JPH10235231A - 静電噴霧ガン - Google Patents

静電噴霧ガン

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Publication number
JPH10235231A
JPH10235231A JP4074097A JP4074097A JPH10235231A JP H10235231 A JPH10235231 A JP H10235231A JP 4074097 A JP4074097 A JP 4074097A JP 4074097 A JP4074097 A JP 4074097A JP H10235231 A JPH10235231 A JP H10235231A
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JP
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passage
powder
gas
cap
around
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Application number
JP4074097A
Other languages
English (en)
Inventor
Shuji Sasabe
修司 笹邊
Kenji Takebayashi
賢治 竹林
Toyokazu Yokoyama
豊和 横山
Shoji Kimura
尚司 木村
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Hosokawa Micron Corp
Original Assignee
Hosokawa Micron Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】シリンダ部材とキャップとの間の開口のクリア
ランスを通路軸周りに全周にわたって簡単に均一に設定
する事が可能であり、エアーが吹出口から均一に吹き出
して安定した塗装パターンが得られる静電噴霧ガンを提
供する。 【解決手段】パターンエアーは、ガス供給口14を通っ
てシリンダ4とキャップ5との間に供給され、キャップ
5のパターンエアー反射面とシリンダ4の前面との間の
開口より、ガンの通路軸周りに放射状に、且つガンの後
方寄りに吹き出す。この場合、シリンダ4の嵌合部の内
周に設けた溝20に、キャップ5の嵌合部の外周に設け
た突起21がはめ込まれる事により、シリンダ4とキャ
ップ5との間の隙間Hが通路軸周りに全周にわたって均
一に設定されるので、ガスが吹出口から常に均一に吹き
出して、安定した塗装パターンが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塗料粉体に電極に
より静電荷電を施してガス流と共に噴射する構造の、粉
体塗装用静電噴霧ガンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より使用されている静電噴霧ガンに
おいては、被塗装物に対する塗装面積を稼いで効率良く
塗装するために、バッフルコーン(邪魔板)をその先端
に取り付けて、塗装パターンを広げるという事が行われ
ている。ところが、この構成では、そのバッフルコーン
の形状や大きさにより、塗装パターンの大きさが概ね限
定されてしまう。しかも、粉体塗料の搬送スピードが高
くなると、それに応じてバッフルコーンの径を大きくし
たとしても、任意の大きさのパターンが形成できないと
いう問題も生じる。
【0003】そして、バッフルコーンを使用すると、そ
のバッフルコーンへの塗料粉体の付着が避けられない。
この付着粉体がバッフルコーンから剥離すると、いわゆ
るスピットとして被塗装物に飛んで行き、塗装不良を起
こす。また、バッフルコーンが常に粉体の流れに曝され
る事による摩耗も生じる。そのため、バッフルコーンの
清掃,交換を頻繁に行わなくてはならないので、メンテ
ナンス性が悪くなる。そこで、上記のような不都合を軽
減して使用するために、従来より、バッフルコーンを用
いない方法によって、静電噴霧ガンに改良が加えられて
いる。
【0004】例えば、特願平8−331819号に記載
されている如く、通路軸周りに設けられ、その通路軸方
