JPH10224169A - 可変利得増幅器 - Google Patents

可変利得増幅器

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JPH10224169A
JPH10224169A JP9019239A JP1923997A JPH10224169A JP H10224169 A JPH10224169 A JP H10224169A JP 9019239 A JP9019239 A JP 9019239A JP 1923997 A JP1923997 A JP 1923997A JP H10224169 A JPH10224169 A JP H10224169A
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pairs
differential
transistors
input
voltage
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JP9019239A
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Takeshi Yamamoto
剛 山本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 原理的に全くひずみを発生しない可変利得差
動増幅器をCMOSによるアナログ回路で提供すること
にある。 【解決手段】 ソース接続点を定電圧端子に接続した2
組の差動MOSトランジスタ対M1,M2とM3,M4
において、出力は逆極性出力同士を接続してこれを出力
端子とし、入力には直流オフセットを付加して入力信号
を与えることにより、原理的に無ひずみの出力を得るこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、MOS型半導体
集積回路においてアナログ信号処理を行う場合の基本と
なる可変利得増幅器に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル機器の増大とデジタル信
号処理技術の進歩によって、デジタル信号処理に適した
CMOS集積回路が半導体市場の大部分を占めるように
なってきている。
【0003】ところが、映像や音声信号は入出力がアナ
ログであるため、アナログで処理する方が簡単であった
り、デジタルで処理するにしてもA/D、D/A変換や
その前後のフィルタ処理およびクロック発生のための発
振器などにアナログ回路が必要である。
【0004】アナログ回路にはバイポーラが向いてお
り、CMOSはアナログスイッチやサンプルホールドな
どの一部の回路を除いては不向きとされてきた。しか
し、バイポーラやBiCMOSプロセスはややコスト高
になる上、CMOSでのデジタルアナログ混載による1
チップ化という要求が強く、CMOSでアナログ信号処
理を行うための回路開発が盛んになってきつつある。
【0005】アナログ信号処理で頻度が高く、トータル
性能に大きな影響を及ぼす重要な機能として「可変利得
増幅器」がある。バイポーラでは「ゲインセル」という
便利な組み合せトランジスタ回路があり、これを用いて
可変利得増幅器を構成すれば、2つのバイアス電流の比
に比例した利得を持つ回路が簡単に実現できる。
【0006】ところが、CMOSで可変利得増幅器を作
る場合、単にバイポーラをCMOSに置き換えた回路や
その変形回路では必ず大きな2次ひずみを発生する、と
いう問題に遭遇する。例えば、図7は最近公開された
(特開平8−298416号)CMOSで構成する可変
利得差動増幅器である。これを例に従来回路の問題点を
述べる。
【0007】この回路はMOSトランジスタM1 、M2
と電流源I1 で構成する差動回路と、MOSトランジス
タM3 、M4 と電流源I2 で構成する差動回路が中心と
なっている。これらはいずれもソースを直結したペアト
ランジスタを電流源でバイアスする形式になっている。
そこで片側のMOSトランジスタM1 とM2 と電流源I
1 で構成する片側の差動回路について考える。ただし、
