JPH10237104A - 内毒血症または敗血症の予防に有効な新規の効力のある非毒性リポ多糖体の調製方法 - Google Patents
内毒血症または敗血症の予防に有効な新規の効力のある非毒性リポ多糖体の調製方法Info
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- JPH10237104A JPH10237104A JP29987997A JP29987997A JPH10237104A JP H10237104 A JPH10237104 A JP H10237104A JP 29987997 A JP29987997 A JP 29987997A JP 29987997 A JP29987997 A JP 29987997A JP H10237104 A JPH10237104 A JP H10237104A
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Abstract
効力のある非毒性LPSの調製方法を提供する。 【解決手段】 1)標準条件下に通常の普通培地におい
て補助MTCC1979を有するAcidphillu
m属の細菌を増殖させるステップと、 2)周知の方法で細菌を分離した後、炭素および窒素源
を除く同一の増殖培地で反復洗浄するステップと、 3)70〜90℃の温度下に親油性溶媒で細菌を抽出す
るステップと、 4)得られた物質を冷却し、繰り返し遠心分離するステ
ップと、 5)ステップ(d)から得られた上清を透析するステッ
プと、 6)ステップ(e)から得られた透析物質を凍結乾燥す
るステップと、 7)極性溶媒で凍結乾燥物質を処理し、リポ多糖体を沈
降させるステップと、 8)リポ多糖体を濾過し、乾燥するステップと、からな
る方法。
Description
血症の予防に有効な新規の効力のある非毒性リポ多糖体
(LPS)の調製方法に関する。
腸菌、腸炎菌等のグラム陰性菌のいわゆる外膜は、優勢
な成分としていくつかの蛋白質およびクラスmacroamphi
ophiles、リポ多糖体(LPS)からなるが、こうした
細菌の生存力は細胞外膜上のLPS配列によってのみ左
右される蛋白質である。1個の細菌の細胞は、4.9μ
m2の面積を占める約3.6.106LPS分子を含有
する。このために、その相互作用は標的で容易である。
本発明による方法で調製されているリポ多糖体は、生物
活性物質であると共に、ヒト病原体を含むグラム陰性菌
の内毒素との病態生理学的相互作用を予防するために有
効である。このリポ多糖体は補助No.MTCC197
9を有するAcidphillum属に属する新しい細
菌から調製される。尚、この新しい細菌は、ブダペスト
条約に基づく微生物の寄託機関ATCC(American Typ
e Culture Collection)に1997年4月30日付けで
寄託されており、寄託番号ATCC55963が付与さ
れている。
出されるLPSは、ヒトなど宿主と多様な生理学的・病
態生理学的相互作用を媒介し、特に生存の危険を来す。
ヒトにおけるグラム陰性菌感染症のLPSを原因とする
病態生理学的疾患として、発熱(38.6℃)、頻拍
(90拍/分)、頻呼吸(呼吸数>20回/分)、アシ
ドーシス(pH7.3)、動脈低酸素血(ppo=75
mm Hg)(1)が挙げられる。米国だけで毎年50
万人が敗血症に罹り、うち17万5千人が死亡している
(2)。人口がはるかに多いインドの事情はさらに深刻
であることが予想されるため、敗血症の予測症例は高
く、死亡率に対する影響は大きい。通常、敗血性ショッ
クの発現を認める院内または集中治療室内の患者は、診
断後72時間以内に死亡することがある(3)。
れるメディエーターのなかには、インターロイキン6お
よび8のほか、腫瘍壊死因子(TNF)およびインター
ロイキン−1(IL−1)が含まれる。しかし、TNF
αおよびIL−1は敗血症の重要な因子である。
ることにより、有効な抗敗血症薬の市場は、ニューヨー
クシティーのOppenheuner&Co.Incの
アナリストによると年間5億ドルになると考えられる
(4)。急進展する市場は、現在可能性のある抗敗血症
薬を開発中の20社余りにとって大きな収入源になると
みられる。しかし、こうした利益を得る道は一直線とい
うわけではない。
メリービルのCentocor、XomaおよびChi
ronの3社が、敗血症の発生に重要な役割を果たす内
毒素の毒性成分であるリピドAに対するモノクローン抗
体の開発を開始した。単球およびマクロファージの受容
