JPH10238323A - 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 - Google Patents

内燃機関の吸排気弁駆動制御装置

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Publication number
JPH10238323A
JPH10238323A JP3946297A JP3946297A JPH10238323A JP H10238323 A JPH10238323 A JP H10238323A JP 3946297 A JP3946297 A JP 3946297A JP 3946297 A JP3946297 A JP 3946297A JP H10238323 A JPH10238323 A JP H10238323A
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JP
Japan
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intake
internal combustion
combustion engine
exhaust valve
drive shaft
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Application number
JP3946297A
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English (en)
Inventor
Yoshiteru Yasuda
田 芳 輝 保
Yutaka Mabuchi
渕 豊 馬
Tetsuaki Goto
藤 徹 朗 後
Makoto Kano
納 眞 加
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 エンジンの始動時等におけるカムシャフト駆
動トルクの低減を図り、燃費の悪化、クリアランスの増
加に伴う打音の発生等を防止する。 【解決手段】 駆動軸1の軸線方向端部に第1フランジ
部2aを有するカムシャフト2と、駆動軸に固定されか
つ第1フランジ部と対向配置される第2フランジ部3a
を有するスリーブ3と、第1フランジ部と第2フランジ
部との間に配置されて駆動軸の軸心に直交する面内にお
いて回転可能な環状ディスク4と、環状ディスクの両側
部において互いに反対方向に突設されて第1フランジ部
及び第2フランジ部の各々に形成された係合溝2b,3
bに各々係合するピン4a,4bと、環状ディスクを回
転可能に支持すると共に環状ディスクの回転中心を駆動
軸の軸心に対して偏心させるように移動可能な制御環5
とを備える内燃機関の吸排気弁駆動制御装置において、
環状ディスク4と制御環5との間に銅系焼結合金6を介
在させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の運転状
態に応じて吸気弁及び排気弁の開閉時期を可変制御する
内燃機関の吸排気弁駆動制御装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】4サイクル内燃機関
(エンジン)において、吸排気弁の開閉タイミングやリ
フト量は、その出力特性、燃費、アイドル安定性等に大
きく影響する。エンジンの低中速回転領域では、アイド
リング時の安定性を確保すると共に低中速トルクの向上
を図るべく、弁(バルブ)のオーバラップ角が小さくか
つ閉じ時期の早い狭開角カムが要求され、一方、高速回
転領域では、高出力を重視すべく、弁(バルブ)のオー
バラップ角が大きくかつ閉じ時期の遅い広開角カムが要
求される。
【0003】そこで、アイドル安定性及び広域高出力の
両立を図るには、エンジンの運転状態に応じて種類の異
なるカムプロフィルに切り換えることが可能な吸排気弁
駆動制御装置が必要となる。
【0004】この種の制御装置の従来例としては、例え
ば特開平5−202718号公報等に記載されたものが
ある。この装置は、エンジンのクランク軸からスプロケ
ット、チェーン等を介して回転力が伝達される駆動軸
