JPH10235600A - 積層枚葉材の雌型打ち抜き刃物と打ち抜き組刃物機構 - Google Patents

積層枚葉材の雌型打ち抜き刃物と打ち抜き組刃物機構

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JPH10235600A
JPH10235600A JP5694797A JP5694797A JPH10235600A JP H10235600 A JPH10235600 A JP H10235600A JP 5694797 A JP5694797 A JP 5694797A JP 5694797 A JP5694797 A JP 5694797A JP H10235600 A JPH10235600 A JP H10235600A
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sheet material
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cutting
cutter
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JP5694797A
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English (en)
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Fumiaki Nagase
文昭 永瀬
Kensaku Kadowaki
健作 門脇
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KADOWAKI SHIKI KOGYOSHO KK
Original Assignee
KADOWAKI SHIKI KOGYOSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 枚葉材製品の切断面を圧接圧着させないシャ
ープな切れ味を備え、かつ、刃体強度が十分に確保され
た雌型の打ち抜き刃物と、打ち抜き切断した枚葉材製品
を自動搬送する上で好適な打ち抜き組刃物機構とを提供
する。 【解決手段】 刃面の研磨角度が異なる第1及び第2の
刃体18,19を分散状に備えた雌型の打ち抜き刃物2
において、研磨角度Θ2 の小さい第1刃体18の刃先
を、研磨角度Θ1 の大きい第2刃体19の刃先bに対し
て漸次後退する溝状刃先aに形成し、この雌型打ち抜き
刃物2を可動ベース1に設け、固定ベース4には雄型刃
物5を設け、かつ、雌型打ち抜き刃物内に、積層枚葉材
7から打ち抜いた枚葉材製品7aの払い落とし機構8を
組み込み、雄型刃物5には枚葉材製品7aの押し上げ機
構9を組み込んで、打ち抜き組刃物機構を構成してい
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された多数枚
の枚葉材を打ち抜き切断するための環状の雌型打ち抜き
刃物と、この雌型打ち抜き刃物と雄型刃物または雄型受
け金具とを組み合わせて、積層枚葉材から枚葉材製品を
打ち抜き切断するようにした打ち抜き組刃物機構とに関
するものである。
【0002】
【従来の技術】紙、紙質材、プラスチックフイルム、金
属箔など市場にある枚葉材から、包装用やラベル、カー
ド等のような表示用などの枚葉材製品を打ち抜き切断す
るに際して、近年では、作業の効率向上化を図るため
に、例えば100枚〜500枚といったオーダーの多数
枚の枚葉材を積層して、この積層枚葉材から同時一度に
枚葉材製品を打ち抜き切断する手段が採用されている。
【0003】この積層枚葉材の従来の断裁は、予定した
枚葉材製品の形状と同一形状の環状刃物を用意して、こ
れを積層された枚葉材の上面に重ね置き、人力または油
圧、空気圧、モータ等の機械力を用いて、環状刃物を上
部から圧下させ、環状刃物を積層枚葉材に喰い込ませる
ことで、積層枚葉材から枚葉材製品を打ち抜き切断して
いた。
【0004】しかし、この断裁に使用している環状刃物
は、枚葉材製品と同寸法、同形状の鋼鉄製の環状物に対
