JPH10237738A - フレキシブルコンテナ用シートおよびその製造法およびフレキシブルコンテナ - Google Patents

フレキシブルコンテナ用シートおよびその製造法およびフレキシブルコンテナ

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JPH10237738A
JPH10237738A JP9039297A JP3929797A JPH10237738A JP H10237738 A JPH10237738 A JP H10237738A JP 9039297 A JP9039297 A JP 9039297A JP 3929797 A JP3929797 A JP 3929797A JP H10237738 A JPH10237738 A JP H10237738A
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JP
Japan
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resin
sheet
flexible container
base fabric
polyester
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JP9039297A
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English (en)
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Masao Seki
昌夫 関
Masanobu Takeda
昌信 武田
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、裁断端面に特別な処理を必要とせ
ず、しかも、耐ホツレ性に優れ、しかも溶着縫製部の耐
熱クリープ性にも優れたフレキシブルコンテナ用シート
およびその製造法およびフレキシブルコンテナを提供せ
んとするものである。 【解決手段】本発明のフレキシブルコンテナ用シート
は、合成繊維製基布の繊維表面に特定のウレタン樹脂と
ポリイソシアネート化合物の反応物が付着してなり、該
基布の少なくとも片面が熱可塑性樹脂で被覆されている
ことを特徴とするものであり、かかるシートの製造法
は、基布に特定のウレタン樹脂とポリイソシアネート化
合物の混合液を付与し、120℃以上の温度で熱処理し
た後、該基布の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂シート
を熱圧着することを特徴とするものである。また、本発
明のフレキシブルコンテナは、前記フレキシブルコンテ
ナ用シートで構成されていることを特徴とするものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合成繊維製基布に
熱可塑性樹脂を被覆してなるシートの裁断端面の繊維の
耐ホツレ性と溶着縫製部の耐熱クリープ性に優れたフレ
キシブルコンテナ用シートおよびその製造法およびフレ
キシブルコンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、各種樹脂ペレット類、薬剤類、農
薬類、肥料類あるいは食品類などの粒状物を輸送するた
めに、繊維基布に熱可塑性樹脂を被覆加工したシートを
縫製したフレキシブルコンテナが広く使用されている。
該シートは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエス
テル、ナイロンなどの繊維からなる布帛に、塩化ビニル
樹脂、オレフィン樹脂をカレンダー法、コーティング
法、Tダイ押し出し法など種々の方法で被覆加工して製
造され、フレキシブルコンテナ袋の本体布や内張布に使
用されている。かかる袋体は折り畳みなどの繰り返し屈
曲を受けたり、粒状内容物の出し入れ時や、運搬時の振
動等により裁断端面の繊維と樹脂が剥離を起こし繊維の
ホツレが発生する問題がある。かかる現象が特に内張布
の裁断端面で発生するとホツレた繊維が運搬内容物に混
合し大きな問題となるため、裁断端面に熱接着性テープ
を折り返してたたみ熱溶着して被覆する加工が施されて
いた。該加工によりホツレを防止することはできるが、
かかる加工は特別な装置が必要で多大な労力を要するた
め大きなコストアップになるという問題がある。また被
覆部は当然のことながら厚くなり、縫製加工性が低下す
る問題も抱えている。かかる問題点を改善するために、
熱接着性テープで熱溶着する場合の作業効率を改善する
ためのテープ素材の提案はあるが、コスト改善効果はほ
とんどないのが現状である。
【0003】また、フレキシブルコンテナ用布帛は、一
般に織物の織り目の目空きの大きいものを使用し、織物
の両面から樹脂シートを熱圧着し、目空き部を通して樹
