JPH10237599A - 耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 - Google Patents

耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼

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JPH10237599A
JPH10237599A JP3912397A JP3912397A JPH10237599A JP H10237599 A JPH10237599 A JP H10237599A JP 3912397 A JP3912397 A JP 3912397A JP 3912397 A JP3912397 A JP 3912397A JP H10237599 A JPH10237599 A JP H10237599A
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JP
Japan
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stainless steel
corrosion resistance
austenitic stainless
less
molten carbonate
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JP3912397A
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English (en)
Inventor
Koichiro Oe
耕一郎 大江
Akihiro Takemura
誠洋 竹村
Katsumi Shomura
克身 正村
Koichi Yuasa
晃一 湯浅
Koichi Matsumoto
晃一 松本
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IHI Corp
JFE Engineering Corp
Original Assignee
IHI Corp
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高価な希土類元素やAlを添加することなく、
耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステンレ
ス鋼を提供する。 【解決手段】本発明のステンレス鋼は、重量%で、C:
0.1%以下と、Si:1%以下と、Mn:2%以下
と、P:0.045%以下と、S:0.03%以下と、
Cr:14〜20%と、Ni:7.5〜15%と、M
o:3%以下と、N:0.05%以下と、Nb:0.0
7〜1.8%とを含有し、残部がFe及び不可避不純物
からなる耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系
ステンレス鋼である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特に溶融炭酸塩型
燃料電池のセパレータカソード側等の材料として好適
な、耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】溶融炭酸塩型燃料電池のセパレータの材
料として、従来、アノード側にはNiが、カソード側に
はSUS316Lが使用されている。しかしながら、S
US316Lは耐溶融炭酸塩腐食性が十分ではなく、長
時間使用が困難である。その対策として、特開平7-1888
70号公報ではオーステナイト系ステンレス鋼にY等の希
土類元素やAl、Siを添加した合金が提案されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、希土類
元素を添加すると材料コストが上昇する。またAlを添
加すると、電池を運転中に合金表面にAl酸化物が生成
するために電気伝導性が低下し、電池の性能を劣化させ
るという問題がある。また、Siを過剰に添加すると、
Alの挙動と同様に電池運転時に合金表面にSi酸化物
を形成し、電池の性能を劣化させると共に、脆化相の析
出を招くという問題がある。本発明の目的は、高価な希
土類元素やAlを添加することなく、耐溶融炭酸塩腐食
性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼を提供するこ
とにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明のステンレス鋼は、重量%で、C:0.1
%以下と、Si:1.%以下と、Mn:2%以下と、
P:0.045%以下と、S:0.03%以下と、C
r:14〜20%と、Ni:7.5〜15%と、Mo:
3%以下と、N:0.05%以下と、Nb:0.07〜
1.8%とを含有し、残部がFe及び不可避不純物から
なる耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼である。 (2)本発明のステンレス鋼は、熱
間加工性に優れた、上記(1)に記載のオーステナイト
系ステンレス鋼である。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者は、高価な希土類元素や
Alを添加することなく、耐溶融炭酸塩腐食性に優れた
オーステナイト系ステンレス鋼を得るために、鋼の化学
成分と耐溶融炭酸塩腐食性との関係について、鋭意研究
を重ねた。
【0006】その結果、オーステナイト系ステンレス鋼
の耐溶融炭酸塩腐食性を向上させるためには、Nbの添
加が有効であるという知見が得られた。また、一方では
Nbを一定量超えて添加すると熱間加工性が劣化すると
いう知見も得られた。
【0007】以上の知見に基づき、本発明者は、オース
テナイト系ステンレス鋼に、その熱間加工性を劣化させ
ない範囲で、Nbを一定量添加するようにして、耐溶融
炭酸塩腐食性に優れた本発明のオーステナイト系ステン
レス鋼を見出し、本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、鋼組成を下記範囲に
限定することにより、高価な希土類元素やAlを添加す
ることなく、耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイ
