JPH10235809A - ストレッチ包装用フィルム - Google Patents

ストレッチ包装用フィルム

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JPH10235809A
JPH10235809A JP9040649A JP4064997A JPH10235809A JP H10235809 A JPH10235809 A JP H10235809A JP 9040649 A JP9040649 A JP 9040649A JP 4064997 A JP4064997 A JP 4064997A JP H10235809 A JPH10235809 A JP H10235809A
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晃司 市村
Ryoichi Shimizu
良一 清水
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孝治 永野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適な粘着性、耐突刺性、耐衝撃性、ラッピ
ング性、耐候性、機械的操作性の優れたストレッチ包装
用フィルムを提供する。さらに、牧草用で全光線透過率
70%以下のストレッチ包装用フィルムを提供する。 【解決手段】 エチレン−酢酸ビニル共重合を主成分と
して、ポリブテン3〜10重量%を含む組成物からなる
第1層と、特定の密度、メルトフローレート、メルトフ
ロレート比、分子量分布、TREFにより得られる溶出
温度に対する溶出量の標準偏差σを有するエチレン−α
−オレフィン共重合体を主成分として、ポリブテン3〜
10重量%を含む組成物からなる第2層とを積層してな
るストレッチ包装用フィルム。さらに、牧草用で全光線
透過率70%以下であるストレッチ包装用フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、最適な粘着性、耐
突刺性、耐衝撃性、ラッピング性、機械操作性の優れた
ストレッチ包装用フィルムに関するものである。特に、
馬や牛の飼料として用いられるロールベール状にした牧
草を牧草用ラッピングマシーン等を用いてストレッチ包
装し、発酵により栄養価の高いサイレージを得るのに適
している隠蔽性を有する牧草用に好適なストレッチ包装
用フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ストレッチ包装用フィルムの問題点が軽
減された高品質のストレッチ包装用フィルムとして、例
えば、特公平2−12187号公報や特公平2−189
83号公報記載のストレッチ包装用フィルムがある。こ
れは、エチレン−α―オレフィン共重合体を主成分とす
る第1層と、エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分と
する第2層からなり、必要に応じて、オレイン酸アミド
等の滑剤、タルク、シリカ等の無機充填剤、ポリブテン
の低分子粘着物質等の粘着剤が少量添加された2層構造
のストレッチ包装用フィルムである。メタロセン系触媒
を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂を用いたフィルムとして特開平7−314624号
公報記載の熱可塑性樹脂からなる層とメタロセン系触媒
を用いて製造されたエチレン−α−オレフィン共重合体
樹脂からなる層の共押出フィルムがある。牧草用ストレ
ッチフィルムとしては、特開平5−169599号公報
記載の牧草用ストレッチフィルムがある。エチレン−α
―オレフィン共重合体である線状低密度ポリエチレンを
主成分として高圧法ポリエチレン、TiO2 又はカーボ
ン、およびポリブテンを混合した第1層と、エチレン−
酢酸ビニル共重合体を主成分として、ポリブテンを混合
した第2層からなる2層構造の牧草用ストレッチフィル
ムである。
【0003】ストレッチ包装用フィルムによる牧草をロ
ールベール状に包装する方法が近年になり普及し始め
た。この方法は、機械が大型化するが、収穫からサイレ
ージ調製まで一人作業が可能で、人手不足の酪農家の間
に浸透しつつある。このロールベール包装方法は、ベー
ル状にした原料牧草をストレッチ包装用フィルムで密閉
包装する場合、良好な包装がなされると数時間でベール
