JPH1023619A - 高圧受電設備の警報装置 - Google Patents

高圧受電設備の警報装置

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JPH1023619A
JPH1023619A JP19297896A JP19297896A JPH1023619A JP H1023619 A JPH1023619 A JP H1023619A JP 19297896 A JP19297896 A JP 19297896A JP 19297896 A JP19297896 A JP 19297896A JP H1023619 A JPH1023619 A JP H1023619A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高圧受電設備における感電事故を防止する警
報装置を提供する。 【解決手段】 計器用変圧器Tによって高圧電気Vhか
ら変圧されて出力される計器用電圧Vmが供給されてい
る期間のみ、高圧受電設備CBの筐体に設けられている
扉の開閉状態を検知する検知手段1と、動作用電源Va
cが常時供給されており、所定の起動動作に応じて所定
の警報動作を行う警報手段3と、検知手段1が扉の開放
状態を検知したときの検知出力に応じて警報手段3を起
動する制御手段2とを設ける。高圧受電設備CBが高圧
電気を受電している期間中に、検知手段1によって扉が
開放状態にあることが検知されると、制御手段2は、そ
の検知動作に応じて警報手段3を起動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、受電した高圧電気
を負荷設備の使用電圧に変換して配電する設備を開閉自
在な扉を具備する筐体に収容してなる高圧受電設備の警
報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から需要家が電力会社(電気事業
者)などから受電するために用いる高圧受電設備があ
る。このような高圧受電設備として、いわゆるキュービ
クル(cubicle)と称するものがあるが、これは高圧電気
を負荷設備の使用電圧に変換して配電する受電設備を、
開閉自在な扉を備えた金属製の筐体に収容して構成され
るものである。高圧受電設備の1次側には、電力会社側
の高圧配電線(母線)が引き込まれて接続されている
が、この高圧配電線は、当該高圧受電設備に隣接する高
圧受電設備の1次側にも並列接続(渡り配線ともいう)
されている。
【0003】このような高圧受電設備の保守・点検作業
を行う場合には、安全を確保するために、当該高圧受電
設備の1次側に加わる高圧電気の配電を停止する必要が
ある。したがって、保守・点検作業中は、隣接する高圧
受電設備の1次側において、当該高圧受電設備へ渡り配
線されている部分の高圧配電線を開放することによっ
て、当該高圧受電設備の1次側に対する高圧電気の配電
を完全に停止している。そして、保守・点検作業が終了
すると、隣接する高圧受電設備の1次側において、1次
側へ渡り配線されている部分の高圧配電線を接続するこ
とにより当該高圧受電設備の1次側に対する高圧電気の
配電を再開する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ここで、当該高圧受電
設備の保守・点検作業が完全に終了したことを確認して
から、隣接する高圧受電設備の高圧配電線の接続を行え
ば問題はない。ところが、保守・点検作業の終了予定時
刻が経過したことをもって、隣接する高圧受電設備の高
圧配電線の接続を行うと、実際には、保守・点検作業中
であるにも関わらず、当該高圧受電設備の1次側に高圧
電気が配電されてしまうため、感電事故が発生するおそ
れがある。特に、高圧受電設備の稼働開始時刻を厳格に
守らなくてはならない施設では、保守・点検時間の終了
予定時刻が経過すると、隣接する高圧受電設備の1次側
の高圧配電線の接続がほぼ自動的に実行されてしまうこ
とから、上述したような感電事故が発生する危険性が高
い。
