JPH10236093A - 突板化粧材の製造方法及び装置 - Google Patents

突板化粧材の製造方法及び装置

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JPH10236093A
JPH10236093A JP4658097A JP4658097A JPH10236093A JP H10236093 A JPH10236093 A JP H10236093A JP 4658097 A JP4658097 A JP 4658097A JP 4658097 A JP4658097 A JP 4658097A JP H10236093 A JPH10236093 A JP H10236093A
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JP
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veneer
sheet
transfer
layer
decorative material
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JP4658097A
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Kazuhiro Suga
和宏 須賀
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性の低下や接着不良等を招くことなく、
また、柄抜けしたように見える部分を生じさせることな
く、高品質で意匠性の優れた突板化粧材を得ることので
きる製造方法及び装置を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂の支持体シート2上に常温
で固体の熱可塑性樹脂のバイダーを含むインキからなる
装飾層を有する転写層が剥離可能に積層されてなる転写
シート1を通気性を有する帯状又は枚葉シート状の突板
10上に接着して積層する接着積層工程と、前記転写シ
ート1を加熱して軟化させる加熱軟化工程と、前記突板
10における導管溝等が形成されている前記転写シート
積層面とは反対側の面から前記導管溝等の内部に残って
いる空気を突板を介して真空吸引する吸引工程と、前記
転写シート構成部材のうちの前記支持体シート2を前記
転写層から剥離する剥離工程と、を含んでなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、支持体シート上に
木目模様や図柄等の装飾層を有する転写層が剥離可能に
積層されてなる転写シートを帯状又は枚葉シート状の突
板上に接着して積層した後、前記支持体シートのみを剥
離して、表面に転写層が転移された突板化粧材を得るた
めの製造方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の突板化粧材を製造するにあたっ
て使用される転写シートは、図2にその一例の部分概略
断面が示されている如くに、通常、熱可塑性樹脂の支持
体シート2上に転写層6が剥離可能に積層されてなる。
転写層6としては、図示のように、支持体シート2側か
ら、剥離層3、木目柄等の装飾層4、及び接着剤層5を
グラビア印刷等により順次積層したものが多い。
【0003】また、突板化粧材の基体部分となる突板
は、図5にその一部分が誇張ないし簡略化して描かれて
いる如くに、ロール状に巻き取り可能な帯状又は枚葉シ
ート状とされ、その表面には、多数の導管溝12、1
2、…が形成されている。
【0004】このような突板10に転写シート1を接着
積層してその表面に転写層4が転移された突板化粧材を
得るにあたっては、従来、下記(1) 〜(4) に記述した如
くの方法が採られている。
【0005】すなわち、(1) 図6(A)に示される如く
に、突板10の導管溝12、12、…部分を埋塞するよ
うに目止め剤14あるいは接着剤等を充填して、導管溝
12、12、…の上面と突板10の表面が面一となるよ
うに平滑化し、しかる後、図6(B)に示される如く
に、転写シート6を突板10上に接着して積層した後、
転写シート2の構成部材のうちの支持体シート2のみを
転写層6から剥離する。
【0006】(2) 図7(A)に示される如くに、突板1
0の導管溝12、12、…部分は埋塞しないで空のま
