JPH10230013A - 創傷被覆材 - Google Patents

創傷被覆材

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JPH10230013A
JPH10230013A JP9036316A JP3631697A JPH10230013A JP H10230013 A JPH10230013 A JP H10230013A JP 9036316 A JP9036316 A JP 9036316A JP 3631697 A JP3631697 A JP 3631697A JP H10230013 A JPH10230013 A JP H10230013A
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JP
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film
wound
wound dressing
range
block copolymer
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JP9036316A
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English (en)
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Masao Tanihara
正夫 谷原
Yoshimi Kakimaru
好海 柿丸
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Kuraray Co Ltd
Original Assignee
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透湿度が低く、かつ透明性、伸縮性、および
柔軟性に優れるフィルム状創傷被覆材を提供する。 【解決手段】 24時間当たりの透湿度が200g/m
2以下、破断伸度が300%以上、破断引張強度が5〜
50MPaであり、かつ波長600nmの光に対する透
過率が85%以上であるフィルム状創傷被覆材を提供す
ることによって上記の課題が解決される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、透湿度が低く、か
つ透明性、伸縮性および柔軟性に優れるフィルム状創傷
被覆材に関する。本発明のフィルム状創傷被覆材は透湿
度が低いため、滲出液が少ない創においても湿潤状態を
保ち、治癒を促進することができる。さらに、透明性に
優れるため、被覆材を貼付したままで創部の状態を観察
することができる。その上、伸縮性と柔軟性に優れるた
め、創に対する刺激が少なく、患者の苦痛を緩和するこ
とができる。したがって、本発明のフィルム状創傷被覆
材は、擦過創、切創、挫創等の一般創傷;採皮創、削皮
創等の手術創;熱傷;潰瘍;褥瘡等の創傷の治療および
治癒促進に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、外傷や熱傷、潰瘍、褥瘡等の創傷
の治療にはガーゼおよび/または軟膏類が用いられてき
た。これらは滲出液を吸収し、かつ外部からの細菌等の
侵入を防ぐ効果があった。近年、創部の滲出液中に治癒
を促進する種々の増殖因子(bFGF、TGFβ等)が
存在することが明らかになり(Howell, J.M.,Current a
nd Future Trends in Wound Healing, Emerg. Med. Cli
n. North Amer., 10, 655-663 (1992))、これらの増殖
因子を創部に保持して創治癒促進効果を示す閉鎖性創傷
被覆材が注目されるようになった(Eaglstein, W.E., E
xperience with biosynthetic dressings. J. Am. Aca
d. Dermatol., 12, 434-440 (1985))。閉鎖性創傷被覆
材としてはポリウレタンフィルム、ハイドロコロイド、
ポリビニルアルコールスポンジ、ポリエチレングリコー
ル含水ゲル、ポリアクリルアミド含水ゲル、ポリビニル
アルコール含水ゲル、アルギン酸ゲル等の創傷被覆材が
知られている。
【0003】上記の創傷被覆材のうち、ポリウレタン等
のフイルムよりなる創傷被覆材は透明性および柔軟性に
おいてはある程度満足できるものもあるが、これらは2
4時間当たり少なくとも500g/m2の高い透湿度を
有する(特公平2−61257号公報、特表平3−50
1217号公報、特表平4−505268号公報参
照)。ところが、受傷直後以外の時期の創では滲出液が
少ないため、高透湿度の創傷被覆材では湿潤環境が保て
ず、良好な治癒が維持できなくなる。すなわち、これら
の高透湿度のフィルム状創傷被覆材は性能的に満足でき
るものではなかった。
【0004】ハイドロコロイド系創傷被覆材およびポリ
ビニルアルコールスポンジの創傷被覆材は、10g/g
程度の生理食塩液吸収率を有するものもあるが、不透
明、すなわち波長600nmの光に対する透過率が1%
以下であるために創傷部の観察ができない。しかも、ハ
イドロコロイド系創傷被覆材ではその主要成分が生体組
織中に長期間残存して慢性的な炎症を引き起こすという
