JPH10237046A - ヘキサヒドロピリダジン及びテトラヒドロピリダジンの製造方法 - Google Patents

ヘキサヒドロピリダジン及びテトラヒドロピリダジンの製造方法

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JPH10237046A
JPH10237046A JP9334692A JP33469297A JPH10237046A JP H10237046 A JPH10237046 A JP H10237046A JP 9334692 A JP9334692 A JP 9334692A JP 33469297 A JP33469297 A JP 33469297A JP H10237046 A JPH10237046 A JP H10237046A
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aminopyrrolidine
tetrahydropyridazine
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hexahydropyridazine
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JP9334692A
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English (en)
Inventor
Yoichi Hasegawa
陽一 長谷川
Toshiharu Hyoda
俊治 兵田
Hiroyuki Fujita
裕之 藤田
Hirotoshi Sawada
浩利 澤田
Yasuo Oki
康雄 沖
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NIPPON HIDORAJIN KOGYO KK
NIPPON HYDROGENE KOGYO
Original Assignee
NIPPON HIDORAJIN KOGYO KK
NIPPON HYDROGENE KOGYO
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 取り扱い容易な酸化剤を使用し、高選択的に
テトラヒドロピリダジンを得ることができる、工業的、
経済的に有利なテトラヒドロピリダジンの製造法を提供
する。 【解決手段】 1−アミノピロリジンを過酸化水素水、
塩素、またはm−クロロ過安息香酸等の酸化剤により酸
化することを特徴とするテトラヒドロピリダジンの製造
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、農薬の中間
体原料等として有用なヘキサヒドロピリダジン及びその
合成に用いるテトラヒドロピリダジンの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ヘキサヒドロピリダジンの合成法
としては、ヒドラジンジカルボキシ誘導体とジハロゲノ
ブタンの反応により、ヘキサヒドロピリダジン−1,2
−ジカルボン酸誘導体を得、更に脱炭酸することによ
り、目的化合物を得る方法[特開平7−224043、
7−224044、8−198853号公報](従来技
術1)が知られている。
【0003】また、1,4−ブタンジアールとヒドラジ
ンとからテトラヒドロピリダシンを合成し、このテトラ
ヒドロピリダジンを水素化することによりヘキサヒドロ
ピリダジンを製造する方法[特開平8−109170号
公報](従来技術2)も知られている。
【0004】更に、1−アミノピロリジンからテトラヒ
ドロピリダジンを製造する方法として、例えば、クロロ
ホルム−メタノール溶媒中、シリカ上でジアゼンヒドラ
ゾン転位反応を行う方法[Tetrahedoron
Letters No.52,pp5025−502
6](従来技術3)が知られており、また、クロロホル
ム中、2週間、室温で放置する方法[特開平1−250
388号公報]、[Chem.Ber.,109(1
1),3707,(1976)](従来技術4)も知ら
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ヘキサ
ヒドロピリダジンの製造法に関する従来技術1では、原
料であるジハロゲノブタンが経済的に高価であること及
び目的物に至る合成経路が長いこと等の問題がある。
【0006】一方、従来技術2では、原料として用いる
1,4−ブタンジアールが入手容易ではなく、更に、収
率も60%程度の低い値である。
【0007】また、テトラヒドロピリダジンの製造法に
関する従来技術3では、シリカに吸着させて酸化転位反
応を行うのであるが、反応後の後処理が煩雑であるとい
う問題がある。更に、従来技術4では、反応時間が長
く、テトラヒドロピリダジンの工業的製造法としては不
十分である。
【0008】本発明は、従来技術と比較して、安価で、
しかも取り扱いが容易な原料を使用し、高い選択率でヘ
キサヒドロピリダジンを得ることができる、工業的、経
済的に有利なヘキサヒドロピリダジンの製造方法を提供
することを目的とする。
【0009】本発明は更に、上記ヘキサヒドロピリダジ
ン合成の中間体となるテトラヒドロピリダジンを、安価
で、しかも取り扱いが容易な原料を使用し、高い選択率
で製造できる方法を提供することをも目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、テトラ
ヒドロピリダジンを水素化することから成るヘキサヒド
ロピリダジンの製造法において、テトラヒドロピリダジ
ンを塩基の存在下に水素化することを特徴とするヘキサ
ヒドロピリダジンの製造方法が提供される。
【0011】本発明によればまた、1−アミノピロリジ
ンからテトラヒドロピリダジンを合成する方法におい
て、1−アミノピロリジンを酸化剤により酸化して、テ