内が嫌気性に変わる。
【発明が解決しようとする課題】
【0004】ストレッチ包装用フィルムを物品の包装に
使用するには以下の問題点を解決する必要がある。 (1)粘着性が低いと、包装時皺が入りやすく、密閉性
が悪く成る。 (2)耐突刺性、耐衝撃性が低いと、包装した内容物と
の接触により穴が空き易くなる。
【0005】さらに、ストレッチ包装用フィルムを牧草
用として用いる場合、例えば、牧草をロールベール状に
包装する方法に使用するには以下の問題点を解決する必
要がある。 (1)サイレージ調製時、粘着性が低いと密着性が悪く
包装時皺が入りやすく、空気が混入してベール内が嫌気
性にならなかったり、一旦嫌気性になっていたものが再
度好気性に変わって腐敗が起こり家畜の飼料として使用
できなくなることがある。 (2)耐突刺性、耐衝撃性が低いと、ロールベール包装
では牧草の茎等によりフィルムに穴が空き易くなるた
め、発酵が良好に行われず質の良いサイレージが得られ
にくくなる。 (3)牧草をロールベール包装後屋外に放置してサイレ
ージを調製する場合、隠蔽性を解決する必要がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、前述の問題点
を解決すべく成されたものであり、 (A−1)エチレン−酢酸ビニル共重合体を主成分とし
て (A−2)ポリブテン3〜10重量%を含む組成物から
なる第1層と (B−1)エチレン−α−オレフィン共重合体を主成分
として (B−2)ポリブテン3〜10重量%を含む組成物であ
って当該(B−1)エチレン−α−オレフィン共重合体
が、下記の特性を有することを特徴とする第2層とを積
層してなるストレッチ包装用フィルムを提供するもので
ある。
【0007】(B−1)エチレン−α−オレフィン共重
合体: (B−1−1)密度(d)=0.880〜0.960
(g/cm3 ) (B−1−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
トフローレート (MFR2.16)=0.01〜200 (g/10分) (B−1−3)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
トフローレート(MFR2.16と 190℃、21.6Kg荷重
におけるメルトフローレート(MFR21.6)との比 (MFR21.6)/(MFR2.16) =10〜20 (B−1−4)分子量分布(Mw/Mn)=2.0〜4.
0 (B−1−5)TREFにより得られる溶出温度に対す
る溶出量の標準偏差σ≦17
【0008】好ましくは、牧草用で全光線透過率が70
%以下であるストレッチ包装用フィルムを提供するもの
である。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のストレッチ包装用フィル
ムの組成物の(B−1)成分であるエチレン−α−オレ
フィン共重合体は、下記の特定範囲を有しているもので
ある。
【0010】(B−1)エチレン−α−オレフィン共重
合体: (B−1−1)密度(d)=0.880〜0.960
(g/cm3 )、好ましくは0.900〜0.940(g/c
m3) 、さらに好ましくは0.910〜0.930 (B−1−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
トフローレート (MFR2.16) =0.01〜200(g/10分)、好ましくは
0.1〜20(g /10分) (B−1−3)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
トフローレート(MFR2.16)と190℃、21.6Kg荷重
におけるメルトフローレート(MFR21.6) との比 (MFR21.6)/(MFR2.16) =10〜20 (B−1−4)分子量分布 (Mw/Mn) =2.0〜
4.0、好ましくは2.0〜3.7 (B−1−5)TREFにより得られる溶出温度に対す
る溶出量の標準偏差σ≦17、好ましくはσ≦16
【0011】上記の特性のうち、 (1)密度が上記の範囲より小さいと、繰り出し時にフ
ィルムが伸びてしまい良好なラッピング特性が得られ
ず、上記の範囲より大きいと、突刺強度が低下する。
【0012】(2)MFR2.16 が上記の範囲より小さい
と、流動性が悪く成形が困難になり、上記の範囲より大
きいと、機械的強度が悪くなる。