向に延びて下流端に粉体の噴射口を有する粉体通路と、
その粉体通路の内側において前記通路軸周りに設けら
れ、前記通路軸方向に延びて前記噴射口より下流側にガ
スの吹出口を有するガス通路と、そのガス通路下流端に
前記粉体を静電荷電する電極とを備えた静電噴霧ガンに
おいて、前記吹出口から前記通路軸周りに放射状で且つ
上流側向きに前記ガスが吹き出す構成としている。
【0005】また、前記吹出口は、前記ガス通路の下流
端に設けられたシリンダ部材とそのシリンダ部材の下流
側先端に設けられたキャップとの間の開口により構成さ
れ、そのキャップの前記通路軸周りの外径は、そのシリ
ンダ部材の通路軸周りの外径よりも小さい構成としてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成において、例えばシリンダ部材とキャップは、ネジ部
で螺合しており、その螺合したシリンダ部材とキャップ
との間をガスが通過する構造を採用しているので、シリ
ンダ部材とキャップとの間の開口のクリアランスを通路
軸周りに全周にわたって均一に調整する事が難しく、ま
た、調整できたとしても、再現性に欠けるきらいがあっ
た。そのため、ガスが吹出口から均一に吹き出さず、塗
装パターンが変形するという事が生じていた。
【0007】本発明は、上記不具合点を解消し、シリン
ダ部材とキャップとの間の開口のクリアランスを通路軸
周りに全周にわたって簡単に均一に設定する事が可能で
あり、ガスが吹出口から均一に吹き出して安定した塗装
パターンが得られるとともに、塗装効率及び塗装品質を
向上させる機能や粉体塗料のガンボディ等への付着を防
止する機能をも兼ね備えた静電噴霧ガンを提供する事を
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では、通路軸周りに設けられ、その通路軸方
向に延びて下流端に粉体の噴射口を有する粉体通路と、
その粉体通路の内側において前記通路軸周りに設けら
れ、前記通路軸方向に延びて前記噴射口より下流側にガ
スの吹出口を有するガス通路と、そのガス通路下流端に
前記粉体を静電荷電する電極とを備え、前記吹出口から
前記通路軸周りに放射状で且つ上流側向きに前記ガスが
吹き出す静電噴霧ガンであって、前記吹出口は、前記ガ
ス通路の下流端に設けられたシリンダ部材とそのシリン
ダ部材の下流側先端に設けられたキャップとの間の開口
により構成され、そのキャップの前記通路軸周りの外径
は、前記シリンダ部材のその通路軸周りの外径よりも小
さい静電噴霧ガンにおいて、前記シリンダ部材の前面
に、前記ガス通路より延びて前記シリンダ部材と前記キ
ャップとの間へ前記ガスを供給するガス供給口を設けた
構成とする。
【0009】尚、ここでいう通路軸とは、構造上実体的
に設けられた軸ではなく、静電噴霧ガン本体の仮想的な
中心を示している。また、前記粉体通路の外側表面にお
いて前記通路軸周りに、導電性のアース体であるイオン
トラップリングを設けた構成とする。
【0010】さらに、別の構成として、通路軸周りに設
けられ、その通路軸方向に延びて下流端に粉体の噴射口
を有する粉体通路と、その粉体通路の内側において前記
通路軸周りに設けられ、前記通路軸方向に延びて前記噴
射口より下流側にガスの吹出口を有するガス通路と、前
記粉体通路の外側において前記通路軸周りに設けられ、
前記粉体を静電荷電する電極とを備え、前記吹出口から
前記通路軸周りに放射状で且つ上流側向きに前記ガスが
吹き出す静電噴霧ガンであって、前記吹出口は、前記ガ
ス通路の下流端に設けられたシリンダ部材とそのシリン
ダ部材の下流側先端に設けられたキャップとの間の開口
により構成され、そのキャップの前記通路軸周りの外径
は、前記シリンダ部材のその通路軸周りの外径よりも小
さい静電噴霧ガンにおいて、前記シリンダ部材の前面
に、前記ガス通路より延びて前記シリンダ部材と前記キ
ャップとの間へ前記ガスを供給するガス供給口を設けた
構成とする。
【0011】また、前記キャップは、導電性のアース体
であってイオントラップの働きを持つ構成とする。そし
て、前記全ての構成において、前記噴射口の外周下流端
は、端面部が生じないように形成される構成とする事も
できる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の静
