JPH10231644A - 煙 突 - Google Patents

煙 突

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Publication number
JPH10231644A
JPH10231644A JP3722097A JP3722097A JPH10231644A JP H10231644 A JPH10231644 A JP H10231644A JP 3722097 A JP3722097 A JP 3722097A JP 3722097 A JP3722097 A JP 3722097A JP H10231644 A JPH10231644 A JP H10231644A
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JP
Japan
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chimney
reinforcing
concrete
main body
corrosion
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JP3722097A
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English (en)
Inventor
Setsuo Iwata
節雄 岩田
Susumu Matsuno
松野  進
Tadateru Murakami
忠輝 村上
Mikiharu Fujiki
幹晴 藤木
Kenichi Hamada
建一 濱田
Toshiya Hamanaka
敏也 浜中
Toshio Tatsumi
俊雄 辰巳
Yukushi Arakawa
行志 荒川
Hitoshi Yamazaki
仁 山崎
Yoshiyuki Fukuyama
義之 福山
Noriaki Kurosawa
紀昭 黒澤
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Hitachi Zosen Corp
Showa Denko Materials Co Ltd
Showa Denko Materials Techno Service Co Ltd
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Hitachi Zosen Corp
Hitachi Kasei Kozai Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH10231644A publication Critical patent/JPH10231644A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発電所では昼間に運転稼働し夜間には運転休
止することも多いことから、煙突本体は高熱を断続的に
受けることになり、熱応力を繰り返し受けてコンクリー
トに多数のクラックが発生し、ひび割れ防止鉄筋が腐食
され、煙突の寿命が短くなり、補修するのに手間がかか
ってしまっていた。 【解決手段】 繊維強化プラスチック製の補強体3が、
煙突本体1の内周面に沿ってかつ煙突本体1に隙間4を
介して配置され、この補強体3は、複数の補強板5A,
5B,5C同士を隣接させて構成され、各補強板5A,
5B,5Cの隣り合う二つの縁部には、縦横に隣接する
補強板5A,5B,5Cの縁部と重なり合う重ね片5
a,5bが形成され、補強板5A,5B,5Cの重ね片
5a,5bおよびその補強板5A,5B,5Cに隣接す
る補強板5A,5B,5Cの縁部同士は、接合孔7を介
して接合ボルト8で接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発電所などに付設
される煙突に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、発電所などに付設される煙突に
は、図18に示すものがある。この煙突は、円筒状の鉄
筋コンクリート製の煙突本体45に、ひび割れ防止鉄筋
46を埋設して構成されている。このような煙突では、
煙突本体45内を通る排煙に亜硫酸ガスなどが含まれて
いると、コンクリートの表面が酸化して劣化してしま
う。
【0003】このため図19に示すように、煙突本体4
