JPH10228873A - 陰極線管及び陰極線管の製造方法 - Google Patents
陰極線管及び陰極線管の製造方法Info
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- JPH10228873A JPH10228873A JP3056497A JP3056497A JPH10228873A JP H10228873 A JPH10228873 A JP H10228873A JP 3056497 A JP3056497 A JP 3056497A JP 3056497 A JP3056497 A JP 3056497A JP H10228873 A JPH10228873 A JP H10228873A
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- panel
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 陰極線管のフェースパネルに外部衝撃が与え
られた時に破壊領域を制御し、爆縮による外部へのガラ
ス破片の飛散を防止する。 【解決手段】 パネル部2のガラスパネル3の表面、又
はパネル部2のスカート部を脆弱部とし、例えば、溝1
4を形成し、外部衝撃に対し、応力集中させた脆弱部で
亀裂を生じさせ、フェースパネル3の小領域で陥没させ
て大きな爆縮を防止する。
られた時に破壊領域を制御し、爆縮による外部へのガラ
ス破片の飛散を防止する。 【解決手段】 パネル部2のガラスパネル3の表面、又
はパネル部2のスカート部を脆弱部とし、例えば、溝1
4を形成し、外部衝撃に対し、応力集中させた脆弱部で
亀裂を生じさせ、フェースパネル3の小領域で陥没させ
て大きな爆縮を防止する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフェースパネルガラ
スを用いた陰極線管に係わり、特に陰極線管の爆縮時の
フェースパネルの破壊範囲を局部的に制御可能な陰極線
管及び陰極線管の製造方法に関する。
スを用いた陰極線管に係わり、特に陰極線管の爆縮時の
フェースパネルの破壊範囲を局部的に制御可能な陰極線
管及び陰極線管の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、ディスプレイの大画面化、高画質
化が進み、陰極線管(以下CRTと記す)は見易さ改善
の観点から、フェースパネルガラスはフラット化が進め
られている。フラット感のあるフェースパネルガラスを
得るため、大画面のフェース曲面を双曲線や羃乗の多項
式で示す非球面にしたり、曲率半径を増大させ、例え
ば、曲率半径を8000mmR〜100000mmR程
度まで大きくし、フェースパネルガラスを略々フラット
とする様に成している。
化が進み、陰極線管(以下CRTと記す)は見易さ改善
の観点から、フェースパネルガラスはフラット化が進め
られている。フラット感のあるフェースパネルガラスを
得るため、大画面のフェース曲面を双曲線や羃乗の多項
式で示す非球面にしたり、曲率半径を増大させ、例え
ば、曲率半径を8000mmR〜100000mmR程
度まで大きくし、フェースパネルガラスを略々フラット
とする様に成している。
【0003】一般にCRTの製造工程は、フェースパネ
ルガラスの内面にR(赤)、G(緑)、B(青)の蛍光
体ストライプ及びカーボンストライプを形成し、組立済
のアパーチャグリルから成る色選別電極をセットし、ネ
ックカーボン及び内装カーボンの塗布されたファンネル
部と上記パネル部をフリットガラスで接合固着し、ファ
ンネル部のネック部内に電子銃封止を行なった後に10
-5乃至10-7トール程度で排気する真空排気によって、
ファンネル部とパネル部で構成されたガラス管体内を真
空にする。
ルガラスの内面にR(赤)、G(緑)、B(青)の蛍光
体ストライプ及びカーボンストライプを形成し、組立済
のアパーチャグリルから成る色選別電極をセットし、ネ
ックカーボン及び内装カーボンの塗布されたファンネル
部と上記パネル部をフリットガラスで接合固着し、ファ
ンネル部のネック部内に電子銃封止を行なった後に10
-5乃至10-7トール程度で排気する真空排気によって、
