JPH10235540A - 製造工程のスケジューリングシステム - Google Patents

製造工程のスケジューリングシステム

Info

Publication number
JPH10235540A
JPH10235540A JP4084397A JP4084397A JPH10235540A JP H10235540 A JPH10235540 A JP H10235540A JP 4084397 A JP4084397 A JP 4084397A JP 4084397 A JP4084397 A JP 4084397A JP H10235540 A JPH10235540 A JP H10235540A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
scheduling
product
actual
design
daily
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP4084397A
Other languages
English (en)
Inventor
Teruo Korematsu
照雄 是松
Takatoshi Kobayashi
敬寿 小林
Minoru Okazaki
稔 岡崎
Kikuo Akamatsu
菊夫 赤松
Hirokazu Yasunaga
裕和 安長
Minoru Shigematsu
実 重松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Information and Communication Systems Inc
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Nippon Steel Information and Communication Systems Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp, Nippon Steel Information and Communication Systems Inc filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP4084397A priority Critical patent/JPH10235540A/ja
Publication of JPH10235540A publication Critical patent/JPH10235540A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/02Total factory control, e.g. smart factories, flexible manufacturing systems [FMS] or integrated manufacturing systems [IMS]
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製品の製造計画の長期的な把握が可能な製造
工程のスケジューリングシステムを提供する。 【解決手段】 現品設計部23で、注文等に基づいて中
間製品であるホットコイルのサイズ、単重及び個数を設
計する。このようにして設計したものを設計現品と称す
る。週間・日別スケジューリング部24は、この設計現
品を用いて製鋼・熱延工程及び薄板工程の製造スケジュ
ーリングを行う。また、需要家からの注文はホットコイ
ルの設計現品単位で管理する。ホットコイルの段階で設
計現品という概念を導入するのは、薄板製品の場合に
は、その基本的な性質を決めるのがホットコイルだから
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば製鉄所にお
ける複雑な鉄鋼製造工程のスケジューリングをコンピュ
ータを用いて効率的に行わせる製造工程のスケジューリ
ングシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】製鉄所で製造される鉄鋼製品のうち、薄
板製品と呼ばれるものは、同じ品質、同じ材質のものが
繰り返し注文されることが比較的多いリピート性の高い
製品である。このため、従来は、生産計画、製造スケジ
ューリング、注文進度の管理といった部分は、在庫に依
存した総枠的管理が主体となっていた。総枠的管理で
は、同種の製品、例えば製造方法や材料が共通するもの
について、日、週、月、期といった一定の期間内に製造
すべき製品の総重量に基づいて管理する。
【0003】製鉄所では、原材料の供給や製造手順につ
いて日々の細かい計画を立てても、需要家側の注文変更
があったり、同じ量の原材料を投入しても実際にできる
製品の重量が途中の工程における処理(例えば歩留り落
ちなど)によって変動することなどがたびたび起こる。
また、生産計画に変更が生じて、ある製品の急ぎの生産
が必要となったり、生産実績が変動したりすることがあ
る。このような変動に対処するために、従来のシステム
では、そのリスク対応として相当な量の在庫を常に用意
しておく必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、在庫に
依存した総枠的な管理では、常に余分な在庫を保有して
いる必要があるため、このことが製品コストを押し上げ
る要因となる。また、ある需要家からの注文に対応した
製品の納入がいつ頃になるかといった細かい予定は実績
現品のみのスケジューリングのためせいぜい3日程度先
までしか分からず、それ以後の予定については、需要家
から問い合わせがあっても、「大体何日後」という程度
の大まかな回答しかできなかった。
【0005】本発明は、上記事情に基づいてなされたも
のであり、製品の製造計画の長期的な把握が可能な製造
工程のスケジューリングシステムを提供することを目的
とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めの本発明は、原材料に基づいて中間製品を生成する上
工程と前記中間製品に対し更に処理を行う下工程とを有
する製造工程と、注文に基づいて前記中間製品の少なく
ともサイズ、単重及び数量の設計を行って、中間製品の
設計現品を得る現品設計手段と、前記現品設計手段が設
計した設計現品に基づいて、前記上工程及び前記下工程
の製造スケジューリングを行うスケジューリング手段と
を具備することを特徴とする。
【0007】本発明は、上記により、例えば鉄鋼製品の
場合、中間製品をホットコイルとし、そのサイズ、単
重、及び数量の設計を行って設計現品を求め、この設計
現品にに基づいて前記上工程である製鋼・熱延工程及び
下工程である薄板工程の製造スケジューリングを行う。
薄板製品の場合には、その基本的な性質を決めるのがホ
ットコイルであるため、中間製品としてはホットコイル
を選択するのが望ましい。すなわち、ホットコイルの設
計現品を設計し、需要家からの注文を設計現品単位で管
理する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一実施形態につい
