JPH10234870A - 磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置 - Google Patents

磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置

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JPH10234870A
JPH10234870A JP9368774A JP36877497A JPH10234870A JP H10234870 A JPH10234870 A JP H10234870A JP 9368774 A JP9368774 A JP 9368774A JP 36877497 A JP36877497 A JP 36877497A JP H10234870 A JPH10234870 A JP H10234870A
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JP
Japan
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coil
magnetic
urinary incontinence
region
coil device
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JP9368774A
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Inventor
Norio Ishikawa
則夫 石川
Makoto Suda
真 須田
Tadashi Sasaki
正 佐々木
Hidehiro Hosaka
栄弘 保坂
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Nippon Koden Corp
Original Assignee
Nippon Koden Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 尿失禁治療に有効な部位を集中的に刺激し得
る磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置を提供する。 【解決手段】 尿道口3の前面領域から肛門4の後面領
域に至る範囲の少なくとも一部の領域にセットされるよ
うに、この領域に沿って巻回され、かつ上面が少なくと
も前後方向に凹状にわん曲したコイル10と、このコイ
ルを患者に対するセット位置に支持する支持具とを備え
ている。コイル10は、パルス電流が給電されることに
より、生体に渦電流を発生させる磁束を発生する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パルス電流が給電
されることにより、生体に渦電流を発生させる磁束を発
生して尿失禁の磁気治療を行うための磁気刺激式尿失禁
治療用コイル装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電気的な尿失禁治療法
として、刺激用電極を生体に装着し、電気的パルスを与
えて腹圧性尿失禁や切迫性尿失禁等を治療する周知の電
気刺激療法に代えて、本出願人は特願平8−52373
号により、室内に据置かれるコイル据置具に設けられた
繰返しパルス状の磁束を発生する磁気刺激コイルを患者
の腰から下肢に至る範囲内の部位にセットさせて、体内
に侵入させた磁束により、骨盤底筋群、陰部神経等を渦
電流で刺激させる尿失禁治療装置を提案した。
【0003】これにより、着衣のままで、苦痛を伴わず
に無侵襲で治療可能な尿失禁治療装置が実現可能となっ
た。一方、このような治療に際しては、磁気刺激コイル
に大電流を供給するために、電力効率を配慮する必要が
あり、場合によりコイルの強制冷却装置が必要になる。
さらに、子宮、卵巣、膀胱、睾丸等の直接治療に関係な
い部位は刺激しない方が好ましい。
【0004】本発明は、このような点に鑑みて、尿失禁
治療に有効な部位を集中的に刺激し得る磁気刺激式尿失
禁治療用コイル装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、この目的を達