電噴霧ガン(以下、ガンと呼ぶ)の第1の実施形態を模
式的に示した縦断面図である。同図に示すように、ガン
ボディ1の通路軸(仮想的な中心,図示せず)周り後方
には、100kVまで昇圧できる高電圧発生装置2が内
蔵されており、そこから前方にケーブル3が延びてい
て、その先端で電極6に接続されている。
【0013】ガンボディ1の前方には、ガンの頭部を形
成するシリンダ4が設けられており、これは樹脂等の絶
縁材料で作られている。前記電極6は前方に延びて、シ
リンダ4の先端に取り付けられているキノコ形のキャッ
プ5を貫通し、ガンの先端に達している。この場合、キ
ャップ5もシリンダ4と同様に樹脂等の絶縁材料で作ら
れている。
【0014】一方、ガンボディ1の後面で高電圧発生装
置2の下部には、塗装パターンを制御するパターンエア
ーを供給するためのパターンエアー入口11が設けられ
ており、これが高電圧発生装置2の外周に円筒状に設け
られたエアー通路12の後端につながっている。このエ
アー通路12は、空間13を経由してガン前方のシリン
ダ4に達しており、更にシリンダ4の前面に設けられた
ガス供給口14により、キャップ5とシリンダ4との間
の開口へとつながっている。詳しくは後述する。
【0015】また、ガンボディ1の後面で高電圧発生装
置2の上部には、粉体と搬送エアーの固気二相流を送り
込むための導入口7が設けられており、これがエアー通
路12の外周に略円筒状に設けられた粉体通路8の後端
につながっている。この粉体通路8はガン前方に延びて
おり、途中の抵抗部10を経て、シリンダ4の周囲に設
けられた噴射口9まで達して開口している。この抵抗部
10のクリアランスは、粉体通路8の他の部分と比較し
て狭くなっている。
【0016】そして、ガンボディ1の後面で導入口7の
上部には、粉体の分散性を高める分散エアーを供給する
ための分散エアー入口15が設けられており、その前端
が粉体通路8の後端につながっている。
【0017】また、ガンボディ1の後面でパターンエア
ー入口11の下部には、ガンの先端が粉体で汚れるのを
防止するガン汚れ防止エアーを供給するための、ガン汚
れ防止エアー入口16が設けられており、これが粉体通
路8の外周にテーパ状に設けられたエアー通路18の後
端につながっている。このエアー通路18は、ガン中央
より少し前方まで延びており、ガンボディ1の前部周囲
に設けられた吹出口17まで達して開口している。
【0018】このように、電気系統をガンの中心に持っ
てきて、その周りを粉体の通路が取り囲む構造にする事
により、電気的な部分でいわゆる粉接部(粉体の接する
部分)がなくなるので、電気的ロスや故障が少なくな
る。また、固気二相流の導入口やエアー入口をガンの後
面に持ってくる事により、固気二相流路において流れが
干渉する部分を少なくし、スピット発生,摩耗等を防止
する事ができ、塗装安定性の確保と作業性の向上が図れ
る。
【0019】さらに、前記吹出口17の少し後方でガン
ボディ1の外周には、いわゆるフリーイオンを捕獲する
アース体であるイオントラップリング19が設けられて
いる。このフリーイオンとは、後述する静電荷電された
エアーが粉体に付かないでイオンのまま空中に漂ってい
るものであり、これが塗装面に集まると電荷が蓄積され
て塗装面の肌荒れを起こすので、予め除去しようとする
ものである。
【0020】また、前記噴射口9の外周下流端9′は、
縦断面が通路軸方向に鋭角を成している。これにより、
端面を極力なくす事で、粉体の付着を防止し、スピット
の発生等を抑えようとするものである。尚、同図におい
ては、噴射口9の開口が下流に向かって徐々に大きくな
る事により鋭角を形成し、塗装パターンの広がりを補助
する形となっているが、必ずしもこの形にこだわるわけ
ではなく、例えばガンボディ1側の外径が下流に向かっ
て徐々に小さくなる形状であっても良い。
【0021】以上の構成において、矢印Bで示すように
パターンエアー入口11より供給されたパターンエアー
は、エアー通路12を通って空間13を経由し、ガン先
端部のシリンダ4に到達する。図2は、ガン先端部を拡
大して詳細に示した図である。同図において、供給され
たパターンエアーの一部はキャップ5と電極6との間を
通過してガン先端より吹き出し、電極6に粉体が付着す
るのを防止する。