トラヒドロピリダジンを生成させることを特徴とするテ
トラヒドロピリダジンの製造方法が提供される。
【0012】本発明によれば更に、1−アミノピロリジ
ンを酸化剤により酸化して、テトラヒドロピリダジンを
合成し、次いで該テトラヒドロピリダジンを、塩基の存
在下に水素化することを特徴とするヘキサヒドロピリダ
ジンの製造方法が提供される。
【0013】本発明におけるテトラヒドロピリダジンの
水素化では、 1.塩基が水酸化ナトリウム及び/または水酸化カリウ
ムであること、 2.水素化を貴金属触媒の存在下に行うこと、 3.水素化を、室温〜120℃の温度で、常圧〜100
kg/cm2 (ゲージ)の圧力下に行うこと、が好ま
しい。
【0014】また、1−アミノピロリジンのテトラヒド
ロピリダジンへの酸化では、1−アミノピロリジンの酸
化を、極性溶媒中、200℃以下の温度、特に室温〜1
00℃の温度で、酸化剤/1−アミノピロリジンのモル
比が1.0以上となる条件下で行うことが好ましい。
【0015】
【発明の実施形態】テトラヒドロピリダジンを水素化す
ることにより、ヘキサヒドロピリダジンを製造すること
は、従来技術2にも認められるように、公知の事実であ
るが、公知の方法では、反応に8日間もの長時間を有
し、しかも収率は60%程度の低いものである。
【0016】これに対して、本発明によれば、塩基の存
在下にテトラヒドロピリダジンの水素化を行うことによ
り、反応速度が向上し、反応時間を6時間程度に短縮で
きると共に、テトラヒドロピリダジンの反応率を90%
以上、ヘキサヒドロピリダジンへの選択率を90%以上
に向上させることが可能となる。
【0017】また、1−アミノピロリジンのジアゼン−
ヒドラゾン転位によるテトラヒドロピリダジンの従来の
合成法では、1−アミノピロリジンをシリカあるいはア
ルミナに吸着させたり、又クロロホルム中で反応させて
いたが、反応時間が長く、操作が煩雑であった。
【0018】これに対して、本発明の方法では、1−ア
ミノピロリジンを酸化剤により酸化することにより、1
−アミノピロリジンの反応率を90%以上に向上させ、
テトラヒドロピリダジンへの選択率も60%程度または
それ以上に向上させることができ、更に、後処理も不要
であるという点で優れている。無機塩基の存在下に、空
気又は酸素で酸化する場合、製造時における副生成物
は、ピロリジンのみであり、しかも共存する無機塩基は
ピロリジンの副生をも抑制するので、極めて好都合であ
る。
【0019】本発明の全体としての反応は、下記式
(1)で示される。
【化1】
【0020】即ち、1−アミノピロリジン(APD)を
酸化剤で酸化することにより、ジアゼン−ヒドラゾン転
位により、テトラヒドロピリダジン(THP)が生成
し、このテトラヒドロピリダジン(THP)を塩基の存
在下に水素化することによりヘキサヒドロピリダジン
(HHP)が生成する。以下、この順序に従って説明す
る。
【0021】[テトラヒドロピリダジンの合成]1−ア
ミノピロリジンは、種々の方法で合成したものを使用で
きる。その純度は高いほど望ましいが、本発明の反応を
阻害しない限り、合成過程の副生物や溶媒等を含んでい
てもよい。また、1−アミノピロリジンはハロゲン化水
素酸塩の形態もとりうる。本発明者らは、1−アミノピ
ロリジンの製造法に関して別途新規な製造法を出願して
いる。それによれば、ヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩
とジオール化合物または脂環式エーテルを反応させてい
るが、ここで得られる1−アミノピロリジンハロゲン化
水素酸塩や、反応母液を含有する1−アミノピロリジン
ハロゲン化水素酸塩溶液も、テトラヒドロピリダジンの
合成原料として使うことができる。
【0022】1−アミノピロリジンを酸化剤で酸化する
際にとり得る溶液の形態は次の通りである。 1 1−アミノピロリジンまたはハロゲン化水素酸塩の
極性溶媒溶液であり、例えば、メタノール、エタノー
ル、イソプロピルアルコール、テトラヒドロフラン、水
等の溶液、 2 ヒドラジン・ハロゲン化水素酸との反応により取得
する反応母液を含む1−アミノピロリジンハロゲン水素
酸塩溶液。
【0023】酸化剤としては、空気、酸素、オゾン等の
酸素類;過酸化水素水、過酸化ナトリウム、過酸化バリ
ウム、過酸化ベンゾイル等の無機或いは有機の過酸化
物;過硫酸カリウム(ペルオクソ二硫酸カリウム)、過
硫酸水素カリウム(ペルオクソ硫酸水素カリウム)、過
硫酸ナトリウム、過硫酸バリウム、過炭酸塩、過ホウ酸
塩、過蟻酸、過酢酸、過安息香酸、トリフルオロ過酢
酸、m−クロロ過安息香酸等の無機或いは有機の過酸乃
至過酸塩;塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン
類;次亜塩素酸乃至その塩、塩素酸乃至その塩、過塩素
酸乃至その塩等のハロゲン酸素酸乃至その塩;過マンガ
ン酸乃至その塩;クロム酸乃至その塩等が挙げられる。
【0024】これらの酸化剤の内でも、空気や酸素は、
酸化剤としてのコストが低く、反応系に空気や酸素を吹
き込むだけで反応を進められるので操作が簡単であり、
また、反応系への異物の混入もなく、更に1−アミノピ
ロリジンのテトラヒドロピリダジンへの選択率も90%
以上に向上させ得るという利点がある。
【0025】1−アミノピロリジンの空気又は酸素酸化
反応は、水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム等
の無機塩基の存在下で促進される。無機塩基を添加して
長時間酸化反応を行うと、添加量が少ない場合は、しだ
いに反応速度が遅くなる。その場合、新たに無機塩基を
再度添加することにより、反応速度を増大させることが
できる。無機塩基の添加量は、1−アミノピロリジン当
たり5乃至100モル%、特に10乃至50モル%が適