ファンネル部とパネル部で構成されたガラス管体内を真
空にする。
【0004】その後、ゲッタをファンネル部の外側から
高周波加熱し、バリウム等を蒸着させて、ガラス管体内
を高真空にし、ガラスの爆縮を防止するための防爆バン
ド等でパネル部のスカート部を囲繞する様に焼嵌等で嵌
着し、ガラス管体内に外圧力を加える補強処理が行なわ
れる。
高周波加熱し、バリウム等を蒸着させて、ガラス管体内
を高真空にし、ガラスの爆縮を防止するための防爆バン
ド等でパネル部のスカート部を囲繞する様に焼嵌等で嵌
着し、ガラス管体内に外圧力を加える補強処理が行なわ
れる。
【0005】その後にカーボンをファンネル外面に被膜
し、ノッキング、エイジング等を行なった後にCRTの
蛍光面や電子銃が正常に動作するのか検査を行なって、
CRTを完成させている。
し、ノッキング、エイジング等を行なった後にCRTの
蛍光面や電子銃が正常に動作するのか検査を行なって、
CRTを完成させている。
【0006】上述の製造工程中の真空排気工程で、フラ
ット管体1のパネル部2のフェースパネル3を平坦な形
状に成型したフラットフェースパネルガラスを用いると
図5に示す様にフェースパネル3及びファンネル4部分
では大気による圧縮応力6aが働き、パネル部2の側壁
部では引張応力6bが働き、フェースパネル3は一点鎖
線で示す様にネック5側に吸い込まれて曲面3′は凹状
のRを有する様になる。
ット管体1のパネル部2のフェースパネル3を平坦な形
状に成型したフラットフェースパネルガラスを用いると
図5に示す様にフェースパネル3及びファンネル4部分
では大気による圧縮応力6aが働き、パネル部2の側壁
部では引張応力6bが働き、フェースパネル3は一点鎖
線で示す様にネック5側に吸い込まれて曲面3′は凹状
のRを有する様になる。
【0007】例えば28インチ管でフェースパネル3の
厚みが15.5mmのフラット管体1を10-5乃至10
-7トールで排気した時の変形量δはフェースパネル3の
中心位置で略400μmになって凹状の曲率となる。
厚みが15.5mmのフラット管体1を10-5乃至10
-7トールで排気した時の変形量δはフェースパネル3の
中心位置で略400μmになって凹状の曲率となる。
【0008】この様なフラット管体1に加わる大気によ
る圧縮応力6aを焼嵌用のバンド7によって引張応力6
bと反対方向の外力Fを加えることでパネル部2の側壁
部での引張応力(ガラスは引張応力に弱い)をキャンセ
ルさせると共にフェースパネル3の内側から圧縮応力6
aに対向する押圧応力6cを与えてフェースパネル3′
位置から元のフラットなフェースパネル3位置に戻して
いる。
る圧縮応力6aを焼嵌用のバンド7によって引張応力6
bと反対方向の外力Fを加えることでパネル部2の側壁
部での引張応力(ガラスは引張応力に弱い)をキャンセ
ルさせると共にフェースパネル3の内側から圧縮応力6
aに対向する押圧応力6cを与えてフェースパネル3′
位置から元のフラットなフェースパネル3位置に戻して
いる。
【0009】然し、爆縮防止用バンド7によるこの様な
補償処理によって変形量δの元への回復率は20%程度
と低く、上述の28インチのフラット管体ではフェース
パネル3の中心の変位量δ=320μmもあり、フラッ
トなフェースパネルを有するCRTが得られないために
パネル部2のフェースパネルガラスのプレス時にフラッ
トにせず、フェースパネルの曲面は例えば、真空排気し
た際の真空変形量を見込んで予めフェースパネル2の曲
率を前方に凸状の曲率に選択したり、バンドの縮付力に
よる変形量を見込んだ曲率に成して、フラット管体1を
得ていた。
補償処理によって変形量δの元への回復率は20%程度
と低く、上述の28インチのフラット管体ではフェース
パネル3の中心の変位量δ=320μmもあり、フラッ
トなフェースパネルを有するCRTが得られないために
パネル部2のフェースパネルガラスのプレス時にフラッ
トにせず、フェースパネルの曲面は例えば、真空排気し
た際の真空変形量を見込んで予めフェースパネル2の曲
率を前方に凸状の曲率に選択したり、バンドの縮付力に
よる変形量を見込んだ曲率に成して、フラット管体1を
得ていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の従来構成で説明
