JPH10236763A

JPH10236763A - 建築版の吊込治具

Info

Publication number: JPH10236763A
Application number: JP4868097A
Authority: JP
Inventors: Masanori Shigemura; 正典重村
Original assignee: Taisei Corp
Current assignee: Taisei Corp
Priority date: 1997-03-04
Filing date: 1997-03-04
Publication date: 1998-09-08

Abstract

(57)【要約】【課題】建築版の吊込み時の落下を防止すること
は勿論、吊込むべき建築版に簡単に着脱することが可能
で、かつ、クレーン等による吊込み作業中にも建築版か
ら容易に外れるおそれのない吊込治具を提供する。【解決手段】建築版に取り付けられ、ワイヤーを繋着
して前記建築版を懸吊する吊込治具において、前記建築
版を挟み込む着脱自在な枠体と、この枠体と前記建築版
とを連結固定させる着脱自在な連結手段と、前記枠体に
設けられワイヤーの先端を繋着する懸吊部とを装備する
構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、建物の外壁材と
して使用されるＰＣ（プレキャストコンクリート）版等
の建築版を、クレーン等で吊込む際に好適な吊込治具に
関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から建物の外壁材として所定寸法の
板体としたＰＣ（プレキャストコンクリート）版、押出
成形セメント版、ＡＬＣ版等の建築版が多用されてい
る。そして、その建築版を建物躯体に接合する際には、
クレーン等の揚重装置を用いて建築版を吊上げ、建物躯
体の所定建込み位置まで搬送するようにしているのが普
通である。

【０００３】例えば、軽量ＰＣ（プレキャストコンクリ
ート）版である押出成形セメント版を縦貼する場合に
は、従来から次のような吊込み方法で行っていた。〔１〕ナイロンスリングロープを大まわしに絞って吊る
方法。〔２〕ナイロンスリングロープをＺクリップに引掛けて
吊る方法。〔３〕上記〔１〕，〔２〕の方法に、補助スリングロー
プを取付け、滑落を防止する方法等である。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
た吊込み方法では、押出成形セメント版の最終取付け時
（Ｚクリップを用い、前記押出成形セメント版を所定位
置に固定した状態時）の前後や、スリングロープと押出
成形セメント版との摩擦抵抗が失われた場合等に、押出
成形セメント版がバランスを崩して建物と足場の間を滑
落するケースがあり、安全作業上問題があった。

【０００５】そこでこの発明は、前述した問題点を解決
することは勿論、吊込むべき建築版に簡単に着脱するこ
とができ、かつ、クレーン等による懸吊作業中にも建築
版から容易に外れるおそれのない建築版の吊込治具を提
供することを目的とし、開発したものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、建築版の吊込治具を次のように構成
した。まず、建築版を挟み込む着脱自在な枠体と、この
枠体と前記建築版とを連結固定させる着脱自在な連結手
段と、前記枠体に設けられワイヤーの先端を繋着する懸
吊部とを備える吊込治具に構成した。

【０００７】また、前記連結手段は、ロック機構を備え
た軸体から構成するのが好ましい。もっとも該構成に限
定されるものではなく、軸体を蝶ボルトによって構成し
て前記建築版に螺合させても良い。

【０００８】

【発明の実施の形態】次に添付図面に基づき、この発明
による具体例を説明する。図１は、この発明による建築
版の吊込治具の一例を示す正面断面図、図２は、この発
明による建築版の吊込治具の一例を示す、図１における
Ｂ方向からの側面図、図３は、図１の円形部Ｅ（ロック
機構部）を示す拡大斜視図、図４は、図１の吊込治具を
使用し、ＰＣ（プレキャストコンクリート）版を懸吊し
ている状態を示す斜視図である。

【０００９】図１〜図４に示すように、この吊込治具Ａ
は、ＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６の上端部
を挟み込む、略コ字状に形成した着脱自在な枠体１０
と、この枠体１０の中間部を貫いて上方に板片として突
設され、図４に示すシャックル１７を介し、ＰＣ（プレ
キャストコンクリート）版１６を懸吊するワイヤー１５
と繋着される懸吊部１０ａと、前記枠体１０とＰＣ（プ
レキャストコンクリート）版１６と懸吊部１０ａとを連
結固定するロック用の突起（ダボ）１２ａと軸部１２ｂ
からなる着脱自在な連結金具１２とからなり、枠体１０
の一側面と懸吊部１０ａの下方部とで、ＰＣ（プレキャ
ストコンクリート）版１６の一側面板を丁度挟み込むよ
うに構成している。そして、枠体１０の一側面の下方に
は、前記突起（ダボ）１２ａと噛み合って連結金具１２
をロックする切欠１１ａを備えた筒状の突出部１１を設
けてある。また、連結金具１２を挿通させるため、枠体
１０の突出部１１の位置には、貫通孔１０ｄが、ＰＣ
（プレキャストコンクリート）版１６の片側の所定位置
には、貫通孔１６ａが、懸吊部１０ａの下方の所定位置
には、貫通孔１０ｃが予め穿設されている。なお、連結
金具１２は、枠体１０にチェーン１３で繋いである。

