JPH10226158A - 記録媒体およびインクジェット用記録シート - Google Patents

記録媒体およびインクジェット用記録シート

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JPH10226158A
JPH10226158A JP9339729A JP33972997A JPH10226158A JP H10226158 A JPH10226158 A JP H10226158A JP 9339729 A JP9339729 A JP 9339729A JP 33972997 A JP33972997 A JP 33972997A JP H10226158 A JPH10226158 A JP H10226158A
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JP
Japan
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compound
anion
recording medium
hydrotalcite
ink
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JP9339729A
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English (en)
Inventor
Takashi Tamura
村 堅 志 田
Hideki Hayashida
田 英 樹 林
Hiroyuki Takahashi
橋 宏 幸 高
Teruo Hosokawa
川 輝 夫 細
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Resonac Holdings Corp
Original Assignee
Showa Denko KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】インク吸収性および色素定着性が良好であり、
鮮明性、耐水性、透明性に優れた記録媒体を提供する。 【解決手段】層状構造を有する化合物を含む表面層を有
する記録媒体であって、該層状構造を有する化合物が、
層間に交換性アニオンを有し、かつ交換性アニオンの少
なくとも一部が1価アニオンであることを特徴とする記
録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は、記録媒体に関し、詳しく
は層状構造を有する特定の化合物(以後、層状化合物と
いう)を含有する表面層を有し、かつ滲みの少ない印刷
物を得ることが可能な記録材料に関する。
【0002】なお、本明細書において、「記録媒体」
は、被印刷材料全般をいい、染料、顔料等の色素を用い
た通常の印刷、およびインクジェット印刷などに供され
る材料のほかに、鉛筆、ボールペンなどの筆記に供され
る材料をも含む。
【0003】
【発明の技術的背景】インクジェット印刷方式は、種々
の作動原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙など
の記録シートに付着させ、画像、文字などの記録を行う
ものである。このようなインクジェット記録方式は、高
速であって、騒音が低く、多色化が容易であり、記録パ
ターンの融通性が大きく、現像−定着が不要であるなど
の特徴があり、漢字を含め各種図形およびカラー画像な
どの記録装置として種々の用途においって急速に普及し
ている。
【0004】インクジェットプリンタ自体が、ここ数年
間で急速に進歩し、720〜1440dpiという高解像
度のものが開発されている。また、インクジェット印刷
方式は、その使用目的の多様化にともない、印字される
記録媒体にも高い印字品質が要求されるようになってお
り、たとえば、(1)インクの吸収が早く、印字ドットが
精細でかつ色調が明るく鮮やかであること、(2)インク
の吸収が早く、印字ドット重なる場合においてもインク
が流れ出したり滲んだりしないこと、(3)印字後の印刷
面が耐水性に優れていることなどが要求されている。な
お、「耐水性」とは、印刷終了後、湿気に晒されたとき
に、滲んだり、ブリードや流れを生じない安定な受像特