して、それの外側面から内側面に向けて研磨された刃体
を設けたものであって、刃体の刃先を同一平面上に形成
していたがために、積層枚葉材の打ち抜き切断に際し
て、その積層枚葉材に刃先の全てが同時に接することか
ら、非常に大きな切断動力を必要としたのである。加え
て、プラスチックをはじめ金属箔などにあっては、切断
された枚葉材製品が切断面で圧接圧着されてしまうこと
から、これの防止策として、枚葉材の一葉毎に紙仮材を
挿入しているが、この紙仮材は最終的には不用なもので
あって、不経済であるばかりか、この不用な材料切断の
分、枚葉材の積層厚さを薄くしなければならない問題も
あった。
【0005】このような不都合を解消するための雌型打
ち抜き刃物が、実開平3−88697号公報によって提
案されている。ここに提案された雌型打ち抜き刃物は、
図4に示すように、ある研磨角度Θ1の刃面を有する第
1刃体21と、これよりも大きい研磨角度Θ3 の刃面を
有する第2刃体22とを分散状に配列して、研磨角度Θ
3 の大きい刃面の刃先cを、研磨角度Θ1 の小さい刃面
の刃先dに対して漸次後退する溝状刃先cに形成して成
り、この雌型の打ち抜き刃物を、例えばモータを駆動源
にして所定のタイミングで上下動される可動ベースに設
けることで、積層枚葉材から枚葉材製品を打ち抜き切断
することができる。
【0006】この雌型打ち抜き刃物による積層枚葉材の
切断に際しては、先ずは、刃物本体23の一端側に突出
した形状の第1刃体21が積層枚葉材に喰い込んで、積
層枚葉材を切断し始め、続いて漸次、第2刃体22の溝
状刃先cが積層枚葉材を切断することから、上述した従
来の断裁技術に比べて、積層枚葉材の切断動力が非常に
小さくて済む。しかも、第2刃体22の溝状刃先cが積
層枚葉材の葉面に対して傾斜していて、この溝状刃先c
が漸次、積層枚葉材を切断する際には、その傾斜した刃
先cが枚葉材を葉面方向に滑らせるように応力を加え
て、即ち、積層された枚葉材を互いに分離させる応力を
加えて枚葉材を切断することから、被切断材がプラスチ
ックや金属箔などであっても、切断された枚葉材製品が
切断面で圧接圧着されることが効果的に防止される。従
って、枚葉材の一葉毎に紙仮材を挿入する必要がないの
で、経済的であり、かつ、紙仮材を不要にする分、枚葉
材の積層枚数を厚くすることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、研磨角度の
小さい第1刃体21は、第2刃体22の先端部と一体に
なって、実質的に第2刃体22,22間から刃物本体2
3の一端側に突出した形状になっており、この突出した
刃体部分は、第2刃体22の残りの刃体部分に比べて強
度的に弱いものとなる。ここで、雌型打ち抜き刃物の切
断性の向上にとっては、刃面の研磨角度を出来るだけ小
さくすることが好適であることは言うまでもないが、第
1刃体21の刃面cの研磨角度Θ1 を小さくすればする
程、上記の突出した刃体部分の強度が比例的に低下して
刃物の寿命が短くなることから、上記技術の雌型打ち抜
き刃物においては、第1刃体21に所定の強度を有せし
めるように研磨角度Θ1 を設定した上で、第2刃体22
の研磨角度Θ3 を、この第1刃体21の研磨角度Θ1
りも大きく設定する必要がある。
【0008】しかし、このように角度設定した場合、第
2刃体22の刃面dの研磨角度Θ3が大きくなること
で、シャープな切れ味を損なうだけでなく、この第2刃
体22が積層枚葉材を押さえ付けるように切断すること
になる。この為、被切断材がプラスチックや金属箔など
であっても、枚葉材製品が切断面で圧接圧着されないよ
うに、折角、第2刃体22の刃先を溝状刃先cに形成し
ていながらも、この第2刃体22による枚葉材切断時の
押さえ付け力が、上述した溝状刃先cによる枚葉材分離
の力に打ち勝った場合に、枚葉材製品の切断面が圧接圧
着されてしまう問題があったのである。
【0009】更に、積層枚葉材から打ち抜き切断された
枚葉材製品は、雌型打ち抜き刃物内に密に嵌入してしま
うことから、この枚葉材製品の払い落としが極めて困難
なものであった。また、枚葉材製品を何らかの手段で雄
型刃物上に払い落としたとしても、この払い落とされた