【0005】また、従来から高圧受電設備が高圧電気を
受電している場合には、所定の表示灯が点灯することに
よって受電状態を表示する。しかしながら、上記表示灯
は、高圧受電設備の外側から視認し得る位置に設けられ
ているため、高圧受電設備内部で作業を行っている者
は、その表示を容易に認識することはできず、したがっ
て、上述の感電事故を防止することは難しい。高圧受電
設備における感電事故は、重大な感電死傷事故に至る場
合が多いため、その防止が強く要請されている。本発明
は、このような事情に基づいてなされたものであり、そ
の目的は、感電事故を防止することができる高圧受電設
備の警報装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、開閉自在な扉
を具備する筐体に受電した高圧電気を負荷設備の使用電
圧に変換して配電する設備を収容してなる高圧受電設備
の警報装置であって、前記高圧受電設備に具備されてい
る計器用電力供給手段によって前記高圧電気から生成さ
れる計器用電力が供給されている期間のみ、前記扉の開
閉状態を検知する検知手段と、動作用電源が常時供給さ
れており、起動されたときに所定の警報動作を行う警報
手段と、前記検知手段が前記扉の開放状態を検知したと
きの検知出力に応じて前記警報手段を起動する制御手段
とを有することを特徴としている。上記構成によれば、
高圧受電設備が高圧電気を受電している期間中に、検知
手段によって高圧受電設備の扉が開放状態にあることが
検知されると、その検知出力に応じて制御手段が警報手
段を起動することによって、警報手段が所定の警報動作
を行う。
【0007】本発明は、警報手段が、高圧受電を警告す
る警報音を発生する警報音発生部と、高圧受電を警告す
る警告灯を作動させる警告表示部との双方又は一方を備
えていることを特徴としている。上記構成によれば、警
報手段が起動すると、警告音発生部による警報音の出力
及び警告表示部による警告表示の双方又は一方がなされ
る。
【0008】本発明は、警報音発生部が、ベル、ブザ
ー、サイレン又は電子音源を用いて警報音を発生するこ
とを特徴としている。上記構成によれば、警報手段が起
動すると、警報音発生部によって警報音が出力される。
【0009】本発明は、音声発生部が、記録媒体に記録
されている高圧受電を警告する音声情報を読み出して音
声信号に変換する読出装置と、前記読出装置から入力さ
れる前記音声信号を増幅する増幅装置と、前記増幅装置
によって増幅された音声信号を音声として発するスピー
カとを有するものであることを特徴としている。上記構
成によれば、読出装置によって記録媒体から読み出され
た音声情報が音声信号に変換され、その音声信号が増幅
装置によって増幅されてスピーカに与えられることによ
り上記音声情報に基づいて高圧受電を警告する音声がス
ピーカから出力される。
【0010】本発明は、制御手段が、手動操作に応じて
警報手段を強制的に起動する試験手段を具備することを
特徴としている。上記構成によれば、試験手段によって
警報手段を強制的に起動したときに、警報手段が警報動
作を正常に行うか否かを確認することができる。
【0011】本発明は、検知手段が、筐体の扉に対応し
て設けられ、かつ、扉が開放されたときに閉成し、扉が
閉鎖されたときに開成するリミットスイッチの一端を高
圧受電設備の計器用変圧器の出力側端子の一方に接続し
てなり、制御手段が、入力端子が前記リミットスイッチ
の他端と前記計器用変圧器の出力側端子の他方との間に
接続され、常開接点をなす出力端子のそれぞれが警報手
段の起動端子のそれぞれに接続されたリレーからなり、
前記警報手段が、前記起動端子間に閉路が形成されるこ
とにより起動するものであることを特徴としている。上
記構成によれば、高圧受電設備が高圧電気を受電してい
る期間中に、高圧受電設備の扉が開放されると、リミッ
トスイッチが閉成されるので、リレーに計器用変圧器の
出力電圧が印加されて、警報手段の起動端子間に接続さ
れている常開接点が閉成されることにより、警報手段が
起動される。
【0012】本発明は、リミットスイッチの両端に接続