5の内周面に、耐酸耐熱性のキャスタブル47を施した
ものがある。なお、図中の48は、鋼板製の筒体であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、発電所では昼
間に運転稼働し夜間には運転休止することも多いことか
ら、煙突本体45は高熱を断続的に受けることになり、
そうなると、煙突本体45が熱応力を繰り返し受けてコ
ンクリートに多数のクラックが発生し、内部のひび割れ
防止鉄筋46が腐食される。
【0005】このため、煙突の寿命が短くなり、また補
修するにしても手間がかかってしまっていた。そこで本
発明は、上記課題を解決し得る煙突の提供を目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明における課題を解
決するための手段は、煙突本体がコンクリートから構成
され、繊維強化プラスチック製の補強体が、煙突本体の
内周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を介して配置され、
この補強体は複数の補強板同士を隣接させて構成され、
煙突本体と補強体との隙間に耐腐食用コンクリートが設
けられたものである。
【0007】この構成によれば、補強体および補強板の
接合部分に浸入した耐腐食用コンクリートによって、排
煙は煙突本体に接触するのを防止して、排煙による煙突
本体の腐食、劣化を防止する。
【0008】また、鋼板製筒体の内側にコンクリート製
の煙突本体が設けられ、繊維強化プラスチック製の補強
体が、煙突本体の内周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を
介して配置され、この補強体は複数の補強板同士を隣接
させて構成され、煙突本体と補強体との隙間に耐腐食用
コンクリートが設けられたものである。
【0009】この構成によれば、補強体および補強板の
接合部分に浸入した耐腐食用コンクリートによって、排
煙が煙突本体に接触するのを防止して、排煙による煙突
本体の腐食、劣化を防止する。
【0010】さらに、鋼板製筒体から煙突本体が構成さ
れ、繊維強化プラスチック製の補強体が、煙突本体の内
周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を介して配置され、こ
の補強体は複数の補強板同士を隣接させて構成され、煙
突本体と補強体との隙間に耐腐食用コンクリートが設け
られたものである。
【0011】この構成によれば、補強体および補強板の
接合部分に浸入した耐腐食用コンクリートによって、排
煙が煙突本体に接触するのを防止して、排煙による煙突
本体の腐食、劣化を防止する。
【0012】また、各補強板に、隣接する補強板の縁部
と重なり合う重ね片が形成され、補強板の重ね片および
その補強板に隣接する補強板の縁部同士が接合ボルトで
接合されたものである。
【0013】この構成によれば、所定の補強板の重ね片
と、その補強板に隣接する補強板の縁部とを重ねて接合
ボルトで接合することで、補強板同士を容易に接合する
ことができる。
【0014】さらに、補強板の重ね片とその補強板に隣
接する補強板の縁部との隙間部分に、目地剤を充填する
ための充填溝が形成されたものであり、この構成によれ
ば、充填溝に目地剤を充填して、排煙を煙突本体側に浸
入するのを確実に防止する。
【0015】また、耐腐食用コンクリートに、格子状の
配筋部材が埋設された構成により、耐腐食用コンクリー
トの厚みを多くとれない場合であっても、強度を増加さ
せることができる。
【0016】また、耐腐食用コンクリートにガラス繊維
を混合することによっても同様に耐腐食用コンクリート
の強度が増加する。さらに、耐腐食用コンクリートに、
格子状の配筋部材を埋設するとともにガラス繊維を混合
することにより、腐食用コンクリートの強度がさらに増
加する。
【0017】また、耐腐食用コンクリートと各補強板と
を接合するために耐腐食用コンクリートに埋設されるス
パイラル状の接合筋部材を、各補強板に固定することに
より、耐腐食用コンクリートと各補強板とが確実に固定
される。
【0018】そして、耐腐食用コンクリートを、無収縮
コンクリート又はレジンコンクリートととすることによ
り、煙突本体の腐食を確実に防止する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態に係る
煙突を、図面に基づいて説明する。まず、図1〜図5に
