JP4154099B2 - 鋼管部材とコンクリート部材との接合構造 - Google Patents

鋼管部材とコンクリート部材との接合構造 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本願に係る発明は、土木構造物又は建築構造物等として構築されるコンクリート・鋼複合構造物において採用することができるもので、鋼管部材とコンクリート部材とを接合する部分の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土木又は建築構造物等の構造材料として、コンクリート又は鋼材が広く用いられている。コンクリートは施工現場で任意の形状の部材を形成することができ、維持管理が容易という利点を有しており、鋼材は軽量で強固な構造を構築できるという利点を備えている。そして、上記それぞれの利点を生かした構造としてコンクリート・鋼複合構造が提案されており、例えば、道路橋・鉄道橋等における上床版及び下床版をコンクリートで構成し、これらを鋼管斜材で連結するコンクリート・鋼複合トラス橋がある。
【0003】
このような構造物においては、コンクリート部材と鋼部材との接合部で力を円滑に伝達するとともに、大きな局部的応力の発生を抑え、構造上の弱点とならないようにしなければならない。
このようなコンクリート部材と鋼部材との接合構造として、例えば、コンクリート・鋼複合トラス橋では、トラスの上弦材・下弦材及び斜材を鋼部材によって一体に組み立て、上弦材及び下弦材にスタッドジベル等を設けておいてコンクリートからなる上床版及び下床版と一体化する構造が考えられている。
しかし、このような構造では鋼材の使用量が多く、構築費用が多大となるとともに、鋼トラスの組み立てに高い精度が要求され、コンクリートと鋼部材との複合構造とするメリットが生かされないことになる。
【0004】
このため、鋼斜材のそれぞれを直接コンクリートの上床版又は下床版と接合する構造を採用するのが望ましく、次のような接合構造が考えられている。
図6に示す接合構造は、斜材である鋼部材101の端部に、この部材の軸線とほぼ直角に鋼板102を溶接し、この鋼板から複数のスタッドジベル103を立設する。そして、このスタッドジベル103を埋込むようにコンクリートを打設して鋼部材101と一体に接合されたコンクリート部材104を形成するものである。
また、図7に示す接合構造は、図6に示す例と同様に鋼部材111の端部に鋼板112を溶接接合し、この鋼板112に穿設されたねじ孔にPC鋼棒又は棒鋼等の棒状鋼材113を螺合する。そして、このPC鋼棒又は棒鋼をコンクリート内に埋込むことによってコンクリート部材114と鋼部材111とを一体化するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図6又は図7に示すような接合構造では次のような問題点がある。
図6に示すような構造では、鋼部材101に作用する力は、端部の鋼板102及びこれに溶接接合されたスタッドジベル103を介してコンクリート部材104に伝達される。このため、鋼部材101と鋼板102との溶接部及び鋼板102とスタッドジベル103との溶接部は十分な強度及び信頼性が要求され、溶接工程の管理及び検査を厳重に行なう必要がある。また、溶接接合されるスタッドジベル103には高強度の鋼材を用いることが難しく、必要なスタッドジベルの数が多くなって配置が困難となる場合が生じる。
さらに、複合トラス橋等ではコンクリート部材と鋼部材との接合部に繰り返し変動する力が作用することになり、鋼部材101と鋼板102との溶接接合部又はスタッドジベル103の基部が疲労破壊を起こすことが考えられる。
【0006】
一方、図7に示すような構造では、棒状鋼材113としてPC鋼棒等の高強度鋼を用いることができ、本数を低減して接合部の構造を簡単なものにすることができるが、棒状鋼材に螺条が設けられており、コンクリート部材114と鋼部材111との接合部に大きな軸力又は曲げモーメントが繰り返し作用すると、上記螺条が設けられている部分で棒状鋼材113に疲労破壊が生じることが考えられる。また、図6に示す構造と同様に、鋼部材111と鋼板112との溶接接合部に疲労破壊が生じるおそれもある。
【0007】