性を意味する。
【0005】このようなインクジェット印刷用の記録材
料としては、上質紙およびボンド紙などに代表される普
通紙タイプと、上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィル
ム等の支持基材表面にインク受理層を設けた塗工タイプ
に大別される。
【0006】このようなインクジェット印刷方式に使用
されるインクは、通常、対イオンとしてカチオンを有
し、pHの変化により該カチオンが置換されて水溶性に
変化する。しかしながら、これらのインクは、通常の樹
脂基材上では、樹脂基材との親和性に乏しく、かつ転写
される色素の保持力が乏しいため、はじかれてしまった
り、インク過剰によって画像が潰れたり、または充分な
印字が行われずに印刷の抜けが生じてしまったりすると
いう欠点があった。
【0007】このような欠点を改良するため、基材表面
に、たとえばポリビニルアルコール、澱粉、ゼラチン、
ヒドロキシエチルセルロースまたはメチルセルロースな
どのセルロース誘導体、ポリ(メタ)アクリル酸および
その塩類などの水溶性高分子からなるインク受理層を設
けて、基材のインク吸収性を向上させる試みが提案され
ている。
【0008】また、特開昭61−135785号公報
(特公平4−15747号公報)には、Mg6Al2(OH)
16CO3・4H2OまたはMg4-5Al2(OH)16CO3・mH
2O (m=3〜3.5)で表されるハイドロタルサイト類化合
物を含有する記録媒体が提案されている。このようなハ
イドロタルサイト類化合物は、層状化合物として知られ
ており、層間にアニオン性色素を吸蔵させることによっ
て、基材のインク吸収性を向上させている。
【0009】ところで、ハイドロタルサイトは、層間に
2価のアニオンであるCO3 2-あるいは2価以上の多価
アニオンを有しており、これらの多価アニオンは、強固
に層間に固定されている。このため、このようなハイド
ロタルサイトでは、インクジェット印刷時に、アニオン
系色素を取り込む能力が乏しく、インクジェット印刷時
に滲みの原因となるなど欠点があった。
【0010】また、カラーインクジェット印刷用インク
でも、微粒子顔料が使用されるようになっており、イン
ク受理層表面の物理的形状の乱雑さや化学的性質のばら
つきが、顔料インクの吸収状態の均質性を妨げる場合も
あり、彩度が高く、均質な印刷を行うため、ハイドロタ
ルサイト粒子が微粒子状であり、かつ均一にバインダー
中に分散されていることが望まれていた。
【0011】そこで、本発明者らは、鋭意研究を重ねた
結果、ハイドロタルサイトおよび同様の構造を有するハ
イドロタルサイト類化合物(これらを併せてハイドロタ
ルサイト系化合物という)に代表される層状化合物であ
って、層間に交換性アニオンを有し、かつ該交換性アニ
オンの少なくとも一部が1価アニオンである層状化合物
が、インクに対して高い吸収性を有し、かつ色素を強固
に定着させる機能を兼ね備えていることを見い出し、こ
のような特性を利用して、微粒子状のハイドロタルサイ
ト系化合物を均一に基材上に塗布することにより、透明
性、画像鮮明性を高めることができることを見いだし、
本発明を完成するに至った。
【0012】
【発明の目的】本発明は、上記のような従来技術の問題
点を解決するためになされたものであって、インク吸収
性および色素定着性が良好であり、透明性、画像鮮明
性、耐水性に優れた記録媒体を提供することを目的とし
ている。
【0013】
【発明の概要】本発明に係る記録媒体は、層状構造を有
する化合物を含む表面層を有する記録媒体であって、該
層状構造を有する化合物が層間に交換性アニオンを有
し、かつ交換性アニオンの少なくとも一部が1価アニオ
ンであることを特徴としている。
【0014】前記1価アニオンの電荷は、交換性アニオ
ンの総電荷量の50%以上であることが好ましく、1価
アニオンは、OH-、F-、Cl-、Br-、NO3 -、I-
およびCH3COO-から選ばれる少なくとも1種のアニ
オンであることが好ましい。
【0015】また、前記層状構造を有する化合物は、ハ
イドロタルサイトまたはハイドロタルサイト類化合物で
あることが好ましく、このような層状構造を有する化合
物は、平均粒子径が1.0μm以下であることが好まし
い。
