JPH09324330A - 難燃性混紡糸およびそれを用いた強力の優れた難燃性織物 - Google Patents
難燃性混紡糸およびそれを用いた強力の優れた難燃性織物Info
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- JPH09324330A JPH09324330A JP8145564A JP14556496A JPH09324330A JP H09324330 A JPH09324330 A JP H09324330A JP 8145564 A JP8145564 A JP 8145564A JP 14556496 A JP14556496 A JP 14556496A JP H09324330 A JPH09324330 A JP H09324330A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 セルロース系繊維の吸湿性、触感といった特
徴を高度に維持しつつ、耐久性、および難燃性に優れた
織物を提供すること。 【解決手段】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
0重量%含有するハロゲン含有繊維40〜60重量%
と、コットン45〜15重量%と、ポリエステル繊維1
5〜25重量%からなる難燃性混紡糸からなり、難燃剤
を全織物重量中に3重量%以上含有してなり、目付が1
50〜350g/m2 である難燃性織物。
徴を高度に維持しつつ、耐久性、および難燃性に優れた
織物を提供すること。 【解決手段】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
0重量%含有するハロゲン含有繊維40〜60重量%
と、コットン45〜15重量%と、ポリエステル繊維1
5〜25重量%からなる難燃性混紡糸からなり、難燃剤
を全織物重量中に3重量%以上含有してなり、目付が1
50〜350g/m2 である難燃性織物。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セルロース系繊維
の有する吸湿性、触感といった特徴を維持しつつ、しか
も難燃性と強力に優れた難燃性混紡糸、およびそれを用
いてなる強力の優れた難燃性織物に関するものであり、
特に耐久性を必要とする作業服、ユニフォーム、難燃衣
料などの用途に好適である。
の有する吸湿性、触感といった特徴を維持しつつ、しか
も難燃性と強力に優れた難燃性混紡糸、およびそれを用
いてなる強力の優れた難燃性織物に関するものであり、
特に耐久性を必要とする作業服、ユニフォーム、難燃衣
料などの用途に好適である。
【0002】
【従来の技術】難燃性の作業服は、燃え広がらない、自
己消火するといった難燃性に優れているだけではなく、
着心地といった一般的な衣料としての特性、さらには、
作業服として重要な耐久性能(引張強力、引裂強力、耐
摩耗性)に対する要望も強い。難燃性の作業服として
は、従来より易燃性繊維であるコットンに防炎薬剤を塗
布するプロバン加工やピロバテックス加工のような、い
わゆる後加工により防炎処理されたものがあるが、防炎
薬剤の付着の不均一により難燃性が不十分であったり、
防炎薬剤の付着による布の硬化、洗濯による防炎薬剤の
脱離、安全性などの問題、さらには防縮加工による引
張、引裂強力の低下という問題がある。
己消火するといった難燃性に優れているだけではなく、
着心地といった一般的な衣料としての特性、さらには、
作業服として重要な耐久性能(引張強力、引裂強力、耐
摩耗性)に対する要望も強い。難燃性の作業服として
は、従来より易燃性繊維であるコットンに防炎薬剤を塗
布するプロバン加工やピロバテックス加工のような、い
わゆる後加工により防炎処理されたものがあるが、防炎
薬剤の付着の不均一により難燃性が不十分であったり、
防炎薬剤の付着による布の硬化、洗濯による防炎薬剤の
脱離、安全性などの問題、さらには防縮加工による引
張、引裂強力の低下という問題がある。
【0003】また、本来セルロース系繊維が有している
吸湿性や触感といった特徴を維持しつつ、難燃化する方
法も提案されている。例えば、特公平4−18050号
公報には、アンチモン化合物を含むハロゲン含有重合体
繊維とセルロース系繊維からなる複合体が開示されてい
る。この複合体では、難燃性や吸湿性、触感は改善され
ているが、難燃性の作業服として用いるには、耐久性
(引張強力、引裂強力、耐摩耗性)が十分であるとは言
い難い。
吸湿性や触感といった特徴を維持しつつ、難燃化する方
法も提案されている。例えば、特公平4−18050号
公報には、アンチモン化合物を含むハロゲン含有重合体