ことも報告されている(Young, S.R. et al., Comparis
on of the effect of semi-occlusive polyurethane dr
essings and hydrocolloid dressings on dermal repai
r:1. Cellular changes, J. Invest. Dermatol., 97,
586-592(1991)参照)。
【0005】ポリエチレングリコール含水ゲルおよびポ
リアクリルアミド含水ゲルの創傷被覆材は、波長600
nmの光に対する透過率が85%以上のものもあるが、
破断伸度が300%以上のものまたは破断引張強度が5
MPa以上のものはない。また、これらの創傷被覆材は
吸水性がほとんど無く、ハイドロコロイド系創傷被覆材
の場合と同様に創傷部に残存して慢性的な炎症反応を生
ずる心配があり、しかも両者の原料モノマーは毒性が強
く、含水ゲル中に含まれる残存モノマーや分解成分によ
る毒性の発現の心配がある。
【0006】アルギン酸ゲルの創傷被覆材としては、熱
傷等の治療に用いる球状、フィルム状、繊維状、ガーゼ
状のアルギン酸カルシウムのゲル(G.Blainne, Ann.Sur
g.,125,102-114(1947))、アルギン酸カルシウムのゲル
のCa含有率を塩酸や硫酸などの酸により3〜5重量%
まで低下させたガーゼ状の外科用被覆材(英国特許第1
231506号明細書)、アルギン酸カルシウムのゲル
のカルシウム含有率を酢酸ナトリウムや酢酸アンモニウ
ムなどの塩により3〜5重量%まで低下させた外科用被
覆材(英国特許第1394−741号明細書、英国特許
第1394−742号明細書)、アルギン酸カルシウム
等の不溶性アルギン酸塩とアルギン酸ナトリウム等の可
溶性アルギン酸塩の比率が4:6〜9:1の範囲にある
裏当て層を有する傷手当具(特表平4−501767号
公報)等が知られている。これらのアルギン酸ゲルの創
傷被覆材は、不透明、すなわち波長600nmの光に対
する透過率が1%以下であるために創傷部の観察ができ
ない。また、破断伸度が300%以上のものは無い。さ
らに、これらの創傷被覆材は、高吸水性による湿潤環境
保持力と止血作用はあるが、溶出するカルシウムの毒性
やアルギン酸カルシウム繊維の治癒組織への残存といっ
た問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、本発明の目
的は、透湿度が低く、かつ透明性、伸縮性および柔軟性
に優れるフィルム状創傷被覆材を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、24時間
当たりの透湿度が200g/m2以下、破断伸度が30
0%以上、破断引張強度が5〜50MPaであり、かつ
波長600nmの光に対する透過率が85%以上である
フィルム状創傷被覆材を提供することによって達成され
る。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のフィルム状創傷被覆材
は、24時間当たりの透湿度が200g/m以下であ
る。正常皮膚の24時間当たりの透湿度は300〜50
0g/mであることから、従来、300g/m2以上
の透湿度を有することがフィルム状創傷被覆材の必須条
件と考えられていた。しかしながら、創傷部位には皮膚
角質層の破壊または欠損があり、しかも毛細血管からの
出血、細菌や異物の排除と治癒を促進するための滲出液
の増大があり、明らかに正常皮膚と異なっている。した
がって、治癒促進に好都合である湿潤環境を保持するた
めには24時間当たりの透湿度が200g/m2以下で
あることが必要となる。より確実に湿潤環境を保持する
観点から、24時間当たりの透湿度は5〜200g/m
2の範囲内であるのが好ましく、10〜180g/m2
範囲内であるのがより好ましい。なお、本発明における
透湿度とは、JIS K 7126の気体透過度の測定
方法に基づき、一定面積の試料フィルムが装着できる透
過窓を有し、かつ温度を23℃±2℃、試料フィルムの
片面を相対湿度100%、反対面を相対湿度40%に保
持できる装置を用いて測定した値である。
【0010】本発明のフィルム状創傷被覆材は破断伸度
が300%以上である。破断伸度が300%未満の創傷
被覆材は柔軟性と強度に劣るため、容易に破壊し、細菌
等に対するバリア性と湿潤環境保持能を維持できない。
さらに、創部を圧迫して患者に苦痛を与えることにな
る。
【0011】本発明のフィルム状創傷被覆材の破断引張
強度は5〜50MPaの範囲内である。破断引張強度が
50MPaを越える場合には、創傷被覆材が創部を圧迫
して患者に苦痛を与える。5MPa未満の場合には、強
度が劣るため、容易に破壊し、細菌等に対するバリア性
と湿潤環境保持能を維持できない。バリア性と湿潤環境
保持能をより効果的に維持する観点から、破断引張強度
は10〜50MPaの範囲内であるのが好ましく、15
〜45MPaの範囲内がより好ましい。
【0012】本発明のフィルム状創傷被覆材は波長60
0nmの光に対する透過率が85%以上である。該透過
率が85%未満の被覆材は透明性が不足するため、創傷
被覆材を通して創の治癒の状態や細菌感染の有無を観察
することが困難となる。このような場合、創の状態を観