され、かつ、手動操作により前記リミットスイッチの両
端間に閉路を形成する第1の試験スイッチと、警報手段
の起動端子間に接続され、かつ、手動操作により前記起
動端子間に閉路を形成する第2の試験スイッチとの双方
又は一方からなる試験手段を有することを特徴としてい
る。上記構成によれば、第1の試験スイッチを閉成した
ときに、警報手段が正常に警報動作を行うか否かによっ
て警報手段の動作を確認することができる。また、第2
の試験スイッチを閉成したときに、警報手段が正常に警
報動作を行うか否かによって、制御手段を構成するリレ
ー及び警報手段の双方の動作を確認することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照
して説明する。図1は、本発明の高圧受電設備の警報装
置の実施の形態を示す構成図である。高圧受電設備(キ
ュービクル)CBは、隣接する別の高圧受電設備(図示
せず)に対して渡り配線がなされている高圧配電線Lh
を経由して受電した高圧電気Vhを負荷設備Z1〜Zn
の使用電圧Vzに変換して配電する設備を筐体に収容し
て構成されている。高圧受電設備CBは、図示しない扉
が、筐体の正面及び左右の側面に設けられており、それ
らの扉を開放することにより、筐体内部の設備を点検・
保守することができるように構成されている。高圧受電
設備CBは、高圧電気Vhから電圧計等の計器を動作さ
せるために必要な計器用電力を生成する計器用電力供給
手段を具備している。この実施の形態では、上記計器用
電力に相当する計器用電圧Vm(例えば交流110V程
度)を出力する計器用変圧器Tによって計器用電力供給
手段が構成されている。なお、計器用電力供給手段は、
上記交流110Vの電圧を生成する変圧器に限定される
ものではなく、計器が動作するために必要な形態(交流
又は直流)、周波数、電圧及び電流の計器用電力を高圧
電気から生成するものであればよい。例えば、計器用電
力供給手段は、変圧器、変流器、交流電源装置及び直流
電源装置等のいずれか1つあるいは2以上の組み合わせ
から構成されるものであってもよい。
【0014】本実施の形態では、上記高圧受電設備CB
の扉の各々に対して検知手段1を構成するリミットスイ
ッチS1〜S3を設けている。これらのリミットスイッ
チの接点は、扉が開放されたときに閉成され、扉が閉鎖
されたときに開成されるようになっている。上記リミッ
トスイッチS1〜S3は、その一端が上記計器用変圧器
Tの出力端子の一端に共通接続され、他端は、後述する
制御手段2を構成するリレーX1,X2の入力端子の一
端に共通接続されている。リレーX1,X2の入力端子
の他端は、上記計器用変圧器Tの出力端子の他端に共通
接続されている。上記リミットスイッチの両端には、手
動操作によりリミットスイッチS1〜S3の両端間に閉
路を形成する第1の試験スイッチTS1が接続されてい
る。
【0015】図2に示すように、警報手段3は、警報音
発生部3a、警告表示部3b及び電源供給部3cを具備
している。
【0016】警報音発生部3aは、例えばオーディオカ
セットテープ等の磁気記録媒体に記録されている高圧受
電を警告する音声情報を読み出して音声信号に変換して
出力するテープレコーダ等の読出装置31と、読出装置
31から入力される音声信号を増幅する増幅装置32
と、増幅装置によって増幅された音声信号を音声として
発するスピーカ33とを有している。スピーカ33の設
置個数及び設置場所は、特に限定されないが、高圧受電
設備CB内部及びその近傍にいる者が確実に音声を聴取
できるように設定する必要がある。
【0017】警告表示部3cは、高圧受電設備CBの筐
体内部に設けられた警告灯(パトライト)34と、その
警告灯を作動、すなわち点灯又は点滅させるための駆動
電流を供給する駆動回路35とを具備している。警告灯
34は、その作動時に点灯又は点滅する表示形式のもの
であってもよいが、警告灯34の出射光の方向が変化
(例えば回転)する形式のものであれば、警告灯34の
警告表示に対する注意をより喚起するので好ましい。警