した様な方法で、例えば、フェースパネル3が完全にフ
ラットに構成されたと想定した場合に、フェースパネル
3と直交する垂直な外力VF が図5に示す様に加えられ
たときに曲率のあるフェースパネルの様にこのフェース
パネルの面と平行な抗力HF が働かないために、外力V
F によって、そのままフラット管体1の内部方向(ネッ
ク5方向)にフェースパネル3は陥没し、いわゆる爆縮
を発生させる。
した様な方法で、例えば、フェースパネル3が完全にフ
ラットに構成されたと想定した場合に、フェースパネル
3と直交する垂直な外力VF が図5に示す様に加えられ
たときに曲率のあるフェースパネルの様にこのフェース
パネルの面と平行な抗力HF が働かないために、外力V
F によって、そのままフラット管体1の内部方向(ネッ
ク5方向)にフェースパネル3は陥没し、いわゆる爆縮
を発生させる。
【0011】即ち、パネル部2のフェースパネル3の曲
率半径Rが大きくなってフラットに近づく程、耐衝撃性
を高めることが困難となる。
率半径Rが大きくなってフラットに近づく程、耐衝撃性
を高めることが困難となる。
【0012】その為パネル部2のフェースパネル3のガ
ラスの肉厚を増したり、フェースパネル3の前面にセフ
ティパネルを付ける対策が必要となり、その結果フラッ
ト管体1の重量が増加し、コストが上昇する等の問題が
生じた。
ラスの肉厚を増したり、フェースパネル3の前面にセフ
ティパネルを付ける対策が必要となり、その結果フラッ
ト管体1の重量が増加し、コストが上昇する等の問題が
生じた。
【0013】本発明は叙上の問題点を解消したCRT及
びCRTの製造方法を提供しようとするものであり、本
発明の課題は外部衝撃によって亀裂が入ってもCRTの
大きな爆縮が防止可能でフェースパネルのフラット化が
出来て、重量増加を来せないCRT及びCRTの製造方
法を得ようとするものである。
びCRTの製造方法を提供しようとするものであり、本
発明の課題は外部衝撃によって亀裂が入ってもCRTの
大きな爆縮が防止可能でフェースパネルのフラット化が
出来て、重量増加を来せないCRT及びCRTの製造方
法を得ようとするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明のCRTはその例
が図1及び図3に示されている様に、フェースパネルガ
ラス3から成るCRT1Aであって、フェースパネルガ
ラス3の前面の表面或は、側面の表面又は裏面に脆弱部
14を設け、CRT1A内を真空にした時の応力分布を
局部的に制御する様に成したものである。
が図1及び図3に示されている様に、フェースパネルガ
ラス3から成るCRT1Aであって、フェースパネルガ
ラス3の前面の表面或は、側面の表面又は裏面に脆弱部
14を設け、CRT1A内を真空にした時の応力分布を
局部的に制御する様に成したものである。
【0015】本発明のCRTの製造方法はその例が図2
に示されている様に、フェースパネル3のガラスのプレ
ス時にこのフェースパネル3のガラスの前面の表面或
は、側面の表面又は裏面に溝部14を形成する工程と、
溝部14の光学的な屈折率をフェースパネル3のガラス
の他の部分と同一と成る様に補償する工程と、溝部14
の表面の平滑化19を行なう工程とより成るものであ
る。
に示されている様に、フェースパネル3のガラスのプレ
ス時にこのフェースパネル3のガラスの前面の表面或
は、側面の表面又は裏面に溝部14を形成する工程と、
溝部14の光学的な屈折率をフェースパネル3のガラス
の他の部分と同一と成る様に補償する工程と、溝部14
の表面の平滑化19を行なう工程とより成るものであ
る。
【0016】本発明のCRT及びCRTの製造方法によ
れば、フェースパネルに外部衝撃が与えられて亀裂が発
生しても、CRTのフェースパネルの広い範囲で爆縮を
生ずることなく、重量もアップせずフラット化可能なも
のが得られる。
れば、フェースパネルに外部衝撃が与えられて亀裂が発
生しても、CRTのフェースパネルの広い範囲で爆縮を
生ずることなく、重量もアップせずフラット化可能なも
のが得られる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明のCRT及びCRT
