JPH10234593A - 米の洗浄器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 手でかき回さなくとも、洗浄水の放水により
自動的に洗浄が行える米の洗浄器を提供する。 【解決手段】 米を収容する洗浄槽１内に挿入して、こ
の洗浄槽１内を下方室Ｓ１と上方室Ｓ２とに仕切る仕切
り体２と、この仕切り体２の中央に設けられて、洗浄槽
１の内底面に向けて洗浄水を放水する放水管３とを備
え、仕切り体２には、米が通過不能な開口５と、放水管
３から放水される洗浄水を洗浄槽１内の米と共に前記下
方室Ｓ１内で強制的に循環させるためのガイド部４とを
設けた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、米を水洗いするた
めの洗浄器に関する。

【０００２】

【従来の技術】通常家庭においては、米を炊飯する際に
は、先ず所定量の米を入れた水洗用の洗浄槽内に水道水
を注ぎ込んだ後、手で洗浄槽内の水と米とを掻き混ぜる
作業を数回繰り返して、米の洗浄を行っているのが一般
的である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
洗浄方法では、特に冬場などの気温の低い日には手が凍
えてしまって、米の水洗いを行うのが非常に苦痛であ
り、そのためともすると、米をきれいに水洗いしないま
ま炊飯してしまうことも多く、また米の洗浄を行ってい
る際には、他の家事を同時に行うことが出来ない不具合
もある。

【０００４】本発明は以上の実情に鑑みて開発したもの
であって、目的とするところは、従来のように手でかき
回さなくとも、洗浄水の放水により自動的に洗浄が行え
る米の洗浄器を提供するにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、請求項１記載の発明は、米を収容する洗浄槽１内
に挿入して、該洗浄槽１内を下方室Ｓ１と上方室Ｓ２の
２室に仕切る仕切り体２と、この仕切り体２の中央に設
けられて、洗浄槽１の内底面に向けて洗浄水を放水する
放水管３とを備え、前記仕切り体２には、米が通過不能
で洗浄水が通過可能な開口５と、放水管３から放水され
る洗浄水を洗浄槽１内の米と共に前記下方室Ｓ１内で強
制的に循環させるためのガイド部４とを設けたのであ
る。

【０００６】前記ガイド部４は、仕切り体２の中心から
外周縁に向かうに従って下方に湾曲する湾曲面とするの
が好ましい。

【０００７】

【発明の作用】本発明によれば、放水管３を、例えば水
道の蛇口にホースを介して連結して、該放水管３から洗
浄槽１の内底面に向けて洗浄水を放水するに伴い、洗浄
槽１の少なくとも下方室Ｓ１内に洗浄水が充満した後、
洗浄槽１の内底面に向けて放水される洗浄水が、米と共
に前記ガイド部４の案内で前記下方室Ｓ１内を循環し、
これにより、米が下方室Ｓ１内で攪拌されるのである。
そして放水管３から洗浄槽１内に放出されて米の洗浄を
終えた洗浄水は、洗浄槽１の上端よりオーバーフローす
る一方、洗浄槽１内には放水管３から新しい洗浄水が継
続的に導入されるので、米が時間の経過に伴いきれいに
洗浄されるのである。

【０００８】

【発明の実施の形態】図に示す米の洗浄器は、基本的に
は、所定量の米を収容した洗浄槽１内に挿入して、この
洗浄槽１内を下方室Ｓ１と上方室Ｓ２の２室に仕切る合
成樹脂製の仕切り体２と、この仕切り体２の中心に挿通
支持した合成樹脂製の放水管３とから成り、図に示す実
施形態では、洗浄槽１として、既存の電気炊飯器の内釜
１０を利用しているのであって、この内釜１０は有底円
筒状のものを用いている。