告灯34の設置個数及び設置場所は、特に限定されない
が、高圧受電設備CBの筐体の内外にいる者が警告灯3
4の警告表示を確実に視認できるように設定する必要が
ある。
【0018】電源供給部3cは、上述した高圧電気Vh
とは別系統で、高圧受電設備CB内外の照明用として供
給される常用電源(動作用電源)Vac(例えば100
Vの商用交流電源)から、上記警報音発生部3a及び警
告表示部3bを動作させるために必要な電源Vbを生成
して供給するものである。この電源供給部3cは、起動
端子t−tが閉成されると、常用電源Vacから生成し
た電源Vbを警報音発生部3a及び警告表示部3bに供
給することにより、両者の動作を起動する。
【0019】したがって、起動端子t−t間に閉路が形
成されると、電源供給部3cから警報音発生部3a及び
警告表示部3bに電源Vbが供給されることにより、上
述した警報音発生部3aは、高圧受電を警告する音声、
例えば「高圧受電が開始されました。危険ですから高圧
受電設備から退出してください。」を示す警報音声を発
生する。一方、警告表示部3bは、警告灯34を作動さ
せて警告表示を行う。
【0020】警報手段3の起動端子t−t間には、前述
したリレーX1,X2の常開接点(メーク接点)が接続
されている。また、警報手段3の起動端子t−t間に
は、手動操作により上記起動端子t−t間に閉路を形成
する第2の試験スイッチTS2が接続されている。
【0021】図1に一点鎖線で示すように、警報装置1
0は、検知手段1、制御手段2、警報手段3及び両試験
スイッチTS1,TS2によって構成されている。
【0022】次に、上述した構成による警報装置10の
動作について説明する。まず、点検・保守作業のため
に、高圧受電設備CBが高圧電気を受電していない状態
で閉鎖されていた高圧受電設備CBの扉を開放した場合
には、リミットスイッチS1〜S3の少なくとも1つが
閉成する。しかし、非受電状態であるため、計器用変圧
器Tから計測器用電圧Vmが供給されていないので、リ
レーX1,X2はいずれも非作動となり、両リレーのメ
イク接点m1,m2は、開成状態を維持するので、警報
手段3は、その起動端子t−t間に閉路が形成されず、
起動されない。
【0023】もし、高圧受電設備CBの扉が開放された
状態で、高圧受電設備CBに高圧電気が接続されると、
計器用変圧器Tから計測器用電圧Vmがリミットスイッ
チS1〜S3の少なくとも1つを介し検知出力としてリ
レーX1,X2に印加される。これにより、リレーX
1,X2が作動してそれらのメイク接点m1,m2が閉
成し、警報手段3の起動端子間に閉路が形成されるか
ら、前述した通り警報手段3が起動する。すなわち、警
報音発生部3aが高圧受電を警告する旨を音声で出力す
るとともに、警告表示部3bが警告灯34により警告表
示を行う。ここで、作業者は、音声及び警告灯によって
二重の警告を受けるため、確実に高圧電気の受電開始を
認識することができる。例えば、騒音が大きく警告の音
声の聴取が困難な環境であっても、警告灯による警告を
認識することができ、警告灯の警告表示の視認が困難な
場合であっても、警告の音声を聴取することができる。
したがって、高圧受電の警告に応じて、高圧受電設備C
Bの内部から速やかに退避することにより、感電事故を
未然に防止することができる。
【0024】次に、高圧受電設備CBが高圧電気を受電
しているにも関わらず、作業者が高圧受電が停止された
ものと誤認して、閉鎖されている高圧受電設備CBの扉
を開放した場合について説明する。この場合には、計器
用変圧器Tから計器用電源Vmが既に出力されているた
め、扉の開放と同時に、リミットセンサS1〜S3のい
ずれか1つが閉成されると、リレーX1,X2が作動す
るから、上記手順と同様に警報手段3が警報動作を開始
する。したがって、作業者は、音声及び警告灯によって
二重の警告を受けるため、当該高圧受電設備CBが高圧
電気の受電状態にあることを確実に認識することができ
るので、高圧受電設備CBの内部に誤って進入すること
がなく、したがって、感電事故を未然に防止することが
できる。