成するために、請求項1により、パルス電流が給電され
ることにより、生体に渦電流を発生させる磁束を発生し
て尿失禁の磁気治療を行うための磁気刺激式尿失禁治療
用コイル装置であって、尿道口の前面領域から肛門の後
面領域に至る範囲の少なくとも一部の領域にセットされ
るように、この領域に沿って巻回され、かつ上面が少な
くとも前後方向に凹状にわん曲したコイルと、このコイ
ルを患者に対するセット位置に支持する支持具とを備え
たことを特徴とする。
【0006】コイルは、尿道口の前側に位置する前面領
域から肛門の後側に位置する後面領域に至る範囲の少な
くとも一部の領域に、上面が対応したわん曲凹状である
ことにより密着もしくは少なくとも近接状態でセットさ
れる。これにより、膀胱を含む広い領域に分布する陰部
神経中の特に骨盤底筋群の下方へ分布する陰部神経と、
骨盤底筋群との双方もしくは前者を通過する磁束による
過電流が、磁気刺激部位に近い体外位置で、しかも前後
両側のコイル部分が互いに向き合う方向へ同一面から接
近した状態で発生する。
【0007】磁束の発生範囲を所望の磁気刺激部位にさ
らに絞るには、請求項12により、パルス電流が給電さ
れることにより、生体に渦電流を発生させる磁束を発生
して尿失禁の磁気治療を行うための磁気刺激式尿失禁治
療用コイル装置であって、磁芯に巻回されたコイルと、
磁芯を患者に対するセット位置に支持する支持具とを備
え、磁心が、その磁極を形成する互いに離間した両側一
対の端面を尿道口の前面領域から肛門の後面領域に至る
範囲の少なくとも一部の領域にセットさせる形状に形成
されたことを特徴とする。
【0008】磁心の一対の端面は、尿道口の前面領域か
ら肛門の後面領域に至る範囲の少なくとも一部の領域
に、密着もしくは少なくとも近接状態でセットされる。
これにより、骨盤底筋群とその下方へ分布する陰部神経
との双方もしくは後者を通過する過電流が、磁気刺激部
位に近い体外位置の磁極になる端面付近に集中して発生
する磁束により生じる。
【0009】前後両側のコイルをそれぞれ独立に上下に
位置調整可能にするには、請求項16により、パルス電
流が給電されることにより、生体に渦電流を発生させる
磁束を発生して尿失禁の磁気治療を行うための磁気刺激
式尿失禁治療用コイル装置であって、それぞれ上下方向
に位置調整されるように、互いに隣合う内側端部が支持
具の先端部に回動可能に支持された前後一対の回動板
と、この回動板の表面に沿って巻回されてそれぞれの回
動板に設けられた前後一対のコイルとを備え、前側の回
動板のコイルの後側のコイル上面部分及び後側の回動板
のコイルの前側のコイル上面部分が、回動調整位置で尿
道口の前面領域から肛門領域に至る範囲の少なくとも一
部の領域にセットされるように位置付けされ、前後一対
のコイルが互いに逆方向へ電流を供給されることを特徴
とする。
【0010】患者が着座又は立った状態で、一対の回動
板の互いに独立の上下方向の調整により、それぞれに設
けられたコイルが、上尿道口の前面領域から肛門の後面
領域に至る範囲の少なくとも一部の領域に密着もしくは
少なくとも近接状態でセットされる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1乃至図4を基に本発明の実施
の形態による磁気刺激式尿失禁治療用コイルを説明す
る。図3において、9は尿失禁治療装置であり、その支
持具としての椅子1の背後に給電装置2を備え、着座部
1aにコイル10が設けられている。このコイルは、図
1A及び図1Bに示すように、絶縁塗膜を有する角形導
線11が中心部に空芯部11aを形成して患者のセット
対象領域に沿って一層3ターンで方形状に巻回されて3
層に積層され、これらの各層が並列接続されて給電装置
2に接続されている。また、空芯部11aに対して前側
コイル部10aが尿道口3の領域に沿ってセットされ、
後側コイル部10bが肛門4の領域に沿ってセットされ
るように、上面が前後方向にわん曲凹状に形成され、平
面視で前後幅は約200mm、横幅は両側大腿部の付根
間の標準的な隙間より僅かに狭い約100mm、空芯部
の前後幅は約80mm、横幅は約10mmであり、曲率
半径は約100mmである。コイル10は、積層状態で
互いに接合されると共に、クッションになった着座部1
aにセット対象領域に確実に密着し得るように僅かに突
