JPH10225712A - 冷間抽伸加工における管のびびり検出方法およびびびり検出装置 - Google Patents

冷間抽伸加工における管のびびり検出方法およびびびり検出装置

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JPH10225712A
JPH10225712A JP3174197A JP3174197A JPH10225712A JP H10225712 A JPH10225712 A JP H10225712A JP 3174197 A JP3174197 A JP 3174197A JP 3174197 A JP3174197 A JP 3174197A JP H10225712 A JPH10225712 A JP H10225712A
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淳一 樋口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抽伸中の管材に発生して抽伸後の製品管に極め
て微小な寸法変動をもたらす小さなびびりを、オンライ
ンで、しかもリアルタイムに検出可能なびびり検出方法
と装置を提供する。 【解決手段】(1)抽伸機を構成するキャリッジ自体の
歪み量を連続的に測定し、この測定結果から求められる
歪み変化量(△ε)を周波数解析し、その周波数解析結
果に基づいて抽伸後の製品管に所定の許容範囲を超える
寸法変動をもたらす小さなびびりの発生有無を判定する
方法。 (2)キャリッジ(3)に貼り着けられたストレインゲ
ージからなる歪み測定手段(5)と、この歪み測定手段
(5)で測定されたキャリッジ(3)の歪み変化量(△
ε)を周波数解析する周波数解析手段(9)と、この周
波数解析手段による解析結果中の所定周波数成分域の振
幅が予め定めた閾値を超えるか否かにより、有害なびび
りの発生有無を判定する判定手段(10)とを具備する
びびり検出装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、冷間抽伸機による
金属管の抽伸加工の際に抽伸中の管に断続的に発生する
びびりを検出する方法と装置に係わり、特にフルフロー
ティングプラグ方式またはセミフローティングプラグ方
式の冷間抽伸機に適用して好適な管のびびり検出方法と
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】冷間抽伸機による金属管の抽伸加工時に
は、その加工のメカニズム上、抽伸中の管にびびりが不
可避的に発生する。このびびりが発生すると、抽伸後の
管寸法が軸長方向で変動するのみならず、びびりが著し
い場合には割れ疵などが発生する。
【0003】このため、従来から、上記のびびり発生を
検出するとともに、これを抑制する方法が種々提案され
ている。例えば、特開昭50−7764号公報や特開昭
53−54064号公報などに示される方法がある。
【0004】すなわち、上記前者の公報に示される方法
は、ダイスの孔内にプラグが引き込まれて位置変動しな
いようにプラグをマンドレルで支持する、いわゆるプラ
グ抽伸方式の上記マンドレルバーにストレインゲージを
貼着し、このストレインゲージで検出されるマンドレル
バーの歪み量に基づいてびびりを検出するようにした方
法である。
【0005】また、上記後者の公報に示される方法は、
ダイスタンドとダイスとの間にロードセルを介設してダ
イスに作用する抽伸加工荷重を連続的に計測し、その抽
伸加工荷重の変動に基づいて、びびり、具体的に割れ疵
の発生を検出するようにした方法である。
【0006】そして、上記両公報に示される方法は、い
ずれも、前述したように、ダイスの孔内にプラグが引き
込まれて位置変動しないようにプラグをマンドレルで支
持する、いわゆるプラグ抽伸方式を対象とした方法であ
る。
【0007】ところで、プラグを用いた金属管の冷間抽
伸方式には、上記のプラグ抽伸方式以外に、次に述べる
2つの方式がある。すなわち、抽伸加工中、プラグがダ
イスの孔内に引き込まれることがないように、ダイスの
孔形状に対する相対的な形状を特殊形状としたプラグを