基づいて、本発明の実施の第一形態を説明する。
【0020】本発明の実施の第一形態に係る煙突は、発
電所などに付設されるもので、図1に示すように、煙突
本体1がコンクリート製で筒状に形成され、この煙突本
体1には、ひび割れ防止鉄筋2が埋設されている。
【0021】また、繊維強化プラスチック製(ノボラッ
クビニルエステル系の、商品名:ポリセット6850な
どが用いられる)の補強体3が、煙突本体1の内周面に
沿ってかつ煙突本体1に隙間4を介して配置され、図2
に示すように、この補強体3は、複数の補強板5A,5
B,5C同士を隣接させて構成されている。
【0022】なお、図2および図3は、便宜上三枚の補
強板5A,5B,5Cの取付け状態を示しているもので
あって、補強板は三枚のみではなく、縦横に多数配置さ
れていることは勿論である。
【0023】図3〜図5に示すように、補強板5Aの隣
り合う二つの縁部には、縦横に隣接する補強板5B,5
Cの縁部と重なり合う重ね片5a,5bが円弧状の補強
板本体9に折曲げ部6を介して形成され、補強板5Aの
重ね片5a,5bおよびその補強板5Aに隣接する補強
板5B,5Cの縁部同士は、接合孔7を介して接合ボル
ト8(例えば繊維強化プラスチック製のものが用いられ
る)で接合され、これら接合ボルト8の先端部分は、前
記隙間4に突出して煙突本体1に螺入されている。
【0024】また、隙間4には、例えば低収縮性のレジ
ンコンクリートなどの耐腐食用コンクリート10が充填
され、図5に示すように、補強板5Aの重ね片5a,5
bおよびその補強板5Aに隣接する補強板5B,5Cの
縁部同士の間にしみ込んで、目地剤の機能を果たしてい
る。
【0025】上記構成の煙突を構築する手順を説明する
と、図示しない型枠内に、ひび割れ防止鉄筋2を所定の
位置に配置した上でコンクリートを流し込み、煙突本体
1を筒状に形成する。このとき、接合ボルト8の先端部
分が螺入するねじ孔(図示せず)を形成しておく。
【0026】次に、補強板5Aの重ね片5a,5bおよ
びその補強板5Aに縦横に隣接する補強板5B,5Cの
縁部同士を重ね合わせて、補強板5A,5B,5Cどう
しを接合ボルト8で接合し、その先端部をねじ孔に螺入
するようにして、煙突本体1の下方から上方へ向けて補
強板5A,5B,5C同士を組み立てるようにする。
【0027】また、接合ボルト8の先端部分を煙突本体
1に螺入することにより、補強板5A,5B,5Cと煙
突本体1との隙間4の間隔を煙突本体1の円周方向に等
しく設定できる。
【0028】適当な高さまで補強板5A,5B,5Cを
組み立てたら、補強板5A,5B,5Cと煙突本体1と
の間の隙間4に、耐腐食用コンクリート10を打設す
る。このとき、耐腐食用コンクリート10の接着性によ
り、煙突本体1と補強板5A,5B,5Cとが耐腐食用
コンクリート10を介して強固に接着され一体化する。
【0029】また、補強板5Aの重ね片5a,5bと隣
り合う補強板5B,5Cの縁部の重ね合わせ部との間に
耐腐食用コンクリート10が浸透し、目地剤の機能を果
たす。
【0030】上記の作業を繰り返して、煙突本体1と同
じ高さまで補強板5A,5B,5Cを積み上げ、耐腐食
用コンクリート10を煙突本体1と補強板5A,5B,
5Cの間の隙間4に充填して完成する。
【0031】このように、本発明の実施の第一形態の煙
突によれば、煙突本体1は、補強体3で保護されてお
り、また、耐腐食用コンクリート10が補強板5A,5
B,5Cどうしの接合面の隙間4に入り込んでいるの
で、煙突内を通過する排煙中に亜硫酸ガスなどが含まれ
ていたとしても、この部分から排煙が浸入するのを防止
でき、従って、煙突本体1が腐食するのを確実に防止で
き、煙突の寿命を延ばすことができる。
【0032】また補強体3は、分割された補強板5A,
5B,5Cの重ね片5a,5bおよびその補強板5Aに
縦横に隣接する補強板5B,5Cの縁部同士を重ね合わ
せて、補強板5A,5B,5Cどうしを接合ボルト8で
接合するよう構成しているので、補強体3の構築を容易
に行うことができ、従来に比べて建築コストの低減を図
ることができる。
【0033】図6は、本発明の実施の第二形態を示すも
ので、耐腐食用コンクリート10としてガラス繊維(チ
ョップトガラスファイバーが用いられる)を混入したコ
ンクリートを用いている。他の構成は上記実施の第一形
態と同様なので、説明を省略する。
【0034】本発明の実施の第二形態は、耐腐食用コン