脂同志を接着させ、かかるシートを高周波や熱風で溶着
縫製する。フレキシブルコンテナは1トンもの内容物を
運搬する場合が多く、さらにそれを2個あるいは3個重
ねて運搬、保管するため、シートに大きな力が掛かるの
で、特に本体布の溶着縫製部が剥離しやすい問題があ
る。該剥離は内容物として温かいままの樹脂ペレットな
どを充填した温度の高い場合が顕著であり、剥離は織物
が目空きの大きいものであるため、引っ張り荷重がかか
る方向と直角方向にある織物の糸が抜ける状態で起こり
特に耐熱クリープが問題になる。かかる欠点を改善する
ために織物の密度を上げることがあるが、織物と樹脂の
接着性が弱くなるので改善効果がほとんどない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる技術
的背景に鑑み、裁断端面に特別な処理を必要とせず、し
かも、耐ホツレ性に優れ、しかも溶着縫製部の耐熱クリ
ープ性にも優れたフレキシブルコンテナ用シートおよび
その製造法およびフレキシブルコンテナを提供せんとす
るものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、かかる課題を
達成するために次のような手段を採用する。すなわち、
本発明のフレキシブルコンテナ用シートは、合成繊維製
基布の繊維表面に特定のウレタン樹脂とポリイソシアネ
ート化合物の反応物が付着してなり、該基布の少なくと
も片面が熱可塑性樹脂で被覆されていることを特徴とす
るものであり、かかるシートの製造法は、基布に特定の
ウレタン樹脂とポリイソシアネート化合物の混合液を付
与し、120℃以上の温度で熱処理した後、該基布の少
なくとも片面に、熱可塑性樹脂シートを熱圧着すること
を特徴とするものである。また、本発明のフレキシブル
コンテナは、前記フレキシブルコンテナ用シートで構成
されていることを特徴とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明は、従来、ポリエステル繊
維基布に熱可塑性樹脂を被覆してなるシートを裁断、縫
製してなるフレキシブルコンテナの縫製部端面のポリエ
ステル繊維がホツレて内容物に混入する問題があり、そ
の改善に多大のコストを要していること、また、縫製部
の耐熱クリープに劣り、充填物の温度が限定されている
事実に鑑み、鋭意検討したところ、ポリエステル繊維基
布の繊維表面にビニル重合体変性カチオン性ポリウレタ
ン樹脂とポリイソシアネート化合物の反応物を付着させ
れば繊維の単糸間の収束性が高まり、かつ、ポリエステ
ル繊維と熱可塑性樹脂の接着力が高くなって、シートの
裁断端面の繊維がホツレにくく、しかも溶着縫製部の耐
熱クリープ性が向上することを究明したものである。
【0007】本発明の合成繊維とは、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ナイロンなどの合成繊維
を意味するものである。かかる合成繊維の中でも、ポリ
エステル繊維が、本発明の課題を解決する上から好まし
く、かかるポリエステル繊維としては、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、第3成分
としてイソフタル酸、pオキシ安息香酸、5−ナトリウ
ムスルホイソフタル酸、ジエチレングリコール、ブタン
ジオール、pキシレングリコールなどを共重合したポリ
エステル繊維であり、繊度は50〜1500デニール、
フィラメント数は10〜300、繊維強度は4g/d以
上で断面形状は円形でも、三角形などの異型断面でも良
い。もちろん、かかるポリエステル系繊維に着色剤、耐
候剤、難燃剤、充填剤、帯電防止剤、撥水剤、接着剤な
どが含有あるいは繊維表面に付着していてもさしつかえ
ない。
【0008】本発明のビニル重合体変性カチオン性ポリ
ウレタン樹脂とは、ポリヒドロキシル化合物と過剰量の
ポリイソシアネートから製造された分子末端に遊離のイ
ソシアネート基を有するウレタンプレポリマー(A)に
過剰量のポリアルキレンポリアミンを反応させて得られ
るポリウレタン尿素ポリアミン(B)にエピハロヒドリ
ンを反応後、酸の水溶液と混合することによって得られ
る。また該ポリウレタンエマルジョンの架橋密度を調整
する目的で、ウレタンプレポリマー(A)に少なくとも
2個の第1級もしくは第2級アミノ基と1個以上の下式
で表される官能基を有するポリアルキレンポリアミン誘
導体 −CH2 −CH(OH)−CH2 X (式中XはClまたはBrを表す)を反応させた後、酸
の水溶液と混合する方法、あるいは、上記のポリウレタ
ン尿素ポリアミン(B)の遊離のアミノ基の一部にポリ
イソシアネート類とイソシアネートブロック化剤とから
得られた1個の遊離のイソシアネート基を有するブロッ
ク化イソシアネート化合物を反応させた後、酸の水溶液
と混合する方法を採用することができる。
【0009】ウレタンプレポリマー(A)を構成するポ
