JPH10229404A - セルスイッチ - Google Patents

セルスイッチ

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JPH10229404A
JPH10229404A JP3062097A JP3062097A JPH10229404A JP H10229404 A JPH10229404 A JP H10229404A JP 3062097 A JP3062097 A JP 3062097A JP 3062097 A JP3062097 A JP 3062097A JP H10229404 A JPH10229404 A JP H10229404A
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JP3062097A
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Hiroo Suzuki
裕生 鈴木
Osamu Ishida
修 石田
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スケジューリングを行うのにかかる処理時間
に関わらずスループットを高めることができ、さらに方
路切替手段の切り替えのために必要なガードタイムの付
与によるスループットの低下を低減できるセルスイッチ
を実現する。 【解決手段】 各入力セルバッファ手段において、同じ
宛先をもつセルを複数個集めてブロック化するセル振り
分け手段を有する。さらに、競合制御手段において、高
スループットを得るためのスケジューリングを、セル単
位ではなく、ブロック単位で行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各入力ポート側に
セルバッファを有する入力バッファ型のセルスイッチに
関する。
【0002】
【従来の技術】入力バッファ型セルスイッチでは、異な
る入力ポートのセルが同時に同じ出力ポートに出力され
て生じる衝突を回避するための競合制御が行われる。図
15は、L入力N出力の入力バッファ型セルスイッチの
基本構成を示す。ここで、L,Nは2以上の整数であ
る。
【0003】図において、11〜1Lは入力ポート、2
1〜2Lは入力セルバッファ手段、50はL×Nスイッ
チ、60は競合制御手段、71〜7Lは出力ポートであ
る。各入力セルバッファ手段2i(iは1〜Lの整数)
は、入力ポート1iから到着するセルを蓄積するセルバ
ッファ3iと、そこからのセルの読み出しを制御するセ
ルバッファ制御手段4iとにより構成される。
【0004】入力ポート1iに伝搬されてきたセルは、
入力セルバッファ手段2i内のセルバッファ3iに蓄積
される。競合制御手段60は、セルバッファ31〜3L
に蓄積されているセルの宛先から、あらかじめ定められ
たアルゴリズムに基づき、同じ出力ポートへ同時にセル
が送出されないように競合制御を行い、セルバッファ3
1〜3Lからそれぞれ送出するセルを決定する。その結
果に基づいて、L×Nスイッチ50の方路を切り替え、
かつセルバッファ制御手段41〜4Lによりセルバッフ
ァ31〜3Lからそれぞれ対応するセルを読み出してL
×Nスイッチ50に送出する。これにより、所望のセル
を任意の入力ポートから所定の出力ポートに送り出すこ
とができる。
【0005】入力バッファ型セルスイッチでは、競合制
御のアルゴリズムによりスループットが変化するという
特徴をもつ。たとえば、セルバッファ31〜3Lに蓄積
された先頭のセルのうち、たまたま同じ宛先のセルが複
数個ある場合には、その中でどれかひとつを無作為に選
び、残りのセルは次の競合まで待つという単純なアルゴ
リズムを用いると、スループットが58%に制限されるこ
とが文献1(Karol etal., "Input versus Output Queu
eing on a Space-Division Packet Switch",IEEE Tran
s. on Commum., vol.COM-35, Dec., 1987, pp.1347-135
6) に報告されている。すなわち、セルバッファ3iへ
のセル到着順にセルを方路切替手段に送出するような単
純なアルゴリズムでは、競合制御の結果送出できないセ
ルおよびその2番目以降に蓄積されたセルは次の競合ま
でセルバッファ内に待たせるので、スループットの低下
が生じる。したがって、58%以上の高スループットを得
るためには、文献2(Matsunaga et al.,"A 1.5Gb/s 8
×8 Cross-Connect SwitchUsing a Time Reservation A
lgorithm",IEEE J.Select. Areas Commun., vol.9,no.