クリート10の厚みを大きく確保できない場合に有用
で、ガラス繊維を混入した耐腐食用コンクリート10を
用いることにより、耐腐食用コンクリート10の厚みを
大きく確保できない場合であっても、その強度を確保で
きる。
【0035】図7および図8は、本発明の実施の第三形
態を示すもので、実施の第二形態と同様に耐腐食用コン
クリート10の厚みを大きく確保できない場合、耐腐食
用コンクリート10に格子状の補強鉄筋(例えば直径3
mm、格子間隔100mm)11を埋設したものである。そ
して、耐腐食用コンクリート10に補強鉄筋11を埋設
する場合は、図8に示すように、煙突本体1にスタッド
筋19を取付けてこれに補強鉄筋11を溶接あるいは結
束するようにして行う。他の構成は、上記実施の第一形
態と同様であるので省略する。
【0036】この構成によれば、実施の第二形態と同様
に、耐腐食用コンクリート10の厚みを大きく確保でき
ない場合であっても、補強鉄筋11によって強度を確保
できる。
【0037】なお、耐腐食用コンクリート10の厚みを
大きく確保できない場合に、実施の第二形態に示すよう
に、ガラス繊維を混入した耐腐食用コンクリート10を
用いるとともに、実施の第三形態のように、耐腐食用コ
ンクリート10に格子状の補強鉄筋11を埋設するよう
構成してもよいことは勿論であり、この場合、さらに耐
腐食用コンクリート10の強度を増加させることができ
る。
【0038】また、耐腐食用コンクリート10との熱膨
張率の関係から、補強鉄筋11の代わりに耐腐食用コン
クリート10に用いた樹脂を含んだ複合材料からなる補
強筋を用いることも考えられる。
【0039】図9は、本発明の実施の第四形態を示すも
のである。この煙突の構成は、鋼板製筒体15の内側に
コンクリート製の煙突本体1が設けられ、煙突本体1に
ひび割れ防止鉄筋2が埋設され、補強体3と煙突本体1
の間の隙間4に耐腐食用コンクリート10が充填され、
耐腐食用コンクリート10に格子状の補強鉄筋11を埋
設したものである。補強体3の構成は、上記実施の第一
形態と同様であるので省略する。
【0040】図10は、本発明の実施の第五形態を示す
もので、鋼板製筒体15の内側にコンクリート製の煙突
本体1が設けられ、補強体3と煙突本体1の間の隙間4
に耐腐食用コンクリート10が充填され、この耐腐食用
コンクリート10として無収縮コンクリートが用いら
れ、補強体3の内面に接着剤20が塗布されたものであ
る。補強体3の構成は、上記実施の第一形態と同様であ
るので、その説明を省略する。
【0041】本発明の実施の第五形態において、無収縮
コンクリートの場合、レジンコンクリートのような接着
性がないので、補強体3の内面に接着剤20を塗布する
ことにより、耐腐食用コンクリート10と補強体3とを
接着するようにしている。
【0042】図11は、本発明の実施の第六形態を示す
もので、上記実施の第五形態で補強体3の内面に接着剤
20を塗布する代わりに、耐腐食用コンクリート10に
埋設されるスパイラル状の接合筋部材(例えば鉄筋や繊
維強化プラスチック製のものが用いられる)25を、各
補強板5A,5B,5Cに固定したものである。
【0043】この接合筋部材25によって、耐腐食用コ
ンクリート10に対して補強体3を確実に固定する。図
12は、本発明の実施の第七形態を示すもので、煙突本
体1が鋼板製筒体とされ、実施の第一形態と同様に、繊
維強化プラスチック製の補強体3が、煙突本体1の内周
面に沿ってかつ煙突本体1に隙間4を介して配置され、
この補強体3は複数の補強板5A,5B,5C同士を隣
接させて構成され、煙突本体1と補強体3との隙間4
に、煙突本体1の腐食を防止するための耐腐食用コンク
リート10が充填されている。そして、耐腐食用コンク
リート10としてレジンコンクリートが用いられたもの
である。
【0044】補強体3の構成は、上記実施の第一形態と
同様であり、耐腐食用コンクリート10には、格子状の
補強鉄筋11が埋設されている。この構成において、筒
状の煙突本体1を形成し、補強板5Aの重ね片5a,5
bおよびその補強板5Aに縦横に隣接する補強板5B,
5Cの縁部同士を重ね合わせて、補強板5A,5B,5
Cどうしを接合ボルト8で接合するようにして、煙突本
体1の下方から上方へ向けて組み立てる。そして、適当
な高さまで補強板5A,5B,5Cを組み立てたら、補
強板5A,5B,5Cと煙突本体1との間の隙間4に、
耐腐食用コンクリート10を打設する。