と、この駆動軸と同軸上に設けられその外周に複数のカ
ム及び一端部にフランジ部が一体形成されたカムシャフ
トと、駆動軸に固定されて上記カムシャフトのフランジ
部と対向配置されるフランジ部を有するスリーブと、上
記カムシャフトのフランジ部とスリーブのフランジ部と
の間で駆動軸の軸心に直交する面内において回転可能に
配置された環状ディスクと、この環状ディスクの両側部
において互いに反対方向に突設され上記両フランジ部に
形成されたU字状係合溝に係合するように配置された係
合ピンと、環状ディスクの回転中心を駆動軸の軸心すな
わち回転中心に対して偏心させ得るように環状ディスク
の外周部を摺動可能に保持してかつ所定位置を支点とし
て揺動自在に配置された制御環等により構成されるもの
である。
【0005】そして、エンジンの運転状態に応じて吸排
気バルブの開閉時期を変更したい場合は、駆動機構によ
り制御環を上下に揺動させる。この揺動動作により、制
御環に回動自在に保持された環状ディスクは、回転中心
が駆動軸の軸心に対して揺動方向に偏心しつつ回転し、
この環状ディスクに突設されたピンと、対向する両フラ
ンジ部に形成されたU字状係合溝との係合位置が、駆動
軸の一回転毎にU字状係合溝の伸長方向において変化す
る。これにより、駆動軸に対してカムシャフトの回転位
相が変化することで、弁(バルブ)の開閉時期を変更す
ることができるというものである。
【0006】しかしながら、上記吸排気弁駆動制御装置
においては、エンジンの始動時等に環状ディスクの外周
面と制御環の保持面との間への潤滑油の供給が十分では
なく、又、環状ディスクの外周径が大きいこともあっ
て、両者の介面での摩擦によるエンジンのトルク損失が
増加するという問題がある。
【0007】従って、エンジンの燃費の悪化、あるい
は、環状ディスク又は制御環の摩耗を引き起こし、クリ
アランスの増加に伴う打音の発生やバルブ開閉時期の制
御精度の低下等の問題を招くことになる。
【0008】一方、上記問題の対策手法として、環状デ
ィスクと制御環との間にニードルローラベアリングを挿
着して摩擦損失を抑制する手法もあるが、ニードルベア
リング挿着に際しての強度確保の点から、制御環の形状
を大きくする必要があり、その結果、装置が大型化しか
つコスト高になるという問題を招くことになる。
【0009】上記のような問題点に鑑み、本発明は、エ
ンジン始動時等における環状ディスクと制御環との間の
摩擦によるエンジンのトルク損失を抑制し、燃費の悪
化、クリアランスの増加に伴う打音の発生、吸排気弁開
閉時期の制御精度の低下等を安価にて防止することをそ
の解決すべき課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
鋭意研究した結果、環状ディスクと制御環との間に、薄
肉の銅系焼結合金を介在させることで、内燃機関始動時
等における環状ディスクと制御環との間で発生する摩擦
損失等の諸問題を解決できることを見い出した。
【0011】すなわち、本発明に係る内燃機関の吸排気
弁駆動制御装置は、請求項1に記載されているように、
内燃機関の回転に同期して回転する駆動軸と、駆動軸と
同軸上に配置されかつ外周に吸排気弁を駆動するカムを
有すると共に軸線方向端部に第1フランジ部を有するカ
ムシャフトと、駆動軸に固定されかつ第1フランジ部と
対向配置される第2フランジ部を有するフランジ部材
と、第1フランジ部と第2フランジ部との間に配置され
て駆動軸の軸心に直交する面内において回転可能な環状
ディスクと、環状ディスクの両側部において互いに反対
方向に突設されて第1フランジ部及び第2フランジ部の
各々に形成された係合溝に各々係合するピンと、環状デ
ィスクを回転可能に支持すると共に環状ディスクの回転
中心を駆動軸の軸心に対して偏心させるように移動可能
な制御環と、内燃機関の運転状態に応じて制御環を移動
させる駆動機構とを備える内燃機関の吸排気弁駆動制御
装置であって、環状ディスクと制御環との間に銅系焼結
合金を介在させた構成としたことを特徴としている。
【0012】また、請求項2として、環状ディスクと制
御環との間に介在させる銅系焼結合金を円筒形状をなす
カラーとして形成することを特徴としている。
【0013】また、請求項3として、銅系焼結合金は、