て、図面を参照して説明する。まず、図1を参照し、製
鉄所において製造される薄板製品の製造手順について工
程別に簡単に説明する。ここで、薄板製品とは、清涼飲
料水用容器や自動車のボデー等に使用される薄い板状の
製品、例えばステンレス薄板、表面処理鋼板、電磁鋼板
などをいう。
【0009】高炉から供給される溶銑は、転炉(精錬)
工程10において用途に合わせた品質と成分の鋼とさ
れ、連続鋳造(凝固)工程11において、スラブの形に
固められ、切断される。転炉工程10と連続鋳造工程1
1とを合わせて、一般に製鋼工程という。製鋼工程は、
薄板製品だけでなく、鋼管や鋼矢板のような薄板製品以
外の鉄鋼製品にも共通の工程である。薄板製品を製造す
るには、連続鋳造工程11から供給されるスラブに対し
て粗圧延を行い(粗圧延工程12)、更に熱間仕上圧延
機にかけて(熱間仕上圧延工程13)、いわゆるホット
コイルと呼ばれる熱延鋼板を製造する。こうして得られ
たホットコイルは、薄板工程に送られる。薄板工程は、
例えば冷間圧延工程14、焼鈍工程15、スキンパス工
程16、メッキ工程17などの他、製品に応じて数十の
工程を含むものである。
【0010】尚、本実施形態では、製鋼工程からホット
コイルを生成するまでの工程を製鋼・熱延工程といい、
本発明の上工程に該当する。また、薄板工程は、本発明
の下工程に該当する。図2は、本実施形態に係る薄板製
品のスケジューリングシステムの概要を示すブロック図
である。まず、本社などにある受注部門において需要家
から薄板製品の注文を受けると、その注文の内容をシス
テムに入力する。この注文は、例えば「50tの薄板製
品を何月何週に納入せよ」といった内容である。製鉄所
では、この注文に対して所定の受注処理を行ったあと、
スクリーニング部21においてスクリーニング処理を行
う。このスクリーニング処理では、注文された製品に対
する品質設計や製造方法の設計等が行われる。すなわ
ち、その製品を製造するためにどういう工程を使うかを
決定し、また、通過する各工程ごとにその製造仕様を決
める。尚、スクリーニング部21では、製鉄所内でその
製品の管理等に必要な種々のキー項目なども付与する。
【0011】週間生産計画部22では、全工程での負荷
バランスを考慮して、その週に製造する製品の量を決め
る。例えば1週間当たり2000件程度の注文が来る製
鉄所の場合には、その注文の中でその週に工場で処理で
きるものと出来ないものとを峻別し、処理できないもの
については、次週に処理を繰り越すといった処理を行
う。
【0012】現品設計部23は、最適単重によるホット
コイルの現品設計を行い、その注文数量の製品を製造す
るために必要な原材料の重量を一定の許容幅内で決め
る。例えば、薄板製品の注文量が100tである場合に
は、110tのホットコイルを製造する。本実施形態で
は、「現品設計」及び「設計現品」という概念を導入す
る。まず、この現品設計、設計現品という概念について
説明する。従来は、溶けた状態の溶鋼から製品を製造す
るのに、注文の重量により管理していた。これに対して
本実施形態では、ホットコイルの設計現品という概念を
導入し、この設計現品を用いて注文の管理を行う。ホッ
トコイルの段階で設計現品という概念を導入するのは以
下の理由による。薄板製品の場合には、その基本的な性
質を決めるのがホットコイルである。薄板工程では、ホ
ットコイルが略そのままの形状で各工程に流される。薄
板工程の途中で、1個のホットコイルが2個のものにな
ったりするが、このことは製造スケジューリングに大き
な影響を与えることはない。すなわち、ホットコイルの
重量と個数を管理していれば、薄板工程では、それ程大
きな誤差は生じない。また、ホットコイルとスラブと
は、個数及び重量が1対1に対応する。したがって、ホ
ットコイルを管理することにより、製鋼・熱延工程の材
料を管理することができる。更に、製鋼の段階から薄板
の最終工程まで、長いものでは20日程度かかる。こた
のめ、中間のホットコイルの段階で現品設計を行い、そ
こを起点に上工程及び下工程の製造設計を行うことによ
り、薄板製品の最適な製造スケジューリングを行うこと
ができる。
【0013】本実施形態では、ホットコイルの設計現品
単位で製鋼・熱延工程(上工程)及び薄板工程(下工
程)の製造スケジューリングを行うことにより、従来の
スケジューリングに比べて、大幅に先行度を拡げた(長
期的な)スケジューリングを行うことができる。また、
現品単位のスケジューリングを行うため、実操業に即し
た作業指示と同等レベルの製造ロットの編成を工程単位
に行うことができ、従来に比べて、実行精度が極めて高
い正確なスケジューリングを行うことが出来る。ここ
で、製造ロットとは、各製造工程毎に、同一の製造条件
で製造可能な設計現品及び(又は)実績現品を一品単位
で集めたものをいう。製造ロットの編成とは、前記の製
造ロットについて各製造工程毎に、製造順位を決めるこ
とをいう。また、実行精度とは、計画と実績との差の度
合いをいう。
【0014】前述したように、従来の管理は、「総枠的
管理」である。「総枠的管理」とは、同種の製品、例え
ば製造方法や材料が共通するものについて、日、週、
月、期といったある一定の期間内に製造すべき製品の総
重量に基づいて管理するという概念である。製鉄所で
は、原材料の供給や製造手順について日々の細かい計画
を立てても、需要家側の注文変更があったり、また、同
じ量の原材料を投入しても、実際にできる製品(実績現
品)の重量は途中の工程における処理(例えば歩留り落
ちなど)によって変動するといったことが頻繁に起こ
る。
【0015】このような変動に対して総枠的な管理は、
日々の細かい製造計画を立てる手間がかからず、また、
計画外の作業が必要となった場合でも在庫をバッファー
としてある程度の対応は可能であった。しかしながら、
例えばある需要家からの注文に対応した製品の納入がい
つ頃になるかといった細かい予定はスケジュールの先行
度が短く、せいぜい3日程度先までしか分からなかっ
た。また、計画した内容と、その計画に従って製造した
製品の数量とが合わなかった場合でも、その原因がどこ
にあったかといった細かい評価を行うことも難しかっ
た。更に、総枠的管理の場合には、余材が発生し易く、
しかもその原因の特定が難しかった。
【0016】これに対して、本実施形態では、設計現品
という概念を使用して注文の管理を行う。このために、
まずホットコイルの現品設計を行う。現品設計というの
は、製鋼・熱延工程の結果得られるホットコイルの少な
くともサイズ、単重及び個数を、スクリーニング処理の
結果に基づいて設計することをいう。現品設計を行った
結果得られたものを設計現品という。但し、「現品」と
いっても、この段階の現品は未だ製造されていない架空
のものである。具体的には、例えば、需要家からの注文
が100tの薄板製品であったとすると、冷間圧延工程
後の製品重量は110t必要となり、熱間仕上圧延工程
後のホットコイルは120t必要となる。このように上
流の工程にいく程、製品の重量は多くなる。そして、こ
の120tのホットコイルを製造するために、例えば1
