JPH10235256A - 磁気記録媒体用塗布装置 - Google Patents

磁気記録媒体用塗布装置

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Publication number
JPH10235256A
JPH10235256A JP4176597A JP4176597A JPH10235256A JP H10235256 A JPH10235256 A JP H10235256A JP 4176597 A JP4176597 A JP 4176597A JP 4176597 A JP4176597 A JP 4176597A JP H10235256 A JPH10235256 A JP H10235256A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
base film
coating
magnetic
lip
coating material
Prior art date
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Pending
Application number
JP4176597A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuo Sasaki
和男 佐々木
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Filing date
Publication date
Application filed by Sony Corp filed Critical Sony Corp
Priority to JP4176597A priority Critical patent/JPH10235256A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗料出口を構成するリップとベースフィルム
の摺接による粉落ちを防止し、また塗布開始時のスティ
ックスリップ現象の発生を防止した磁気記録媒体用塗布
装置を提供する。 【解決手段】 帯状フィルム5を塗料出口部1,2,3
の外面に摺接させながらこの帯状フィルムに塗料を塗布
する磁気記録媒体用塗布装置において、前記塗料出口部
の外面にダイヤモンドライクカーボン13をコーティン
グした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気記録媒体用塗布
装置に関する。より詳しくは、帯状ベースフィルムを塗
料出口部の外面に摺接させながらこのフィルムに磁性塗
料を塗布して磁気テープを形成するための磁気記録媒体
用塗布装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気記録再生装置で用いるビデオテープ
等の磁気テープは、非磁性の各種プラスチック材料から
なるベースフィルム上に磁性粉を混入した磁性塗料を塗
布して磁性層を形成したものである。このような磁性塗
料を塗布する場合、エクストロージョン型塗布装置(ダ
イコート装置)が用いられている。
【0003】図5は従来の塗布装置の塗料出口部を示す
部分斜視図である。磁性塗料等の塗料出口部1は、超硬
合金あるいは金型鋼等からなる上リップ2と下リップ3
とにより構成され、両リップ2、3間に塗料通路となる
スリット4が形成される。これらの上リップ2および下
リップ3の前側の外面2aおよび3aに摺接して非磁性
の樹脂材料からなる帯状ベースフィルム5が矢印Aのよ
うに移動する。このベースフィルム5の移動中に、両リ
ップ2、3間の所定幅範囲内に供給された磁性塗料がベ
ースフィルム5の内面側に塗布されて磁性層6がコーテ
ィングされ磁気テープが形成される。
【0004】このような塗料出口を構成する上下のリッ
プ2、3は、塗布ムラを最小に抑えるために高度な加工
精度が要求され、その表面粗度はRa=0.2μm(カ
ットオフなし)とされその表面は殆ど鏡面状となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな鏡面状のリップ表面にベースフィルムを摺接させる
と、密着性が大きいため摩擦が大きくなる。このため、
ベースフィルム5がリップ2、3に摺接して擦られると
フィルム面が削られ、特に上リップ2の外面2aとその
下端部の面取り部2bとの境界エッジ部分や下リップ3
の塗料供給口のテーパ面3bと外面3aとの境界エッジ
部分で、樹脂の微粉末7が発生する。このような微粉末
7の粉落ちは、ベースフィルム5の両側縁の塗料が塗布
されない耳部5a(図では磁気テープの片側のみ示す)
に多く発生する。
【0006】このような微粉末7が磁性層6に付着する
と、図6(A)に示すように、磁性層6の端部8が厚く
なり、均一な磁気特性が得られなくなる。また、微粉末
7が耳部5aに付着すると、図6(B)に示すように、
磁気テープをロール状に巻回して芯10を有する磁気テ
ープロール9を形成したときに、その両側に盛り上がり
9aが形成され取扱い性が悪くなる。
【0007】また、特に高出力の磁気テープを形成する
ことができる平滑なベースフィルム(Ra=2.5n
m,Rz=25nm程度)を使用すると、塗布開始時、