【００１０】次に、図１，図３により、連結金具１２の
ロック機構部を説明する。まず、連結金具１２を前記突
出部１１から枠体１０、ＰＣ（プレキャストコンクリー
ト）版１６、前記懸吊部１０ａと挿通し、図３に示すＣ
方向へ半回転させると、前記突起（ダボ）１２ａが前記
切欠１１ａに入り込み、連結金具１２がロックされ、Ｄ
方向へ戻せば解除されるようにしたものである。

【００１１】次に、図４を参照しながら、この発明によ
る吊込治具Ａを使用した場合のＰＣ（プレキャストコン
クリート）版１６の吊込み手順を説明する。｛１｝予め、Ｚクリップ用と連結金具１２用の貫通孔
を、ＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６の所定位
置に穿設しておく。｛２｝前記ＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６
に、吊込治具Ａを前記懸吊部１０ａを上にして挟み込
む。｛３｝前記ＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６に
穿設した連結金具１２用の貫通孔（図１における１６
ａ）と枠体１０の貫通孔（図１における１０ｄ）を合わ
せる。｛４｝合わせた孔に連結金具１２を差し込み、枠体１０
とＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６と懸吊部１
０ａとを連結する。｛５｝連結金具１２を半回転し、抜け止めのロックを行
う。｛６｝ねじピン１４を吊込孔（図１，図２に示す１０
ｂ）に差し込み、クレーン等の揚重装置からのワイヤー
１５を備えたシャックル１７を前記懸吊部１０ａに取付
け、前記揚重装置でＰＣ（プレキャストコンクリート）
版１６を所定の建込み位置まで懸吊して搬送する。｛７｝前記Ｚクリップ用の挿通孔にＺクリップを取付
け、前記所定の建込み位置にＰＣ（プレキャストコンク
リート）版１６をＺクリップで固定し、前記シャックル
１７と吊込治具Ａを取外す。

【００１２】また、前記吊込金具Ａは、鋼製にて製作す
るものであるが、これに限定されるものではなく、吊込
むべき建築版の重量に充分耐えうるものであれば良い。
例えば、樹脂等の他の材質を用いても勿論良い。なお、
前記懸吊部１０ａは、前記枠体１０に溶着して設けたも
のである。

【００１３】

【発明の効果】この発明は、以上説明したように構成さ
れているので、次のような効果を奏する。＜１＞この発明による吊込治具を使用すれば、ＰＣ（プ
レキャストコンクリート）版等の建築版をＺクリップに
て最終固定するまで、吊込み状況に支障を生ずることな
く安全に吊込むことが可能となった。すなわち、建築版
の吊込み時における滑落が防止された。＜２＞＜１＞に伴い、吊込み作業上のロスがほとんどな
くなり、安全な施工と工期短縮が可能となった。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明による建築版の吊込治具の一例を示す
正面断面図である。

【図２】この発明による建築版の吊込治具の一例を示
す、図１におけるＢ方向からの側面図である。

【図３】図１の円形部Ｅ（ロック機構部）を示す拡大斜
視図である。

【図４】図１の吊込治具を使用し、ＰＣ（プレキャスト
コンクリート）版を懸吊している状態を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０・・・・枠体１０ａ・・・懸吊部１０ｂ・・・吊込孔１０ｃ・・・貫通孔（懸吊部１０ａ用）１０ｄ・・・貫通孔（枠体１０用）１１・・・・突出部１１ａ・・・切欠１２・・・・連結金具１２ａ・・・突起（ダボ）１２ｂ・・・軸部１３・・・・チェーン１４・・・・ねじピン（シャックル１７用）１５・・・・ワイヤー１６・・・・ＰＣ（プレキャストコンクリート）版１６ａ・・・貫通孔（ＰＣ版１６用）１７・・・・シャックルＡ・・・・吊込治具

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】建築版に取り付けられ、ワイヤーを繋着
して前記建築版を懸吊する吊込治具において、前記建築版を挟み込む着脱自在な枠体と、この枠体と前
記建築版とを連結固定させる着脱自在な連結手段と、前
記枠体に設けられワイヤーの先端を繋着する懸吊部とを
備える構成としたことを特徴とする建築版の吊込治具。
【請求項２】前記連結手段は、ロック機構を備えた軸
体からなることを特徴とする請求項１記載の建築版の吊
込治具。