8, Oct., 1991, pp.1308-1317 )、または文献3(Akat
a et al.,"An InputBuffering ATM Switch Using a Tim
e-Slot Scheduling Engine ", NEC Res. & Develop., v
ol.33, no.1, Jan., 1992, pp.64-72)にあるように、
セルの送出順序を入れ替えるスケジューリングアルゴリ
ズムを使用する必要がある。
【0006】図16は、スケジューリングの概念を示
す。この方法は、各セルバッファ3iに蓄積された複数
個のセルの宛先について、先頭のセルからk番目(kは
2以上の整数)のセルまでの範囲で検索し、異なる入力
ポートから同じ出力ポートにセルを同時に送出しないよ
うに、各セルバッファ3i内でセルの送出順序を入れ替
えることでスループットを高めるものである。このよう
なスケジューリングアルゴリズムを用いると、90%以上
のスループットを達成できることが前記の文献2,3で
報告されている。このときの達成可能なスループット
は、スケジューリングアルゴリズムとkの値で決まるの
で、高スループットを得るには、複雑なスケジューリン
グアルゴリズムを用い、さらにその検索範囲(kの値)
を大きくとる必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スケジュー
リングを行うには、セルの宛先を順次検索しなければな
らず、単純なアルゴリズムを用いた場合に比べて必要な
処理時間は長くなる。特に、高スループットを得るため
に検索範囲(kの値)を大きくとった場合に、それに伴
う処理時間の増大が避けられなかった。例えば、1セル
周期分のスケジューリングを行うのにかかる処理時間が
1セル送出時間より長くなると、処理が終了するまでは
次にどのセルを送出するか決定できないので、図17に
示すようにスループットが低下することになる。したが
って、高スループットを得るには、1セル送出時間内に
1セル周期分の処理を終えることが必要不可欠であり、
高いセルレート(1セル送出時間の短縮)にも対応する
には、処理時間の低減が課題となる。そのためには、検
索範囲(kの値)を低減できることが望ましい。また、
根本的な解決のためには、1セル送出時間より1セル周
期分のスケジューリングを行うのにかかる処理時間が長
いときでも、スループットが低下しない競合制御方式を
備えたセルスイッチを実現する必要がある。
【0008】さらに、方路切替手段として光スイッチを
用いる場合には、高速切替可能な光スイッチでも現状で
は切替時間が数ナノ秒程度以上かかるものが多いので、
セルレートが高いほどスループットが低下するという問
題もある。なぜなら、例えばポートあたりのセルレート
が 100Mセル/s程度(ATMセルを仮定すると、1セ
ル送出時間=約10ns)に対して、光スイッチの切替時
間に10nsかかれば、図18のようにスループットは約
半分に低下するからである。また、光スイッチの切替時
間だけでなく、光スイッチを切り替えるための同期確立
時間も無視できないことから、光スイッチを用いる場合
には、このようなガードタイム(光スイッチの切替時間
+同期確立時間)の付与によるスループットの低下を抑
えることが第2の課題である。
【0009】本発明は、スケジューリングを行うのにか
かる処理時間に関わらずスループットを高めることがで
き、さらに方路切替手段の切り替えのために必要なガー
ドタイムの付与によるスループットの低下を低減できる
セルスイッチを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のセルスイッチ
は、各入力セルバッファ手段において、同じ宛先をもつ
セルを複数個集めてブロック化するセル振り分け手段を
有することを第1の特徴とする。そして競合制御手段に
おいて、高スループットを得るためのスケジューリング
を、セル単位ではなく、ブロック単位で行うことを第2
の特徴とする。これにより、スケジューリングにかかる
処理時間の制限を緩和できる。
【0011】すなわち、図2に示すように、1セル送出
時間<処理時間となる場合には、1ブロック送出時間≧