リップにベースフィルムを接触させてセットした後、フ
ィルムを移動開始するときに、摩擦が大きいためにフィ
ルムがリップ表面に対し断続的に接触離間を繰り返し、
振動や騒音を発生する現象(スティックスリップ現象)
を発生して円滑な塗布動作が得られなくなる。このた
め、従来はスティックスリップを起こさないベースフィ
ルムとしてその粗度はRa=5nm,Rz=150nm
程度以上のものに限られていた。
【0008】本発明は上記の点を考慮してなされたもの
であって、リップに対するベースフィルムの摺接による
粉落ちを防止し、また塗布開始時のスティックスリップ
現象の発生を防止した磁気記録媒体用塗布装置の提供を
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明では、帯状フィルムを塗料出口部の外面に摺
接させながらこの帯状フィルムに塗料を塗布する磁気記
録媒体用塗布装置において、前記塗料出口部の外面にダ
イヤモンドライクカーボンをコーティングしたことを特
徴とする磁気記録媒体用塗布装置を提供する。
【0010】この構成によれば、上下のリップからなる
塗料出口部の外面にダイヤモンドライクカーボン(DL
C)がコーティングされるため、摺接部分の低摩擦化が
図られ、ベースフィルムの削れによる粉落ちが減少し
て、磁性層への影響が抑制され、また、テープ耳部の盛
り上がりがなくなってロール形状が安定して優れたもの
となり取扱い性が向上する。また、低摩擦化するため、
平滑なベースフィルムを使用してもスティックスリップ
減少が起きず、高出力の磁気テープの塗布工程に適用可
能となる。
【0011】さらに、DLCは、通常の超硬合金の5倍
程度の高い硬度(Hv8000程度)を有するため、ベ
ースフィルム中のSiO2 等のフィラーによるリップの
摩耗に対し有効に作用し摩耗を抑制してリップの使用寿
命を長くすることができる。特に金型鋼等の比較的硬度
の低いリップ材料を用いたときに摩耗防止作用が有効と
なる。
【0012】
【発明の実施の形態】好ましい実施の形態においては、
前記ダイヤモンドライクカーボンを10μm以下の厚さ
にコーティングしたことを特徴としている。
【0013】この構成によれば、DLCのコーティング
厚が、塗料出口部のリップの加工精度に影響を与えない
程度に薄いため、均一で良好な磁性塗膜が得られ、特に
塗料出口部のテーパ面のエッジ部分が丸くなることによ
る塗布ムラやスジの発生が防止される。
【0014】さらに好ましい実施の形態においては、前
記ダイヤモンドライクカーボンは100℃以下の処理温
度で形成されたものであることを特徴としている。
【0015】この構成によれば、リップ加工時の潜在歪
が高温のコーティング処理により表われてくることが防
止され、DLCコーティング時の歪発生を防止して高い
加工精度を維持することができる。
【0016】
【実施例】図1は本発明の実施例に係る塗布装置の塗料
出口部を示す部分斜視図、図2はその断面図である。磁
性塗料等の塗料出口部1は、超硬合金あるいは金型鋼等
からなる上リップ2と下リップ3とにより構成され、両
リップ2、3間に塗料通路となるスリット4が形成され
る。これらの上リップ2および下リップ3の前側の外面
2aおよび3aに摺接して非磁性の樹脂材料からなる帯
状ベースフィルム5が矢印Aのように移動する。このベ
ースフィルム5の移動中に、両リップ2、3間の所定幅
範囲内に供給された磁性塗料がベースフィルム5の内面
側に塗布されて磁性層6がコーティングされ磁気テープ
14が形成される。スリット4に連通する両リップ2、
3間には焼結多孔質材料からなるフィルタ11が装着さ
れ、磁性塗料が図示しないポンプから矢印Bのように供
給され、フィルタ11を介して均一に整流されてスリッ
ト4を含む空間を磁性塗料12(図2)で充填し、矢印
C(図1)のようにスリット4内を通してベースフィル
ム5の内面に磁性層6を形成する。
【0017】これらの上下リップ2、3の外面のベース
フィルム5が摺接する部分にはダイヤモンドライクカー
ボン(DLC)13がコーティングされている。このD
LCコーティング13の厚さは、上下リップ2、3の加
工精度に影響を与えない程度に、特に上リップ2の前面
2aとその下端の面取り部2bとの境界エッジ部や下リ
ップ3の前面3aとその上端部のテーパ面3bとの境界
エッジ部が丸みを帯びないように、10μm以下好まし
くは5μm以下とする。また、このDLC13のコーテ
ィング処理は、処理温度によるリップでの歪の発生を防
止し、リップの加工精度を維持するために、100℃以
下の処理温度好ましくは60℃以下で行なう。このよう
なDLC13は、少なくともベースフィルム5との摺接
部分にコーティングされれば足りるが、実際には、上リ
ップ2の上面や下リップ3の下面およびスリット4内に
も部分的にコーティングされる。
【0018】このようにDLCコーティング13を施す
ことにより、前述の図5の従来例と対比した図3に示す
ように、ベースフィルム5の耳部には図5のような樹脂
の微粉末7は発生しない。したがって、図4(A)に示
すように、磁性層6の端部は均一な厚さに維持され、図
6(A)のように端部8が厚くなることが防止される。
また、図4(B)に示すように、このような磁気テープ
を芯10廻りに巻回してロール9を形成したときに、前
述の図6(B)のような耳部の盛り上がり9aが形成さ