体に結合することにより、内毒素のリピドAは、サイト
カインとして知られる強力なメディエーターの放出を誘
発する。敗血症を引き起こす前にリピドAの過剰を(抑
制する)抗体を使用するという考えは、製品を臨床試験
用にしたXoma社およびChiron社により利用さ
れたが、これは失敗に終わった。しかし、モンタナ州ハ
ミルトンのRihiImmuneケミカル社は、グラム
陰性型およびグラム陽性型の細菌との感染が認められる
ときに過剰に刺激されることのない宿主および免疫系に
耐性のある良性のリピドAを開発した。抗内毒素活性の
ためのもう一つの方法は、白血球に存在する自己蛋白質
であって、内毒素に結合し、体そのものの活動に追随す
る殺菌性/浸透性増大蛋白質(BPI)と呼ばれる物質
の使用である。開発したのは、カリフォルニア州パロア
イトのIncyte Pharmaceutical社
であり、同剤はマウスにおいて優れた成績を示してい
る。グラム陽性菌や真菌など敗血症を引き起こす病原体
のシフトにより、現在の焦点はTNFやIL−1など免
疫メディエーターに向けられている。
−1の受容体拮抗薬)は単球により産生される蛋白質で
あり、好中球の受容体に結合することによりIL−1の
作用を抑制する効果があり、すでに罹患した患者におい
て良好な結果が得られる。英国のChiron社やスイ
スのHoffmann−la−Roche社など数社
は、TNF−結合抗体を用いた有望な成績が得られたた
め、現在、臨床試験が行われている。
血症患者における死亡率の増大が報告されているため、
奏功しなかった(5)。しかしながら、抗サイトカイン
による方法には依然として多くの擁護者がいるが、なか
にはこの方法では同時に1種類の化学薬品だけしか誘発
されないと不満を訴える擁護者もいる。それでも、1つ
の因子を制御することのより、他の効果を上昇させ、I
L−1濃度が上昇するような免疫系において、TNFが
充分な冗長度を有するものとなる。
は、TNFとIL−1の両方に対して作用する多種類の
作用物質が必要である、とカリフォルニア州立大学の細
胞生物学者・エリクソンは述べている。メリーランド州
ロックビルのEnterMed社は、「抗敗血症ワクチ
ン」を用いてこの方向に進み、患者自身が免疫応答を備
えるようにしている。ワクチンは脂質とコレステロール
を材料とする小嚢に包まれたリピドAからなり、開発の
過程にある。したがって、「抗敗血小ワクチン」の方向
において考え得る方法は、大腸菌のLPSと免疫学的に
交差反応するが、きわめて高い用量では致死率を示すこ
とのない天然に生じる非毒性LPSを用いて試みられ
る。別の見方をすれば、これでグラム陰性菌の毒性LP
Sまたは内毒素により誘発される致命的なショックが予
防される。
な標準的方法がある。
が、組織学的に内毒素分離のための最初の方法である。
これは高度に免疫原性のLPS蛋白質−りん脂質錯体で
ある。
℃下に3時間、等量の0.5N TCAで処理する。懸
濁液を遠心分離し、上清を希釈水酸化ナトリウムで中和
し、2倍の量の水で沈降させた錯体を透析し、遠心分離
して細胞片を除去すると共に凍結乾燥する。
多糖および/または全O−抗原錯体を選択的に抽出す
る。抽出条件はきわめて緩やかであり、抽出物質の変性
または変異のリスクは低い。アセトンで乾燥させた細胞
を、10部の新鮮な蒸留ジエチレングリコールにより、
室温で毎日数時間、攪拌して抽出する。抽出物を濾過
し、透析すると共に遠心分離する。最後に−10℃でア
セトンを添加してO−抗原錯体を沈降させる。さらに、
飽和した硫酸アンモノウムの1%水溶液で分画すること
により精製を行う。この方法は時間がかかり、収率が低
い。
965年にWESTPHALとJANNにより達成され
た分離法が最も多く用いられる。抽出された物質は蛋白
質がわずかに含まれている。S&R型のLPSの抽出法
としては充分であるが、R変異菌については不完全であ
ることが多い。
O)による抽出。
抽出する。この抽出物から、蛋白質を含まないLPS
が、O−アセチル化により得ることができ、その後にク
ロロホルムで精製することができる。最後に、DMSO
(室温でアセトン中2%)で脱アセチル化する。脱アセ
チル化時に一部のエステル結合脂肪酸をリピドAから除
去することが可能である。
(PCP)による抽出。
存在する多量の疎水性内毒素が抽出されないことが多
い。フェノールクロロホルム−石油エテール(2:5:
8 v/v/v)の混合液に均質化された乾燥菌を遠心
分離し、上清を採取する。気化により上清からクロロホ
ルムおよび石油エーテルを除去する。水を滴下して加