繊維とセルロース系繊維からなる複合体が開示されてい
る。この複合体では、難燃性や吸湿性、触感は改善され
ているが、難燃性の作業服として用いるには、耐久性
(引張強力、引裂強力、耐摩耗性)が十分であるとは言
い難い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、セルロース系繊維の吸湿性、触感といった特徴を高
度に維持しつつ、耐久性、および難燃性に優れた織物を
提供することにある。
は、セルロース系繊維の吸湿性、触感といった特徴を高
度に維持しつつ、耐久性、および難燃性に優れた織物を
提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の目的
を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、難燃剤を含
有するハロゲン含有繊維とセルロース系繊維との混紡糸
に、さらに第3の素材として高強力のポリエステル繊維
を複合した難燃性混紡糸、およびこの難燃性混紡糸から
なる特定の構成を有する織物が、吸湿性、触感といった
セルロース系繊維本来の特徴を失うことなく、作業服な
どの用途に要求される難燃性能と耐久性とを同時に満足
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
を達成するために、鋭意検討を重ねた結果、難燃剤を含
有するハロゲン含有繊維とセルロース系繊維との混紡糸
に、さらに第3の素材として高強力のポリエステル繊維
を複合した難燃性混紡糸、およびこの難燃性混紡糸から
なる特定の構成を有する織物が、吸湿性、触感といった
セルロース系繊維本来の特徴を失うことなく、作業服な
どの用途に要求される難燃性能と耐久性とを同時に満足
できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、Sb化合物を主体とす
る難燃剤を6〜50重量%含有するハロゲン含有繊維4
0〜60重量%と、セルロース系繊維45〜15重量%
と、ポリエステル繊維15〜25重量%からなる難燃性
混紡糸、ならびにこの混紡糸からなる織物である。前記
織物には、織物重量中に3重量%以上の難燃剤を含有す
ることが好ましい。また、前記織物の織組織としては、
平織、綾織、または朱子織が採用されるが、その目付は
150〜350g/m2 とすることが好ましい。
る難燃剤を6〜50重量%含有するハロゲン含有繊維4
0〜60重量%と、セルロース系繊維45〜15重量%
と、ポリエステル繊維15〜25重量%からなる難燃性
混紡糸、ならびにこの混紡糸からなる織物である。前記
織物には、織物重量中に3重量%以上の難燃剤を含有す
ることが好ましい。また、前記織物の織組織としては、
平織、綾織、または朱子織が採用されるが、その目付は
150〜350g/m2 とすることが好ましい。
【0007】前記のような本発明に係る織物は、作業服
などに要求される所望の難燃性を有し、かつ触感、風合
い、吸湿性などのセルロース系繊維本来の特徴を高度に
維持しつつ、耐久性(引張強力、引裂強力、耐摩耗性)
などの、作業服としての要求を満足しうるものである。
などに要求される所望の難燃性を有し、かつ触感、風合
い、吸湿性などのセルロース系繊維本来の特徴を高度に
維持しつつ、耐久性(引張強力、引裂強力、耐摩耗性)
などの、作業服としての要求を満足しうるものである。
【0008】
【発明の実施の形態】上記のように、本発明に係る難燃
性混紡糸は、Sb化合物を主体とする難燃剤6〜50重
量%を含有するハロゲン含有繊維40〜60重量%、セ
ルロース系繊維45〜15重量%、およびポリエステル
繊維15〜25重量%からなるものであるが、実際に
は、前記3種の繊維の混紡比率は、最終製品に要求され
る難燃性、触感、風合い、吸湿性、耐久性などの性能を
考慮しつつ、前記の範囲で適宜決定されるものである。
性混紡糸は、Sb化合物を主体とする難燃剤6〜50重
量%を含有するハロゲン含有繊維40〜60重量%、セ
ルロース系繊維45〜15重量%、およびポリエステル
繊維15〜25重量%からなるものであるが、実際に
は、前記3種の繊維の混紡比率は、最終製品に要求され
る難燃性、触感、風合い、吸湿性、耐久性などの性能を
考慮しつつ、前記の範囲で適宜決定されるものである。
【0009】本発明において、前記ハロゲン含有繊維と
は、モダクリル繊維およびポリクラール繊維が含まれ
る。本発明においては、このハロゲン含有繊維の重合体
としては、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲ
ン含有単量体70〜30重量%、およびその他の単量体