密度が6.5〜6.8g/cmであり、材料組成が重
量%で、Sn:8〜11%、残部がCu及び不純物から
成る構成としたことを特徴としている。
【0014】また、請求項4として、銅系焼結合金は、
密度が6.5〜6.8g/cmであり、材料組成が重
量%で、Sn:8〜11%、MoS:1.5〜7%、
残部がCu及び不純物から成る構成としたことを特徴と
している。
【0015】さらに、請求項5として、銅系焼結合金を
円筒形状のカラーとして形成すると共に、密度が6.5
〜6.8g/cmであり、材料組成が重量%で、S
n:8〜11%、残部がCu及び不純物から構成され、
かつ、カラーの表面に形成された穴部に二硫化モリブデ
ン、PTFE、黒鉛、又はこれらの複合材のいずれかを
埋設したことを特徴としている。
【0016】
【発明の効果】本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制
御装置によれば、請求項1に記載しているように、環状
ディスクと制御環との間に銅系焼結合金を介在させたこ
とから、内燃機関始動時等に潤滑経路から潤滑油が供給
されにくい状況下においても、所望の潤滑油等が供給さ
れることになる。
【0017】すなわち、銅系焼結合金が多孔質体である
ため、その孔内に含浸された潤滑油が、環状ディスクと
制御環との相対移動によって発生する摩擦熱及びポンプ
作用により、表面に膨脹して浸出し、両者の間に供給さ
れることになる。
【0018】これにより、内燃機関始動時等における摩
擦損失を制御することができ、燃費の向上、打音の発生
防止、吸排気弁開閉時期の制御精度の向上等を達成でき
るという著しく優れた効果がもたらされる。
【0019】また、請求項2に記載しているように、環
状ディスクと制御環との間に介在させる銅系焼結合金が
円筒形状をなすカラーとして形成されているものとする
ことによって、上述の効果に併せて、環状ディスクと制
御環との間に、銅系焼結合金を取り付ける際の組み込み
作業性、取り扱い性、整備の際の脱着作業性等の向上が
達成できるという著しく優れた効果がもたらされる。
【0020】さらに、請求項3に記載されているよう
に、環状ディスクと制御環との間に介在させる銅系焼結
合金は、密度が6.5〜6.8g/cmであり、材料
組成が重量%で、Sn:8〜11%、残部がCu及び不
純物から成るものとすることによって、潤滑油及び固体
潤滑剤が浸出して摺動面での摩擦を低減し、これによ
り、燃費、吸排気弁開閉時期の制御精度等をより一層向
上させることができるという著しく優れた効果がもたら
される。
【0021】また、請求項4に記載されているように、
環状ディスクと制御環との間に介在させる銅系焼結合金
は、密度が6.5〜6.8g/cmであり、材料組成
が重量%で、Sn:8〜11%、MoS:1.5〜7
%、残部がCu及び不純物から成るものとすることによ
って、潤滑油及び固体潤滑剤がより多く浸出して摺動面
での摩擦を低減し、これにより、燃費、吸排気弁開閉時
期の制御精度等をさらに一層向上させることができると
いう著しく優れた効果がもたらされる。
【0022】さらにまた、請求項5に記載されているよ
うに、環状ディスクと制御環との間に介在させる銅系焼
結合金を円筒状のカラーとして形成すると共に、密度が
6.5〜6.8g/cmであり、材料組成が重量%
で、Sn:8〜11%、残部がCu及び不純物からな
り、かつ、カラーの表面に形成された穴部にMoS
PTFE,黒鉛、又はこれらの複合材のいずれかを埋設
したものとすることによって、含浸潤滑油の浸出はもち
ろんのこと、固体潤滑剤による滑り易い層が形成されて
潤滑作用が安定して得られ、摺動面での摩擦をさらに一
層低減し、これにより、燃費、吸排気弁開閉時期の制御
精度等をさらに一層向上させることができるという著し
く優れた効果がもたらされる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る内燃機関の吸
排気弁駆動制御装置の実施例を図面に基づいて説明す
る。
【0024】この吸排気弁駆動制御装置は、図1及び図
2に示されるように、内燃機関(エンジン)のクランク
シャフト(不図示)からスプロケット及びチェーン等の
駆動伝達機構を介して回転力が伝達される駆動軸1と、
