JPH10232386A - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置

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JPH10232386A
JPH10232386A JP9033918A JP3391897A JPH10232386A JP H10232386 A JPH10232386 A JP H10232386A JP 9033918 A JP9033918 A JP 9033918A JP 3391897 A JP3391897 A JP 3391897A JP H10232386 A JPH10232386 A JP H10232386A
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JP
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liquid crystal
refractive index
incident
display device
substrate
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JP9033918A
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English (en)
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Koji Numao
孝次 沼尾
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Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 屈折率が約1.4程度の熔融石英ガラスを用
いて構成した基板側面より光を入射させる方式の液晶表
示装置を提供する。 【解決手段】 屈折率ngの背面基板2と屈折率ng′の
前面基板3との間に屈折率異方性を示す液晶8を封入し
てなる液晶パネルを屈折率naの媒質中(通常は空気)
に置き、背面基板2から液晶へ偏光を sinθg≧na/ng なる入射角θgで入射させるようにし、液晶8へ印加す
る電圧の制御によって、前面基板から媒質へ入射する光
の前記媒質に対する入射角θkを sinθk≧na/ng′から sinθk′<na/ng′ を満足するθk′へ変化させることにより、表示を行な
うようにする。このとき、液晶の最大屈折率nnax、最
小屈折率をnminとし、 (nnax/nmin)×(na/ng)>sinθg なる関係を有するように各部材の屈折率及び入射角を設
定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置に関
し、特に基板側面より光を入射させる構成を有する液晶
表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】以下に特開昭59−58421号公報で
示された基板側面より光を入射させる液晶表示装置(以
下、側面入射型液晶表示側面と略称する)の構成を図1
7を参照して説明する。図17は、従来の側面入射型液
晶表示装置の一例を概念的に示す断面図で、図中、2
1,22は透明電極、23は前面基板、24は背面基
板、25はネマチック液晶、26は末端側面、27は光
源、28は光散乱板、29は背面基板突出部である。図
18は、誘電異方性が正のネマチック液晶における一般
的な駆動波形を示す波形図である。
【0003】図17に示すごとくに、この液晶表示装置
においては、前面基板23と背面基板24との間に透明
電極21,22を形成し、その間に誘電異方性が正のネ
マチック液晶25を封入し、その透明電極21,22の
交差部を画素(イ),(ロ)とし、背面基板24の屈折
率nbとネマチック液晶25の常光屈折率no(n┴)と
異常光屈折率ne(n‖)との間に、 ne>nb>no (1) の関係が成立するよう背面基板24及びネマチック液晶
25を選択する。また、背面基板突出部29の末端側面
26には光源27を配置し、その光源からの光が画素
(イ),(ロ)へ入射する角度θiを sinθi≧no/nb (2) の関係を満足するよう背面基板突出部29の長さを決め
る。
【0004】この画素を構成する誘電異方性が正のネマ
チック液晶25の駆動波形は一般的に図18のようにな
る。図18ではに示すものがコモン電極Li(図17
では透明電極22)へ印加される電圧、に示すものが
セグメント電極Sj(図17では透明電極21)へ印加
される電圧である。コモン電極Liへ選択電圧V1(また
はV6)を印加したとき、セグメント電極SjへV6(ま
たはV1)を印加すれば画素Aijを構成するネマチック
液晶(誘電異方性が正)25は図17における画素
(イ)に示すようにオン状態となり、セグメント電極S
jへV5(またはV2)を印加すれば画素Aijを構成する
ネマチック液晶(誘電異方性が正)は図1の画素(ロ)
に示すようにオフ状態となる。
【0005】このように駆動された図17の液晶表示装
置の画素(イ)では光源27より出た光は背面基板24
とネマチック液晶25の界面を透過し光散乱板28を照
射するが、画素(ロ)では背面基板24とネマチック液
晶25の界面で全反射し光散乱板28を照射しない。従
って、光散乱板28は画素(イ)に対応する部分が明る
い表示状態となり、画素(ロ)に対応する部分が暗い表
示状態となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図17の従来の側面入
射型液晶表示装置において、光源27より出た光の偏光
軸は画素(イ)を構成する液晶分子と平行した方向であ
ろう。従って、画素(イ)を構成する液晶の屈折率は異
常光屈折率ne(n‖)となり、屈折の法則より sinθe=(nb/ne)×sinθi (3) となる。この屈折角θeは式(1)より sinθe=(nb/ne)×sinθi<sinθi (4) 即ち、 θe<θi (5) となり、光源27より出た偏光は背面基板24から液晶
25へ入射角θiで入射し、屈折角θeで液晶25へ透過
できる。
【0007】一方、画素(ロ)を構成する液晶の屈折率
は常光屈折率no(n┴)となり、屈折の法則より sinθo=(nb/no)×sinθi (6) となる。この屈折角θoは式(2)より (no/nb)×sinθo>no/nb (7) 即ち、 sinθo>1 (8) となり解が存在しないので、光源27より出た偏光は背
面基板24からネマチック液晶25へ入射角θiで入射
しようとするが、背面基板24と液晶25の界面で全反
射され、液晶25へは透過しない。
【0008】このような全反射状態と透過状態を切り替
えて表示する側面入射型液晶表示装置は、従来の液晶表
示装置(例えば、図17に示す構成で、背面基板の背面
から偏光を入力する液晶表示装置)に比べコントラスト
の高い表示が得られる。
【0009】しかし、特開昭59−58421号公報で
用いられたロッシュ社製のネマチック液晶RO−TN2
108でも常光屈折率no(n┴)は1.50程度であ
り、異常光屈折率ne(n‖)は1.78程度である。ま
た、ピリミジン系及びチアジアゾール系液晶の常光屈折
率no(n┴)と異常光屈折率ne(n‖)を調べてみて
も、常光屈折率no(n┴)は1.5前後であり、異常光
屈折率ne(n‖)は1.6〜1.8の範囲である。一
方、通常の液晶パネルに用いられる熔融石英ガラスの屈
折率は1.46〜1.5程度であり、図17に示す液晶表
示装置には用いることができない。前述の特開昭59−
58421号公報で用いられたガラスは屈折率1.6程
度のフリントガラスであるが、このような特殊なガラス
は高価であり実用には向かない。
【0010】本発明は、このような実情に鑑みてなされ
たものであり、屈折率が約1.4程度の熔融石英ガラス
を用いて構成した基板側面より光を入射させる方式の液
晶表示装置を提供することをその解決すべき課題とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、屈折
率ngの背面基板と屈折率ng′の前面基板との間に設け
られる間隙に屈折率異方性を示す液晶を封入してなる液
晶パネルを屈折率naの媒質中に置き、前記背面基板か
ら前記液晶へ偏光を sinθg≧na/ng なる入射角θgで入射させるようにした液晶表示装置に
おいて、前記液晶へ印加する電圧の制御によって、前記
液晶を透過して前記前面基板から前記媒質へ入射する光
の前記媒質に対する入射角θkを sinθk≧na/ng′ から sinθk′<na/ng′ を満足するθk′へ変化させることにより、前記前面基
板と前記媒質の界面を透過して前記媒質に出射する光量
を変化させて表示を行なうようにしたことを特徴とし、
通常の液晶パネルに用いられる屈折率が1.46〜1.