入力は完全差動信号であることを前提とし、両トランジ
スタはいずれも飽和領域(ピンチオフ領域)で動作して
いるものとし、簡単のため短チャネル効果は考慮しない
ものとする。
【0008】また、各MOSトランジスタの特性を決め
る主要なパラメータであるkとVthの値は、それぞれk
1 とVth1 とし、k1 はゲート幅をW、ゲート長をL、
ゲート容量をCox、チャネルのキャリア移動度をμとし
て「μCoxW/L」で表わされる定数とする。この場
合、MOSトランジスタM1 とM2 の動作の記述式は次
のように表わせる。
【0009】 M1:I11=(k1 /2)(VGS1 −Vth1 )2 … (1) M2:I12=(k1 /2)(VGS2 −Vth1 )2 … (2) ここで、(1)−(2)を計算すると、 I11−I12=(k1 /2)(VGS1 +VGS2 −2Vth1)( VGS1 −VGS2) =(k1 /2)(VGS1 +VGS2 −2Vth1)Vin … (3) となる。ただし、VGS1 ,VGS2 は、MOSトランジス
タM1 ,M2 のそれそれゲート・ソース間電圧、Vinは
差動入力電圧である。入力信号は完全差動信号と仮定し
ているので、入力信号の中点電位をVB として、入力端
子へ供給される入力電圧はVB +Vin/2とVB −Vin
/2と表わせる。ここで、差動ペアのソース電位VA を
計算する。この場合、 VGS1 =VB +Vin/2−VA ,VGS2 =VB −Vin/
2−VA となるので、VB −VA −Vth1 =Aとして(1)+
(2)より (A+Vin/2)2 +(A−Vin/2)2 =2(I11+I12)/k1 =2I1 /k1 A=(I1 /k1 −Vin2 /4)1/2 VA =VB −Vth1 −(I1 /k1 −Vin2 /4)1/2 … (4) となる。ゆえに、 VGS1 =Vin/2+Vth1 +(I1 /k1 −Vin2
4)1/2 VGS2 =−Vin/2+Vth1 +(I1 /k1 −Vin2
4)1/2 となる。これを(3)に代入してこの差動ペアのトラン
スコンダクタンスGm1{=( I11−I12) /Vin}を
求めると、 Gm1 =k1 (VGS1 +VGS2 −2Vth1 ) =k1 (I1 /k1 −Vin2 /4)1/2 =(k1 I1 −k1 2 Vin2 /4)1/2 … (5) となる。同様にして、MOSトランジスタM3 とM4 と
電流源I2 で構成する片側の差動回路についても、トラ
ンスコンダクタンスGm2 {=( I21−I22) /Vin}
を計算すると、 Gm2 =(k1 I2 −k1 2Vin2 /4)1/2 … (6) と求まる。ただし、MOSトランジスタM3 とM4 のk
とVthの値はMOSトランジスタM1 とM2 に等しい値
であるとした。以上、計算した2つの差動回路は逆極性
の出力同士を繋いでいるので、トータルのGm値は
(5)と(6)の差になり、 Gm=(k1 I1 −k1 2 Vin2 /4)1/2 −(k1 I2 −k1 2 Vin2 / 4)1/2 … (7) ということになる。この式からも明らかなように、トラ
ンスコンダクタンスGmは入力信号の瞬時振幅値Vinに
応じてダイナミックに変動することになる。これは出力
にひずみが発生することを意味する。トランスコンダク
タンスGmにVinの2乗項を含むため主に2次のひずみ
となる。これは出力に抵抗などの線形素子を負荷とした
場合はもちろんのこと、2乗特性を持つMOSトランジ
スタを負荷とした場合でもキャンセルできるものではな
く、より複雑なひずみ波形となるだけである。CMOS
で可変利得増幅器を作る場合、必ず大きなひずみ発生を
伴うことが避けられず、信号の品位を劣化させるという
問題点があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきたよう
に、従来、アナログ回路として可変利得差動増幅器をC
MOSだけで実現しようとすると、必ず大きなひずみを
発生することになり、信号品位を著しく劣化させること
が避けられなかった。
【0011】この発明の目的は、原理的に全くひずみを
発生しない可変利得差動増幅器をCMOSによるアナロ