用いるフルフローティングプラグ方式とセミフローティ
ングプラグ方式である。
【0008】上記のフルフローティングプラグ方式とセ
ミフローティングプラグ方式は、一般に、外径が20m
m前後で、長さが15m以上というような細径長尺の冷
間抽伸加工に多く採用される。その理由は、上記のプラ
グ抽伸方式では、マンドレルバーの強度確保が困難なた
めである。
【0009】一方、上記のフルフローティングプラグ方
式またはセミフローティングプラグ方式によって製造さ
れる細径長尺の金属管は、種々の用途に使用される。そ
のうち、例えば、原子力発電設備を構成する熱交換器内
に組み込まれる金属管には、極めて厳しい寸法精度が要
求される。
【0010】具体的に例示すると、その製品管に要求さ
れる管軸長方向への内径の変動許容範囲は、80μm以
下である。そして、このような製品管は、抽伸中の管に
微小なびびりが発生するだけで得られなくなる。なお、
上記の寸法検査は、通常、渦流法を用いて行われる。
【0011】従って、上記のような極めて厳しい寸法精
度が要求される細径長尺の金属管をフルフローティング
プラグ方式またはセミフローティングプラグ方式によっ
て製造する場合には、従来にも増してより正確緻密なび
びり検出が必要になる。
【0012】しかしながら、上記前者の公報に示される
方法は、プラグ抽伸方式に適用できてもフルフローティ
ングプラグ方式またはセミフローティングプラグ方式に
よる抽伸加工には適用できない。すなわち、フルフロー
ティングプラグ方式またはセミフローティングプラグ方
式による場合のプラグは、前述したようにその抽伸加工
中、ダイスの孔内に引き込まれることがない。このた
め、素管内へのプラグ挿入とダイスに対する初期位置設
定用としてプラグの基端に連結されるマンドレルバーに
は、その抽伸加工中、プラグに作用する実際の抽伸力よ
りも遥かに小さな抽伸力しか作用せず、この時のマンド
レルバーの歪み量を検出しても何らの意味もないからで
ある。
【0013】また、上記後者の公報に示される方法は、
ダイスタンドとダイスとの間に介設されたロードセルに
起因してダイスが傾動して位置変動する。このため、上
記のような高寸法精度の製品管は、到底得られない。ま
た、ロードセルは、その荷重検出精度が低く、80μm
というような寸法変動をもたらす有害なびびりの発生時
に生じるダイスの微小な荷重負荷変動を正確に検出でき
ないという欠点があった。
【0014】このため、従来はやむをえず作業員の感覚
に頼って上記の有害なびびり発生を判定することとして
いた。すなわち、その方法は、作業員が抽伸後の管表面
に発生する抽伸模様や抽伸中に発生する音の大きさなど
を直接見聞きして有害なびびりの発生有無を判定する方
法である。
【0015】しかし、上記の方法は、経験豊かな作業員
をもってしても、有害なびびりの発生有無を正確、確実
に判定することは極めて困難で、その発生を見逃すこと
が多く、後工程における過流法による寸法検査によって
不良品となる。その結果、寸法検査によって不良品の発
生が判明するまでの間に製造された製品管に大量の不良
品が発生し、製品歩留低下を招くという問題があった。
【0016】このため、上記のような極めて微小な許容
範囲を超える寸法変動をもたらす有害なびびりの発生有
無を、オンラインで、しかもリアルタイムに、ほぼ正
確、確実に知ることができるびびり検出方法と、そのた
めのびびり検出装置の開発が強く望まれていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実状
に鑑みてなされたもので、上記抽伸中の管材に生じて抽
伸後の製品管に微小な寸法変動をもたらす有害なびびり
を、オンラインで、しかもリアルタイムに、ほぼ正確、
確実に知ることができるびびり検出方法とそのためのび
びり検出装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、下記
(1)の冷間抽伸加工における管のびびり検出方法と、
下記(2)の冷間抽伸加工における管のびびり検出装置
にある。
【0019】(1)抽伸機による金属管の冷間抽伸加工