この駆動軸1の軸心Xと同軸上でかつ駆動軸1のまわり
に一定の間隙Cをもって配置されたカムシャフト2と、
このカムシャフト2が回転する際の角速度を変化させる
ための環状ディスク4、制御環5、ピン4a,4b、制
御環5を移動させる駆動機構30等からなる制御機構等
により構成されている。
【0025】ここで、カムシャフト2は、鋼材を用いて
中空に形成されており、この中空領域に駆動軸1が挿入
され、かつ外周部の所定位置がシリンダへッドの軸受部
7に回転自在に支持されている。また、外周の所定位置
には、バルブリフタ22を介しバルブスプリング21の
付勢力に抗して吸気弁20を開作動させる複数のカム2
cが一体的に形成されている。
【0026】さらに、カムシャフト2は、長手方向の所
定位置で軸心Xに対して直交する方向から分割されてお
り、この分割されたカムシャフト2の一方の端部には、
U字状の係合溝2bを有する第1フランジ部2aが一体
的に形成されている。一方、分割されたカムシャフト2
の他方の端部には,U字状の係合溝3bを有する第2フ
ランジ部3aが一体的に形成されたスリーブ3が取り付
けられている。
【0027】このスリーブ3は、第2フランジ部3aが
形成された側とは反対側の小径端部3cが、分割された
カムシャフト2の他方の端部内に回転自在に挿入される
と共に、略中央位置において、直径方向に貫通して挿着
された連結ピン8により駆動軸1に連結固定されてい
る。
【0028】そして、上述の第1フランジ部2aと第2
フランジ部3aとは、両者の端面がお互いに対向するよ
うに所定間隔をおいて、かつ、各々に形成された細長い
U字状の係合溝2b,3bが両フランジ部の直径方向に
おいてお互いに反対向きに開放するように配置されてい
る。
【0029】また、この両フランジ部2a,3bの間に
は、両フランジ部の端面に沿うようにしてかつ駆動軸1
の外周面との間に環状の間隙Sをもって、鋼材からなる
略ドーナツ板状の環状ディスク4が配置されている。
【0030】そして、この環状ディスク4の両側面から
軸心Xと平行な方向においてそれぞれ反対向きに突出す
るように設けられた2つのピン4a,4bが、図3及び
図4に示されるように、それぞれ両フランジ部2a,3
aの係合溝2b,3bに移動自在に係合されている。
【0031】さらに、この環状ディスク4は、図5に示
されるように、外周面4cが銅系焼結合金からなる円筒
形状のカラー6を介して、制御環5の内周面5cに回転
自在に支持されている。
【0032】また、この制御環5は、図5に示されるよ
うに、鋼材により略円環状に形成されており、外周の一
部にボス部5aを有してこのボス部5aに挿嵌された枢
支ピン9を支点として図5中上下方向に揺動自在となっ
ていると共に、直径方向において上述ボス部5aと反対
側の外周部にレバー部5bが突設されている。そして、
この制御環5は、レバー部5bに係合する駆動機構30
により、上下方向に揺動するようになっている。
【0033】この制御環5を駆動する駆動機構30は、
図3及び図4に示されるように、シリンダヘッドの所定
部位において対向して形成された第1シリンダ31及び
第2シリンダ34と、各々のシリンダ31,34に対し
て出没自在に設けられて各先端部でレバー部5bの円弧
状端面を上下方向から挟持する油圧ピストン32及びリ
テーナ35と、第1シリンダ31内の受圧室31aに油
圧を給排して油圧ピストン32を進退させる油圧回路
(不図示)と、第2シリンダ34内に設けられてリテー
ナ35を進出方向に付勢するコイルスプリング36とを
備えている。
【0034】尚、上述の油圧回路は、一端部がオイルパ
ン内に、他端部が受圧室31aに各々連通した油通路
と、この油通路のオイルパン側に設けられたオイルポン
プと、オイルポンプの下流側に設けられた3ポート2位
置型の電磁切換弁等により構成されており、エンジンの
回転数や吸入空気量等の信号に基づいてエンジンの運転
状態を検出するコントローラが電磁切換弁の作動を制御
して、受圧室31a内の加圧及び減圧を行うようになっ
ている。
【0035】次に、吸排気弁駆動制御装置の動作につい
て説明する。まず、コントローラから電磁切換弁にON
信号が送られて、オイルポンプから圧送される作動油が
