入射されることとなる。
【0067】ミラー4R,4G,4Bに対する偏光のS
方向がそれぞれ偏光ビームスプリッタ5R,5G,5B
の偏光分離膜に対するS方向となるように、偏光ビーム
スプリッタ5R,5G,5Bが配置されている。折り曲
げミラー4R,4G,4Bにてそれぞれ反射され偏光ビ
ームスプリッタ5R,5G,5BにそれぞれZ方向に入
射された各色光は、前述したようにP偏光成分よりS偏
光成分を多く有しており、各偏光ビームスプリッタ5
R,5G,5Bによって、当該偏光ビームスプリッタ5
R,5G,5Bの偏光分離膜にて反射されて反射型ライ
トバルブ6R,6G,6Bに入射されるS偏光光と、当
該偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bの偏光分離膜
を透過してそれぞれ廃棄されるP偏光光とに偏光分離さ
れる。このように、折り曲げミラー4R,4G,4Bの
偏光分離特性と偏光ビームスプリッタ5R,5G,5B
の偏光分離特性とを重畳して受けた各色のS偏光光がそ
れぞれライトバルブ6R,6G,6Bに入射されるの
で、ライトバルブ6R,6G,6Bにそれぞれ入射され
る各色のS偏光光の偏光の純度は高く良好なものとな
る。
【0068】本例では、ライトバルブ6R,6G,6B
として、光書き込み式反射型ライトバルブが用いられて
いる。ここで、光書き込み式の反射型液晶ライトバルブ
の構造及び機能について説明する。図面には示していな
いが、このライトバルブは、例えば、入射光側から順に
配置された、透明ガラス基板、ITO透明電極膜、液晶
配向層、TN液晶層、液晶配向層、誘電体反射ミラー
層、遮光層、水素化非晶質シリコン層等からなる光導電
体層、ITO透明電極層及び透明ガラス基板から構成さ
れている。すなわち、入射光と反対側から書き込み光信
号が入射すると、当該箇所の前記光導電体層はそのイン
ピーダンスを減らすこととなり、前記両ITO電極間に
常時交流を印加させて当該素子を作動させることから、
印加電圧が前記液晶間に印加され、液晶分子が電界方向
に配列することによって液晶層自体が1/4波長板とし
ての機能を有することとなる。一方、書き込み光信号が
ない場合は、当該箇所の前記光導電体層が高インピーダ
ンスを有するために両ITO電極間に印加された電圧は
有効に液晶に印加されないこととなり、液晶層中の液晶
分子は配列せず、液晶配向層に倣って配向し、ねじれ構
造を構成する。以上の機能を有するために、書き込み光
信号が入射された箇所においては、入射した直線偏光光
(読み出し光)は液晶層を通過して円偏光となってミラ
ー層により反射され、再度液晶層を通過して入射時と偏
光方向が90度変換されて出射される。つまり、入射光
(読み出し光)がS偏光光である場合、P偏光光として
出射される。書き込み光信号が入射されない箇所では、
入射偏光光は液晶分子のねじれに倣って旋光し、反射層
にて反射されて、再度ねじれに倣って旋光されて出射す
るので、入射光と同じ偏光で出射する。つまり、入射光
(読み出し光)がS偏光光である場合、S偏光光として
出射される。なお、図19では、ライトバルブ6R,6
G,6B用の書き込み光学系は図示を省略している。
【0069】以上が光書き込み式反射型ライトバルブの
構造及び機能である。光書き込み式反射型ライトバルブ
は前記機能を有しているために、当該ライトバルブに入
射する直線偏光光の偏光の純度が高ければ高いほど、コ
ントラストの良好な投射像を得ることができることが理
解できる。
【0070】なお、ライトバルブ6R,6G,6Bは、
このような光書き込み式の反射型ライトバルブに限定さ
れるものではなく、例えば、同様に反射型ライトバルブ
であって電気信号によって非線形素子であるところのT
FTによってスイッチングを行い、スイッチングされた
画素の液晶変調層部分の配列を変化させることにより変
調層として使用する構成の電気書き込み式反射型ライト
バルブを使用することができることは言うまでもない。