グ回路で提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記した課題を解決する
ためにこの発明においては、電界効果トランジスタで構
成しソースが互いに接続された2組の差動トランジスタ
対にそれぞれ同じ差動信号を入力し、前記2対の差動ト
ランジスタは入力に対してそれぞれ逆極性となるドレイ
ン端子同士を互いに接続してこれを出力端子とし、前記
2対の差動トランジスタの2対のゲート端子へ少なくと
も一方のゲート端子に直流オフセット電圧を付加して入
力差動信号を供給し、前記2組のゲート端子間の直流オ
フセット量を相対的に変化させることにより、入力信号
に対する出力信号の利得を変える、という回路形式にす
る。特に前記2対の差動トランジスタの2組のソース接
続点は共通の定電圧点に接続することを基本とする。通
常は前記2対のゲート端子へそれぞれ別々に直流オフセ
ット発生手段を付けて入力差動信号を供給し、その直流
オフセットは同じ電圧を逆極性で与えるように制御す
る。
【0013】また、他の解決手段として、電界効果トラ
ンジスタで構成しソースが互いに接続された2組の差動
トランジスタ対にそれぞれ同じ差動信号を直接ゲート端
子間にそれぞれ入力し、前記2対の差動トランジスタは
入力に対してそれぞれ逆極性となるドレイン端子同士を
互いに接続してこれを出力端子とし、前記2対の差動ト
ランジスタの2対のソース接続点間に直流オフセット電
圧が発生するようにソース接続点をバイアスし、前記直
流オフセット電圧を変化させることにより入力信号に対
する出力信号の利得を変える、という回路形式にする。
特に前記2対のソース接続点へそれぞれ別々にバイアス
電圧制御手段を設け、2つのバイアス電圧の平均は常に
電圧一定という関係を保ちながらその差電圧が変わるよ
うに制御することを特徴とする。
【0014】このような回路形式にすることにより、入
力信号はCMOS差動ペアのそれぞれの素子のゲートソ
ース間電圧として直接入力されることになるため、MO
Sの2乗特性により純粋な2乗電流に変換される。この
2乗電流の差が出力電流になる訳だが、これは入力信号
が完全差動信号(中点電圧がDC)ならば、入力電圧だ
けに比例することになり、結局Gmとして見るならば入
力信号のの瞬時振幅Vinには全く依存しないことにな
る。つまり入力信号に応じてGm値がダイナミックに変
動するようなことはなく、可変利得にしたことでひずみ
が発生するようなことはない。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、こ
の発明の第1の実施の形態について説明するための回路
図である。この実施の形態は、MOSトランジスタM1
とM2 およびM3 とM4 とで構成する2対の差動トラン
ジスタを基本に構成し、入力に対して逆極性の出力とな
るM1 のドレインとM4 のドレイン、M2 のドレインと
M3 のドレイン、をそれぞれ接続してこれを差動出力端
子としている。2対の差動トランジスタの2組のソース
接続点はともに電源Vccに接続し、さらに上記2対のゲ
ート端子へそれぞれ別々に直流オフセット発生部Vcを
介して入力差動信号を供給している。なお、この直流オ
フセットは、MOSトランジスタM1 とM2 には同じ電
圧を同じ極性で与え、MOSトランジスタM3 とM4 に
はMOSトランジスタM1 とM2 に与えた電圧と同じ電
圧を逆極性で与えるようにし、この電圧は全て同じ変化
量となるように制御する。
【0016】この回路は基本となる差動トランジスタを
PMOSで構成した例を示すが、上下反転させて電源V
ccを接地GNDに、GNDをVccに、PMOSトランジ
スタをNMOSトランジスタに置き換えても全く同じ動
作をさせることができる。NMOSトランジスタで置き
換えた回路で図7の従来例と比較した場合、基本的な相
違は、図7の従来例では差動トランジスタのソース接続
点が電流源でバアイスされているのに対し、本願では差
動トランジスタのソース接続点が定電位(Vcc)に固定
されている点である。こうすることによって、入力信号
はPMOS差動ペアのそれぞれの素子のゲートソース間