5程度の安価な熔融石英ガラスと、常光屈折率no(n
┴)が1.50程度で異常光屈折率ne(n‖)が1.
6〜1.8程度の一般的な液晶を用いて、従来の背面基
板の背面から偏光を入力する液晶表示装置に比べコント
ラストの高い側面入射型液晶表示装置を構成できるよう
にしたものである。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記液晶の最大屈折率nmax及び最小屈折率n
minと、前記入射角θgとの間に (nmax/nmin)×(na/ng)>sinθg の関係が成り立つようにしたことを特徴とし、コントラ
ストの高い側面入射型液晶表示装置を得るための液晶の
屈折率、背面基板の屈折率、装置が置かれる媒質の屈折
率、及び背面基板から液晶へ入射する入射角の関係に関
する具体的な範囲が与えられるようにしたものである。
【0013】請求項3の発明は、請求項1または2の発
明において、前記背面基板と前記前面基板との間に形成
されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ印
加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメン
ト電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と直交するよ
うに配設するとともに、前記液晶としてネマチック液晶
または強誘電性液晶または反強誘電性液晶のいずれかを
用い、前記背面基板から入射させる前記偏光の偏光軸と
前記背面基板表面に形成される配向膜における配向軸と
のなす角度θmが 0<θm<π/2 となるようにし、前記電界の制御により、前記液晶分子
の長軸方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交
差角度の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたこ
とを特徴とし、強誘電性液晶または反強誘電性液晶また
はネマチック液晶のいずれかを用いて基板に垂直方向に
電解を付与する形態を有した側面入射型液晶表示装置の
具体的な構成が与えられるようにしたものである。
【0014】請求項4の発明は、請求項1または2の発
明において、前記背面基板と前記前面基板との間に形成
されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ印
加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメン
ト電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と平行となる
ように配設するとともに、前記液晶としてネマチック液
晶を用い、前記背面基板から入射させる前記偏光の偏光
軸と前記背面基板表面に形成される配向膜における配向
軸とのなす角度θmが 0<θm<π/2 となるようにし、前記電界により、前記液晶分子の長軸
方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交差角度
の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたことを特
徴とし、ネマチック液晶を用いて基板に平行に電解を付
与する形態を有した側面入射型液晶表示装置の具体的な
構成が与えられ、特に、この構成では液晶の厚みをコモ
ン電極とセグメント電極で決定できるため、従来液晶の
厚みを決めるために使用されていたスペーサが不要とな
るようにしたものである。
【0015】請求項5の発明は、請求項1または2の発
明において、前記背面基板と前記前面基板との間に形成
されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ印
加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメン
ト電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と平行となる
ように配設するとともに、前記液晶として強誘電性液晶
または反強誘電性液晶を用い、前記背面基板から入射さ
せる前記偏光の偏光軸と前記背面基板表面に形成される
配向膜における配向軸とのなす角度θmが0またはπ/
2となるようし、前記電界により、前記液晶分子の長軸
方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交差角度
の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたことを特
徴とし、強誘電性液晶または反強誘電性液晶を用いて基
板に平行に電解を付与する形態を有した側面入射型液晶
表示装置の具体的な構成が与えられ、特に、この構成で
は液晶の厚みをコモン電極とセグメント電極で決定でき
るため、従来液晶の厚みを決めるために使用されていた
スペーサが不要となるようにしたものである。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明では、屈折率ngの背面基
板と屈折率ng′の前面基板との間に屈折率異方性を示
す液晶を注入し液晶パネルを形成する。この液晶パネル
を屈折率naの媒質中(通常は空気)に置き、背面基板
より媒質へ光が、 sinθg≧na/ng (9) なる入射角θgで入射するよう構成する(このとき背面
基板と媒質の界面で光は全反射される)。具体的には、
そのような角度θgとなるように背面基板の側面をカッ
トして、このカットした面に平行な偏光を入射させる。
この偏光は、入射角θgを保ったまま背面基板と媒質の
界面で繰り返し全反射され、やがて液晶層へ入射する。
【0017】通常、液晶の常光屈折率no(n┴:液晶
分子の長軸と直交した偏光軸を持った偏光の屈折率)と
異常光屈折率ne(n‖:液晶分子の長軸と平行である
偏光軸を持った偏光の屈折率)の間には、 ne>no (10) の関係がある。
【0018】背面基板より液晶へ入射した偏光の偏光軸
が液晶分子の長軸方向と平行であれば、入射角θgで入
射した偏光は ne×sinθe=ng×sinθg (11) なる角度θeに屈折される。このときの偏光の偏光軸が
液晶分子の長軸方向と直交するか、もしくは平行であれ
