JPH10228820A - 油浸ソリッド電力ケーブル - Google Patents
油浸ソリッド電力ケーブルInfo
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- JPH10228820A JPH10228820A JP2320897A JP2320897A JPH10228820A JP H10228820 A JPH10228820 A JP H10228820A JP 2320897 A JP2320897 A JP 2320897A JP 2320897 A JP2320897 A JP 2320897A JP H10228820 A JPH10228820 A JP H10228820A
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Abstract
含浸時に低粘度を有し、かつ使用温度範囲で油漏れ現象
を起こさない油浸ソリッド電力ケーブルを提供する。 【解決手段】 絶縁紙に絶縁油を含浸してなる絶縁層を
有する油侵ソリッド電力ケーブルにおいて、この絶縁油
は次のものが合計が100となるようにブレンドされて
いる。 主鎖が炭化水素だけからなり、かつ40℃での動粘度
が10〜1,000,000cstである液状ポリマー
を10〜90重量部 側鎖数10〜40程度のアルキルベンゼン10〜70
重量部 結晶化による融解吸熱ピークを有するワックスあるい
は低分子量ポリオレフィン0.1〜20重量部
Description
含浸してなる積層絶縁層を具えたSLケーブル,MIケ
ーブル,NDケーブル等の油浸ソリッド電力ケーブルに
関するものである。
縁層を具えた油圧の維持が不要なSL,MI,NDケー
ブル等の油浸ソリッド電力ケーブルの絶縁油としては、
常用使用温度範囲では高粘度、油含浸時の高温では絶縁
テープ層への絶縁油の含浸を容易、かつ十分にするため
に低粘度になる粘度−温度特性の傾きの大きいものが用
いられており一般にはポリブテン系油やこれに増粘材と
してワックスを混合した絶縁油が用いられている。又上
記ポリブテン系油に多環芳香族炭化水素系油を混合する
技術も開示されている。
ン系油単独あるいはポリブテン系油にワックスないしは
多環芳香族炭化水素系油を混合した絶縁油は、粘度−温
度特性が直線的である。従って、油含浸温度(一般に1
00〜130℃)で低粘度(100cst以下)にしよ
うとすると、最高使用温度(クラフト紙絶縁層で50〜
55℃、クラフト紙とプラスチックとの複合紙(以下半
合成紙という)系絶縁層で80〜85℃)で油垂れ現象
(絶縁油に流動性がある場合、ケーブル布設ルートに高
低差があると、絶縁油が少しづつ低い方へ垂れて行き、
高所部の絶縁油が枯れてくる現象をいう)を起こすとい
う問題がある。
解消し、粘度−温度特性に変曲点を有する絶縁油を含浸
することにより、油含浸時に低粘度(100cst)を
有し、かつ使用温度範囲で油垂れ現象を起こさない油浸
ソリッド電力ケーブルを提供するものである。
り、かつ40℃での動粘度が10〜1,000,000
cstである液状ポリマーを10〜90重量部、側鎖
数10〜40程度のアルキルベンゼン10〜70重量
部、結晶化による融解吸熱ピークを有するワックスあ
るいは低分子量ポリオレフィン0.1〜20重量部を合
計が100重量部となるようにブレンドした絶縁油を絶
縁紙に含浸してなる絶縁層を具えることにある。
ン油,液状ポリブタジエン,ポリイソブチレンなどが挙
げられる。ポリブテン油または液状ポリブタジエンの場
合、配合量の範囲は30〜90重量部とすることが好適
であり、ポリイソブチレンの場合は、配合量の範囲を1
0〜80重量部とすることが好適である。
合成紙の少なくとも一方を用いることができる。絶縁紙
をクラフト紙とした場合、ワックスあるいは低分子量ポ
リオレフィンの融解吸熱ピークを50〜120℃とする
ことが望ましい。また、絶縁紙を半合成紙とした場合、
同融解吸熱ピークを70〜120℃とすることが好まし
い。さらに、ワックスあるいは低分子量ポリオレフィン
の量を特に1〜20重量部とすることでいわゆる走水の
防止に効果的である。
する側鎖数10〜40程度のアルキルベンゼンを10〜
90重量部とするのは、アルキルベンゼンが10重量部
未満では絶縁油の電気性能が十分でなく、90重量部を
超えると常温時の絶縁油に割れが生じ易い。又結晶化に
よる融解吸熱ピークを有するワックス又は低分子量ポリ
オレフィンをブレンドすることにより粘度−温度特性に
変曲点を有する絶縁油が得られるが、0.1重量部未満
では希望とするような粘度−温度特性の変曲点が生じ
ず、直線的となる。又20重量部を超えると得られた絶
縁油が硬すぎて割れが生じ易い。
融解吸熱ピークが50〜120℃の範囲にある絶縁油を
クラフト紙系絶縁層に用いることにより、クラフト紙ソ
リッド電力ケーブルの通常の最高使用温度(例えば50
〜55℃)にも油垂れが生ずることなく、良好な電気性
能が得られる。
の融解吸熱ピークを70℃〜120℃にもっていくこと
により、半合成紙ソリッド電力ケーブルの最高使用温度
(例えば80〜85℃)にも油垂れが生ずることなく、
良好な電気性能が得られる。ここでいう半合成紙とは、
プラスチックフィルムとクラフト絶縁紙とを密着一体化
した複合絶縁紙をいい、中でもポリプロピレンとクラフ