【0016】さらに、前記表面層中の層状構造を有する
化合物の含有量は1〜70重量%であることが好まし
く、このような表面層の厚さは3.0〜100μmの範
囲にあることが好ましい。
【0017】本発明に係るインクジェット用記録シート
は、上記の記録媒体からなる。
【0018】
【発明の具体的説明】以下、本発明に係る記録媒体につ
いて具体的に説明する。本発明に係る記録媒体は、基材
と、基材表面に設けられた層状構造を有する化合物(層
状化合物)を含む表面層とからなり、該層状構造を有す
る化合物が、層間に交換性アニオンを有し、かつ交換性
アニオンの少なくとも一部が1価アニオンであることを
特徴としている。
【0019】まず、本発明で使用する基材および層状化
合物について説明する。 [基材]基材としては、紙(上質紙)、塗工紙、合成
紙、和紙、不織布、合成樹脂フィルムなどを使用するこ
とができる。
【0020】合成樹脂フィルムとしては、一般的に、厚
み10〜300μmであり、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタ
レート、脂肪族ポリエステル、芳香族ポリエステルなど
のポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスチ
レン、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体、ポリアクリロニトリルなどのアクリロニトリル系樹
脂、エチレンープロピレン共重合体、エチレン−ブテン
共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体、スチレン−エ
チレン−ブテン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、エチレン−メタクリレート共重合体、ポリフェニレ
ンエーテル、ポリアセタール、ポリサルホン樹脂、ポリ
塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニリデンなどのハロゲン
含有樹脂、非晶性高分子などが挙げられる。これらの合
成樹脂フィルムのうち、特にポリエステル樹脂が、機械
的特性、作業性などの点から望ましい。上記合成樹脂フ
ィルムは、表面のインク受理層(表面層)との接着性を
向上させるために、電子線処理、γ線処理、コロナ処
理、アンカー処理を施してもよい。
【0021】[層状化合物]本発明で用いられる層状化
合物は、層間に交換性アニオンが存在する層状構造を有
し、かつ該交換性アニオンの少なくとも一部が1価アニ
オンである特定の化合物である。
【0022】前記1価アニオンの電荷は、層状化合物中
のアニオンの総電荷の50%以上、好ましくは70%以
上、さらに好ましくは85%以上であることが好まし
い。このような1価アニオンは、OH-、F-、Cl-
Br-、NO3 -、I-およびCH3COO-から選ばれる少
なくとも1種のアニオンであることが好ましい。
【0023】このような層状化合物として、特に、下記
一般式(1)および(2)で表されるハイドロタルサイ
ト系化合物が好ましい。 [M2+ 1-x3+ x(OH)2]x+ [A- x・mH2O]x- (1) [M3+ 2(OH)61+ y]y+ [A- y・nH2O]y- (2) 上記式中、M1+はLi、Na、K、Rb、Csなどの1価の
金属、M2+はMg、Ca、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn
などの2価金属、M3+はAl、Fe、Cr、Inなどの3価
金属、A-はOH、F、Cl、Br、I、NO3、CH3
OOで表される1価の交換性アニオンである。この交換
性アニオンは、一部がCO3またはSO4のような多価ア
ニオンで置換されていてもよい。また、x,y,mおよ
びnは、以下の関係式を満足する。
【0024】 0.1≦x≦0.4 0<y<2 0<m,0<n 上記一般式(1)中、M2+がMg、M3+がAlである化
合物は、通常ハイドロタルサイトと呼ばれる。このハイ
ドロタルサイトの層単位は、M2+をM3+で置換してプラ
スに荷電した基本層と、交換性アニオンと水分子を含む
マイナスに荷電した中間層とからなる。
【0025】また、上記ハイドロタルサイト以外の一般