処理時間となるようなブロックの長さm(mは2以上の
整数、図2ではm=3)を選択すれば、高いセルレート
(1セル送出時間の短縮)にもスループットを低下させ
ることなく、スケジューリングを行うことが可能とな
る。
【0012】また、光スイッチを用いる場合には、光ス
イッチの切り替えのためにガードタイムを付与しなけれ
ばならないので、光スイッチの切替頻度を減らす必要が
ある。ブロックの長さmを増加させれば、図3に示すよ
うに光スイッチの切替頻度をセル単位からブロック単位
(mセル送出時間に相当)に減らせるので、ガードタイ
ムに起因するスループットの低下を抑えることができ
る。図3ではガードタイム=1セル、m=5の場合を示
す。
【0013】さらに、本発明のセルスイッチは、ブロッ
ク化とスケジューリングを巧妙に組み合わせることで、
前記のような利点だけでなく、ブロックの送出順序入替
に必要な検索範囲の低減も可能になる。これはスケジュ
ーリングにかかる処理時間を短縮する効果をもたらす。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のセルスイッチの
実施形態を示す。ここでは、4入力4出力のセルスイッ
チについて示す。図において、11〜14は入力ポー
ト、21〜24は入力セルバッファ手段、70は4×4
スイッチ、60は競合制御手段、71〜74はは出力ポ
ートである。入力セルバッファ手段2i(i=1,2,
3,4)は、セル振り分け手段5iとセル振り分け制御
手段6iとにより構成される。
【0015】入力ポート1iに伝搬されてきたセルは、
セル振り分け手段5iに入力される。セル振り分け手段
5iでは、セルの宛先を判別し、同じ宛先をもつセルご
とにセルを複数個集めたブロックを生成する。一方、競
合制御手段60は、セル振り分け手段5i内に生成され
るブロックの宛先をもとに、あらかじめ定められたスケ
ジューリングアルゴリズムに基づき、次に送出するブロ
ックを決定する。その結果に基づいて、4×4スイッチ
70の方路を切り替え、かつセル振り分け制御手段6i
はセル振り分け手段5i内からそれぞれ対応するブロッ
クを読み出すことで、所望の出力ポート71〜74へブ
ロックが送出される。
【0016】図4は、セル振り分け手段5iの第1の構
成例を示す。図において、8iはセルの宛先判別手段、
9iはセルバッファ、10iはメモリコントローラであ
る。各部の動作について簡単に説明する。宛先判別手段
8iは、入力ポート1iに伝搬されてきたセルの宛先を
判別し、その結果をメモリコントローラ10iに送る。
メモリコントローラ10iは、その宛先から同じ宛先を
もつセルを複数個集めたブロックを生成するために、セ
ルバッファ9iのどのアドレスにセルを書き込むかを決
定し、そのアドレス管理を行う。これらの操作を入力ポ
ート1iに伝搬されてきたセルについて順次行う。
【0017】メモリコントローラ10iによるブロック
の生成方法について詳細に説明する。1ブロックが、最
大でm個(ここではm=4)の同じ宛先のセルを格納可
能なときには、図5に示すようにセルバッファ9iが、
先頭からm番目、(m+1)番目から2m番目、(2m
+1)番目から3m番目、…というように、mセル分ず
つ同じ宛先のセルを格納できるように、メモリコントロ
ーラ10iがそのアドレスを管理する。したがって、メ
モリコントローラ10iが、宛先判別手段8iからセル
の宛先の情報を得たときには、まずそれと同じ宛先のブ
ロックがセルバッファ9i内にすでに生成されているか
どうかを判断する。そして、そのブロックが生成されて
いないか、あるいは生成されていたとしてもすでにmセ
ル分同じ宛先のセルが格納されている場合には、(p・
m+1)番目にセルを書き込んで新しいブロックを生成
する(pは0以上の整数)。
【0018】なお、pはまだセルが書き込まれていない
アドレスのうち、最小となるものを選ぶ。すなわち、セ
ルバッファ9iの先頭から順次ブロックを生成する。ま
た、メモリコントローラ10iがセルの宛先の情報を得
たときに、それと同じ宛先のブロックがセルバッファ9
iに生成されており、かつそのブロック内に空きがある
場合には、その空きの先頭にセルを書き込む。したがっ