ば、液晶を透過している間に偏光の偏光軸が旋光するこ
とはない。従って、液晶へ入射した偏光は偏光軸が維持
されたまま、再び液晶より前面基板へ入射角θeで入射
し、 ng′×sinθg′=ne×sinθe (12) なる角度θg′に屈折して、前面基板より媒質へ入射す
る。
【0019】このとき、 sinθg′=(ne/ng′)×sinθe=(ng/ng′)×sinθg (13) となるので、(9)式の条件を満たしていれば、 sinθg=(ng′/ng)×sinθg′≧na/ng (14) 即ち、 sinθg′≧na/ng′ (15) となる。これは前面基板より媒質へ入射しようとした偏
光が前面基板と媒質の界面で全反射されることを意味す
る。従って、この場合は前面基板から媒質に偏光が出射
してこない。
【0020】同様に、背面基板により液晶へ入射した偏
光の偏光軸が液晶分子の長軸方向と直交していれば、入
射角θgで入射した偏光は、 no×sinθo=ng×sinθg (16) なる角度θoに屈折する。このときも偏光の偏光軸が液
晶分子の長軸方向と直交しているので、液晶を透過して
いる間に偏光の偏光軸が旋光することはない。従って、
液晶へ入射した偏光は偏光軸が維持されたまま再び液晶
より前面基板へ入射角θoで入射し、 ng′×sinθg′=no×sinθo (17) なる角度θg′に屈折して、前面基板より媒質へ入射す
る。このときも、 sinθg′=(no/ng′)×sinθo=(ng/ng′)×sinθg (18) となるので、(9)式の条件を満していれば、 sinθg=(ng′/ng)×sinθg′≧na/ng (19) 即ち、 sinθg′≧na/ng′ (20) となる。これも前面基板より媒質へ入射しようとした偏
光が前面基板と媒質の界面で全反射することを意味して
いる。従って、この場合も媒質に偏光が出射してこな
い。
【0021】しかし、背面基板より液晶へ入射した偏光
の偏光軸が液晶分子の長軸方向と直交せず平行でもなけ
れば、入射角θgで入射した偏光は屈折率nhの液晶へ入
射したこととなり、 nh×sinθh=ng×sinθg (21) なる角度θhに屈折する。このとき偏光の偏光軸が液晶
分子の長軸方向と直交せず平行でもないので、液晶を透
過している間に偏光の偏光面が旋光する。
【0022】従って、液晶へ入射した偏光の偏光軸が変
化した後、再び液晶より前面基板へ入射角θhで入射す
る。このとき、この偏光の偏光軸は液晶へ入射したとき
の偏光軸と異なっているので、屈折率もnh′≠nhと変
化し、 ng′×sinθk=nh′×sinθh (22) なる角度θkに屈折して、前面基板より媒質へ入射す
る。この入射角θk: sinθk=(nh′/ng′)×sinθh =(nh′/ng′)×(ng/nh)×sinθg (23) で前面基板より媒質へ入射した偏光が媒質へ透過する条
件: sinθk<(na/ng′) (24) は、(23)式により、 (nh′/ng′)×(ng/nh)×sinθg<(na/ng′) (25) と変形され、 sinθg<(nh/nh′)×(na/ng) (26) となる。そこで、 nh/nh′>1 (27) であれば、(26)式と(9)式より、以下の(28)
式を満す角度θgで背面基板より液晶へ入射した偏光は
前面基板を透過して媒質へ出射する。 (nh/nh′)×(na/ng)>sinθg≧(na/ng) (28)
【0023】このときに液晶へ印加する電圧を制御する
ことにより液晶分子の長軸と入射した偏光の偏光軸のな
す角度を変化させられるので、(28)式を満たす角度
θgで背面基板より液晶へ入射した偏光は、前面基板よ
り媒質へ入射するとき、入射角θkが sinθk≧na/ng′ (29) から、 sinθk′<na/ng′ (30) を満足するθk′へ変化できる。その結果、前面基板表
面から出射する光の量が変化し、前面基板表面に表示が
得られる。
【0024】なお、通常、液晶の最大屈折率は異常光屈
折率ne(n‖)であり、最小屈折率は常光屈折率n
o(n┴)なので、 (ne/no)>(nh/nh′) (31) と考えられ、(28)式は、 (ne/no)×(na/ng)>sinθg≧(na/ng) (32) と表現できる。
【0025】本発明の側面入射型液晶表示装置の表示原
理は、TFT等アクティブマトリックス型液晶表示装置
でも実用可能であるが、単純マトリックス型液晶表示装
置を用いた説明の方がより一般的な説明ができるので、
以下単純マトリックス型液晶表示装置を用いて本発明の
液晶表示装置の具体的な実施例を説明する。なお、実施
例を説明するための全図において、同一の作用をする部
分には同一の符号を付け、その繰り返しの説明は省略す
る。
【0026】〔実施例1〕図1は、本発明の液晶表示装
置の一実施例を説明するための画素と液晶を概念的に示
した平面図で、側面入射型液晶表示装置を前面基板側よ
り見たものである。図1において、10はコモン電極用
のドライバ、11はセグメント電極のドライバ、Rub
はラビング方向、θmはメモリ角である。図2は、図1
に示す液晶表示装置のA−A′における断面図で、図
中、1は側面入射型液晶表示装置、2は背面ガラス基
板、3は前面ガラス基板、4,5は絶縁膜、6,7は配
向膜、8は液晶、9は封止剤、Sはセグメント電極、L
はコモン電極である。
【0027】図3は、強誘電性液晶分子の振る舞いを概
念的に示す平面図及び斜視図で、図中、P1,P2は強誘
電性液晶分子の2つの安定状態位置、Psは自発分極、
Eは電場、2θはコーン角である。図4は、実施例1の
液晶表示装置に用いて好適な駆動方法の第1及び第2フ
ィールドにおける駆動波形を示す波形図をそれぞれ
(A),(B)に示すものである。図5は、実施例1の
液晶表示装置の表示原理を説明するためのFLC分子の
長軸方向と偏光の入射方向が直交する状態での光路を概
念的に示す図で、図中、Aは媒質である。図6は、実施
例1の液晶表示装置の表示原理を説明するためのFLC
分子の長軸方向と偏光の偏光軸が2θm傾いている状態
での光路を概念的に示す図である。
【0028】図2に示すごとく、この実施例の構成で
は、屈折率ngの背面ガラス基板2の表面にインジウム
錫酸化物(以下ITOと略称する)等からなる透明なセ
グメント電極Sが、複数本互いに平行に配置されてお
り、その上はSiO2等からなる透明な絶縁膜4で被覆