0tのホットコイル6本と20tのホットコイルが3本
必要である、というような形で一つ一つのホットコイル
について設計現品を設計する。すなわち、ホットコイル
の現品設計は、注文総重量、製品の単重、各工程の設備
の能力(各設備によって最大処理重量及び最小処理重量
が決まっている場合がある。)、等に基づき、ホットコ
イルの単重及び個数を決める。
【0017】ところで、実際の製造現場では10tとい
ったキリのよい数量だけでなく色々の端数が現れる。こ
の端数をどのように処理するかが問題となる。例えば、
端数を全て丸めて処理すれば、余材が多く出る。この余
材の量をできるだけ少なくするために、本実施形態で
は、大単重設計及び複数注文詰め込み設計を行ってい
る。大単重設計は、端数を切り上げる設計である。端数
を小さくすると、ホットコイルの単重が小さくなり、ホ
ットコイルの単重が小さくなると、歩留りや能率が悪く
なり、コストが嵩む。また、リピート性のある注文につ
いては、あとの注文に充当することができるので、わざ
わざ注文毎に、小さい単重のホットコイルを製造するこ
とはない。また、客先の許容範囲内の誤差であれば、切
り捨て、切上げを行う。例えば、0.7本のホットコイ
ルを1本として扱い。また、0.1本のホットコイルを
0本として扱う。複数詰め込み設計は、複数の注文につ
いて、纏めて現品設計を行うことをいう。これにより、
余材の発生を少なくすることができる。
【0018】また、製鉄所の製造現場では、日々様々な
変動要因が生じる。このため、ホットコイルの設計現品
単位で製造計画を立てても、その計画の変更が頻繁に必
要となり、したがって計画の変更が起こることを前提と
して、かかる変更にも柔軟に対応できるような機能を予
めシステムに組み込んでおくことが必要となる。この場
合の変更(再設計)も本実施形態ではホットコイルの設
計現品単位で行う。また、あるホットコイルから10t
の薄板製品を作る予定だったのが、実績として12tの
薄板製品ができた場合には、残りの2tを実績現品とし
て、これからの製造予定に組み入れて製造スケジューリ
ングを変更する必要があるが、その場合もホットコイル
単位で管理する。このように、製造計画の作成、変更を
個々のホットコイルの設計現品単位で行う点が、本実施
形態の大きな特徴である。
【0019】このようにしてホットコイルの設計現品単
位で管理できれば、多少の変動があるとしても、かなり
長期的な計画の概要を掴むことができる。従来は、今後
製造される薄板製品がどの需要家に出荷されるものであ
るかを知るのはせいぜい3日程度先まであったものが、
ホットコイルの設計現品単位で管理することにより、多
少の計画変更はあるものの、例えば20〜30日程度先
までの製品がどの需要家に出荷されるものであるかを把
握することができる。
【0020】図2の週間・日別スケジューリング部24
では、一週間に一度、纏めて投入される注文に基づい
て、薄板工程及び製鋼・熱延工程の約一週間〜三,四週
間先までの製造スケジュール(以下、単にスケジュール
とも称する。)を作成するともに、状況変動に応じて日
毎にその製造スケジュールを修正する再スケジューリン
グを行う。まず、週間・日別上りスケジューリング部2
5aにおいて、現品設計部23で設計したホットコイル
の設計現品に基づいて、薄板工程についての全数(全注
文明細、全工程)のスケジューリングを行う。このスケ
ジューリングは、納期を考慮して、最下流の工程から順
次上流側に上るようにして行われる。スケジューリング
を行った結果、いつ熱延をして欲しいかという要求が設
計現品単位で出来上がる。この要求は、「HC要求」と
いう形で上工程である製鋼・熱延工程の週間・日別スケ
ジューリング部26に渡される。製鋼・熱延工程の週間
・日別スケジューリング部26では、この要求を基準に
して、製鋼・熱延工程の毎日のスケジューリングを行
う。なお、「HC要求」は、新規に注文が投入される一
週間毎に製鋼・熱延工程の週間・日別スケジューリング
部26に送られる。
【0021】製鋼・熱延工程の方では、薄板以外の製品
についても作業を行っているので、必ずしもこの要求通
りのスケジュールを組んでホットコイルを供給すること
はできない。このため、製鋼・熱延工程の週間・日別ス
ケジューリング部26では、その要求に基づいてスケジ
ューリングを試みるが、その結果、要求通りの供給がで
きない場合には、その旨の回答を「HC供給予定」とい
う形で薄板工程へ返す。尚、この「HC供給予定」もホ
ットコイルの設計現品単位で返される。そうすると、薄
板工程の週間・日別下りスケジューリング部25bは、
「HC供給予定」に基づいて、薄板工程のスケジューリ
ングをもう一回やり直す。このスケジューリングは、上
流の工程から順次下流側の工程に下るようにして行われ
る。ここで、初めて、薄板工程の意思と製鋼・熱延工程
の意思とがつながった形で週間・日別スケジュールがで
き上がる。すなわち、従来は、製鋼・熱延工程と薄板工
程とは、スケジュール的には、別個のものとなっていた
が、本実施形態では、製鋼・熱延工程と薄板工程の一貫
スケジューリングを行うことができる。
【0022】薄板工程の週間・日別下りスケジューリン
グ部25bで作成されたスケジュールは、日別・実行ス
ケジューリング部27aに送られる。日別・実行スケジ
ューリング部27aは、最新の設計現品及び実績現品に
関する情報や、「HC供給予定」に基づいて、薄板工程
について、毎日再スケジューリングを行う。日別・実行
スケジューリング部27aにおいてスケジュールが作成
されたら、毎日、そのスケジュールのうちの数日分を生
産管制部28に供給する。
【0023】また、この製造スケジューリングの結果
は、工程管理表として、オペレータ数名が「目に見え
る」形で共通に認識出来る様、大きなカラーのグラフィ
ックディスプレーに表示される。この工程管理表の内容
は、どの材料がどのような経過でどのように加工されて
ゆくかを時間単位で時系列的に表したものである。生産
管制部28は、渡された製造スケジューリングの結果を
基に、実際の各設備29に対して毎日指示を与える。
【0024】しかしながら、一旦作成したスケジュール
も、途中で操業変動が生じうる。この変動の原因には、
需要家からの注文変更の場合、実績現品の余材の発生の
場合などがある。このような変動を吸収するために、現
品設計部23は、注文の変更や発生した余材の充当に基
づいて、現品設計をやり直す。そのやり直した現品設計
の結果は、週間・日別スケジューリング部24に渡さ
れ、薄板工程及び製鋼熱延工程について、毎日再スケジ
ューリングの作業を行う。同じシステムの中で、それを
毎日繰り返しながら、最新の情報で常にスケジューリン
グを行う。この再スケジューリングは、日別・実行スケ
ジューリング部27a,27bにおいて行われ、スケジ
ュールの変更がなされたら、その結果を毎日、生産管制
部28に渡す。生産管制部28は、渡された製造スケジ
ューリングの結果を各設備29への指示に反映させる。
このようなスケジューリング作業は、コンピュータで自
動的に行っている。そして、マシンによって行ったスケ
ジューリング(以下、マシンスケジューリングとも称す