本願に係る発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡単な構造で耐疲労性に優れ、構造上の弱点のないコンクリート部材と鋼管部材との接合構造を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、 コンクリートからなる上弦材と、この下方に支持されるコンクリートの下弦材と、前記上弦材と下弦材とを連結する鋼管部材である斜材とを備えたコンクリート・鋼複合トラスにおける前記鋼管部材と前記上弦材又は下弦材であるコンクリート部材との接合構造であって、 前記鋼管部材の端部の内面に、該鋼管部材の軸線方向に沿って、複数のリブが溶接接合され、 該リブが延長されて前記鋼管部材の端面より突出し、この突出部分が前記鋼管部材と接合される前記コンクリート部材内に埋込まれ、 前記鋼管部材内の前記リブが溶接された部分に、前記コンクリート部材と連続するようにコンクリート又はモルタルが充填されており、 引張力が作用する引張斜材として用いられる前記鋼管部材に溶接接合された前記リブの延長部分であって前記コンクリート部材へ埋め込まれる部分の長さは、圧縮力が作用する圧縮斜材として用いられる前記鋼管部材に溶接接合された前記リブの延長部分であって前記コンクリート部材へ埋め込まれる部分の長さより長くなっており、 前記引張斜材の前記リブの延長部分は、前記コンクリート部材内において前記圧縮斜材の前記リブの延長部分と非結合状態で、前記圧縮斜材の延長線上に突き出すように配置されている鋼管部材とコンクリート部材との接合構造を提供する。
【0009】
この鋼管部材とコンクリート部材との接合構造では、鋼管部材に作用する引張力が、溶接接合された複数のリブに伝達され、さらにこのリブの突出部分が埋め込まれたコンクリート部材に伝達される。このとき、リブと鋼管部材との間ではは、鋼管部材の軸線方向に沿って線状に溶接された部分を介して力が伝達され、局部的に大きな応力が生じるのが回避される。また、コンクリート部材とリブとの間では、広い範囲に分布するコンクリートの付着力によって力が伝達され、リブに局部的な応力の集中が生じない。したがってくり返し荷重が作用する場合にも、疲労に対して大きな耐力を有するものとなる。
【0010】
一方、リブが鋼管部材に溶接された部分には、コンクリート又はモルタルが充填され、これがリブ及び鋼管部材の内面と強固に付着しているので、溶接部分が腐食等に対して有効に保護されるとともに、引張力の一部がコンクリート又はモルタルの付着力を介して伝達され、溶接部分の応力が緩和される。また、鋼管部材に圧縮力が作用するときには、上記鋼管部材内に充填されて鋼管部材の内面に付着したコンクリート又はモルタルによって圧縮力の大きな部分が分担され、コンクリート部材に確実に伝達される。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記リブに、複数の開孔が分散して設けられているものとする。
【0012】
この鋼管部材とコンクリート部材との接合構造では、リブがコンクリート部材中に埋め込まれたときに、上記開孔内にコンクリートが入り込み、せん断キーとして機能する。すなわち、開孔内に入り込んだコンクリートがリブとかみ合って、力を伝達する。したがって、リブに引張力又は圧縮力が作用したときに、リブの側面に作用する付着力のみでなく、リブの開孔部分で大きな力が伝達されることになり、リブとコンクリート部材との一体性が強固に維持される。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記鋼管部材の内面の周方向に所定間隔で設けられた複数の前記リブは、鋼管部材の中央部で互いに接合されたものとする。
【0014】
この接合構造では、リブが鋼管部材に強固に取り付けられるとともに、大きな剛性を有することになる。したがってこのリブが鋼管部材とコンクリート部材との接合部分で曲げモーメント又はせん断力に対しても抵抗することになる。