当であり、無機塩基を添加しない場合、或いは上記量よ
りも少ない場合、副生成物であるピロリジンの副成量は
増大する。
【0026】この分子状酸素酸化法では、反応温度は、
室温〜100℃、好ましくは、40〜80℃であり、反
応時間は、10〜150時間程度を要する。1−アミノ
ピロリジンの極性溶媒溶液に空気又は酸素を吹き込んで
酸化反応を行うが、必要とされる空気量は、1−アミノ
ピロリジンの仕込みモル数の3〜30倍程度である。
【0027】本発明において、酸化剤として、過酸化水
素水等の過酸化物、m−過安息香酸等の過酸及び塩素の
ようなハロゲンを使用する方法では、反応時間を著しく
短縮することができ、生産性を向上させることができ
る。即ち、酸化剤として空気や酸素を使用する方法で
は、一般に40乃至60時間程度の反応時間を必要とす
るのに対して、過酸化水素水を使用する場合には30時
間以内、特に12時間以内に反応を完結することが可能
であり、生産性に優れている。更に、溶媒としてメタノ
ール等の有機溶媒を使用した場合にも、酸素との爆鳴気
を形成するおそれもなく、安全性にも優れている。
【0028】過酸化水素水等の酸化剤を使用した場合、
反応温度は、200℃以下、好ましくは、40〜100
℃である。1−アミノピロリジンの過酸化水素水による
酸化反応を、低温条件下、例えば、0℃で行った場合、
急激な発熱により、反応が暴走することもあり、取扱い
に注意を要する。ところが、上記加熱条件下の場合、そ
の発熱は僅かであり、反応の制御は容易である。また、
30時間以内の反応時間が必要である。
【0029】1−アミノピロリジンの極性溶媒溶液に過
酸化水素水等の酸化剤を加えて酸化反応を行うが、必要
とされる酸化剤量は、1−アミノピロリジンの仕込みモ
ル数の1.0倍以上、好ましくは、1.1〜3.0倍程
度である。また、過酸化水素水を使用する場合、その濃
度は、3〜35%程度である。
【0030】ヒドラジン・ハロゲン化水素酸との反応に
より取得する1−アミノピロリジン・ハロゲン化水素酸
塩反応液には、ヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩が残存
しており、この反応液から余剰量のヒドラジン・ハロゲ
ン化水素酸塩を定量的に回収することは困難である。ま
た、1−アミノピロリジン・ハロゲン化水素酸塩反応液
から余剰量のヒドラジン・ハロゲン化水素酸塩の約90
%を回収し、中和後、単蒸留によって、定量的に1−ア
ミノピロリジンを回収した場合でも、水和ヒドラジン含
有量は、中和液に比較して減少するが、1−アミノピロ
リジンに対して、3〜5モル%程度残存している。少量
の残存水和ヒドラジンが存在する中和液、あるいは単蒸
留留分に、過酸化水素水等の酸化剤を加えて、酸化反応
を行うと、水和ヒドラジンが酸化され分解する。この場
合、水和ヒドラジンの分解に伴う急激な発熱等も見られ
ず、酸化反応の制御は容易である。更に、1−アミノピ
ロリジン・ハロゲン化水素酸塩合成反応で副生するオク
タヒドロピリダジノ[1,2−a]ピリダジン、1,1
−ビピロリジン等も酸化され、分解するため、高純度の
テトラヒドロピリダジンを供給することができる。
【0031】[ヘキサヒドロピリダジンの合成]本発明
では、テトラヒドロピリダジン(THP)を、塩基の存
在下に、水素添加反応によりヘキサヒドロピリダジン
(HHP)を製造する。水素添加反応は、貴金属触媒を
用いて行うのがよい。
【0032】本発明では、接触水素添加反応を塩基の存
在下で実施することが重要である。塩基としては、例え
ば水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウム等の無機
塩基が好ましい。一例として、水酸化ナトリウムの存在
下で水素化を行った場合、反応率:90%、選択率:ヘ
キサヒドロピリダジン87%、1−アミノピロリジン3
%であり、テトラヒドロピリダジン8%残存していたが
(GC分析)、ヘキサヒドロピリダジン反応選択率は、
飛躍的に上昇する。なお、該反応条件下、高温還元反応
でも、塩基がない場合と比較すると、ピロリジンへの分
解反応も抑制され、且つ反応速度も増大する。
【0033】塩基の添加量は、テトラヒドロピリダジン
当たり2乃至65モル%、特に6乃至20モル%が適当
であり、塩基を添加しない場合、或いは上記量よりも少
ない場合、反応率や選択率が大幅に低下する。
【0034】テトラヒドロピリダジン(THP)の貴金
属を触媒とする接触水素添加反応では、目的物であるヘ
キサヒドロピリダジン(HHP)の他に、テトラヒドロ
ピリダジンの原料である1−アミノピロリジン(AP
D)が副生する。反応式は、下記式(2)で示される。
【化2】
【0035】即ち、1−アミノピロリジンの酸化反応に
より、テトラヒドロピリダジンが生成することは既に述
べたが、その逆反応、すなわち還元反応によりテトラヒ
ドロピリダジンから1−アミノピロリジンが副生する反
応機構が考えられる。塩基の添加はこの逆反応をも抑制
しているものと思われる。
【0036】水素添加に使用する貴金属触媒としては、
白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等を活性成分
として含有する触媒であり、上記の金属、金属酸化物を
活性炭、アルミナ、シリカゲル、珪藻土等の担体に担持
させたもの等が使用される。Pt,Pd等を活性炭に担
持したものが好ましい。テトラヒドロピリダジンは、そ
の純度は高いほど望ましいが、本発明の反応を阻害しな
い限り、合成過程の副生物や溶媒等を含んでいてもよ
い。
【0037】反応温度は、室温〜120℃、好ましく
は、50〜100℃である。反応温度を高くした場合、
分解生成物であるピロリジンが増加する。反応時間は、
1〜120時間程度、反応圧力は、常圧〜100kg/
cm2 (ゲージ)である。貴金属触媒としては、金属基
準でテトラヒドロピリダジンに対して、0.05〜1.