電圧として直接入力されることになるため前述した作用
により、ひずみの発生を抑えるものである。
【0017】これをもう少し詳しく見るため、まずこの
回路の片側の差動回路のトランスコンダクタンスGmの
計算をMOSトランジスタM1 とM2 の差動ペアを例に
説明する。ただし各種条件は図7の従来例の場合と同様
に、従来入力は完全差動信号、両トランジスタはいずれ
も飽和領域(ピンチオフ領域)で動作、短チャネル効果
は考慮しない、各MOSトランジスタのkとVthの値は
それぞれk1 とVth1で、k1 はゲート幅をW、ゲート
長をL、ゲート容量をCox、チャネルのキャリア移動度
をμとして「μCoxW/L」で表わされる定数、である
ものとする。この場合のM1 とM2 の動作の記述式は次
のように現わせる。
【0018】 M1:I11=(k1 /2)(VGS1 −Vth1 )2 … (8) M2:I12=(k1 /2)(VGS2 −Vth1 )2 … (9) ここで、(8)−(9)を計算すると、 I11−I12=(k1 /2)(VGS1 +VGS2 −2Vth1 )(VGS1 −VGS2 ) =(k1 /2)(VGS1 +VGS2 −2Vth1 )Vin … (10) となる。ただし、Vc はオフセット電圧である。入力信
号は完全差動信号と仮定しているので、電源Vccを基準
とした入力信号の中点電圧をVB として、入力端子へ供
給される入力電圧は、 VGS1 =VB +Vc +Vin/2 VGS2 =VB +Vc −Vin/2 となる。これを(10)に代入してこの差動ペアのトラ
ンスコンダクタンスGm1 {= (I11−I12) /Vin}
を求めると、 Gm1 =(k1 /2)(VGS1 +VGS2 −2Vth1 ) =k1 (VB +Vc −Vth1 ) … (11) となる。同様にして、MOSトランジスタM3 とM4 と
電流源I2 で構成する片側の差動回路についても同様
に、トランスコンダクタンスGm2 {=( I21−I22)
/Vin}を計算すると、 Gm2 =k1 (VB −Vc −Vth1 ) … (12) と求まる。ただし、MOSトランジスタM3 とM4 のk
とVthの値は、MOSトランジスタM1 とM2 に等しい
値であるとした。以上、計算した2つの差動回路は逆極
性の出力同士を繋いでいるのでトータルのGm値は(1
1)と(12)の差になり、 Gm=Gm1 −Gm2 =2k1 Vc … (13) ということになる。
【0019】この(13)式からも明らかなように、ト
ランスコンダクタンスGmはMOSトランジスタのゲー
ト形状で決まる定数kと差動トランジスタ対の間に与え
たオフセット電圧Vc だけで決まり、入力信号の瞬時振
幅値Vinに応じてダイナミックに変動したりすることは
ない。これは原理的に出力電流にひずみが発生しないこ
とを意味する。しかも、トランスコンダクタンスGmを
決める式が(13)式のように非常に単純な形で与えら
れ、Vthなどのk以外の素子パラメータを含まないた
め、Gm値のばらつきは小さい。
【0020】また、オフセット電圧Vc を0Vから制御
できるようにしておけば、トランスコンダクタンスGm
は0から制御できることになり、非常に広い制御レンジ
を持たせることができる。この場合、オフセット電圧V
c は0Vから+電圧側または−電圧側のいずれかの電圧
制御を行えばよいことになる。
【0021】つぎに、図2の回路図を用い、この発明の
第2の実施の形態について説明する。この実施の形態
は、図1の実施の形態において、2組の差動回路への入
力に与える直流オフセットのうち、一方だけを取り除い
たものである。
【0022】この場合、M3 とM4 のペアトランジスタ
で構成する差動回路のトランスコンダクタンスGm2 は
(12)式でVc =0と置いたものになるので、 Gm2 =k1 (VB −Vth1 ) となり、トータルのGm値は、 Gm=Gm1 −Gm2 =k1 Vc … (14) となる。これは(13)式で表わされる図1のGmの半
分にあたるが、Vinの項を含まないため原理的にひずみ
を発生しないとか、制御範囲が広い、とかばらつきが少
ないという利点は保持される。ただし、オフセット電圧