0〜5重量%よりなる共重合体、より好ましくは、アク
リロニトリル40〜70重量%、ハロゲン含有単量体6
0〜30重量%、およびスルホン酸基を含有する単量体
0〜3重量%よりなる共重合体で構成されることが好適
である。前記アクリロニトリルが40重量%未満では耐
熱性が十分でなく、また、アクリロニトリルが70重量
%を超えると難燃性に十分の効果が得られない。前記ハ
ロゲン含有単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニルなどが挙げられ、これらの1種または2
種以上が用いられる。ハロゲン含有単量体が30重量%
未満では難燃性に十分の効果が得られず、ハロゲン含有
単量体が60重量%を超えると耐熱性が十分でない。さ
らにスルホン酸基を含有する単量体としては、メタクリ
ルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、およびそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩など)などが挙げられる。このスル
ホン酸基を含有する単量体は必要に応じて使用される
が、3重量%を超えると紡糸性が低下する。
は、モダクリル繊維およびポリクラール繊維が含まれ
る。本発明においては、このハロゲン含有繊維の重合体
としては、アクリロニトリル30〜70重量%、ハロゲ
ン含有単量体70〜30重量%、およびその他の単量体
0〜5重量%よりなる共重合体、より好ましくは、アク
リロニトリル40〜70重量%、ハロゲン含有単量体6
0〜30重量%、およびスルホン酸基を含有する単量体
0〜3重量%よりなる共重合体で構成されることが好適
である。前記アクリロニトリルが40重量%未満では耐
熱性が十分でなく、また、アクリロニトリルが70重量
%を超えると難燃性に十分の効果が得られない。前記ハ
ロゲン含有単量体としては、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニルなどが挙げられ、これらの1種または2
種以上が用いられる。ハロゲン含有単量体が30重量%
未満では難燃性に十分の効果が得られず、ハロゲン含有
単量体が60重量%を超えると耐熱性が十分でない。さ
らにスルホン酸基を含有する単量体としては、メタクリ
ルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、およびそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム
塩、アンモニウム塩など)などが挙げられる。このスル
ホン酸基を含有する単量体は必要に応じて使用される
が、3重量%を超えると紡糸性が低下する。
【0010】また、本発明においては、織物中に、特定
量以上の難燃剤を含有することが必要である。ここで、
特定量以上の難燃剤とは、形成された織物に、全織物重
量に対し3重量%以上の難燃剤を含有することである。
したがって、織物中にハロゲン含有繊維が50重量%を
占める場合、ハロゲン含有繊維中には難燃剤が6重量%
以上含有されていることが必要であり、織物中にハロゲ
ン含有繊維が30重量%を占める場合、ハロゲン含有繊
維中には難燃剤が10重量%以上含有されていることが
必要となる。
量以上の難燃剤を含有することが必要である。ここで、
特定量以上の難燃剤とは、形成された織物に、全織物重
量に対し3重量%以上の難燃剤を含有することである。
したがって、織物中にハロゲン含有繊維が50重量%を
占める場合、ハロゲン含有繊維中には難燃剤が6重量%
以上含有されていることが必要であり、織物中にハロゲ
ン含有繊維が30重量%を占める場合、ハロゲン含有繊
維中には難燃剤が10重量%以上含有されていることが
必要となる。
【0011】前記難燃剤としてはSb化合物、特に酸化
アンチモンが好適である。酸化アンチモンとしては、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
これらの難燃剤が織物中で3重量%以下では難燃性への
効果が十分でない。織物全重量中に難燃剤を3重量%以
上含有させるためには、ハロゲン含有繊維中に、6〜5
0重量%の酸化アンチモンを予め含有させておくことが
望ましい。6重量%未満では難燃性が十分でなく、50
重量%を超えると製造工程での問題(例えばノズルの閉
塞、昇圧)や、物性の著しい低下が生じてくるからであ
る。
アンチモンが好適である。酸化アンチモンとしては、三
酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどが挙げられる。
これらの難燃剤が織物中で3重量%以下では難燃性への