5重量%の貴金属触媒を使用する。反応溶媒としては、
メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等の
アルコール溶媒が好ましい。
【0038】尚、副生する1−アミノピロリジンは、酸
化剤による酸化により、テトラヒドロピリダジンに変換
後、再び還元反応に使用できる。
【0039】テトラヒドロピリダジンの貴金属を触媒と
する接触水素添加反応で得られたヘキサヒドロピリダジ
ン反応液の溶媒を回収後、精密蒸留により所望のヘキサ
ヒドロピリダジンを単離することができる。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらの例によって何ら制限されるも
のではない。尚、1−アミノピロリジン、テトラヒドロ
ピリダジン、及びヘキサヒドロピリダジンの分析は、ガ
スクロマトグラフィー、及び塩酸或いは水酸化ナトリウ
ムによる中和滴定で行った。
【0041】(実施例1) テトラヒドロピリダジンの合成 1−アミノピロリジン18.95g(0.22mol)
をメタノール50gに溶解し、40℃、40時間、理論
量の約10倍の空気を1−アミノピロリジンメタノール
溶液に吹き込んで、酸化反応を行った。反応後、GCで
反応液組成を分析したところ、ピロリジン12.38
%、1−アミノピロリジン4.61%、ヘキサヒドロピ
リダジン2.07%、テトラヒドロピリダジン74.0
6%(面積百分率)であった。また、酸化反応液中の残
存1−アミノピロリジンを定量して、1−アミノピロリ
ジンの反応率を求めた。酸化反応液中の残存1−アミノ
ピロリジン0.5865g(0.0068mol)よ
り、1−アミノピロリジン反応率は、96.9%であっ
た。
【0042】(実施例2) テトラヒドロピリダジンの合成 1−アミノピロリジン塩酸塩18.95g(0.22m
ol)をメタノール100gに溶解し、水酸化ナトリウ
ム8.0g(0.20mol)を加えて中和した。食塩
をろ過、分離した1−アミノピロリジンメタノール溶液
129.6gに、加熱還流下、22時間、理論量の約
3.3倍の空気を1−アミノピロリジンメタノール溶液
に吹き込んで、酸化反応を行った。反応後、GCで反応
液組成を分析したところ、ピロリジン1.93%、1−
アミノピロリジン10.45%、ヘキサヒドロピリダジ
ン6.54%、テトラヒドロピリダジン79.18%
(面積百分率)であった。酸化反応液中の残存1−アミ
ノピロリジン1.5009g(0.0174mol)よ
り、1−アミノピロリジン反応率は、92.1%であっ
た。
【0043】(参考例1) テトラヒドロピリダジンの蒸留 テトラヒドロピリダジン13.7wt%、31.0g
(0.369mol)を含有するテトラヒドロピリダジ
ン酸化反応液を、ヘリパックを充填した蒸留塔を使用し
て精密蒸留を行った。10mmHg、47−53℃で、
蒸留留分として、16.4gを単離した。留分組成は、
テトラヒドロピリダジン92.0%、ピロリジン1.1
%、1−アミノピロリジン3.2%、ヘキサヒドロピリ
ダジン0.5%(GC面積百分率)であった。なお、テ
トラヒドロピリダジンの構造はNMRより確認した。 1H−NMR(CDCl3 ) 1.67−2.47 (m,4H,−CH2 −) 3.01−3.30 (m,4H,−CH2 −) 5.57 (bs,1H,−NH−)〜D交換可能 6.99 (s,1H,=CH−)
【0044】(実施例3) テトラヒドロピリダジンの合成 ヒドラジン塩酸塩を用いて合成した反応液を含む1−ア
ミノピロリジン塩酸塩溶液1028.5gにメタノール
50gを加え、水酸化ナトリウム140.0g(3.5
0mol)で中和した。中和メタノール液中の食塩をろ
過、分離した。食塩量は、183.8gであった。洗浄
液を合わせて得られた中和1−アミノピロリジンメタノ
ール溶液1633.5g[組成:1−アミノピロリジン
13.67wt%、223.25g(2.592mo
l)、水和ヒドラジン1.82wt%、29.69g
(0.593mol)、メタノール80.16wt%、
1309.38g(40.867mol)、H2 O3.
82wt%、62.33g(3.459mol)、水酸
化ナトリウム1.20wt%、19.53g(0.48
8mol)]に、1.5リットル/min.で空気を吹
き込みながら、63〜65℃で28時間、酸化反応を行
った。反応終了後、テトラヒドロピリダジンメタノール
溶液中には、水和ヒドラジンは残存していなかった。こ
れは、酸化反応途中に水和ヒドラジンが分解するためで
ある。酸化反応液組成は、ピロリジン1.88%、1−
アミノピロリジン8.53%、ヘキサヒドロピリダジン
5.74%、テトラヒドロピリダジン76.33%(G
C面積百分率)であり、一点検量線法で1−アミノピロ
リジン、及びテトラヒドロピリダジンを定量した。1−
アミノピロリジン0.74wt%、12.09g(0.
140mol)より、酸化反応液中のテトラヒドロピリ
ダジンは、12.63wt%、206.26g(2.4
52mol)、収率94.6%であった。酸化反応後1
632.6gを、ヘリパックを充填した蒸留塔を使用
し、常圧でメタノールを回収した後、減圧で精密蒸留を
行った。54〜55℃、10mmHgで97%のテトラ
ヒドロピリダジンを単離した。蒸留収率は、48.9%
であった。
【0045】(実施例4) テトラヒドロピリダジンの合成 ヒドラジン塩酸塩を用いて合成した反応液を含む1−ア
ミノピロリジン塩酸塩溶液1231.6gに等モルの水
酸化ナトリウム184.7g(4.617mol)を加
え、30〜40℃で中和した。中和メタノール液中の食
塩をろ過、分離後、メタノールで十分に洗浄した。食塩
量は、249.7gであった。洗浄液を合わせて得られ
た中和メタノール溶液1226.0g[組成:1−アミ
ノピロリジン23.26wt%、285.17g(3.
