JPH1023919A - ヘアーカーラー - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 取扱いは簡単容易なものでありながら、途中
にストレート部分を生じることなく、毛髪先端部から根
本部分までの全域に亘って均一に連続したウェーブやカ
ールを確実に付けて自然な髪型に仕上げることができる
ようにする。 【解決手段】 軸方向に沿って細長状の毛髪取出し用切
欠溝１が形成された毛髪巻回用外筒３内の偏心位置に、
この外筒３よりも小径かつ別体で、その外周面に毛髪Ｍ
の先端部ｍ１を巻回させた上、該毛髪先端部ｍ１に連な
る毛髪根本部分ｍ２を外筒３の切欠溝１から外部に引き
出した状態で挿嵌可能な毛髪巻回用内筒５を具備してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、毛髪にパーマネン
トウェーブをかけたり、セッティングする場合に使用す
るワインディングロッドや、濡れた毛髪に巻回してカー
ルをつける場合に使用するカーラーなどのヘアーカーラ
ーに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】この種の従来一般のヘアーカーラーは、
軸方向の両端にそれぞれ切欠部が形成された単一の筒状
体からなり、この単一筒状体の外周面に毛髪を巻回し、
この巻回した毛髪を上記切欠部間にかけ渡した輪ゴム等
で固定し、ワインディングロッドの場合は、この状態で
薬液をかけるなどの常法処置を施して毛髪にウェーブを
かけるものであった。

【０００３】しかし、このような単一筒状体からなる一
般的なヘアーカーラー、特にワインディングロッドにお
いては、毛髪の根本部分にピッチの大きなウェーブをか
けるために径の大きい筒状体を使用すると、毛髪の先端
部にウェーブがかからず、また、毛髪の先端部にまでウ
エーブがかかるようにするために径の小さい筒状体を使
用すると、毛髪の根本部分のウェーブがピッチの非常に
小さいものになるといったように、毛髪の先端部から根
本部分にまで亘って均一で自然な感じのウェーブをかけ
ることが困難である。

【０００４】また、頻繁にパーマをする人は、新たに伸
びた自毛のストレート部分にウェーブをかけるためであ
るが、それ以前にパーマネントウェーブをかけた部分
は、カットなどによって除去されていない限り、前のウ
ェーブが残存しており、このような残存ウェーブのある
毛髪に対して単一筒状体からなるワインディングロッド
を用いてパーマ処置した場合、新たにウェーブをかけた
いストレート部分だけでなく、残存ウェーブ部分にまで
薬液が浸透し、その結果、残存ウェーブ部分のウェーブ
がストレート部分のウェーブよりも に細かくなって、
毛髪全体のウェーブにちらつきが生じるといったダメー
ジの発生が避けられない。

【０００５】上記のような単一筒状体からなるワインデ
ィングロッドの持つ欠点を解消するために、例えば実公
昭６２−３８５６４号公報に開示されているように、径
の異なる一対の筒状体を組み合わせてなるワインディン
グロッドが既に提案されている。上記公報に開示されて
いるワインディングロッドは、図１０に示すように、軸
方向に沿って２分割され、かつ、軸方向の両端部にはそ
れぞれ輪ゴム掛け渡し用切欠部１３…が形成されている
とともに、軸方向に沿って細長い毛髪取出し用切欠溝１
９…が形成されている分割体１１，１２をそれらの軸方
向の端部で枢支させて相互に開閉可能とした毛髪巻回用
外筒１４と、この外筒１４よりも小径で、かつ、外筒１
４と略同一長さを有する毛髪巻回用内筒１５とを具備し
てなり、内筒１５の軸方向の両端外周部に物理的係合テ
ープ１６，１６を巻き付けるとともに、上記外筒１４に
おける分割体１１，１２の内周面で上記物理的係合テー
プ１６，１６に対応する箇所にはそれら物理的係合テー
プ１６，１６に対して係脱自在な物理的係合テープ片１
７，１７を貼り付けたスポンジ体１８，１８が取り付け
られ、上記外筒１４を構成する分割体１１，１２を閉塞
させてこれら分割体１１，１２側のスポンジ体１８，１
８に貼り付けたテープ１７，１７と上記内筒１５側のテ
ープ１６，１６とを物理的に係合させることによって、
内筒１５を外筒１４に対して同心状に固定できるように
構成されたものである。