ま、転写シート6を突板10上に接着して積層した後、
転写シート2の構成部材のうちの支持体シート2のみを
転写層6から剥離する。
【0007】(3) 上記(2) と同様に、突板10の導管溝
12、12、…部分は埋塞しないで空のまま、転写シー
ト6を突板10上に接着して積層した後、転写シート2
の構成部材のうちの支持体シート2のみを転写層6から
剥離し、その後、さらに、図7(B)に示される如く
に、転写層6のうちの突板10から浮いている導管溝1
2、12、…部分(接着されていない部分)を有機溶剤
18で溶解させて、転写層6を導管溝12、12、…の
内周面に沿わせる。
【0008】(4) 上記(3) と同様にして転写シート6を
突板10上に接着して積層し、支持体シート2のみを転
写層6から剥離した後、転写層6のうちの突板10から
浮いている導管溝12、12、…部分を有機溶剤で膨潤
させて、転写層6を導管溝12、12、…の内周面に沿
わせる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記
(1) のように、突板10の導管溝12、12、…に目止
め剤14あるいは接着剤等を充填するようにしたもので
は、導管溝形状がシャープではなくなり、のっぺりと
した仕上がりになるため、意匠性が低下する、導管溝
12、12、…に充填された目止め剤14あるいは接着
剤等を乾燥させる工程・時間が必要となり、生産性が低
下する、といった問題がある。
【0010】また、前記(2) のように、導管溝12、1
2、…が空のまま突板10に転写シート1を接着積層す
るようにしたものでは、導管溝12、12、…部分で
は転写層6が接着されないので、その周辺部分が浮き上
がりやすくなり、接着不良等が生じやすい、導管溝1
2、12、…部分に空気が入っているので、この導管溝
12、12、…部分が光って見え、外観不良となり意匠
性が低下する、といった問題がある。この場合、光って
見える導管溝12、12、…部分は、ライト色系のもの
ではさほど目立たないが、ダーク色系のものでは柄抜け
したように目立ち、品質が大きく低下する。
【0011】前記(3) のように、転写層6のうちの導管
溝12、12、…部分を有機溶剤18で溶解させるよう
にしたものでは、転写層6が薄膜の場合、溶解により柄
が消失したように見え、外観不良となり意匠性が低下す
るという問題があり、また、前記(4) のように、転写層
6のうちの導管溝12、12、…部分を有機溶剤で膨潤
させるようにしたものでは、転写層6の膜厚、溶剤の配
合割合及びその塗布添加量、乾燥態様、雰囲気(湿度、
温度)等の条件如何では、導管溝12、12、…内の空
気が完全には抜けない場合があり、導管溝12、12、
…内に空気が残留している場合には、該導管溝12、1
2、…部分が光って見え、外観不良となり意匠性が低下
し、品質がばらつく、という問題がある。
【0012】本発明は、上述の如くの問題を解消すべく
なされたもので、その目的とするところは、生産性の低
下や接着不良等を招くことなく、また、柄抜けしたよう
に見える部分を生じさせることなく、高品質で意匠性の
優れた突板化粧材を得ることのできる製造方法及び装置
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成すべ
く、本発明に係る突板化粧材の製造方法は、基本的に
は、熱可塑性樹脂の支持体シート上に常温で固体の熱可
塑性樹脂のバイダーを含むインキからなる装飾層を有す
る転写層が剥離可能に積層されてなる転写シートを用
い、この転写シートを通気性を有する帯状又は枚葉シー
ト状の突板上に接着して積層する接着積層工程と、前記
転写シートを加熱して軟化させる加熱軟化工程と、前記
突板における導管溝等が形成されている前記転写シート
積層面とは反対側の面から前記導管溝等の内部に残って
いる空気を突板を介して真空吸引する吸引工程と、前記
転写シート構成部材のうちの前記支持体シートを前記転
写層から剥離する剥離工程と、を含んでいることを特徴
としている。
【0014】本発明方法の好ましい態様では、前記接着
積層工程後に前記加熱軟化工程を行い、該加熱軟化工程
と同時並列的に又は該加熱工程以後に前記吸引工程を行
い、該吸引工程終了後に前記剥離工程を行うようにされ
る。
【0015】また、本発明に係る突板化粧材の製造装置
は、基本的には、前記転写シートを通気性を有する帯状