この場合には、光書き込み光学系が不要となり、装置の
小型化に寄与することができる。
【0071】電気書き込み式反射型ライトバルブにおい
ても、同様に入射直線偏光光にはより高い偏光の純度が
求められる。したがって、ライトバルブ6R,6G,6
Bとして電気書き込み式反射型ライトバルブを採用した
場合においても、本発明によるミラーを採用した折り曲
げミラー4R,4G,4Bを反射して偏光の純度が高ま
った各色光の偏光の純度を更に偏光ビームスプリッタ5
R,5G,5Bにてその消光比によって一段と高め、こ
のようにして偏光の純度が高まったS偏光光をライトバ
ルブ6R,6G,6Bに入射させることができるため
に、良好なコントラストの光を当該ライトバルブ6R,
6G,6Bから出射することができる。
【0072】ライトバルブ6R,6G,6Bにそれぞれ
入射したS偏光のR光、G光、B光は、各色用の書き込
み光に応じて変調を受けて反射されてそれぞれ変調光と
して各ライトバルブ6R,6G,6Bから出射され、再
び偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bにそれぞれ入
射される。前記各色の変調光には、前述した機能によ
り、各色用の書き込み光に応じて選択された箇所のP偏
光光と選択されていない箇所のS偏光光とが混ざってい
る。偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bにそれぞれ
入射された変調光は、当該偏光ビームスプリッタ5R,
5G,5Bによりそれぞれ検光される。すなわち、各色
の変調光のうちのP偏光光のみが偏光ビームスプリッタ
5R,5G,5Bの偏光分離膜を透過して色合成光学系
としてのクロスダイクロイックプリズム7へ向けて進行
し(つまり、検光され)、各色の変調光のうちのS偏光
光は偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bの偏光分離
膜にて反射されて−Z方向に廃棄される。
【0073】各偏光ビームスプリッタ5R,5G,5B
から出射された各色の検光光は、前記色分解光学系とし
てのクロスダイクロイックミラー3にて色分解された各
色光の折り曲げミラー4R,4G,4Bへの入射方向と
逆方向に出射され、クロスダイクロイックプリズム7か
ら構成される色合成光学系に入射される。
【0074】クロスダイクロイックプリズム7は、各側
面に形成されたR光反射ダイクロイック膜7RとB光反
射ダイクロイック膜7Bとが互いに直交してX型となる
ように4個の直角二等辺三角形プリズムを、接着剤で貼
り合わせて組み合わせた構造を有している。
【0075】偏光ビームスプリッタ5RからX方向に出
射されてクロスダイクロイックプリズム7に入射したR
光の検光光は、R光反射ダイクロイック膜7Rによって
反射され、光軸を−Y方向に変え、当該プリズム7から
−Y方向に出射される。偏光ビームスプリッタ5Bから
−X方向に出射されてクロスダイクロイックプリズム7
に入射したB光の検光光は、B光反射ダイクロイック膜
7Bによって反射され、光軸を−Y方向に変え、当該プ
リズム7から−Y方向に出射される。偏光ビームスプリ
ッタ5Gから−Y方向に出射されてクロスダイクロイッ
クプリズム7に入射したG光の検光光は、ダイクロイッ
ク膜7R,7Gを透過して、当該プリズム7からそのま
ま−Y方向に出射される。各偏光ビームスプリッタ5
R,5G,5Bを出射した検光光はP偏光であるが、ク
ロスダイクロイックプリズム7のダイクロイック膜7
R,7Bの面に対してはS方向に入射することとなる。
したがって、ダイクロイック膜7R,7Bの面に対して
理想的な振動方向の直線偏光光を入射させることができ
ることになる。
【0076】以上により、各色光用ライトバルブ6R,
6G,6Bにて変調を受けて偏光ビームスプリッタ5
R,5G,5Bにて検光された各色光の検光光は、クロ
スダイクロイックプリズム7にて色合成され、当該合成
光は、クロスダイクロイックプリズム7から−Y方向に