一般に、トラス構造で部材の格点を剛結合とすると多少の曲げモーメント又はせん断力が各部材の格点付近に生じることになるが、上記リブによって曲げモーメント又はせん断力に抵抗することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、 コンクリートからなる上弦材と、この下方に支持されるコンクリートの下弦材と、前記上弦材と下弦材とを連結する鋼管部材である斜材とを備えたコンクリート・鋼複合トラスにおける前記鋼管部材と前記上弦材又は下弦材であるコンクリート部材との接合構造であって、 鋼管部材の端部の内面に、該鋼管部材の軸線方向に沿って、複数のリブが溶接接合され、 該リブに沿って、前記鋼管部材の軸線方向に複数の棒状鋼材が配置され、 該棒状鋼材が鋼管部材の端面より突出して、前記鋼管部材と接合されるコンクリート部材に埋込まれ、 前記鋼管部材の端部の前記リブが溶接された部分に、前記コンクリート部材と連続し、前記棒状鋼材を埋め込むようにコンクリート又はモルタルが充填されており、 引張力が作用する引張斜材として用いられる前記鋼管部材から突出する棒状鋼材には、先端付近に該棒状鋼材の前記コンクリート部材からの引き抜きに抵抗するアンカープレートが係止され、 該アンカープレートが、圧縮力が作用する圧縮斜材として用いられる前記鋼管部材の延長線上に配置されている鋼管部材とコンクリート部材との接合構造を提供するものである。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造において、 前記複数のリブは、二つずつが対となって所定間隔で対向するように設けられ、 前記棒状鋼材は、対となる二つのリブ間に配置され、 該棒状鋼材の端部に螺合されたナットが、前記リブに係止されているものとする。
【0017】
このような鋼管部材とコンクリート部材との接合構造では、鋼管部材に作用する引張力が、溶接接合された複数のリブに伝達され、さらに鋼管部材の端部に充填されたコンクリート又はモルタルの付着力によって棒状鋼材に伝達される。また、請求項5に記載のように棒状鋼材がリブに係止されている場合には、この係止部分を介しても力が伝達される。棒状鋼材は、鋼管部材の端面より突出した部分がコンクリート部材内に埋め込まれており、棒状鋼材に伝達された力はコンクリートの付着又は棒状鋼材の端部に係止されたナット、プレート等によってコンクリート部材に伝達される。
一方、鋼管部材に作用する圧縮力は、鋼管部材の端面又は鋼管部材端部の内側に充填されたコンクリート又はモルタルを介してコンクリート部材に伝達される。
【0018】
このような接合構造において、リブは鋼管部材の軸線方向に沿って溶接されており、広い範囲で力が伝達されるので、溶接部分に作用する応力は小さく、溶接部分が疲労に対して弱点となるのを回避することができる。
また、リブと棒状鋼材とはコンクリート又はモルタルの付着力によって一体となっており、力が広い範囲に分散して伝達されるので棒状鋼材に疲労が生じるおそれも解消することができる。
さらに、請求項5に記載のように棒状鋼材をナットによってリブに係止することにより、コンクリート又はモルタルの付着力と分担して、この係止部分からも力を伝達することができ、接合部の信頼性を高めることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本願に係る発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
図1は、本願発明の一実施形態である鋼管部材とコンクリート部材との接合構造が適用されるコンクリート・鋼複合トラス橋を示す概略側面図及び断面図である。
この複合トラス橋は、複数の橋脚1a,1b及び橋台(図示しない)上に支持された連続トラス2を有するものであり、このトラス構造は、プレストレスストコンクリートからなる上床版11と、この下方に支持されるプレストレストコンクリートの下床版12と、上記上床版11と下床版12とを連結する鋼管の斜材13とで主要部が構成され、上床版11が上弦材として、下床版12が下弦材として機能するものとなっている。
【0020】
上記上床版11は、橋の軸線方向に連続しており、この上に路面が形成されるもので、軸線方向及びこれと直角方向にPC鋼材(図示しない)が埋設されている。そして、これらのPC鋼材を緊張し、コンクリートに定着することによってプレストレスが導入されており、上弦材として機能することによる圧縮力又は引張力が作用した時にも、有害なひび割れ等が生じないようになっている。一方、下床版12も橋の軸線方向にプレストレスが導入され、トラスの下弦材として機能することによる圧縮力及び引張力に耐え得るようになっている。
上記斜材13は橋の軸線方向に傾斜するように配置されており、傾斜方向が逆となった斜材13a,13bが交互に配列されてワレントラスを形成している。そして、それぞれの斜材13a,13bは端部が上床版11及び下床版12と接合されている。