311mol)、水和ヒドラジン4.32wt%、5
2.91g(1.057mol)]に、1.5リットル
/min.で空気を吹き込みながら、65〜75℃、加
熱還流下、104時間、酸化反応を行った。酸化反応液
組成は、ピロリジン7.07%、1−アミノピロリジン
4.22%、ヘキサヒドロピリダジン0.13%、テト
ラヒドロピリダジン87.28%であり、酸化反応開始
時に存在した水和ヒドラジンは分解し、反応液中には認
められなかった(GC)。実施例1と比較して、中和
後、余剰の水酸化ナトリウムが存在しないため、反応速
度が遅く、1−アミノピロリジンの分解生成物であるピ
ロリジンの生成量が増大している。1−アミノピロリジ
ン酸化反応において、アルカリの存在が反応速度を上昇
させることがわかる。テトラヒドロピリダジン反応液7
30.1gに適当量のメタノールを加えて、蒸留温度:
室温〜90℃、23mmHgで減圧単蒸留を行い、ピロ
リジン、1−アミノピロリジン、テトラヒドロピリダジ
ン混合物を留分として分離した。
【0046】
【表1】 1−アミノピロリジンからテトラヒドロピリダジンへの
酸化反応収率87.1%、蒸留収率67.3%であっ
た。また、反応選択率は、テトラヒドロピリダジン8
7.10%、1−アミノピロリジン2.93%、ピロリ
ジン4.02%であった。
【0047】(実施例5) テトラヒドロピリダジンの合成 ヒドラジン塩酸塩を用いて合成した反応液を含む1−ア
ミノピロリジン塩酸塩溶液1050.7gに1.05当
量の水酸化ナトリウム181.7g(4.542mo
l)を加え、30〜40℃で中和した。中和メタノール
液中の食塩をろ過、分離後、メタノールで十分に洗浄し
た。食塩量は、241.2g(4.127mol)、回
収率95.4%であった。洗浄液を合わせて得られた中
和メタノール溶液1007.1g[組成:1−アミノピ
ロリジン27.13wt%、273.23g(3.17
2mol)、水和ヒドラジン5.02wt%、50.0
6g(1.000mol)]に、3.0リットル/mi
n.で空気を吹き込みながら、65〜75℃、加熱還流
下、74時間、酸化反応を行った。反応開始後、35時
間で、反応速度が低下したため、0.05当量の水酸化
ナトリウムを加えて反応を再開した。水酸化ナトリウム
を加えることにより、反応速度は再び増大し、ピロリジ
ンへの分解副反応も抑制される。1−アミノピロリジン
の酸化反応速度の増大には、無機塩基の存在が必要不可
欠である。反応終了後、酸化反応液をGCで分析した結
果、選択率は、ピロリジン2.55%、テトラヒドロピ
リダジン91.46%、1−アミノピロリジン0.81
%、酸化反応開始時に存在した水和ヒドラジンは分解
し、反応液中には認められなかった。
【0048】(実施例6) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液50.0g(0.
116mol)を90℃に加熱し、反応温度を90℃に
維持しながら、10%過酸化水素水43.43g(0.
128mol)[仕込mol比:過酸化水素水/1−ア
ミノピロリジン=1.1]を5時間かけて滴下した。滴
下後、90℃で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、酸化
反応液93.6gの定量分析(GC)を行った。テトラ
ヒドロピリダジン 6.82wt% 6.38g(0.
076mol),1−アミノピロリジン 0.69wt
% 0.65g(0.008mol),テトラヒドロピ
リダジン収率65.3%,1−アミノピロリジン反応率
93.5%であった。
【0049】(実施例7) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液50.0g(0.
116mol)を70℃に加熱し、反応温度を70℃に
維持しながら、3%過酸化水素水158.3g(0.1
42mol)[仕込mol比:過酸化水素水/1−アミ
ノピロリジン=1.2]を10時間かけて滴下した。滴
下後、70℃で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、酸化
反応液207.2gの定量分析(GC)を行った。テト
ラヒドロピリダジン 2.75wt% 5.70g
(0.068mol),1−アミノピロリジン 0.0
8wt% 0.17g(0.002mol),テトラヒ
ドロピリダジン収率58.4%,1−アミノピロリジン
反応率98.3%であった。
【0050】(実施例8) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液50.0g(0.
116mol)を70℃に加熱し、反応温度を70℃に
維持しながら、10%過酸化水素水39.5g(0.1
16mol)[仕込mol比:過酸化水素水/1−アミ
ノピロリジン=1.0]を5時間かけて滴下した。滴下
後、70℃で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、酸化反
応液89.2gの定量分析(GC)を行った。テトラヒ
ドロピリダジン 6.65wt% 5.93g(0.0
71mol),1−アミノピロリジン 1.45wt%
1.29g(0.015mol),テトラヒドロピリ
ダジン収率60.8%,1−アミノピロリジン反応率8
7.1%であった。
【0051】(実施例9) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液50.0g(0.
116mol)を50℃に加熱し、反応温度を50℃に
維持しながら、3%過酸化水素水158.0g(0.1
40mol)[仕込mol比:過酸化水素水/1−アミ
ノピロリジン=1.2]を2.5時間かけて滴下した。
滴下後、50℃で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、酸
化反応液207.1gの定量分析(GC)を行った。テ
トラヒドロピリダジン 2.29wt% 4.73g
(0.056mol),1−アミノピロリジン 0.2
1wt% 0.43g(0.005mol),テトラヒ
ドロピリダジン収率48.3%,1−アミノピロリジン
反応率95.7%であった。
【0052】(実施例10) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液50.0g(0.
116mol)に、室温で、3%過酸化水素水157.