ト紙からなるPPLP(登録商標)がその代表として広
く知られている。
量を特に1〜20重量部とすると電力ケーブルが万一水
中で事故を起こしても、水温付近では絶縁油が固化する
ので、絶縁油の漏出が起こらず水質汚染が食い止めら
れ、又ケーブルに侵入した水がケーブルの長手方向に移
動しない。
する。ポリブデン(日本石油化学株式会社製:HV-300)
60重量部,アルキルベンゼン(三菱化学株式会社製:
重質アルキレート)30重量部,ワックス(モービル石
油株式会社製:クリスタルワックス220 )10重量部を
混合した絶縁油を作製した。また、導体上にクラフト紙
を巻回して絶縁層を形成し、通常の方法でSLケーブル
を作製して、上記絶縁油をこの絶縁層に含浸した。そし
て、この絶縁油の各温度における動粘度を測定した。
t,80℃では300,000cst,120℃では6
4cstであった。すなわち、このような絶縁油は図1
に示すように変曲点を有する粘度−温度特性を示す。常
温からケーブルの最高使用温度Tmax (約80℃)程度
までは温度上昇に伴う粘度の低下が小さく、それ以上の
温度範囲では急激に粘度が低下する。そして、油含浸温
度(100〜130℃)では動粘度が100cst以下
となる。従って、ケーブル使用時に絶縁油の粘度が低下
して油垂れ現象が生じることを抑制でき、かつ絶縁油の
含浸時は十分低粘度となって含浸作業を容易に行うこと
ができる。
ッド電力ケーブルによれば、粘度−温度特性に変曲点を
有する絶縁油を含浸することにより、油含浸時に低粘度
を有し、かつ使用温度範囲で油垂れ現象を起こさない電
気性能の良好な油浸ソリッド電力ケーブルが実現でき
る。
性を示すグラフ。
Claims (7)
- 【請求項1】 主鎖が炭化水素だけからなり、かつ4
0℃での動粘度が10〜1,000,000cstであ
る液状ポリマーを10〜90重量部、 側鎖数10〜40程度のアルキルベンゼン10〜70
重量部、 結晶化による融解吸熱ピークを有するワックスあるい
は低分子量ポリオレフィン0.1〜20重量部を合計が
100重量部となるようにブレンドした絶縁油を絶縁紙
に含浸してなる絶縁層を具えることを特徴とする油浸ソ
リッド電力ケーブル。 - 【請求項2】 液状ポリマーがポリブテン油で、その配
合量の範囲が30〜90重量部であることを特徴とする
請求項1記載の油浸ソリッド電力ケーブル。 - 【請求項3】 液状ポリマーが液状ポリブタジエンで、
その配合量の範囲が30〜90重量部であることを特徴
とする請求項1記載の油浸ソリッド電力ケーブル。 - 【請求項4】 液状ポリマーがポリイソブチレンで、そ
の配合量の範囲が10〜80重量部であることを特徴と
する請求項1記載の油浸ソリッド電力ケーブル。 - 【請求項5】 絶縁紙がクラフト紙で、 ワックスあるいは低分子量ポリオレフィンの融解吸熱ピ
ークを50〜120℃としたことを特徴とする請求項1
記載の油浸ソリッド電力ケーブル。 - 【請求項6】 絶縁紙がクラフト紙とプラスチックとか
らなる複合紙で、 ワックスあるいは低分子量ポリオレフィンの融解吸熱ピ
ークを70〜120℃としたことを特徴とする請求項1
記載の油浸ソリッド電力ケーブル。 - 【請求項7】 請求項5又は6において、ワックスある
いは低分子量ポリオレフィンの量を特に1〜20重量部
とすることを特徴とする油浸ソリッド電力ケーブル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP02320897A JP3909611B2 (ja) | 1996-12-13 | 1997-01-21 | 油浸ソリッド電力ケーブル |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-352695 | 1996-12-13 | ||
JP35269596 | 1996-12-13 | ||
JP02320897A JP3909611B2 (ja) | 1996-12-13 | 1997-01-21 | 油浸ソリッド電力ケーブル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10228820A true JPH10228820A (ja) | 1998-08-25 |
JP3909611B2 JP3909611B2 (ja) | 2007-04-25 |
Family
ID=26360531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP02320897A Expired - Lifetime JP3909611B2 (ja) | 1996-12-13 | 1997-01-21 | 油浸ソリッド電力ケーブル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3909611B2 (ja) |
-
1997
- 1997-01-21 JP JP02320897A patent/JP3909611B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3909611B2 (ja) | 2007-04-25 |
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