ト系ステンレス鋼を得ることができる。
【0009】以下に本発明の成分添加理由及び成分限定
理由について説明する。 (1)成分組成範囲 Cr:耐溶融炭酸塩腐食性を高める作用がある。しか
し、14%未満では所望の効果が得られない。また、2
0%を越えて添加するとオーステナイト相が不安定にな
ると同時にコストの上昇を招くため、Cr量は14〜2
0%である。 Ni:耐溶融炭酸塩腐食性を高めると同時に、オーステ
ナイト相を安定にする作用がある。しかし、7.5%未
満では所望の効果が得られない。また、15%を越えて
添加するとコストの上昇を招くため、Ni量は7.5〜
15%である。
【0010】Nb:耐溶融炭酸塩腐食性を高める作用が
ある。しかし、0.07%未満では所望の効果が得られ
ない。また、1.8%を越えて添加すると熱間圧延性が
劣化するため、Nb量は0.07〜1.8%である。 Mo:耐酸化性を高める作用がある。しかし、3%を越
えて添加するとコストの上昇を招くため、上限は3%以
下である。 C:脱酸作用及び高温強度を向上させる作用がある。し
かし、0.1%を越えて添加すると高温強度向上の効果
が飽和すること、また熱間加工性が劣化することから、
上限は0.1%以下である。 Si:脱酸材として添加され、耐酸化性の向上効果があ
る。しかし、1%を越えて添加すると、脆化相の析出を
招くため、上限は1%以下である。
【0011】Mn:脱硫及び脱酸作用がある。しかし、
2%を越えて添加すると使用中の靭性が劣化するため、
上限は2%以下である。 N:0.05%を越えて添加すると熱間加工性が劣化す
るため、上限は0.05%以下である。
【0012】本発明では、Y等の希土類元素とAlは添
加されない。なお、P、S等の不純物は、通常のステン
レス鋼と同程度に制限すればよい。上記の成分組成範囲
に調整することにより、耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオ
ーステナイト系ステンレス鋼を得ることが可能となる。
【0013】なお、製造条件については本発明では特に
限定されない。すなわち、ステンレス鋼の溶製方法、鋼
板製造時の圧延方法及び熱処理方法は通常採用される条
件であればよい。以下に本発明の実施例を挙げ、本発明
の効果を立証する。
【0014】
【実施例】通常のSUS316L鋼(0.025%C−
0.98%Si−1.98%Mn−0.01%P−0.
01%S−16.2%Cr−12.2%Ni−2.5%
Mo−0.02%N)にNbを0.05〜2%添加し、
耐溶融炭酸塩腐食性及び熱間加工性に及ぼすNbの影響
について調査した。
【0015】(1)耐溶融炭酸塩腐食性 試験温度650℃、15%O2 −30%CO2 −55%
2 のカソード環境下において、15mm×25mm×
5mmの形状の試験片を、62mol%Li2CO3
38mol%K2 CO3 との混合塩40g中に浸漬さ
せ、48時間加熱して、浸漬腐食試験を行った。その
後、脱スケールを行い、加熱前からの減少量を測定し
た。このようにして測定された重量減少量によって耐溶
融炭酸塩腐食性を評価した。Nb含有量に対する重量減
少量を図1に示す。Nb含有量が本発明の範囲の0.0
7%以上では重量減少量が低下しており、耐溶融炭酸塩
腐食性の向上が見られるが、0.07%未満ではNb添
加の効果が顕著ではない。
【0016】(2)熱間加工性 1100℃において、平行部6mmφ×16mmの丸棒
試験片を用いて、歪速度10sec-1で高速引張試験を
行い、試験後の破断絞り値から熱間加工性を評価した。
Nb含有量に対する破断絞り値を図2に示す。Nb含有
量が本発明の範囲の1.8%までは熱間加工性は良好で
あるが、1.8%を越えて添加すると破断絞り値が減少
し、熱間加工性が劣化する。
【0017】
【発明の効果】本発明は、鋼組成を特定することによ
り、耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステ
ンレス鋼を提供することができる。本発明のステンレス
鋼は、高価な希土類元素やAlの添加が不要であるた
め、特に溶融炭酸塩型燃料電池のセパレータカソード側
等の材料として好適な、耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオ
ーステナイト系ステンレス鋼を安価に製造することがで
きるなど、産業上極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係るNb含有量と腐食減量の
関係を示す図。
【図2】本発明の実施例に係るNb含有量と破断絞り値
との関係を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 正村 克身 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 湯浅 晃一 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社東二テクニカルセンタ ー内 (72)発明者 松本 晃一 東京都江東区豊洲三丁目1番15号 石川島 播磨重工業株式会社技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%で、C:0.1%以下と、Si:
    1%以下と、Mn:2%以下と、P:0.045%以下
    と、S:0.03%以下と、Cr:14〜20%と、N
    i:7.5〜15%と、Mo:3%以下と、N:0.0
    5%以下と、Nb:0.07〜1.8%とを含有し、残
    部がFe及び不可避不純物からなる耐溶融炭酸塩腐食性
    に優れたオーステナイト系ステンレス鋼。
  2. 【請求項2】 熱間加工性に優れた、請求項1に記載の
    オーステナイト系ステンレス鋼。
JP3912397A 1997-02-24 1997-02-24 耐溶融炭酸塩腐食性に優れたオーステナイト系ステンレス鋼 Pending JPH10237599A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2016105079A1 (ko) * 2014-12-26 2016-06-30 (주)포스코 연료전지용 오스테나이트계 스테인리스강
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