【0025】次に、試験スイッチTS1,TS2の動作
について説明する。高圧電気を受電している状態で、第
1の試験スイッチTS1が手動操作により閉成される
と、リミットスイッチS1〜S3の両端が閉成されるの
で、リレーX1,X2が作動して警報手段3が起動す
る。したがって、第1の試験スイッチTS1の操作によ
って、警報手段3が起動すれば、リレーX1,X2及び
警報手段3の双方が正常であると判定することができ
る。もし、第1の試験スイッチTS1の操作がなされて
も、警報動作が起動されなければ、リレーX1,X2及
び警報手段3の双方又は一方が故障していると判定でき
る。なお、第1の試験スイッチTS1は、高圧受電設備
CBの扉の全てが閉鎖状態にあるときに操作できるよう
に設けられている必要がある。
【0026】一方、第2の試験スイッチTS2が手動操
作により閉成されると、高圧電気の受電の有無とは無関
係に、警報手段3が起動する。したがって、第2の試験
スイッチTS2の操作によって、警報手段3が起動すれ
ば、警報手段3が正常であると判定することができる。
もし、第2の試験スイッチTS2の操作がなされても、
警報手段3が起動しなければ、警報手段3が故障してい
ると判定できる。また、第1の試験スイッチTS1の閉
成時に警報手段3が起動されず、第2の試験スイッチT
S2の閉成時に警報手段3が起動されれば、警報手段3
は、正常であるが、制御手段2を構成するリレーX1,
X2が故障していると判定することができる。
【0027】上述した第1の試験スイッチTS1及び第
2の試験スイッチTS2によって、手動操作に応じて警
報手段を強制的に起動する試験手段4が構成されてい
る。
【0028】また、上述の実施の形態では、2つのリレ
ーX1,X2を設けることにより、一方のリレーが故障
しても、他方のリレーが作動することによって、警報動
作が確実に起動されるので、警報動作の信頼性を確保す
ることができる。したがって、リレーが故障する可能性
を無視することができれば、リレーを1つとしてもよい
し、リレーが故障する可能性を十分に考慮する必要があ
れば、リレーを2つ以上設けてもよい。
【0029】警報手段3は、音声及び警告灯による二重
の警告を行うものとしたが、警報音発生部3aは、ベ
ル、ブザー、サイレン又は電子音源を用いて警報音を発
生するものであってもよい。ただし、この場合には、高
圧受電設備CB及びこれを収容する施設内で発生される
他の警報音と明確に区別できる警報音を採用する必要が
ある。
【0030】また、警報音発生部3aの読出装置31
は、記録媒体に記録されている音声情報を読み出すもの
であればよく特に限定されるものではない。例えば、記
録媒体は、オーディオカセットテープ等の磁気記録テー
プの他、半導体メモリ、光ディスク、光磁気ディスク、
磁気ディスク等のいずれでもよく、読出装置は、それぞ
れの記録媒体に対応した装置であればよい。
【0031】試験スイッチTS1,TS2がなくても、
警報装置10の動作に支障はないが、警報装置10の信
頼性を保持するために試験スイッチTS1,TS2を具
備することが望ましい。
【0032】ここで、実施の形態の説明と請求項の記載
との対応を説明しておく。リミットスイッチS1〜S3
は、高圧受電設備に具備されている計器用電力供給手段
によって高圧電気から生成される計器用電力が供給され
ている期間のみ、扉の開閉状態を検知する「検知手段」
を構成している。したがって、この検知手段は、計器用
電力が供給されている期間のみ、扉の開閉を確実に検知
することができるものであればよく、例えば、接触型及
び非接触型のセンサ等を検知手段として用いてもよい。
【0033】警報手段3は、動作用電源が常時供給され
ており、起動されたときに所定の警報動作を行う「警報
手段」を構成している。
【0034】リレーX1,X2は、検知手段が扉の開放
状態を検知したときの検知出力に応じて警報手段を起動
する「制御手段」に相当している。
【0035】上述したように、この実施の形態によれ
ば、高圧受電設備の筐体の扉が開放されているときに、
高圧電気の受電が開始されたり、既に高圧電気の受電が