枚葉材製品は雄型刃物の上面に接することから、枚葉材
製品を機械的に積層方向で挟んで、これを次工程に自動
搬送することも出来ないのであった。
【0010】本発明は、かゝる実情に鑑みて成されたも
のであって、請求項1記載の発明では、第1及び第2刃
体のそれぞれにシャープな切れ味を備えさせて、枚葉材
製品の切断面が圧接圧着される事態を効果的に回避させ
ながら、刃体のそれぞれに所定の強度を有せしめた打ち
抜き刃物を提供することを目的としている。請求項2記
載の発明では、打ち抜き組刃物機構において、積層枚葉
材から枚葉材製品をシャープに打ち抜き切断されるよう
にした上で、雌型の打ち抜き刃物内に枚葉材製品が密嵌
した場合であっても、この枚葉材製品を確実に払い落と
すことができるように、請求項3記載の発明では、請求
項2記載の打ち抜き組刃物機構において、払い落とされ
た枚葉材製品を浮かせるようにして、枚葉材製品を次工
程に自動搬送できるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】即ち、請求項1記載の発
明による積層枚葉材の雌型打ち抜き刃物においては、環
状の刃物本体の一端側に、刃面の研磨角度が異なる第1
及び第2の刃体を分散状に備え、かつ、研磨角度の小さ
い第1刃体の刃先が、研磨角度の大きい第2刃体の刃先
に対して漸次後退する溝状刃先を形成するように、この
第1刃体の刃面を溝状の研磨によって形成した点に特徴
がある。
【0012】上記の構成において、従来の雌型打ち抜き
刃物と肉厚が同じで同一直径のものの場合、図3に示す
ように、第2刃体19の研磨角度Θ1 を、図4に示した
従来例の第1刃体22に設定される研磨角度Θ1 に合わ
せて、強度上で問題のないシャープな切れ味が発現され
る角度に設定し、かつ、第1刃体18の研磨角度Θ
2を、この第2刃体19の研磨角度Θ1 よりも小さく設
定すれば、従来例の第1刃体18と同じ位の強度を第2
刃体19に有せしめながら、第1及び第2刃体18,1
9のそれぞれにシャープな切れ味を備えさせることがで
きる。従って、被切断材がプラスチックや金属箔などで
あっても、打ち抜き切断された枚葉材製品の切断面が圧
接圧着される事態が確実に回避される。
【0013】そして、第1刃体18については、これの
研磨角度Θ2 を第2刃体19の研磨角度Θ1 よりも小さ
くしながらも、この第1刃体18は、強度が充分に確保
された第2刃体19,18によって、その両側が保持さ
れていることに加えて、第1刃体18そのものが、環状
の刃物本体17の一端側に直接的に連設された剛性の高
い構成になっているので、この第1刃体18についての
強度も充分に確保される。
【0014】請求項2記載の打ち抜き組刃物機構におい
ては、請求項1記載の雌型打ち抜き刃物を可動ベースに
設け、この刃物の内周面形状に対応した雄型刃物、又
は、雌型打ち抜き刃物の内周面形状を比例縮小させた積
層枚葉材の受け金具を固定ベースに設け、かつ、雌型打
ち抜き刃物内に、積層枚葉材から打ち抜き切断した枚葉
材製品の払い落とし機構を組み込んで成る点に特徴があ
る。
【0015】かゝる構成によれば、強度が十分に確保さ
れたシャープな切れ味を備える請求項1記載の雌型打ち
抜き刃物を用いて、切断面が圧接圧着することのない枚
葉材製品を、積層枚葉材からシャープに打ち抜き切断す
ることができ、しかも、打ち抜き枚葉材製品が雌型打ち
抜き刃物内に密に嵌入したとしても、これが払い落とし
機構によって雄型刃物または積層枚葉材の受け金具上に
確実に払い落とされることになる。
【0016】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
打ち抜き組刃物機構において、雄型刃物または受け金具
に、雌型打ち抜き刃物内から払い落とされた枚葉材製品
の押し上げ機構を組み込んだ点に特徴を有し、かゝる構
成によれば、枚葉材製品が雄型刃物または受け金具の上
方に押し上げられることで、枚葉材製品を機械的に積層
方向で挟むことができるので、枚葉材製品を次工程に自
動搬送するが容易に可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は主要部を断面図示した打ち