【0022】また、残りのパターンエアーは、矢印で示
すように、シリンダ4の前面に設けられたガス供給口1
4を通ってシリンダ4とキャップ5との間に供給され、
図1の矢印Dで示すように、キャップ5のパターンエア
ー反射面とシリンダ4の前面との間の開口より、ガンの
通路軸周りに放射状に、且つガンの後方寄り(上流側向
き)に吹き出す。
【0023】また、図1の矢印Aで示すように導入口7
より送り込まれた固気二相流は、粉体通路8を通り、途
中の抵抗部10を経て噴射口9より吹き出す。このと
き、吹き出した固気二相流は、矢印Dで示すパターンエ
アーにより、矢印Cで示すように広げられ、被塗装物に
噴霧される。
【0024】また、パターンエアーに粉体が衝突する事
による分散効果があり、粉体の塊を1次粒子状にしてし
まうので、従来のバッフルコーンを用いたガンを用いる
場合より塗装効率がアップする。この塗装パターン径
は、通常の使用状態において、固気二相流の吹き出し速
度や、ガンから被塗装物までの距離によっては変化しな
いので、これにより噴霧量や塗装パターンが制御しやす
くなっている。
【0025】ここで、高電圧発生装置2の働きによりケ
ーブル3を介して高電位となった電極6は、アース体で
ある被塗装物(図示せず)との間で絶縁破壊を起こし、
それによりコロナ放電が生じてパターンエアーを含む周
囲のエアーが静電荷電され、このエアーが接触する事に
より、ひいては噴霧される粉体にも静電荷電が施され
る。静電荷電された粉体は、電極6と被塗装物との間に
生じている電気力線に沿って、その被塗装物まで運搬さ
れて吸着するので、確実に塗装を行う事ができる。ま
た、電気力線の一部がイオントラップリング19に達す
る事により、これを横切ったパターンエアーも静電荷電
されるので、粉体の帯電効率が向上する。
【0026】また、矢印Eで示すように分散エアー入口
15より供給された分散エアーは、粉体の分散性を高め
るエアーとして粉体通路8に入り込み、例えば通路軸周
りに螺旋状に旋回してスパイラル流となり、粉体を撹拌
する。そして、抵抗部10を通過する事による圧力損失
を受け、通路軸周りの粉体の均一性を向上させて、固気
二相流と共に噴射口9から吐き出される。この分散エア
ーは、粉体通路8の後端部での粉体の付着,堆積を防ぐ
効果もある。
【0027】さらに、導入口7から粉体通路8への粉体
塗料の供給方向や角度を工夫して、通路軸周りの方向に
流れが生じるようにする事により、その粉体通路8の筒
形状と相俟って、螺旋状のスパイラル流が自然に発生し
て分散効果が高まり、噴射口9における粉体の濃度差が
生じにくい構造となっている。
【0028】また、矢印Fで示すようにガン汚れ防止エ
アー入口16より供給されたガン汚れ防止エアーは、エ
アー通路18を通って吹出口17より矢印Gのように吹
き出し、ガン前方の各部表面に付着している粉体を吹き
飛ばす事により、スピットの発生等による塗装不良を防
止している。また、吹出口17よりのガン汚れ防止エア
ーには、ガン表面の付着粉体を除去するほかに、適度な
流量調節によって固気二層流がパターンエアーにより拡
散され過ぎて粉体が飛散するのを抑制させる効果をも有
する。
【0029】尚、パターンエアーが高電圧発生器2の周
りに設けられたエアー通路12を通過する事で、その高
電圧発生器2を冷却する仕組みとなっている。なぜなら
ば、高電圧発生器2が過熱すると、発生する電圧の値が
不安定となり、塗装制御が困難となるからである。
【0030】ところで、図2に示すように、シリンダ4
の前面及びキャップ5のパターンエアー反射面は、パタ
ーンエアーがガンの通路軸周りに放射状に、且つガンの
後方寄り(上流側向き)に吹き出すように向いている
が、これにより、塗装パターンを広げる上で著しい効果
を発揮する事ができる。この場合のキャップ5とシリン
ダ4の隙間Hは、おおよそ0.1〜5mmの間で設定さ
れる。また、パターンエアーの圧力はおおよそ0.5〜
7kg/cm2 (ゲージ圧)の間で使用される。これに
より、塗装パターンの径は、おおよそ30〜1000m
mの範囲で制御可能である。
【0031】但し、本実施形態において、塗装パターン
の径を300mm以上に形成する場合は、パターンエア
ーの流量は、いわゆる標準空気において30NL/mi
n.(ノルマルリットル毎分)以上、パターンエアーの