式(1)および(2)で表される化合物はハイドロタル
サイト類と呼ばれている。上記ハイドロタルサイト類化
合物としては、具体的にスティヒタイト、パイロオーラ
イト、リーベサイト、タコヴァイト、オネサイト、アイ
オワイトなどが挙げられる。
【0026】これらのハイドロタルサイトおよびハイド
ロタルサイト類化合物は、構造破壊温度に違いがある以
外は、プラスに荷電したブルーサイト類似の水酸化物層
と、マイナスに荷電した中間層とからなる構造という点
で同じであり、ほぼ同様な性質を示すことが知られてい
る。なお、これらの化合物については、「スメクタイト
研究会会報」(第6巻第1号、p12〜26、199
6、5月)に詳しく説明されている。
【0027】このようなハイドロタルサイト系化合物
は、たとえばS.Miyata, Clays & ClayMinerals, 23 , 3
69-375 (1975)に記載された方法で調製することができ
る。ハイドロタルサイト系化合物の粒子径は、反応時
間、反応温度および出発原料の化学組成を制御すること
によって調整可能である。また、反応直後に沈殿物を分
離すれば、平均粒子径が1.0μm以下の微細な粒子を
得ることができる。
【0028】また、Mg6Al2(OH)16CO3・4H2
Oで表される多価アニオンを含む合成ハイドロタルサイ
ト系化合物の多価アニオン(CO3 2-)を1価アニオン
に交換することによって調製したものを、ハイドロタル
サイト系化合物として使用することもできる。
【0029】このようなハイドロタルサイト系化合物
は、インク吸収性および色素定着性に優れている。その
理由は明確ではないが、以下のように推察される。上記
ハイドロタルサイト系化合物は、基本層表面にOHが多
く存在するため、極性物質やイオン性分子などを容易に
中間層表面に吸着することが可能である。また中間層に
おけるアニオンとして、1価アニオンを有しているた
め、極性溶媒中に溶存したアニオン性色素と1価アニオ
ンとが容易にイオン交換されて、色素がハイドロタルサ
イト中間層領域に定着される。このようなハイドロタル
サイト表面への色素の吸着、および中間層領域へのイオ
ン交換による色素の定着によって、良好なインク吸収性
および色素定着性を発現されるものと推察される。ま
た、ハイドロタルサイト系化合物は、高い色素定着性を
有しているため、印刷終了後、湿気に晒されても、滲ん
だり、流れを生じることなく、耐水性に優れている。
【0030】本発明で使用される層状化合物は、平均粒
子径が1.0μm以下のものが好ましく、特に0.05μ
m以下のものが好ましい。平均粒子径が1.0μmを超
えるとOHPシートの透明性を低下させることがある。
【0031】このような層状化合物の平均粒子径は、公
知の方法で測定することができる。たとえば、溶媒中で
の沈降式粒度測定法、光散乱法によって平均粒子径を測
定することができる。また、透過型電子顕微鏡または走
査型電子顕微鏡などで直接粒子を観察し、個々の粒子の
幾何学的粒径を求め、個数基準による各フラクションの
頻度分布あるいは積算分布から求めることができる。
【0032】このようにして測定した平均粒子径は、測
定法によって多少異なるが、本発明では、上記のいずれ
の測定法により測定した平均粒子径が上記の範囲内にあ
ればよい。
【0033】[表面層の形成]本発明では、前記基材表
面に前記層状化合物を含有する表面層を形成する。この
とき、前記層状化合物を2種以上混合して使用してもよ
い。また、層状化合物として、中間層の交換性アニオン
が1価の層状化合物と、多価の層状化合物(たとえばMg
6Al2(OH)16CO3・4H2O、Mg6Cr2(OH)16CO3・4H2Oなど)と
の混合物を使用してもよい。
【0034】このような表面層は、通常、前記層状化合
物とバインダーとを含んでいる。バインダーとしては、
特に限定されないが、ポリエチレンオキサイド、ポリエ
チレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリプロピレ
ンオキサイド、ポリビニルピロリドン、スルホン化ポリ
スチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピリジ
ン、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸アミド、ポリメ
タクリル酸塩、ポリメタクリル酸アミド、ポリウレタ
ン、ポリN−ビニルアセトアミド、ポリN−ビニルアセ
トアミド−アクリル酸ナトリウム共重合体などのような
親溶媒性、好ましくは親水性ポリマーおよびこれらの誘
導体または架橋重合体、澱粉、ゼラチン、セルロースな
どの多糖類に水溶性または加水分解により水溶性になる
重合性モノマー、たとえばアクリル酸、アクリル酸塩、
アクリル酸エステル、アクリル酸アミド、メタクリル
酸、メタクリル酸塩、メタクリル酸エステル、メタクリ
ル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
マレイン酸、スルホン化スチレン、ポリビニルピリジン
などのオリゴマーとをグラフト重合させ、必要に応じて
加水分解し、得られた親水性ポリマーおよびそれらの誘
導体または架橋重合体などが挙げられる。
【0035】表面層中の層状化合物の量は、1〜70重
量%、好ましくは5〜60重量%である。層状化合物の
量が1重量%より少ないと、インクの吸収および色素の
定着が不充分になることがある。また、バインダー量が
30重量%より少ないと、表面層の平滑性が低下し、表
面層にひび割れが生じることがある。
【0036】バインダーとなる有機高分子に層状化合物
を均一に分散させる方法は、特に限定されるものではな
く、たとえば水あるいは有機溶媒に溶解あるいは分散し
た有機高分子の均一な溶液あるいはエマルジョンと層状
化合物とを均一に混合する方法、または層状化合物を溶
融させた有機高分子に添加して混練する方法などが挙げ
られる。溶融混練する方法では、単軸押出機、二軸押出
機、ブラベンダー、ニーダー、バンバリミキサーなどを
用いることが望ましい。
【0037】基材表面に表面層を形成する方法は、特に
限定されないが、樹脂材質に応じて適当な方法を採れば
よく、たとえば、層状化合物と樹脂成分とを含む溶液ま
たはエマルジョンを樹脂基材上に塗布し、溶媒を除去す
る方法、または、層状化合物を含む加熱溶融した樹脂を
基材上に塗布する熱ラミネート法等が好適である。層状
化合物を含む溶液またはエマルジョンの塗布方法として
は、バーコーター、ロールコーター、エアナイフコータ
ー、ブレードコーター、ロッドコーター等を用いる方法
が挙げられる。これらの方法では、基材をロール上に、
巻きとったものを使用するのが工程上好ましい。
【0038】樹脂基材上の表面層の厚みは、3.0〜1
00μm、好ましくは5〜50μmの範囲にあることが
望ましい。この範囲よりも薄くなると十分なインク吸収
性が保てなくなるので滲みや流れの原因になり、この範
囲よりも厚くなると透明性が低下したり、インクジェッ
トプリンターによる印刷過程において表面層にヒビ割れ
や剥がれが生じることがある。
【0039】基材面に表面層を設ける方法としては、上
記のように基材上に溶液を塗布する方法が最も一般的で
ある。しかしながら、本発明は基材の表面(印刷面)に
該化合物が存在すればよく、したがって特殊な場合とし
ては少なくとも表面を含む基材自体の中に該化合物を含
有させることもできる。
【0040】このような本発明に係る記録媒体は、イン
クを速やかに吸収することが可能であり、印字ドットが
重なる場合においてもインクが流れ出したり滲んだりせ
ず、印字後の印刷面が耐水性に優れている。このため、
本発明に係る記録媒体は、染料、顔料等の色素を用いた
通常の印刷に用いることができるが、特にインクジェッ
ト用の記録シートに好適である。
【0041】
【発明の効果】本発明の記録媒体は精細で鮮明なカラー
画像を作成でき、透明性にも優れ、かつ高い色素定着性
を向上させる効果があるので、湿気に晒されても耐水性
の優れた記録物が得られる。
【0042】本発明の記録媒体は染料、顔料等の色素を
用いた通常の印刷に用いることができるが特にインクジ
ェット印刷に有効である。
【0043】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、本発明は、
これらの実施例に限定されるものではない。
【0044】本実施例においては、色彩・解像度、耐水
性および透明性は、以下のようにして評価した。 [色彩・解像度評価]各記録シートにインクジェットプ