て、この場合には新たなブロックは生成されない。
【0019】以上のブロック生成方法を具体例で示すと
図6のようになる。図6は、m=4のときの例であり、
(a)の状態にあるセルバッファ9iの (b)〜(d) のケー
スにおける動作例を示す。 (b) 到着したセルと同じ宛先“2”のブロックが生成さ
れていないので、新しいブロックを生成する。
【0020】(c) 到着したセルと同じ宛先“4”のブロ
ックが生成されていても空きがないので、新しいブロッ
クを生成する。 (d) 到着したセルと同じ宛先“3”のブロックが生成さ
れていて、かつ空きがあるので、そのブロックの空きに
セルを書き込む。 このように、 (b)または(c) の場合には新たにブロック
が生成される。セルバッファの最後までブロックが生成
されたときは、再び先頭からセルを書き込んで新たにブ
ロックを生成すればよい。ただし、セルを書き込みたい
アドレスに、まだ送出していないブロックがある場合に
は、その新しく到着するセルを廃棄する。なお、図6
(a) 中の宛先“1”のブロックのように、少なくともセ
ルをひとつ含んでいればそれ以上が空きでも1ブロック
としてみなす。
【0021】次に、生成されたブロックの競合制御方法
の概念について図7を参照して説明する。メモリコント
ローラ10iは、セルバッファ9iで生成されたブロッ
クの宛先を、先頭のブロックからk′個分(k′は2以
上の整数)まとめて(k′×m)セル送出セル時間周期
で競合制御手段60に送る。セルバッファ9iにk′個
未満のブロックしか生成されていない場合は、そのすべ
ての宛先を送出する。競合制御手段60では送られてき
た複数個のブロックの宛先をもとに、異なるセル振り分
け手段から同じ宛先のブロックを同時に送出せず、かつ
高スループットが得られるようにブロックの送出順序入
替を行う。この送出順序入替の方法は、後述するスケジ
ューリングアルゴリズムによって決まる。本実施形態で
は、(k′×m)セル送出セル時間分の送出順序入替の
結果がメモリコントローラ10iに送られると、メモリ
コントローラ10iは、セルバッファ9iの対応するア
ドレスからブロック化されたセルを連続して読み出す。
【0022】次に、スケジューリングアルゴリズムにつ
いて詳細に説明する。ここでは、ブロックの送出可能な
一番早い時刻を予約するアルゴリズムを用いる場合につ
いて図8を参照して説明する。メモリコントローラ10
iから競合制御手段60に送られてきたブロックの宛先
は、図8(a) の通りとする(k′=4の場合)。例え
ば、セルバッファ91には、宛先“1”,“3”,
“2”,“4”のブロックが順に形成されているとす
る。セルバッファ94のブロックの宛先が2つしかない
のは、セルバッファ94には2つのブロックしか生成さ
れていないことを意味する。
【0023】いま、セルバッファ91〜94間での競合
における優先順位を高い順に91→92→93→94と
する。まず、セルバッファ91〜94の先頭にあるブロ
ックについて、優先順位が高いセルバッファで生成され
ているブロックから送出する時刻を予約する。ブロック
を送出可能な一番早い時刻を予約していき、最終的には
(k′・m)セル送出時間分(最大mセルからなるブロ
ックk′個分)の時刻予約表を作成する。ここで、セル
バッファ9iからブロックを送出可能な条件とは、時刻
予約表においてブロックを送出したい時刻が空いてい
て、かつ同時刻に同じ宛先のブロックがセルバッファ9
j(j=1,2,3,4、i≠j)から送出されないこ
とである。したがって、このスケジューリングアルゴリ
ズムによりセルバッファ91〜94の先頭にあるブロッ
クの時刻予約を行うと、時刻予約表は図8(b) のように
なる。セルバッファ91とセルバッファ94でブロック
の宛先“1”が重なるので、優先順位のより高いセルバ
ッファ91のブロックが優先され、セルバッファ94の
宛先“1”のブロックは時刻が繰り下げられる。
【0024】次に2列目の時刻予約を行うと、図8(c)
のようになる。セルバッファ92の宛先“1”のブロッ
クは、同時刻にセルバッファ94から同じ宛先のブロッ
クが送出されることになっているので、時刻が繰り下げ
られる。また、セルバッファ94の宛先“3”のブロッ