抜き組刃物機構を示し、例えばモータを駆動源にして所
定のタイミングで上下動される可動ベース1に、切断形
状を予定した打ち抜き枚葉材製品と同一形状の環状の雌
型打ち抜き刃物2を、周方向に所定の間隔を隔てて複数
本のボルト3で固定し、固定ベース4には、雌型打ち抜
き刃物2の内周面形状に近似する雄型刃物5を複数本の
ボルト6で固定して、図2に示すように、可動ベース1
ひいては雌型打ち抜き刃物2を下降駆動させるに伴っ
て、雌型打ち抜き刃物2の内周面形状に沿った枚葉材製
品7aを、雄型刃物5上に重ね置かれた積層枚葉材7か
ら打ち抜き切断するように構成している。
【0018】そして、雌型打ち抜き刃物2の内部に押し
込まれた状態の枚葉材製品7aを、可動ベース1の上昇
駆動に伴って払い落とす枚葉材製品7aの払い落とし機
構8を雌型打ち抜き刃物2の内部に組み込む一方、払い
落とされた枚葉材製品7aの次工程への取り扱いを容易
にするために、この払い落とされた枚葉材製品7aの押
し上げ機構9を雄型刃物5に組み込んでいる。
【0019】枚葉材製品7aの払い落とし機構8は、抜
け止めストッパー10を備えた製品払い落とし金具11
を、可動ベース1に螺着のボルト12によって上下に遊
動可能に保持させ、かつ、可動ベース1を上昇させた無
負荷の状態で、製品払い落とし金具11を雌型打ち抜き
刃物2の下端部よりもやゝ突出させる付勢手段13を設
けて成るもので、枚葉材製品7aの打ち抜き切断後にお
ける可動ベース1の上昇に伴って、圧縮変形した付勢手
段13が初期の姿勢に弾性復帰することで、雌型打ち抜
き刃物2の内部に密嵌した枚葉材製品7aを雄型刃物5
上に払い落とすようになっている。
【0020】枚葉材製品7aの押し上げ機構9は、雄型
刃物5に対して、それの周方向の固定ボルト6,6間に
上下方向の貫通孔14を形成し、この貫通孔14に、下
部側を開口した中空状の押し上げ金具15を挿嵌し、か
つ、この押し上げ金具15の上端を雄型刃物5の上面よ
りもやゝ突出させる付勢手段16を設けて成るもので、
積層枚葉材7からの枚葉材製品7aの打ち抜き切断時に
は、その切断の応力を受けて押し上げ金具15が貫通孔
14内に没入することで、この押し上げ金具15が枚葉
材製品7aの打ち抜き切断を何ら阻害することはない。
そして、上記の払い落とし機構8によって払い落とされ
た枚葉材製品7aは、この押し上げ金具15によって浮
かせるように支持されるもので、この枚葉材製品7aを
機械的に積層方向で挟むことができることから、枚葉材
製品7aを次工程に自動搬送するが容易に可能となる。
尚、枚葉材製品7aの払い落とし機構8ならびに押し上
げ機構9に備える付勢手段13,16として、スプリン
グを図示しているが、所定のタイミングで作動する例え
ばエアシリンダなどに置き換え可能である。
【0021】上記の打ち抜き組刃物機構に用いる雌型打
ち抜き刃物2は、図3にも示すように、鋼鉄製の環状の
刃物本体17に対して、それの一端側に、刃面の研磨角
度Θ2 ,Θ1 が異なる第1及び第2の刃体18,19を
分散状に備えて成り、かつ、研磨角度Θ2 の小さい第1
刃体18の刃先aが、研磨角度Θ1 の大きい第2刃体1
9の刃先bに対して漸次後退する溝状刃先aを形成する
ように、この第1刃体18の刃面をU字状の溝状研磨に
よって形成している。
【0022】具体的には、刃物本体17の一端側を外側
面から内側面に向けてテーパ面に研磨して、刃物本体7
の一端側に同一平面上の刃先を有するテーパ刃体を形成
し、このテーパ刃体の刃面に、周方向で所定の間隔を隔
てて、かつ、テーパ角よりも小さな角度でU字形状の溝
状研磨を施して、この溝状研磨による研磨角度Θ2 の小
さな溝状刃先aを有する刃体を、第1刃体18とし、こ
の刃体18,18間の研磨角度Θ1 の大きな刃体を、第
2刃体19としているのである。
【0023】ここで、溝状研磨による第1刃体18の溝
状刃先aの連列ピッチが1mm〜2mmのように小さい
場合は、積層枚葉材切断の動力軽減が少なく、8mm以
上になると枚葉材製品7aの切断面に波状の凹凸が生
じ、かつ、切断の寸法精度が不正確になりやすいことが
確認されたので、この第1刃体18の溝状刃先aの連列