リンターを用いて、マゼンダ、シアン、イエロー、ブラ
ックの4色による印字を行い、以下の5段階評点による
相対的評価を行った。
【0045】色彩 5:画像の濃度が充分に濃く、鮮明である。 4:画像の濃度が濃い。
【0046】3:画像の濃度がやや薄い。 2:画像の濃度が薄い。 1:画像の濃度が非常に薄く、形状を保持していない。
【0047】解像度 5:ドット形状が非常にシャープである。 4:ドット形状がシャープである。
【0048】3:ドットの形状が一部崩れているが、実
用上問題ない。 2:ドットの形状を一部保持している。 1:ドットの形状を保持していない。
【0049】尚、相対的評価が3以上であれば、実用上
満足できるレベルである。 [耐水性評価]作成した記録シートに印字を行い、乾燥
後、水を滴下(10μl)し、さらに乾燥した後、滲み
の評価を行った。評価は、以下の5段階評点による相対
的評価を行った。
【0050】5:乾燥後も、画像が保たれたままであ
り、全く滲んでいない。 4:乾燥後、若干染料が滲む。 3:画像は残っているが、全体的に滲んでいる。
【0051】2:水の滴下後、滲みが大きく印字が確認
しにくい。 1:水の滴下直後からインクが再溶解して滲みが広が
り、水を滴下した領域全体が滲んで印字が確認できな
い。
【0052】[透明性評価]透明性は、作成した記録シ
ートを5cm×5cmに切り出し、(株)村上色彩技術研究
所製ヘイズメーター(HR−100型)によってAST
M D−1003に準じ、全透過光量Tt(%)とヘイ
ズ(%)を測定した。
【0053】
【実施例1】ハイドロタルサイトの合成 原料としてMgCl2、AlCl3、NaOHを用い、S.
Miyata, Clays & ClayMinerals, 23, 369-375 (1975)
に記載された方法にしたがって、ハイドロタルサイトの
合成を行った。このときのNaOHの滴下速度は50m
l/分、反応温度は5℃であった。
【0054】得られたハイドロタルサイトは、構造式
[Mg0.7Al0.3(OH)2Cl0.3・0.6H 2O]で表されるハ
イドロタルサイトであった。また得られたハイドロタル
サイトの粒子径は、透過型電子顕微鏡(日本電子製CX
−200)を用いて印加電圧120KVで観察し、その
長短径から平均粒子径を求めたところ、0.005〜1.
0μm程度の粒子径分布を有し、その平均粒子径は、
0.02μmであった。
【0055】塗工液の調製 上記のようにして合成したハイドロタルサイトを、蒸留
水/エタノール/イソプロピルアルコール混合溶媒(重
量比2/1/1)の入ったビーカーに浸漬し、約60℃
で攪拌しながら、ポリエチレンイミン(Aldrich製、分
子量750000)水溶液を添加した。さらに充分に攪拌を行
ない、総固形成分濃度が10重量%であり、ハイドロタ
ルサイト/ポリエチレンイミン比が0.1(重量比)で
ある均質な塗工液を調製した。
【0056】記録シートの作成 先ず、大日精化工業(株)製のイソシアネート系アンカ
ー剤セイカダイン3600を酢酸エチル/トルエン溶媒
中(混合重量比7/6)に約15重量%溶解させて厚み
100μmポリエステルシート上にバーコーターを用い
て厚さ1μmで塗布し60℃のオーブン中で数分間乾燥
した。次いで、その上に上記塗工液をバーコーターで塗
布し、室温にて乾燥した後、60℃のオーブン中で数分
間乾燥させて、厚さ30μmのハイドロタルサイト含有
層を形成して、透明な記録シートを作成した。
【0057】得られた記録シートについて、インクジェ
ットプリンターによる印刷を行い、上記のような方法
で、画質・色彩、耐水性および透明性の評価を行った。
結果を表1に示す。
【0058】
【実施例2】実施例1におけるポリエチレンイミンを、
ポリビニルアルコール(クラレ製、PVA117)とし、ハイ
ドロタルサイト/ポリビニルアルコールが、0.1(重
量比)になるように塗工液を調製したのち、実施例1と
同様に記録シートを作成し、同様の評価を行った。
【0059】結果を表1に示す。
【0060】
【実施例3】実施例1におけるポリエチレンイミンを、
ポリビニルピロリドン(Aldrich製、分子量10000)と
し、ハイドロタルサイト/ポリビニルピロリドンが、
0.1(重量比)になるように塗工液を調製したのち、
実施例1と同様に記録シートを作成し、同様の評価を行