出射されることになる。そして、クロスダイクロイック
プリズム7から出射された合成光は、投射光学系として
の投射レンズ(図示せず)に入射され、スクリーン(図
示せず)上にフルカラーの投射像として投射される。
【0077】以上のように、本例による投射型表示装置
によれば、色分解されたR光、G光、B光のランダム偏
光光は、各色光用偏光ビームスプリッタ5R,5G,5
Bに入射する前に、本発明によるミラーが採用された折
り曲げミラー4R,4G,4Bによって反射されて光軸
を変えた際に、偏光状態をランダム偏光から一層直線偏
光に近い偏光状態に変換される。そして、この偏光状態
の各色光が、各偏光ビームスプリッタ5R,5G,5B
に入射して当該偏光ビームスプリッタ5R,5G,5B
の偏光分離膜によって更に純度の高い直線偏光とされ
て、各ライトバルブ6R,6G,6Bに入射される。こ
のため、よりコントラストの良好な投射像を投射するこ
とができる。
【0078】さらに、以上の構成を採用することによっ
て、従来のように光源の後に偏光装置を配置したり、各
偏光ビームスプリッタ6R,6G,6Bの前に前段とし
ての偏光ビームスプリッタを配置する必要もなく、構成
の小型化に寄与できる上に、コストの低減を図ることが
できる。もっとも、そのような偏光装置や前段の偏光ビ
ームスプリッタを併用してもよく、その場合には、より
一層投射像のコントラストを高めることができる。
【0079】(投射型表示装置の第2の例)次に、前述
した実施の形態によるミラーを使用した投射型表示装置
の第2の例について、図20を参照して説明する。
【0080】図20は、本例による投射型表示装置を示
す概略構成図である。説明の便宜上、図に示すように互
いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。
【0081】前記第1の例による投射型表示装置が光書
き込み式あるいは電気書き込み式の反射型ライトバルブ
を用いた投射型表示装置であったのに対し、本例による
投射型表示装置はいわゆる透過型ライトバルブを使用し
た投射型表示装置である。
【0082】本例による投射型表示装置では、図20に
示すように、−Z方向に進行する図示しない光源から発
せられた白色光源光は、図示しない赤外線吸収フィルタ
ー及び紫外線吸収フィルターを経由して、色分解光学系
を構成するクロスダイクロイックミラー13に入射され
る。クロスダイクロイックミラー13は、B光反射ダイ
クロイックミラー13BとR光反射ダイクロイックミラ
ー13Rとを互いに直交するようにX型に配置したもの
であり、各ミラー13B,13Rは入射角度が45度と
なるように配置されている。クロスダイクロイックミラ
ー13に−Z方向に入射した光源光は、−X方向に進行
するR光と、X方向に進行するB光と、クロスダイクロ
イックミラー13をそのまま透過して−Z方向に進行す
るG光とに色分解される。
【0083】クロスダイクロイックミラー13によって
色分解されたR光、G光、B光は、それぞれ折り曲げミ
ラー14R,14G,14Bにて光軸をそれぞれ−Y方
向に変えて進行する。なお、折り曲げミラー14R,1
4G,14Bは本発明によるミラーではなく、通常の誘
電体多層膜ミラー又は金属反射ミラーであってよく、反
射後においても各色光の偏光状態は変化せずにランダム
偏光光のままである。
【0084】反射折り曲げミラー14R,14G,14
Bによって反射された各色光は、それぞれ本発明による
ミラーを採用した折り曲げミラー15R,15G,15
Bによって反射され、光軸を折り曲げて、R光はX方向
に、G光はZ方向に、B光は−X方向にそれぞれ進行し
てライトバルブ17R,17G,17Bにそれぞれ入射
される。本例においても、折り曲げミラー15R,15
G,15Bには各色光が入射角度45度にて入射される
ので、折り曲げミラー15R,15G,15Bとして、
前述した各実施の形態によるミラーのうち、入射角度4
5度にて入射する光に対して最適化したミラーが採用さ