ピッチとしては、2mm以上で8mm未満の範囲内に設
定することが好ましく、好適には3mm〜6mmの範囲
内に設定することである。また、第2刃体19の刃先b
の幅waは、初期の切断動力を小さくする上で、針状で
あることを含めて、出来るだけ狭くすることが好ましい
が、この刃先bの幅を狭くすればする程、第2刃体19
の寿命が短くなることは言うまでもなく、耐久テストの
結果では、初期の切断動力を小さくしつつ長寿命化を図
る上で、第2刃体19の刃幅waを1mm前後に設定す
ることが好適であることが確認されている。これらから
逆算して、第1刃体18のU字形状の溝状刃先aの半径
rは、1mm〜2.5mmの範囲内に設定することが好
ましいと判断される。
【0024】また、第2刃体19の研磨角度Θ1 は、刃
物本体17の直径や肉厚によって刃体強度が左右される
ことから、一義的に角度設定できるものではないが、例
えば内径が80mmで肉厚が6mmの刃物本体17の場
合、積層枚葉材7の切断動力が過大にならず、かつ、枚
葉材製品7aの切断面を圧接圧着させないシャープな切
れ味を備えさせて、刃体強度を十分に確保させる上から
は、この第2刃体19の研磨角度Θ1 を20度前後に設
定することが好ましいことが確認された。そして、第1
刃体18については、その研磨角度Θ2 を、この第2刃
体19の研磨角度Θ1 よりも小さく設定するのである
が、この際、第1及び第2刃体18,19の研磨の角度
差(Θ1 −Θ2 )を小さくすると、刃体寿命を短くした
り切断効果が減じたりすることから、その角度差を2度
以上に設定することが効果的であり、一方、角度差を1
0度以上にすると、切断時の刃物に与える抵抗荷重が過
大になることから、この角度差としては、2度以上で1
0度未満の範囲内に設定することが好ましく、好適には
3度〜7度の範囲内に設定することである。
【0025】尚、上記の実施の形態では、打ち抜き組刃
物機構として、雌型打ち抜き刃物2に対応させて雄型刃
物5を設ける構成のものを示したが、雄型刃物5を、刃
体を有しない単なる積層枚葉材7の受け金具に置き換え
て、雌型打ち抜き刃物2のみによる切断態様の打ち抜き
組刃物機構に構成して実施可能である。この場合、積層
枚葉材7の受け金具として、雌型打ち抜き刃物2の内周
面形状に近似させる他に、雌型打ち抜き刃物2の内周面
形状を比例縮小させた形状にしてもよいのである。ま
た、雌型打ち抜き刃物2として真円形状のものを例示し
ているが、用途に合わせて、楕円形状や、楕円の中央部
が括れた8の字形状のもの、その他、矩形状のものなど
を対象にして実施可能である。
【0026】更に、上記の実施の形態では、第1刃体1
8の刃面をU字溝状に研磨して、この第1刃体18の刃
先をU字形状に形成しているが、この刃先のU字形状と
は、半円形や、半円形よりも浅い部分円形の形状をも含
むものである。また、第1刃体18の刃先はU字形状に
限られるものではなく、その刃先形状が第2刃体19の
刃先に対して漸次後退する形状であるならば、V字形状
や一方の傾斜角度を緩くするV字形の鋸歯形状のもので
あってもよいのである。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、第1及び第2刃体のそれぞれにシャープな
切れ味を備えさせて、枚葉材製品の切断面が圧接圧着さ
れる事態を回避させながら、刃体のそれぞれに所定の強
度を有せしめた打ち抜き刃物が提供される。また、請求
項2記載の発明によれば、積層枚葉材から枚葉材製品を
シャープに打ち抜き切断されるようにした上で、雌型の
打ち抜き刃物内に枚葉材製品が密嵌した場合であって
も、この枚葉材製品を確実に払い落とすことができる打
ち抜き組刃物機構が提供される。更に、請求項3記載の
発明によれば、上記の払い落とされた枚葉材製品を浮か
せるように支持できることから、打ち抜き切断した枚葉
材製品を次工程に自動搬送する上で好適な打ち抜き組刃
物機構が提供される。
【0028】
【実施例】因みに、内径が70mmで肉厚が6mmの刃
物本体17を用いて、これにU字溝状の研磨による第1
刃体18と、テーパ面の研磨による第2刃体19とを形
成するものとし、かつ、第1刃体18の研磨角度Θ2