効果が十分でない。織物全重量中に難燃剤を3重量%以
上含有させるためには、ハロゲン含有繊維中に、6〜5
0重量%の酸化アンチモンを予め含有させておくことが
望ましい。6重量%未満では難燃性が十分でなく、50
重量%を超えると製造工程での問題(例えばノズルの閉
塞、昇圧)や、物性の著しい低下が生じてくるからであ
る。
【0012】上記のように難燃剤としては酸化アンチモ
ンが好適であるが、もちろん酸化アンチモンと酸化アン
チモン以外の難燃剤を併用しても差し支えない。酸化ア
ンチモン以外の難燃剤としては、有機臭素系化合物、
錫、ジルコニウム、アルミニウムなどの酸化物または水
酸化物などが挙げられる。
ンが好適であるが、もちろん酸化アンチモンと酸化アン
チモン以外の難燃剤を併用しても差し支えない。酸化ア
ンチモン以外の難燃剤としては、有機臭素系化合物、
錫、ジルコニウム、アルミニウムなどの酸化物または水
酸化物などが挙げられる。
【0013】上記のようなハロゲン含有繊維の混率は、
40〜60重量%である。ハロゲン含有繊維が前記の範
囲未満では、必然的にセルロース系繊維及びポリエステ
ル繊維の混率が高くなるので高度な難燃性を維持するこ
とが困難であり、また、前記の範囲を超えると、セルロ
ース系繊維及びポリエステル繊維の混率が低くなり、セ
ルロース系繊維の吸湿性、触感といった特徴並びにポリ
エステル繊維の耐久性能を十分に発揮することが困難に
なる。
40〜60重量%である。ハロゲン含有繊維が前記の範
囲未満では、必然的にセルロース系繊維及びポリエステ
ル繊維の混率が高くなるので高度な難燃性を維持するこ
とが困難であり、また、前記の範囲を超えると、セルロ
ース系繊維及びポリエステル繊維の混率が低くなり、セ
ルロース系繊維の吸湿性、触感といった特徴並びにポリ
エステル繊維の耐久性能を十分に発揮することが困難に
なる。
【0014】本発明でセルロース系繊維としては、木
綿、レーヨンのようなものが挙げられる。通常、このセ
ルロース系繊維は、防縮、防シワを目的としてメラミン
などの架橋剤を用い樹脂加工を施すが、特に木綿は防
縮、防シワ度を向上させると、引張強力、引裂強力、屈
曲摩耗性などの物理的性質は逆比例的に低下するという
周知の問題がある。これは、架橋部位の増加によりセル
ロース分子鎖の柔軟性や平滑性が失われるためであり、
架橋を行う上で避けることのできない問題である。近
年、樹脂加工剤や、加工法の研究により強度低下を極力
少なくする検討がなされているが、有効な手段が得られ
ているとは言い難い。この点、本発明では、前記のよう
な樹脂加工などを施す必要がないため、上記のような問
題はない。
綿、レーヨンのようなものが挙げられる。通常、このセ
ルロース系繊維は、防縮、防シワを目的としてメラミン
などの架橋剤を用い樹脂加工を施すが、特に木綿は防
縮、防シワ度を向上させると、引張強力、引裂強力、屈
曲摩耗性などの物理的性質は逆比例的に低下するという
周知の問題がある。これは、架橋部位の増加によりセル
ロース分子鎖の柔軟性や平滑性が失われるためであり、
架橋を行う上で避けることのできない問題である。近
年、樹脂加工剤や、加工法の研究により強度低下を極力
少なくする検討がなされているが、有効な手段が得られ
ているとは言い難い。この点、本発明では、前記のよう
な樹脂加工などを施す必要がないため、上記のような問
題はない。
【0015】このセルロース系繊維の混紡比率は、45
〜15重量%である。セルロース系繊維が前記の範囲未
満では、その特徴を発揮するには量が不十分であり、ま
た、前記の範囲を超えると、難燃性が低下する。
〜15重量%である。セルロース系繊維が前記の範囲未
満では、その特徴を発揮するには量が不十分であり、ま
た、前記の範囲を超えると、難燃性が低下する。
【0016】また、ポリエステル繊維は、衣料用、産業
用として広く用いられるものであるが、本発明において
は、特に単繊維繊度が1.2〜2デニール(以下、
「d」と記す。)で、短繊維強度が6〜8g/dの高強
力タイプの耐久性、耐摩耗性に優れたものを使用するこ
とが、難燃性混紡糸の物性向上には効果的である。
用として広く用いられるものであるが、本発明において
は、特に単繊維繊度が1.2〜2デニール(以下、
「d」と記す。)で、短繊維強度が6〜8g/dの高強
力タイプの耐久性、耐摩耗性に優れたものを使用するこ
とが、難燃性混紡糸の物性向上には効果的である。
【0017】このポリエステル繊維の混紡比率は、耐久
性改善には15重量%以上混ぜることが好ましく、ま
た、25重量%を超えると難燃性が低下することから、
15〜25重量%の範囲に留めるのが適切である。
性改善には15重量%以上混ぜることが好ましく、ま