る。)は、人間が見て、本当にそれでいいかどうかを確
認するとともに、必要がある場合には上記のグラフィッ
クディスプレーに表示させた工程管理表上で対話的に適
宜修正することができる。すなわち、最終的にはマンに
よるスケジューリング(以下、マンスケジューリングと
も称する。)を行う。各設備29での操業の結果、製品
が生産され、実績がでる。その実績結果が、再度、現品
設計部23に渡され、週間・日別スケジューリング部2
4によって、それがまた翌日の製造スケジューリングに
反映される。
【0025】また、緊急にある製品の出荷が必要とな
り、ある材料をもう少し時間的に前に処理しなければな
らなくなった場合、オペレータは、工程管理表の画面上
で、必要な材料を掴んで前の適当な所に置いてやれば、
コンピュータが自動的に再度スケジューリングを行い、
それまでそこにあったものを順次後ろ側へ移動してくれ
る。このときシステムは、単にある材料を前に持ってき
て、そこにあった材料を後ろに順次移動するだけでな
く、本当にそのスケジューリングが成立するかどうかに
ついても自動的にチェックする。例えば転炉で、ある材
料を処理したあとに、その溶鋼に混ぜてはいけないもの
がある場合など、連続して処理することが不可能な材料
の組み合わせなども考慮してが計画の成否をチェックす
る。かかる調整もマンスケジューリングに含まれる。
【0026】図3は、本実施形態の薄板工程におけるス
ケジューリングを説明するための図である。同図におい
て、上段は現状のスケジューリングの様子を示し、下段
は本実施形態のスケジューリングの様子を示している。
図3において、濃いハッチングを施した部分は生産管制
部28に渡された確定スケジュール、薄いハッチングを
施した部分は日別・実行スケジュール部27で毎日再ス
ケジューリングを行う部分、ハッチングを施していない
部分は、新規注文の投入部分を示す。
【0027】本実施形態では、週サイクルで行われる上
り・下りの週間スケジューリングと日サイクルで行われ
る日別・実行スケジューリングとを組み合わせることに
より、従来のスケジューリングに比べて、より長期間の
スケジューリングが可能になった。このことについて、
図3を用いて説明する。図3下段の本実施形態の場合、
今日が1日(金)であるとすると、生産管制部28には
当日分を含めて3日後の4日(月)までの製造スケジュ
ールが渡されている。生産管制部28に渡されたスケジ
ュール(濃いハッチングを施した部分)は確定したスケ
ジュールであり、この部分のスケジュールの調整は生産
管制部28でリアルタイムで行われる。翌日の2日
(土)になると、日別・実行スケジューリング部27
は、前日の操業の実績変動、注文の変動、納期の変動を
取り込んで、薄いハッチングを施した部分のスケジュー
ルについて再スケジューリングを行い、次の1日分、す
なわち5日(火)の分のスケジュール(一点鎖線で示す
部分)を切り出して、生産管制部28に渡す(但し、休
日前などは切り出しを2〜3日分行う)。このように、
毎日、実績を考慮して再スケジューリングを行うことに
より、従来のスケジューリングに比べて、より正確で・
長期間のスケジューリングを行うことができる。本実施
形態は、図3から分かるように、同図上段の現状と比べ
て生産管制部に渡すスケジュールの期間が長くなってい
る。また、現状は3日先以降のスケジュールはブラック
ボックスとなっており、誰もそれ以降のスケジュールを
知ることが出来なかった。これに対して本実施形態で
は、約20〜30日先のスケジュールまで、知ることが
できる。尚、上述した操業の実績変動のなかには、生産
管制部28や各設備からの情報も含まれる。また、同図
の右側が斜めに傾斜しているのは、各製造工程の工期分
だけ下流の製造工程のスケジュールが遅くなるからであ
る。
【0028】上記の本実施形態によれば、ホットコイル
の設計現品単位でスケジューリングを行うことによっ
て、製品の納期の管理も設計現品単位で行うことがで
き、また従来は製鋼・熱延工程と薄板工程とが切り離さ
れ、別々にスケジューリングしていたのに対して、本実
施形態では製鋼・熱延工程と薄板工程とを最初から最後
まで連続してスケジューリングを行うことができる。ま
た、その製造スケジュールに基づいて得られた実績現品
に関するデータと設計現品に関するデータとを比較でき
るため、設計現品の数量と実績現品の数量とを対比させ
て、余材がどの程度発生したかなどを高い精度で評価・
解析することができ、必要な点を改善するために役立て
ることができる。従来は、実績現品しかなく、設計現品
というものがなかったために十分な評価・解析ができな
かったのに比べて、評価・解析の精度が大幅に向上す
る。
【0029】一例として、設計現品の段階で、10tの
ホットコイルが出来ているはずのものが、最終的な薄板
製品は11t製造されていたという場合に、その原因を
解析するのが余材解析であり、計画と実績との対比を可
能とする。これは、余材が発生した原因を解明し、必要
な点を改善するための基礎データとなる。ホットコイル
とスラブはほぼ1対1に対応するので、ホットコイルの
余材とスラブの余材もほぼ1対1に対応し、スラブから
ホットコイルに至る工程で余材が発生するということは
ない。余材が発生する原因は、実績変動、設備スペッ
ク、あるいは受注の仕方等に原因があると考えられる。
受注の仕方に原因があって余材が発生することが分かれ
ば、受注部門に対して受注の仕方の改善を提言すること
も可能となる。
【0030】次に、図4を参照して、実際の現品設計及
び再設計の例について説明する。図4は、需要家からの
薄板製品の注文量が50tであった場合の設計現品と実
績として出来た現品との対応を示す図である。同図にお
いて、「SG」はホットコイルの設計現品を示し、「S
L」はスラブを指す。また、「初期材料請求」という項
目は、設計現品の重量の合計を請求することを意味し、
「補正・半製品充当」という項目は、他の注文で余材に
なった実績現品を使用することを意味し、「熱延でのス
ラブ設計」という項目は、熱延工程において必要となる
スラブの重量の設計を意味する。尚、この例では、説明
を簡略化するために、注文量に対する歩留りは考えな
い。
【0031】図4の第N日では、先ず最初の段階で、5
0tの注文に対応して熱延残(これから熱延工程によっ
て製造しなければならないホットコイルの量)が50t
となっている。この熱延残に対して、ホットコイルの設
計現品としてSG1を17t、SG2を17t、SG3
を16tとする現品設計が最初になされる。その後、半
製品を充当することができること、及びスラブの余材が
あることによる設計変更がなされたことを示している。
補正・半製品充当では、最終製品に10tの余材がある
ことが分かり、これを利用することとなった。これを余
材充当という。その結果、熱延残は10t減って40t
となり、その40tに対して現品設計をすることが必要
となった。こうやって、余った材料を当てたケースにつ
いても、もう一回最適解を求め直して本当に必要な設計
現品の屯数をもう一回決めなおす。これが、設計現品の
再設計である。この再設計に基づいて、図2の週間・日
別スケジューリング24は、薄板工程の再スケジューリ