【０００６】上記のような構成のワインディングロッド
は、まず、外筒１４から取り外した小径の内筒１５の外
周面に毛髪Ｍの先端部ｍ１を所望回巻き付けた後、この
内筒１５を、図１１に示すように、外筒１４内に入れて
テープ１６，１６及び１７，１７の物理的係合を介して
外筒１４に固定し、この状態で外筒１４を構成する分割
体１１，１２を閉塞した上で、切欠溝１９…を通して外
部に引き出した毛髪Ｍの根本部分ｍ２を所望回巻き付け
る。その後、切欠部１３…間に輪ゴム（図示省略）をか
け渡して毛髪Ｍを固定し、この状態で巻回された各毛髪
部分ｍ１，ｍ２に薬液をかけて常法に従った処置を施す
ことにより毛髪Ｍに所定のウエーブをかけるように使用
される。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】上記したように、径の
異なる一対の内外筒１５，１４からなる従来のワインデ
ィングロッド（ヘアーカーラー）によれば、単一筒状体
からなる従来一般のワインディングロッド（ヘアーカー
ラー）が有する上述のごとき欠点を解消し、先の残存ウ
ェーブにダメージを与えることなく、毛髪の全域に亘っ
てほぼ均一なウェーブをかけることが可能である。しか
しながら、径の異なる一対の内外筒１５，１４からなる
従来のワインディングロッドにおいては、一対の内外筒
１５，１４を同心状に固定して使用するために、図１１
で明らかなように、小径の内筒１５に巻回される毛髪先
端部ｍ１の終端と大径の外筒１４に巻回される毛髪根本
部分ｍ２の始端との間に亘り、両筒１５，１４の径差に
相当する長さＬのストレート部分ｍｓが生じる。したが
って、図１３に示すように、このストレート部分ｍｓに
はウェーブが全くかからず、毛髪先端部ｍ１から根本部
分ｍ２までウェーブが連続した自然なパーマネントウェ
ーブを得ることができず、髪型全体は図１２に示すよう
に、不自然な形態になるという問題があった。

【０００８】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、取扱いは簡単容易なものでありながら、途中にスト
レート部分を生じることなく、毛髪先端部から根本部分
までの全域に亘って確実に均一なウェーブやカールを付
けて自然な髪型に仕上げることができるヘアーカーラー
を提供することを目的としている。

【０００９】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係るヘアーカーラーは、軸方向に沿って細
長状の毛髪取出し用切欠溝が形成された毛髪巻回用外筒
と、この外筒よりも小径かつ別体で、その外周面に毛髪
の先端部を巻回させた上、該毛髪先端部に連なる毛髪の
根本部分を上記切欠溝から外部に引き出した状態で上記
外筒内の偏心位置に挿嵌可能な毛髪巻回用内筒とを具備
し、上記外筒の切欠溝から引き出した毛髪の根本部分を
該外筒の外周面に巻回するようにしたことを特徴とする
ものであり、上記内筒の外周面に毛髪の先端部を所望回
数巻き付け上で、その巻き付けた毛髪先端部に連なる毛
髪の根本部分が外筒に形成の切欠溝から外部に引き出さ
れる状態で内筒を外筒内の偏心位置に挿嵌し、続いて上
記切欠溝から引き出されている毛髪の根本部分を外筒の
外周面に所望回数巻き付けることにより、小径の内筒に
巻回された毛髪先端部の終端と大径の外筒に巻回される
毛髪根本部分の始端との間にストレート部分を全く発生
することなく、所望長さの毛髪全体を内外筒に巻き付け
ることが可能である。これによって、毛髪先端部から根
本部分までの全域に亘って均一に連続した自然なパーマ
ネントウェーブをかけたり、カールを付けたりすること
ができる。

【００１０】上記構成のヘアーカーラーにおいて、上記
小径の毛髪巻回用内筒の外筒内への挿嵌手段としては、
請求項２のように、内筒を上記毛髪巻回用外筒内の偏心
位置にその軸方向の一端側から挿嵌させる手段、また、
請求項３のように、上記毛髪巻回用外筒を柔軟性材料か
ら形成して、上記小径の毛髪巻回用内筒を、上記毛髪巻
回用外筒に形成されている毛髪取出し用切欠溝を押し拡
げながら径方向から挿嵌させる手段、のいずれであって
もよいが、特に、径方向から挿嵌可能とする時は、内筒
に巻き付けた毛髪先端部などが外筒に擦れることが少な
くて、それだけ毛髪を傷めることが少なくなる。

