JPH1022721A - プリントループアンテナ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ループアンテナの小型化が困難、アンテナ利
得以外のアンテナ特性、例えば所望の指向性や帯域を満
足することが困難等の課題があった。 【解決手段】 プリント基板１上に形成した複数の導電
性のループ状パターン２ａ，２ｂを直列または並列に接
続して該ループ状パターンに給電する給電手段３ａ，３
ｂを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、無線通信用のア
ンテナ装置、特に、プリント基板を利用したループアン
テナに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種のループアンテナは、図９
に示すように、ループ状に曲げた導体棒７とそれを支え
るようにプリント基板９上に立設した金具８により構成
されているが、導体棒７をループ状に正確に曲げること
が非常に困難である。また、導体棒７を金具８により支
える必要があるので、寸法形状が大きくなり、アンテナ
装置の小型化を図ることが困難である。

【０００３】図１０は従来の他の小型化されたループア
ンテナを示し、ループ状パターン２ａを形成した第１の
プリント基板１ａと、ループ状パターン２ｂを形成し、
第１のプリント基板１ａの背面に積層する第２のプリン
ト基板１ｂと、ループ状パターン２ｃを形成し、第２の
プリント基板１ｂの背面に積層する第３のプリント基板
１ｃとからなり、パターン２ａの一端側はプリント基板
９に接続され、このパターン２ａの他端側はパターン２
ｂの一端側にスルーホール５ａと５ｂを介して接続さ
れ、パターン２ｂの他端はパターン２ｃの一端側にスル
ーホール５ｃと５ｄを介して接続され、パターン２ｃの
他端側はアースパターン１０にスルーホール５ｅと５ｆ
と５ｇを介して接続されている。

【０００４】上記の構成は、異なるプリント基板１ａ〜
１ｃに形成されたループ状パターン２ａ〜２ｃをスルー
ホール５ａ〜５ｇを介して直列に接続しているが、この
構成では所望のアンテナ利得を得ることはできても、そ
れ以外のアンテナ特性、例えば所望の指向性や帯域を満
足することが困難である。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のループアンテナ
は以上のように構成されているので、図９の構成では導
体棒をループ状に正確に曲げることは困難であり、その
導体棒を金具で支えるため、寸法形状が大きくなるとの
課題があった。また、積層した複数のプリント基板の１
つにループアンテナを形成する図１０の構成では、アン
テナ利得以外の特性を満たすことが困難であるとの課題
があった。

【０００６】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、寸法形状を小型化することがで
き、また、所望のアンテナ特性を満たすことができるプ
リントループアンテナを得ることを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の発明に係
るプリントループアンテナは、プリント基板上に形成し
た複数の導電性のループ状パターンを直列または並列に
接続して該ループ状パターンに給電する給電手段を備え
たものである。

【０００８】請求項２記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、ループ状パターンと同一層に設けた給電線
を給電手段としたものである。

【０００９】請求項３記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、ループ状パターンを形成したプリント基板
を貫通し該プリント基板の背面より給電する給電体を給
電手段としたものである。

【００１０】請求項４記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、プリント基板上に形成した１つ以上の導電
性のループ状パターンの中に装荷した１つ以上の受動素
子あるいは態動素子またはその双方を備えたものであ
る。

【００１１】請求項５記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、第１のプリント基板の同一層に形成したル
ープ状パターンおよび該ループ状パターンに対する給電
線と、前記第１のプリント基板の背面に積層する第２の
プリント基板上に形成した導体棒と、この第２のプリン
ト基板の背面に積層する第３のプリント基板上に形成し
た給電線とを備え、給電体は前記第２のプリント基板を
貫通して前記第１のプリント基板上の給電線と前記第３
のプリント基板上の給電線を接続するものである。

【００１２】請求項６記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、第１のプリント基板上に形成したループ状
パターンと、この第１のプリント基板の背面に積層する
第２のプリント基板上に形成したループ状パターンと、
この第２のプリント基板の背面に積層する第３のプリン
ト基板上に形成した給電線とを備え、給電体は前記第２
のプリント基板を貫通して前記給電線を前記第２のプリ
ント基板上のループ状パターンのみに給電するものであ
る。