【0013】(3)(MFR21.6)/(MFR2.16)が上記の範囲
より大きいと、機械的物性が悪くなる。
【0014】(4)分子量分布(Mw /Mn )が上記の
範囲より大きいと、機械的物性が悪くなる。
【0015】(5)溶出温度に対する溶出量の標準偏差
σが上記の範囲より大きいと、ラッピング時のフィル
ムを繰り出す抵抗が大きくなり、フィルムが切断し易く
なる。
【0016】本発明の第2層の(B−1)のエチレン−
α−オレフィン共重合体としては、エチレンとα−オレ
フィンとの共重合体が挙げられる。例えば、エチレンと
α−オレフィンとをアルミナ又はシリカ−アルミナに担
持した酸化クロム等の触媒を用いて重合することによっ
て得られるフィリップス法エチレン−α−オレフィン共
重合体、アルミナに担持した酸化モリブデン等の触媒を
用いて重合することによって得られるスタンダード法エ
チレン−α−オレフィン共重合体、遷移金属化合物と有
機金属化合物よりなるチーグラー系触媒を用いて重合す
ることによって得られるエチレン−α−オレフィン共重
合体などが挙げられる。また、メタロセン触媒系などの
いわゆるシングルサイト触媒の存在下に重合して得られ
たエチレンとα−オレフィンとの共重合体が挙げられ
る。
【0017】エチレンとα−オレフィンとの共重合体の
α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン-1、ペン
テン-1、ヘキセン-1、4-メチルペンテン-1、オクテン-1
などの炭素数3〜10のα−オレフィンが挙げられる。
【0018】エチレンとα−オレフィンとの共重合体中
のα−オレフィンから誘導される繰り返し単位は、通
常、30重量%以下、好ましくは25重量%以下、さら
に好ましくは20重量%以下含まれている。α−オレフ
ィンは、エチレン−α−オレフィン共重合体中に単独で
あっても、二種以上含まれていてもよい。
【0019】シングルサイト系触媒としては、周期律表
第IV又はV族遷移金属のメタロセン化合物と、有機アル
ミニウム化合物及び/又はイオン性化合物の組合せが用
いられる。
【0020】周期律表第IV又はV族遷移金属としては、
チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(H
f)、バナジウム(V)などが好ましい。
【0021】そのメタロセン化合物とは、少なくとも一
個のシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニ
ル基、ヒドロカルビル珪素などによって架橋されたも
の、さらにシクロペンタジエニル基が酸素、窒素、燐原
子に架橋されたものを配位子とする公知のメタロセン化
合物をいずれも使用できる。
【0022】これらのメタロセン化合物の具体例として
は、ジメチルシリル(2,4- ジメチルシクロペンタジエニ
ル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニル) ジルコニウ
ムジクロライド、ジメチルシリル(2,4- ジメチルシクロ
ペンタジエニル)(3',5'-ジメチルシクロペンタジエニ
ル) ハフニウムジクロライドなどのケイ素架橋型メタロ
セン化合物、エチレンビスインデニルジルコニウムジク
ロライド、エチレンビスインデニルハフニウムジクロラ
イド、エチレンビス(メチルインデニル)ジルコニウム
ジクロライド、エチレンビス(メチルインデニル) ハフ
ニウムジクロライドなどのインデニル系架橋型メタロセ
ン化合物を挙げることができる。
【0023】本発明でメタロセン化合物との組合せで用
いられる有機アルミニウム化合物としては、一般式、(-
Al(R)O-)nで示される直鎖状、あるいは環状重合体
(Rは炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲ
ン原子及び/またはRO基で置換されたものも含む。n
は重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)
であり、具体例としてRがそれぞれメチル、エチル、イ
ソブチル基である、メチルアルモキサン、エチルアルモ
キサン、イソブチルエチルアルモキサンなどが挙げられ
る。
【0024】さらに、その他の有機アルミニウム化合物
としては、トリアルキルアルミニウム、ジアルキルハロ
ゲノアルミニウム、セスキアルキルハロゲノアルミニウ
ム、アルケニルアルミニウム、ジアルキルハイドロアル