又は枚葉シート状の突板上に接着して積層する接着積層
手段と、前記転写シートを加熱して軟化させる加熱軟化
手段と、前記突板における導管溝等が形成されている前
記転写シート積層面とは反対側の面から前記導管溝等の
内部に残っている空気を突板を介して真空吸引する吸引
手段と、前記転写シート構成部材のうちの前記支持体シ
ートを前記転写層から剥離する剥離手段と、を具備して
なる。
【0016】本発明装置の好ましい態様では、前記突板
の送り方向で見て前記接着積層手段より下流側に前記加
熱軟化手段及び吸引手段が配置されるとともに、前記加
熱軟化手段及び吸引手段よりさらに下流側に前記剥離手
段が配置される。
【0017】上記の如くの構成とされた本発明に係る突
板化粧材の製造方法及び装置の好ましい態様において
は、転写シートを突板に接着積層後に、転写シートを加
熱して軟化させるとともに、導管溝等の凹部の内部(突
板と転写シートとの間の部分)に残っている空気を突板
を介して真空吸引する。これにより、導管溝内の空気が
突板裏面側に排除され、加熱軟化している転写シートの
うちの突板から浮いている(接着されていない)導管溝
部分は空気が排除された導管溝の内周面に沿うように延
伸せしめられてそれに密着する。
【0018】その後は、前記転写シート構成部材のうち
の転写層部分を突板側に残すように支持体シートを前記
転写層から剥離して、転写層が接着積層された突板化粧
材を得る。
【0019】このようにされることにより、加熱軟化工
程及び真空吸引工程により導管溝内等の空気が吸引排除
されてそこには残留しなくなるとともに、転写層が突板
の導管溝内面に沿うように密着するので、得られた突板
化粧材においては、突板の持つ導管溝形状等、凹凸形状
を含む表面形状が出現し、リアル感が増す。従って、生
産性の低下や接着不良等を招くことなく、また、柄抜け
したように見える部分を生じさせることなく、高品質で
意匠性の優れた突板化粧材を得ることができる。
【0020】本発明の突板化粧材の製造方法及び装置に
使用される転写シートは、剥離性を持つ支持体シート上
に積層した装飾層等からなる転写層を突板に転移させる
もので、支持体シートには必要に応じて離型層を設けて
もよい。転写層は、剥離層、装飾層、接着剤層、等を備
えるものが一般的であるが、装飾層以外の層は必ずしも
必要とするものではなく、必要に応じて設ける。
【0021】支持体シートとしては、厚みが9〜200
μm、好ましくは16〜100μmの熱可塑性樹脂を使
用する。この場合、厚みが過度に薄い(9μmより小)
ものであると強度不足となり、また、過度に厚い(20
0μmより大)ものであるとコスト高になるとともに、
通常のロール転写方式では熱伝導が悪くなるので転写速
度を遅くせざるを得ず、生産性が低下する。
【0022】支持体シートの具体的な材料としては、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等の線状ポリエステル、ナイロン6、ナイロン66等
の線状ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、オ
レフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオレフィン、
ポリ塩化ビニル等、可撓性を有する熱可塑性樹脂フィル
ムあるいはそれらの積層体が好ましい。なお、前記ポリ
エチレンテレフタレートとしては、延伸倍率の小さな成
形用PET(二軸延伸PET)等を用いることが好まし
い。特に、コスト、印刷適正、成形性を考慮すると、ポ
リオレフィン系樹脂あるいはポリ塩化ビニル樹脂のシー
トを用いることが好ましい。
【0023】必要に応じて支持体シートに設ける離型層
は、メラミン、シリコーン、アミノアルキッド、ウレタ
ン、尿素、エポキシ樹脂等を用いる。厚みは0.01〜
5μm程度が好ましい。添加剤を加えて剥離強度を調整
することも可能である。転写後の表面の艶を調整するた
め、離型層にマイクロシリカ等の公知のマット剤を添加
してもよい。
【0024】なお、ここで離型層とは、転写後も支持体
シート側に残留し、転写層との剥離を容易ならしめる層
をいい、これに対し、剥離層とは、転写後は被転写体
(突板)側へ転移し、転写層の表面保護層となる層をい
う。剥離は離型層(支持体シート)と剥離層との間で行
われる。
【0025】必要に応じて転写層に設ける剥離層として