出して埋込まれている。
【0012】尚、コイル10は、図2A及び図2Bに示
すように、前後方向に凹状にわん曲するだけでなく、横
方向中央部を波形に隆起させると密着させるのにより好
ましい。波形に代えて、より狭い幅でより高く隆起させ
るようにもできる。
【0013】図4Aは給電装置2の回路構成を示すもの
で、100V〜2kVの範囲で電圧調整可能な直流電源
15と、この直流電源で充電される300μF程度のコ
ンデンサC1と、その充電電圧を保護抵抗R1を通して
コイル10に印加するサイリスタ16及びスイッチオフ
時の逆電圧を吸収するサイリスタ16aと、これらのサ
イリスタをトランス16bを通してオン制御、即ち点弧
制御するスイッチング制御回路17とより構成されてい
る。このスイッチング制御回路は1Hz乃至100Hz
の範囲で繰返し周波数を調整可能になっている。コイル
10の巻線構造、直流電源15の電圧及びコンデンサC
1の容量により、パルス幅100μs程度でコイル10
の全電流パルスが、ピーク値として0.01テスラ程度
から電圧調整により最大の3000A程度で3テスラ程
度の磁束密度の磁束を発生するように構成されている。
【0014】スイッチング制御回路17は、シングルパ
ルスに限らず、図4Bの上段に示すように、パルス幅を
広くして痛みを発生させることのないように、前述の1
00μs程度のダブルパルスにすることも考えられる。
患者の刺激部位の状態、症状に応じて複数の連続パル
ス、同図下段に示す双極性のダブルパルス等種々のパル
ス刺激モードにできる。パルス幅は、100μsに限ら
ず、刺激部位の状態、症状に応じて従来の電気刺激法と
同様に1μs〜2ms程度に設定する。
【0015】治療に際して、患者は、図1に示すよう
に、着座部1aに着衣のままで着座し、その中央部で僅
かに突出した前側コイル部10aを尿道口3にセットさ
せ、後側コイル部10bを肛門4の領域にセットさせ
る。この状態で通電されると、磁束による過電流が、磁
気刺激部位である骨盤底筋群B1及び膀胱を含む広い領
域に分布する陰部神経中の骨盤底筋群B1の下方へ分布
する陰部神経B2に近い体外位置で、しかも前後両側の
前側コイル部10a及び後側コイル部10bが同一面か
ら接近して尿道口3及び肛門4の領域に密着した状態で
発生する。これにより、骨盤底筋群B1、尿道を直接取
り巻く外尿道括約筋及び陰部神経B2等が渦電流で刺激
され、切迫性及び腹圧性双方の尿失禁治療が有効に行わ
れる。骨盤底筋群B1及び陰部神経B2に向けて、無駄
な隙間を置かずに、膀胱6、子宮7、卵巣、睾丸等の治
療に無関係な部位の刺激を回避して効率の良い刺激が行
われる。着座部1aに臀部が支持され、座り心地も良
く、疲れることもない。電力は通常は強制冷却を要しな
い程度で充分であるが、必要により冷却を条件に最大2
00W程度に設定する。
【0016】図5及び図6は同様に空芯式の小形のコイ
ル装置を示す。そのコイル20は、平面視で前後幅は3
0mm、横幅は20mmのロの字形に形成され、かつ対
面する両端部で互いに絶縁された導体21で構成されて
いる。その空芯部は、合成樹脂製のコイル保持部材22
のヘッド部22aに嵌合されている。導体21及びヘッ
ド部22aの上面は、尿道口3及びその前後の面状領域
に対応した凹状の曲面に成形されている。コイル保持部
材22は、支持具としてのスタンド24の先端部に取付
けられた自転車のサドル形状の着座部23に、コイル2
0の上面を確実に尿道口3の前後の面領域に密着させ得
るように、僅かに突出した状態に設けられている。この
場合、主に陰部神経B2が刺激されることにより、切迫
性に有効となる。
【0017】図7はこのような前述のコイルを含む本発
明の典型的なコイル形状を示すもので、平面視で外寸の
前後幅L1は30〜300mm、横幅W1は20〜12
0mm、空芯部の前後幅L2は20〜160mm、横幅
W2は10〜40mmであり、上面の曲率半径Rは90
〜150mmである。前後幅L1は、大形で女性の尿道
口の前側の前面領域から肛門の後側の後面領域に至る3
00mm程度で、横幅W1は最大で両側の大腿部の付根
間の隙間に対応して120mm程度である。空芯部の形
状、即ち内寸は、大きくする程生体表面から遠い生体内
部に渦電流を発生させることができ、その外寸に対する