時における抽伸中の管材に発生するびびり検出方法であ
って、前記管材の先端部を把持して引っ張るキャリッジ
自体の歪み量を連続的に測定するとともに、この測定結
果から求められる時々刻々の歪み変化量(△ε)を周波
数解析し、その周波数解析結果に基づいて抽伸後の製品
管に所定の許容範囲を超える寸法変動をもたらす有害な
びびりの発生有無を判定することを特徴とする冷間抽伸
加工における管のびびり検出方法。
【0020】(2)抽伸機による金属管の冷間抽伸加工
における管のびびり検出装置であって、抽伸機を構成す
るキャリッジに搭載され、抽伸加工中に前記キャリッジ
自体の歪み量を測定する歪み測定手段と、この歪み測定
手段によって測定された測定結果から求められる時々刻
々の歪み変化量(△ε)を周波数解析する周波数解析手
段と、この周波数解析手段による解析結果と予め定めた
基準周波数域の振幅レベルとを対比して抽伸後の製品管
に所定の許容範囲を超える寸法変動をもたらす有害なび
びりの発生有無を判定する判定手段とを具備することを
特徴とする冷間抽伸加工における管のびびり検出装置。
【0021】なお、本発明に係わる上記(2)の管のび
びり検出装置においては、抽伸機のキャリッジに設けら
れた歪み検出手段と、抽伸機の外に設けられた周波数解
析手段とは、キャリッジに搭載された無線発信機と抽伸
機の外に設けられた無線受信機とで無線通信可能なよう
にするのが好ましい。
【0022】上記(1)および(2)に記載の本発明
は、下記の知見に基づいてなされた。
【0023】すなわち、フルフローティングプラグ方式
またはセミフローティングプラグ方式により抽伸加工を
行った際における抽伸機のダイスとマンドレルバーを除
いたその他の各部分について、びびりの発生に伴って生
じる抽伸力の変化挙動を調べた。その結果、びびりの発
生時に抽伸力が最も顕著に変化する部分は、管材(素
管)の先端部を把持して引っ張るキャリッジであること
が判明した。
【0024】このため、上記のキャリッジにストレイン
ゲージを貼り着けて抽伸力の変化に伴うキャリッジ自体
の歪み量を連続的に測定し、この測定結果の生データお
よび測定結果から求められる時々刻々の歪み変化量(△
ε)から、直接、抽伸後の製品管に例えば上記80μm
以下というような極めて微小な許容範囲を超える寸法変
動をもたらす有害なびびりの発生有無の判定を試みた。
【0025】しかし、ストレインゲージによって測定さ
れたキャリッジ自体の歪み量生データの変動幅および測
定結果から求められる時々刻々の歪み変化量(△ε)
は、図3にその時々刻々の歪み変化量(△ε)の一例を
示すように、極めて小さく、しかも渦流法による寸法検
査でびびりの発生が認められなかった部分と認めれれた
部分とでの歪み変化量(△ε)がほとんど同じで、これ
らを直接用いたのでは製品管に上記所定の許容範囲を超
える寸法変動をもたらす有害なびびりの発生有無を正
確、確実に判定することはできなかった。
【0026】このため、さらに検討を重ね、所定の引き
抜き速度で抽伸加工を行った場合における経時的なキャ
リッジ自体の歪み量測定結果から求められる時々刻々の
歪み変化量(△ε)を対象に、その周波数分析(解析)
を行う一方、その周波数分析(解析)結果と、得られた
製品管の渦流法による管軸長方向の内径測定結果との対
比を試みた。
【0027】その結果、渦流法による内径測定結果の寸
法変動値が例えば上記80μm超で許容範囲を外れる製
品管部分に対応するキャリッジ自体の上記歪み変化量
(△ε)の周波数分析(解析)結果には、振幅の大きさ
が所定値を超えるほぼ一定幅の周波数成分域が現れた。
これに対し、その内径測定結果の寸法変動値が上記80
μm以下で許容範囲内である製品管部分に対応するキャ
リッジ自体の歪み変化量(△ε)の周波数分析(解析)
結果の上記ほぼ一定幅の周波数成分域の振幅は、上記の
所定値を超えることがなかった。
【0028】そこで、キャリッジ自体の上記歪み変化量
(△ε)の周波数分析(解析)結果に基づいて、製品管
に上記80μmを超える許容範囲外の微小な寸法変動を
もたらす有害なびびりの発生有無判定を行った。その結
果、有害なびびりの発生有無を、ほぼ正確、確実に判定
