JPH10238284A - シールド掘進機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 硬い地山や岩盤の掘削を効率良く行う。 【解決手段】 シールド本体１の前部に配置されてカッ
タ駆動装置３の平行リンク機構によりシールド軸心Ｏと
直交する面に沿って移動されて地山を掘削するカッタヘ
ッド２を、平行リンク機構により駆動される駆動フレー
ム１１と、この駆動フレーム１１にカッタ推進ジャッキ
１２を介して前後方向に出退自在に配置されカッタビッ
ト１５を有するカッタ面板１３とで構成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、地下鉄や地下道、
上下水道などのトンネルで、特に多様な断面のトンネル
を掘削可能なシールド掘進機に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、崩壊土圧を保持しつつ地下トンネ
ルを掘削するシールド掘進機では、一般的にシールド本
体の前部に配置されるカッタヘッドをシールド軸心周り
に回転させてトンネルを掘削するため、円形のトンネル
が一般的であり、これを組み合わせた繭形や長円形など
のトンネルを掘削することも実用化されている。

【０００３】これら円形のトンネルでは、無駄な空間が
多く、そのため矩形のトンネルを掘削できる矩形シール
ド掘進機が提案されている。この矩形シールド掘進機の
うち、たとえば特公平３−８０２４０号公報や特開平４
−１１５０９５号公報には、平行リンク機構を利用して
カッタヘッドを駆動するものが提案されており、カッタ
ヘッドをシールド軸心と直交する面内で平行移動させる
させるため、カッタヘッドとほぼ相似形断面のトンネル
掘削が可能となり、カッタヘッドの形状を変えることで
円形の他、矩形や楕円形や馬蹄形など多様な断面のトン
ネルが掘削可能となる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記シールド
掘進機では硬い地山や岩盤には適用できないという問題
があった。

【０００５】本発明のうち請求項１記載の発明は、上記
問題点を解決して、硬い地山や岩盤を効果的に掘削でき
て多様な断面のトンネルの掘削に適用できるシールド掘
進機提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の請求項１記載の発明は、シールド本体の前部
に配置されるカッタヘッドと、このカッタヘッドを平行
リンク機構によりシールド軸心と直交する面に沿って移
動させて地山を掘削するカッタ駆動装置とを備えたシー
ルド掘進機において、前記カッタヘッドを、平行リンク
機構により駆動される駆動フレームと、この駆動フレー
ムに出退手段を介して前後方向に出退自在に配置されカ
ッタビットを有するカッタ面板とで構成したものであ
る。

【０００７】上記構成によれば、カッタヘッドの平行リ
ンク機構によるシールド軸心と直交する掘削面での平面
的な旋回運動による掘削に加えて、出退手段によりカッ
タ面板を前後に出退駆動することにより、地山を打撃し
て掘削破砕することができるので、硬い地山や岩盤であ
っても、効果的に掘削することができ、多様な断面形状
のトンネルを効率良く掘削することができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】ここで、本発明に係るシールド掘
進機の実施の形態を図１，図２に基づいて説明する。

【０００９】矩形断面のシールド本体１の前部には、正
面視が矩形状のカッタヘッド２が配置され、シールド本
体１の前部に設けられた平行リンク機構からなるカッタ
駆動装置３によりカッタヘッド２をシールド軸心Ｏと直
交する面内で旋回移動させるように構成されている。

【００１０】前記カッタ駆動装置３は、シールド本体１
の前部で切り羽崩壊土圧を保持する圧力隔壁４の四隅方
向対称位置に、４個の回転体５がシールド軸心Ｏと平行
な軸心周りに軸受を介して回転自在に配置され、４個の
回転体５の外周部同一位置には、軸心周りに回転自在な
支持ポスト６がそれぞれシールド軸心方向に突設され、
各支持ポスト６の先端部にカッタヘッド２が連結固定さ
れて平行リンク機構が構成されている。そして各回転体
５の後部には、それぞれ回転体５を同一方向に同一速度
で回転させる回転駆動装置７がそれぞれ設けられてお
り、この回転駆動装置７は、回転体５の後部外周に形成
されたリングギヤ７ａと、これに噛み合う駆動ピニオン
７ｂと、駆動ピニオン７ｂを回転駆動する駆動モータ７
ｃとで構成される。