【００１３】請求項７記載の発明に係るプリントループ
アンテナは、第１のプリント基板上に形成したループ状
パターンと、前記第１のプリント基板の背面に積層する
第２のプリント基板の同一層に形成したループ状パター
ンおよび該ループ状パターンに対する給電線と、前記第
２のプリント基板の背面に積層する第３のプリント基板
上に形成した導体棒と、この第３のプリント基板の背面
に積層する第４のプリント基板上に形成した給電線とを
備え、給電体は前記第３のプリント基板を貫通して前記
第２のプリント基板上の給電線と前記第４のプリント基
板上の給電線を接続するものである。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。

【００１５】実施の形態１．図１はこの発明の実施の形
態１によるプリントループアンテナを示す斜視図であ
り、プリント基板１上にループアンテナとしてのループ
状パターン２ａ，２ｂを形成し、このループ状パターン
２ａ，２ｂを同一層に形成した給電手段としての給電線
３ａ，３ｂを介して直列に接続し、給電点４ａ，４ｂか
らループ状パターン２ａ，２ｂに電流を給電する構成で
ある。

【００１６】図２は積層すべき第１のプリント基板１ａ
上にループアンテナとしてのループ状パターン２ａ，２
ｂを形成し、第１のプリント基板１ａの背面に積層する
第２のプリント基板１ｂ上に形成した給電線３ａをスル
ーホール５ａと５ｂ，５ｃと５ｄを介して第１のプリン
ト基板１ａ上に形成した給電線３ｃ，３ｄと接続し、同
様に第２のプリント基板１ｂ上に形成した給電線３ｂを
スルーホール５ｅと５ｆ，５ｇと５ｈを介して第１のプ
リント基板１ａ上に形成した給電線３ｅ，３ｆと接続
し、これらの給電線を介してループ状パターン２ａ，２
ｂを並列に接続し、第２のプリント基板１ｂの給電点４
ａ，４ｂからループ状パターン２ａ，２ｂに電流を給電
する構成である。

【００１７】以上のように、実施の形態１によれば、図
１、図２のような構成にすることにより、任意形状のル
ープアンテナを正確かつ容易に作成することができると
ともに、寸法形状を小型化することが可能である。

【００１８】なお、上記実施の形態１では２つの四角形
のループ状パターン２ａ，２ｂについて説明したが、ル
ープ状パターンは円形や三角形等の任意の形状であって
もよく、このループ状パターンは１つあるいは複数個設
けてもよい。また、プリント基板１（１ａ，１ｂ）の種
類はフレキシブルプリント基板等でもよく、プリント基
板間の接続には給電手段としてスルーホールの他にピン
等で接続してもよい。

【００１９】実施の形態２．図３は、プリント基板１上
にループアンテナとしてループ状パターン２ａ，２ｂを
形成し、このループ状パターン２ａ，２ｂを同一層に形
成した給電線３ａ，３ｂを介して直列に接続し、同一層
に形成した給電手段としての給電線３ｃ，３ｄからルー
プ状パターン２ａ，２ｂに電流を給電する構成である。

【００２０】図４は積層すべき第１のプリント基板１ａ
上にループアンテナとしてのループ状パターン２ａ，２
ｂを形成し、このループ状パターン２ａ，２ｂを同一層
に形成した給電線３ａ，３ｂを介して直列に接続し、ス
ルーホール５ａと５ｂ，５ｃと５ｄを介して第１のプリ
ント基板１ａの背面に積層する第２のプリント基板１ｂ
上に形成した給電線３ｃ，３ｄに接続し、この給電線３
ｃ，３ｄからループ状パターン２ａ，２ｂに電流を給電
する構成である。

【００２１】図５は積層すべき第１のプリント基板１ａ
上にループアンテナとしてのループ状パターン２ａ，２
ｂを形成し、このパターン２ａ，２ｂを１つのループと
みなし、この第１のプリント基板１ａの背面に積層する
第２のプリント基板１ｂ上に形成した給電線３ａ，３ｂ
をスルーホール５ａと５ｂ，５ｃと５ｄを介して、第１
のプリント基板１ａ上に形成した給電線３ｃ，３ｄと接
続し、これらの給電線を介して１つのループとみなしル
ープ状パターン２ａ，２ｂに電流を２点給電する構成で
ある。

【００２２】以上のように、実施の形態２によれば、図
３、図４のような構成にすることにより、同じプリント
基板または別のプリント基板上に形成した給電回路との
接続が容易になり、寸法形状を小型化することが可能で
ある。また、図５のようにループ状パターンに複数の給
電点から給電することにより、ループ状パターン上の電
流分布を制御することができ、所望のアンテナ特性を得
ることが可能である。