圧力は1kg/cm2 (ゲージ圧)以上の範囲で使用す
る事が特徴である。
【0032】また、粉体の粒子吐出量としては、塗装の
内容に合わせて50〜600g/min.程度の間で調
整され、それに応じて上記抵抗部10のクリアランスは
0.1〜3mm程度の間で最適値が決定される(通過す
る粉体の粒子径は30μm程度)。ちなみに、シリンダ
4の外径は、設計可能な最低値8mm程度から最高でも
25mm程度までに抑える事により、噴射口9の周長が
短くなり、エアー量の増加を抑え、且つ粉体の偏流が少
なくなるので、パターン形成時の粉体の均一性を向上さ
せる事ができる。
【0033】そして、図2において示すように、本実施
形態では、シリンダ4にキャップ5をワンタッチで嵌合
する事により、隙間Hを設定する事ができる。即ち、シ
リンダ4の嵌合部の内周に設けた溝20に、キャップ5
の嵌合部の外周に設けた突起21がはめ込まれる事によ
り、シリンダ4とキャップ5との間の隙間Hが通路軸周
りに全周にわたって均一に設定され、また、着脱を頻繁
に行っても再現性が保たれる。そのため、エアーが吹出
口から常に均一に吹き出すので、安定した塗装パターン
が得られる。隙間Hの変更は、キャップ5を寸法違いの
ものに取り替える事により行う事ができる。
【0034】但し、この構成にはこだわるものではな
く、例えば一方の嵌合部に設けたピンが他方の嵌合部に
設けた溝に回転案内される事により、ワンタッチで固定
する形にしても良いし、また、ネジ部で螺合する場合に
おいても、雄ネジの先端が雌ネジ側の当接物に当接して
固定されるようにすれば、再現性良く着脱する事ができ
るようになる。いずれにせよ、キャップ5の取り付け精
度と再現性を保てる構成であれば良い。
【0035】さらに、同図のように、シリンダ4の外径
Iよりもキャップ5の外径Jを小さくする事で、噴射口
9からの分散エアーを加えた固気二相流の噴出によりシ
リンダ4とキャップ5との隙間Hからのパターンエアー
の吹き出しが抑制されたり妨げられたりする事なく、シ
リンダ4の前面に沿うようにしてパターンエアーが勢い
良く吹き出すようになり、制御可能な塗装パターンの最
大径を大きくする事ができる。また、キャップ5への粉
体の付着を少なくしてスピットによる塗装不良を防止す
る事もできる。
【0036】尚、固気二相流の噴射口9は、シリンダ4
の前面より或程度後方に位置する事で、塗装パターンを
確実に広げる事ができるが、本実施形態では、その距離
Lはおおよそ5〜20mmの範囲で設定される。また、
シリンダ4のガン上流側向きの傾き角Kは、約3〜10
゜の範囲で数段階に設定される。
【0037】図3は、シリンダ4の前面に設けられたガ
ス供給口14の配置パターン例を表す図である。但し、
キャップ5との嵌合部は省略している。同図(a)に示
すように、パターンエアーをシリンダ4とキャップ5と
の間に供給するガス供給口14は、そのパターンエアー
が通路軸周りに均一な放射状に吹き出すように、略円周
上に略等角度で配置される。それらの各穴径は、通常
0.5〜1mm程度である。或いは同図(b)に示すよ
うに、更に均一性を向上させるために、千鳥足状の配置
パターンとする場合もある。さらには、同図(c)に示
すように、円周に沿って設けた長穴を交互に配置する事
により、更なる均一性を図る事もできる。
【0038】尚、これまで述べてきたエアーについて
は、塗装用として一般的に使用されているが、これにこ
だわるものではなく、粉体の搬送,分散或いはパターン
形成等にふさわしいガスであれば、何を使用しても良
い。また、キャップ5を導電性材料により構成し、電極
6と一体化する事もできる。これにより、ガン頭部の清
掃が簡単になるとともに、針状の電極を使用する場合と
比較して、被塗装物との間に生じる電気力線が局部集中
していわゆるフリーイオンが集まるのを抑制する事がで
き、塗装面の肌荒れを防止する事ができる。但し、粉体
の帯電効率即ち塗装効率は若干低下する。
【0039】さらに、シリンダ4の先端部やキャップ5
等の表面を滑らかに仕上げる事により、塗料の付着によ
るスピットの発生や摩耗等を極力抑えるように工夫して
いる。また、本発明構成は、摩擦帯電型式のトリボガン
に適用させる事も可能である。
【0040】図4は、本発明の第2の実施形態を模式的
に示した縦断面図である。同図に示すように、アース体