クは一番最初の時刻で送出可能なので、送出順序が入れ
替わる。以下同様に3列目、4列目の時刻予約を行う
と、結果的に図8(d) のような時刻予約表ができる。こ
の時刻予約表に従い、セルバッファ91〜94からブロ
ックを送出する。空きのところはブロックを送出しない
で待つことになる。ブロック内で空きがあるときも空き
セル分の時間待たなければならない。
【0025】なお、図8(d) 中のセルバッファ92の宛
先“4”のブロックのように(k′・m)セル送出時間
内に送出できないブロックについては、次のスケジュー
リングのときに、このブロックの宛先を含めた新たな4
つのブロックの宛先により再度同様のスケジューリング
を行う。そのとき、優先順位は92→93→94→91
というようにサイクリックに変える。これは、セルバッ
ファ91〜94間の競合における公平性を保つためであ
る。前述した時刻予約表に従い、ブロックの送出を開始
すると同時に次のスケジューリングを始める。
【0026】このようにブロック化とスケジューリング
を組み合わせることにより、スループットの向上、
セル単位に検索する場合に比べて検索範囲(k′の値)
の低減、スケジューリングにかかる処理時間の制限緩
和という3つの利点がある。さらに光スイッチを用いる
場合には、ガードタイムの付与によるスループット低下
を抑える効果もある。
【0027】これらの効果をシミュレーションにより定
量的に評価した結果を示す。シミュレーション時間は10
6 セル時間とし、トラヒックはランダムパターンとし
た。図9は、L(入力ポート数)=N(出力ポート数)
=16、ブロックの長さm=8、k′=8,16,24のとき
のスループットと、セルバッファでのブロック(または
セル)の平均待ち時間との関係を示す。この図でそれぞ
れの場合にスループットを上げていくと平均待ち時間が
急激に上昇する。その時のスループットがそれぞれの条
件におけるスループットの上限値となる。セル単位でか
つスケジューリングを行わないとスループットは58%に
制限されるのに対し、ブロック単位でスケジューリング
を行うと、k′=16で90%程度のスループットを達成す
ることが可能となる。図9中のk′=24のときのよう
に、k′を大きくするに従って高スループットが得られ
ることがわかる。
【0028】また、ブロック化することにより、トラヒ
ックのランダム性が失われ、ブロックの生成パターンに
周期性が生じることがわかった。図10に同じ宛先をも
つブロック(またはセル)間の間隔について分布を調べ
た結果を示す。横軸は、同じ宛先をもつブロック(また
はセル)が何ブロック分(何セル分)離れているかを表
し、縦軸はそれが全体に占める割合を表す。
【0029】これにより、同じ宛先をもつブロックが出
力ポート数Nに等しい間隔で生成されやすい傾向にある
ことが明らかになった。シミュレーションの結果はm=
8,L=N=8,16, 32の場合を示す。比較のために、
ブロック化しない場合(セル単位の場合)の結果につい
ても点線で示した。図10に示すように、ブロック化し
た場合は、Nブロック周期で同じ宛先のブロックが存在
する割合が非常に高くなることがわかる。このようなブ
ロックの生成パターンの周期性を利用すると、ブロック
化しない場合に比べて、同じスループットを達成するた
めの検索範囲(k′の値)を低減でき、k′=Nとすれ
ばよい。
【0030】そこでL=N=4,8の場合について、
k′=Nとし、達成可能なスループットとセルバッファ
でのブロック(またはセル)の平均待ち時間との関係を
調べた結果を図11に示す。実線はブロック単位(ブロ
ックの長さm=8)でスケジューリングを行った場合、
点線はセル単位でスケジューリングを行った場合の結果
である。これによりブロック化したときには、検索範囲
(k′の値)は、出力ポート数Nに等しくとれば85%以
上の高スループットが得られ、セル単位でスケジューリ
ングを行う場合に比べて少ない検索範囲ですむことがわ
かる。このような検索範囲の低減により、スケジューリ
ングにかかる処理時間の短縮が期待できる。また処理時
間の短縮ができれば、ある一定時間内でより複雑な処理
が可能となるため、さらにスループットの向上を図るこ
とができる可能性がある。