た、25重量%を超えると難燃性が低下することから、
15〜25重量%の範囲に留めるのが適切である。
【0018】本発明において、前記ハロゲン含有繊維と
セルロース系繊維とポリエステル繊維とを混紡してなる
難燃性混紡糸は、撚係数Kが3.8〜4.5の単糸もし
くはその単糸からなる双糸とする。そして、本発明の織
物は、前記難燃性混紡糸を、タテ糸、ヨコ糸の双方に使
用し、所定の織り密度、織り組織で製織することにより
得ることができる。
セルロース系繊維とポリエステル繊維とを混紡してなる
難燃性混紡糸は、撚係数Kが3.8〜4.5の単糸もし
くはその単糸からなる双糸とする。そして、本発明の織
物は、前記難燃性混紡糸を、タテ糸、ヨコ糸の双方に使
用し、所定の織り密度、織り組織で製織することにより
得ることができる。
【0019】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を詳述するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例の記載に先立ち、実施例中における特性値の
測定法を以下に示す。
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。な
お、実施例の記載に先立ち、実施例中における特性値の
測定法を以下に示す。
【0020】なお、一般に繊維の難燃性は、織物の状態
で測定されているが、織物では糸の撚係数、太さ、打込
み本数、組織などにより燃焼性に差を生じ、繊維自体の
難燃性を正しく評価し得ないために、本発明では、難燃
性に関しては、下記のような測定方法を採用した。
で測定されているが、織物では糸の撚係数、太さ、打込
み本数、組織などにより燃焼性に差を生じ、繊維自体の
難燃性を正しく評価し得ないために、本発明では、難燃
性に関しては、下記のような測定方法を採用した。
【0021】(1)難燃性 所定の割合で混綿した綿を2g取り、これを8等分して
約6cmのコヨリを8本作って酸素指数試験器のホルダ
ーに直立させ、この試料が5cm燃え続けるのに必要な
最少酸素濃度を測定し、これをLOI値とした。LOI
値が大きい程燃え難く、難燃性が高い。
約6cmのコヨリを8本作って酸素指数試験器のホルダ
ーに直立させ、この試料が5cm燃え続けるのに必要な
最少酸素濃度を測定し、これをLOI値とした。LOI
値が大きい程燃え難く、難燃性が高い。
【0022】(2)引張強力、引裂強力 引張強力は、JIS L 1096−1990のA法
(ストリップ法)に基づき、幅5cmの試験片を、つか
み間隔20cm、引張速度20cm/分で引っ張り、切
断時の強さ(Kgf)、および伸び(%)をタテ、ヨコ
方向についてそれぞれ測定した。引裂強力は、同様にA
−1法(シングルタング法)により、タテ、ヨコ方向に
おける引き裂く時に示す最大荷重(Kgf)を測定し
た。
(ストリップ法)に基づき、幅5cmの試験片を、つか
み間隔20cm、引張速度20cm/分で引っ張り、切
断時の強さ(Kgf)、および伸び(%)をタテ、ヨコ
方向についてそれぞれ測定した。引裂強力は、同様にA
−1法(シングルタング法)により、タテ、ヨコ方向に
おける引き裂く時に示す最大荷重(Kgf)を測定し
た。
【0023】(3)耐摩耗性 JIS L 1096−1990のA法(ユニバーサル
形法)に基づき、平面法、屈曲法(タテおよびヨコ方
向)、折目法(タテおよびヨコ方向)の3種の試験法に
ついて、試験片が切断または破壊した時の回数を測定し
た。
形法)に基づき、平面法、屈曲法(タテおよびヨコ方
向)、折目法(タテおよびヨコ方向)の3種の試験法に
ついて、試験片が切断または破壊した時の回数を測定し
た。
【0024】(実施例1〜5、比較例1〜4)アクリロ
ニトリル(AN)51重量%、塩化ビニル(VC)49
重量%を使用して重合を行い、表1に示す組成の樹脂を
得た。続いてこの樹脂をアセトンに溶解し、3酸化アン
チモン(Sb2 O3 )を樹脂に対し20重量%添加し、
紡糸原液(a)を得た。
ニトリル(AN)51重量%、塩化ビニル(VC)49
重量%を使用して重合を行い、表1に示す組成の樹脂を
得た。続いてこの樹脂をアセトンに溶解し、3酸化アン
チモン(Sb2 O3 )を樹脂に対し20重量%添加し、
紡糸原液(a)を得た。
【0025】
【表1】
【0026】この紡糸原液(a)を通常の湿式紡糸法で
紡糸し、得られた単糸繊度2デニールのトウを38mm
にカットした。このハロゲンSb含有モダクリル繊維
を、木綿およびポリエステル繊維(単糸繊度1.3デニ
ール、繊維長38mm)と表2に示す各種比率で混綿
し、通常の綿紡績および撚糸で38/2と26/2の紡
績糸を作製した。この紡績糸の難燃性(LOI値)評価