の製造方法を図1及び図2について詳記する。尚、図5
で説明したCRT1との対応部分には同一符号を付して
説明する。図1A及び図1Bは本例のCRTの構成の一
実施例の説明図、図2A乃至図2EはCRTの製造工程
説明図である。
の製造方法を図1及び図2について詳記する。尚、図5
で説明したCRT1との対応部分には同一符号を付して
説明する。図1A及び図1Bは本例のCRTの構成の一
実施例の説明図、図2A乃至図2EはCRTの製造工程
説明図である。
【0018】図1BはCRT1Aのフェースパネル3部
分を切り欠いた側面図、図1Aはフェースパネル3の前
面からみた正面図であり、CRT1Aのフラット管体1
はパネル部2と、ネック5を含むファンネル部4で構成
される。
分を切り欠いた側面図、図1Aはフェースパネル3の前
面からみた正面図であり、CRT1Aのフラット管体1
はパネル部2と、ネック5を含むファンネル部4で構成
される。
【0019】フェースパネル3の長辺方向に沿って極め
て大きな曲率半径を有する曲面Rと成され、フェースパ
ネル3は略々フラットと成されている。
て大きな曲率半径を有する曲面Rと成され、フェースパ
ネル3は略々フラットと成されている。
【0020】この様なパネル部2内にはR,G,Bの3
原色ストライプ及びカーボンストライプから成る蛍光体
9が形成され、アパーチャグリル等の色選別電極10が
図1Bの様に配設されている。
原色ストライプ及びカーボンストライプから成る蛍光体
9が形成され、アパーチャグリル等の色選別電極10が
図1Bの様に配設されている。
【0021】ネック5及び漏斗状のファンネル部4はシ
ール面22でパネル部2とフリットペーストで接合され
る。勿論ネック5内にはサブアッセンブリされた電子銃
がステム12を介して配設されている。
ール面22でパネル部2とフリットペーストで接合され
る。勿論ネック5内にはサブアッセンブリされた電子銃
がステム12を介して配設されている。
【0022】更に、パネル部2のスカート部を囲繞する
様に、接着テープ11及び締付用のバンド7を縮付け
る。バンド7の縮付は機械的に締付ける方法や、焼嵌め
等が行なわれる。バンド7の4隅部にはCRT1Aの取
付金具13が配設されている。
様に、接着テープ11及び締付用のバンド7を縮付け
る。バンド7の縮付は機械的に締付ける方法や、焼嵌め
等が行なわれる。バンド7の4隅部にはCRT1Aの取
付金具13が配設されている。
【0023】上述の様なCRT1Aを得る場合パネル部
2のフェースパネル3のガラスをプレスする段階でフェ
ースパネル3の前面の表(テレビ画像を視る面)に例え
ば円弧状の溝14がフェースパネル3の全面を例えば、
3分割する様に同時に形成される。
2のフェースパネル3のガラスをプレスする段階でフェ
ースパネル3の前面の表(テレビ画像を視る面)に例え
ば円弧状の溝14がフェースパネル3の全面を例えば、
3分割する様に同時に形成される。
【0024】溝14の深さは、例えば1mm程度に選択
されている。この様なフラットフェースパネルガラスを
用いたパネル部2によって、CRT1Aを形成する場合
フラット管体1内は真空にするための排気処理が行なわ
れるので、大気圧による圧縮応力によって、溝14部分
には、応力が集中して、回りに比べて亀裂が走りやす
い。
されている。この様なフラットフェースパネルガラスを
用いたパネル部2によって、CRT1Aを形成する場合
フラット管体1内は真空にするための排気処理が行なわ
れるので、大気圧による圧縮応力によって、溝14部分
には、応力が集中して、回りに比べて亀裂が走りやす
い。
【0025】上述の構成のCRT1Aのフェースパネル
3の溝14で囲繞された内部衝撃点16に外部から衝撃
が与えられたとすると、この衝撃力は溝14に伝達され
る。この溝14内ではフェースパネル3の他の部分に比
べて応力集中により弱くなっているため、溝14内で亀
裂15を生じて、円弧状の溝14で囲繞されたエリアが
集中的に破壊される。従って、このエリアがフラット管
体1内に陥没するが、溝14より外側のフェースパネル
3の左右端と溝間は破壊に至らず、結果的には大画面の
CRT1Aであっても大きな爆縮とならず、ガラス片が
CRTのフェースパネルの前方に全面に亘って飛散する
事を最小限に抑えることが出来る。