9g(0.139mol)[仕込mol比:過酸化水素
水/1−アミノピロリジン=1.2]を2時間かけて滴
下した。滴下後、室温で1時間、攪拌し、室温まで冷却
後、酸化反応液207.1gの定量分析(GC)を行っ
た。テトラヒドロピリダジン 1.89wt% 3.9
1g(0.046mol),1−アミノピロリジン
0.24wt% 0.50g(0.006mol),テ
トラヒドロピリダジン収率40.0%,1−アミノピロ
リジン反応率95.0%であった。
【0053】(実施例11) テトラヒドロピリダジンの合成 水和ヒドラジン、濃塩酸、1,4−ブタンジオールの反
応で得られた1−アミノピロリジン塩酸塩を水酸化ナト
リウムで中和後、単蒸留で得られた1−アミノピロリジ
ン水溶液留分1000.0g[1−アミノピロリジン水
溶液単蒸留留分組成:1−アミノピロリジン15.07
wt% 150.71g(1.750mol),水和ヒ
ドラジン0.89wt% 8.90g(0.178mo
l),オクタヒドロピリダジノ[1,2−a]ピリダジ
ン1.08wt% 10.79g(0.077mo
l),1,1−ビピロリジン3.26wt% 32.6
0g(0.232mol)]を90℃に加熱し、反応温
度を90℃に維持しながら、30%過酸化水素水25
7.1g(2.630mol)[仕込mol比:過酸化
水素水/1−アミノピロリジン=1.3,過酸化水素水
/水和ヒドラジン=2.0]を5時間かけて滴下した。
滴下後、90℃で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、酸
化反応液1252.3gの定量分析(GC)を行った。
テトラヒドロピリダジン 7.03wt% 88.03
g(1.047mol),1−アミノピロリジン 1.
13wt% 14.11g(0.164mol),テト
ラヒドロピリダジン収率59.8%,1−アミノピロリ
ジン反応率90.6%であった。なお、1−アミノピロ
リジン水溶液留分中に含まれていた水和ヒドラジン、オ
クタヒドロピリダジノ[1,2−a]ピリダジン、及び
1,1−ビピロリジンは、1−アミノピロリジン酸化反
応中にそのほとんどが分解しており、酸化反応液のGC
分析では、検出限界以下であった。
【0054】(参考例2) 1−アミノピロリジンの合成・分離 水和ヒドラジン5.006kg(100.0mol),
36%HCl 20.256kg(200.0mo
l),1,4・ブタンジオール9.012kg(10
0.0mol)を50L−GL反応器に仕込み[仕込み
合計34.28kg]、反応温度120−140℃,
4.5時間,更に、140℃,2時間反応した。反応時
の最高圧力は、3kg/cm2 Gであった。反応後、室
温まで冷却し、48%NaOH水溶液16.70kg
(200.0mol)で中和し、1−アミノピロリジン
中和反応液50.93kgを得た。1−アミノピロリジ
ン中和反応液の組成は、1−アミノピロリジン10.2
6wt% 5.225kg(60.7mol),水和ヒ
ドラジン3.05wt% 1.553kg(31.0m
ol),オクタヒドロピリダジノ[1,2−a]ピリダ
ジン0.44wt% 0.224kg(1.6mo
l),1,1−ビピロリジン1.94wt% 0.98
8kg(7.0mol)であり、1−アミノピロリジン
収率(1,4−ブタンジオールベース)は、60.7%
であった。中和反応液の単蒸留を行い、bot 101
−113℃,top 69−100℃で仕込中和反応液
の約50%を留分−(1)25.65kgとして分離し
た。留分−(1)を分離した缶残液−1に仕込中和反応
液の約10%のH2 0 5.25kgを加え、再度、単
蒸留を行い、bot 112−114℃,top95−
100℃で、添加水量と等重量の留分−(2)5.25
kgを分離した。単蒸留留分−(1+2)30.90k
gの組成は、1−アミノピロリジン14.00wt%
4.326kg(50.2mol)単蒸留回収率82.
74%,水和ヒドラジン0.51wt% 0.158k
g(3.1mol)単蒸留回収率10.15%,オクタ
ヒドロピリダジノ[1,2−a]ピリダジン 0.72
wt% 0.222kg(1.6mol),1,1−ビ
ピロリジン3.40wt%1.051kg(7.5mo
l)であった。
【0055】(実施例12) テトラヒドロピリダジンの合成 参考例2で得られた単蒸留留分−(1+2)30.85
kg[組成:1−アミノピロリジン14.00wt%
4.319kg(50.1mol),水和ヒドラジン
0.51wt%0.157kg(3.1mol)]を9
0℃に加熱し、34.70%過酸化水素水7.00kg
(71.4mol)[仕込mol比:過酸化水素水(m
ol)=1−アミノピロリジン×1.3+水和ヒドラジ
ン×2.0]を、反応温度90−95℃に維持しなが
ら、2時間15分で滴下した。更に、90℃で2時間、
攪拌、冷却した。酸化反応液の分析を行ったところ、テ
トラヒドロピリダジン6.43%であったが、1−アミ
ノピロリジン1.99%残存していた。そこで、反応温
度90℃で、34.70%過酸化水素水0.90kg
(9.1mol)[Total仕込mol比:過酸化水
素水/1−アミノピロリジン=1.48]を15分で滴
下した。過酸化水素水滴下後、90℃で、30分攪拌
後、室温まで冷却して、酸化反応液の分析を行った。テ
トラヒドロピリダジン6.45%,1−アミノピロリジ
ン1.10%であった。酸化反応液に、フレーク水酸化
ナトリウム18.50kg(462.5mol)を加
え、攪拌、溶解、静置後、テトラヒドロピリダジン層、
及び水層をそれぞれ分液した。添加水酸化ナトリウム量
は、分液後の水層が約35%水酸化ナトリウム水溶液に
なるように調整した。分液後、テトラヒドロピリダジン
層、及び水層をそれぞれ分析した結果、(上層)テトラ
ヒドロピリダジン層6.35kg{組成:テトラヒドロ
ピリダジン39.25wt% 2.492kg(29.
6mol),1−アミノピロリジン6.46wt%
0.410kg(4.8mol),オクタヒドロピリダ
ジノ[1,2−a]ピリダジン0.29wt% 0.0
18kg(0.1mol),1,1−ビピロリジン0.