導体幅により規定される。このようなコイルにおいてそ
の巻回導体自体の直上の生体部位に最も大きな渦電流が
流れる。但し、上面形状は必ずしも完全な円弧形状にす
る必要はなく、セット対象部位の形状により正確に対応
させることができ、場合によっては横方向も僅かにわん
曲させることも考えられる。コイルのわん曲形状は導体
の表面を成形加工しても良く、複数本の導体をわん曲面
に沿って巻回しても良い。またコイル形状は長方形でな
く、刺激部位に応じて円形、楕円形等の他の形状にする
ことも考えられる。
【0018】図8は前述の図1に示すコイル10の空芯
部11aに、フェライト等の周波数特性がよく、かつ低
損失の磁芯29が嵌入されたコイル装置を示す。この場
合、磁束発生領域が中心部に浅く集中することにより、
骨盤底筋群B1には殆ど到達せず、主に陰部神経B2が
集中的に刺激されて、特に切迫性の治療に有効となり、
治療に関係しない部位の刺激を大巾に抑制することがで
きる。
【0019】図9は患者に磁芯をセットする磁芯セット
式のコイル装置を示す。そのコイル30が巻回されたU
の字形磁芯35の一方の磁極なる前側の端面35aが女
性の尿道口3の前面領域にセットされ、他方の磁極なる
後側の端面35bが女性の陰核5の後面領域にセットさ
れるように、端面35aが端面35bよりも僅かに上方
位置を占め、かつ上面が凹状にわん曲している。磁芯3
5は、上面が対応のわん曲凹状に形成された合成樹脂製
の保持部材37の凹部37aに嵌入されている。保持部
材37は、図10に示すように、前述の着座部1aに、
端面35a、35bが僅かに突出するように取付けら
れ、コイル30の下端部分は空冷用に露出されている。
これにより、磁束は端面35a、端面35b間に集中的
にアーチ状に発生し、骨盤底筋群B1及び陰部神経B2
が共に刺激される。磁束を効率良く集中的に発生させ得
るために、消費電力も大巾に低減できる。
【0020】図11は同様に磁芯セット式のコイル装置
を示す。そのコイル40が巻回されたコの字形磁芯45
は、その前側の端面45aが女性の尿道口3の領域にセ
ットされ、後側の端面45bが陰核5の領域にセットさ
れるように、端面45aが端面45bよりも僅かに上方
位置を占め、かつこれらの上面がわん曲凹状に形成され
ている。端面45a及び端面45b間はモールディング
されて、表面が対応の曲面に形成されている。磁芯45
は、前後方向の中央部分が対応の凹状にわん曲した椅子
又はスタンドの着座部42に、突出せずに同一面上に埋
込まれている。この場合、磁極となる端面45a、45
bはセット対象領域に近接状態でセットされ、これらの
端面間の離間距離が近いことにより、磁束は骨盤底筋群
B1には殆ど達せず、陰部神経B2が主に刺激される。
【0021】図12において、コイル40は、2個のコ
イル40a、40bを女性の尿道口3及び陰核5の近辺
にそれぞれセットされるUの字形磁芯45の端面45a
及び端面45bの近辺に巻回し、それぞれに磁芯45の
中を流れる磁束の向きが同一方向となるように電流を供
給する。
【0022】図13では、コイル40が1ターンの導体
46のUの字形の積層で構成され、尿道口3の近辺を空
芯部48を形成して囲む前側コイル上面40cと、肛門
4の近辺を空芯部48を形成して囲む後側コイル上面4
0dとの前後両側に互いに分離して巻回された2個のコ
イル上面を有し、その一方から下方へ向かい、次いで他
方に向かう複数層を構成している。こられのコイル部分
の導体46の横方向中央部分は、同図Bに示すように、
隆起している。但し、コイル上面40c、40dは前後
方向を全体の輪郭が凹状になるように傾斜した平坦に形
成しても良く、さらに横方向も平坦に形成しても良い。
導体46の空芯部48にはUの字形の共通の磁心を装着
することもできる。コイル40は、1ターン並列接続の
積層でなく、1本の導体46により連続的に巻回し複数
層にしても良い。
【0023】図14はスタンド式のコイルの支持具を示
すもので、空芯もしくは磁芯付きの9コイル50が先端
部に取付けられたロッド53をパイプ51にスライド可
能に支持させている。コイル50の高さ位置は、スライ
ド調整された位置で蝶ねじ52でロック可能となってい
る。この支持具によれば、立ったままで患者に応じて高
さを調整してセットすることができる。
【0024】図15及び16は回動式のコイル装置を示