【０００９】図に示す仕切り体２は、内釜１０内に嵌合
可能な平面視円形に形成されたものであって、その中心
に、放水管３を嵌合固定するための円筒状のボス部２１
を突設すると共に、このボス部２１の形成位置から外周
縁に向かって下方に湾曲させることで、全体的に碗を伏
せた形状に形成して、この湾曲壁部２２の下面を、放水
管３から放水される洗浄水を米と共に前記下方室Ｓ１内
で強制的に循環させるためのガイド部４としている。

【００１０】また仕切り体２の周縁には、内釜１０の内
周面に嵌合する嵌合筒部２３を一体形成して、該嵌合筒
部２３の内釜１０内への嵌合により、仕切り体２並びに
この仕切り体２のボス部２１に挿通支持する放水管３
を、所定の姿勢に、具体的には仕切り体２が内釜１０の
内底面に対して傾くことなくしかも放水管３が内釜１０
内において直立するようにしている。

【００１１】また仕切り体２には、４つの開口５を周方
向に所定間隔開けて形成して、この開口５を、米粒が通
過不能な大きさの網目の網体５０で覆っている。一方、
放水管３は、仕切り体２のボス部２１に密嵌して、その
上端側を仕切り体２の上方に突出させてホース６を接続
可能とする一方、放水管２１の下端側を仕切り体２の下
方に突出させて、その下端が内釜１０の内底面に当接し
た時、仕切り体２で画成される下方室Ｓ１が所定量の米
と水とを充分循環出来る容積となるようにしている。

【００１２】尚、図中２３ａは嵌合筒部２３と湾曲壁部
２２との間に架設したリブであって、このリブ２３ａ
は、周方向に所定間隔開けて複数形成している。以上の
構成からなる洗浄器により米を水洗するには、先ず、所
定量の米を入れた内釜１０の上部開口からこの内釜１０
内に仕切り体２を挿入して、嵌合筒部２３を内釜１０の
内周面に嵌合させると共に、放水管３の下端を内釜１０
の下面に当接させる。そして、放水管３と水道の蛇口
（図示せず）とをホース６で接続した上で、水道の蛇口
を開いて、水道水をホース６を介して放水管３に送り込
むと、放水管３の下端開口から放出される水道水は、内
釜１０の内底面に沿って放射状に噴射することとなる。

【００１３】しかして水道水が、仕切り体２で画成され
た下方室Ｓ１に充満して仕切り体２の開口５を通って上
方室Ｓ２に溜まり始めると、前記したごとく放水管３か
ら内釜１０の内底面に沿って放射状に噴射される水道水
が、その噴射力により内釜４の内周面に沿って上昇した
後、前記ガイド部４により内釜１０内の中央に案内され
るのであって、その結果、図１において矢印Ｘで示すよ
うに、下方室Ｓ１内に循環流が生じ、この循環流に乗っ
て米も循環し、これにより、米が下方室Ｓ１内で攪拌さ
れて、米粒同士がぶつかりあいながら順次洗浄されるの
である。

【００１４】一方、放水管３から内釜１０内に放出され
て米の洗浄を終えた水道水は、内釜１０の上端からオー
バーフローする一方、内釜１０内には放水管３から新し
い水道水が継続的に注入されるので、所定時間経過後に
は、米がきれいに洗浄されるのである。尚、米は開口５
を覆う網体５０により上方室Ｓ２に移行するのが阻止さ
れるので、米が内釜１０の外に不用意に流れ出すような
ことなく、下方室Ｓ１内にて確実に洗浄されるのであ
る。しかして図４に示す実施形態は、仕切り体２におけ
る嵌合筒部２３の外周面に嵌合可能なリング状のスペー
サ７を別途形成して、このスペーサ７を前記嵌合筒部２
３の外周に装着することで、仕切り体２の外径よりも一
回り大きな内径の内釜１０にも適用出来るようにしたも
のである。