察するためには創傷被覆材を除去する必要があるが、一
般に創傷被覆材の除去時には苦痛が伴うので、頻繁にこ
の操作を行うことは、患者のQOL(クオリティー オ
ブ ライフ)の低下および看護側の負担の増大をもたら
す。これに対して、波長600nmの光に対する透過率
が85%以上であれば、創傷被覆材を除去することなく
創の状態の観察が可能となる。
【0013】本発明のフィルム状創傷被覆材の厚さとし
ては、10〜300μmの範囲内であるのが好ましく、
10〜250μmの範囲内であるのがより好ましい。厚
さが10μm未満の場合は成形が困難になるとともに、
強度が低下すること、ピンホールが生じる可能性が高く
なること、厚さの均一性が低下することなどの問題が起
こり易く、300μmを越える場合は、柔軟性の良いフ
ィルムが得られ難くなること、透明性の良いフィルムが
得られ難くなること等の問題が生じ易い。
【0014】本発明のフィルム状創傷被覆材は、1,9
−ノナンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオ
ールおよび3−メチル−1,5−ペンタンジオールから
なる群より選ばれる少なくとも1種から主としてなるジ
オール成分とジカルボン酸成分との重縮合体からなる数
平均分子量1800〜8000のポリエステルジオール
並びに有機ジイソシアネートからなるポリウレタン(特
開平8−41158号公報、特開平8−41159号公
報参照)からなるフィルムから製造することができる。
【0015】他のポリウレタンを用いても、破断伸度3
00%以上、破断引張強度5〜50MPaのフィルムを
得ることができる場合もあるが、エチレングリコールな
どの短鎖ジオール単位からなるポリエーテルジオールを
含むものが多く、親水性であるために、24時間当たり
の透湿度が200g/m2を越えてしまう。本発明に用
いうるポリウレタンは、疎水性で柔軟な1,9−ノナン
ジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオールおよ
び3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群よ
り選ばれる少なくとも1種から誘導されるジオール単位
を有するため、破断伸度、破断引張強度および透明性が
高く、しかも透湿度の低いフィルムを与える。
【0016】上記のポリエステルジオールを構成するジ
カルボン酸成分の好ましい例としては、グルタル酸、ア
ジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン
酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸等の
芳香族ジカルボン酸が挙げられ、なかでも疎水性、柔軟
性の観点から、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸
等の炭素数が6〜10の脂肪族ジカルボン酸がより好ま
しい。
【0017】上記のポリエステルジオールを構成するジ
オール成分は、上記したように1,9−ノナンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオールおよび3−
メチル−1,5−ペンタンジオールからなる群より選ば
れる少なくとも1種から主としてなっており、ポリエス
テルジオールを構成するジオール成分の80モル%以上
がこれらの成分であるのが好ましい。また、上記のポリ
エステルジオールは全ジオール成分の20モル%以下で
あれば他のジオール成分を含んでいてもよく、そのよう
な他のジオール成分としては、エチレングリコール、
1,4−ブタンジオール、プロピレングリコール、1,
6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコ
ールなどのアルカンジオールが挙げられる。
【0018】ポリエステルジオールは、上記したジカル
ボン酸成分およびジオール成分を、従来既知のエステル
交換反応、エステル化反応などにより重縮合させること
により製造することができる。
【0019】ポリエステルジオールの数平均分子量とし
ては、1800〜8000の範囲内であるのが好まし
い。数平均分子量が1800未満の場合には、得られる
ポリウレタンの耐熱性が低下し易くなり、8000を越
える場合には成形性、引張強さ、透明性が低下し易くな
る。
【0020】ポリウレタンを構成する有機ジイソシアネ
ートとしては、脂肪族、脂環式または芳香族の有機ジイ
ソシアネートが用いられ、伸度、強度および透明性が高
く、透湿度が低いフィルムを得る観点から、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート、p−フェニレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、1,5−
ナフチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネ
ート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジ
イソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジ
イソシアネートが好ましく、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートがより好ましい。有機ジイソシアネ
ートとしては、1種のみを使用しても、2種以上を使用
してもよい。
【0021】そして、上記したポリエステルジオールお
よび有機ジイソシアネートを反応させることにより、ポ
リウレタンが得られる。この反応の際に、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オク
タンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デ
カンジオール等の鎖伸張剤を用いることもできる。
【0022】また、本発明のフィルム状創傷被覆材は、
ポリプロピレン系樹脂(a)10〜90重量%と、(b
−1)ビニル芳香族化合物単位からなる重合体ブロック
Aを1個以上、および1,2−結合と3,4−結合(以
下、1,2−結合と3,4−結合を総称してをビニル結
合ということがある)の含有量が10〜75%であるポ
リイソプレンブロックBを1個以上有し、ビニル芳香族
化合物単位の含有量が10〜40重量%であり、かつポ
リイソプレンブロックBの炭素−炭素二重結合の70%
以上が水素添加されてなる水添ブロック共重合体、(b
−2)ビニル芳香族化合物単位からなる重合体ブロック
Aを1個以上、およびイソプレンとブタジエンを5/9
5〜95/5(重量%)の割合で混合してなる混合物の
重合体からなり、1,2−結合と3,4−結合の含有量
が20〜85%である重合体ブロックCを1個以上有
し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜40重量
%であり、かつ重合体ブロックCの炭素−炭素二重結合
の70%以上が水素添加されてなる水添ブロック共重合
体、および(b−3)ビニル芳香族化合物単位からなる
重合体ブロックAを1個以上、および1,2−結合の含
有量が45%以上であるポリブタジエンブロックDを1
個以上有し、ビニル芳香族化合物単位の含有量が10〜
40重量%であり、かつポリブタジエンブロックDの炭
素−炭素二重結合の70%以上が水素添加されてなる水
添ブロック共重合体からなる群から選ばれる少なくとも
1種の水添ブロック共重合体(b)90〜10重量%と
からなる樹脂組成物からなるフィルムから製造すること
ができる。
【0023】上記のポリプロピレン系樹脂(a)として
は、公知のものを使用することができ、ホモポリプロピ
レン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレ
ンのいずれであってもよい。また、ポリプロピレン系樹
脂(a)としては、1種のみを使用しても、2種以上を
併用してもよい。
【0024】ポリプロピレン系樹脂(a)の溶融粘度と
しては、ASTMD−1238に従って230℃、荷重
2160gにおいて測定したときのメルトフローレート
(MFR)が0.1〜500の範囲内であるのが好まし
く、2〜200の範囲内であるのがより好ましい。
【0025】上記の水添ブロック共重合体(b−1)、
(b−2)および(b−3)における重合体ブロックA
は、ビニル芳香族化合物単位から構成されている。かか
る単位を与えるビニル芳香族化合物としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、1−ビニルナフタレ
ン、3−メチルスチレン、4−プロピルスチレン、4−
シクロヘキシルスチレン、4−ドデシルスチレン、2−
エチル−4−ベンジルスチレン、4−(フェニルブチ
ル)スチレン等が挙げられ、これらの中でもスチレンが
好ましい。
【0026】重合体ブロックAの数平均分子量は特に制
限されないが、2500〜20000の範囲内であるの
が好ましい。
【0027】また、水添ブロック共重合体(b)におけ
るビニル芳香族化合物単位の含有量は、(b−1)、
(b−2)および(b−3)のいずれの重合体において
も10〜40重量%の範囲内であることが必要である。
水添ブロック共重合体(b)におけるビニル芳香族化合
物単位の含有量が10重量%未満の場合には、水添ブロ
ック共重合体(b)の機械的強度が不十分となる。また
水添ブロック共重合体(b)におけるビニル芳香族化合
物単位の含有量が40重量%を越えると水添ブロック共
重合体(b)の溶融粘度が著しく高くなり、ポリプロピ
レン系樹脂(a)と均一に混合することが困難となるの
で成形加工上の制約を受ける。
【0028】水添ブロック共重合体(b−1)を構成す
るポリイソプレンブロックBは、ビニル結合含有量が1
0〜75%の範囲内であり、かつ炭素−炭素二重結合の
70%以上が水素添加されていることが必要である。ポ
リイソプレンブロックBにおけるビニル結合含有量が1
0%未満の場合には、樹脂組成物から得られる成形物の
透明性が十分ではなく、一方、75%を越える場合に
は、重合体ブロックBのガラス転移温度(Tg)が高く
なり過ぎて樹脂組成物から得られるフィルムの柔軟性が
損なわれる。
【0029】また、ポリイソプレンブロックBにおける
炭素−炭素結合の水素添加率が70%未満の場合、水添
ブロック共重合体(b−1)の耐候性および耐熱性が低
下し、樹脂組成物から得られるフィルムは使用時に劣化
が認められる。また、この場合、水添ブロック共重合体
(b−1)は、ポリプロピレン系樹脂(a)との相溶性