できることがわかった。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して本発明
の方法と装置について詳細に説明する。
【0030】図1は、フルフローティングプラグ方式の
抽伸機に本発明の方法を適用する場合におけるびびり検
出装置の全体構成例を示す模式図であり、図中、符号1
はダイス、2はフルフロート型のプラグ、3はキャリッ
ジ、4はチェーン、Pは被抽伸材料たる管材である。
【0031】図1において、ダイス1は、図示しないダ
イスタンドに固定装着されている。また、プラグ2は、
フルフロート型であり、抽伸加工に伴ってダイス1の孔
内に引き込まれて位置変動することはないが、基端部が
固定された管内へのプラグ挿入とダイスに対するプラギ
初期位置設定用のマンドレルバー2aの先端に装着され
ている。
【0032】キャリッジ3は、被抽伸管材Pの先端部を
把持する開閉自在なグリッパー3aと、前後一対の鎖車
4a、4aによって輪転せしめられるチェーン4に系合
する揺動自在なフック3bを備えている。
【0033】上記のキャリッジ3には、キャリッジ3自
体の歪み量を検出する測定部、換言すれば歪み測定手段
が搭載設置されている。すなわち、測定部(歪み測定手
段)は、キャリッジ3の適宜な部位に貼り着けられたス
トレインゲージ5と、無線送信機6とで構成されてい
る。そして、この測定部は、その抽伸加工中に発生する
びびりの程度に応じて変化する抽伸力変動に伴って伸び
縮じみするキャリッジ3自体の歪み量をストレインゲー
ジ5によって連続的に測定し、その測定結果をFM(短
波)またはAM(長波)のデジタル信号として無線発信
機6から送信するようになっている。
【0034】これに対し、抽伸機の近傍には、上記の測
定部(歪み測定手段)で測定されたキャリッジ3自体の
歪み量から時々刻々の歪み変化量(△ε)を求め、この
歪み変化量(△ε)を周波数解析し、その周波数解析結
果に基づいて抽伸後の製品管に所定の許容範囲を超える
寸法変動をもたらす有害なびびりの発生有無を判定する
解析部、換言すれば周波数解析手段と判定手段が設けら
れている。
【0035】すなわち、解析部(周波数解析手段と判定
手段)は、上記の無線発信機6から発信されるデジタル
信号を受信する無線受信機7と、無線受信機7で受信さ
れたデジタル信号をアナログ信号に変換するD/A変換
器8と、D/A変換器8で変換されたアナログ信号を周
波数解析するパソコンなどからなる解析装置9と、解析
装置9で解析された周波数解析結果を表示する表示装置
10および記憶装置11とで構成されている。
【0036】ここで、解析装置9による周波数解析は公
知の方法によって行われ、ストレインゲージ5によって
測定されたキャリッジ3自体の歪み量の測定結果から時
々刻々の歪み変化量(△ε)を求める一方、この歪み変
化量(△ε)を周波数成分に分けるとともに各周波数成
分の振幅を調べる方法がとられる。このように、キャリ
ッジ3自体の時々刻々の歪み変化量(△ε)を周波数解
析する場合には、抽伸後の製品管に所定の許容範囲を超
える寸法変動をもたらす有害なびびりが抽伸加工中の管
材に発生しているか否かを、オンラインで、しかもリア
ルタイムに知ることができる。これは、以下に示す周波
数解析結果と、この時に製造された製品管の渦流法によ
る内径測定結果との対比結果から明らかである。
【0037】図2は、その一例を示す模式図で、同図
(a)には製品管の内径変動が許容範囲内の80μm以
下の管部分抽伸時に測定されたキャリッジ3自体の歪み
変化量(△ε)の周波数解析結果を、同図(b)にはそ
の内径変動が許容範囲内の80μmを超える管部分抽伸
時に測定されたキャリッジ3自体の歪み変化量(△ε)
の周波数解析結果を、それぞれ示してある。
【0038】図2の対比から明らかなように、内径変動
が許容範囲内の80μm以内である管部分抽伸時に測定
されたキャリッジ3自体の歪み変化量(△ε)の周波数
解析結果には、特定周波数成分域L、具体的には25〜
60Hzの周波数成分域Lの振幅が極めて小さい。これ
に対し、内径変動が許容範囲内の80μmを超える管部
分抽伸時に測定されたキャリッジ3自体の歪み変化量