51wt% 0.032kg(0.2mol)},(下
層)水層〜35.84%NaOH水溶液,テトラヒドロ
ピリダジン〜traceであった。酸化反応により、単
蒸留留分中に含有されていた水和ヒドラジン、オクタヒ
ドロピリダジノ[1,2−a]ピリダジン、及び1,1
−ビピロリジンは、ほとんど分解していた。酸化反応収
率は、59.3%であった。次に、(上層)テトラヒド
ロピリダジン層4761.90g{組成:テトラヒドロ
ピリダジン39.25wt% 1869.05g(2
2.219mol),1−アミノピロリジン6.46w
t% 307.62g(3.571mol),H2 O他
2585.24g}を5Lの四つ口フラスコに仕込み、
蒸留塔を用いて精密蒸留を行った。留分として、初留:
407.6g組成H2 0>99%,top 45−46
℃,bot.70−88℃ 100→95mmHg,中
間留:490.4g組成H2 O,1−アミノピロリジ
ン,テトラヒドロピリダジンの混合物,top 49−
60℃,bot.84−98℃ 95→22mmHg,
本留:1614.0g組成テトラヒドロピリダジン>9
8%,top 42−60℃,bot.74−90℃
22→11mmHgを得た。本留留分中のテトラヒドロ
ピリダジン蒸留収率は、85.0%であった。
【0056】(実施例13) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン水溶液43.0g(0.
10mol)に、水冷下、36%HCl 10.2g
(0.10mol)を滴下した。そして、1−アミノピ
ロリジン塩酸塩水溶液を70℃に加熱し、塩素ガス7.
7g(0.11mol)を吹き込んだ。その後、70℃
で1時間、攪拌し、室温まで冷却後、反応液59.8g
の定量分析(GC)を行った。テトラヒドロピリダジン
3.05wt% 1.82g(0.022mol),
1−アミノピロリジン 5.28wt% 3.16g
(0.037mol),テトラヒドロピリダジン収率2
2.0%,1−アミノピロリジン反応率63.0%であ
った。
【0057】(実施例14) テトラヒドロピリダジンの合成 20% 1−アミノピロリジン/トルエン溶液9.5g
(0.022mol)に、5.41wt%m−クロロ過
安息香酸(MCPB)/トルエン溶液74.0g(0.
024mol)を、窒素雰囲気下、30分で滴下した。
滴下後、室温で1時間、攪拌し、反応液83.5gの定
量分析(GC)を行った。テトラヒドロピリダジン
0.68wt% 0.57g(0.0067mol),
1−アミノピロリジン 0.70wt% 0.58g
(0.0068mol),テトラヒドロピリダジン収率
30.5%,1−アミノピロリジン反応率69.1%で
あった。
【0058】(比較例1) ヘキサヒドロピリダジンの合成 5%パラジウム/カーボン0.0675g、メタノール
3.9gを反応器に仕込み、水素置換を行い、触媒の活
性化を行った。そして、テトラヒドロピリダジンメタノ
ール溶液2.8g[組成:テトラヒドロピリダジン2
3.77wt%、0.67g(0.008mol)、ピ
ロリジン1.61wt%、0.05g(0.0006m
ol)、1−アミノピロリジン1.36wt%、0.0
4g(0.0004mol)]を加え、10wt%テト
ラヒドロピリダジンメタノール溶液に調整後、室温下、
常圧で接触水素添加反応を5日間行った。反応終了後、
反応液をGCで分析した結果、ヘキサヒドロピリダジン
46.98%、テトラヒドロピリダジン22.84%、
1−アミノピロリジン23.89%、ピロリジン3.9
1%であり、目的化合物であるヘキサヒドロピリダジン
の生成を確認した。反応選択率は、ヘキサヒドロピリダ
ジン60.89%、1−アミノピロリジン30.96%
であり、テトラヒドロピリダジン反応率は、77.16
%であった。なお、還元副反応によりテトラヒドロピリ
ダジンから1−アミノピロリジンが生成し、その分解生
成物としてピロリジンの副生が認められた。
【0059】(比較例2) ヘキサヒドロピリダジンの合成 5%白金/カーボン0.0665g、メタノール3.9
gを反応器に仕込み、水素置換を行い、触媒の活性化を
行った。そして、テトラヒドロピリダジンメタノール溶
液2.8g[組成:テトラヒドロピリダジン23.77
wt%、0.67g(0.008mol)、ピロリジン
1.61wt%、0.05g(0.0006mol)、
1−アミノピロリジン1.36wt%、0.04g
(0.0004mol)]を加え、10wt%テトラヒ
ドロピリダジンメタノール溶液に調整後、室温下、常圧
で接触水素添加反応を5日間行った。反応終了後、反応
液をGCで分析した結果、ヘキサヒドロピリダジン1
4.48%、テトラヒドロピリダジン59.47%、1
−アミノピロリジン15.84%、ピロリジン9.78
%であり、目的化合物であるヘキサヒドロピリダジンの
生成を確認した。反応選択率は、ヘキサヒドロピリダジ
ン35.73%、1−アミノピロリジン39.08%で
あり、テトラヒドロピリダジン反応率は、40.53%
であった。
【0060】(比較例3) ヘキサヒドロピリダジンの合成 5%パラジウム/カーボン15.39gと、テトラヒド
ロピリダジンメタノール溶液259.8g[組成:テト
ラヒドロピリダジン23.77wt%、61.8g
(0.735mol)、ピロリジン1.61wt%、
4.18g(0.0588mol)、1−アミノピロリ
ジン1.36wt%、3.53g(0.0414mo
l)]を、1リットルのガラス製オートクレーブに仕込
み、圧力9kg/cm2 、50℃、6時間、接触水素添
加反応を行った。反応終了後、反応液をGCで分析した
結果、ヘキサヒドロピリダジン64.48%、テトラヒ
ドロピリダジン1.71%、1−アミノピロリジン3
0.01%、ピロリジン3.42%であった。反応選択
率は、ヘキサヒドロピリダジン65.60%、1−アミ
ノピロリジン30.53%であり、テトラヒドロピリダ
ジン反応率は、98.29%であった。反応液中の貴金
属触媒をろ過分離後、ヘリパックを充填した蒸留塔を使
用し、常圧でメタノールを回収した後、減圧で精密蒸留
を行った。30mmHg、64〜65℃で、ヘキサヒド
ロピリダジン蒸留留分15.7gを単離した。留分組成
は、ヘキサヒドロピリダジン98.40%、ピロリジン
0.07%、1−アミノピロリジン0.16%、テトラ
ヒドロピリダジン0.73%(GC面積百分率)であっ
た。なお、ヘキサヒドロピリダジンの構造はNMRより
確認した。 1H−NMR(CDCl3 ) 1.50−1.71 (m,4H,−CH2 −) 2.85−3.22 (m,4H,−CH2 −) 3.37 (s,2H,−NH−)〜D交換可能
【0061】(実施例15) ヘキサヒドロピリダジンの合成 5%パラジウム/カーボン0.2g、メタノール18.