【００１５】図に示すスペーサ７の内周面には、突起７
１を突設すると共に、嵌合筒部２３には、前記突起７１
が嵌合可能なスリット２４を形成している。またこのス
ペーサ７の下面は、仕切り体２における湾曲壁部２２の
下面にほぼ連続する傾斜面７２に形成して、この傾斜面
７２と仕切り体２のガイド部４とで、放水管３から放水
される水道水を米と共に下方室Ｓ１内で強制的に循環さ
せるようにしている。

【００１６】斯くして以上のスペーサ７を用意すること
で、異なる大きさの内釜１０に対応することが出来る。
以上の実施形態では、洗浄槽１として、既存の電気炊飯
器の内釜１０を利用したが、これに限定されるものでは
なく、米洗い専用の桶等を用いてもよい。

【００１７】また以上の実施形態では、仕切り体２に、
米粒が通過不能な大きさの網目の網体５０で覆われた開
口５を設けたが、これに限定されるものではなく、例え
ば米粒が通過不能な大きさとした小径の貫通孔から成る
開口５を前記仕切り体２に多数形成してもよい。また以
上の実施形態では、仕切り体２の中心にボス部２１を突
設して、このボス部２１に、別途形成した放水管３を嵌
合固定するようにしたが、前記ボス部２１の両端を軸方
向に延設して、この延設したボス部２１を放水管３とし
て利用してもよく、この場合には、構成部品の点数を削
減することが出来て、製造コストがそれだけ安価とな
る。

【００１８】

【発明の効果】以上のごとく、請求項１記載の発明によ
れば、放水管３から洗浄槽１の内底面に向けて洗浄水を
放水するだけで、洗浄水が米と共に前記ガイド部４の案
内で前記下方室Ｓ１内を循環し、これにより、米が下方
室Ｓ１内で攪拌される一方、放水管３から洗浄槽１内に
放出されて米の洗浄を終えた洗浄水は、洗浄槽１の上端
よりオーバーフローし、洗浄槽１内には放水管３から新
しい洗浄水が継続的に導入されるので、放水管３から洗
浄槽１内に洗浄水を所定時間放水するだけで、人手を煩
わせることなく米をきれいに洗浄することが出来、従っ
てかかる洗浄作業時、他の家事を行うことが出来る。ま
た請求項２記載の発明によれば、ガイド部４を、仕切り
体２の中心から外周縁に向かうに従って下方に湾曲する
湾曲面とすることにより、下方室Ｓ１内での洗浄水及び
米の循環効率が良くなって、洗浄作業に要する時間がそ
れだけ短くなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明にかかる米の洗浄器を洗浄槽内に組み
込んだ状態を示す縦断面図。

【図２】 本発明にかかる米の洗浄器の平面図。

【図３】 図２におけるＸ−Ｘ線断面図。

【図４】 本発明にかかる米の洗浄器の他の実施形態を
示す縦断面図。

【符号の説明】

１ 洗浄槽 ２ 仕切り体 ３ 放水管 ４ ガイド部 ５ 開口

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 米を収容する洗浄槽（１）に装着して、
   米の洗浄を行う洗浄器であって、前記洗浄槽（１）内に
   挿入して、該洗浄槽（１）内を下方室（Ｓ１）と上方室
   （Ｓ２）の２室に仕切る仕切り体（２）と、この仕切り
   体（２）の中央に設けられて、洗浄槽（２）の内底面に
   向けて洗浄水を放水する放水管（３）とを備え、前記仕
   切り体（２）には、米が通過不能で洗浄水が通過可能な
   開口（５）と、放水管（３）から放水される洗浄水を洗
   浄槽（１）内の米と共に前記下方室（Ｓ１）内で強制的
   に循環させるためのガイド部（４）とを設けていること
   を特徴とする米の洗浄器。
2. 【請求項２】 ガイド部（４）が、仕切り体２の中心か
   ら外周縁に向かうに従って下方に湾曲する湾曲面から構
   成している請求項１記載の米の洗浄器。