受圧室31aに供給されると、受圧室31aの内圧上昇
に伴い油圧ピストン32がコイルスプリング36の付勢
力に抗してレバー部5bを押し下げる。
【0036】そして、図3及び図4に示されるように、
制御環5すなわち環状ディスク4の回転中心と駆動軸1
の軸心Xが合致する。この状態では、環状ディスク4と
駆動軸1との間に回転位相差は生じず、カムシャフト2
の軸心X(回転中心)と環状ディスク4の回転中心も合
致しているため、両者2,4間にも回転位相差は生じな
い。
【0037】従って、駆動軸1が回転すると、スリーブ
3、第2フランジ部3aの係合溝3b、ピン4b、環状
ディスク4、ピン4a、第1フランジ部2aの係合溝2
bを介してカムシャフト2も同期して回転する。
【0038】一方、コントローラから電磁切換弁にOF
F信号が送られて、油通路が遮断され、作動油がオイル
パンへ戻されると、受圧室31aの内圧低下に伴い、油
圧ピストン32は、コイルスプリング36の付勢力によ
りリテーナ35を介してシリンダ31内へ後退移動す
る。この後退移動により、制御環5はリテーナ35によ
り押し上げられて、枢支ピン9を支点として上方に揺動
し、環状ディスク4の回転中心が駆動軸1の軸心Xに対
して偏心する。
【0039】従って、スリーブ3の係合溝3bとピン4
b並びにカムシャフト2の係合溝2bとピン4aとの係
合位置が、駆動軸1の回転毎に移動し、環状ディスク4
の角速度が変化して不等角速度回転になる。
【0040】すなわち、スリーブ3の係合溝3bとピン
4bの係合位置が駆動軸1の軸心Xに近づく場合は、カ
ムシャフト2の係合溝2bとピン4aの係合位置が駆動
軸1の軸心Xから離れることになる。
【0041】これにより、環状ディスク4は、駆動軸1
に対して角速度が小さくなり、環状ディスク4に対して
カムシャフト2の角速度も小さくなる。従って、カムシ
ャフト2は、駆動軸1に対して2重に減速された状態に
なる。
【0042】また、コントローラから電磁切換弁にON
信号が送られて、作動油が受圧室31aに供給され、図
3及び図4に示す位置よりもさらに下方に油圧ピストン
32が突出すると、レバー部5bはさらに押し下げられ
て制御環5は下方に揺動し、環状ディスク4の回転中心
が駆動軸1の軸心Xに対して下方に偏心する。
【0043】従って、スリーブ3の係合溝3bとピン4
bの係合位置が駆動軸1の軸心Xから離れ、カムシャフ
ト2の係合溝2bとピン4aの係合位置が駆動軸の軸心
Xに近づくことになる。
【0044】これにより、カムシャフト2は、駆動軸1
に対して2重に加速された状態になる。
【0045】上述のような駆動軸1、スリーブ3、環状
ディスク4、カムシャフト2等の回転動作において、環
状ディスク4と制御環5との間に介在する銅系焼結合金
カラー6は、両者の接触面すなわち外周面4cと内周面
5cの間を摺動する。
【0046】この摺動動作で、摩擦熱及びポンプ作用が
生じ、銅系焼結合金カラー6内に含まれた潤滑油及び固
体潤滑剤が浸出して摺動面に潤滑作用をもたらす。
【0047】これにより、エンジン始動時の潤滑経路か
らの潤滑油の供給が不十分な状態での摩擦が低減され、
カムシャフトを駆動するのに要するトルクが減じられ
る。また、打音の発生が防止され、さらに、吸排気弁の
開閉時期の制御精度が向上する。
【0048】次に、環状ディスク4と制御環5との間に
介在させる銅系焼結合金カラー6について、図5及び図
6に基づきさらに詳細に説明する。
【0049】この銅系焼結合金カラー6は、図5及び図
6に示されるように、銅系焼結合金を円筒状のカラーに
形成したものであって、環状ディスク4の外周面4cと
制御環5の内周面5cに適合するようになっている。
【0050】また、カラー6の取り付けは、制御環5に
対してカラー6を固定しかつカラー6と環状ディスク4
とが相対的に移動するように、環状ディスク4に対して
カラー6を固定しかつカラー6と制御環5とが相対的に
移動するように、あるいは、カラー6が環状ディスク4
と制御環5の両方に対して相対的に移動するように行う
ことができる。好ましくは、カラー6が環状ディスク4
と制御環5の両方に対して移動自在に取り付ける方が良
い。この場合、カラー6の外周面と内周面の両方におい
て摺動による摩擦熱及びポンプ作用が生じ、カラー6の