れている。具体的には、折り曲げミラー15Rとして図
11又は図15に示すミラーを採用することができ、折
り曲げミラー15Gとして図9又は図13に示すミラー
を採用することができ、折り曲げミラー15Bとして図
1に示すミラーを採用することができる。
【0085】このように本発明によるミラーが採用され
た折り曲げミラー15R,15G,15Bにはクロスダ
イクロイックミラー13によって色分解されたR光、G
光、B光がそれぞれランダム偏光の状態で入射角度45
度にて入射され、前述した実施の形態にて述べた偏光分
離特性を含む反射特性に従って反射される。すなわち、
ミラー15R,15G,15Bにてそれぞれ反射された
各色光は、S偏光成分がP偏光成分より多く含んだ状態
となって、ライトバルブ17R,17G,17Bにそれ
ぞれ入射されることとなる。
【0086】本例では、ライトバルブ17R,17G,
17Bとして、透過型ライトバルブが用いられている。
【0087】ここで、透過型ライトバルブについて説明
する。透過型ライトバルブは、例えば、液晶パネルと、
当該液晶パネルの入射側及び出射側の両側に配置されク
ロスニコルを形成する偏光板とを備え、前記偏光板間に
前記液晶パネルを挟み込んだ構成としたものである。前
記液晶パネルは、例えば、各画素のTFTをスイッチン
グすることによって、当該画素の液晶層に電圧を印加さ
せ、当該液晶層中の液晶分子の配列を変えて、入射側の
偏光板を介して当該液晶パネルに入射する直線偏光光を
旋光させるかあるいは旋光させないかによって当該液晶
パネルを出射する偏光の振動方向を変える機能を有して
いる。当該液晶パネルを出射した偏光光は、その振動方
向が出射側の偏光板を透過する方向の場合はそのまま出
射側の偏光板を透過し、そうでない場合は出射側の偏光
板に吸収されることとなり、出射側の偏光板を透過した
光が投射光となる。
【0088】各色光用のライトバルブ17R,17G,
17Bを透過した光(変調光)は、色合成光学系を構成
しているクロスダイクロイックプリズム16に、それぞ
れ異なる方向に、すなわちR光はX方向に、G光はZ方
向に、B光は−X方向に入射される。
【0089】クロスダイクロイックズム16は、各側面
に形成されたR光反射ダイクロイック膜16RとB光反
射ダイクロイック膜16Bとが互いに直交してX型とな
るように4個の直角二等辺三角形プリズムを、接着剤で
貼り合わせて組み合わせた構造を有している。
【0090】ライトバルブ17RをX方向に透過してク
ロスダイクロイックプリズム16に入射したR光は、R
光反射ダイクロイック膜16Rによって反射され、光軸
をZ方向に変え、当該プリズム16からZ方向に出射さ
れる。ライトバルブ17RをZ方向に透過してクロスダ
イクロイックプリズム16に入射したG光は、ダイクロ
イック膜16R,16Bを透過して、当該プリズム16
からそのままZ方向に出射される。ライトバルブ17B
を−X方向に透過してクロスダイクロイックプリズム1
6に入射したB光は、B光反射ダイクロイック膜16B
によって反射され、光軸をZ方向に変え、当該プリズム
16からZ方向に出射される。
【0091】以上により、各色光用ライトバルブ17
R,17G,17Bにて変調を受けて検光された各色光
の検光光は、クロスダイクロイックプリズム16にて色
合成され、当該合成光は、クロスダイクロイックプリズ
ム16からZ方向に出射されることになる。そして、ク
ロスダイクロイックプリズム16から出射された合成光
は、投射光学系としての投射レンズ(図示せず)に入射
され、スクリーン(図示せず)上にフルカラーの投射像
として投射される。
【0092】以上のように、本例による投射型表示装置
によれば、前記第1の例による投射型表示装置と同様
に、色分解されたR光、G光、B光のランダム偏光光
は、各色光用ライトバルブ17R,17G,17Bに入
射する前に、本発明によるミラーが採用された折り曲げ
ミラー15R,15G,15Bによって反射されて光軸