されている。セグメント電極Sと対向する屈折率ng
前面ガラス基板3の表面には、ITO等からなる透明な
コモン電極Lがセグメント電極Sと直交する向きに複数
本互いに平行に配置されており、その上はSiO2等か
らなる透明な絶縁膜5で被覆されている。また、絶縁膜
4,5の表面にはラビング処理等施したポリビニルアル
コール等の透明な配向膜6,7が形成されている。
【0029】この2枚のガラス基板2,3の4辺のうち
コモン電極Lの長軸方向と平行した1辺を図示するごと
くの角度θgでカットして、これら4辺は一部に注入口
を残し封止剤9で封止する。注入口から配向膜6,7で
挟まれた空間へ真空注入等により常光屈折率no(n
┴:液晶分子の長軸と直交した偏光軸を持った偏光の屈
折率)と異常光屈折率ne(n‖:液晶分子の長軸と平
行した偏光軸を持った偏光の屈折率)を持った液晶を導
入し、上記注入口を封止剤9で封止する。
【0030】ガラス基板2,3におけるカットした1辺
から、図2に示すごとくにコモン電極Lの長軸方向と平
行もしくは直交した偏光軸を持った偏光された平行光線
を入射させる。また、図1に示すドライバ10はコモン
電極Lへ電圧を印加するための駆動回路であり、ドライ
バ11はセグメント電極Sへ電圧を印加するための駆動
回路である。
【0031】本実施例では、液晶8として常光屈折率n
o(n┴)と異常光屈折率ne(n‖)が ne≒1.63 no≒1.50 となるチッソ社製の強誘電性液晶:CS−1011を用
い、配向膜6,7としてチッソ社製の配向膜PSI−A
−2101を使用した。また、背面ガラス基板2及び前
面ガラス基板3の屈折率ngは ng≒1.46 大気の屈折率naは na≒1.0 なので、(32)式より (ne/no)×(na/ng)>sinθg≧(na
g) (1.63/1.50)×(1/1.46)>sinθg
(1/1.46) 48°>θg>44° となる。そこで本実施例では入射角θg=45°として
設定した。
【0032】この強誘電性液晶(以下FLCと略称す
る)の誘電異方性は負である。また、FLC分子は電界
を受け、図3(B)に示すコーン角2θの円錐表面を移
動する。また、コモン電極Lとセグメント電極Sと間隔
は約1.5μmである。このように狭いセル間隔に注入
されたFLC分子を図1に示す前面ガラス基板3の正面
から覗くと、図3(A)のように2つの安定状態P1
2を示す。このFLC分子の一方の安定状態P1にある
FLC分子の長軸が、背面ガラス基板2より入射する偏
光の入射方向と直交するよう偏光の入射方向に対し傾斜
角(90−θm)°を付け、セグメント電極表面の配向
膜6をラビング処理する。本実施例で用いたチッソ社製
の強誘電性液晶:CS−1011と、チッソ社製の配向
膜PSI−A−2101の組み合わせではメモリ角θm
≒8°なので、偏光の入射方向に対するラビング方向の
傾きは約82°とした。
【0033】以下、この側面入射型強誘電性液晶表示装
置1の駆動方法を説明するが、駆動方法は従来の強誘電
性液晶表示装置と同じである。即ち、コモン電極Li
図4(A)に示す選択電圧VCAを印加したとき、セグメ
ント電極Sjへ書込電圧VSCを印加するとFLC分子の
安定状態は図3(A)に示す安定状態P2より安定状態
1へ変化するが、セグメント電極Sjへ保持電圧VSG
印加するとFLC分子の安定状態は保持される。また、
コモン電極Liへ図4(B)に示す選択電圧VCEを印加
したとき、セグメント電極Sjへ消去電圧VSDを印加す
るとFLC分子の安定状態は図3(A)に示す安定状態
1より安定状態P2へ変化するが、セグメント電極Sj
へ保持電圧VSHを印加するとFLC分子の安定状態は保
持される。
【0034】そこで、コモン電極L1へ図4(A)に示
す選択電圧VCAを印加したとき、セグメント電極S1
書込電圧VSCを印加し、コモン電極L1へ図4(B)に
示す選択電圧VCEを印加したとき、セグメント電極S1
へ保持電圧VSHを印加すれば、その画素A11を構成する
FLC分子は図3(A)に示す安定状態P1で保持され
る。また、コモン電極L1へ図4(A)に示す選択電圧
CAを印加したとき、セグメント電極S2へ保持電圧V
SGを印加し、コモン電極L1へ図4(B)に示す選択電
圧VCEを印加したとき、セグメント電極S2へ消去電圧
SHを印加すれば、その画素A12を構成するFLC分子
は図3(A)に示す安定状態P2で保持される。
【0035】このように駆動した側面入射型強誘電性液
晶表示装置1を前面ガラス基板側から観測すると、FL
C分子の長軸方向が偏光の入射方向と直交する画素A11
で暗い表示が、FLC分子の長軸方向が偏光の入射方向
と(90−2θm)°で交差する画素A12で明るい表示
が得られた。
【0036】〔表示原理の考察1〕FLC分子の長軸方
向が偏光の入射方向と直交する図3(A)の安定状態P
1に保持された画素A11では、図5に示す通り、背面基
板2より液晶8へ入射角θgで入射した偏光は ne×sinθe=ng×sinθg (33) sinθe=(1.46/1.50)×sin45° なる角度θeに屈折される。このとき偏光の偏光軸が液
晶分子の長軸方向と一致しているので、液晶を透過して
いる間に偏光の偏光軸が旋光することはない。
【0037】従って、液晶に入射した偏光は偏光軸が維
持されたまま再び液晶より前面基板へ入射角θeで入射
し、 ng×sinθg=ne×sinθe (34) なる角度θg=45°に屈折して、前面基板より大気へ
向け入射角θg=45°で入射しようとする。このと
き、 sinθg<na/ng (35) であれば、偏光は大気へ出射するが、θg=45°,ng
≒1.46,na≒1.0を代入すると、 sinθg≒0.707≧na/ng≒0.671 (36) となるので、前面基板より大気へ向け入射しようとする
偏光は、前面基板と大気との界面で全反射されパネルか
ら外へは光は漏れない。
【0038】一方、FLC分子の長軸と入射した偏光の
偏光軸が角度2θm傾いている図3(A)の安定状態P2
に保持された画素12では、図6に示す通り、背面基板よ
り液晶へ入射角θgで入射した偏光は、 nh×sinθh=ng×sinθg (37) なる角度θhに屈折する。この屈折率nhは測定できてい
ないが、本実施例で用いられているFLCのメモリ角θ
m≒8°よりFLC分子の長軸と入射した偏光の偏光軸