す。コイル60、60aがそれぞれ埋込まれた前後一対
の回動板61、61aの内端部の形状相補状の突出部分
62、62aが、スタンド65の回転軸64に回動可能
に支持されている。この回転軸には蝶ねじ66が螺合さ
れて、その回転操作で回転軸64の反対端のフランジ部
64aをスタンド65に締付けて調整位置をロック可能
にしている。さらに、スタンド65には、回動板61、
61aを水平位置に支持するストッパ66が設けられて
いる。回動板61、61aの横幅は両側大腿部の付根間
の隙間に応じて例えば100mmに設定する。
【0025】コイル60、60aはそれぞれの回動板6
1、61aに中心部に空芯部を形成するようにその表面
に沿って巻回され、前側の回動板61のコイル60の空
芯部に対して後側のコイル上面部分60bが女性の尿道
口3の領域にセットされ、後側の回動板61aのコイル
60aの空芯部に対して前側のコイル上面部分60cが
陰核5の領域にセットされ得るように位置付けされてい
る。コイル60、60aは互いに逆方向に電流が供給さ
れるように接続されている。
【0026】これにより、患者の体型により回動位置が
調整されて、コイル上面部分60bが尿道口3に、コイ
ル上面部分60cが陰核5にセットされ、主に陰部神経
B2が刺激される。尚、コイル上面部分60cが陰核5
の後面領域に位置付けされるように変形することによ
り、磁束発生領域が広がり、骨盤底筋群B1も同時に刺
激可能になる。
【0027】回動板61、61aを図14に示すような
スタンドの先端部に取付け、立ったまま治療するコイル
装置として形成することも可能である。この場合、回動
板61、61aの横幅は、両側大腿部の付根間の標準的
な隙間よりも僅かに狭くする。蝶ねじ等の側部の構造が
邪魔にならないように、回動板61、61aは回転軸に
摩擦係合させ、任意の調整位置で保持されるようにす
る。
【0028】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、コイルがセッ
ト対象位置に密着もしくは近接してセットされる。した
がって、刺激部位に方向付けされた状態て磁束が発生さ
れ、またコイル面の強い磁場により発生される大きな渦
電流で刺激できる。無関係な部位の刺激を回避して、効
率の良い刺激が行われる。コイルの強制冷却無しの状態
での治療も可能になる。請求項2の発明によれば、大腿
部付根間の尿道口の前面領域から肛門の後面領域に至る
範囲にセットされるコイルとして、刺激対象部位、症状
の種類等に応じて外形及び空芯部を種々の形状に構成可
能となる。請求項3の発明によれば、小形コイルで磁束
の到達範囲を狭く、かつ浅くして敢えて筋肉等を広範囲
にわたり刺激することなく陰部神経が刺激され、切迫性
の尿失禁が治療可能となる。消費電力も小さくできる。
請求項4の発明によれば、コイル形状を大きくして生体
内部の深い位置にある骨盤底筋群にも大きな渦電流を発
生させ得るために、その下方の陰部神経との双方が同時
に刺激され、切迫性及び腹圧性の尿失禁が治療可能とな
る。請求項5の発明によれば、コイルの空芯部に磁芯が
装着されることにより、磁束を刺激対象部位にさらに集
中させることが可能となり、したがって低消費電力で無
関係な部位の刺激を回避して効率よく刺激できる。請求
項6の発明によれば、着座部で患者の臀部を支持した状
態でコイルをセット対象領域に密着もしくは少なくとも
近接可能となる。したがって、老人の治療も簡単に行う
ことができる。請求項7の発明によれば、コイルがセッ
ト対象位置に一層密着もしくは近接させることが可能と
なる。請求項8又は9の発明によれば、支持具を椅子又
はスタンド式として簡単な構造にできる。請求項10の
発明によれば、磁極を形成するコイルの両端を尿道口の
前面領域から肛門の後面領域に至る範囲に空芯式で過電
流等による熱損失を抑制して磁束を集中させることがで
き、給電装置を小形にすることができる。
【0029】請求項11の発明によれば、磁束を所望の
刺激対象部位に空芯コイルよりも集中して発生可能とな
る。請求項12の発明によれば陰部領域に空芯コイルよ
りも一層集中的に磁束が発生され、請求項13の発明に
よれば骨盤底筋群及び陰部神経に一層集中的に発生させ
ることができる。請求項14の発明によれば着座部で患
者の臀部を支持した状態で磁芯をセット対象領域に密着