が低下し、樹脂組成物から得られるフィルムの透明性が
損なわれる。
【0030】ポリイソプレンブロックBの数平均分子量
は特に制限されないが、10000〜200000の範
囲内であるのが好ましい。
【0031】また、水添ブロック共重合体(b−2)に
おける重合体ブロックCは、イソプレンとブタジエンを
5/95〜95/5(重量%)の割合で混合してなる混
合物から構成されたものであって、ビニル結合含有量が
20〜85%の範囲内であり、しかも炭素−炭素二重結
合の70%以上が水素添加されていることが必要であ
る。
【0032】重合体ブロックCを構成するイソプレンと
ブタジエンの混合物において、イソプレンの含有量が9
5重量%を越えると、重合体ブロックCはビニル結合含
有量が75%以上となった場合にそのガラス転移温度
(Tg)が高くなりすぎて、樹脂組成物から得られるフ
ィルムの柔軟性が損なわれる。一方、イソプレンとブタ
ジエンの混合物においてイソプレンの含有量が5重量%
未満の場合、重合体ブロックCのビニル結合含有量が3
0%未満である水添ブロック共重合体(b−2)が配合
された樹脂組成物から得られるフィルムは透明性が低下
するので好ましくない。
【0033】また、重合体ブロックCにおけるビニル結
合含有量が20%未満の場合には、樹脂組成物から得ら
れるフィルムの透明性が十分ではなく、一方、重合体ブ
ロックCにおけるビニル結合含有量が85%を越える場
合には、重合体ブロックCのガラス転移温度(Tg)が
高くなり過ぎて樹脂組成物から得られるフィルムの柔軟
性が損なわれる。
【0034】重合体ブロックCの炭素−炭素結合の水素
添加率が70%未満の場合、水添ブロック共重合体(b
−2)の耐候性および耐熱性が低下し、樹脂組成物から
得られるフィルムは使用時に劣化が認められる。また、
この場合、水添ブロック共重合体(b−2)は、ポリプ
ロピレン系樹脂(a)との相溶性が低下し、樹脂組成物
から得られるフィルムの透明性が損なわれる。
【0035】重合体ブロックCにおけるイソプレンとブ
タジエンの重合形態は特に制限がなく、ランダム、ブロ
ック、テーパードなどいずれの形態であってもよい。ま
た、重合体ブロックCの数平均分子量は特に制限されな
いが、10000〜200000の範囲内であるのが好
ましい。
【0036】また、水添ブロック共重合体(b−3)に
おけるポリブタジエンブロックDは、1,2−結合含有
量が45%以上であり、かつ炭素−炭素二重結合の70
%以上が水素添加されていることが必要である。ポリブ
タジエンブロックDにおける1,2−結合含有量が45
%未満の場合には、樹脂組成物から得られるフィルムの
透明性が低下する。
【0037】また、ポリブタジエンブロックDの炭素−
炭素二重結合の水素添加率が70%未満の場合、水添ブ
ロック共重合体(b−3)の耐候性および耐熱性が低下
し、樹脂組成物から得られるフィルムは使用時に劣化が
認められる。また、この場合、水添ブロック共重合体
(b−3)は、ポリプロピレン系樹脂(a)との相溶性
が低下し、樹脂組成物から得られるフィルムの透明性が
損なわれる。
【0038】水添ブロック共重合体(b)における各重
合体ブロックの結合様式は特に制限されず、線状、分岐
状またはこれらの任意の組合せであってもよい。水添ブ
ロック共重合体(b)の分子構造の具体例を示せば、A
(BA)n、(AB)n、A(CA)n、(AC)n、A
(DA)n、(AD)n(ここで、Aは重合体ブロックA
を、B、CおよびDはそれぞれポリイソプレンブロック
B、重合体ブロックC、ポリブタジエンブロックDを表
し、nは1以上の整数である)等である。また、水添ブ
ロック共重合体(b)としては、ジビニルベンゼン、錫
化合物またはシラン化合物等をカップリング剤として得
られる星型(例えば、[(AB)mX]、ここでmは2
以上の整数、Xはカップリング剤の残基を表す)の分子
構造を有するものも使用可能である。
【0039】水添ブロック共重合体(b)としては、上
記の各種の分子構造を有するものを単独で使用してもよ
いし、また、例えば、トリブロック型のものとジブロッ
ク型のものの混合物などのように異なる分子構造のもの
を2種以上併用してもよい。かかる水添ブロック共重合
体(b)の数平均分子量は、30000〜300000
の範囲内であるのが好ましい。
【0040】水添ブロック共重合体(b)の製造方法と
しては、従来より公知の方法を利用することができ、例
えば、以下の(イ)〜(ハ)の方法で得られるブロック
共重合体を水素添加する方法などが挙げられる。 (イ)アルキルリチウム化合物を開始剤としてビニル芳
香族化合物を重合した後、共役ジエン化合物(イソプレ
ン、ブタジエン)およびビニル芳香族化合物を逐次重合
させる方法。 (ロ)ビニル芳香族化合物、続いて共役ジエン化合物を
重合し、得られたブロック共重合体をカップリング剤を
用いてカップリングする方法。 (ハ)ジリチウム化合物を開始剤として共役ジエン化合
物を重合した後、ビニル芳香族化合物を逐次重合させる
方法。
【0041】上記の方法において、アルキルリチウム化
合物としては、アルキル基の炭素数が1〜10である化
合物が使用されるが、中でもメチルリチウム、エチルリ
チウム、ペンチルリチウム、n−ブチルリチウム、s−
ブチルリチウム、t−ブチルリチウムが好ましい。ま
た、カップリング剤としては、例えば、ジクロロメタ