ングを行う。尚、図4の場合、再設計して求めた最適解
が、SG1を20t、SG2を20t、SG3を0tと
するものである。この場合、0tとなったSG3につい
ては、一番右側の欄に示すように、「取消」とされ、そ
の後は無効になる。
【0032】また、併せて熱延工程のスラブについて
も、再度設計をしなおす。熱延工程では、簡単に考える
と、20tのスラブを2本製造する必要がありそうだ
が、〔スラブの状態〕の欄に示すように、たまたま、1
2tのスラブSL1及びSL2が余剰在庫として2本余
っており、これを利用できることが分かった。したがっ
て、新たに製造しなければならないスラブの残りは、あ
と16tである。これを必要なスラブSL3として設計
する。
【0033】この段階で、スラブと設計現品との紐付け
を行う。N日の「熱延でのスラブ設計」の項目の一番右
側の欄に右向きの白抜き矢印として示したものが、この
紐付けを意味する。すなわち、設計現品のSG1(20
t)と熱延のスラブSL1(12t)とを紐付けし、S
G2(20t)とスラブSL2(12t)とを紐付けす
る。その結果、元々設計現品の方で作っているホットコ
イルは20tなので、8tずつ合計16t不足する。い
ま、薄板工程の設計現品は2本しかなく、スラブの方は
3本使うことになるので、薄板工程では強制的に3本に
するために0tのホットコイルの設計現品SG4という
ものを仮想的に作り、これとスラブSL3とを紐付けす
る。尚、SG3ではなくSG4としたのは、SG3は、
既に取り消されているので、これとの混同を避けるため
である。
【0034】N日の例は、上記のように、既に10t分
の最終製品である実績現品があったこと、および12t
のスラブが2本あったことが要因となって、設計変更が
なされたものである。次にN+1日について説明する。
N+1日は、SL1及びSL2を他の注文に回してしま
ったことにより、設計変更がなされたことを示してい
る。前日のN日において、一旦は、SG1とSL1、S
G2とSL2、SG4とSL3というふうに紐付けされ
た形になっていた。ところが、SL1及びSL2が、S
G1,SG2よりも納期が早い優先順位の高い注文の方
に先に使われるという場合がある。その場合の再設計が
N+1日においてなされる。設計現品SG1,SG2,
SG4としてスラブSL1,SL2を使うことができな
くなったため、新たにスラブSL4(20t),SL5
(20t)を熱延工程に要求する。この場合、ホットコ
イルの設計現品SG1(20t)とスラブSL4(20
t)とを紐付けし、設計現品SG2(20t)とスラブ
SL5(20t)とを紐付けし、設計現品SG4は0t
なので取り消しとする。
【0035】次にN+2日について説明する。N+2日
は、設計現品の重量が注文量に対して、過不足があって
も、その過不足が注文における許容誤差範囲内であると
きには、設計変更は行わないことを示している。この日
の注文に対する熱延残は40tである。需要家からの注
文には、注文量の正確な納入を要求する場合だけでな
く、注文量に対して一定幅の変動が許容される場合があ
る。これを「注文のアローワンス(AW)」という。こ
のアローワンスが、ここでは2tであったとする。N+
2日の例では、40tの熱延残に対して、SL4(18
t)とSL5(20t)の合計が38tで、熱延残に対
して2t不足するが、これはアローワンスの範囲内なの
で、ここでは再設計は行わない。
【0036】次に、N+3日について説明する。ここで
「熱延実績」という項目は、ホットコイルの実績現品を
指す。N+3日は、実際のホットコイルが出来上がった
ので、設計現品SGからホットコイルHCに乗り換えた
状態を示している。すなわち、N+3日には、既に製造
されたホットコイルが実際に18t存在することを示し
ている。〔スラブの状態〕という欄に「HC1」と記載
してあるのがそのことを示している。設計現品の段階で
はSG1(20トン)及びSG2(20t)だったが、
実際に存在するこのHC1を使うこととし、そのために
ホットコイルの設計現品SG1として実績現品HC1を
使う。これを「乗り移り」という。N+3日の右側の欄
で、SG1(20t)からHC1(18t)に向かう白
抜きの矢印は、この乗り移りを示している。設計現品S
G2(20t)とスラブ5(20t)とは、上記と同様
にして紐付けされる。
【0037】以上のように、ホットコイルの設計現品
は、日々の実績に合わせて、毎日設計のやり直しを行っ
ている。すなわち、実績が生じたときには、設計現品と
実績現品との対応をしっかりと取り、その情報を取り込
んで、実績現品と設計現品とを混在させながら設計を行
っている。このように、設計現品を設計するだけでな
く、設計した設計現品を実績現品に乗り移らせることに
より、実績変動や注文量の変動があったときにも、容易
に再設計で対応することができる。また、設計現品を使
用して薄板工程のスケジューリングを行い、変動が生じ
たときに、日単位で、設計現品の再設計を行い、その再
設計した設計現品に基づいて、薄板工程の再スケジュー
リングを行う。これにより、設計現品を実際の現品と同
様に取り扱うことができる。
【0038】上記の本実施形態によれば、目に見える実
際に製造された実績現品だけでなく、設計現品の概念を
使用して、注文を管理することにより、計画と実績との
対応を正しく把握して、実績の評価・解析を正確に行う
ことができる。また、従来は、実績現品しかなかったの
で、余材が発生した場合、余材の発生原因を追求するこ
とができなかった。計画が悪かったのか、製造方法が悪
かったのかも分からなかった。これに対して、本実施形
態では、どの工程で設計現品と実績現品とのずれが生じ
て余材が発生したかを突き止めることができる。更に、
現品設計した段階で、余材の発生原因が分かることもあ
る。例えば、注文量が10tの場合、スラブの単重が最
小でも12tあるので、どうしても2tの余材がでる。
これは、注文の取り方がわるいので、注文の取り方を変
えてもらうように、指示することができる。
【0039】尚、薄板工程の中の更に各工程毎に、現品
設計を行って、スケジューリングを行うことも可能であ
る。しかし、途中でスケジュールの変更が多くあること
を考慮すれば、現品設計やスケジューリングが煩雑にな
るだけで、投資や処理作業の増加に見合う効果は期待で
きない。また、頻繁にスケジュールを変更せざる得ない
現状では、全ての工程毎に設計現品を設計するのは、現
実的でない。
【0040】図5は、本実施形態で行った各種のスケジ
ューリングの評価を行うための評価表を示す図である。
図5の評価表に示すように、本実施形態では、作成した
スケジューリングの評価を行うために、大項目として、
アラームの個数、休止時間、作業工程ロット屯数、一貫
製造工期の4つを設けている。作成したスケジューリン
グをこの4つの大項目にしたがって評価する。以下、上
記の各大項目について詳細に説明する。
【0041】本実施形態のシステムでは、あるスケジュ
ーリングを行ったときに、現実に実行できないスケジュ
ーリングが行われたときには、アラームを発することと
している。アラームには、例えば、納期アラーム、長期