もしくは少なくとも近接可能となる。
【0030】請求項15の発明によれば、前後両側の回
動板が互いに離接回動可能であることにより、コイルを
患者の体型に応じたセット位置に回動調整可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態による空芯コイル式のコイ
ル装置を示すもので、図1Aは要部の断面図、図1Bは
背面図である。
【図2】図1のコイル装置を変形したコイル装置を示す
もので、図2Aは正面図、図2Bは側面図である。
【図3】図1によるコイルを用いた尿失禁治療装置の斜
視図である。
【図4】同装置の給電装置を示すもので、図4Aはその
の回路構成を示す図、図4Bはその回路の出力パルスを
示す図である。
【図5】別の実施の形態による空芯式のコイル装置の要
部断面図である。
【図6】図5によるコイルの支持具を示す斜視図であ
る。
【図7】本発明による空芯コイルの典型的な形状を示す
断面図及び平面図である。
【図8】図1による空芯コイルの空芯部に磁芯を装着し
たコイル装置の要部断面図である。
【図9】磁芯セット式のコイルの実施の形態の要部断面
図である。
【図10】図9によるコイルの支持具の部分斜視図であ
る。
【図11】別の実施の形態による磁芯セット式コイル装
置の断面図である。
【図12】コイル2個の磁芯セット式コイル装置の断面
図である。
【図13】さらに別の実施の形態による空芯コイル式の
コイル装置を示すもので、同図Aは断面図、同図Bは正
面図である。
【図14】別の実施の形態による支持具の斜視図であ
る。
【図15】回転坂式コイル装置の要部断面図である。
【図16】図13によるコイル装置を示すもので、同図
Aは斜視図、同図Bは部分断面図である。
【符号の説明】
3 尿道口 4 肛門 5 陰核 10、20、30、40、50、60、60a コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 保坂 栄弘 東京都新宿区西落合1丁目31番4号 日本 光電工業株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パルス電流が給電されることにより、生
    体に渦電流を発生させる磁束を発生して尿失禁の磁気治
    療を行うための磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置であ
    って、 尿道口の前面領域から肛門の後面領域に至る範囲の少な
    くとも一部の領域にセットされるように、この領域に沿
    って巻回され、かつ上面が少なくとも前後方向に凹状に
    わん曲したコイルと、このコイルを患者に対するセット
    位置に支持する支持具とを備えたことを特徴とする磁気
    刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  2. 【請求項2】 コイルの前後幅が平面視で30〜300
    mm、横幅が20〜120mmであることを特徴とする
    請求項1の磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  3. 【請求項3】 尿道口の近辺領域にセットされるよう
    に、コイルの前後幅が平面視で約30mm及び横幅が2
    0〜30mmであることを特徴とする請求項1の磁気刺
    激式尿失禁治療用コイル装置。
  4. 【請求項4】 尿道口の近辺領域から肛門領域に至る領
    域にセットされるように、コイルの前後幅が平面視で2
    00乃至300mm及び横幅50〜120mmであるこ
    とを特徴とする請求項1の磁気刺激式尿失禁治療用コイ
    ル装置。
  5. 【請求項5】 コイルの巻回中心部に形成される空芯部
    に磁芯が装着されていることを特徴とする請求項1の磁
    気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  6. 【請求項6】 コイルが、患者を着座させるように支持
    具に支持された着座部に、その上面から突出するように
    取付けられたことを特徴とする請求項1の磁気刺激式尿
    失禁治療用コイル装置。
  7. 【請求項7】 コイルが、横方向の中央部分で隆起して