【００２３】なお、上記実施の形態２では、ループ状パ
ターンに２点給電することについて説明したが、ループ
状パターンへの給電は１点給電あるいは多点給電でもよ
い。

【００２４】実施の形態３．図６は、プリント基板１上
にループアンテナとしてのループ状パターン２ａ，２ｂ
を形成し、このループ状パターン２ａ，２ｂの中にチッ
プ形抵抗６を装荷し、同一層に形成した給電線３ａ，３
ｂを介してループ状パターン２ａ，２ｂを直列に接続
し、給電点４ａ，４ｂからループ状パターン２ａ，２ｂ
に電流を給電する構成である。

【００２５】以上のように、実施の形態３によれば、ル
ープ状パターン２ａ，２ｂの中にチップ形抵抗６を装荷
することにより、ループ状パターン２ａ，２ｂ上の電流
分布を制御することができ、所望のアンテナ特性を得る
ことが可能である。

【００２６】なお、上記の実施の形態３ではチップ形抵
抗６について説明したが、チップ形コンデンサ等の受動
素子やストリップライン等で作成した受動素子と同等の
性能のものを装荷してもよく、またトランジスタ等の能
動素子を装荷してもよい。

【００２７】実施の形態４．図７は第１のプリント基板
１ａ上にループアンテナとしてのループ状パターン２
ａ，２ｂを形成し、このループ状パターン２ａ，２ｂを
同一層に形成した給電線３ａ，３ｂを介して直列に接続
し、導体棒７を残した第２のプリント基板１ｂを第１の
プリント基板１ａと第３のプリント基板１ｃとの間に挟
み、スルーホール５ａと５ｂと５ｃ，５ｄと５ｅと５ｆ
を介して第１のプリント基板１ａ上の給電線３ａ，３ｂ
を第３のプリント基板１ｃ上に形成した給電線３ｃ，３
ｄに接続し、この給電線３ｃ，３ｄからループ状パター
ン２ａ，２ｂに電流を給電する構成である。

【００２８】図８は第１のプリント基板１ａ上にループ
アンテナとしてループ状パターン２ａを形成し、第１の
プリント基板１ａの背面に積層する第２のプリント基板
１ｂ上に形成したループアンテナとしてのループ状パタ
ーン２ｂをスルーホール５ａと５ｂ，５ｃと５ｄを介し
て、第２のプリント基板１ｂの背面に積層する第３のプ
リント基板１ｃ上に形成した給電線３ａ，３ｂに接続
し、この給電線３ａ，３ｂからループ状パターン２ｂの
みに電流を給電する構成である。

【００２９】以上のように、実施の形態４によれば、図
７のようにループ状パターンを形成した第１のプリント
基板１ａの背面に導体棒７を残した第２のプリント基板
１ｂを設けることにより、この第２のプリント基板１ｂ
を反射板として用いることができ、所望のアンテナ特性
を得ることが可能である。また、図８のように給電した
ループ状パターン２ｂの上に給電しないループ状パター
ン２ａを設けることにより、導波器として用いることが
でき、所望のアンテナ特性を得ることができる。

【００３０】なお、上記実施の形態４では図７と図８を
別々に扱って説明したが、導体棒７を残したプリント基
板１ｂと給電しないループ状パターン２ａの間に給電し
たループ状パターン２ｂを挟んだ構成にしてもよい。

【００３１】

【発明の効果】以上のように、請求項１記載の発明によ
れば、プリント基板上に形成した複数の導電性のループ
状パターンを直列または並列に接続するように構成した
ので、任意形状のループアンテナを正確かつ容易に形成
することができるとともに、寸法を小型化できるという
効果がある。

【００３２】請求項２記載の発明によれば、ループ状パ
ターンに同一層に設けられた給電線から給電するように
構成したので、超薄型に構成できる効果がある。

【００３３】請求項３記載の発明によれば、ループ状パ
ターンを形成したプリント基板を貫通した給電体を介し
て該プリント基板の背面より給電するように構成したの
で、給電を容易に行うことができる効果がある。

【００３４】請求項４記載の発明によれば、プリント基
板上に形成した１つ以上の導電性のループ状パターンの
中に１つ以上の受動素子あるいは能動素子またはその双
方を装荷して構成したので、所望のアンテナ特性を容易
に得ることができる効果がある。

【００３５】請求項５記載の発明によれば、ループ状パ
ターンおよび該ループ状パターンに対する給電線を形成
したプリント基板の背面に導体棒を形成してプリント基
板を配設して構成したので、この導体棒を反射板として
用いることができ、所望のアンテナ特性を得ることがで
きる効果がある。