ン、ジブロムメタン、ジクロロエタン、ジブロムエタ
ン、ジブロムベンゼン、四塩化錫等のハロゲン化合物;
安息香酸フェニル、酢酸エチル等のエステル化合物;ジ
ビニルベンゼン、各種シラン化合物などが挙げられる。
さらにジリチウム化合物としては、例えば、ナフタレン
ジリチウム、ジリチオヘキシルベンゼンなどが挙げられ
る。
【0042】上記の開始剤またはカップリング剤の使用
量は所望とするブロック共重合体の分子量に応じて適宜
決定されるが、通常、重合に用いられる全モノマー10
0重量部に対し、開始剤は0.01〜0.2重量部、カ
ップリング剤は0.04〜0.8重量部となる範囲内で
使用される。
【0043】また、ポリイソプレンブロックB、重合体
ブロックCおよびポリブタジエンブロックDにおけるビ
ニル結合含有量は、重合の際に共触媒としてルイス塩基
を用いることによって制御することができる。かかるル
イス塩基としては、例えば、ジメチルエーテル、ジエチ
ルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル類;エチ
レングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコー
ルジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;トリエ
チルアミン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミ
ン、N−メチルモルホリン等のアミン系化合物などが挙
げられる。ルイス塩基の使用量は、重合開始剤における
リチウム原子1モル当り0.1〜1000モルとなる範
囲内の量である。
【0044】重合の際には、重合開始剤に対して不活性
な有機溶媒が溶媒として用いられる。かかる溶媒として
は、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ベ
ンゼン等の芳香族炭化水素を使用するのが好ましい。
【0045】重合は上記(イ)〜(ハ)のいずれの重合
法による場合でも、通常0〜80℃の範囲内の温度で行
われる。反応時間は、通常0.5〜50時間である。
【0046】次に、上記の方法によって得られたブロッ
ク共重合体は、例えば、反応に不活性な溶媒に溶解した
状態で公知の水素添加触媒を用いて分子状態の水素と反
応させる方法などの公知の方法によって水添ブロック共
重合体(b)とされる。ここで使用される水素添加触媒
としては、ラネーニッケル;Pt、Pd、Ru、Rh、
Ni等の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土等の担体に
担持させた不均一触媒;遷移金属とアルキルアルミニウ
ム化合物、アルキルリチウム化合物等の組み合わせから
なるチーグラー系の触媒などが用いられる。水素添加
は、通常、水素圧が常圧〜200kg/cm2 、反応温
度が常温〜250℃の範囲内で行われる。反応時間は通
常0.1〜100時間である。水素添加により生成した
水添ブロック共重合体(b)は、(i)反応混合液をメ
タノール等により凝固させた後、加熱あるいは減圧乾燥
させるか、(ii)反応液を沸騰水中に注ぎ、溶媒を共沸
させて除去するいわゆるスチームストリッピングを施し
た後、加熱あるいは減圧乾燥することにより取得され
る。
【0047】上記のポリプロピレン系樹脂(a)と水添
ブロック共重合体(b)の配合割合は、(a)/(b)
=10/90〜90/10(重量%)の範囲内である。
ポリプロピレン系樹脂(a)の割合が10重量%より少
ない場合には、樹脂組成物から得られるフィルムの機械
的強度が不十分となり、また、ポリプロピレン系樹脂
(a)の割合が90重量%を越えると樹脂組成物から得
られるフィルムの柔軟性および透明性がともに低下す
る。ポリプロピレン系樹脂(a)と水添ブロック共重合
体(b)の配合割合は20/80〜80/20(重量
%)であるのが好ましい。
【0048】また、上記の樹脂組成物は、その性質を損
なわない範囲内であれば、例えば、水添ポリイソプレ
ン、水添ポリブタジエン、水添スチレン−ブタジエンラ
ンダム共重合体、水添スチレン−イソプレンランダム共
重合体、ブチルゴム、ポリイソブチレン、ポリブテン、
エチレン−プロピレン系ゴム、ポリエチレン等の他のポ
リマーを配合することができる。また、上記の樹脂組成
物は、所望により、過酸化物等を用いた通常の架橋方法
により架橋して使用することも可能である。
【0049】上記のポリウレタンおよび樹脂組成物は、
その性質を損なわない範囲内で酸化防止剤、紫外線吸収
剤、着色剤、結晶核剤等の各種添加剤を含むことができ
る。これらの添加剤の使用量は、通常、ポリウレタンま
たは樹脂組成物100重量部に対して0.01〜5重量
部の範囲内である。
【0050】上記のポリウレタンまたは樹脂組成物を、
例えば、溶融射出成形、溶融押出成形、プレス成形、カ
レンダー成形、樹脂を適当な溶剤に溶解して平板上に流
延した後、乾燥あるいは樹脂の非溶剤により凝固させる
乾式あるいは湿式凝固製膜法等によって、フィルムを製
造することができる。中でも、均一性の高いフィルムが
得られる点から、溶融押出成形による方法が好ましい。
【0051】このようにして得られるフィルムは、その
まま創傷被覆材として用いることができる。また、該フ