(△ε)の周波数解析結果における上記25〜60Hz
の周波数成分域Lの振幅は極めて大きい。しかも、その
振幅の大きさは、内径の変動幅が許容範囲の80μm以
下の場合、ある一定のレベルR(閾値)を超えることは
ない。
【0039】従って、周波数解析結果における特定周波
数成分域Lの振幅の大きさがある一定のレベルR(閾
値)を超えるか否かを観察することで、抽伸後の製品管
に所定の許容範囲を超える寸法変動をもたらす有害なび
びりが発生しているか否を、オンラインで、しかもリア
ルタイムに判定できるのである。
【0040】なお、上記の結果は、フルフローティング
プラグ方式により、外径17.5mm、肉厚1.08m
m、長さ20000mmの製品管に抽伸速度25m/m
inで製造した場合の例である。
【0041】ところで、上記有害なびびりの発生を示す
特定周波数成分域Lとその振幅の閾値Rは、抽伸条件
(加工度や抽伸速度など)によって異なる。このため、
有害なびびりの発生を示す特定周波数成分域Lとその振
幅の閾値Rは、抽伸条件毎に上記図2に示すと同様の関
係を予め調べることによって定める必要がある。
【0042】上記のようにして解析された周波数解析結
果は、判定手段を構成するCRTなどの表示装置10に
表示されると同時に、フロッピーディスクなどの記憶装
置11に蓄積される。この時、表示装置10には、抽伸
加工中の抽伸条件に対応する予め求められた上記有害な
びびりが発生する周波数成分域Lとその振幅の閾値Rが
表示されている。そして、表示装置10を監視する作業
員が、表示される周波数解析結果中に上記の有害なびび
り発生周波数成分域Lの振幅が閾値Rを超える部分が現
れたことを確認した時、有害なびびりが発生したと判定
し、直ちに適宜なびびり防止対策を講じるようになって
いる。
【0043】なお、上記有害なびびりの発生有無判定
は、解析装置9の中に有害なびびりの発生する周波数成
分域Lとその振幅の閾値Rを設定する判定器を設け、こ
の判定器によって有害なびびりの発生を自動的に判定す
るようにし、その判定結果に基づいてブザーやランプな
どの警報器を作動させるようにしてもよい。この場合に
は、作業員による表示装置10の常時監視が不要で、警
報器が作動した場合のみ管材Pの当該びびり発生部分に
マーキングを施すなどすればよく、それ以外は作業員が
他の諸作業を行うことができる。
【0044】また、記憶装置11に蓄積された周波数解
析結果は、例えば、製品管の渦流法による寸法検査時に
有効利用することができる。すなわち、その寸法検査時
に、各製品管の抽伸時における周波数解析結果を上記同
様の表示装置に表示させながら寸法検査を行うと、許容
範囲を外れる管部分がわかる。その結果、許容範囲を外
れる管部分を重点的に測定すればよく、その余の管部分
の測定省略が可能となるので検査能率が向上する。ま
た、その周波数解析結果は、これを詳細に分析すること
で、抽伸時にびびりを発生させる因子を明らかにするの
にも利用できるなどの付随的効果が得られる。
【0045】さらに、上記の図示例は、フルフローティ
ングプラグ方式の抽伸機に本発明の方法と装置を適用し
た場合であるが、これに限らず、本発明の方法と装置
は、セミフローティングプラグ方式の抽伸機および通常
のプラグ抽伸方式の抽伸機にも適用できることはいうま
でもない。
【0046】また、上記の図示例は、測定部と解析部、
具体的にはストレインゲージ5とD/A変換器8との間
を無線通信にしたが、両者は有線接続してもよい。ただ
し、有線接続した場合、測定部が可動部分であるため、
接続線が抽伸機の思わぬ部分に引っかかりって断線する
などのトラブルが発生しやすいという欠点がある。これ
に対し、無線通信にした場合には上記の欠点がない。従
って、ストレインゲージ5とD/A変換器8は、無線通
信にするのが好ましい。
【0047】
【実施例】外径23mm、肉厚1.6mm、長さ100
00mmの素管から、外径17.5mm、肉厚1.08
mm、長さ20000mmで、その内径の変動許容範囲
が80μm以下である高Cr−高Ni合金製の製品管
を、抽伸速度25m/minで製造するに当たり、本発
明の方法と装置を適用して有害なびびりの発生を検出