ミニウム、セスキアルキルハイドロアルミニウムなどが
挙げられる。
【0025】イオン性化合物としては、一般式、A+・
C−で示され、A+は有機化合物、有機金属化合物、あ
るいは無機化合物の酸化性のカチオン、またはルイス塩
基とプロトンからなるブレンステッド酸であり、メタロ
セン配位子のアニオンと反応してメタロセンのカチオン
を生成することができる。C−はイオン性化合物のアニ
オン成分である。それらの具体例としては、特開平4−
253711号公報、特開平4−305585号公報、
特公表平5−507756号公報、特公表5−5029
06号公報に記載されたようなものを用いることができ
る。
【0026】特に、テトラキス(ペンタフルオロフェニ
ル)ボレートアニオンとトリフェニルカルボニウムカチ
オンあるいはジアルキルアニリニウムカチオンとのイオ
ン化合物が好ましい。これらのイオン化合物は、前記の
有機アルミニウム化合物と併用することができる。
【0027】シングルサイト系触媒によるエチレンとα
−オレフィンとの共重合方法としては、良く知られた各
種の方法を採用でき、不活性ガス中での流動床式気相重
合あるいは攪拌式気相重合、不活性溶媒中でのスラリー
重合、モノマーを溶媒とするバルク重合などが挙げられ
る。
【0028】本発明においては、第2層の(B−1)成
分であるエチレン−α−オレフィン共重合体は、50重
量%以上、好ましくは70重量%、さらに好ましくは8
0重量%以上含まれることが好ましい。
【0029】上記エチレン−α−オレフィン共重合体が
50重量%未満では、耐突刺性、耐衝撃性が十分でな
い。
【0030】本発明においては、第2層の(B−1)成
分であるエチレン−α−オレフィン共重合体に、さらに
好ましくは高圧法低密度ポリエチレンが含まれていても
よい。
【0031】高圧法低密度ポリエチレンは、好ましくは
一般的に知られている高圧法低密度ポリエチレンエチレ
ンであり、例えば、高圧下でラジカル重合することによ
って製造したものを挙げることができる。
【0032】高圧法低密度ポリエチレンは、第2層の
(B−1)成分であるエチレン−α−オレフィン共重合
体に、好ましくは30重量%以下、特に好ましくは20
重量%以下含むことができる。
【0033】高圧法低密度ポリエチレンは、下記の特性
をさらに有するものが好ましい。 (1)190℃、2.16Kg荷重におけるメルトフロー
レイト (MFR2.16)=0.1〜50(g/10min) 、さらに好まし
くは0.1〜40(g/10min) 、特に好ましくは0.2
〜5(g/10min) (2)密度(C)=0.910〜0.940(g/cm3) 、
さらに好ましくは0.915〜0.935(g/cm3) (3)分子量分布(Mw /Mn )=4〜30
【0034】上記特性のうち、 (1)メルトフローレート(MFR2.16) が上記の範囲より
小さいと、成形性、包装適性、エチレン−α−オレフィ
ン共重合体との分散性が悪くなる。上記の範囲より大き
いと、強度の低下が起きるので好ましくない。
【0035】本発明の第1層の(A−1)エチレン−酢
酸ビニル共重合体は、下記の特定範囲の物性を有してい
るものが好ましい。 (A−1−1)酢酸ビニル含有量3〜25重量%、好ま
しくは6〜20重量% (A−1−2)190℃、2.16kg荷重におけるメル
トフローレート (MFR2.16)=0.3〜3(g/10分) 、好ましくは0.5
〜3(g/10分)
【0036】上記特性のうち、 (1)酢酸ビニル含有量が上記の範囲より小さいと得ら
れるフィルムが固くて伸び難く、破れやすくなり粘着性
も低下する。上記の範囲より大きいとフィルム表面の粘
着性が大きくなり過ぎるとともに強度が低下する。
【0037】(2)メルトフローレート(MFR2.16)が上
記の範囲より小さいとフィルムが伸び難く、包装時に破
れ易くなる。上記の範囲より大きいとフィルムの最終的
な破断強度が小さくなる。
【0038】本発明においては、第1層の(A−1)成
分であるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、好ましくは
70重量%以上、さらに好ましくは80重量%、特に好
ましくは90重量%以上含まれることが好ましい。
【0039】上記エチレン−酢酸ビニル共重合体が70
重量%未満では、粘着性が十分でない。
【0040】本発明の第1層(A−2)、第2層(B−