は、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体、ブチラール樹脂、セルロース系樹脂等を
用いることが好ましい。この場合、摩耗性、透明性を考
慮すると、アクリル樹脂が好ましい。
【0026】転写後(支持体シート剥離後)に剥離層に
表面滑性を出現させるため、添加剤として、ポリエチレ
ンワックス、テフロンワックス、カルナバワックス、パ
ラフィンワックス等を添加することが好ましい。外装用
途や太陽光にさらされる部位に使用される場合には、ベ
ンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系
紫外線吸収剤やヒンダードミアン系安定剤、フェノール
系酸化防止剤や熱安定剤を添加することが好ましい。
【0027】剥離層は、グラビア印刷、ロールコート、
スクリーン印刷、オフセット印刷、等の公知の手法によ
り積層する。装飾層は、木目柄等の絵柄を部分的又は全
面的に形成したものだけではなく、単なる全面ベタ着
色、透明又は着色不透明樹脂層だけのものでもよい。絵
柄を形成するため、顔料、染料により着色されたインキ
層からなるバインダーとしてアクリル樹脂、塩化ビニル
−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、セルロース
系樹脂、ウレタン樹脂等より選択される。その他、装飾
層、機能層として、蒸着、帯電防止、赤外線遮断層、紫
外線吸収層等を設けてもよい。装飾層のみが転写層の場
合は、常温で固体の熱可塑性樹脂をバイダーとするイン
キで形成する。熱可塑性樹脂(常温で固体)の剥離層及
び/又は転写層を有する場合は、金属薄膜、あるいは剥
離層へのエンボス加工等による凹凸模様であってもよ
い。
【0028】接着剤層は、転写層を被転写体(突板)に
転移させて接着積層させるための層で、ここでは感熱接
着剤を用いることが好ましい。なお、装飾層、剥離層等
の接着剤層以外の転写層構成層が充分な接着性を有する
場合は接着剤層を省略することができる。
【0029】感熱接着剤としては、アクリル樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル樹脂、スチ
レン樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹
脂、等の熱可塑性樹脂や、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂
等の熱硬化性樹脂等が特に好ましく、これらから選択さ
れる1種以上の樹脂をグラビア印刷、ロールコート、ス
クリーン印刷、オフセット印刷、等の公知の手法により
積層する。なお、接着剤は、転写シート側又は突板側の
少なくとも一方に塗布されていればよい。
【0030】一方、被転写体とされる突板は、通気性を
有する木質系単板であって、厚さが0.05〜0.2m
m程度のものが望ましい。突板は、帯状(連続シート
状)のものであれば効率良く生産できるが、枚葉シート
状のものを使用することもできる。突板の裏面(反転写
側)に支持体として、突板の割れを防止し、かつ、吸引
工程時の通気性を損なわない物としてし、和紙、織布、
あるいは不織布を張り合わせたもの等を裏打ちしてもよ
い。また、突板に合板、集成剤を用いてもよく、平板状
(シート状)のまま使用してもよいし、曲面、三次元形
状で使用してもよい。突板は、表面に導管溝や年輪等の
凹凸があるものであれば本発明の対象となり、樹種とし
ては、欅、樫(オーク)、ラワン、チーク、メラピー、
スギ、檜、松、桜等が挙げられる。
【0031】本発明方法装置において、加熱軟化工程で
は、支持体シート及び転写層の表面温度が軟化温度以上
で熔融温度以下となるように加熱することが要求され
る。この加熱温度は、支持体シートや転写層が前記した
如くの通常の樹脂材料で形成されている場合には、50
〜200℃程度であればよい。
【0032】加熱軟化手段としては、赤外線輻射、熱風
吹き付け、誘電加熱、加熱ローラ(ゴム、金属等)で押
圧する、等の手法を用いたものを使用できる。また、吸
引工程では、転写層で塞がれている突板の導管溝内に残
った空気を、真空ポンプ等からなる吸引手段により、転
写シート積層面とは反対側の面(裏面)から前記突板を
介して真空吸引して排除する。この場合、前記したよう