    いることを特徴とする請求項1の磁気刺激式尿失禁治療
    用コイル装置。
  8. 【請求項8】 支持具が床に置かれる椅子であることを
    特徴とする請求項1の磁気刺激式尿失禁治療用コイル装
    置。
  9. 【請求項9】 支持具が床に置かれるスタンドであるこ
    とを特徴とする請求項1の磁気刺激式尿失禁治療用コイ
    ル装置。
  10. 【請求項10】 パルス電流が給電されることにより、
    生体に渦電流を発生させる磁束を発生して尿失禁の磁気
    治療を行うための磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置で
    あって、 尿道口の前面領域から肛門の後面領域に至る範囲の少な
    くとも一部の領域にセットされるように、前記領域に沿
    って前後両側に互いに分離して巻回された2個のコイル
    上面を有し、かつ一方の前記コイル上面から下方へ向か
    い、次いで他方の前記コイル上面に向かう複数層に形成
    されたコイルと、このコイルを患者に対するセット位置
    に支持する支持具とを備えたことを特徴とする磁気刺激
    式尿失禁治療用コイル装置。
  11. 【請求項11】 パルス電流が給電されることにより、
    生体に渦電流を発生させる磁束を発生して尿失禁の磁気
    治療を行うための磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置で
    あって、 磁芯に巻回されたコイルと、前記磁芯を患者に対するセ
    ット位置に支持する支持具とを備え、前記磁心が、その
    磁極を形成する互いに離間した両側一対の端面を尿道口
    の前面領域から肛門の後面領域に至る範囲の少なくとも
    一部の領域にセットさせる形状に形成されたことを特徴
    とする磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  12. 【請求項12】 磁芯が、前側の端面を尿道口の近辺領
    域にセットさせ、後側の端面を陰核領域にセットさせ、
    前側の前記端面が後側の前記端面よりも僅かに上方位置
    を占める形状を有することを特徴とする請求項11の磁
    気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  13. 【請求項13】 磁芯が、前側の端面を尿道口の前面領
    域にセットさせ、後側の端面を陰核の後面領域にセット
    させ、前側の前記端面が後側の前記端面よりも僅かに上
    方位置を占める形状を有することを特徴とする請求項1
    1の磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  14. 【請求項14】 磁芯が、患者を着座させるように支持
    具に支持された着座部に、その上面から端面を突出させ
    るように取付けられたことを特徴とする請求項11又は
    12又は13の磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置。
  15. 【請求項15】 パルス電流が給電されることにより、
    生体に渦電流を発生させる磁束を発生して尿失禁の磁気
    治療を行うための磁気刺激式尿失禁治療用コイル装置で
    あって、 それぞれ上下方向に位置調整されるように、互いに隣合
    う内側端部が支持具の先端部に回動可能に支持された前
    後一対の回動板と、この回動板の表面に沿って巻回され
    てそれぞれの前記回動板に設けられた前後一対のコイル
    とを備え、 前側の前記回動板の前記コイルの後側の前記コイル上面
    部分及び後側の前記回動板の前記コイルの前側の前記コ
    イル上面部分が、回動調整位置で尿道口の前面領域から
    肛門領域に至る範囲の少なくとも一部の領域にセットさ
    れるように位置付けされ、前後一対の前記コイルが互い
    に逆方向へ電流を供給されることを特徴とする磁気刺激
    式尿失禁治療用コイル装置。
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