【0045】耐腐食用コンクリート10を打設する際に
は、図8で示したように、予めスタッド筋19を煙突本
体1に溶接しておき、これに補強鉄筋11を溶接あるい
は結束するようにしておき、煙突本体1と補強板5A,
5B,5Cとを耐腐食用コンクリート10を介して一体
化する。
【0046】そして、煙突本体1と同じ高さまで補強板
5A,5B,5Cを積み上げ、煙突本体1の内側を、補
強体3で被覆する。上記のような構成の煙突によれば、
上記実施の第一形態と同様に、煙突内を排煙が通過し
て、この排煙中に亜硫酸ガスなどが含まれていたとして
も、煙突本体1は、補強体3で保護されており、また、
耐腐食用コンクリート10が補強板5A,5B,5Cど
うしの接合面の隙間4に入り込むので、この部分から排
煙が浸入するのが防止され、従って、煙突本体1が腐食
されるのを確実に防止でき、煙突の寿命を延ばすことが
できる。
【0047】また、上記実施の第一形態と同様に、補強
体3は、分割された補強板5Aの重ね片5a,5bおよ
びその補強板5Aに縦横に隣接する補強板5B,5Cの
縁部同士を重ね合わせて、補強板5A,5B,5Cどう
しを接合ボルト8で接合することにより容易に構築する
ことができ、従来に比べて建築コストの低減を図ること
ができる。
【0048】図13および図14は、本発明の実施の第
八形態を示すもので、各補強板5Aの重ね片5a,5b
とその補強板5Aに隣接する補強板5B,5Cの縁部と
の隙間4部分のうち各重ね片5a,5bに、目地剤30
(例えば2液混合型シリコンゴムが用いられる)を充填
するための充填溝31が形成され、四枚の補強板5A,
5B,5C,5Dが隣接する角部に、目地剤30の注入
用孔32が形成されたものである。
【0049】この構成によれば、実施の第一形態と同様
にして煙突本体1および補強体3を構築し、また耐腐食
用コンクリート10を隙間4に充填し、補強板5A,5
B,5C,5Dの突き合わせ部分に亘すように、例えば
透明の粘着テープ33を貼着し、注入用孔32から目地
剤30を注入するもので、この目地剤30により、気密
性が向上し、排煙が耐腐食用コンクリート10側に浸入
するのを確実に防止することができる。
【0050】図15および図16は、本発明の実施の第
九形態を示すもので、これは、鋼板製の煙突本体1と耐
腐食用コンクリート10との間に、両面に接着剤20を
塗布したガラス繊維製のマット35を配置したものであ
る。他の構成は、上記実施の第八形態と同様である。
【0051】この構成によれば、煙突内を排煙が通過し
た際に、耐腐食用コンクリート10と煙突本体1の熱膨
張による伸びの差をマット35により吸収するので、煙
突本体1、耐腐食用コンクリート10およびマット35
の固定が安定する。
【0052】図17は、本発明の実施の第十形態を示す
もので、これは、鋼板製の煙突本体1と、耐腐食用コン
クリート10の高さ方向の熱膨張による伸びの差を、シ
リコンゴム40によって吸収するようにしたもので、耐
腐食用コンクリート10の所定の位置に、環状にシリコ
ンゴム40を配置している。
【0053】すなわち、シリコンゴム40は、補強板5
A,5B,5Cの一枚の高さ毎に耐腐食用コンクリート
10に埋設されている。他の構成は、上記実施の第九形
態と同様であるので省略する。
【0054】この実施の第十形態における煙突は、筒状
の煙突本体1を形成し、補強板5Aの重ね片5a,5b
およびその補強板5Aに横方向に隣接する補強板5Bの
縁部同士を重ね合わせて、補強板5A,5Bどうしを接
合ボルト8で接合し、補強板5A,5Bと煙突本体1と
の間の隙間4に、耐腐食用コンクリート10を打設す
る。その後、耐腐食用コンクリート10の上面に、シリ
コンゴム40を所定の厚み(例えば3mm)に塗布し、次
の補強板5A,5Bを組み立て、耐腐食用コンクリート
10を打設し、シリコンゴム40を塗布する。このよう
な作業を繰り返すことにより煙突を構築する。
【0055】この構成によれば、煙突本体1と耐腐食用
コンクリート10との高さ方向の熱膨張の差は、シリコ
ンゴム40によって吸収することができる。なお、上記
各実施の形態では、耐腐食用コンクリート10を、補強
体3を構築した後に隙間4に充填するようにして煙突を
構築したが、これに限定されるものではなく、補強板5
A,5B,5C,5Dに予め耐腐食用コンクリート10
を施工しておき、補強板5A,5B,5C,5Dと耐腐
食用コンクリート10とをユニット化しておくことによ
