JPH10226955A - 洗濯収縮性の改善された難燃性織物およびその製造法 - Google Patents

洗濯収縮性の改善された難燃性織物およびその製造法

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JPH10226955A
JPH10226955A JP9028813A JP2881397A JPH10226955A JP H10226955 A JPH10226955 A JP H10226955A JP 9028813 A JP9028813 A JP 9028813A JP 2881397 A JP2881397 A JP 2881397A JP H10226955 A JPH10226955 A JP H10226955A
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JP
Japan
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weight
washing
wool
woven fabric
flame
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JP9028813A
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English (en)
Inventor
Akio Yoshida
明夫 吉田
Yuji Kubo
勇治 久保
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難燃性およびウールの風合いを持ちながら、
繰り返し水洗い洗濯による収縮率の低いウール織物を提
供する。 【解決手段】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
0重量%含有するハロゲン含有繊維30〜70重量%と
ウール70〜30重量%の合計100重量%で構成さ
れ、全織物重量中に3重量%以上の難燃剤を含有する混
紡織物を、その仕上時に、幅出し、オーバーフィードを
しながら、140〜160℃で熱セットして機械的防縮
加工を施すことで、40℃水洗い20回後の洗濯収縮率
を3%以下とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウール混紡で40
℃水洗いの繰り返し洗濯時の耐収縮性に優れ、且つ、洗
濯後も難燃性を有する難燃性織物およびその製造法に関
する。
【0002】
【従来の技術】ウール織物は、素材そのものが多少の難
燃性を有しており、また、高度の難燃性が必要な場合は
ジルコニウムを用いたザブロ加工処理した織物が使用さ
れている。しかしながら、ウールを洗濯する場合、水洗
いでは洗濯収縮率が大きいため、ドライクリーニングで
しか洗濯できないのが現状である。
【0003】ウールが水洗い洗濯で縮むのは、ウールの
スケールの隙間から水が進入し、ウールが膨潤してスケ
ールが開き異方性摩擦効果で、ウール同志が互いに絡み
を強くして収縮するのである。したがって、水洗いによ
る収縮を防ぐには、スケールを除去するか、あるいは表
面を樹脂等で覆って滑らかにすることが必要であり、従
来においては、下記のような方法によって、水洗い洗濯
時の収縮を防止する方法が実施されている。
【0004】すなわち、従来、ウールの水洗い洗濯時の
収縮を防ぐ方法としては、クロイ法に代表されるよう
に、原綿、あるいはトップ状態でウールの持つスケール
の先端の突出部を除去したうえで樹脂で被覆する方法
と、BAP法に代表されるように、最終反物状態で樹脂
でスケールを覆う方法がある。前者の方法は、主として
ニットに用いられるが、織物の場合には滑脱抵抗が低下
する為にあまり用いられず、また、コスト面でも高くつ
く。一方、後者の方法は、防縮効果が前者の方法に比べ
ると低いことに加えて、洗濯する度に防縮効果が低下し
やすいという欠点を有する。このように、従来において
は、ウール100%の織物で、繰り返し水洗い洗濯に耐
えるものは無く、ウールの洗濯はドライクリーニングで
実施されているが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、難
燃性およびウールの風合いを持ちながら、繰り返し水洗
い洗濯による収縮率の低いウール織物を提供せんとする
ものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】合成繊維の一種であるハ
ロゲン含有繊維からなる織物は、水洗い洗濯で縮むとい
うことは殆どない。したがって、ウールとハロゲン含有
繊維を組み合わせた織物は、ウール100%繊維で構成
される織物と比べて、当然に水洗い洗濯収縮に優れる。
しかし、ウールが存在する分だけ水洗い洗濯で収縮しや
すく、それを防止することが必要である。この点につき