仕掛アラーム、工程間工期アラーム等がある。納期アラ
ームとは、納期に間に合わない注文があるときに発せら
れるアラームをいう。納期アラームは、需要家からの納
入要求日時とスケジュールの日時とを比較してスケジュ
ールの日時が遅いときに発せられる。長期仕掛アラーム
とは、実績現品が基準工期以上滞留した状態をいう。工
程間工期アラームとは一の工程の処理を終了して材料が
出た時から次の工程がその材料を使用する時までの期間
が長すぎるときに発せられるアラームをいう。長期仕掛
アラームと工程間工期アラームは、仕掛工期と標準工期
とを比較して、仕掛工期が標準工期よりも大きくなった
ときに、発せられる。各アラームの個数が計数されてC
RT等の画面に表示される。アラームの個数は、少ない
程、良いスケジューリングであるという評価を下すこと
ができる。
【0042】また、製鉄所では、一の製造工程から次の
製造工程へと、時間間隔を置かずに連続して製造できる
ことは少なく、実際には、他の製造工程に移行するとき
に各種の休止時間が生ずる。例えば、材欠休止時間、計
画休止時間、余裕休止時間等である。材欠休止時間と
は、材料が送られてこないことによる製造工程の休止時
間をいう。計画休止時間とは計画的に当該工程を休止さ
せることをいう。余裕休止時間とは、増産により余裕を
持って休止させることをいう。各休止時間は時間単位で
計時されて、CRT等の画面に表示される。この休止時
間は少ない程、良いスケジューリングであるという評価
を下すことができる。
【0043】また、各製造工程における製造ロット屯数
を計測する。製造ロットの屯数に最小屯数を設けたの
は、製造ロットの屯数が小さすぎると、コストに影響を
及ぼすからである。また、実際のスケジュールでは、製
造ロットの屯数が最大屯数を越えることは先ずはなく、
したがってこの最大屯数が問題となることはない。各製
造工程の製造ロット屯数は大きい程、良いスケジューリ
ングであると評価される。
【0044】更に、各製造工程毎に、前の製造工程が終
了してからその後の製造工程での作業が完了するまでの
時間(製造工期)を計時する。一貫製造工期は、薄板工
程のTOP工程から最終工程間の製造工期の量加重平
均、最小工期、最大工期を計時する。一貫製造工期及び
各製造工程間における工期は短い程、良いスケジューリ
ングであると評価される。
【0045】上記のようにして、各項目について、作成
したスケジューリングの評価を行うことにより、各スケ
ジューリングの善し悪しを容易に評価することができ、
したがって、スケジューリングの質の向上を図ることが
できる。また、スケジューリングの評価を行うタイミン
グは、上りマシンスケジューリングを作成した直後、上
りスケジューリングのマン調整完了後、下りマシンスケ
ジューリングを作成した直後、下りスケジューリングの
マン調整完了後、及び要求される都度、行う。これによ
り、例えばマシンによるスケジューリングと、人による
調整を行った後のスケジューリングとの質の差を容易に
判断することができる。また、上りスケジューリング
は、薄板工程の側で作成したスケジューリングであり、
薄板工程側で考えたベストのスケジューリングである。
したがって、製鋼・熱延工程のことは考慮していない。
この上りスケジューリングの評価と、下りスケジューリ
ングの評価とを比較することにより、そのギャップを定
量的に容易に知ることができ、更には具体的対応策を図
ることができる。
【0046】また、本発明は、上記実施形態に限定され
るものではなく、その要旨の範囲内で種々の変更が可能
である。すなわち、鉄鋼の薄板工程のように、工程数が
多く、処理期間がながい製造工程には、設計現品に基づ
いて注文の管理を行うことにより、スケジュールの調整
・管理をより正確に行うことができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
中間製品の現品設計を行って、設計現品を求め、この設
計現品に基づいて上工程及び下工程の製造スケジューリ
ングを行うことにより、この中間製品として最終製品の
基本的な性質を決定するもの、例えば鉄鋼の薄板製品で
あればホットコイルを選ぶことにより、特定の需要家か
らの注文の製品が最終的にいつ頃納入できるかという長
期的な計画の把握が可能となり、また、例えば実際に製
造された中間製品の実績に変動があった場合でも、その
変動を取り込んだかたちで柔軟に再設計及び再度のスケ
ジューリングを行うことができる。また、このような変
動が生じた場合に、逐次スケジューリングを行うことに
より在庫(仕掛)を最小限に抑えることができ、更に、
余材が発生した場合には、設計現品と実績現品とを用い
てその原因を容易に特定することができ、必要な改善点
の発見にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】製鉄所において製造される薄板製品の製造手順
について工程別に説明するための図である。
【図2】本実施形態に係る薄板製品のスケジューリング
システムの概要を示すブロック図である。
【図3】本実施形態の薄板工程におけるスケジューリン
グを説明するための図である。
【図4】需要家からの薄板製品の注文量が50tであっ
た場合の設計現品と実績として出来た現品との対応を示
す図である。
【図5】本実施形態で行った各種のスケジューリングの
評価を行うための評価表を示す図である。
【符号の説明】
10 転炉(精錬)工程 11 連続鋳造(凝固)工程 12 粗圧延工程 13 熱間仕上圧延工程 14 冷間圧延工程 15 焼鈍工程 16 スキンパス工程 17 メッキ工程 21 スクリーニング部 22 週間生産計画部 23 現品設計部 24 週間・日別スケジューリング部 25a 週間・日別上りスケジューリング部(薄板工
程) 25b 週間・日別下りスケジューリング部(薄板工
程) 26 週間・日別スケジューリング部(製鋼・熱延工
程) 27a 日別・実行スケジューリング部(薄板工程) 27b 日別・実行スケジューリング部(製鋼・熱延
工程) 28 生産管制部 29 各設備
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G06F 15/21 L (72)発明者 岡崎 稔 北九州市戸畑区飛幡町1−1 新日本製鐵 株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 赤松 菊夫 東京都千代田区大手町2丁目6番3号 新 日本製鐵株式会社内 (72)発明者 安長 裕和 北九州市戸畑区飛幡町2−2 新日鉄情報 通信システム株式会社西日本支社内 (72)発明者 重松 実 北九州市戸畑区飛幡町2−2 新日鉄情報 通信システム株式会社西日本支社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原材料に基づいて中間製品を生成する上
    工程と前記中間製品に対し更に処理を行う下工程とを有
    する製造工程と、 注文に基づいて前記中間製品の少なくともサイズ、単重
    及び数量の設計を行って、中間製品の設計現品を得る現