り、コンクリート製の煙突本体1、あるいは鋼板製の煙
突本体1に順に固定して、煙突を構築するようにするこ
ともできる。
【0056】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明
は、繊維強化プラスチック製の補強体が、コンクリート
製の煙突本体の内周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を介
して配置され、この補強体は複数の補強板同士を隣接さ
せて構成され、煙突本体と補強体との隙間に耐腐食用コ
ンクリートが設けられたものであるので、耐腐食用コン
クリートが補強板同士の接合面の隙間に入り込み、煙突
内を通過する排煙中に亜硫酸ガスなどが含まれていたと
しても、この部分から排煙が浸入するのを防止して、煙
突本体の腐食、劣化を確実に防止し、煙突の寿命を延ば
すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の第一形態を示す煙突の平面図で
ある。
【図2】同じく補強体の組み立て状態を示す斜視図であ
る。
【図3】同じく煙突の構成を示す一部破断斜視図であ
る。
【図4】同じく耐腐食用コンクリートに補強板を取付け
た状態の拡大斜視図である。
【図5】同じく耐腐食用コンクリートと補強板とが接着
した状態の一部拡大断面図である。
【図6】本発明の実施の第二形態の煙突の構成を示す一
部破断斜視図である。
【図7】本発明の実施の第三形態の煙突の構成を示す一
部破断斜視図である。
【図8】同じく煙突本体にスタッド筋19および補強鉄
筋を取付けた状態の斜視図である。
【図9】本発明の実施の第四形態の煙突の構成を示す一
部破断斜視図である。
【図10】本発明の実施の第五形態を示す煙突の耐腐食
用コンクリートに補強板を取付けた状態の拡大斜視図で
ある。
【図11】本発明の実施の第六形態を示す煙突の耐腐食
用コンクリートに補強板を取付けた状態の拡大斜視図で
ある。
【図12】本発明の実施の第七形態を示す煙突の構成を
示す一部破断斜視図である。
【図13】本発明の実施の第八形態を示す煙突の補強板
同士の接合状態を示す平面図である。
【図14】同じく煙突の補強板同士の接合状態を示す正
面図である。
【図15】本発明の実施の第九形態の煙突の構成を示す
一部破断斜視図である。
【図16】同じく一部拡大破断斜視図である。
【図17】本発明の実施の第十形態を示す煙突の構成を
示す一部破断斜視図である。
【図18】従来の煙突を示す一部破断斜視図である。
【図19】別の従来例を示す煙突の一部破断斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 煙突本体 2 ひび割れ防止鉄筋 3 補強体 4 隙間 5A 補強板 5a 重ね片 6 折り曲げ部 8 接合ボルト 10 耐腐食用コンクリート 11 補強鉄筋 15 鋼板製筒体 20 接着剤 25 接合筋部材 30 目地剤 31 充填溝 32 注入用孔 35 ガラス繊維製のマット 40 シリコンゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩田 節雄 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 松野 進 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 村上 忠輝 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 藤木 幹晴 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 濱田 建一 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 浜中 敏也 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 辰巳 俊雄 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内 (72)発明者 荒川 行志 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山崎 仁 茨城県日立市東町4丁目13番1号 日立化 成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 福山 義之 茨城県日立市滑川本町5丁目12番15号 日 立化成工材株式会社内 (72)発明者 黒澤 紀昭 茨城県日立市滑川本町5丁目12番15号 日 立化成工材株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 煙突本体がコンクリートで筒状に形成さ