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、ハロゲン繊維とウ
ールとで構成される織物に、機械的防縮加工を施すこと
により、水洗い洗濯収縮率を低くすることができた。
【0007】前記機械的防縮加工とは、具体的には、ハ
ロゲン含有繊維とウールとの混紡織物を仕上する時に、
幅出し、オーバーフィードをしながら、140〜160
℃、望ましくは約155℃で熱セットすることであり、
これにより、水洗い洗濯収縮率を低くすることができ
る。
【0008】
【発明の実施の形態】オーバーフィードは、乾操、樹脂
のキュアー工程で実施され、主としてピンテンター乾燥
機、グッリップテンター乾燥機が使用される。この場合
のオーバーフィード量としては、反物の耳に皺が発生し
ない程度までであり、概ね3〜10%の範囲である。ま
た、幅出の程度は、生機幅の95〜99%、望ましくは
98%のテンター幅設定で実施する。
【0009】本発明におけるハロゲン含有繊維には、モ
ダクリル繊維およびポリクラール繊維が含まれる。この
ハロゲン含有繊維には、難燃剤が含有されている。本発
明に係る織物中には、特定量以上の難燃剤が含有されて
いることが必要であるが、その難燃剤の量は、形成され
た織物中に全織物重量に対し3重量%以上である。した
がって、織物中にハロゲン含有繊維が50重量%を占め
る場合、ハロゲン含有繊維中には、難燃剤が6重量%以
上含有されていることが必要となる。
【0010】本発明において、前記ハロゲン含有繊維
は、アクリロニトリル40〜70重量%、ハロゲン含有
ビニル系単量体60〜30重量%およびスルホン酸基を
含有する単量体0〜10重量%好ましくは0〜3重量%
よりなる共重合体で構成されることが好適である。前記
アクリロニトリルが40重量%未満では織物の耐熱性が
十分でなく、アクリロニトリルが70重量%を超えると
難燃性に十分の効果が得られない。また、前記ハロゲン
含有ビニル系単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリ
デン、臭化ビニルなどが挙げられ、これらの1種または
2種以上が用いられる。ハロゲン含有ビニル系単量体が
30重量%未満では難燃性に十分な効果が得られず、ハ
ロゲン含有ビニル系単量体が60重量%を超えると織物
の耐熱性が十分でない。さらに、前記スルホン酸基を含
有する単量体としては、メタクリルスルホン酸、アリル
スルホン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド
−2−メチルプロパンスルホン酸、および、それらの塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩な
ど)が挙げられる。このスルホン酸基を含有する単量体
は必要に応じて使用されるが、重合体中に10重量%を
超えると紡糸性が低下する。
【0011】前記のように、本発明においては、織物中
に難燃剤が3重量%以上含有されていることが必要であ
るが、この難燃剤としては、酸化アンチモンが好適であ
る。酸化アンチモンとしては3酸化アンチモン、5酸化
アンチモンなどが挙げられる。これらの酸化アンチモン
が織物中で3重量%未満では難燃性への効果が十分でな
い。織物全重量中に酸化アンチモンを3重量%以上含有
させるためには、ハロゲン含有繊維中に、繊維を構成す
る重合体に対して6〜50重量%の酸化アンチモンを予
め含有させておくことが望ましい。6重量%未満では難
燃性が十分ではなく、50重量%を超えると製造工程で
の問題(例えばノズルの閉塞、昇圧)や、物性の著しい
低下が生じてくる。上記のように難燃剤としては3酸化
アンチモンが好適であるが、もちろん3酸化アンチモン
と3酸化アンチモン以外の難燃剤を併用しても差し支え
ない。3酸化アンチモン以外の難燃剤としては、有機臭
素系化合物、錫、ジルコニウム、アルミニウムなどの酸
化物または水酸化物などが挙げられる。
【0012】本発明の難燃性織物を製造するに当たって
は、一般的な織物の製造方法を用いることができ、ハロ
ゲン含有繊維とウールとの混紡糸による織物、あるいは
ハロゲン含有繊維単独の糸とウール単独糸との交織によ
る方法などが可能であるが、本発明の、40℃水洗い2
0回洗濯後の洗濯収縮率が3%以下であり、かつ前記洗
濯後も難燃性が低下しない難燃性織物を得るには、混紡
糸による混紡織物がより好ましい。
【0013】
【実施例】以下、実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。なお、実
施例の記載に先立ち、本明細書における特性値の測定法
を以下に示す。
【0014】難燃性 下記表1に示す、衣料、特に作業服分野で実施されてい
る各国の試験で評価した。
【0015】
【表1】
【0016】引張強力 JIS L1096のA法(ストリップ法)に基づき、