リイソシアネート類としては、芳香族および脂肪族のポ
リイソシアネート類、たとえば、1,5−ナフチレンイ
ソシアネート、4,4´−ジフェニルメタンジイソシア
ネート、4,4´−ジフェニルジメチルメタンジイソシ
アネート、ジおよびテトラアルキルジフェニルメタンジ
イソシアネート、4,4´−ジベンジルジイソシアネー
ト、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フ
ェニレンジイソシアネート、塩素化イソシアネート類、
臭素化イソシアネート類、燐含有イソシアネート類、ブ
タン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサン−1,6−
ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシア
ネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、
キシレンジイソシアネート、リジンジイソシアネートな
どの他、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソ
シアネート、ビフェニル−2,4,4−トリイソシアネ
ート、トリフェニルメタントリイソシアネートなどのト
リイソシアネート類の混合使用も可能である。
【0010】ウレタンプレポリマー(A)を構成するポ
リヒドロキシル化合物は、200乃至10000の分子
量を有するものであり、一般にポリウレタン製造に使用
される公知のポリヒドロキシル化合物、たとえば、ポリ
エーテル類、ポリエステル類、ポリエステルアミド類、
ポリアセタール類、ポリブタジエングリコール類など
は、いずれも使用でき、さらにビスフェノールAやビス
フェノールAに酸化エチレン、酸化プロピレンなどのア
ルキレンオキシドを付加せしめたグリコール類も使用す
ることができる。ポリエーテル類としては、たとえば、
テトラヒドロフラン、エチレンオキシド、プロピレンオ
キシド、ブチレンオキシドなどの重合生成物、もしくは
共重合体があげられ、また、たとえばヘキサンジオー
ル、ヘプタンジオール、オクタンジオールの縮合による
均一なポリエーテル類あるいは混合ポリエーテル類を使
用できるほか、プロポキシル化またはエトキシ化された
グリコール類も使用できる。ポリチオエーテル類として
は特にチオグリコール単独、またはそれと他のグリコー
ルとの縮合生成物の使用が好適である。ポリアセタール
類としては、たとえばヘキサンジオールとホルムアルデ
ヒド、または4,4´−ジオオキシエトキシジフェニル
ジメチルメタンとホルムアルデヒドから得た水不溶性の
ポリアセタールなどがあげられる。ポリエステル類とし
ては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ペ
ンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、ビスフェノールア、ジエ
チレングリコール、ジプロピレングリコールなどの飽和
および不飽和の低分子量グリコールと二塩基酸とから脱
水縮合反応によって得られるポリエステルグリコールや
環状エステル化合物の開環重合によって得られるポリエ
ステルグリコールがその代表例である。また必要に応じ
て、上記ポリヒドロキシル化合物と共に、通常使用され
ているグリコール類、たとえばエチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタン
ジオール、プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ネオペンチルグリコールおとび炭素数1〜22のア
ルキル基を有するn−アルキルジエタノールアミン、ビ
スフェノールAの酸化エチレン、酸化プロピレン付加物
などが併用される。
【0011】ウレタンプレポリマー(A)の製造に際し
て、ポリイソシアネートの量はヒドロオキシル基が全て
反応するように選択することが好ましく、従ってイソシ
アネート基の総数と反応性水素原子の総数の比は1.
1:1.0〜5.0:1.0が好ましい。
【0012】本発明で用いられるポリアルキレンアミン
としてはポリエチレンポリアミン、ポリプロピレンポリ
アミン、ポリブチレンポリアミン等を含む種々のポリア
ルキレンポリアミンすなわち窒素が、nが1より大なる
整数であるところの−CnH2n−なる式の群によって
連結され、かつ分子中にこのような群が2から4までの
範囲内であるところのポリアミンである。具体的にいえ
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、
テトラエチレンペンタミン、ジプロピレントリアミンの
ごときポリアミンや、これらの混合物および種々の粗製
ポリアミン材料が使用できる。ウレタンプレポリマー
(A)とポリアルキルポリアミンの反応において、イソ