は2θm=16°傾いている程度なので、 ne≒nh>no (38) と考えられる。
【0039】また、このとき偏光の偏光軸が液晶分子の
長軸方向と2θm=16°傾いて交差しているので、液
晶を透過している間に偏光の偏光軸が旋光する。ここ
で、液晶を透過している偏光と前面ガラス基板平面との
なす角が、偏光の偏光軸の変化と共に変化する(即ち、
偏光した光が液晶中を進行すると光が曲がる)とは考え
難いので、液晶に入射した偏光は前面ガラス基板平面と
のなす角が保持されたまま、偏光軸のみが変化している
と考えている。
【0040】従って、偏光は液晶を透過している間に偏
光軸が変化し、再び液晶から前面基板へ入射角θhで入
射する。このとき、FLC分子の長軸と透過した偏光の
偏光軸の角度は2θm=16°より大きく傾いているの
で、 ne>nh′≒no (39) となっていると考えられる。従って、再び液晶より前面
基板へ入射角θhで入射した偏光は、 ng×sinθk=nh′×sinθh (40) なる角度θkに屈折し、前面基板より大気へ向け入射す
る。
【0041】このとき、 sinθk=(nh′/ng)×sinθh =(nh′/ng)×(ng/nh)×sinθg =(nh′/nh)×sinθg ≒(no/ne)×sinθg (41) となるので、入射した偏光が大気へ出射するための条
件: sinθk<na/ng (42) へθg=45°,nh≒ne≒1.63,nh′≒no≒1.
5,na≒1.0,ng≒1.46を代入すると、 sinθk≒0.65<na/ng≒0.671 (43) となり、前面基板より大気へ向け入射した偏光は、その
屈折率θkで前面基板を出射する。なお、この現象は誘
電異方性が負の強誘電性液晶のみならず、誘電異方性が
正の強誘電性や反強誘電性でも観察される。
【0042】ところで、現実には図2に示すように背面
ガラス基板2と液晶8との間に屈折率ndの絶縁膜4や
屈折率npの配向膜6が存在する。従って、本来背面ガ
ラス基板2から屈折率ndの絶縁膜4へ入射角θgで入射
した偏光は、 nd×sinθd=ng×sinθg (44) なる角度θdに屈折し、再び屈折率npの配向膜6に入射
角θdで入射し、 np×sinθp=nd×sinθd (45) なる角度θpに屈折し、再び屈折率noの液晶8に入射角
θpで入射し、 no×sinθo=np×sinθp (46) なる角度θoに屈折すると説明すべきである。しかし、
途中の絶縁膜や配向膜の表面が背面ガラス基板の表面と
平行であり、かつ絶縁膜や配向膜で偏光の偏光軸が変化
しない限り、直接背面ガラス基板2から液晶8へ入射し
たと考えても結果は同じとなる。従って、ここでは途中
の絶縁膜や配向膜の存在は無視した。
【0043】〔実施例2〕本発明の第1の実施例では強
誘電性液晶を用いたが、正の誘電異方性を持つネマチッ
ク液晶を用いて図2に示すごとくに構成すると実施例1
と同様の効果が得られる。以下、その本発明の第2の実
施例の構成を説明する。図7は、本発明の液晶表示装置
の他の実施例を説明するための画素と液晶を概念的に示
した平面図で、側面入射型液晶表示装置を前面基板側よ
り見たものである。図中、12は側面入射型ネマチック
液晶表示装置である。
【0044】図8は、実施例2の液晶表示装置の表示原
理を説明するためのネマチック液晶分子の長軸方向と偏
光の入射方向が直交する状態での光路を概念的に示す図
である。図7の側面入射型液晶表示装置12を線分A−
A′でカットした場合の断面は実施例1における図2と
同じなので、ここではその詳しい説明は省略する。但
し、本実施例では液晶8として常光屈折率no(n┴)
と異常光屈折率ne(n‖)として ne≒1.78 no≒1.50 のロッシュ社製の正の誘電異方性を持ったネマチック液
晶:RO−TN2108を用い、配向膜6,7としてチ
ッソ社製の配向膜PSI−A−2101を使用した。
【0045】また、コモン電極Lとセグメント電極Sと
の間隔を約6μmとし、背面基板より入射する偏光の入
射方向とラビング方向の角度が(90−2θm)°とな
るようセグメント電極表面の配向膜6にラビング処理を
施す。実施例1では、この角度θmをチッソ社製の強誘
電性液晶:CS−1011と、チッソ社製の配向膜PS
I−A−2101を組み合わせて現れるメモリ角θm
8°に合わせたので、本実施例でも同じ結果となるよ
う、偏光の入射方向に対するラビング方向の傾きを約7
4°とした。その他の点では、本実施例は実施例1と同
じなので、ここではその詳しい説明は省略する。
【0046】また、この側面入射型ネマチック液晶表示
装置12の駆動方法は、従来例のネマチック液晶表示装
置と同じである。即ち、図7に示すコモン電極Liへ図
18のに示す電圧を印加し、セグメント電極Sjへ図
18のに示す電圧を印加する。コモン電圧L1へ選択
電圧V1(またはV6)を印加したとき、セグメント電極
1へV6(またはV1)を印加すると画素A11を構成す
るネマチック液晶(誘電異方性が正)は図7に示すよう
に背面ガラス基板2及び前面ガラス基板3に対し液晶分
子の長軸方向が直交するオン状態となり、セグメント電
極S2へV5(またはV2)を印加すると画素A12を構成
するネマチック液晶(誘電異方性が正)は図7に示すよ
うに背面ガラス基板2及び前面ガラス基板3表面に対し
液晶分子の長軸方向が平行となるオフ状態となる。
【0047】このようにして駆動した側面入射型ネマチ
ック液晶表示装置12を前面ガラス基板側から観察する
と、実施例1同様、液晶分子の長軸方向が偏光の入射方
向と直交するオン画素A11で暗い表示が得られ、液晶分
子の長軸方向が偏光の入射方向と角度2θmで交差する
オフ画素A12で明るい表示が得られた。
【0048】〔表示原理の考察2〕液晶分子の長軸方向
が偏光の入射方向と直交する図7の画素A11では、図8
に示す通り、背面基板より液晶へ入射角θgで入射した
偏光は、 no×sinθo=ng×sinθg (47) 即ち、 sinθo=(1.46/1.50)×sin45° (48) なる角度θoに屈折する。このときの偏光の偏光軸が液
晶分子の長軸方向と直交しているので、液晶を透過して
いる間に偏光の偏光軸が旋光することはない。従って、
液晶へ入射した偏光は偏光軸が維持されたまま再び液晶
より前面基板へ入射角θoで入射し、 ng×sinθg=no×sinθo (49) なる角度θg=45°に屈折して、前面基板より大気へ