    品設計手段と、 前記現品設計手段が設計した設計現品に基づいて、前記
    上工程及び前記下工程の製造スケジューリングを行うス
    ケジューリング手段と、 を具備することを特徴とする製造工程のスケジューリン
    グシステム。
  2. 【請求項2】 前記スケジューリング手段は、予め定め
    た所定の期間毎に、スケジューリングを行う所定期間・
    日別スケジューリング部と、前記所定期間・日別スケジ
    ューリング部が作成した所定の期間のスケジューリング
    について毎日の変動を取り込んで再スケジューリングを
    行う日別・実行スケジューリング部とを含むものである
    ことを特徴とする請求項1記載の製造工程のスケジュー
    リングシステム。
  3. 【請求項3】 前記毎日の変動は、操業の実績変動、注
    文の変動、納期の変動を含むものであることを特徴とす
    る請求項2記載の製造工程のスケジューリングシステ
    ム。
  4. 【請求項4】 前記設計は、実際に存在する中間製品の
    在庫量を考慮して行うことを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の製造工程のスケジューリングシステム。
  5. 【請求項5】 前記現品設計手段は、前記注文に変更が
    あったときに、その変更に基づいて前記設計現品の再設
    計を行い、前記スケジューリング手段は前記再設計の結
    果に基づいて前記上工程及び前記下工程の製造スケジュ
    ーリングをやり直すことを特徴とする請求項1、2、3
    又は4記載の製造工程のスケジューリングシステム。
  6. 【請求項6】 前記現品設計手段は、実際に生成された
    中間製品である実績現品と前記設計の結果得られた中間
    製品の設計現品とを照合して、両者間に予め定めた所定
    値以上の差があるときに、前記設計現品の再設計を行
    い、前記スケジューリング手段は前記再設計の結果に基
    づいて前記上工程及び前記下工程の製造スケジューリン
    グをやり直すことを特徴とする請求項1、2、3、4又
    は5記載の製造工程のスケジューリングシステム。
  7. 【請求項7】 前記製品は鉄鋼の薄板製品であり、前記
    中間製品はホットコイルであることを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5又は6記載の製造工程のスケジュー
    リングシステム。
JP4084397A 1997-02-25 1997-02-25 製造工程のスケジューリングシステム Withdrawn JPH10235540A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4084397A JPH10235540A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 製造工程のスケジューリングシステム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4084397A JPH10235540A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 製造工程のスケジューリングシステム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10235540A true JPH10235540A (ja) 1998-09-08

Family

ID=12591886

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4084397A Withdrawn JPH10235540A (ja) 1997-02-25 1997-02-25 製造工程のスケジューリングシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10235540A (ja)

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002091536A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Nippon Steel Corp 鉄鋼製品の一貫製造管理方法、スケジューリング装置及び記憶媒体
WO2002026423A1 (en) * 2000-09-29 2002-04-04 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Company Limited Method of providing steel strip to order
US6581672B2 (en) 2000-09-29 2003-06-24 Nucor Corporation Method for controlling a continuous strip steel casting process based on customer-specified requirements
JP2004145749A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Jfe Steel Kk 鉄鋼製品の生産計画システム
US7591917B2 (en) 2000-10-02 2009-09-22 Nucor Corporation Method of producing steel strip
JP2010250521A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Jfe Steel Corp 板状鉄鋼製品の投入計画作成方法及び投入計画作成装置
CN102929247A (zh) * 2012-11-09 2013-02-13 珠海格力电器股份有限公司 生产设备控制方法、服务器及系统
JP2013054552A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Jfe Steel Corp 生産計画作成システムおよび生産計画作成方法
JP2017084094A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 計画支援装置、サプライチェーン管理システム及び計画支援プログラム
KR20190048306A (ko) 2017-10-31 2019-05-09 주식회사 포스코 코일용 재료 설계 시스템
CN109858780A (zh) * 2019-01-14 2019-06-07 沈阳建筑大学 一种炼钢-连铸生产调度优化方法
CN111168028A (zh) * 2020-01-21 2020-05-19 宝钢湛江钢铁有限公司 一种基于连铸厚板向板坯重量自适应控制方法

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002091536A (ja) * 2000-09-13 2002-03-29 Nippon Steel Corp 鉄鋼製品の一貫製造管理方法、スケジューリング装置及び記憶媒体