シアネートの数に対して、第1級および第2級アミノ基
の総数が過剰であることが必要でありアミノ基の全モル
数がイソシアネートの全モル数に近くなるほど、高分子
量のポリウレタン尿素ポリアミンが生成するが、ゲル化
した生成物またはゲル化傾向の著しいものを生じ、また
過度にアミノ基のモル数の比を大きくすると低分子量の
ポリウレタン尿素ポリアミンになり、したがってイソシ
アネートの数(a)に対する第1級および第2級アミノ
基の総数(b)の比は1<b/a≦5であり、好ましく
は1<b/a≦3であり、ポリウレタン尿素ポリアミン
の分子量は1000ないし100000が好ましい。こ
のようにして製造されたポリウレタン尿素ポリアミン
(B)を中間体として熱硬化反応性を有するカチオン性
ポリウレタン水溶液、たとえば自己乳化型ポリウレタン
エマルジョンを製造するには、該ポリウレタン尿素ポリ
アミン(B)にその遊離のアミノ基の0.2〜1.0倍
モルのエピハリヒドリンを反応せしめた後、酸の水溶液
と混合すればよい。エピハロヒドリンとしてはエピクロ
ルヒドリンおよびエピブロムヒドリンが好適である。ま
た使用する酸の水溶液としては無機酸、有機酸のいずれ
の水溶液でもよく、塩酸、硝酸、酢酸、プロピオン酸、
モノクロル酢酸、グリコール酸などが使用できる。本発
明では、遊離のイソシアネート基をアルキレンポリアミ
ンや水などの活性水素と反応させず、最終樹脂組成物中
に残存させ、必要とするときに一定の条件下でイソシア
ネート基の反応性を発現させる目的でブロック化剤を使
用することが好ましい。かかるイソシアネートブロック
化剤としては、酸性亜硫酸ソーダ、第二級アミン、第三
級アルコール、アミド類、フェノールおよびフェノール
誘導体、ラクタム類(ε−カプロラクタムなど)、オキ
シム類(メチルエチルオキシム類)、青酸、エチレンイ
ミン、グリシドール、ヒドロキシアミン、イミン類、メ
ルカプタン類、ピロリドン類、マロン酸エステル類など
が好ましく使用される。
【0013】また、かかるカチオン性ポリウレタンエマ
ルジョンの存在下に、重合可能な不飽和結合を有する単
量体をラジカル重合させることによって得られるビニル
重合体変性カチオン性樹脂組成物も使用することがで
き、最終樹脂組成物の親水性、熱架橋性などのコントロ
ールに有効である。重合可能な不飽和結合を有する単量
体としては、ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジ
ルメタアクリレート、3−クロル−2−ヒドロキシメタ
クリレート、N−メチロールアクリルアミド、などの熱
架橋反応性を有するもの、アクリル酸、メタクリル酸、
マレイン酸などのα、β不飽和カルボン酸、アクリルア
ミド、メタアクリルアミド、マレイン酸アミドヤこれら
のエステル類、またペンタデカフルオロアクリレート、
テトラフルオロ−3−(ペンタフルオロエトキシ)プロ
ピルアクリレート、ヘプタフルオロブチルアクリレー
ト、2−(ヘプタフルオロブトキシエチルアクリレー
ト)、トリフルオロイソプロピルメタクリレート、2、
2、2−トリフルオロ−1−メチルメタクリレートなど
の弗素化アクリル酸またはメタクリル酸エステルなどが
使用できる。
【0014】本発明のポリイソシアネート化合物とは、
分子中に二個以上のイソシアネート基を有し、該イソシ
アネート基が官能基を有する物質でブロックし、反応性
を制御したブロックドイソシアネート化合物が好まし
い。該ブロックドポリイソシアネート化合物はある温度
以上に加熱するとブロック成分が解離してイソシアネー
ト基化し反応性を発揮するものである。
【0015】本発明においては、次に示す式1〜式7の
ブロックドポリイソシアネート化合物が好ましく使用さ
れ、これらの中でも式4、式5の化合物がさらに好まし
く使用される。
【0016】
【式1】
【0017】
【式2】
【0018】
【式3】
【0019】
【式4】
【0020】
【式5】
【0021】
【式6】
【0022】
【式7】 本発明のビニル重合体変性カチオン性ポリウレタン樹脂
とポリイソシアネート化合物の混合比率は、カチオン性
ポリウレタン樹脂の固形分1重量部に対し、ポリイソシ
アネート化合物が、好ましくは0.05〜1.0重量部
であり、さらに好ましくは0.2〜0.6重量部であ
る。
【0023】本発明のビニル重合体変性カチオン性ポリ
ウレタン樹脂とポリイソシアネート化合物の反応物の付
着量は、繊維重量に対し好ましくは0.2%以上、さら
に好ましくは0.4〜5%である.かかる反応物を適正
量付着させることによりポリエステル繊維の単糸接着収
束性が高まり、しかも被覆する熱可塑性樹脂とも強固に
接着し、シートの裁断端面の糸をホツレにくくし、溶着
縫製部の耐熱クリープ性を向上させるのである。本発明
の熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル系樹脂、ポリオレ
フィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリフ
ッ化ビニリデンなどの弗素系樹脂、シリコン系樹脂など
の少なくとも一種が好ましく使用される。なかでも塩化
ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系
樹脂が柔軟性、コストなどから、さらに好ましく使用さ
れる。
【0024】ここでいう塩化ビニル系樹脂とは、塩化ビ
ニル重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビ
ニル−アクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル−塩化
ビニリデン共重合体などを意味するものであり、これら
を単独あるいは2種以上を混合したものに可塑剤、安定
剤、耐候剤、架橋剤、抗菌剤、充填剤、防炎剤、着色
剤、帯電防止剤などの添加剤を混合したものである。さ
らにかかる塩化ビニル系樹脂の重合度は、好ましくは6
00〜3500、さらに好ましくは800〜2000の
ものを使用するのがよい。
【0025】また、ポリオレフィン系樹脂とは、ポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−アクリル酸アルキル共重合体、エチレン
−αオレフィン共重合体、高分子鎖中にゴム弾性を持つ
ゴム成分(ソフトセグメント)と常温付近で塑性変形を
防止する結晶ないしガラス状成分(ハードセグメント)
との互いに相溶しない両成分を有するオレフィンエラス
トマーなどでありこれらを単独あるいは2種以上を混合
したものに可塑剤、安定剤、耐候剤、架橋剤、抗菌剤、
充填剤、防炎剤、着色剤、帯電防止剤などの添加剤を混
合したものである。
【0026】さらにポリエステル系樹脂とは柔軟性の面
からポリエステルエラストマーが好ましく、高融点結晶
性重合体セグメントとしてジカルボン酸にテレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸
などを使用し、ジオールとして1,4−ブタンジオー
ル、エチレングリコール、トリメチレングリコールなど
を使用し、特にテレフタル酸と1,4−ブタンジオール
からなるポリブチレンテレフタレートが好ましい。一
方、低融点重合体セグメントはポリ(テトラメチレンオ
キシド)グリコール、ポリ(プロピレンオキシド)グリ
コールのエチレンオキシド付加物、ポリ(ε−カプロラ
クトン)、ポリブチレンアジペートなどのポリエステル
ブロック共重合体が好ましい。低融点重合体セグメント
の友重合量は10〜90重量%、好ましくは15〜75
重量%である。さらに、可塑剤、安定剤、耐候剤、架橋
剤、抗菌剤、充填剤、防炎剤、着色剤、帯電防止剤など
の添加剤を混合しても良い。
【0027】本発明のフレキシブルコンテナ用シートの
製造法としては、ビニル重合体変性カチオン性化合物と
ポリイソシアネート化合物を所定濃度に混合した混合溶
液を所定量、合成繊維製基布に付与した後、好ましくは
120℃以上の温度、さらに好ましくは150℃以上の
温度で数秒から数分の処理を実施する。しかる後に、カ
レンダー法やTダイ押し出し法、コーティング法など公
知の方法で成型した50〜500ミクロンの厚さの樹脂
シートを該基布の少なくとも片面に150℃以上の温度
で熱圧着することにより、耐ホツレ性、耐熱クリープ性
に優れたものを製造することができる。
【0028】本発明のフレキシブルコンテナは、かかる
方法により製造されたものを含め、上述のフレキシブル
コンテナ用シートを用いて、接着(融着)または縫製さ
れて構成されるものである。
【0029】
【実施例】以下、実施例により詳しく説明するが、本発
明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例及
び比較例に示す性能値は次の方法で測定した。 (ホツレ性)内径15cm、高さ20cmのステンレス
容器にナイロンチップ(東レ株式会社製アミラン)を7
00g入れ、5cm×5cmの大きさにカッターでカッ
トした評価用サンプルを入れ、1分間に125回転の条
件で2時間処理した後のカット端面のホツレの程度を評
価した。評価基準は、次ぎの肉眼観察評価によった。 ○:ホツレがない、△:多少ホツレがある、×:ホツレ
がきつい (耐熱クリープ)3cm幅のシートを2枚採取し、山本
ビニター株式会社製高周波ウエルダーYF7000A型
装置を使用して、陽極電流値1A、押え圧力3Kg/c
m2 、溶着時間8秒、冷却時間3秒で3cm幅で接着加
工し、50℃で40Kgの荷重をかけ、接着部が剥離す
るまでの時間を測定した。
【0030】実施例1〜15、比較例1〜6 750デニール、96フィラメントのポリエステル繊維
(東レ株式会社製)を経糸と緯糸に使用して平織物を製
織し、次いで下記に示すウレタンとポリイソシアネート