ィルムは、目的により他の素材のフィルムまたはシート
等と積層して創傷被覆材とすることもできる。例えば、
圧痛の緩和のためにポリウレタンスポンジやガーゼ、不
織布などを積層することができる。また、創部または創
部周辺の皮膚への密着性を改良する目的で、粘着剤や接
着材を塗布することもできる。粘着剤や接着材は、医療
用に通常使用可能なものが使用しうる。粘着剤や接着材
を塗布した場合には、保護のためのポリエステルやポリ
エチレン製の剥離フィルム、シート等を使用することが
できる。
【0052】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。なお、本発明はこれらにより限定されるものではな
い。
【0053】実施例1 (1)乾燥した窒素で置換された耐圧容器中、溶媒とし
てシクロヘキサンを用い、重合開始剤としてn−ブチル
リチウムを用いて60℃でスチレンを重合した後、ルイ
ス塩基としてN,N,N’,N’−テトラメチルエチレ
ンジアミンを加え、次いでイソプレンおよびスチレンを
順次重合させて、スチレン含有量が20重量%のスチレ
ン−イソプレン−スチレン型のブロック共重合体を得
た。得られたブロック共重合体を、シクロヘキサン中、
Pd/Cを触媒として、20kg/cm2の水素雰囲気
下で水素添加を行い、水添ブロック共重合体を得た。数
平均分子量は約10300、水素添加率は約80%、イ
ソプレンブロックの1,2−結合と3,4−結合の含有
量は55%であった。
【0054】(2)上記(1)で得られた水添ブロック
共重合体とポリプロピレン樹脂(MA−3、三菱化学
(株)社製)を30/70(重量%)の割合で配合し、
ニーダーにより210℃で混練して樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物をエチレンとビニルアセテートの共
重合体でサンドイッチして、厚さが約20μmの三層構
造のラミネートフィルムを作製し、創傷被覆材とした。
【0055】実施例2 実施例1の(2)で得られた水添ブロック共重合体とポ
リプロピレン樹脂を30/70(重量%)の割合で混練
して得られた樹脂組成物からインフレーション成形法に
より約100μmのフィルムを作製し、創傷被覆材とし
た。
【0056】実施例3 セバシン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオールを
縮合して分子量が約2000のポリエステルジオールを
得た。得られたポリエステルジオール1モル部に対し
て、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート4モ
ル部、1,4−ブタンジオール3モル部を混合して、2
軸スクリュー型押出機を用いて260℃の温度で連続溶
融重合を行った。得られたポリウレタンをストランド状
に水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断
してペレットを製造した。得られたペレットから押出成
形により厚さが約50μmのフィルムを成形し、創傷被
覆材とした。
【0057】実施例4 アゼライン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオール
を縮合して分子量が約2000のポリエステルジオール
を得た。得られたポリエステルジオール1モル部に対し
て、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート4モ
ル部、1,4−ブタンジオール3モル部を混合して、2
軸スクリュー型押出機を用いて260℃の温度で連続溶
融重合を行った。得られたポリウレタンをストランド状
に水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断
してペレットを製造した。得られたペレットから押出成
形により厚さが約50μmのフィルムを成形し、創傷被
覆材とした。
【0058】実施例5 イソフタル酸とアジピン酸を4:6のモル比で混合し、
1,9−ノナンジオールと縮合して分子量が約2000
のポリエステルジオールを得た。得られたポリエステル
ジオール1モル部に対して、4,4’−ジフェニルメタ
ンジイソシアネート4モル部、1,4−ブタンジオール
3モル部を混合して、2軸スクリュー型押出機を用いて
260℃の温度で連続溶融重合を行った。得られたポリ
ウレタンをストランド状に水中に連続的に押し出し、次
いでペレタイザーで切断してペレットを製造した。得ら
れたペレットから押出成形により厚さが約50μmのフ
ィルムを成形し、創傷被覆材とした。
【0059】比較例1 信越シリコーンKE106 18gに信越シリコーンCAT-RG
を2g加えてよく混合し、底面積が100cm2のテフ
ロン被覆したアルミトレイに2gずつ分注し、底面に均
一に展延した後100℃に5時間加熱して、厚さが約2
00μmのシリコンゴムシートを得た。
【0060】試験例1 実施例1〜5および比較例1で得られたフィルム状創傷
被覆材並びにJohnson& Johnson MEDICAL INC.製のポリ
ウレタンフィルム創傷被覆材「BIOCLUSIVE」(比較例
2)および3M 製のポリウレタンフィルム創傷被覆材「T
egaderm」(比較例3)について、破断伸度、透湿度、