【0031】また、光スイッチを用いる場合には、ガー
ドタイム(光スイッチの切替時間+同期確立時間)の影
響を加味する必要がある。ガードタイム=1セル送出時
間と仮定し、ブロックの長さmを変化させたときの最大
スループットを求めた結果を図12に示す(L=N=1
6,k′=16)。ここで、最大スループットとは106
ル時間においてセルの廃棄が起こらない最大スループッ
トを表す。ブロックの長さmを大きくすればするほど、
ガードタイムの付与による影響を低減できることがわか
る。
【0032】以上説明した実施形態では、4入力4出力
のセルスイッチについて説明したが、同様に一般的なL
入力N出力のセルスイッチを構成することができる
(L,Nは2以上の整数)。図13は、本発明によるL
入力N出力セルスイッチの構成例を示す。図1に示す構
成と同一機能を有するものは同一符号を付す。また、L
×Nスイッチ50は電気スイッチまたは光スイッチのい
ずれの構成でもよい。
【0033】また、本発明の特徴であるセル振り分け手
段5iの構成は、同じ宛先のセルを到着順に集め、連続
して送出できればどのような構成でもよい。図14は、
セル振り分け手段5iの第2の構成例を示す。図におい
て、8iは宛先判別手段、20iは1×Nスイッチ、9
i1〜9iNはセルバッファ、30iはN×1スイッ
チ、40iは1×Nスイッチ20iおよびN×1スイッ
チ30iとセルバッファ9i1〜9iNを制御してブロ
ックを生成・送出する制御手段である。
【0034】入力ポート1iに伝搬されてきたセルの宛
先を宛先判別手段8iで判別し、結果を制御手段40i
に送る。制御手段40iは、その結果をもとに1×Nス
イッチ20iを切り替えることで同じ宛先をもつセルご
とにまとめる。すなわち、各セルバッファ9ijには同
じ宛先のセルのみが蓄積され、ブロックが生成される。
図外の競合制御手段60は、セルバッファ9i1〜9i
Nで生成されたブロックの宛先をもとに競合制御を行
い、その結果に基づいて制御手段40iがN×1スイッ
チ30iを切り替え、対応するブロックをセルバッファ
9i1〜9iNのいずれかから読み出してブロックを送
出する仕組みになっている。
【0035】また、上記の実施形態では、ブロックの競
合制御方法として、複数個(k′個)のブロックの宛先
を一括して競合制御手段60に、(k′・m)セル送出
時間周期で送る方法について説明したが、その他の方法
をとってもよい。例えば、mセル送出時間周期で送って
もよいし、新しいブロックが生成されるごとに、宛先を
競合制御手段60に送るような方法でもよい。ただし、
宛先を送って競合結果をもらう回数が一括してやりとり
する場合より増えることになるので、そのやりとりの時
間が無視できないような場合には、上記の実施形態で採
用した一括して送る競合制御方法の方が有利である。
【0036】また、スケジューリングアルゴリズムも送
出順序を入れ替えられる方法であればどのようなアルゴ
リズムでもよく、その検索範囲(k′の値)も任意の値
でよい。さらに、上記の実施形態では、k′個のブロッ
ク(m個のセル)で送出順序を入れ替えた場合に、スケ
ジューリングの時間予約表を(k′・m)セル送出時間
分としたが、それ以上の時刻まで予約可能としてもよ
い。
【0037】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のセルスイ
ッチは、入力セルバッファ手段に、同じ宛先をもつセル
を複数個集めてブロック化するセル振り分け手段と、ブ
ロック単位での競合制御の結果に基づきブロックの読み
出しを制御するセル振り分け制御手段とを備えることに
より、ブロック単位で、すなわち同じ宛先のセルを複数
個連続して送出することが可能となる。
【0038】これにより、スケジューリングをセル単位
からブロック単位に行えばよいので、処理時間の制限を
1セル送出時間内から1ブロック送出時間(mセル送出
時間)内へと緩和できる。mは2以上の整数値をとれる
ので、高いセルレート(1セル送出時間の短縮)にも対
応可能であり、スケジューリングによる高スループット
を達成することが可能となる。また、ブロック化するこ
とで、送出順序入れ替えに必要な検索範囲の低減を図る