【００１１】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図１及び図２は本発明に係るヘア
ーカーラーとして適用されたワインディングロッドを構
成する２つの要素を各別に示し、このワインディングロ
ッドＷは、図１の（ａ），（ｂ）に示すように、軸方向
の一端部で開放し、軸方向に沿って他端部近くまで細長
状の毛髪取出し用切欠溝１が形成されているとともに、
軸方向の両端縁部には円周方向に適宜間隔を隔てて複数
の輪ゴム掛け渡し用切欠部２，２が形成されている樹脂
製の毛髪巻回用外筒３と、図２の（ａ），（ｂ）に示す
ように、上記外筒３よりも小径で、かつ、外筒３とほぼ
同一長さの別体に形成されるとともに、軸方向の両端縁
部には円周方向に適宜間隔を隔てて複数の輪ゴム掛け渡
し用切欠部４，４が形成されている樹脂製の毛髪巻回用
内筒５とを具備しており、これら内外筒５，３は共にそ
の軸方向の中央部分が両端部分よりも少し小径となるよ
うな略鼓形とされている。

【００１２】このような構成からなるワインディングロ
ッドＷは、図３に示すように、上記小径の内筒５の外周
面に毛髪Ｍの先端部ｍ１を所望回数巻き付けるととも
に、軸方向両端の切欠部４，４間に輪ゴム６を掛け渡し
毛髪先端部ｍ１を固定した上で、その巻き付けた毛髪先
端部ｍ１に所定の薬液を吹き付けた後、この毛髪先端部
ｍ１に連なる毛髪Ｍの根本部分ｍ２が上記大径の外筒３
に形成の切欠溝１から外部に引き出される状態で内筒５
を外筒３内の偏心位置に軸方向の一端側から挿嵌し、続
いて、外筒３を毛髪Ｍに沿って巻き上げるように回転操
作することにより上記切欠溝１から引き出されている毛
髪Ｍの根本部分ｍ２を外筒３の外周面に所望回数巻き付
けるとともに、該外筒３の軸方向両端の切欠部２，２間
に輪ゴム７を掛け渡して毛髪根本部分ｍ２を外筒３に固
定する。

【００１３】上記のような所望長さに亘る毛髪Ｍの巻き
付けが完了した図４の状態では、図５及び図６に明示す
るように、内筒５が外筒３内の上記窓部１側に寄った偏
心位置に保持されており、小径の内筒５に巻回された毛
髪先端部ｍ１の終端と大径の外筒３に巻回される毛髪根
本部分ｍ２の始端との間にはストレート部分が全く発生
していない。この状態で、外筒３に巻回された毛髪根本
部分ｍ２にも所定の薬液を吹き付けて、常法に従った処
置を施すことによって毛髪Ｍにウェーブをかける。

【００１４】その後は、輪ゴム７を取り外して外筒３に
巻き付けた毛髪根本部分ｍ２を巻き戻し、ついで、内筒
５を軸方向に移動させて外筒３の外部に抜き出すととも
に、輪ゴム６を取り外して該内筒５に巻き付けた毛髪先
端部ｍ１を巻き戻すことにより、図７及び図８に示すよ
うに、毛髪先端部ｍ１から根本部分ｍ２までの全域に亘
ってウェーブが均一に連続したパーマネントウェーブと
して立体感のある自然な髪型が得られるのである。

【００１５】なお、図５及び図６に示すような巻き付け
完了状態において、外筒３に巻き付けられた毛髪根本部
分ｍ２にのみ薬液を吹き付けるようにすることで、内筒
５に巻き付けられている残存ウェーブのある先端部ｍ１
に薬液がかかることを防ぎ、これによって、残存ウェー
ブ部分にダメージを与えることのないパーマネント処理
が可能である。

【００１６】また、上記実施の形態では、小径の内筒５
を大径の外筒３に対して、その軸方向の一端側から外筒
３内の偏心位置に挿嵌させるようにしたものについて説
明したが、図９に示すように、大径の外筒３の毛髪取出
し用切欠溝１を両端で開放するように形成すれば、内筒
３内へ左右を問わず挿嵌でき好ましい。又、大径の外筒
３を柔軟性のある樹脂材料から製作するときは、該外筒
３に形成した毛髪取出し用切欠溝１を押し拡げながら、
内筒５を径方向から外筒３内に挿嵌することが可能とな
る。特に、このような径方向からの挿嵌手段を採用する
にあたって、柔軟性のある樹脂材料から製作される上記
外筒３の外周面に図９に示すように、その軸方向の両端
で開放するような毛髪取出し用切欠溝１を形成する構成
とすれば、切欠溝１を押し拡げながら、内筒５を矢印ｘ
のように、径方向から外筒３内に挿嵌することが非常に
容易となる。このような径方向からの挿嵌手段を採用す
る場合は、内筒５に巻き付けた毛髪先端部が外筒３に擦
れて傷められることを少なくすることができる。