に、転写層は加熱軟化されているので、真空吸引により
転写層が突板の導管溝等の凹部の内面に沿うように密着
する。
【0033】支持体シートを剥離する剥離工程は、接着
積層工程後、加熱軟化工程及び吸引工程を経ることなく
行ってもよいし、加熱軟化工程及び吸引工程終了後、次
工程(塗装工程等)まで行わないで支持体シートを保護
シートとして残しておいてもよい。
【0034】なお、前記剥離工程終了後において、必要
に応じて、転写層表面に塗装を行ってもよい。使用する
塗料は、転写層を透視可能な着色又は無色透明のものを
用いることが望ましい。樹脂(バインダー)系として
は、繊維素系樹脂(硝化綿、酢酸セルロース等)、2液
硬化ポリウレタン樹脂、アミノアルキッド樹脂、アクリ
ル樹脂、弗素樹脂等を用いることができる。塗布厚は通
常1〜100μm程度である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る突板
化粧材の製造方法を実施するための突板化粧材製造装置
の一実施形態を概略的に示している。
【0036】本実施形態の突板化粧材製造装置Aは、基
本的には、帯状の連続シートとされる突板10の表面に
転写シート1を接着して積層した後、転写シート10の
うちの支持体シート2のみを剥離して、表面に転写層6
が転移された突板化粧材10' を得るようにされてい
る。
【0037】本実施形態においては、前記転写シート1
は、図2に示されている如くに、熱可塑性樹脂の支持体
シート2上に転写層6が剥離可能に積層されてなる。転
写層6は、それ自体は公知のものが使用されており、支
持体シート2側から、順次、剥離層3、樹脂バイダーを
含むインキからなる木目柄の装飾層4、及び接着剤層5
をグラビア印刷等により順次積層したものであり、これ
ら転写層はいずれも常温(室温乃至は使用環境温度。通
常は最高80℃程度に設定)以下の温度で固体の樹脂バ
インダーからなる。その厚みは、3〜50μm程度とな
っている。
【0038】また、突板10は、図5に示されている如
くに、その表面には、多数の導管溝12、12、…が形
成されており、その厚みは150μm程度である。この
突板10の裏面(反転写側)には、不織布15(図3参
照)が裏打ちされている。
【0039】ここでは、巻取ロールBRの状態から巻き
出された突板10は、ローラ類26、23(これは圧胴
を兼ねる)、27、34、29により案内されながら略
水平に搬送されて、最終的には、転写層6が接着積層さ
れた突板化粧材10' として巻き取られる(巻取ロール
CR)。
【0040】すなわち、巻取ロールBRの状態から巻き
出された突板10は、まず、最上流に配置された上下一
対の送り案内ローラ26、26間に通される。前記送り
案内ローラ26、26間には、巻取ロールDRの状態か
ら巻き出された転写シート1も通され、この転写シート
1が前記送り案内ローラ26、26間において前記突板
10の表面に対接せしめられ、この状態で、接着積層手
段を構成するヒータ21付きの表面がシリコンゴム製の
ラミネートローラ20とバックアップローラ23間に通
されて加熱されると同時に押圧される。これにより、前
記突板10の表面に前記転写シート1が接着積層固定さ
れる(接着積層工程)。
【0041】このようにして、転写シート1が接着積層
された突板10は、十分冷却し、突板/転写層間の接着
力が、転写層/支持体シート間の接着力より大となる。
続いて、加熱軟化手段30を構成する赤外線輻射ヒータ
ー32、32、…が内蔵されたチャンバー31内に送り
込まれる。このチャンバー31には、前記転写シート1
が接着積層された突板10を通し得る程度のスリット状
の、適宜の気密手段(図示省略)が施された入口31a
及び出口31bが形成されるとともに、前記突板10の
裏面側(反転写シート積層面側)に位置するその底部に
は、吸引手段を構成する真空ポンプ40に接続された真
空吸引通路35が開口せしめられている。
【0042】上記チャンバー31内を通過する間に、前
記転写シート1は、前記赤外線輻射ヒーター32、3
2、…により、その上面側に位置する支持体シート2及
び転写層6の表面温度が軟化温度以上で熔融温度以下と
なるように、通常100〜150℃程度に加熱されて軟
化せしめられる(加熱軟化工程)。
【0043】これと同時並列的に、前記真空ポンプ40
により、前記突板10における導管溝12、12、…が