3の溝14で囲繞された内部衝撃点16に外部から衝撃
が与えられたとすると、この衝撃力は溝14に伝達され
る。この溝14内ではフェースパネル3の他の部分に比
べて応力集中により弱くなっているため、溝14内で亀
裂15を生じて、円弧状の溝14で囲繞されたエリアが
集中的に破壊される。従って、このエリアがフラット管
体1内に陥没するが、溝14より外側のフェースパネル
3の左右端と溝間は破壊に至らず、結果的には大画面の
CRT1Aであっても大きな爆縮とならず、ガラス片が
CRTのフェースパネルの前方に全面に亘って飛散する
事を最小限に抑えることが出来る。
【0026】又、フェースパネル3の短辺部の左右端と
溝14間の外部衝撃点17に、外部から衝撃が加わった
場合でも、周辺からの亀裂15は右側の溝14部分でと
まり、フェースパネル3の略々1/3の面積が陥没する
だけで済み、大きな爆縮となることはない。
溝14間の外部衝撃点17に、外部から衝撃が加わった
場合でも、周辺からの亀裂15は右側の溝14部分でと
まり、フェースパネル3の略々1/3の面積が陥没する
だけで済み、大きな爆縮となることはない。
【0027】勿論、上述の溝14はCRTの製造工程で
加えられる各種の熱ストレスや長期に亘る圧縮又は引張
応力に耐え得る様に成す必要がある。従って、溝14の
深さをあまり深くすることは出来ないが、一般にはフェ
ースパネル3の前面の外側中央付近は前記した様に圧縮
応力となっており、静的な圧力により溝14から亀裂を
生ずることはない。
加えられる各種の熱ストレスや長期に亘る圧縮又は引張
応力に耐え得る様に成す必要がある。従って、溝14の
深さをあまり深くすることは出来ないが、一般にはフェ
ースパネル3の前面の外側中央付近は前記した様に圧縮
応力となっており、静的な圧力により溝14から亀裂を
生ずることはない。
【0028】上述の様にフェースパネル3の前面に溝1
4を形成することは、テレビ画像を視た場合に光学的不
均一性を生じて、画質不良を生ずる。そこで、この溝1
4内に屈折率がフェースパネル3のガラスと等しい樹脂
を埋め込み、光学的不均一性を解消させる様にする。
4を形成することは、テレビ画像を視た場合に光学的不
均一性を生じて、画質不良を生ずる。そこで、この溝1
4内に屈折率がフェースパネル3のガラスと等しい樹脂
を埋め込み、光学的不均一性を解消させる様にする。
【0029】図2A〜Eは、この様な工程を示す図1A
のA−A′断面図を示す。図2Aの様にフェースパネル
3の前面の表に形成した溝14内に、例えばアクリル系
のモノマー、オリゴマーをベースにした紫外線(UV)
硬化樹脂18を埋め込む(図2B参照)。
のA−A′断面図を示す。図2Aの様にフェースパネル
3の前面の表に形成した溝14内に、例えばアクリル系
のモノマー、オリゴマーをベースにした紫外線(UV)
硬化樹脂18を埋め込む(図2B参照)。
【0030】フェースパネル3に用いられるガラスの屈
折率はn=1.42であるが、上述のVU硬化樹脂18
も同様の屈折率とすることが出来るので、図2Bに示す
様に溝14内の屈折率を同一にすることで、光学的不均
一性は解消される。
折率はn=1.42であるが、上述のVU硬化樹脂18
も同様の屈折率とすることが出来るので、図2Bに示す
様に溝14内の屈折率を同一にすることで、光学的不均
一性は解消される。
【0031】上述のUV硬化樹脂は、硬化時に幾分収縮
する為、溝14への埋め込み後パネルガラス面と平面度
をそろえる工夫が必要である。
する為、溝14への埋め込み後パネルガラス面と平面度
をそろえる工夫が必要である。
【0032】図2Cはその1方法を示すもので、UV硬
化樹脂を溝14内に余分に埋め込み、硬化後にUV硬化
樹脂平面を削り取る表面平滑化処理19を行なう様にす
ればよい。
化樹脂を溝14内に余分に埋め込み、硬化後にUV硬化
樹脂平面を削り取る表面平滑化処理19を行なう様にす
ればよい。
【0033】又、図2Bの様に余分に溝14内に注入し
たUV硬化樹脂と同様の接着用UV硬化樹脂21を下面
に塗布した樹脂フィルム(PET等)を図2Dに示す様
にフェースパネル3の全面に貼着する様にすれば、接着
用UV硬化樹脂21と溝14のUV硬化樹脂18がなじ
んで硬化時には図3Eに示す様に多少の凹凸は目立たな