を変えた際に、偏光状態をランダム偏光から一層直線偏
光に近い偏光状態に変換させる。そして、この偏光状態
の各色光が、各ライトバルブ17R,17G,17Bに
入射して当該ライトバルブ17R,17G,17Bの入
射側偏光板によって更に純度の高い直線偏光とされて、
各ライトバルブ17R,17G,17Bの液晶パネルに
入射される。このため、よりコントラストの良好な投射
像を投射することができる。
【0093】さらに、本例によれば、以上の構成を採用
することによって、従来のように光源の後に偏光装置を
配置したり、各ライトバルブ17R,17G,17Bの
前に前段としての偏光ビームスプリッタを配置する必要
もなく、構成の小型化に寄与できる上に、コストの低減
を図ることができることも、前記第1の例による投射型
表示装置と同様である。もっとも、そのような偏光装置
や前段の偏光ビームスプリッタを併用してもよく、その
場合には、より一層投射像のコントラストを高めること
ができる。
【0094】なお、本例においては各色光が各ライトバ
ルブ17R,17G,17Bに入射する直前の折り曲げ
ミラー15R,15G,15Bにのみ本発明によるミラ
ーを使用していたが、本例のように色分解した後におい
て各色光に関してそれぞれ2つの折り曲げミラー14
R,15R,14G,15G,14B,15Bを介在さ
せる構成を有する投射型表示装置においては、各色光に
関する当該2つの折り曲げミラー14R,15R,14
G,15G,14B,15Bとして両方とも本発明によ
るミラーを使用してもよい。この場合には、最初の折り
曲げミラー14R,14G,14Bによって反射された
各色の反射光はS偏光の純度の高い偏光光となるが、最
初の折り曲げミラー14R,14G,14Bに対するS
方向と2度目の反射を行う折り曲げミラー15R,15
G,15Bに対するS方向とがそれぞれ一致するので、
各色光のS偏光光は本発明に係る2つのミラーの偏光分
離特性を重畳して受けることとなり、更に一層純度の良
好な直線偏光光をライトバルブ17R,17G,17B
に入射させることができることとなり、更に良好なコン
トラストを有する投射像を得ることができる。
【0095】(投射型表示装置の第3の例)次に、前述
した実施の形態によるミラーを使用した投射型表示装置
の第3の例について、図21及び図22を参照して説明
する。
【0096】図21は、本例による投射型表示装置を示
す概略構成図である。説明の便宜上、図に示すように互
いに直交するX軸、Y軸、Z軸を定義する。また、図2
2は、図21中のB光に関する光学系を−Y方向に見た
図である。なお、図21及び図22において、図19中
の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、そ
の重複した説明は省略する。
【0097】本例による投射型表示装置が前記第1の例
による図19に示す投射型表示装置と基本的に異なる所
は、色分解光学系としてのクロスダイクロイックミラー
3にて色分解された各色光をそれぞれ偏光分離する偏光
ビームスプリッタ5R,5G,5Bの形状が異なる点で
ある。本例では、偏光ビームスプリッタ5R,5G,5
Bを構成するプリズムとして屈折率1.52のいわゆる
BK7の称するガラス材が使用されており、この場合、
当該偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bの偏光分離
膜に入射角度は54.6度に設定するのが最も効率が良
いためである。
【0098】以上の点より、当該偏光ビームスプリッタ
5R,5G,5Bは、図21及び図22に示すように、
偏光ビームスプリッタ5R,5G,5Bの入射面及び出
射面が光軸に対して垂直になるとともに偏光ビームスプ
リッタ5R,5G,5Bの偏光分離膜に対して入射角度
が前記54.6度になるように、全体として異形の6角
柱形状に作製されている。
【0099】そして、本例では、各色光を偏光ビームス
プリッタ5R,5G,5Bの偏光分離膜に対して54.