し、有害なびびりが検出される都度、直ちに適宜なびび
り防止策を講じながら製品管110本の製造を行った。
また、比較のため、上記と同様条件のもとに、作業員に
よる有害なびびりの発生を検出する従来方法によって製
品管110本の製造も行った。
【0048】そして、得られた製品管全数を対象に、渦
流法による内径の寸法検査を行い、上記の許容範囲を超
える管部分が検出された製品管本数と、製品管1本当た
りの許容範囲を超える管部分の合計平均長さを調べた。
【0049】その結果、本発明を適用して製造した製品
管には、110本中3本に上記の許容範囲を超える管部
分が検出された。
【0050】これに対し、従来の方法によって製造した
製品管には、110本中8本に上記の許容範囲を超える
管部分が検出された。
【0051】
【発明の効果】本発明の方法と装置によれば、抽伸中の
管材に発生して抽伸後の製品管に極めて微小な寸法変動
をもたら小さなびびりを、オンラインで、しかもリアル
タイムにほぼ正確、確実に検出することが可能である。
その結果、抽伸加工中に直ちにびびり発生防止策を講じ
ることができるので、不良品の発生を少なくすることが
でき、製品の製造歩留まり向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための装置の全体構成
の一例を示す図である。
【図2】キャリッジの歪み変化量(△ε)の周波数解析
結果の一例を示す図で、同図(a)は有害なびびりが発
生していない場合、同図(a)は有害なびびりが発生し
ている場合、を示す図である。
【図3】ストレインゲージによるキャリッジの歪み変化
量(△ε)の測定結果の一例を示す図である。
【符号の説明】 1 :ダイス、 2 :プラグ、 2a:マンドレルバー、 3 :キャリッジ、 3a:チャック、 3b:フック、 4 :チェーン、 4a:鎖車、 5 :ストレインゲージ、 6 :無線送信機、 7 :無線受信機、 8 :D/A変換器、 9 :解析装置、 10:表示装置、 11:記憶装置、 P :管材。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】抽伸機による金属管の冷間抽伸加工時にお
    ける抽伸中の管材に発生するびびり検出方法であって、
    前記管材の先端部を把持して引っ張るキャリッジ自体の
    歪み量を連続的に測定するとともに、この測定結果から
    求められる時々刻々の歪み変化量(△ε)を周波数解析
    し、その周波数解析結果に基づいて抽伸後の製品管に所
    定の許容範囲を超える寸法変動をもたらす有害なびびり
    の発生有無を判定することを特徴とする冷間抽伸加工に
    おける管のびびり検出方法。
  2. 【請求項2】抽伸機による金属管の冷間抽伸加工におけ
    る管のびびり検出装置であって、抽伸機を構成するキャ
    リッジに搭載され、抽伸加工中に前記キャリッジ自体の
    歪み量を測定する歪み測定手段と、この歪み測定手段に
    よって測定された測定結果から求められる時々刻々の歪
    み変化量(△ε)を周波数解析する周波数解析手段と、
    この周波数解析手段による解析結果と予め定めた基準周
    波数域の振幅レベルとを対比して抽伸後の製品管に所定
    の許容範囲を超える寸法変動をもたらす有害なびびりの
    発生有無を判定する判定手段とを具備することを特徴と
    する冷間抽伸加工における管のびびり検出装置。
  3. 【請求項3】抽伸機のキャリッジに設けられた歪み量検
    出手段と、抽伸機の外に設けられた周波数解析手段と
    が、キャリッジに搭載された無線発信機と抽伸機の外に
    設けられた無線受信機とで無線通信可能にされているこ
    とを特徴とする請求項2に記載の冷間抽伸加工における
    管のびびり検出装置。
JP3174197A 1997-02-17 1997-02-17 冷間抽伸加工における管のびびり検出方法およびびびり検出装置 Expired - Fee Related JP3097584B2 (ja)

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