なされているときに高圧受電設備の筐体の扉が誤って開
放されたりした場合に、警報手段が警報動作を行うの
で、高圧受電設備の筐体内外で作業している作業者は、
高圧電気の受電を確実に認識することができるため、上
記筐体から退避する等の安全を確保する行動を直ちにと
ることにより、感電事故を防止することができる。
【0036】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の高圧受電
設備の警報装置によれば、高圧受電設備の筐体の扉が開
放されているときに、高圧電気の受電が開始されたり、
既に高圧電気の受電がなされているときに高圧受電設備
の筐体の扉が誤って開放されたりした場合に、警報手段
が警報動作を行うので、高圧受電設備の筐体内外で作業
している作業者は、高圧電気の受電を確実に認識するこ
とができるため、上記筐体から退避する等の安全を確保
する行動を直ちにとることにより、感電事故を防止する
ことができる。
【0037】警報手段が、高圧受電を警告する警報音を
発生する警報音発生部と、高圧受電を警告する警告灯を
作動させる警告表示部との双方又は一方を備えている場
合には、警報手段が起動すると、警告音発生部による警
報音の出力及び警告表示部による警告表示の双方又は一
方がなされることにより、高圧受電を認識することがで
きる。
【0038】警報音発生部が、ベル、ブザー、サイレン
又は電子音源を用いて警報音を発生する場合には、警報
手段が起動すると、警報音発生部によって警報音が出力
されるので、警報音によって高圧受電を認識することが
できる。
【0039】音声発生部が、記録媒体に記録されている
高圧受電の旨を警告する音声情報を読み出して音声信号
に変換する読出装置と、前記読出装置から入力される前
記音声信号を増幅する増幅装置と、前記増幅装置によっ
て増幅された音声信号を音声として発するスピーカとを
有するものである場合には、読出装置によって記録媒体
から読み出された音声情報が音声信号に変換され、その
音声信号が増幅装置によって増幅されてスピーカに与え
られることにより上記音声情報に基づいて高圧受電の旨
を警告する音声がスピーカから出力される。
【0040】制御手段が、手動操作に応じて警報手段を
強制的に起動する試験手段を具備する場合には、試験手
段によって警報手段を強制的に起動したときに、警報手
段が警報動作を正常に行うか否かを確認することができ
る。
【0041】検知手段が、筐体の扉に対応して設けら
れ、かつ、扉が開放されたときに閉成し、扉が閉鎖され
たときに開成するリミットスイッチの一端を高圧受電設
備の計器用変圧器の出力側端子の一方に接続してなり、
制御手段が、入力端子がリミットスイッチの他端と計器
用変圧器の出力側端子の他方との間に接続され、常開接
点をなす出力端子のそれぞれが警報手段の起動端子のそ
れぞれに接続されたリレーからなり、警報手段が、起動
端子間に閉路が形成されることにより起動するものであ
る場合には、高圧受電設備が高圧電気を受電している期
間中に、高圧受電設備の扉が開放されると、リミットス
イッチが閉成されるので、リレーに計器用変圧器の出力
電圧が印加されて、警報手段の起動端子間に接続されて
いる常開接点が閉成されることにより、警報手段が起動
される。したがって、高圧受電設備の筐体内外で作業し
ている作業者は、高圧電気の受電開始を確実に認識して
上記筐体から退避することができるので、感電事故を防
止することができる。
【0042】リミットスイッチの両端に接続され、か
つ、手動操作によりリミットスイッチの両端間に閉路を
形成する第1の試験スイッチと、警報手段の起動端子間
に接続され、かつ、手動操作により起動端子間に閉路を
形成する第2の試験スイッチとの双方又は一方からなる
試験手段を有する場合には、第1の試験スイッチを閉成
したときに、警報手段が正常に警報動作を行うか否かに
よって警報手段の動作を確認することができる。また、
第2の試験スイッチを閉成したときに、警報手段が正常
に警報動作を行うか否かによって、制御手段を構成する