え、残ったフェノール中のLPSを沈降させる。この沈
降物を遠心分離した後、石油エーテルで洗浄し、さらに
4時間、105,000で超遠心分離により精製する。
+、K+、Mg++、Ca++など多くの一価陽イオン
および二価陽イオンのほか、スペルミジン、スペルミン
等の一部のポリアミンと結合している。これらの陽イオ
ンはLPSの溶解度および凝結に対して強力な影響を示
す。LPSの電気透析が導入され、関連塩基で中和する
ことにより塩に置換することができた。LPSのトリエ
チルアミン塩は水溶性がきわめて高い。この塩は超遠心
分離において沈降されず、変性生物学的活性を示す。中
和されていない電気透析LPS調製液は長時間にわたっ
て不安定となり、自己溶解により保存時に爆発する。
スにおいて、大腸菌の毒性LPSの致死量は80μg/
マウスであり、本発明による非毒性LPSの致死量は3
0μg/マウスである。
sulatusのLPSなどその他の非毒性LPSは、
新規に認められた用量よりも高い用量で発熱性であり致
死的であることが報告された。
r mines地域の土壌から単離されたAcidph
illum属に属する新しい菌株から新規のリポ多糖体
を調製する方法を提供することを主な目的とする。
S作用を媒介する作用物質であるが、それ自体は非毒性
作用物質としての新規のリポ多糖体を調製する方法を提
供することを目的とする。
れば、上述した内毒素ショックに有効な新規の非毒性リ
ポ多糖体を調製するための方法であって、 1)標準条件下に通常の普通培地において補助MTCC
1979を有するAcidphillum属の細菌を増
殖させるステップと、 2)周知の方法で細菌を分離した後、炭素および窒素源
を除く同一の増殖培地で反復洗浄するステップと、 3)70〜90℃の温度下に親油性溶媒で細菌を抽出す
るステップと、 4)得られた物質を冷却し、繰り返し遠心分離するステ
ップと、 5)ステップ(d)から得られた上清を透析するステッ
プと、 6)ステップ(e)から得られた透析物質を凍結乾燥す
るステップと、 7)極性溶媒で凍結乾燥物質を処理し、リポ多糖体を沈
降させるステップと、 8)リポ多糖体を濾過し、乾燥するステップと、からな
る方法が得られる。
物を含有する合成培地において増殖させ、72〜120
時間にわたって30〜39℃の温度でインキュベートす
ることができる。
4000〜10000rpmの遠心分離で回収した後、
グルコースと酵母抽出物を除く増殖に用いた同一の培地
で洗浄する。
フェノールまたは脂肪族アルカノールなど加熱した親油
性溶媒および水で処理する。さらに上記の混合液を60
〜120分間強く攪拌した。その後、混合液を氷で2〜
12℃の温度に冷却する。次にそれぞれ15〜30分
間、4000〜10000rpmで遠心分離した。
を2〜5日間、徹底的に透析した。この物質を沈降さ
せ、濃度1.5%〜2.5%の溶液の形で2〜4℃の温
度下に4〜6時間、105,000〜170,000r
pmで超遠心分離にかけた。全体の方法で使用した水は
発熱性がなく、環境からの汚染を回避するよう留意し
た。遠心分離を繰り返して行い、ほぼ精製されたLPS
を得た。次にこれをエタノールなど極性溶媒で処理し、
20〜45分間、8500〜14000rpmの速度で
遠心分離により採取した沈降物を得た後、凍結乾燥して
冷蔵庫に保存した。
(NTLPS)は、グラム陰性菌から以前に報告された
NTLPS源としてのAcidphillumの周知の
菌株と異なるAcidphillum菌からの他に類型
をみないLPSである(6)。
程度が異なる4〜8個のアシル鎖を有する。LPSの構
造機能関連の比較研究(7)では、大腸菌の多様な変形
が明らかにされており、それらの生物活性はいくつかの
顕著な特徴を示した。より多くのβヒドロキシル化およ
びより少数の脂肪アシル鎖により、107の係数で生物
活性が劇的に低下した。本発明により調製された非毒性
LPSはβヒドロキシル化脂肪酸アシル鎖の割合が高
く、その非毒性が原因とみられるミリスチン酸鎖である
が、NTLPSは大腸菌のLPSと免疫学的に交差反応
性である。
79株からのGS18h LPS)の組成は以下の通り
である。
PSに比べて、低分子量の成分からなる。大腸菌との免
疫学的交差反応性の程度が高いことは、構造的に大腸菌
のLPSときわめて緊密な関係のある物質であることを
示す。
て詳細に述べるが、これらは本発明の範囲を制限するも
のではない。
の条件下に70nms(湿重量)、4gms(乾燥重
量)を計量した。
見。それぞれ5匹からなる2群のマウスについて、本発