れることはない。
【0019】なお上記実施例では、1箇所の塗料出口部
から塗料を供給してベースフィルム上に磁性層を形成す
る構成の塗布装置を例示したが、塗料出口部を上下2段
に設け、各々別の塗料を供給して2層の塗膜(例えば下
塗り層と磁性層、あるいは組成の異なる2つの磁性層)
を同時に形成する構成の塗布装置に対し本発明を適用す
ることができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、上下のリップからなる塗料出口部の外面にダイヤモ
ンドライクカーボン(DLC)がコーティングされるた
め、低摩擦化が図られ、ベースフィルムの削れによる粉
落ちが減少して、磁性層への影響が抑制され、均一で安
定した特性の磁気テープが得られ、また、テープ耳部の
盛り上がりがなくなってロール形状が安定して優れたも
のとなり取扱い性が向上する。また、低摩擦化するた
め、平滑なベースフィルムを使用してもスティックスリ
ップ減少が起きず、高出力の磁気テープの塗布工程に適
用可能となって、磁気特性の優れた塗布型磁気テープが
得られる。
【0021】さらに、DLCは、通常の超硬合金の5倍
程度の高い硬度(Hv8000程度)を有するため、ベ
ースフィルム中のSiO2 等のフィラーによるリップの
摩耗に対し有効に作用し摩耗を抑制してリップの使用寿
命を長くすることができる。特に金型鋼等の比較的硬度
の低いリップ材料を用いたときに摩耗防止作用が有効と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の構成説明図。
【図2】 図1の実施例の断面図。
【図3】 図1の実施例の作用説明図。
【図4】 図1の実施例による磁気テープおよびそのロ
ールの形状説明図。
【図5】 従来の塗布装置の要部斜視図。
【図6】 従来の塗布装置による磁気テープ及びそのロ
ールの形状説明図。
【符号の説明】 1:塗料出口部、2:上リップ、3:下リップ、4:ス
リット、5:ベースフィルム、6:磁性層、13:ダイ
ヤモンドライクカーボン(DLCコーティング)。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】帯状フィルムを塗料出口部の外面に摺接さ
    せながらこの帯状フィルムに塗料を塗布する磁気記録媒
    体用塗布装置において、 前記塗料出口部の外面にダイヤモンドライクカーボンを
    コーティングしたことを特徴とする磁気記録媒体用塗布
    装置。
  2. 【請求項2】前記ダイヤモンドライクカーボンを10μ
    m以下の厚さにコーティングしたことを特徴とする請求
    項1に記載の磁気記録媒体用塗布装置。
  3. 【請求項3】前記ダイヤモンドライクカーボンは100
    ℃以下の処理温度で形成されたものであることを特徴と
    する請求項1または2に記載の磁気記録媒体用塗布装
    置。
JP4176597A 1997-02-26 1997-02-26 磁気記録媒体用塗布装置 Pending JPH10235256A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4176597A JPH10235256A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 磁気記録媒体用塗布装置

Applications Claiming Priority (1)

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JP4176597A JPH10235256A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 磁気記録媒体用塗布装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10235256A true JPH10235256A (ja) 1998-09-08

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ID=12617507

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Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4176597A Pending JPH10235256A (ja) 1997-02-26 1997-02-26 磁気記録媒体用塗布装置

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JP (1) JPH10235256A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2564939A1 (en) 2011-08-26 2013-03-06 Fujifilm Corporation Coating apparatus and coating method

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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