【００１７】さらに、上記実施の形態では、パーマネン
トウェーブをかけるためのワインディングロッドを中心
に説明したが、単に濡れた毛髪に巻き付けてカールを付
けるカーラーに適用しても同様な効果を奏する。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、本発明によれば、径の異
なる２つの内外筒を用い、これらに毛髪に巻き付けるこ
とにより、単一の筒状体を用いるものに比べて、毛髪の
先端部にウェーブがかからなかったり、毛髪の根本部分
のウェーブがピッチの非常に小さいものになるといった
ようなウェーブやカールの不均一な仕上がりを防止でき
るとともに、先のパーマなどによって残存しているウェ
ーブにダメージを与えることも防止できるのはもとよ
り、小径の内筒に巻回された毛髪先端部の終端と大径の
外筒に巻回される毛髪根本部分の始端との間にストレー
ト部分を全く発生しないで所望長さの毛髪全体を内外筒
に巻き付けることができ、したがって、処置しようとす
る毛髪の先端部から根本部分までの全域に亘って均一に
連続したパーマネントウェーブやカールを確実に付けて
自然な髪型に仕上げることができる。その上、内外筒が
別体であるから、取扱いも非常に簡単容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るヘアーカーラーとして適用された
ワインディングロッドを構成する２つの要素のうちの外
筒を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正面図で
ある。

【図２】同上ワインディングロッドを構成する要素のう
ちの内筒を示し、（ａ）はその平面図、（ｂ）はその正
面図である。

【図３】同上ワインディングロッドによる毛髪巻き付け
動作を説明する斜視図である。

【図４】同上ワインディングロッドを毛髪に巻き付けた
状態の側面図である。

【図５】図４の要部の拡大側面図である。

【図６】図４の要部の拡大縦断側面図である。

【図７】パーマネントウェーブの仕上がり状態を示す髪
型全体の斜視図である。

【図８】図７の要部の拡大図である。

【図９】本発明の他の実施形態におけるワインディング
ロッドの外筒を示す斜視図である。

【図１０】従来のワインディングロッドの斜視図であ
る。

【図１１】従来のワインディングロッドに毛髪を巻き付
けた状態の要部の拡大縦断側面図である。

【図１２】従来のワインディングロッドによるパーマネ
ントウェーブの仕上がり状態を示す髪型全体の斜視図で
ある。

【図１３】図１２の要部の拡大図である。

【符号の説明】

１ 毛髪取出し用切欠溝 ３ 毛髪巻回用外筒 ５ 毛髪巻回用内筒 Ｍ 毛髪 ｍ１ 毛髪先端部 ｍ２ 毛髪根本部分

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 軸方向に沿って細長状の毛髪取出し用切
   欠溝が形成された毛髪巻回用外筒と、 この外筒よりも小径かつ別体で、その外周面に毛髪の先
   端部を巻回させた上、該毛髪先端部に連なる毛髪の根本
   部分を上記切欠溝から外部に引き出した状態で上記外筒
   内の偏心位置に挿嵌可能な毛髪巻回用内筒とを具備し、 上記外筒の切欠溝から引き出した毛髪の根本部分を該外
   筒の外周面に巻回するようにしたことを特徴とするヘア
   ーカーラー。
2. 【請求項２】 上記小径の毛髪巻回用内筒が、上記毛髪
   巻回用外筒内の偏心位置にその軸方向の一端側から挿嵌
   可能に構成されている請求項１に記載のヘアーカーラ
   ー。
3. 【請求項３】 上記毛髪巻回用外筒を柔軟性材料から形
   成して、上記小径の毛髪巻回用内筒が、上記毛髪巻回用
   外筒に形成されている毛髪取出し用切欠溝を押し拡げな
   がら径方向から挿嵌可能に構成されている請求項１に記
   載のヘアーカーラー。