リレー及び警報手段の双方の動作を確認することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高圧受電設備の警報装置の実施の形態
を示す構成図である。
【図2】実施の形態における警報手段の構成図である。
【符号の説明】
CB 高圧受電設備(キュービクル) T 計器用変圧器(計器用電力供給手段) Vh 高圧電気 Vm 計器用電圧(計器用電力) Vac 常用電源(動作用電源) 10 警報装置 1 検知手段 S1,S2,S3 リミットスイッチ 2 制御手段 X1,X2 リレー 3 警報手段 3a 警報音発生部 3b 警告表示部 3c 電源供給部 4 試験手段 TS1 第1の試験スイッチ TS2 第2の試験スイッチ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開閉自在な扉を具備する筐体に受電した
    高圧電気を負荷設備の使用電圧に変換して配電する設備
    を収容してなる高圧受電設備の警報装置であって、 前記高圧受電設備に具備されている計器用電力供給手段
    によって前記高圧電気から生成される計器用電力が供給
    されている期間のみ、前記扉の開閉状態を検知する検知
    手段と、 動作用電源が常時供給されており、起動されたときに所
    定の警報動作を行う警報手段と、 前記検知手段が前記扉の開放状態を検知したときの検知
    出力に応じて前記警報手段を起動する制御手段とを有す
    ること、 を特徴とする高圧受電設備の警報装置。
  2. 【請求項2】 警報手段は、高圧受電を警告する警報音
    を発生する警報音発生部と、高圧受電を警告する警告灯
    を作動させる警告表示部との双方又は一方を備えている
    ことを特徴とする請求項1記載の高圧受電設備の警報装
    置。
  3. 【請求項3】 警報音発生部は、ベル、ブザー、サイレ
    ン又は電子音源を用いて警報音を発生することを特徴と
    する請求項2記載の高圧受電設備の警報装置。
  4. 【請求項4】 警報音発生部は、記録媒体に記録されて
    いる高圧受電を警告する音声情報を読み出して音声信号
    に変換する読出装置と、前記読出装置から入力される前
    記音声信号を増幅する増幅装置と、前記増幅装置によっ
    て増幅された音声信号を音声として発するスピーカとを
    有するものであることを特徴とする請求項2記載の高圧
    受電設備の警報装置。
  5. 【請求項5】 手動操作に応じて警報手段を強制的に起
    動する試験手段を具備することを特徴とする請求項1〜
    請求項4のいずれかに記載の高圧受電設備の警報装置。
  6. 【請求項6】 検知手段は、筐体の扉に対応して設けら
    れ、かつ、扉が開放されたときに閉成し、扉が閉鎖され
    たときに開成するリミットスイッチの一端を高圧受電設
    備の計器用変圧器の出力側端子の一方に接続してなり、 制御手段は、入力端子が前記リミットスイッチの他端と
    前記計器用変圧器の出力側端子の他方との間に接続さ
    れ、常開接点をなす出力端子のそれぞれが警報手段の起
    動端子のそれぞれに接続されたリレーからなり、 前記警報手段は、前記起動端子間に閉路が形成されるこ
    とにより起動するものであること、 を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の高
    圧受電設備の警報装置。
  7. 【請求項7】 リミットスイッチの両端に接続され、か
    つ、手動操作により前記リミットスイッチの両端間に閉
    路を形成する第1の試験スイッチと、警報手段の起動端
    子間に接続され、かつ、手動操作により前記起動端子間
    に閉路を形成する第2の試験スイッチとの双方又は一方
    からなる試験手段を有することを特徴とする請求項6記
    載の高圧受電設備の警報装置。
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