6度の入射角度で入射させるために、図21及び図22
に示すように、折り曲げミラー4R,4G,4Bにはク
ロスダイクロイックミラー3からの各色光が入射角度5
4.6度で入射されるように配置されている。このた
め、本例では、折り曲げミラー4R,4G,4Bとし
て、前述した各実施の形態によるミラーのうち、入射角
度54.6度にて入射する光に対して最適化したミラー
が採用されている。具体的には、B光用の折り曲げミラ
ー4Bとして、図17に示すミラーを採用することがで
きる。
【0100】本例では、クロスダイクロイックミラー3
によって、色分解されたB光はX方向に進行して折り曲
げミラー4Bに入射角度54.6度にて入射されて反射
され、偏光ビームスプリッタ5Bに当該偏光ビームスプ
リッタ5Bの偏光分離膜に対して入射角度54.6度に
て入射される。当該偏光分離膜によって偏光分離された
B光のS偏光光はX方向に進行して当該偏光ビームスプ
リッタ5Bを出射し、反射型ライトバルブ6Bに入射さ
れる。当該ライトバルブ6Bにて変調されたB光の変調
光は、再度偏光ビームスプリッタ5Bに入射され、当該
偏光ビームスプリッタ5Bの偏光分離膜に対して入射角
度54.6度にて入射され、当該偏光分離膜にて検光作
用を受ける。このB光の検光光は、−X方向に進行して
色合成光学系としてのクロスダイクロイックプリズム7
に入射され、以上説明したB光の場合と同様にして得ら
れたR光の検光光及びG光の検光光と色合成される。
【0101】本例による投射型表示装置によっても、前
記第1の例による投射型表示装置と同様の利点が得られ
る。
【0102】以上、本発明によるミラーを使用する投射
型表示装置の各例について説明したが、本発明によるミ
ラーを使用する投射型表示装置は前述した第1乃至第3
の例にて示した構成の投射型表示装置に限定されるもの
ではない。
【0103】前述した第1乃至第3の例はいずれも、色
分解した各色光を本発明によるミラーによって光軸の方
向を変えて、色分解光学系の上又は下に色合成光学系が
構成される2階建て構造の投射型表示装置であったが、
例えば、色分解光学系及び色合成光学系が平面的に配置
される1階建て構造の投射型表示装置であっても、色分
解光学系にて色分解された各色光を各色光用ライトバル
ブに入射させ、当該ライトバルブ出射光を色合成させる
構成の投射型表示装置であって、色分解後でライトバル
ブ入射前の位置に折り曲げミラーを少なくとも1つの色
光に関して有する投射型表示装置であれば、当該折り曲
げミラーに本発明による偏光機能を有するミラーを使用
すれば、その折り曲げ光に対して偏光の純度を向上させ
ることができ、投射光のコントラストを向上させること
ができる。
【0104】また、前述した第1及び第2の例では入射
角度45度に対して最適化された本発明によるミラーが
使用され、前記第3の例では入射角度54.6度に対し
て最適化された本発明によるミラーが使用されていた
が、例えば、前述した図5に示すミラーのような入射角
度65度に対して最適化されたミラーを使用するように
投射型表示装置を構成することもできる。
【0105】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるミラ
ーは、投射型表示装置等において使用することにより、
(1)ライトバルブに入射する光の偏光の純度を上げて
投射像のコントラストを向上させることができ、しかも
当該装置のコストダウンと小型化を図ることができる
か、(2)あるいは、予備偏光分離装置と併用すること
により、従来の投射型表示装置と比較してさほどコスト
が上昇することないとともに何ら装置の大型化を招くこ
となく、ライトバルブへの入射光の偏光の純度を一層高
めることができ、投射像のコントラストを一層向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。
【図2】図1に示すミラーの入射角度45度における反
射特性を示す図である。
【図3】図1に示すミラーの入射角度30度における反
射特性を示す図である。
【図4】図1に示すミラーの入射角度65度における反
射特性を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。
【図6】図5に示すミラーの入射角度65度における反
射特性を示す図である。
【図7】図5に示すミラーの入射角度30度における反
射特性を示す図である。
【図8】図5に示すミラーの入射角度45度における反