8g、テトラヒドロピリダジン2.2g(0.0262
mol)、そして、38%水酸化ナトリウム水溶液0.
2gを、100mlのジルコニウム製オートクレーブに
仕込み、圧力9kg/cm2 、50℃、6時間、接触水
素添加反応を行った。反応終了後、反応液をGCで分析
した結果、ヘキサヒドロピリダジン44.85%、テト
ラヒドロピリダジン52.78%、1−アミノピロリジ
ン1.36%であった。反応選択率は、ヘキサヒドロピ
リダジン94.98%、1−アミノピロリジン2.88
%であり、テトラヒドロピリダジン反応率は、47.2
2%であった。
【0062】(実施例16) ヘキサヒドロピリダジンの合成 5%パラジウム/カーボン0.2g、メタノール18.
8g、テトラヒドロピリダジン2.2g(0.0262
mol)、そして、38%水酸化ナトリウム水溶液0.
2gを、100mlのジルコニウム製オートクレーブに
仕込み、圧力9kg/cm2 、100℃、6時間、接触
水素添加反応を行った。反応終了後、反応液をGCで分
析した結果、ヘキサヒドロピリダジン86.99%、テ
トラヒドロピリダジン8.37%、1−アミノピロリジ
ン3.54%であった。反応選択率は、ヘキサヒドロピ
リダジン94.94%、1−アミノピロリジン3.86
%であり、テトラヒドロピリダジン反応率は、91.6
3%であった。少量の水酸化ナトリウムの存在により、
ヘキサヒドロピリダジンの選択的生成を確認した。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、塩基の存在下にテトラ
ヒドロピリダジンの水素化を行うことにより、反応速度
が向上し、反応時間を著しく短縮できると共に、テトラ
ヒドロピリダジンの反応率を90%以上、ヘキサヒドロ
ピリダジンへの選択率を90%以上に向上させることが
可能となる。
【0064】また、1−アミノピロリジンを、酸化剤で
酸化することにより、1−アミノピロリジンの反応率を
90%以上に向上させ、テトラヒドロピリダジンへの選
択率も60%程度或いはそれ以上に向上させることがで
き、更に、反応時間もかなり短縮でき、後処理も不要で
あるという点で優れている。酸化剤で酸化する場合、製
造時における副生成物は、ピロリジンのみであり、しか
も原料1−アミノピロリジン中に共存する不純物は酸化
により分解することができるので、極めて好都合であ
る。
【0065】かくして、1−アミノピロリジンを酸化剤
で酸化することによりテトラヒドロピリダジンに変換
し、次に、貴金属触媒による水素添加反応により農薬・
医薬中間体として極めて有用なヘキサヒドロピリダジン
を工業的、また経済的に有利に製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 澤田 浩利 香川県坂出市入船町2丁目2番14号 日本 ヒドラジン工業株式会社坂出研究所内 (72)発明者 沖 康雄 香川県坂出市入船町2丁目2番14号 日本 ヒドラジン工業株式会社坂出研究所内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テトラヒドロピリダジンを水素化するこ
    とから成るヘキサヒドロピリダジンの製造法において、
    テトラヒドロピリダジンを塩基の存在下に水素化するこ
    とを特徴とするヘキサヒドロピリダジンの製造方法。
  2. 【請求項2】 塩基が水酸化ナトリウム及び/または水
    酸化カリウムである請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 水素化を貴金属触媒の存在下に行う請求
    項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 水素化を、室温〜120℃の温度で、常
    圧〜100 kg/cm2 (ゲージ)の圧力下に、1〜
    120時間で行う請求項1乃至3の何れかに記載の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 1−アミノピロリジンからテトラヒドロ
    ピリダジンを合成する方法において、1−アミノピロリ
    ジンを、酸化剤により酸化して、テトラヒドロピリダジ
    ンを生成させることを特徴とするテトラヒドロピリダジ
    ンの製造方法。
  6. 【請求項6】 酸化剤が空気、酸素またはオゾンである
    請求項5記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 酸化剤が過酸化物または過酸乃至過酸塩
    である請求項5記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 過酸化物が過酸化水素水である請求項7
    記載の製造方法。
  9. 【請求項9】 酸化剤がハロゲンである請求項5記載の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 1−アミノピロリジンの酸化を、極性
    溶媒中、200℃以下の温度で、酸化剤/1−アミノピ
    ロリジンのモル比が1.0以上となる条件下で行う請求
    項5記載の製造方法。
  11. 【請求項11】 酸化時に無機塩基を共存させることを
    特徴とする請求項6記載の製造方法。
  12. 【請求項12】 1−アミノピロリジンを酸化剤により
    酸化して、テトラヒドロピリダジンを合成し、次いで該
    テトラヒドロピリダジンを、塩基の存在下に水素化する
    ことを特徴とするヘキサヒドロピリダジンの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016027093A (ja) * 2014-06-30 2016-02-18 キヤノン株式会社 自己分散顔料の製造方法、自己分散顔料、インク、インクカートリッジ、及びインクジェット記録方法

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