形成されている前記転写シート積層面とは反対側の面
(裏面)から前記導管溝12、12、…の内部に残って
いる空気が突板10を介して真空吸引される(吸引工
程)。
【0044】これにより、導管溝12、12、…内の空
気が突板裏面側から真空吸引通路35及び真空ポンプ4
0を介して外部に排除され、加熱軟化している転写シー
ト1のうちの突板10から浮いている(接着されていな
い)導管溝12、12、…部分は空気が排除された導管
溝12、12、…の内周面に沿うように延伸せしめられ
てそれに密着する(図3参照)。
【0045】そして、前記チャンバー31を出た後は、
冷却空気吹出ノズル46、46、…をケーシング47内
に内蔵した冷却装置45により冷却せしめられた後、転
写シート構成部材のうちの支持体シート2が、剥離手段
を構成する剥離ローラ28及び転写シート巻取ロールE
Rにより、前記転写層6から剥離せしめられ(剥離工
程)、これによって、転写層6が接着積層された突板化
粧材10' (10+6)が得られる。なお、剥離工程終
了後において、必要に応じて、転写層6表面に塗装を行
ってもよい。
【0046】このようにされることにより、加熱軟化工
程及び真空吸引工程により導管溝12、12、…内の空
気が吸引排除されてそこには残留しなくなるとともに、
図3に示される如くに転写層6が突板10の導管溝1
2、12、…内面に沿うように密着するので、得られた
突板化粧材10' においては、突板10の持つ導管溝形
状が出現し、リアル感が増す。従って、生産性の低下や
接着不良等を招くことなく、また、柄抜けしたように見
える部分を生じさせることなく、高品質で意匠性の優れ
た突板化粧材を得ることができる。このような作用効果
を確認すべく、図1の装置を用いて下記条件の基で比較
実験を行った。
【0047】(1) 本発明方法装置 転写シート1・・・支持体シート2は、厚みが25μ
mのポリエステルフィルム〔(株)ダイアファイル
製〕。転写層6は、支持体シート2に、順次、アクリル
樹脂系の剥離層3〔(株)昭和インク工業所製で厚み3
μm〕、アクリル樹脂と塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
樹脂との1対1の重量比温物をバインダーとし、これに
顔料を添加したインキからなるオーク柄の装飾層4
〔(株)昭和インク工業所製で厚み2μm〕、塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合樹脂の接着剤層〔(株)昭和イン
ク工業所製で厚み10μm〕を全面にグラビア印刷した
もの。
【0048】突板10・・・ウレタン樹脂系を下地層
〔(株)浜二ペイント製〕として2g/m2 表面塗装し
た厚み200μmの導管溝を有するラワン単板裏面にビ
ニロン不織布を裏打ちしたもの。
【0049】接着積層工程・・・130℃×5m/分
で転写。 加熱軟化工程・・・赤外線輻射ヒーター32、32、
…で、支持体シート2及び転写層6の表面温度を120
℃に加熱。 吸引工程・・・真空ポンプ40により、前記突板10
における導管溝12、12、…が形成されている前記転
写シート積層面とは反対側の面(裏面)から真空吸引。
【0050】(2) 比較例 上記と同一の転写シート1及び突板10を用い、前記吸
引工程を行わないこと以外は上記実施形態と同じ。
【0051】(3) 比較実験結果 本発明方法装置の実施形態では、図3に示される如く
に、転写層6が突板10の導管溝12、12、…の内面
に沿うように密着しており、得られた突板化粧材10'
は、突板10の持つ導管溝形状が出現し、意匠性も良好
であったのに対し、比較例では、図4に示される如く
に、導管溝12、12、…部分に空気が残っており、転
写層6は導管溝12、12、…部分で浮いていて密着不
良であり、得られた突板化粧材は、導管溝12、12、
…が光っており、本発明によるものに比して意匠性が劣
るものであった。
【0052】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に係る突板化粧材の製造方法及び装置によれば、加熱
軟化工程及び真空吸引工程により導管溝内等の空気が吸
引排除されてそこには残留しなくなるとともに、転写層
が突板の導管溝内面に沿うように密着するので、得られ
た突板化粧材においては、突板の持つ導管溝形状が出現
し、リアル感が増す。従って、生産性の低下や接着不良