【0021】
図2は、上記コンクリート・鋼複合トラス橋において適用できる、コンクリートの上床版11と鋼管からなる斜材との接合部であって、本願発明の一実施形態である鋼管部材とコンクリート部材との接合構造を示す断面図である。また、図3は同じ接合構造の概略斜視図である。
この接合構造は、鋼管21の端部の内側に複数のリブ22を溶接接合するとともに、このリブ22を鋼管21の端面より突出させ、この突出部分22aをコンクリート部材である上床版11内に埋め込んだものである。
【0022】
上記鋼管21は、端面を上床版11に突き当てるように接合されるものであり、上床版のコンクリート表面に沿った形状に端面が形成されている。この実施形態では、鋼管21からなる斜材が、ほぼ水平方向に形成された上床版増厚部11aの下面に接合されており、端面はこの下面と平行となるように形成されている。また、この鋼管端部の外周面には、保護プレート23が張り出すように設けられており、雨水等が鋼管内に侵入するのを防止するようになっている。
なお、鋼管は端部の所定長さをコンクリート部材内に突き入れた状態で接合してもよい。
【0023】
上記リブ22は、鋼管21の内周面の4ケ所で該鋼管21の軸線方向に溶接で接合された鋼板材であり、鋼管21の中心部で互いに連続し、鋼管内を4つに分割する形状となっている。そして、このリブ22は鋼管21の端面より突出し、突出した部分22aは断面が十の字状となって上床版11のコンクリート内に埋め込まれる。また、このリブ22には複数の円孔22bが設けられており、コンクリート内に埋め込まれたときに、この円孔内にコンクリートが入り込むようになっている。
【0024】
鋼管21の、リブ22が溶接された部分よりやや奥側には、この鋼管の軸線と直角方向に鋼板材24が溶接接合されている。この鋼板材24は、鋼管端部の内側に充填されるコンクリート25の型枠として機能するものである。
【0025】
鋼管21の端部の内側に充填されるコンクリート25は、上床版11のコンクリートを打設するときに同時に充填することができる。つまり、リブ22を取り付けた鋼管21を所定の位置に仮固定した後、上床版11のコンクリートを打設するとともに、鋼管の上端の開口からコンクリートを鋼管21内に流し込み、リブ22の溶接部分を埋め込むように充填する。
【0026】
なお、鋼管端部の内側に充填されるコンクリート25は、鋼管21を所定の位置に建て込む前にあらかじめ充填し、硬化させたものであってもよい。特に、斜めに配置された鋼管の下端部では、下床版のコンクリート打設と同時に充填するのは難しく、予め鋼管内に充填しておくのが望ましい。また、鋼管の上端部でもあらかじめ充填しておくことによって、確実に充填することが可能となり、鋼管内に空洞が残らないように充填することが容易となる。
また、上記のようにあらかじめ鋼管内に充填しておく場合には、コンクリートに代えてモルタル又はセメント系のグラウト材等を用いることもでき、混和剤によって硬化時に膨張性を有するもの、無収縮性を有するものとすることもできる。
【0027】
このような鋼管部材とコンクリート部材との接合構造では、鋼管21に作用する引張力はリブ22を介して上床版11のコンクリートに伝達される。このリブ22とコンクリートとの間には付着力が作用するとともに、リブ22が有する複数の円孔22b内にコンクリートが入り込むことによって強固に一体化されており、リブ22がコンクリートから抜け出したりすることなく確実に力の伝達が行われる。また、リブ22によって曲げモーメント、剪断力も伝達される。そして、溶接部分が弱点となることもなく、耐疲労特性に優れた接合構造となる。
【0028】
上記鋼管21からなる斜材は、図1に示すようなワレントラスでは、傾斜方向が逆となるものが隣接して設けられ、一般に、一方が主に引張力が作用する斜材13a、他方は主に圧縮力が作用する斜材13bとなる。主に圧縮力が作用する鋼管31との接合部では、リブ32のコンクリート部材内に埋め込まれる長さがやや短くなっているが、上記リブ32及び鋼管31の端面を介して、さらに鋼管31の端部に充填されたコンクリートを介して、確実に圧縮力が伝達される。
【0029】