向け入射角θg=45°で入射しようとする。
【0049】このとき、偏光を透過させて大気へ出射さ
せるための条件: sinθg<na/ng (50) へθg=45°,ng≒1.46,na≒1.0を代入する
と、 sinθg≒0.707≧na/ng≒0.671 (51) となるので、前面基板より大気へ向け入射しようとした
偏光は、前面基板と大気との界面で全反射してパネルか
ら外へ光は漏れない。
【0050】一方、液晶分子の長軸と入射した偏光の偏
光軸が角度2θm傾いている図7の画素A12では、実施
例1の図6と同じ表示原理が働き、背面基板より液晶へ
入射角θgで入射した偏光が前面基板を透過して大気へ
出射する。なお、誘電異方性が負のネマチック液晶を用
いることも可能である。この場合、配向膜として垂直配
向膜を用いる必要がある。また、電圧印加により基板表
面と平行となった液晶分子が入射した偏光の偏光軸と平
行または直交とならないよう、垂直配向膜に若干ラビン
グ処理を施した方が良い。
【0051】〔実施例3〕図9は、本発明の液晶表示装
置の更に他の実施例を説明するための画素と液晶を概念
的に示した平面図で、側面入射型液晶表示装置を前面基
板より見たものである。図中、13は側面入射型液晶表
示装置である。図10は、図9に示す側面入射型液晶表
示装置のC−C′における断面図である。図11は、図
9に示す側面入射型液晶表示装置のA−A′における断
面図である。図12は、図9に示す側面入射型液晶表示
装置のB−B′における断面図である。
【0052】この構成では、図12に示すように、屈折
率ngの背面ガラス基板2の表面にはアルミ等の金属か
らなるセグメント電極Sが複数本互いに平行に配置され
ている。また、背面ガラス基板2の表面にはラビング処
理等を施したポリビニルアルコール等の透明な配向膜6
も形成されている。セグメント電極Sと対向する屈折率
gの前面ガラス基板3の表面にはアルミ等の金属から
なるコモン電極Lがセグメント電極Sと直交する向きに
複数本互いに平行に配置されている。また、前面ガラス
基板3の表面にはラビング処理等を施したポリビニルア
ルコール等の透明な配向膜7も形成されている。このセ
グメント電極Sは図10に示す通り、表示部において厚
さa[μm]の部分が長さc[mm]で、厚さb[μ
m]の部分が長さd[mm]で交互に繰り返された直線
構成である。一方、コモン電極Lはセグメント電極Sと
直交する厚さa[μm]の直線部と、この直線部と直交
しセグメント電極Sと平行する厚さb[μm]の画素電
極部から構成されている。その他の点では、本実施例は
実施例2と同様である。
【0053】即ち、図10に示す通り、2枚のガラス基
板2,3の4辺のうちコモン電極の長軸方向と平行した
1辺を角度θgでカットして、これら4辺は一部に注入
口を残し封止剤9で封止する。注入口から配向膜6,7
で挟まれた空間へ真空注入等により常光屈折率no(n
┴)と異常光屈折率ne(n‖)を持った液晶を導入
し、上記注入口を封止剤9で封止する。ガラス基板2,
3のカットされた1辺から、図10に示すようにコモン
電極の長軸方向と平行もしくは直交した偏光軸をもった
偏光した平行光線を入射させる。また、図9に示すドラ
イバ10はコモン電極Lへ電圧を印加するための駆動回
路であり、ドライバ11はセグメント電極Sへ電圧を印
加するための駆動回路である。
【0054】本実施例で用いる液晶8も常光屈折率no
(n┴)と異常光屈折率ne(n‖)とが、 ne≒1.78 no≒1.50 であるロッシュ社製の正の誘電異方性を示すネマチック
液晶:RO−TN2108であり、配向膜6,7として
チッソ社製の配向膜PSI−A−2101を使用した。
また、コモン電極Lとセグメント電極Sとの間隔も約6
μmとし、背面基板より入射する偏光の入射方向とラビ
ング方向の傾き角度(90−2θm)°を約74°とし
た。また、この側面入射型ネマチック液晶表示装置13
の駆動方法は実施例2における側面入射型ネマチック液
晶表示装置12と同じである。
【0055】このようにして駆動した側面入射型ネマチ
ック液晶表示装置13を前面ガラス基板側から観察する
と、実施例2と同様に、液晶分子長軸方向が偏光の入射
方向と直交するオン画素A11で暗い表示が得られ、液晶
分子長軸方向が偏光の入射方向と角度2θmで交差する
オフ画素A12で明るい表示が得られた。なお、本実施例
では、液晶8として誘電異方性が負のネマチック液晶も
使用可能である。その場合、オフ画素A12の液晶分子長
軸方向は偏光の入射方向と角度2θmで交差し明るい表
示が得られる。一方、オン画素A11の液晶分子長軸方向
は偏光の入射方向と平行となり暗い表示が得られる。
【0056】〔実施例4〕本発明の第3の実施例ではネ
マチック液晶を用いたが、強誘電性液晶を用い図13の
構成で実施例3と同様の効果が得られる。以下、その本
発明の実施例4の構成を説明する。図13は、本発明の
液晶表示装置の更に他の実施例を説明するための画素と
液晶を概念的に示した平面図で、側面入射型液晶表示装
置を前面基板側より見たものである。図中14は側面入
射型液晶表示装置である。図14は、図13に示すFL
C分子を偏光の入射方向から見た模式図である。図15
は、実施例4の液晶表示装置の表示原理を説明するため
のFLC分子の長軸方向と偏光の入射方向が直交する状
態での光路を概念的に示す図である。図16は、実施例
4の液晶表示装置の表示原理を説明するためのFLC分
子の長軸方向と偏光の偏光軸が傾いている状態での光路
を概念的に示す図である。図13に示す側面入射型液晶
表示装置14の構成は図9の側面入射型液晶表示装置1
と同じ構成なので、ここではその詳しい説明は省略す
る。但し、本実施例で用いる液晶8は常光屈折率n
o(n┴)と異常光屈折率ne(n‖)として ne≒1.63 no≒1.50 のチッソ社製の強誘電性液晶:CS−1011であり、
配向膜6,7としてチッソ社製の配向膜PSI−A−2
101を使用した点が異なる。また、背面基板より入射
する偏光の入射方向と平行となるようセグメント電極表
面の配向膜6をラビング処理している点が異なる。
【0057】また、液晶表示装置の表示原理は基本的に
実施例1〜3と同じである。即ち、FLC分子は図3
(B)に示すコーン角2θの円錐表面を移動するので、
一方極性の電界を印加した状態のFLC分子は図14