12度、第2刃体19の研磨角度Θ1 を18度、第1刃
体18のピッチ角Θを9度(即ち、第1刃体18の溝状
刃先aの連列ピッチpが6.28mm)、その第1刃体
18の刃面の溝幅wbを5.0mm(従って、第2刃体
19の刃幅waが約1.28mm)に設定した雌型打ち
抜き刃物2を用意する一方、内径が70mmで肉厚が6
mmの刃物本体を用いて、刃先を同一平面上に形成する
ように、この刃物本体の外側面を18度の研磨角度でテ
ーパ面に研磨した従来の環状刃物を用意して、本発明に
よる雌型打ち抜き刃物2については、これを打ち抜き組
刃物機構にセットする切断形態をとり、従来の環状刃物
については、これを積層された枚葉材の上面に重ね置い
て機械力で圧下させる切断形態をとって、3種類の積層
枚葉材A,B,Cについての切断の比較テストを行った
ところ、表1に示す結果が得られた。
【0029】尚、積層枚葉材Aは、厚さ0.007mm
のアルミニウム箔と35g/m2 の純白ロール紙とを交
互に500枚重ねたものであり、積層枚葉材Bは、厚さ
30μmのポリプロピレンフイルムを100枚重ねたも
のであり、積層枚葉材Cは、片面に金色のラッカーが着
色された厚さ0.012mmの軟質のアルミニウム箔を
200枚重ねたものである。
【0030】
【表1】
【0031】このテスト結果から、従来の環状刃物で
は、枚葉材製品の切断面が密着して、枚葉材の一枚ずつ
の分離が不充分あるいは不能の事態が生じたのに対し
て、本発明による雌型打ち抜き刃物2を用いれば、枚葉
材製品を一枚ずつ完全に分離できる上に、切断荷重が従
来の半分で済むことが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】主要部を断面図示した打ち抜き組刃物機構の側
面図である。
【図2】打ち抜き組刃物機構による枚葉材製品の打ち抜
き切断の説明図である。
【図3】本発明による雌型打ち抜き刃物の破断斜視図で
ある。
【図4】従来例の雌型打ち抜き刃物の破断斜視図であ
る。
【符号の説明】 1…可動ベース、2…雌型打ち抜き刃物、4…固定ベー
ス、5…雄型刃物、7…積層枚葉材、7a…枚葉材製
品、8…枚葉材製品の払い落とし機構、9…枚葉材製品
の押し上げ機構、17…刃物本体、18…第1刃体、1
9…第2刃体、a…第1刃体の溝状刃先、b…第2刃体
の刃先、Θ1 …第2刃体の刃面研磨角度、Θ2 …第1刃
体の刃面研磨角度。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 積層された多数枚の枚葉材を打ち抜き切
    断するための環状の雌型打ち抜き刃物であって、環状の
    刃物本体の一端側に、刃面の研磨角度が異なる第1及び
    第2の刃体を分散状に備え、かつ、研磨角度の小さい第
    1刃体の刃先が、研磨角度の大きい第2刃体の刃先に対
    して漸次後退する溝状刃先を形成するように、この第1
    刃体の刃面を溝状の研磨によって形成してあることを特
    徴とする積層枚葉材の雌型打ち抜き刃物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の雌型打ち抜き刃物を可動
    ベースに設け、この刃物の内周面形状に対応した雄型刃
    物、又は、雌型打ち抜き刃物の内周面形状を比例縮小さ
    せた積層枚葉材の受け金具を固定ベースに設け、かつ、
    雌型打ち抜き刃物内に、積層枚葉材から打ち抜き切断し
    た枚葉材製品の払い落とし機構を組み込んで成ることを
    特徴とする打ち抜き組刃物機構。
  3. 【請求項3】 雄型刃物または受け金具に、雌型打ち抜
    き刃物内から払い落とされた枚葉材製品の押し上げ機構
    を組み込んで成る請求項2記載の打ち抜き組刃物機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010167540A (ja) * 2009-01-23 2010-08-05 Nippon Mektron Ltd パンチ型
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