【００３６】請求項６記載の発明によれば、ループ状パ
ターンを形成したプリント基板の表面に給電しないルー
プ状パターンを形成したプリント基板を配設して構成し
たので、この給電しないループ状パターンを導波器とし
て用いることができ、所望のアンテナ特性を得ることが
できる効果がある。

【００３７】請求項７記載の発明によれば、ループ状パ
ターンを形成したプリント基板の一面に導体棒を形成し
たプリント基板を、他面に給電しないループ状パターン
を形成したプリント基板を配設して構成したので、導体
棒を反射板として、給電しないループ状パターンを導波
器として用いることができ、所望のアンテナ特性を容易
に得ることができる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の実施の形態１によるプリントルー
プアンテナを示す斜視図である。

【図２】 この発明の実施の形態１によるプリントルー
プアンテナの他の例を示す斜視図である。

【図３】 この発明の実施の形態２によるプリントルー
プアンテナを示す斜視図である。

【図４】 この発明の実施の形態２によるプリントルー
プアンテナの他の例を示す斜視図である。

【図５】 この発明の実施の形態２によるプリントルー
プアンテナの他の例を示す斜視図である。

【図６】 この発明の実施の形態３によるプリントルー
プアンテナを示す斜視図である。

【図７】 この発明の実施の形態４によるプリントルー
プアンテナを示す斜視図である。

【図８】 この発明の実施の形態４によるプリントルー
プアンテナの他の例を示す斜視図である。

【図９】 従来のループアンテナを示す斜視図である。

【図１０】 従来のプリントループアンテナを示す斜視
図である。

【符号の説明】

１，１ａ〜１ｃ プリント基板、２ａ，２ｂ ループ状
パターン、３ａ〜３ｅ給電線（給電手段）、４ａ，４ｂ
給電点（給電手段、給電体）、５ａ〜５ｈスルーホー
ル（給電手段、給電体）、６ チップ形抵抗（受動素
子）、７ 導体棒。

Claims (7)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 プリント基板上に形成した複数の導電性
   のループ状パターンと、このループ状パターンを直列ま
   たは並列に接続して該ループ状パターンに給電する給電
   手段とを備えたプリントループアンテナ。
2. 【請求項２】 給電手段は、ループ状パターンと同一層
   に設けた給電線であることを特徴とする請求項１記載の
   プリントループアンテナ。
3. 【請求項３】 給電手段は、ループ状パターンを形成し
   たプリント基板を貫通し該プリント基板の背面より給電
   する給電体であることを特徴とする請求項１記載のプリ
   ントループアンテナ。
4. 【請求項４】 プリント基板上に形成した１つ以上の導
   電性のループ状パターンと、このループ状パターンの中
   に装荷した１つ以上の受動素子あるいは能動素子または
   その双方を備えたプリントループアンテナ。
5. 【請求項５】 第１のプリント基板の同一層に形成した
   ループ状パターンおよび該ループ状パターンに対する給
   電線と、前記第１のプリント基板の背面に積層する第２
   のプリント基板上に形成した導体棒と、この第２のプリ
   ント基板の背面に積層する第３のプリント基板上に形成
   した給電線と、前記第２のプリント基板を貫通して前記
   第１のプリント基板上の給電線と前記第３のプリント基
   板上の給電線を接続する給電体とを備えたプリントルー
   プアンテナ。
6. 【請求項６】 第１のプリント基板上に形成したループ
   状パターンと、この第１のプリント基板の背面に積層す
   る第２のプリント基板上に形成したループ状パターン
   と、この第２のプリント基板の背面に積層する第３のプ
   リント基板上に形成した給電線と、前記第２のプリント
   基板を貫通して前記給電線を該第２のプリント基板上の
   ループ状パターンのみに給電する給電体とを備えたプリ
   ントループアンテナ。
7. 【請求項７】 第１のプリント基板上に形成したループ
   状パターンと、前記第１のプリント基板の背面に積層す
   る第２のプリント基板の同一層に形成したループ状パタ
   ーンおよび該ループ状パターンに対する給電線と、前記
   第２のプリント基板の背面に積層する第３のプリント基
   板上に形成した導体棒と、この第３のプリント基板の背
   面に積層する第４のプリント基板上に形成した給電線
   と、前記第３のプリント基板を貫通して前記第２のプリ
   ント基板上の給電線と前記第４のプリント基板上の給電
   線を接続する給電体とを備えたプリントループアンテ
   ナ。