であるイオントラップリング19′は、ガンボディ1の
前方外周表面に設けられており、上記イオントラップリ
ング19と同様にフリーイオンを捕獲する働き以外に、
ガンボディ1への粉体の付着防止機能も兼ね備えてい
る。即ち、イオントラップリング19′を外周表面に設
ける事により、電極6からの電気力線の一部がイオント
ラップリング19′に達する際に、ガン前方表面に電界
が生じるので、同じ極性に帯電している粉体粒子と反発
し合って、ガンボディ1前方等に粉体が付着しなくなる
のである。
【0041】これにより、上記第1の実施形態において
使用されていたガン汚れ防止エアーの供給は不要となる
ので、これに関する装備即ち図1において示されていた
ガン汚れ防止エアー入口16,吹出口17,エアー通路
18は、図4においては示されていない。但し、ガン表
面の汚れ防止以外の目的、即ち、パターンエアーによる
固気二層流の拡散を抑制し、良好なパターン流れを形成
させるための整流効果を得る目的で付設する事もある。
また、分散エアー入口15も図4においては省略してい
るが、この分散エアーに関しても、供給すればここでも
有効となる。その他の部分の構成及び機能は第1の実施
形態と同様である。
【0042】図5は、本発明の第3の実施形態を模式的
に示した縦断面図である。同図に示すように、リング状
の電極22がガンボディ1の前方外周に設けられてい
る。これに伴って、高電圧発生装置2が粉体通路8の外
側に配置され、ケーブル3を介して電極22に接続され
ている。また、上記第1,第2の実施形態において使用
されていたガン先端の電極6は不要となり、それが貫通
するキャップ5の貫通穴も開けなくて済む。電極22の
リングの周囲には、前方に向かって数本の電極針(実用
的には最低4本必要)が設けられている。
【0043】以上の構成により、上記第1或いは第2の
実施形態においてキャップ5を導電性材料により構成し
て電極6と一体化した場合と同様に、針状の電極6を使
用する場合と比較して、被塗装物との間に生じる電気力
線が局部集中していわゆるフリーイオンが集まるのを抑
制する事ができ、塗装面の肌荒れを防止する事ができ
る。但し、粉体の帯電効率即ち塗装効率も、同様に若干
低下する。
【0044】また、この第3の実施形態において、キャ
ップ5を導電性材料により構成し、アース体とする事に
より、イオントラップの働きを持たせる事ができるとと
もに、電極22からの電気力線の一部がキャップ5に達
する事により、これを横切ったパターンエアーも静電荷
電されるので、粉体の帯電効率が向上する。さらに、こ
の場合、電極22をできるだけガンボディ1の外周表面
に持ってくる事により、上記第2の実施形態と同様にし
て、電極22からの電気力線の一部がキャップ5に達す
る際に、ガン前方表面に電界が生じるので、同じ極性に
帯電している粉体粒子と反発し合って、ガンボディ1に
粉体が付着しなくなる。
【0045】尚、図5において、ガン汚れ防止エアー及
び分散エアーの供給に関する構成は省略している。その
他の部分の構成及び機能は第1の実施形態と同様であ
る。
【0046】また、別の構成として、図6に示すよう
に、固気二相流がガン後面中央の導入口7から直線状の
粉体通路8を通ってそのまま前方の噴射口9より噴射さ
せる構成とする事により、経路が単純になってガン内部
における粉体の固着を防止する事ができる。この場合、
高電圧発生装置2及びケーブル3並びにパターンエアー
を供給するエアー通路12は、それぞれ粉体通路8の外
側に配置され、ガン前方において通路軸付近へ導かれる
構成となる。ガン先端部分の構成及び機能は第1の実施
形態と同様である。この考え方は、上記第1から第3の
実施形態全てにおいて応用する事ができる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
シリンダ部材とキャップとの間の開口のクリアランスを
通路軸周りに全周にわたって簡単に均一に設定する事が
可能であり、ガスが吹出口から均一に吹き出して安定し
た塗装パターンが得られるとともに、塗装効率及び塗装
品質を向上させる機能や粉体塗料のガンボディ等への付
着を防止する機能をも兼ね備えた静電噴霧ガンを提供す
る事ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を模式的に示した縦断