くすることが出来る。
たUV硬化樹脂と同様の接着用UV硬化樹脂21を下面
に塗布した樹脂フィルム(PET等)を図2Dに示す様
にフェースパネル3の全面に貼着する様にすれば、接着
用UV硬化樹脂21と溝14のUV硬化樹脂18がなじ
んで硬化時には図3Eに示す様に多少の凹凸は目立たな
くすることが出来る。
【0034】上述の構成ではフェースパネル3の前面の
表側に円弧状の溝14を形成した場合を説明したが、図
3A乃至図3Cに示す様にパネル部2の前後左右のスカ
ート部の表又は裏側にガラスプレス時に溝14を形成す
る様にしてもよい。
表側に円弧状の溝14を形成した場合を説明したが、図
3A乃至図3Cに示す様にパネル部2の前後左右のスカ
ート部の表又は裏側にガラスプレス時に溝14を形成す
る様にしてもよい。
【0035】図3Aはパネル部2を裏側から視た斜視
図、図3Bは図3AのB−B′断面矢視図、図3Cは図
3AのC−C′断面矢視図であり、例えば、図3A及び
図3Cに示す様にパネル部2の左右スカート部(短辺
側)25L及び25Rの裏側(内側)に、この左右スカ
ート部25L,25Rの長手方向と直交する様に左右ス
カート部をn分割(図3Aでは4分割)する様に左右溝
14L及び14Rを形成する。
図、図3Bは図3AのB−B′断面矢視図、図3Cは図
3AのC−C′断面矢視図であり、例えば、図3A及び
図3Cに示す様にパネル部2の左右スカート部(短辺
側)25L及び25Rの裏側(内側)に、この左右スカ
ート部25L,25Rの長手方向と直交する様に左右ス
カート部をn分割(図3Aでは4分割)する様に左右溝
14L及び14Rを形成する。
【0036】同様に図3A及び図3Bに示す様にパネル
部2の前後スカート部(長辺部)25D及び25Uの表
側(外側)に、この前後スカート部25D,25Uの長
手方向と直交する様に前後スカート部をn等分(図3A
では4等分)する様に前後溝14D及び14Uを形成す
る様に成しても、フェースパネル3の所定の小さいエリ
ア内の陥没で済ませることが出来る。
部2の前後スカート部(長辺部)25D及び25Uの表
側(外側)に、この前後スカート部25D,25Uの長
手方向と直交する様に前後スカート部をn等分(図3A
では4等分)する様に前後溝14D及び14Uを形成す
る様に成しても、フェースパネル3の所定の小さいエリ
ア内の陥没で済ませることが出来る。
【0037】図4は本発明のCRTの更に他の構成図を
示すものである。上述の各構成ではフェースパネル3や
スカート部に溝を形成させたが、パネル部2のプレス時
の材料の選択や処理温度等を変化させた脆弱部14Aを
形成させることで、図1と同様に衝撃点16又は17へ
の外部応力に応じてフェースパネル3の陥没部3A又は
3Bを選択可能となる。本発明の実施形態につき、フラ
ットフェースパネルを例に説明したが、むろん、従来の
パネル曲率半径の小さいCRTにも適用可能である。
示すものである。上述の各構成ではフェースパネル3や
スカート部に溝を形成させたが、パネル部2のプレス時
の材料の選択や処理温度等を変化させた脆弱部14Aを
形成させることで、図1と同様に衝撃点16又は17へ
の外部応力に応じてフェースパネル3の陥没部3A又は
3Bを選択可能となる。本発明の実施形態につき、フラ
ットフェースパネルを例に説明したが、むろん、従来の
パネル曲率半径の小さいCRTにも適用可能である。
【0038】
【発明の効果】本発明のCRT及びCRTの製造方法に
よればフェースパネルの表面又は側面に応力集中を起こ
させる様にしたのでCRTのフェースパネルに外部衝撃
が加わっても、フェースパネル全面に亘っての爆縮を避
けることが出来るので外部へのパネルガラスの飛散が避
けられる。又、フェースパネルのガラスと同一の屈折率
を有する樹脂によって光学的不均一性を改善したので画
質劣化が避けられ、CRTの重量増加を防止出来ると共
にフェースパネルのフラット化が可能と成る効果を有す
る。
よればフェースパネルの表面又は側面に応力集中を起こ
させる様にしたのでCRTのフェースパネルに外部衝撃
が加わっても、フェースパネル全面に亘っての爆縮を避
けることが出来るので外部へのパネルガラスの飛散が避
けられる。又、フェースパネルのガラスと同一の屈折率
を有する樹脂によって光学的不均一性を改善したので画