明により精製されたリポ多糖体と大腸菌のリポ多糖体を
投与して生存率の試験を行った。
1群にはLPSを注射した。5日間に死亡例は認められ
なかった。5日目に両群に毒性LPSを注射した結果、
生理的食塩水群は72時間以内に死亡したが、非毒性リ
ポ多糖体群は完全に生存し、死亡例は認められなかっ
た。注射はすべてマウスに軽く麻酔した後に行った。
なわちリポ多糖体の毒性は、周知のLPSに比べて15
0〜200分の1であり、大腸菌のLPSに比べて20
0万分の1、R.sphaeroidesのLPSに比
べて150〜200分の1である。この非毒性LPSは
内毒血症に対する予防薬として有効である。
Claims (13)
- 【請求項1】 非毒性リポ多糖体の調製方法であって、 (i)アシドフィリウム(Acidophilium)
属の細菌(寄託番号:ATCC55963)を普通培地
において培養するステップと、 (ii)前記培養した細菌を分離すると共に、分離した
細菌を繰り返し洗浄するステップと、 (iii)前記洗浄した細菌を親油性溶媒で抽出するス
テップと、 (iv)前記抽出によって得られた抽出物を冷却すると
共に、冷却した物質を繰り返し遠心分離するステップ
と、 (v)前記遠心分離により得られる上清を透析するステ
ップと、 (vi)前記透析した物質を凍結乾燥するステップと、 (vii)前記凍結乾燥した物質を極性溶媒で処理する
ことにより、リポ多糖体を沈降させるステップと、 (viii)前記沈降したリポ多糖体を乾燥するステッ
プと、 を含む方法。 - 【請求項2】 前記普通培地は炭素源としてヘキソー
ス、及び窒素源を含む請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 前記ヘキソースはグルコース、及びガラ
クトースのうち一つ以上を含む請求項2記載の方法。 - 【請求項4】 前記窒素源は酵母抽出物、硫酸アンモニ
ウム、及びミネラルのうち一つ以上を含む請求項2記載
の方法。 - 【請求項5】 前記ミネラルはリン酸マグネシウム二カ
リウム、及び塩化カリウムのうち一つ以上を含む請求項
4記載の方法。 - 【請求項6】 前記分離した細菌を繰り返し洗浄するス
テップは、炭素源及び窒素源の内容物を除く普通培地の
組成物で実施する請求項2記載の方法。 - 【請求項7】 前記抽出するステップは、70℃乃至9
0℃の温度で実施する請求項1記載の方法。 - 【請求項8】 前記細菌を分離するステップは、遠心の
ほか、高速遠心、膜濾過、長時間重力沈降などにより実
施する請求項 記載の方法。 - 【請求項9】 前記遠心は、4,000〜10,000
rpmで実施する請求項8記載の方法。 - 【請求項10】 前記親油性溶媒は、フェノール、ブタ
ノール、及び水のうち一つ以上を含む請求項1記載の方
法。 - 【請求項11】 前記凍結乾燥するステップは、透析物
質をフリーズドライ法で凍結乾燥する請求項1記載の方
法。 - 【請求項12】 前記極性溶媒は、炭素原子が最大4個
の脂肪族アルカノールである請求項1記載の方法。 - 【請求項13】 請求項1の方法により調製されるリポ
多糖体。
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10237104A true JPH10237104A (ja) | 1998-09-08 |
JP3595966B2 JP3595966B2 (ja) | 2004-12-02 |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3595966B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012057170A (ja) * | 2001-03-30 | 2012-03-22 | Corixa Corp | 3−o−脱アシル化された−4’−モノホスホリルリピドa(3d−mla)の製造法 |
-
1997
- 1997-10-31 JP JP29987997A patent/JP3595966B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2012057170A (ja) * | 2001-03-30 | 2012-03-22 | Corixa Corp | 3−o−脱アシル化された−4’−モノホスホリルリピドa(3d−mla)の製造法 |
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