図4は、請求項4又は、請求項5に記載の発明の一実施形態であって、図1に示すようなコンクリート・鋼複合トラス橋に用いることができる鋼管部材とコンクリート部材との接合構造の断面図である。また、図5は同じ接合構造の概略斜視図である。
この接合構造では、鋼管41の端部の内側に2つずつ対となった複数のリブ42が溶接接合され、対となる2つのリブ間にそれぞれPC鋼棒46が鋼管41の軸線方向に配置されている。このPC鋼棒46は、一部が鋼管41の端より突き出し、上床版11のコンクリート内に埋め込まれている。また、鋼管内のPC鋼棒46が配置された部分には、コンクリート45が充填されている。
【0030】
上記鋼管41は、図2及び図3に示す実施形態と同様に、端面を上床版11に突き当てるように接合されるものであり、上床版11のコンクリートの表面に沿った形状に端面が形成されている。
【0031】
上記リブ42は、短冊状の鋼板材の長辺を、鋼管41の軸線方向に溶接接合したものであり、対となる2つのリブがPC鋼棒46を挿通できる間隔をあけて対向するように設けられ、このような対が周方向に4組設けられている。そして、奥側の端部に端板47が取り付けられ、ナット48が螺合されたPC鋼棒46が係止されている。
【0032】
このPC鋼棒46は、全長にわたって周面に凸部がほぼ一様に設けられた異形鋼棒であり、この凸部がらせん状に設けられている。このらせん状の凸部は、コンクリートとの付着力を増大する効果を有するとともに、ナット48をねじ込んで係止するねじ山としての機能を有するものである。
【0033】
このPC鋼棒46の上床版11に埋め込まれた端部にはナット49が螺合され、アンカープレート50が係止されている。これにより、PC鋼棒46に大きな引き抜き力が作用したときに、周面の付着力のみでなく上記アンカープレート50でも抵抗できるようになっている。ただし、主に圧縮力が作用する斜材では、PC鋼棒に大きな引き抜き力が作用することはなく、上記アンカープレートは設けられていない。
【0034】
鋼管端部の内側に充填されるコンクリート45は、上床版11のコンクリートを打設するときに同時に充填することができるが、隅々まで充填を行ってリブ42やPC鋼棒46と充分に付着させるためにモルタル又はセメント系グラウトをあらかじめ充填してもよい。
なお、この接合構造の他の構成である鋼板材44、保護プレート43等は、図2又は図3に示すものと同じものである。
【0035】
このような接合構造では、鋼管41に作用した引張力は、リブ42からコンクリート45の付着力を介してPC鋼棒46に伝達されるとともに、PC鋼棒46に螺合されたナット48を介して伝えられる。また、このPC鋼棒46から上床版11へは、コンクリートの付着力とアンカープレート50とによって伝達される。このように力が分散されることにより、局部的に応力が集中することが少なく、耐疲労性に優れた構造となっている。また、鋼管41の内側に充填されるコンクリート45が上床版11のコンクリートと連続しており、このコンクリートがせん断力に抵抗する。
【0036】
以上に記載の実施形態は、コンクリート・鋼複合トラス橋の鋼管斜材と上床版との接合部に適用したものであるが、鋼管斜材と下床版との接合部にも適用できるし、建築構造等橋梁以外の構造物においても適用することができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本願に係る鋼管部材とコンクリート部材との接合構造では、力を伝達するために鋼管の端部に固着されたリブが、鋼管の軸線方向に分布する範囲で溶接接合され、力が分散して伝達されるので応力の集中が少なく、耐疲労性に優れたものとなる。また、棒状鋼材を用いる場合にも、棒状鋼材と鋼管との間及び棒状鋼材とコンクリート部材との間で引張力が分散して伝達され、応力が集中することが少なく、棒状鋼材の疲労破壊に対する安全性を充分に確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の一実施形態であるコンクリート部材と鋼管部材との接合構造が適用されるコンクリート・鋼複合トラス橋の概略側面図及び断面図である。
【図2】図1に示すコンクリート・鋼複合トラス橋において適用することができる斜材と上床版との接合構造であって、請求項1、請求項2又は請求項3に係る発明の一実施形態である鋼管部材とコンクリート部材との接合構造を示す断面図である。
【図3】図2に示す接合構造の概略斜視図である。