KR100868143B1 (ko) 2000-09-29 2008-11-10 누코 코포레이션 주문에 의한 강 스트립 공급 방법
WO2002026423A1 (en) * 2000-09-29 2002-04-04 Ishikawajima-Harima Heavy Industries Company Limited Method of providing steel strip to order
US6581672B2 (en) 2000-09-29 2003-06-24 Nucor Corporation Method for controlling a continuous strip steel casting process based on customer-specified requirements
US6896034B2 (en) 2000-09-29 2005-05-24 Nucor Corporation Method for controlling a continuous strip steel casting process based on customer-specified requirements
AU2001291504B2 (en) * 2000-09-29 2006-06-08 Nucor Corporation Method of providing steel strip to order
CN1308100C (zh) * 2000-09-29 2007-04-04 纽科尔公司 按定单提供钢带的方法
US7591917B2 (en) 2000-10-02 2009-09-22 Nucor Corporation Method of producing steel strip
JP2004145749A (ja) * 2002-10-25 2004-05-20 Jfe Steel Kk 鉄鋼製品の生産計画システム
JP2010250521A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Jfe Steel Corp 板状鉄鋼製品の投入計画作成方法及び投入計画作成装置
JP2013054552A (ja) * 2011-09-05 2013-03-21 Jfe Steel Corp 生産計画作成システムおよび生産計画作成方法
CN102929247A (zh) * 2012-11-09 2013-02-13 珠海格力电器股份有限公司 生产设备控制方法、服务器及系统
JP2017084094A (ja) * 2015-10-28 2017-05-18 三菱電機インフォメーションシステムズ株式会社 計画支援装置、サプライチェーン管理システム及び計画支援プログラム
KR20190048306A (ko) 2017-10-31 2019-05-09 주식회사 포스코 코일용 재료 설계 시스템
CN109858780A (zh) * 2019-01-14 2019-06-07 沈阳建筑大学 一种炼钢-连铸生产调度优化方法
CN109858780B (zh) * 2019-01-14 2023-01-31 沈阳建筑大学 一种炼钢-连铸生产调度优化方法
CN111168028A (zh) * 2020-01-21 2020-05-19 宝钢湛江钢铁有限公司 一种基于连铸厚板向板坯重量自适应控制方法
CN111168028B (zh) * 2020-01-21 2022-04-29 宝钢湛江钢铁有限公司 一种基于连铸厚板向板坯重量自适应控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lambrecht et al. ACLIPS: A capacity and lead time integrated procedure for scheduling
JPH10235540A (ja) 製造工程のスケジューリングシステム
US20030195648A1 (en) Methods and systems for scheduling work
US20030109950A1 (en) Methods and systems for planning operations in manufacturing plants
US20110258087A1 (en) Analytics for setting up strategic inventory systems to handle small lot orders in the steel industry
JP3744441B2 (ja) 鉄鋼中間製品及び鉄鋼製品の生産計画作成方法、その装置、その方法又は装置を実現するためのプログラム
JPH11120248A (ja) 生産スケジューリング・システムおよびスケジューリング方法
JP4243421B2 (ja) 鉄鋼製品の製造管理方法、製造スケジューリング装置及び記憶媒体
JPH10180597A (ja) 製造工程の製品管理システム
JPH0816662A (ja) 生産管理装置
JPH10268909A (ja) スケジューリングシステム
Reda A review of “kanban”—the Japanese “Just-In-Time” production system
JPH10180596A (ja) 製鋼・熱延工程のスケジューリングシステム
JP3154397B2 (ja) 溶銑需給管理スケジューリング方法
JP4232386B2 (ja) 生産計画作成システム及び生産計画作成方法
JPH0435851A (ja) 被処理品投入計画立案装置
JPH10268908A (ja) スケジューリングシステム
JP4473467B2 (ja) 生産計画立案装置
JP2003323206A (ja) 生産計画編集システム、生産計画編集方法及びプログラム
JPH06266725A (ja) 加工用素材の生産管理方法及びシステム
JP4438430B2 (ja) 出鋼ロット編成システム、編成方法及びプログラム
RU43385U1 (ru) Автоматизированные системы мониторинга производства на предприятии
RU43666U1 (ru) Автоматизированная система контроля в реальном времени за движением оборотных средств предприятия в процессе производства и обращения (варианты)
Schönsleben Time Management and Scheduling
Missbauer et al. Developing a computerized scheduling system for the steelmaking–continuous casting process

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20040511