内部に含まれた含浸潤滑油がより多く膨脹浸出して接触
介面に供給されることになる。
【0051】ここで、銅系焼結合金の密度及び材料組成
としては、以下に示すようなものが選定される。
【0052】先ず、銅系焼結合金の密度は、6.5〜
6.8g/cmであるものが好ましい。この場合、焼
結体の多孔性を生かして、潤滑油の含浸能力を十分に確
保することができる。
【0053】次に、銅系焼結合金の材料組成としては、
重量%で、Sn:8〜11%、残部がCu及び不純物か
ら成るものが好ましく、さらには、Sn:8〜11%、
MoS:1.5〜7%、残部がCu及び不純物から成
るものが好ましい。この場合、合金内に含まれる固体潤
滑剤が、摺動動作により合金の表面に浸出して、摺動介
面で滑り易い層が形成され、摩擦の低減に寄与すること
になる。
【0054】また、銅系焼結合金の密度が6.5〜6.
8g/cmで、材料組成が重量%で、Sn:8〜11
%、残部がCu及び不純物から成り、かつ、図6に示さ
れるように、カラー6の表面に形成された穴部6aに二
硫化モリブデン、PTFE、黒鉛、又はこれらの複合材
のいすれかを埋設したものも好ましい。
【0055】この場合、穴部6aに埋設された固体潤滑
剤が直接摺動介面に存在することになり、これにより、
滑り易い層が容易に形成され、摩擦の低減により一層寄
与することになる。
【0056】ここで、銅系焼結合金を構成する材料組成
と密度の好ましい実施例を実施例1ないし4として表1
に示す。
【0057】
【表1】
【0058】実施例1としては、密度が6.70g/c
で、材料組成が重量%で、Sn:9.0%、残部が
Cu及び不純物から成るように銅系焼結合金カラー6を
形成した。
【0059】実施例2としては、密度が6.50g/c
で、材料組成が重量%で、Sn:10.0%、Mo
:2.0%、残部がCu及び不純物から成るように
銅系焼結合金カラー6を形成した。
【0060】実施例3としては、密度が6.50g/c
で、材料組成が重量%で、Sn:8.0%、MoS
:2.0%、Ni:2.5%、残部がCu及び不純物
から成るように銅系焼結合金カラー6を形成した。
【0061】実施例4としては、密度が6.70g/c
で、材料組成が重量%で、Sn:9.5%、MoS
:4.5%、残部がCu及び不純物から成るように銅
系焼結合金カラー6を形成した。
【0062】以上のような銅系焼結合金カラー6をエン
ジンに組み込んで、カムシャフト駆動トルクの測定を行
った結果、いずれも十分な摩擦低減効果が得られた。
【0063】図7は、4気筒で16個の弁を備えるガソ
リンDOHCエンジンに、上述銅系焼結合金カラー6を
組み込んだものと、組み込まないものとのカムシャフト
駆動平均トルクの変化を示したものである。尚、カムシ
ャフトの回転数は、300rpmに設定して行った。
【0064】本図から明らかなように、銅系焼結合金6
を組み込まないエンジン(比較例)の場合は、エンジン
の始動時において、カムシャフトの駆動平均トルクが著
しく上昇するが、本発明に係る銅系焼結合金カラー6を
組み込んだエンジン(実施例)の場合は、エンジン始動
時のカムシャフト駆動平均トルクは、潤滑経路から所定
の潤滑油が供給されるようになる定常状態でのカムシャ
フト駆動平均トルクよりも僅かに大きいだけである。
【0065】また、本図から明らかなように、銅系焼結
合金カラー6を採用した場合、カムシャフトを駆動する
ための平均トルクが、エンジン始動直後においては、約
30〜40kg・cm減少し、又、時間経過後において
も約5〜10kg・cm減少している。このことは、本
発明に係る銅系焼結合金カラー6が、摺動介面の摩擦低
減にとって有効であることを示すものである。
【0066】上述の実施例では、銅系焼結体合金を円筒
状のカラー6として形成し、環状ディスク4と制御環5
との間に設けた例を示したが、これに限定されるもので
はなく、銅系焼結合金そのものを環状ディスク4の外周
部に一体的に埋設してもよく、又、制御環5の内周部に
一体的に埋設してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装
置の平面図である。
【図2】 本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装