化合物の混合溶液に浸漬し、マングルで絞り、120℃
で乾燥し、190℃の温度でピンテンターでセットして
基布とした(タテ/ヨコ密度20/20本/インチ)。
該基布の両面に、下記に示す茶色の顔料、酸化防止剤な
どの添加物を混合した熱可塑性樹脂をカレンダーで20
0ミクロンの厚みで成型したフィルムを熱圧着してフレ
キシブルコンテナ用シートととした。該シートの性能を
表1に示した。
【0031】(ウレタンA) カチオン性ポリウレタン−ポリブチルアクリレート複合
体 (エチレングリコール、1、4ブタンジオール、アジピ
ン酸から得られるポリエステルグリコールと、2、4−
トリレンジイソシアネートと、2、6−トリレンジイソ
シアネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレント
リアミン、エピクロルヒドリンを反応させてグリコール
酸水溶液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマ
ルジョンの共存下でブチルアクリレートを重合したも
の。固形分30%)(ウレタンB) カチオン性ポリウレタン−ポリ酢酸ビニル複合体 (ビスフェノールAの酸化エチレン付加物と2、4−ト
リレンジイソシアネートと2、6−トリレンジイソシア
ネートからなるウレタンポリマーに、ジエチレントリア
ミン、エピクロルヒドリンを反応させグリコール酸水溶
液を加えて得られたカチオン性ポリウレタンエマルジョ
ンの存在下で酢酸ビニルを重合したもの。固形分30
%) (ブロックドイソシアネートa)前記式4の水分散液を
使用した。固形分は30%。
【0032】(ブロックドイソシアネートb)前記式5
の水分散液を使用した。固形分は30%。
【0033】上記樹脂の混合水溶液にポリエステル織物
を浸漬した。
【0034】(被覆樹脂ア) エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂 (エバテートCV2097:住友化学株式会社製)(被
覆樹脂イ) ポリエステルエラストマー樹脂 (ハイトレル:東レ・デュポン株式会社製)(被覆樹脂
ウ) 塩化ビニル樹脂 塩化ビニル(重合度1100) 100部 エポキシ化大豆油 2部 安定剤(Ba/Zn系) 3部 可塑剤(DOP) 60部
【表1】 表1から、実施例のものは、裁断カット面の糸がホツレ
にくく、溶着縫製部の耐熱クリープ性に優れ、フレキシ
ブルコンテナに好適なシートであることが判る。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、耐ホツレ性、耐熱クリ
ープ性に優れたフレキシブルコンテナ用シート、フレキ
シブルコンテナを安定に供給し得る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成繊維製基布表面にビニル重合体変性
    カチオン性ポリウレタン樹脂とポリイソシアネート化合
    物の反応物が付与されてなり、かつ、該基布の少なくと
    も片面に熱可塑性樹脂が被覆されていることを特徴とす
    るフレキシブルコンテナ用シート。
  2. 【請求項2】 該合成繊維が、ポリエステル繊維である
    請求項1記載のフレキシブルコンテナ用シート。
  3. 【請求項3】 該ポリイソシアネート化合物が、該ビニ
    ル重合体変性カチオン性ポリウレタン樹脂1重量部に対
    し0.05〜1の割合で混合されている請求項1記載の
    フレキシブルコンテナ用シート。
  4. 【請求項4】 該反応物の付着量が、該基布の繊維重量
    に対し、0.2%以上である請求項1記載のフレキシブ
    ルコンテナ用シート。
  5. 【請求項5】 該熱可塑性樹脂が、塩化ビニル樹脂、オ
    レフィン樹脂およびポリエステル樹脂から選ばれたもの
    である請求項1記載のフレキシブルコンテナ用シート。
  6. 【請求項6】 合成繊維基布に、ビニル重合体変性カチ
    オン性ポリウレタン樹脂とポリイソシアネート化合物の
    混合溶液を付与し、120℃以上の温度で熱処理した
    後、該基布の少なくとも片面に、熱可塑性樹脂シートを
    熱圧着することを特徴とするフレキシブルコンテナ用シ
    ートの製造法。
  7. 【請求項7】 該合成繊維が、ポリエステル繊維である
    請求項6記載のフレキシブルコンテナ用シートの製造
    法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜5のいずれかに記載のフレキ
    シブルコンテナ用シートで構成されていることを特徴と
    するフレキシブルコンテナ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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