    れた煙突において、繊維強化プラスチック製の補強体
    が、煙突本体の内周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を介
    して配置され、この補強体は複数の補強板同士を隣接さ
    せて構成され、煙突本体と補強体との隙間に耐腐食用コ
    ンクリートが設けられたことを特徴とする煙突。
  2. 【請求項2】 鋼板製筒体の内側にコンクリート製の煙
    突本体が設けられた煙突において、繊維強化プラスチッ
    ク製の補強体が、煙突本体の内周面に沿ってかつ煙突本
    体に隙間を介して配置され、この補強体は複数の補強板
    同士を隣接させて構成され、煙突本体と補強体との隙間
    に耐腐食用コンクリートが設けられたことを特徴とする
    煙突。
  3. 【請求項3】 鋼板製筒体から煙突本体が構成された煙
    突において、繊維強化プラスチック製の補強体が、煙突
    本体の内周面に沿ってかつ煙突本体に隙間を介して配置
    され、この補強体は複数の補強板同士を隣接させて構成
    され、煙突本体と補強体との隙間に耐腐食用コンクリー
    トが設けられたことを特徴とする煙突。
  4. 【請求項4】 各補強板に、隣接する補強板の縁部と重
    なり合う重ね片が形成され、補強板の重ね片およびその
    補強板に隣接する補強板の縁部同士が接合ボルトで接合
    されたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか
    に記載の煙突。
  5. 【請求項5】 補強板の重ね片とその補強板に隣接する
    補強板の縁部との隙間部分に、目地剤を充填するための
    充填溝が形成されたことを特徴とする請求項4記載の煙
    突。
  6. 【請求項6】 耐腐食用コンクリートに、格子状の配筋
    部材が埋設されたことを特徴とする請求項1〜請求項5
    のいずれかに記載の煙突。
  7. 【請求項7】 耐腐食用コンクリートに、ガラス繊維が
    混合されたことを特徴とする請求項1〜請求項5のいず
    れかに記載の煙突。
  8. 【請求項8】 耐腐食用コンクリートに、格子状の配筋
    部材が埋設されるとともにガラス繊維が混合されたこと
    を特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の煙
    突。
  9. 【請求項9】 耐腐食用コンクリートと各補強板とを接
    合するために耐腐食用コンクリートに埋設されるスパイ
    ラル状の接合筋部材が、各補強板に固定されたことを特
    徴とする請求項1〜請求項8のいずれかに記載の煙突。
  10. 【請求項10】 耐腐食用コンクリートが、無収縮コン
    クリート又はレジンコンクリートとされたことを特徴と
    する請求項1〜請求項9のいずれかに記載の煙突。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009281108A (ja) * 2008-05-26 2009-12-03 Victaulic Co Of Japan Ltd 電柱用補強カバー構造
CN102192518A (zh) * 2011-03-09 2011-09-21 重庆大众防腐有限公司 一种烟囱防腐的玻璃钢防腐层制作方法
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CN104047463A (zh) * 2014-06-24 2014-09-17 宜兴市海纳环境工程有限公司 高温烟气脱硫除尘塔的模块化塔体结构
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CN112302881A (zh) * 2020-09-15 2021-02-02 重庆大学 一种用于钢-混塔筒的预制混凝土管片连接构造

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