破断引張強度、透明度、および膜厚を以下に示す方法で
測定した。測定値はそれぞれ3〜6回測定し、その平均
値を求めたものである。 (透湿度)JIS K 7126の気体透過度の測定方法に基づき
測定した。直径が2cmの透過窓を有する透過度測定装
置に各フィルム状創傷被覆材を装着し、相対湿度が10
0%側のリザーバーに精製水を試料と接触しないように
充填し、反対側を相対湿度40%に保って22℃で24
時間静置した。24時間静置前後の重量減少分を透過窓
面積で割って24時間当たりの透湿度(g/m2)を求
めた。 (破断引張強度、破断伸度)各フィルム状創傷被覆材を
幅4mmに切断して測定試料とした。島津製作所製オー
トグラフAGS−50Aを用い、グリップ間隔22m
m、フルスケール1kg、クロスヘッドスピード50m
m/minで引張試験を行った。試料が破断したときの
引張力を試料断面積で割った値を破断引張強度(MP
a)とし、試料が破断したときの試料の長さを元の試料
の長さで割った値を100倍して破断伸度(%)とし
た。 (膜厚)各フィルム状創傷被覆材の厚さをOZAKI MFG. C
O., LTD. DIGITAL LINEAR GAUGE MODEL PD-25を用いて
測定した。 (透過率)Pharmacia-LKB社製ULTROSPEC II紫外可視吸
光光度計を用いて、各フィルム状創傷被覆材の600n
mの透過率(%)を測定した。結果をまとめて表1に示
す。
【0061】試験例2 (細胞毒性試験)実施例3〜5の創傷被覆材について、
厚生省のガイドラインに基づき細胞毒性試験を行った。
300cm2の大きさの各フィルム状創傷被覆材を10
%牛胎児血清(FCS)添加Eagle’s MEM培
地100mlで、5%CO2、37℃の条件下に24時
間抽出して試験液を得た。L929細胞(NCTC C
lone 929、大日本製薬(株))を2×102個ず
つ直径6cmのシャーレ(Falcon3002)各1
0枚に分注し、5%CO2、37℃の条件下で細胞がシ
ャーレ底面に接着するまで静置した。その後、上清を除
去し、37℃に加温した試験液各5mlを加えて、5%
CO2、37℃の条件下で7日間培養した。メタノール
で細胞を固定し、PBSで10倍に希釈したギムザ染色
液(MERCK)で染色して、50個以上の細胞からな
るコロニーの数をカウントした。フィルム状創傷被覆材
を加えずに同様の処理をした試験液を用いた時のコロニ
ー数(空試験)を100として、各試験液を用いた場合
のコロニー数の相対値を細胞毒性の指標とした。Stu
dent unpaired−t検定を行い、空試験と
比較して危険率が5%以下で有意差なしのとき、各試験
液の細胞毒性はなしとした。結果をまとめて表2に示
す。
【0062】試験例3 (ブタ全層欠損創における評価試験)体重が10〜20
kgの雄豚の背部に直径25mmの円形の全層欠損創を
計4個作成した。実施例5のフィルム状創傷被覆材を4
カ所の創部に貼付し、評価期間中は3日間隔でフィルム
状創傷被覆材の交換を行った。6日目に2カ所の創の組
織を採取し、ヘマトキシリン−エオシン染色した組織標
本について再生した肉芽層の厚さを顕微鏡下で測定し
た。また、15日目の創面積を測定し創閉鎖率(上皮化
率)を求めた。18日目にはすべての創で上皮化が完成
したので、治癒した創の組織を採取し、ヘマトキシリン
−エオシン染色した組織標本について、異物(炎症)反
応の程度を評価した。結果を表3に示す。また、実施例
5で得られたフィルム状創傷被覆材は試験期間中創の細
部まで観察が可能であった。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】
【表3】
【0066】
【発明の効果】本発明によれば、透湿度が低く、かつ透
明性、伸縮性および柔軟性に優れるフィルム状創傷被覆
材が提供される。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 24時間当たりの透湿度が200g/m
    2以下、破断伸度が300%以上、破断引張強度が5〜
    50MPaであり、かつ波長600nmの光に対する透
    過率が85%以上であるフィルム状創傷被覆材。
JP9036316A 1997-02-20 1997-02-20 創傷被覆材 Pending JPH10230013A (ja)

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JP9036316A JPH10230013A (ja) 1997-02-20 1997-02-20 創傷被覆材

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ID=12466441

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006325675A (ja) * 2005-05-23 2006-12-07 Bando Chem Ind Ltd 創傷保護フィルム及び医療用貼付材
JP2016211138A (ja) * 2015-05-12 2016-12-15 グン リ,サン 複数の独立したガスセルが形成されたガスシートを備える生地

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