面図。
【図2】ガン先端部を拡大して詳細に示した図。
【図3】ガス供給口の配置パターン例を表す図。
【図4】本発明の第2の実施形態を模式的に示した縦断
面図。
【図5】本発明の第3の実施形態を模式的に示した縦断
面図。
【図6】粉体通路が直線状である構成のガンの縦断面
図。
【符号の説明】
1 ガンボディ 2 高電圧発生装置 3 ケーブル 4 シリンダ 5 キャップ 6,22 電極 7 導入口 8 粉体通路 9 噴射口 9′ 外周下流端 10 抵抗部 11 パターンエアー入口 12,18 エアー通路 13 空間 14 ガス供給口 15 分散エアー入口 16 ガン汚れ防止エアー入口 17 吹出口 19,19′ イオントラップリング 20 溝 21 突起

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 通路軸周りに設けられ、該通路軸方向に
    延びて下流端に粉体の噴射口を有する粉体通路と、該粉
    体通路の内側において前記通路軸周りに設けられ、前記
    通路軸方向に延びて前記噴射口より下流側にガスの吹出
    口を有するガス通路と、該ガス通路下流端に前記粉体を
    静電荷電する電極とを備え、前記吹出口から前記通路軸
    周りに放射状で且つ上流側向きに前記ガスが吹き出す静
    電噴霧ガンであって、 前記吹出口は、前記ガス通路の下流端に設けられたシリ
    ンダ部材と該シリンダ部材の下流側先端に設けられたキ
    ャップとの間の開口により構成され、該キャップの前記
    通路軸周りの外径は、前記シリンダ部材の該通路軸周り
    の外径よりも小さい静電噴霧ガンにおいて、 前記シリンダ部材の前面に、前記ガス通路より延びて前
    記シリンダ部材と前記キャップとの間へ前記ガスを供給
    するガス供給口を設けた事を特徴とする静電噴霧ガン。
  2. 【請求項2】 前記粉体通路の外側表面において前記通
    路軸周りに、導電性のアース体であるイオントラップリ
    ングを設けた事を特徴とする請求項1に記載の静電噴霧
    ガン。
  3. 【請求項3】 通路軸周りに設けられ、該通路軸方向に
    延びて下流端に粉体の噴射口を有する粉体通路と、該粉
    体通路の内側において前記通路軸周りに設けられ、前記
    通路軸方向に延びて前記噴射口より下流側にガスの吹出
    口を有するガス通路と、前記粉体通路の外側において前
    記通路軸周りに設けられ、前記粉体を静電荷電する電極
    とを備え、前記吹出口から前記通路軸周りに放射状で且
    つ上流側向きに前記ガスが吹き出す静電噴霧ガンであっ
    て、 前記吹出口は、前記ガス通路の下流端に設けられたシリ
    ンダ部材と該シリンダ部材の下流側先端に設けられたキ
    ャップとの間の開口により構成され、該キャップの前記
    通路軸周りの外径は、前記シリンダ部材の該通路軸周り
    の外径よりも小さい静電噴霧ガンにおいて、 前記シリンダ部材の前面に、前記ガス通路より延びて前
    記シリンダ部材と前記キャップとの間へ前記ガスを供給
    するガス供給口を設けた事を特徴とする静電噴霧ガン。
  4. 【請求項4】 前記キャップは、導電性のアース体であ
    ってイオントラップの働きを持つ事を特徴とする請求項
    3に記載の静電噴霧ガン。
  5. 【請求項5】 前記噴射口の外周下流端は、端面部が生
    じないように形成される事を特徴とする請求項1乃至請
    求項4のいずれかに記載の静電噴霧ガン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004509742A (ja) * 2000-09-29 2004-04-02 グラコ ミネソタ インコーポレーテッド 低電圧静電放電
KR101137805B1 (ko) 2010-05-07 2012-04-18 주식회사 한두아이펨 초미립자 분사기
JP2014065037A (ja) * 2007-06-29 2014-04-17 Finishing Brands Holdings Inc 粉体材料供給システム

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