2)の各層のポリブテンは、粘着剤として各層に添加
し、下記の特定範囲の物性を有しているものが好まし
い。
【0041】平均分子量500〜3000のものが良好
な粘着性を示すので好ましい。粘着性は、フィルムの厚
みおよび添加量に依存する。ポリブテンの添加量は、3
〜10重量%が好適である。3重量%より小さいと粘着
不良が起こり、10重量%より大きいと強度が低下した
り粘着性が強すぎるため不良が生じる。
【0042】本発明のストレッチ包装用フィルムは、全
光線透過率を制御し隠蔽性を付与する場合、馬や牛の飼
料として用いられるロールベール状にした牧草を牧草用
ラッピングマシーン等を用いてストレッチ包装し、発酵
により栄養価の高いサイレージを得るのに好適な牧草用
として使用することが出来る。
【0043】本発明のストレッチ包装用フィルムは、牧
草用として用いる場合、全光線透過率は、70%以下、
さらに60%以下の範囲が好ましく、良好なサイレージ
調製が可能である。全光線透過率が70%を越えるとサ
イレージ調製時、牧草が変色したり発酵が不良になるな
ど問題がある。
【0044】本発明のストレッチ包装用フィルムは、牧
草用として用いる場合、全光線透過率を制御するため
に、着色成分は、1〜12重量%の範囲、さらに1〜1
0重量%、特に1〜9重量%で用いることが好ましい。
【0045】本発明のストレッチ包装用フィルムは、牧
草用として用いる場合、全光線透過率を制御するため
に、着色成分は第1層および/または第2層に加えるこ
とができ、好ましくは第2層に加えることが好ましい。
【0046】本発明のストレッチ包装用フィルムは、牧
草用として用いる場合、着色成分としては隠蔽性を付与
し、好ましくは耐候性を有するものであれば特に制限さ
れるものではない。着色成分としては、TiO2 、カー
ボンブラック、フタロシアニングリーン、フタロシアニ
ンブルーなどを挙げることが出来る。特に、TiO2
カーボンブラックが好ましく用いることができる。
【0047】本発明のストレッチ包装用フィルムは、牧
草用として用いる場合、隠蔽性は、上記粘着性と同様フ
ィルムの厚みおよび着色剤の添加量に依存性がある。例
えば、フィルムの総厚みが25μmで第2層の厚みが1
7μmのストレッチ包装フィルムにおいて、全光線透過
率を制御するためにTiO2 を用いる場合、良好な隠蔽
性が得られるTiO2 の添加量はおよそ4.5〜6重量
%の範囲が好ましい。これを、通常牧草用として考えら
れる厚み10〜50μmについて当てはめてみると、最
適な添加範囲は、1.8〜12重量%であり、好ましく
は1.8〜8重量%、さらに好ましくは3〜8重量%で
ある。
【0048】全光線透過率を制御するためにカーボンを
用いる場合、フィルムの総厚みが25μmで第2層の厚
みが17μmのストレッチ包装フィルムにおいて、良好
な隠蔽性およびフィルムの耐熱性が得られるカーボンの
添加量はおよそ2.0〜2.8重量%の範囲が好まし
い。これを、通常牧草用ストレッチ包装フィルムとして
考えられる厚み10〜50μmについて当てはめてみる
と、最適な添加範囲は、1.2〜8.2重量%であり、
好ましくは1.8〜8重量%、さらに好ましくは1.8
〜5重量%である。
【0049】本発明の第1層、第2層に用いる各組成物
は、各成分をバンバリーミキサー、ロールミキサー、ニ
ーダー、高速回転ミキサー、押出機等の各種混練機、好
ましくは単軸もしくは2軸押出機を用いて混合・混練し
たものを用いることが出来る。また、インフレーション
成形又はTダイ成形加工時に混練したものを用いること
が出来る。
【0050】本発明のストレッチ包装用フィルムの層の
構成は、第1層と第2層とからなる層を含む限りなんら
制限されるものではない。第1層と第2層の間にさらに
1層以上の層を設けたり、第2層の外側に層を設け、3
層以上の多層フィルムを形成することもできる。
【0051】本発明のストレッチ包装用フィルムは、第
1層と第2層との厚みが、5〜100μm、好ましくは
10〜100μm、さらに好ましくは20〜100μm
の範囲が好ましい。
【0052】本発明のストレッチ包装用フィルムの製造
方法はについては特に制限はなく、従来多層フィルムの
製造に慣用されている方法、例えば、インフレーション
フィルム成形法、Tダイフィルム成形法などを用いるこ
とが出来る。
【0053】本発明のストレッチ包装用フィルムは、第
1層、第2層のいずれか、あるいは全層に、必要に応じ