(A)または(C)の状態となる。このとき、FLC分
子の長軸方向と入射した偏光の偏光軸は直交するので、
図15の通り、背面基板より液晶へ入射角θgで入射し
た偏光は、前面基板との大気との界面で全反射されパネ
ルから外へ光は漏れない。
【0058】一方、一方極性の電界から他方極性の電界
へ電界の極性を切り替えるとき、FLC分子は過度的に
図14(B)の状態となる。このとき、液晶分子の長軸
と入射した偏光の偏光軸は傾いているので、図16の通
り、背面基板より液晶へ入射角θgで入射した偏光は、
前面基板より大気へ透過する。
【0059】この側面入射型液晶表示装置14の駆動法
として、奇数フレームでは図4(A)の選択電圧VCA
コモン電極Liへ印加しているとき、セグメント電極の
選択電圧(±Vd)に対し常に一方極性の電位となる電
圧(例えば、+Vd)をコモン電極Lk(k>i)へ印加
し、常に他方極性の電位となる電圧(例えば、−Vd
をコモン電極Lh(h<i)へ印加する。偶数フレーム
では図4(B)に示す選択電圧VCEをコモン電極Li
印加しているとき、セグメント電極の選択電圧(±
d)に対し常に他方極性の電位となる電圧(例えば、
−Vd)をコモン電極Lk(k>i)へ印加し、常に一方
極性の電位となる電圧(例えば、+Vd)をコモン電極
h(h<i)へ印加する。
【0060】このとき、選択電圧VCAをコモン電極Li
へ印加したとき、セグメント電極Sjに印加される電圧
波形を図4(A)に示すVSCからVSGへ連続的に変化さ
せ、図14(B)に示す過度的状態となる期間を制御し
表示を得ることができる。また、選択電圧VCEをコモン
電極Liへ印加したとき、セグメント電極Sjへ印加され
る電圧波形を図4(A)に示すVSDからVSHへ連続的に
変化させることにより、図14(B)に示す過度的状態
となる期間を制御し表示を得ることができる。
【0061】以上、実施例1〜4においても、特開昭5
9−58421号公報の液晶表示装置同様、前面基板前
面(大気と面した表面)に散乱性の膜を置くことができ
る。その場合、散乱性膜と前面ガラス基板の間にスペー
スを空け、大気を導入することが好ましい。また、背面
ガラス基板背面(大気と面した表面)にも光吸収性の高
い膜を置いた方が前面基板前面からくる光を反射せずコ
ントラストの高い表示となる。この場合、光吸収性膜と
背面ガラス基板の間にスペースを空け、大気を導入する
ことが好ましい。特に実施例3〜4では、前面ガラス基
板3とコモン電極L及びセグメント電極Sとの間に光吸
収性の膜を形成した方が、前面基板前面からくる光を反
射せずコントラストの高い表示となる。
【0062】
【発明の効果】
請求項1の効果:本発明によれば、通常の液晶パネルに
用いられる屈折率が1.46〜1.5程度の安価な熔融
石英ガラスと、常光屈折率no(n┴)が1.50程度
で異常光屈折率ne(n‖)が1.6〜1.8程度の一
般的な液晶を用いて、従来の背面基板の背面から偏光を
入力する液晶表示装置に比べコントラストの高い側面入
射型液晶表示装置を構成でき、その効果は明らかであ
る。
【0063】請求項2の効果:コントラストの高い側面
入射型液晶表示装置を得るための液晶の屈折率、背面基
板の屈折率、装置が置かれる媒質の屈折率、及び背面基
板から液晶へ入射する入射角の関係に関する具体的な範
囲が与えられる。
【0064】請求項3の効果:強誘電性液晶または反強
誘電性液晶またはネマチック液晶のいずれかを用いて基
板に垂直方向に電解を付与する形態を有した側面入射型
液晶表示装置の具体的な構成が与えられる。
【0065】請求項4の効果:ネマチック液晶を用いて
基板に平行に電解を付与する形態を有した側面入射型液
晶表示装置の具体的な構成が与えられ、特に、この構成
では液晶の厚みをコモン電極とセグメント電極で決定で
きるため、従来液晶の厚みを決めるために使用されてい
たスペーサが不要となる効果がある。
【0066】請求項5の効果:強誘電性液晶または反強
誘電性液晶を用いて基板に平行に電解を付与する形態を
有した側面入射型液晶表示装置の具体的な構成が与えら
れ、特に、この構成では液晶の厚みをコモン電極とセグ
メント電極で決定できるため、従来液晶の厚みを決める
ために使用されていたスペーサが不要となる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液晶表示装置の一実施例を説明するた
めの画素と液晶を概念的に示した平面図である。
【図2】図1に示す液晶表示装置のA−A′における断
面図である。
【図3】強誘電性液晶分子の振る舞いを概念的に示す平
面図及び斜視図である。
【図4】実施例1の液晶表示装置に用いて好適な駆動方
法の第1及び第2フィールドにおける駆動波形を示す波
形図をそれぞれ(A),(B)に示すものである。
【図5】実施例1の液晶表示装置の表示原理を説明する
ためのFLC分子の長軸方向と偏光の入射方向が直交す
る状態での光路を概念的に示す図である。
【図6】実施例1の液晶表示装置の表示原理を説明する
ためのFLC分子の長軸方向と偏光の偏光軸が2θm
いている状態での光路を概念的に示す図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の他の実施例を説明する
ための画素と液晶を概念的に示した平面図で、側面入射
型液晶表示装置を前面基板側より見たものである。
【図8】実施例2の液晶表示装置の表示原理を説明する
ためのネマチック液晶分子の長軸方向と偏光の入射方向
が直交する状態での光路を概念的に示す図である。
【図9】本発明の液晶表示装置の更に他の実施例を説明
するための画素と液晶を概念的に示した平面図で、側面
入射型液晶表示装置を前面基板より見たものである。
【図10】図9に示す側面入射型液晶表示装置のC−
C′における断面図である。
【図11】図9に示す側面入射型液晶表示装置のA−
A′における断面図である。
【図12】図9に示す側面入射型液晶表示装置のB−
B′における断面図である。
【図13】本発明の液晶表示装置の更に他の実施例を説
明するための画素と液晶を概念的に示した平面図で、側
面入射型液晶表示装置を前面基板側より見たものであ
る。
【図14】図13に示すFLC分子を偏光の入射方向か
ら見た模式図である。
【図15】実施例4の液晶表示装置の表示原理を説明す
るためのFLC分子の長軸方向と偏光の入射方向が直交