等を招くことなく、また、柄抜けしたように見える部分
を生じさせることなく、高品質で意匠性の優れた突板化
粧材を得ることができるという優れた効果がえられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る突板化粧材の製造方法を実施する
ための突板化粧材製造装置の一実施形態を概略的に示す
図。
【図2】本発明の突板化粧材の製造方法に使用される転
写シートの一例を示す部分断面図。
【図3】本発明に係る突板化粧材製造方法により得られ
た突板化粧材を示す部分断面図。
【図4】比較例の突板化粧材製造方法により得られた突
板化粧材を示す部分断面図。
【図5】突板を示す部分拡大斜視図。
【図6】従来の突板化粧材の製造方法の説明に供される
図。
【図7】従来の突板化粧材の製造方法の説明に供される
図。
【符号の説明】
1 転写シート 2 支持体シート 3 剥離層 4 装飾層 5 接着剤層 6 転写層 10 突板 12 導管溝 20 ラミネートローラ 32 赤外線輻射ヒーター 40 真空ポンプ BR、CR 突板巻取ロール DR、ER 転写シート巻取ロール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂の支持体シート上に常温で
    固体の熱可塑性樹脂のバイダーを含むインキからなる装
    飾層を有する転写層が剥離可能に積層されてなる転写シ
    ートを通気性を有する帯状又は枚葉シート状の突板上に
    接着して積層する接着積層工程と、 前記転写シートを加熱して軟化させる加熱軟化工程と、 前記突板における導管溝等が形成されている前記転写シ
    ート積層面とは反対側の面から前記導管溝等の内部に残
    っている空気を突板を介して真空吸引する吸引工程と、 前記転写シート構成部材のうちの前記支持体シートを前
    記転写層から剥離する剥離工程と、を含んで構成された
    突板化粧材の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記接着積層工程後に前記加熱軟化工程
    を行い、この加熱軟化工程と同時並列的に又は該加熱工
    程以後に前記吸引工程を行い、この吸引工程終了後に前
    記剥離工程を行うことを特徴とする請求項1に記載の突
    板化粧材の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂の支持体シート上に常温で
    固体の熱可塑性樹脂のバイダーを含むインキからなる装
    飾層を有する転写層が剥離可能に積層されてなる転写シ
    ートを通気性を有する帯状又は枚葉シート状の突板上に
    接着して積層する接着積層手段と、 前記転写シートを加熱して軟化させる加熱軟化手段と、 前記突板における導管溝等が形成されている前記転写シ
    ート積層面とは反対側の面から前記導管溝等の内部に残
    っている空気を突板を介して真空吸引する吸引手段と、 前記転写シート構成部材のうちの前記支持体シートを前
    記転写層から剥離する剥離手段と、を具備してなる突板
    化粧材の製造装置。
  4. 【請求項4】 前記突板の送り方向で見て前記接着積層
    手段より下流側に前記加熱軟化手段及び吸引手段が配置
    されるとともに、前記加熱軟化手段及び吸引手段よりさ
    らに下流側に前記剥離手段が配置されていることを特徴
    とする請求項3に記載の突板化粧材の製造装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6764570B2 (en) 2001-08-27 2004-07-20 Chun-Hsien Lee Method and apparatus for bonding a coating to a web of cloth or foam
JP2006144182A (ja) * 2004-11-22 2006-06-08 Komura Yoshitaka 帯状物、帯状物への意匠付与方法
JP2006347097A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Dainippon Printing Co Ltd 転写方法

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