【００１１】したがって、回転駆動装置７により各回転
体５を同一方向に同一速度で回転させることにより、４
本の支持ポスト６をそれぞれ回転移動させてカッタヘッ
ドをシールド軸心Ｏと直交する面内で旋回移動させるこ
とができる。

【００１２】前記シールド本体１には、切り羽崩壊土圧
を保持しつつ掘削した土砂を排出するたとえばスクリュ
フィーダからなる排土装置８が圧力隔壁４の下部に貫通
して設けられ、またシールド本体１の後部には、エレク
タ装置（図示せず）により組み立てられたセグメントを
反力受けとしてシールド本体１を推進する推進ジャッキ
９が配設されている。

【００１３】前記カッタヘッド２は、支持ポスト６が連
結された駆動フレーム１１と、この駆動フレーム１１に
出退手段である複数（図では４本）のカッタ出退ジャッ
キ１２を介してシールド軸心に沿って前後方向にＬの範
囲で出退自在に配置されたカッタ面板１３とで構成され
ている。前記カッタ面板１３には、四方位置に土砂取り
入れ口１４Ａが形成され、カッタ面板１３の外周部と前
面および土砂取り入れ口１４Ａの周囲にそれぞれ多数の
カッタビット１５が突設されている。駆動フレーム１１
は、カッタ面板１３と略同一形状で土砂取り入れ口１４
Ｂが形成され、四隅位置にカッタ出退ジャッキ１２が配
設されてその出力ロッドがカッタ面板１３に連結されて
いる。１０はカッタ出退ジャッキ１２に油圧配管１０ａ
を介して油圧を送るためのロータリジョイントである。

【００１４】上記構成において、トンネルを掘削する場
合には、推進ジャッキ９によりシールド本体１を前進さ
せるとともに、カッタ駆動装置によりカッタヘッド２を
旋回移動させてカッタビット１５により地山を掘削し、
掘削した土砂を土砂取り入れ口１４Ａ，１４Ｂから取り
込んで排土装置８により排出する。そして、掘削する地
山の地質に応じて、硬い地質や岩盤の場合には、カッタ
ヘッド２の旋回移動中にカッタ出退ジャッキ１２により
カッタ面板１３を出退させる前後動作を組み込んで掘削
したり、またはカッタヘッド２の停止状態でカッタ出退
ジャッキ１２によりカッタ面板１３を出退させることに
よりその打撃で地山を破砕し掘削する。

【００１５】上記実施の形態によれば、カッタヘッド２
に前後方向の出退機構を組み込んだので、平面移動によ
る掘削に加えて立体的な動作が可能となり、硬い岩盤等
も前後動の打撃によりより効果的に地山を破砕して掘削
することができる。

【００１６】なお、上記実施の形態では、矩形断面トン
ネルを掘削するシールド掘進機を示したが、他の長円形
や吊鐘形、その他あらゆる断面形状のトンネルを掘削す
るシールド掘進機であってもよい。

【００１７】

【発明の効果】以上に述べたごとく本発明の請求項１記
載の発明によれば、カッタヘッドの平行リンク機構によ
るシールド軸心と直交する掘削面での平面的な旋回運動
による掘削に加えて、出退手段によりカッタ面板を前後
に出退駆動させることにより、地山を打撃して掘削破砕
することができるので、硬い地山や岩盤であっても、効
果的に掘削することができ、多様な断面形状のトンネル
を効率良く掘削することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係るシールド掘進機の実施の形態を示
す縦断面図である。

【図２】同シールド掘進機の正面図である。

【符号の説明】

１ シールド本体 ２ カッタヘッド ３ カッタ駆動装置 ４ 圧力隔壁 ５ 回転体 ６ 支持ポスト ７ 回転駆動装置 ８ 排土装置 ９ 推進ジャッキ １１ 駆動フレーム １２ カッタ出退ジャッキ １３ カッタ面板 １５ カッタビット

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】シールド本体の前部に配置されるカッタヘ
   ッドと、このカッタヘッドを平行リンク機構によりシー
   ルド軸心と直交する面に沿って移動させて地山を掘削す
   るカッタ駆動装置とを備えたシールド掘進機において、 前記カッタヘッドを、平行リンク機構により駆動される
   駆動フレームと、この駆動フレームに出退手段を介して
   前後方向に出退自在に配置されカッタビットを有するカ
   ッタ面板とで構成したことを特徴とするシールド掘進
   機。