する状態での光路を概念的に示す図である。
【図16】実施例4の液晶表示装置の表示原理を説明す
るためのFLC分子の長軸方向と偏光の偏光軸が傾いて
いる状態での光路を概念的に示す図である。
【図17】従来の側面入射型液晶表示装置の一例を概念
的に示す断面図である。
【図18】誘電異方性が正のネマチック液晶における一
般的な駆動波形を示す波形図である。
【符号の説明】
1…側面入射型液晶表示装置、2…背面ガラス基板、2
θ…コーン角、3…前面ガラス基板、4,5…絶縁膜、
6,7…配向膜、8…液晶、9…封止剤、10…コモン
電極用ドライバ、11…セグメント、12…側面入射型
ネマチック液晶表示装置、13…側面入射型液晶表示装
置、14…側面入射型液晶表示装置、21,22…透明
電極、23…前面基板、24…背面基板、25…ネマチ
ック液晶、26…末端側面、27…光源、28…光散乱
板、29…背面基板突出部、A…媒質、E…電場、L…
コモン電極、P1,P2…強誘電性液晶分子の2つの安定
状態位置、Ps…自発分極、Rub…ラビング方向、S
…セグメント電極、θm…メモリ角。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G09F 9/00 336 G09F 9/00 336D

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 屈折率ngの背面基板と屈折率ng′の前
    面基板との間に設けられる間隙に屈折率異方性を示す液
    晶を封入してなる液晶パネルを屈折率naの媒質中に置
    き、前記背面基板から前記液晶へ偏光を sinθg≧na/ng なる入射角θgで入射させるようにした液晶表示装置に
    おいて、前記液晶へ印加する電圧の制御によって、前記
    液晶を透過して前記前面基板から前記媒質へ入射する光
    の前記媒質に対する入射角θkを sinθk≧na/ng′ から sinθk′<na/ng′ を満足するθk′へ変化させることにより、前記前面基
    板と前記媒質の界面を透過して前記媒質に出射する光量
    を変化させて表示を行なうようにしたことを特徴とする
    液晶表示装置。
  2. 【請求項2】 前記液晶の最大屈折率nmax及び最小屈
    折率nminと、前記入射角θgとの間に (nmax/nmin)×(na/ng)>sinθg の関係が成り立つようにしたことを特徴とする請求項1
    記載の液晶表示装置。
  3. 【請求項3】 前記背面基板と前記前面基板との間に形
    成されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ
    印加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメ
    ント電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と直交する
    ように配設するとともに、前記液晶としてネマチック液
    晶または強誘電性液晶または反強誘電性液晶のいずれか
    を用い、前記背面基板から入射させる前記偏光の偏光軸
    と前記背面基板表面に形成される配向膜における配向軸
    とのなす角度θmが 0<θm<π/2 となるようにし、前記電界の制御により、前記液晶分子
    の長軸方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交
    差角度の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
  4. 【請求項4】 前記背面基板と前記前面基板との間に形
    成されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ
    印加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメ
    ント電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と平行とな
    るように配設するとともに、前記液晶としてネマチック
    液晶を用い、前記背面基板から入射させる前記偏光の偏
    光軸と前記背面基板表面に形成される配向膜における配
    向軸とのなす角度θmが 0<θm<π/2 となるようにし、前記電界により、前記液晶分子の長軸
    方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交差角度
    の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたことを特
    徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
  5. 【請求項5】 前記背面基板と前記前面基板との間に形
    成されるコモン電極及びセグメント電極を、前記液晶へ
    印加する電圧により発生する該コモン電極から該セグメ
    ント電極へ向かう電界が前記背面基板の表面と平行とな
    るように配設するとともに、前記液晶として強誘電性液
    晶または反強誘電性液晶を用い、前記背面基板から入射
    させる前記偏光の偏光軸と前記背面基板表面に形成され
    る配向膜における配向軸とのなす角度θmが0またはπ
    /2となるようし、前記電界により、前記液晶分子の長
    軸方向と前記偏光軸との交差角度を変化させ、該交差角
    度の変化に伴い前記θkを変化させるようにしたことを
    特徴とする請求項1または2記載の液晶表示装置。
JP9033918A 1997-02-18 1997-02-18 液晶表示装置 Pending JPH10232386A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018056277A (ja) * 2016-09-28 2018-04-05 エルジー ディスプレイ カンパニー リミテッド 電子部品の実装方法、電子部品の接合構造、基板装置、ディスプレイ装置、ディスプレイシステム

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