結果を表2に示す。この紡績糸をそれぞれタテ糸、ヨコ
糸の双方に使用し、表3に示す各種織物を作製した。得
られた織物(仕上げ染色品)の評価結果を表3に示す。
尚、評価法は、織物の風合い・触感を官能テストで行
い、良好なものを「○」、若干問題のあるものを「△」
とした。
紡糸し、得られた単糸繊度2デニールのトウを38mm
にカットした。このハロゲンSb含有モダクリル繊維
を、木綿およびポリエステル繊維(単糸繊度1.3デニ
ール、繊維長38mm)と表2に示す各種比率で混綿
し、通常の綿紡績および撚糸で38/2と26/2の紡
績糸を作製した。この紡績糸の難燃性(LOI値)評価
結果を表2に示す。この紡績糸をそれぞれタテ糸、ヨコ
糸の双方に使用し、表3に示す各種織物を作製した。得
られた織物(仕上げ染色品)の評価結果を表3に示す。
尚、評価法は、織物の風合い・触感を官能テストで行
い、良好なものを「○」、若干問題のあるものを「△」
とした。
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】(実施例6、7、比較例5)アクリロニト
リル(AN)51重量%、塩化ビニル(VC)49重量
%を重合し、表1に示す組成の樹脂を得た後、アセトン
に溶解し、3酸化アンチモン(Sb2 O3 )を樹脂に対
し10重量%添加し、紡糸原液(b)を得た。次に、前
記紡糸原液(b)から得られた単糸繊度1.5デニール
のトウを38mmにカットした。このハロゲンSb含有
モダクリル繊維を、木綿およびポリエステル繊維と表4
に示す各種比率で混綿し、通常の綿紡績および撚糸で2
4/2の紡績糸を作製した。この紡績糸の難燃性(LO
I値)評価結果を表4に示す。この紡績糸をタテ糸、ヨ
コ糸の双方に使用し、表5に示す3種類の織物を作製し
た。得られた織物(仕上げ染色品)の評価結果を表5に
示す。尚、評価法は、織物の風合い・触感を官能テスト
で行い、良好なものを「○」とした。
リル(AN)51重量%、塩化ビニル(VC)49重量
%を重合し、表1に示す組成の樹脂を得た後、アセトン
に溶解し、3酸化アンチモン(Sb2 O3 )を樹脂に対
し10重量%添加し、紡糸原液(b)を得た。次に、前
記紡糸原液(b)から得られた単糸繊度1.5デニール
のトウを38mmにカットした。このハロゲンSb含有
モダクリル繊維を、木綿およびポリエステル繊維と表4
に示す各種比率で混綿し、通常の綿紡績および撚糸で2
4/2の紡績糸を作製した。この紡績糸の難燃性(LO
I値)評価結果を表4に示す。この紡績糸をタテ糸、ヨ
コ糸の双方に使用し、表5に示す3種類の織物を作製し
た。得られた織物(仕上げ染色品)の評価結果を表5に
示す。尚、評価法は、織物の風合い・触感を官能テスト
で行い、良好なものを「○」とした。
【0030】
【表4】
【0031】
【表5】
【0032】表2、表4の結果から明らかなように、ハ
ロゲンSb含有モダクリル繊維と、木綿およびポリエス
テル繊維とを所定の割合で混紡した混紡糸は、高いLO
I値を示し難燃性が優れていることがわかる。また、こ
れらの実施例、比較例の織物を米国の燃焼試験基準FT
MS191A−5903に従い燃焼試験を行った結果、
実施例1〜7はすべて合格したが、比較例2、4は不合
格であった。このことからも、本発明に係る難燃性混紡
糸およびそれから得られる織物が難燃性に優れているこ
とが分かる。また、表3、表5の結果から、ポリエステ
ル繊維を15〜25重量%混紡した本発明の難燃混紡糸
は、強力、伸度が向上し、この混紡糸を用いることで、
織物の引張強力、引裂強力、および耐摩耗性が向上する
ことが分かる。この結果、本発明の効果が明らかとなっ
た。
ロゲンSb含有モダクリル繊維と、木綿およびポリエス
テル繊維とを所定の割合で混紡した混紡糸は、高いLO
I値を示し難燃性が優れていることがわかる。また、こ
れらの実施例、比較例の織物を米国の燃焼試験基準FT
MS191A−5903に従い燃焼試験を行った結果、
実施例1〜7はすべて合格したが、比較例2、4は不合
格であった。このことからも、本発明に係る難燃性混紡
糸およびそれから得られる織物が難燃性に優れているこ
とが分かる。また、表3、表5の結果から、ポリエステ
ル繊維を15〜25重量%混紡した本発明の難燃混紡糸
は、強力、伸度が向上し、この混紡糸を用いることで、
織物の引張強力、引裂強力、および耐摩耗性が向上する
ことが分かる。この結果、本発明の効果が明らかとなっ
た。
【0033】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明に係る難燃
性混紡糸およびそれから作成される織物は、セルロース
系繊維の吸湿性、触感といった特徴を高度に維持しつ