った。
【0061】結果を表1に示す。
【0062】
【実施例4】実施例1のハイドロタルサイトを希薄Na2
SO4水溶液と混合し、層間の交換性アニオンCl-の一
部をSO4 2-と交換して、Cl-/SO4 2-=7/3(モ
ル比)にしたハイドロタルサイトを用いて実施例1と同
様に塗工液を調製したのち、実施例1と同様に記録シー
トを作成し、同様の評価を行った。
【0063】結果を表1に示す。
【0064】
【実施例5】実施例1におけるハイドロタルサイト/ポ
リエチレンイミン比が、0.05(重量比)になるよう
に塗工液を調製したのち、実施例1と同様に記録シート
を作成し、同様の評価を行った。
【0065】結果を表1に示す。
【0066】
【参考例】実施例1のハイドロタルサイトの代わりに、
構造式[Mg6Cr2(OH)16CO3・4H2O]で表される
ハイドロタルサイト類化合物を使用し、このハイドロタ
ルサイト類化合物を粉砕・水簸処理して、平均粒子径が
0.8μmのハイドロタルサイト類化合物粉末を得た。
【0067】ハイドロタルサイト類化合物/ポリエチレ
ンイミン比が、0.1(重量比)になるように塗工液を
調製したのち、実施例1と同様に記録シートを作成し、
同様の評価を行った。
【0068】結果を表1に示す。
【0069】
【比較例1】実施例1におけるハイドロタルサイトをM
g6Al2(OH)16CO3・4H2Oの組成をもつ合成ハイド
ロタルサイト(協和化学社製キョーワードKW−50
0)を用い、KW−500/ポリエチレンイミン比が
0.1になるように塗工液を調整したのち、実施例1と
同様に記録シートを作成し、同様の評価を行った。
【0070】結果を表1に示す。
【0071】
【比較例2】キャノン社製インクジェット専用OHPシ
ート(CF−102)を用いて実施例1と同様の評価を
行った。
【0072】結果を表1に示す。
【0073】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 細 川 輝 夫 神奈川県川崎市川崎区千鳥町3番2号 昭 和電工株式会社川崎樹脂研究所内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】層状構造を有する化合物を含む表面層を有
    する記録媒体であって、 該層状構造を有する化合物が、層間に交換性アニオンを
    有し、かつ交換性アニオンの少なくとも一部が1価アニ
    オンであることを特徴とする記録媒体。
  2. 【請求項2】前記1価アニオンの電荷が、交換性アニオ
    ンの総電荷の50%以上であることを特徴とする請求項
    1に記載の記録媒体。
  3. 【請求項3】前記1価アニオンが、OH-、F-、C
    -、Br-、NO3 -、I-およびCH3COO-から選ば
    れる少なくとも1種のアニオンであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の記録媒体。
  4. 【請求項4】前記層状構造を有する化合物が、ハイドロ
    タルサイトまたはハイドロタルサイト類化合物であるこ
    とを請求項1〜3のいずれかに記載の記録媒体。
  5. 【請求項5】前記層状構造を有する化合物の平均粒子径
    が、1.0μm以下であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載の記録媒体。
  6. 【請求項6】表面層中の層状構造を有する化合物の含有
    量が、1〜70重量%であることを特徴とする請求項1
    〜5のいずれかに記載の記録媒体。
  7. 【請求項7】表面層の厚さが、3.0〜100μmの範
    囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記
    載の記録媒体。
  8. 【請求項8】請求項1〜7のいずれかに記載の記録媒体
    からなるインクジェット用記録シート。
JP9339729A 1996-12-13 1997-12-10 記録媒体およびインクジェット用記録シート Pending JPH10226158A (ja)

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