射特性を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態によるミラーの断面
構造を模式的に示す図である。
【図10】図9に示すミラーの入射角度45度における
反射特性を示す図である。
【図11】本発明の第4の実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。
【図12】図11に示すミラーの入射角度45度におけ
る反射特性を示す図である。
【図13】本発明の第5の実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。
【図14】図13に示すミラーの入射角度45度におけ
る反射特性を示す図である。
【図15】本発明の第6の実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。
【図16】図15に示すミラーの入射角度45度におけ
る反射特性を示す図である。
【図17】本発明の第7の実施の形態によるミラーの断
面構造を模式的に示す図である。
【図18】図17に示すミラーの入射角度54.6度に
おける反射特性を示す図である。
【図19】本発明によるミラーを採用した投射型表示装
置の第1の例を示す概略構成図である。
【図20】本発明によるミラーを採用した投射型表示装
置の第2の例を示す概略構成図である。
【図21】本発明によるミラーを採用した投射型表示装
置の第3の例を示す概略構成図である。
【図22】図21中のB光に関する光学系を−Y方向に
見た図である。
【図23】従来のダイクロイックミラーの断面構造を模
式的に示す図である。
【図24】図23に示すダイクロイックミラーの入射角
度45度における反射特性を示す図である。
【符号の説明】
3,13 クロスダイクロイックミラー 4R,4G,4B 折り曲げミラー 5R,5G,5B 偏光ビームスプリッタ 6R,6G,6B,17R,17G,17B ライトバ
ルブ 7,16 クロスダイクロイックプリズム 14R,14G,14B,15R,15G,15B 折
り曲げミラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/133 520 G02F 1/133 520 G03B 33/12 G03B 33/12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 反射光を直線偏光光に近づける偏光特性
    を有するミラー。
  2. 【請求項2】 B光波長領域の略全体に渡って、所定入
    射角度で入射するS偏光光の反射率が90%以上である
    とともに、前記所定入射角度で入射するP偏光光の反射
    率が前記所定入射角度で入射するS偏光光の反射率より
    15%以上下がっていることを特徴とするミラー。
  3. 【請求項3】 G光波長領域の略全体に渡って、所定入
    射角度で入射するS偏光光の反射率が90%以上である
    とともに、前記所定入射角度で入射するP偏光光の反射
    率が前記所定入射角度で入射するS偏光光の反射率より
    15%以上下がっていることを特徴とするミラー。
  4. 【請求項4】 R光波長領域の略全体に渡って、所定入
    射角度で入射するS偏光光の反射率が90%以上である
    とともに、前記所定入射角度で入射するP偏光光の反射
    率が前記所定入射角度で入射するS偏光光の反射率より
    15%以上下がっていることを特徴とするミラー。
  5. 【請求項5】 ガラス基板と、該ガラス基板上に積層さ
    れた誘電体多層膜とを備えたことを特徴とする請求項1
    乃至4のいずれかに記載のミラー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20170083897A (ko) * 2016-01-11 2017-07-19 주식회사 케이씨씨 다층 코팅 2면 거울 및 이의 제조방법
CN109416423A (zh) * 2016-07-01 2019-03-01 奥林巴斯株式会社 偏振分离元件、光学系统和光学设备
CN111164471A (zh) * 2017-10-02 2020-05-15 3M创新有限公司 用于校正色移的部分反射器

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