つ、優れた難燃性を有し、かつ強力、耐摩耗性、さらに
は衣服としての着心地にも優れているので、広範囲な職
種の難燃作業服として要望に応えることができるもので
ある。
性混紡糸およびそれから作成される織物は、セルロース
系繊維の吸湿性、触感といった特徴を高度に維持しつ
つ、優れた難燃性を有し、かつ強力、耐摩耗性、さらに
は衣服としての着心地にも優れているので、広範囲な職
種の難燃作業服として要望に応えることができるもので
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 Sb化合物を主体とする難燃剤を6〜5
0重量%含有するハロゲン含有繊維40〜60重量%
と、セルロース系繊維45〜15重量%と、ポリエステ
ル繊維15〜25重量%からなる難燃性混紡糸。 - 【請求項2】 ハロゲン含有繊維の重合体が、アクリロ
ニトリル30〜70重量%、ハロゲン含有単量体70〜
30重量%、その他の単量体0〜5重量%から構成され
る共重合体からなる請求項1記載の難燃性混紡糸。 - 【請求項3】 セルロース系繊維がコットンである請求
項1記載の難燃性混紡糸。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の難燃性
混紡糸からなり、難燃剤を全織物重量中に3重量%以上
含有してなる難燃性織物。 - 【請求項5】 目付が150〜350g/m2 である請
求項4記載の難燃性織物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145564A JPH09324330A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 難燃性混紡糸およびそれを用いた強力の優れた難燃性織物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8145564A JPH09324330A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 難燃性混紡糸およびそれを用いた強力の優れた難燃性織物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09324330A true JPH09324330A (ja) | 1997-12-16 |
Family
ID=15388058
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8145564A Pending JPH09324330A (ja) | 1996-06-07 | 1996-06-07 | 難燃性混紡糸およびそれを用いた強力の優れた難燃性織物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09324330A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006134931A1 (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-21 | Kaneka Corporation | 難燃性低反発ウレタンフォームマットレス |
JP2007105403A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-04-26 | Kaneka Corp | 難燃性不織布およびそれを用いた難燃性マットレス |
CN103388224A (zh) * | 2013-08-05 | 2013-11-13 | 上海婉静纺织科技有限公司 | 阻燃维纶与阻燃粘胶的混纺织物 |
-
1996
- 1996-06-07 JP JP8145564A patent/JPH09324330A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006134931A1 (ja) * | 2005-06-14 | 2006-12-21 | Kaneka Corporation | 難燃性低反発ウレタンフォームマットレス |
JP2007105403A (ja) * | 2005-10-17 | 2007-04-26 | Kaneka Corp | 難燃性不織布およびそれを用いた難燃性マットレス |
CN103388224A (zh) * | 2013-08-05 | 2013-11-13 | 上海婉静纺织科技有限公司 | 阻燃维纶与阻燃粘胶的混纺织物 |
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