【図4】図1に示すコンクリート・鋼複合トラス橋において適用することができる斜材と上床版との接合構造であって、請求項4又は請求項5に係る発明の一実施形態である鋼管部材とコンクリート部材との接合構造を示す断面図である。
【図5】図4に示す接合構造の概略斜視図である。
【図6】従来から知られている鋼管部材とコンクリート部材のとの接合構造の一例を示す概略断面図である。
【図7】従来から知られている鋼管部材とコンクリート部材のとの接合構造の他の例を示す概略断面図である。
【符号の説明】
1 橋脚
2 連続トラス
11 上床版
12 下床版
13 斜材
13a 主に引張力が作用する斜材
13b 主に圧縮力が作用する斜材
21、41 鋼管
22、42 リブ
23、43 保護プレート
24、44 鋼板材
25、45 コンクリート
31 鋼管
32 リブ
46 PC鋼棒
47 端板
48、49 ナット
50 アンカープレート

Claims (5)

  1. コンクリートからなる上弦材と、この下方に支持されるコンクリートの下弦材と、前記上弦材と下弦材とを連結する鋼管部材である斜材とを備えたコンクリート・鋼複合トラスにおける前記鋼管部材と前記上弦材又は下弦材であるコンクリート部材との接合構造であって、
    前記鋼管部材の端部の内面に、該鋼管部材の軸線方向に沿って、複数のリブが溶接接合され、
    該リブが延長されて前記鋼管部材の端面より突出し、この突出部分が前記鋼管部材と接合される前記コンクリート部材内に埋込まれ、
    前記鋼管部材内の前記リブが溶接された部分に、前記コンクリート部材と連続するようにコンクリート又はモルタルが充填されており、
    引張力が作用する引張斜材として用いられる前記鋼管部材に溶接接合された前記リブの延長部分であって前記コンクリート部材へ埋め込まれる部分の長さは、圧縮力が作用する圧縮斜材として用いられる前記鋼管部材に溶接接合された前記リブの延長部分であって前記コンクリート部材へ埋め込まれる部分の長さより長くなっており、
    前記引張斜材の前記リブの延長部分は、前記コンクリート部材内において前記圧縮斜材の前記リブの延長部分と非結合状態で、前記圧縮斜材の延長線上に突き出すように配置されていることを特徴とする鋼管部材とコンクリート部材との接合構造。
  2. 前記リブには、複数の開孔が分散して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造。
  3. 前記鋼管部材の内面の周方向に所定間隔で設けられた複数の前記リブは、鋼管部材の中央部で互いに接合されたものであることを特徴とする請求項1に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造。
  4. コンクリートからなる上弦材と、この下方に支持されるコンクリートの下弦材と、前記上弦材と下弦材とを連結する鋼管部材である斜材とを備えたコンクリート・鋼複合トラスにおける前記鋼管部材と前記上弦材又は下弦材であるコンクリート部材との接合構造であって、
    鋼管部材の端部の内面に、該鋼管部材の軸線方向に沿って、複数のリブが溶接接合され、
    該リブに沿って、前記鋼管部材の軸線方向に複数の棒状鋼材が配置され、
    該棒状鋼材が鋼管部材の端面より突出して、前記鋼管部材と接合されるコンクリート部材に埋込まれ、
    前記鋼管部材の端部の前記リブが溶接された部分に、前記コンクリート部材と連続し、前記棒状鋼材を埋め込むようにコンクリート又はモルタルが充填されており、
    引張力が作用する引張斜材として用いられる前記鋼管部材から突出する棒状鋼材には、先端付近に該棒状鋼材の前記コンクリート部材からの引き抜きに抵抗するアンカープレートが係止され、
    該アンカープレートが、圧縮力が作用する圧縮斜材として用いられる前記鋼管部材の延長線上に配置されていることを特徴とする鋼管部材とコンクリート部材との接合構造。
  5. 前記複数のリブは、二つずつが対となって所定間隔で対向するように設けられ、
    前記棒状鋼材は、対となる二つのリブ間に配置され、
    該棒状鋼材の端部に螺合されたナットが、前記リブに係止されていることを特徴とする請求項4に記載の鋼管部材とコンクリート部材との接合構造。
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