質劣化が避けられ、CRTの重量増加を防止出来ると共
にフェースパネルのフラット化が可能と成る効果を有す
る。
【図1】本発明の陰極線管の一実施例を示す構成図であ
る。
る。
【図2】本発明の陰極線管の製造工程説明図である。
【図3】本発明の陰極線管の他の構成図である。
【図4】本発明の陰極線管の更に他の構成図である。
【図5】従来のガラス管体の変化量補償説明図である。
1 フラット管体、1A,CRT,2 パネル部、3
フェースパネル、7バンド、14,14L,14R,1
4D,14U 溝
フェースパネル、7バンド、14,14L,14R,1
4D,14U 溝
Claims (5)
- 【請求項1】 フェースパネルガラスを有する陰極線管
であって、 上記フェースパネルガラスの前面の表面或は側面の表面
又は裏面に脆弱部を設け、上記陰極線管内を真空にした
時の応力分布を局部的に制御する様に成したことを特徴
とする陰極線管。 - 【請求項2】 前記脆弱部が溝部であることを特徴とす
る請求項1記載の陰極線管。 - 【請求項3】 前記溝部に前記フェースパネルガラスと
屈折率の等しい樹脂を埋め込み光学的に均一と成したこ
とを特徴とする請求項1又は請求項2記載の陰極線管。 - 【請求項4】 フェースパネルガラスのプレス時に該フ
ェースパネルガラスの前面の表面或は、側面の表面又は
/及び裏面に溝部を形成する工程と、 上記溝部の光学的な屈折率を上記フェースパネルガラス
の他の部分と同一となる様に補償する工程と、 上記溝部の表面の平滑化を行なう工程とより成ることを
特徴とする陰極線管の製造方法。 - 【請求項5】 前記平滑化を行なう工程が前記フェース
パネルガラス前面に樹脂フィルムを貼着する工程より成
ることを特徴とする請求項4記載の陰極線管の製造方
法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03056497A JP3407581B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | 陰極線管 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03056497A JP3407581B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | 陰極線管 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10228873A true JPH10228873A (ja) | 1998-08-25 |
JP3407581B2 JP3407581B2 (ja) | 2003-05-19 |
Family
ID=12307327
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03056497A Expired - Fee Related JP3407581B2 (ja) | 1997-02-14 | 1997-02-14 | 陰極線管 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3407581B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006029066A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-02-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 建築用ガラスブロック及びガラスブロック壁 |
-
1997
- 1997-02-14 JP JP03056497A patent/JP3407581B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2006029066A (ja) * | 2004-06-15 | 2006-02-02 | Nippon Electric Glass Co Ltd | 建築用ガラスブロック及びガラスブロック壁 |
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