て、滑剤、アンチブロッキング剤、酸化防止剤、紫外線
吸収剤、熱安定剤、難燃剤、無機・有機充填剤、帯電防
止剤などを添加することができる。
【0054】
【実施例】特性値は次のようにして測定した。
【0055】各層を構成する成分の特性の測定方法を示
す。 [密度]JIS K7112に準拠して、190℃、2
1.6Kg荷重におけるメルトフローレイト(MFR) 測定
時に得られるストランドを100℃で1時間熱処理し、
1時間かけて室温まで徐冷したサンプルを密度勾配管を
用いて測定した。 [メルトフローレイト(MFR2.16) ]JIS K721
0に準拠して、メルトインデクサーを用いて、190℃
における2.16Kg荷重での10分間にストランド状に
押し出される樹脂の重量を測定することにより求めた。 [メルトフロー比(MFR21.6)/(MFR2.16)]上記(2)の
方法と同様にしてして、21.6Kg荷重で求めた樹脂の
重量を上記(2)で求めた樹脂重量で除した値である。 [分子量分布]測定装置としてWATERS 150C
Vを用い、カラムPLMixed B、温度135℃、溶媒o
−ジクロルベンゼンの条件で測定した。 [TREFにより得られる溶出温度に対する溶出量の標
準偏差 σ]三菱化学社製のクロス分別装置 CFC
T150−Aを使用し、下記の条件により、1℃きざみ
の溶出微分プロットを得た。得られた溶出微分プロット
から溶出温度に対する溶出量の標準偏差 σを求めた。
TREFは、Temperature Rising
Elution Fractionの略称である。 測定条件:カラム Shodex AT−80M/S×
3本 溶媒 o−ジクロルベンゼン 検出器 赤外吸光検出法 溶出温度 0〜135℃ 28フラクション データ処理方法 クロス分別装置 CFC T150−
Aに付属のものを使用した。
【0056】実施例、比較例で得られるフィルムの特性
値の測定方法を示す。 [ダートインパクト(gf)]JIS K7124 A法
に準じて行った。 [突刺し強度(Kgf )]インテスコ2005型にて、2
mmφの棒を用いて突刺し速度500mm/minで測
定した。 [破断点強度(Kgf/cm2)]ASTM D882の引張
試験に準じて行った。 [引裂強度(Kgf/cm)]JIS K7128 B法に準
じて行った。 [全光線透過率(%)]JIS K7105に準じて行
った。 [粘着力(gf/8cm)]フィルム原反(500mm幅)を
8cm幅の短冊状に切り取り、引張試験機で500mm
/minの速度で剥離した時の強度 [ラッピング特性](株)タカキタ社製の牧草ベールラ
ッピングマシーンWM1500型を用いて、ラッピング
したときのフィルム原反(500mm幅)に対するラッ
ピングしたフィルム幅を測定した。フィルムが切れるこ
となくラッピングでき、ラッピング後のフィルム幅がフ
ィルム原反幅の70%以上保持している場合を良と判定
した。
【0057】(実施例1)第1層の組成物として、表1
に示したエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリブテンと
を表3に示した重量比で用いた。第2層の組成物とし
て、表1に示したエチレン−α−オレフィン共重合体と
低密度ポリエチレン、着色成分として表2に示した着色
マスターバッチMB1、およびポリブテンとを加え表3
に示した重量比で用いた。第1層を8μm、第2層を1
7μmの厚み比率でフィルム状に押出成形し、ロール状
に巻き取りフィルム原反を得た。得られたフィルムとフ
ィルム原反の特性を表4に示した。
【0058】実施例1で得られたフィルムは、ダートイ
ンパクト、突刺し強度、MD方向の破断点強度と引裂強
度が良くストレッチ包装用フィルムとして十分な特性を
有することがわかった。また、このフィルムを牧草包装
用ラッピングマシーンを用いて包装したところ、フィル
ムが切れることなくラッピングでき、フィルムの皺が非
常に少なく良いサイレージができ、牧草用として十分な
特性を有することがわかった。
【0059】(実施例2、3、および比較例1)第2層
の組成物として、表1に示したエチレン−α−オレフィ
ン共重合体と低密度ポリエチレンおよび表2に示した着
色成分とを表3に示した重量比で用いた以外は、実施例
1と同様の方法で押出成形し、ロール状に巻き取りフィ
ルム原反を得た。得られたフィルムとフィルム原反の特
性を表4に示した。
【0060】実施例2および3で得られたフィルムは、