置の側面図である。
【図3】 図1中のA−A部における断面図である。
【図4】 図1中のB−B部における断面図である。
【図5】 図1中のC−C部における断面図である。
【図6】 本発明に係る内燃機関の吸排気弁駆動制御装
置の一部をなす銅系焼結合金カラーを示すものでり、
(a)は外観斜視図であり、(b)は(a)中のD−D
部における断面図である。
【図7】 本発明に係る銅系焼結合金カラーを組み込ん
だエンジンと組み込まないエンジンとにおける、カムシ
ャフト駆動平均トルクの変化を示したものである。
【符号の説明】
1 駆動軸 2 カムシャフト 2a 第1フランジ部 2b 係合溝 2c カム 3 スリーブ(フランジ部材) 3a 第2フランジ部 3b 係合溝 4 環状ディスク 4a,4b ピン 4c 外周面 5 制御環 5a ボス部 5b レバー部 5c 内周面 6 銅系焼結合金カラー 6a 穴部 8 連結ピン 9 枢支ピン 20 吸気弁 21 バルブスプリング 22 バルブリフタ 30 駆動機構
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 加 納 眞 神奈川県横浜市神奈川区宝町2番地 日産 自動車株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関の回転に同期して回転する駆動
    軸と、駆動軸と同軸上に配置されかつ外周に吸排気弁を
    駆動するカムを有すると共に軸線方向端部に第1フラン
    ジ部を有するカムシャフトと、駆動軸に固定されかつ第
    1フランジ部と対向配置される第2フランジ部を有する
    フランジ部材と、第1フランジ部と第2フランジ部との
    間に配置されて駆動軸の軸心に直交する面内において回
    転可能な環状ディスクと、環状ディスクの両側部におい
    て互いに反対方向に突設されて第1フランジ部及び第2
    フランジ部の各々に形成された係合溝に各々係合するピ
    ンと、環状ディスクを回転可能に支持すると共に環状デ
    ィスクの回転中心を駆動軸の軸心に対して偏心させるよ
    うに移動可能な制御環と、内燃機関の運転状態に応じて
    制御環を移動させる駆動機構とを備える内燃機関の吸排
    気弁駆動制御装置であって、環状ディスクと制御環との
    間に銅系焼結合金を介在させたことを特徴とする内燃機
    関の吸排気弁駆動制御装置。
  2. 【請求項2】 銅系焼結合金は、円筒形状をなすカラー
    として形成されていることを特徴とする請求項1記載の
    内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  3. 【請求項3】 銅系焼結合金の密度が6.5〜6.8g
    /cmであり、材料組成が重量%で、Sn:8〜11
    %、残部がCu及び不純物から成ることを特徴とする請
    求項1又は2記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装置。
  4. 【請求項4】 銅系焼結合金の密度が6.5〜6.8g
    /cmであり、材料組成が重量%で、Sn:8〜11
    %、MoS:1.5〜7%、残部がCu及び不純物か
    ら成ることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関
    の吸排気弁駆動制御装置。
  5. 【請求項5】銅系焼結合金の密度が6.5〜6.8g/
    cmであり、材料組成が重量%で、Sn:8〜11
    %、残部がCu及び不純物からなり、かつ、カラーの表
    面に形成された穴部に二硫化モリブデン、PTFE、黒
    鉛、又はこれらの複合材のいずれかを埋設したことを特
    徴とする請求項2記載の内燃機関の吸排気弁駆動制御装
    置。
JP3946297A 1997-02-24 1997-02-24 内燃機関の吸排気弁駆動制御装置 Pending JPH10238323A (ja)

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