幅5cmの試験片を、つかみ間隔20cm、引張速度2
0cm/min.で引張り、切断時の引張り強さ(kg
f)を経、緯方向にそれぞれ測定した。
【0017】引裂強力 JIS L1096のペンジュラム法に基づき、経、緯
方向における引き裂くときに示す最大荷重(kgf)を
測定した。
【0018】滑脱抵抗 JIS L1096の縫い目の滑脱抵抗B法(12k
g)で測定した。
【0019】洗濯収縮率 AATCC 135 3-III-B (米国)(洗濯温度;4
0℃、乾燥方法;ライン、洗濯回数;20回)により実
施した。
【0020】洗濯堅牢度 JIS L0844 A−3(60℃)に基づき実施し
た(級判定)。
【0021】耐光性 JIS L0842 フェード耐光試験に基づき実施し
た(級判定)。
【0022】摩耗堅牢度 JIS L0849 II型 学振型に基づき実施した
(級判定)。
【0023】(実施例および比較例)アクリロニトリル
52.5重量%、塩化ビニリデン46.3重量%、スチ
レンスルホン酸ソーダ1.2重量%を使用して重合を行
い、続いてアセトンに溶解し、3酸化アンチモン(Sb
2 3 )25重量%を添加して紡糸した。得られた単糸
デニール3dのトウを89〜127mm(バイアス)に
カットした後、このものを50重量%とウール(64ウ
ール)50重量%とを混紡したものを通常の梳毛紡績で
紡績および撚糸後、2/48(M.C)の紡績糸を作成
した。この紡績糸を経糸、緯糸に使用して表2に示す規
格の織物を作成した。
【0024】
【表2】
【0025】その後、表3に示す加工条件で、精練、反
染(カチオン染料/酸性染料使用の2浴染)、樹脂加
工、キュアー、セミデカタイジング(蒸絨)を実施し、
実施例および比較例の織物を仕上げた。仕上がった実施
例と比較例の織物における洗濯収縮率を調べて表3に示
した。また、実施例の織物についての各種評価結果は表
4〜6に示す通りであった。
【0026】
【表3】
【0027】
【表4】
【0028】
【表5】
【0029】
【表6】
【0030】表3に示した洗濯収縮率の測定結果から明
らかなように、Sb化合物を主体とする難燃剤を含有す
るハロゲン繊維とウールとで構成され、仕上時にオーバ
ーフィードをしながら熱セットを施した実施例の織物
は、オーバーフィードせず熱セットした比較例の織物に
較べて経方向の洗濯収縮が大幅に改善されている。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、難燃性
およびウールの風合いを持ちながら、繰り返し水洗い洗
濯による収縮の少ないウール織物を提供することができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
    0重量%含有するハロゲン含有繊維30〜70重量%と
    ウール70〜30重量%の合計100重量%で構成され
    る織物であって、全織物重量中に3重量%以上の難燃剤
    を含有してなり、40℃水洗い20回洗濯後の洗濯収縮
    率が3%以下であり、かつ前記洗濯後も難燃性が低下し
    ない難燃性織物。
  2. 【請求項2】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
    0重量%含有するハロゲン含有繊維30〜70重量%と
    ウール70〜30重量%の合計100重量%で構成さ
    れ、全織物重量中に3重量%以上の難燃剤を含有する織
    物に、機械的防縮加工を施し、前記織物における40℃
    水洗い20回後の洗濯収縮率を3%以下としてなる難燃
    性織物の製造法。
  3. 【請求項3】 前記機械的防縮加工が、前記ハロゲン含
    有繊維とウールとの混紡織物の仕上時に、幅出し、オー
    バーフィードをしながら、140〜160℃で熱セット
    することからなる請求項2記載の難燃性織物の製造法。
JP9028813A 1997-02-13 1997-02-13 洗濯収縮性の改善された難燃性織物およびその製造法 Pending JPH10226955A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1747257A2 (en) * 2003-12-31 2007-01-31 Akro Fireguard Products, Inc. Dimensionally stable fabric
JP2008208509A (ja) * 2007-01-29 2008-09-11 Japan Wool Textile Co Ltd 耐熱難燃作業服及びこれに使用する織物
CN106049078A (zh) * 2016-08-15 2016-10-26 浙江万方江森纺织科技有限公司 一种汽车座椅柔性面料的加工方法

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