実施例1と同様にストレッチ包装用フィルム、さらに牧
草用として十分な特性を有することがわかった。比較例
1で得られたフィルムは、ダートインパクト、突刺し強
度が十分でなく、ラッピング時にフィルムの切れが発生
し、ストレッチ包装用フィルム、さらに牧草用としての
特性がないことがわかった。
【0061】(実施例4)第2層の組成物として、表1
に示したエチレン−α−オレフィン共重合体を表3に示
した重量比で用いた以外は、実施例1と同様の方法で押
出成形し、ロール状に巻き取りフィルム原反を得た。得
られたフィルムとフィルム原反の特性を表4に示した。
実施例4で得られたフィルムは、実施例1と同様にスト
レッチ包装用フィルム、さらに牧草用として十分な特性
を有することがわかった。
【0062】(実施例5)第2層の組成物として、表1
に示したエチレン−α−オレフィン共重合体と低密度ポ
リエチレン、および表2に示した着色成分とを表3に示
した重量比で用いた以外は、実施例1と同様の方法で押
出成形し、ロール状に巻き取りフィルム原反を得た。得
られたフィルムとフィルム原反の特性を表4に示した。
実施例5で得られたフィルムは、実施例1と同様にスト
レッチ包装用フィルム、さらに牧草用として十分な特性
を有することがわかった。
【0063】(実施例6,7)第1層の組成物として、
表1に示したエチレン−酢酸ビニル共重合体とポリブテ
ンを表3に示した重量比で用いた。第2層の組成物とし
て、表1に示したエチレン−α−オレフィン共重合体と
低密度ポリエチレン、着色成分として表2に示したMB
1、およびポリブテンとを加え表3に示した重量比で用
いた。第3層の組成物として、表1に示したエチレン−
α−オレフィン共重合体とポリブテンとを加え表3に示
した重量比で用いた。第1層を5μm、第2層を13μ
m、第3層を7μmの厚み比率でフィルム状に押出成形
し、ロール状に巻き取りフィルム原反を得た。得られた
フィルムとフィルム原反の特性を表4に示した。
【0064】実施例6および7で得られたフィルムは、
実施例1と同様にストレッチ包装用フィルム、さらに牧
草用として十分な特性を有することがわかった。
【0065】
【表1】
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】
【表4】
【0069】
【発明の効果】本発明のストレッチ包装用フィルムは、
最適な粘着性、耐突刺性、耐衝撃性、ラッピング性、機
械操作性が優ているものである。特に、牧草用に好適な
ストレッチ包装用フィルムは、馬や牛の飼料として用い
られるロールベール状にした牧草を牧草用ラッピングマ
シーン等を用いてストレッチ包装し、発酵により栄養価
の高い牧草包装を得るのに適している隠蔽性を有するも
のである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A−1)エチレン−酢酸ビニル共重合
    体を主成分として (A−2)ポリブテン3〜10重量%を含む組成物から
    なる第1層と (B−1)エチレン−α−オレフィン共重合体を主成分
    として (B−2)ポリブテン3〜10重量%を含む組成物であ
    って当該(B−1)エチレン−α−オレフィン共重合体
    が、下記の特性を有することを特徴とする第2層とを積
    層してなるストレッチ包装用フィルム。 (B−1)エチレン−α−オレフィン共重合体: (B−1−1)密度(d)=0.880〜0.960
    (g/cm3 ) (B−1−2)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
    トフローレート (MFR2.16) =0.01〜200(g/10分) (B−1−3)190℃、2.16Kg荷重におけるメル
    トフローレート(MFR2.16)と、190℃、21.6Kg荷
    重におけるメルトフローレート(MFR21.6)との比 (MFR21.6)/(MFR2.16) =10〜20 (B−1−4)分子量分布(Mw/Mn)=2.0〜4.
    0 (B−1−5)TREFにより得られる溶出温度に対す
    る溶出量の標準偏差σ≦17
  2. 【請求項2】 牧草用で全光線透過率が70%以下であ
    る請求項1記載のストレッチ包装用フィルム。
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