ことができるので、スケジューリングにかかる処理時間
そのものを短縮することができる効果もある。
【0039】さらに、方路切替手段として光スイッチを
用いる場合には、セルレートが上がると無視できなくな
るガードタイム(光スイッチの切替時間+同期確立時
間)の付与によるスループットの低下を抑えることがで
きる効果も得られる。ブロックの長さmが大きいほどそ
の効果も大きい。もちろんこの場合にも、高スループッ
トを達成するスケジューリングを行うことができる。
【0040】したがって、方路切替手段やスケジューリ
ングにかかる処理時間に無関係で、かつセルレートが上
がっても高スループットを達成できるセルスイッチを実
現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセルスイッチの実施形態を示す図。
【図2】ブロック化による処理時間の制限緩和を説明す
る図。
【図3】ブロック化による光スイッチの切替頻度低減を
説明する図。
【図4】セル振り分け手段の第1の構成例を示す図。
【図5】メモリコントローラの役割を説明する図。
【図6】ブロック生成方法を具体例に説明する図。
【図7】ブロックの競合制御方法の概念を説明する図。
【図8】スケジューリングによる時刻予約表の作成方法
を説明する図。
【図9】スケジューリングによるスループット向上を説
明する図。
【図10】セルおよびブロックの生成パターンを説明す
る図。
【図11】ブロック化による検索範囲の低減を説明する
図。
【図12】ブロック化によるガードタイムの影響低減を
説明する図。
【図13】本発明によるL入力N出力セルスイッチの構
成例を示す図。
【図14】セル振り分け手段の第2の構成例を示す図。
【図15】L入力N出力の入力バッファ型セルスイッチ
の基本構成を示す図。
【図16】スケジューリングの概念を説明する図。
【図17】処理時間>1セル送出時間のときのスループ
ット低下を説明する図。
【図18】ガードタイム(光スイッチ切替時間等)の付
与によるスループット低下を説明する図。
【符号の説明】
11〜14,1i,1L 入力ポート 20i 1×Nスイッチ 21〜24,2i,2L 入力セルバッファ手段 30i N×1スイッチ 31〜3L セルバッファ 40i 制御手段 41〜4L セルバッファ制御手段 50 L×Nスイッチ 51〜54,5i,5L セル振り分け手段 60 競合制御手段 61〜64,6i,6L セル振り分け制御手段 70 4×4スイッチ 71〜74,7i,7N 出力ポート 81〜84,8i 宛先判別手段 91〜94,9i1〜9iN セルバッファ 101〜104 メモリコントローラ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数L個の入力ポートに到達するセルを
    それぞれ一時的に蓄積する複数L個の入力セルバッファ
    手段と、 前記各入力セルバッファ手段から読み出されたセルを複
    数N個の出力ポートのうち所定の出力ポートに送出する
    方路切替手段と、 前記各入力セルバッファ手段から同一の出力ポートに同
    時にセルが送出されないようにセルの送出順序を制御す
    る競合制御手段とを備えたセルスイッチにおいて、 前記入力セルバッファ手段は、 同じ宛先をもつセルを複数m個集めてブロック化するセ
    ル振り分け手段と、 ブロック単位での競合制御の結果に基づき、前記セル振
    り分け手段からブロック化されたセルを連続して読み出
    す制御を行うセル振り分け制御手段とを備え、 前記競合制御手段は、 前記各入力セルバッファ手段から各ブロックの宛先を入
    力し、先頭のブロックから複数k′個のブロックの検索
    範囲で、ブロック単位の送出順序の入れ替えを認めるス
    ケジューリングを行う構成であることを特徴とするセル
    スイッチ。
  2. 【請求項2】 ブロック単位の送出順序の入れ替えに必
    要な宛先検索に用いるブロック数k′は、出力ポート数
    Nに等しい値であることを特徴とする請求項1に記載の
    セルスイッチ。
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