Vc を変えて利得制御するとトータルの出力電流I1 +
I2 も大きく変わってしまうため、図1の実施の形態に
比べて出力電位の変動がやや大きくなる。
【0023】図3は、この発明の第3の実施の形態につ
いて説明するための回路図である。この実施の形態は、
図1に示したこの発明の第1の実施の形態において、2
組の差動回路への入力に与える直流オフセットのうち、
一方に与える直流オフセットを電圧反転するオフセット
反転器31を使い、他方に与えるオフセット電圧とする
ものである。原理的な動作と動作を表わす数式は、図1
のものと全く同じになる。
【0024】図4は、この発明の第4の実施の形態につ
いて説明するための回路図である。この実施の形態は、
2組の差動回路のソース接続点を電源Vccに接続するの
ではなく、定電流源でバイアスした部分で図1の実施の
形態と異なる。
【0025】要は、MOSトランジスタM1 とM2 のペ
アとMOSトランジスタM3 とM4のペアとの間である
オフセット電圧を持って信号が入力されればよいので、
図4のような定電流源バイアスであっても、2組のソー
ス結合点が共通であれば可変利得増幅機能を持たせるこ
とができる。
【0026】この場合、直流オフセットは2組の差動回
路の平均ゲート・ソース間電圧VGSの差電圧として一方
だけに与えれば十分であり、図の例ではMOSトランジ
スタM1 とM2 で構成する差動回路側だけに与えてい
る。こうすれば、直流オフセットを与えない側のMOS
トランジスタM3 とM4 の差動回路側の平均ゲート・ソ
ース間VGSは、バイアス電流和が一定という条件に沿っ
て増える。つまり、MOSトランジスタM1 とM2 に与
えたのと逆のオフセットを、MOSトランジスタM3 と
M4 側にも持たせたのと同じ効果が得られる。ただし、
この場合は従来例のようにソース接続点の電圧が入力信
号とともに、変動するためトータルのトランスコンダク
タンスGmは2次ひずみを持つことになる。しかし、ト
ータルの出力電流が一定のため、利得を変化させても出
力の平均電流は一定であるという利点を持つ。
【0027】この発明の第5の実施の形態について図5
の回路図を用いて説明する。これまでの各実施の形態で
は、2組の差動回路のゲート電圧間に、同相の直流オフ
セットを持たせてトータル回路の利得制御するものであ
る。要するに、2組の差動回路の平均のゲート・ソース
間電圧VGSに電圧差を付ければよい。この電圧差を付け
るためのもう一つの直流オフセットの与え方としては、
ゲート対へはオフセットを付けずに入力信号を直接入力
し、2組の差動回路のソース接続点に電圧差を付ける方
法がある。
【0028】この実施の形態は、2つの差動回路のソー
ス接続点の双方に制御電圧を与え、両電圧を相対的に増
減させるような制御を行うことにより利得を制御するも
のである。
【0029】この場合、Vc1とVc2をそれぞれVc と−
Vc とすると、トランスコンダクタンスGm1 、Gm2
、Gmは、それぞれ(11)〜(13)式と同じ式で
表わされることは容易に推測でき、第1の実施の形態と
全く同じ機能を果たす。従って、トランスコンダクタン
スGmを表わす式に、Vinの項を含まないため原理的に
ひずみを発生しないとか、制御範囲が広い、とかばらつ
きが少ないという利点は全く同じである。
【0030】この発明の第6の実施の形態について図6
の回路図を用いて説明する。この実施の形態は、図5の
実施の形態において、2組の差動回路への入力に与える
直流オフセットのうち、一方だけを取り除いたものであ
る。
【0031】この場合、MOSトランジスタM3 とM4
のペアトランジスタで構成する差動回路のトランスコン
ダクタンスGm2 は(12)式でVc =0と置いたもの
になるので、 Gm2 =k1 (VB −Vth1 ) となり、トータルのGm値は(14)式に等しい。
【0032】このように、この実施の形態のGm値は、
図5のトランスコンダクタンスGmの半分にあたるが、
Vinの項を含まないため原理的にひずみを発生しないと
か、制御範囲が広いとか、ばらつきが少ないという利点
は同じである。
【0033】この発明は上記した実施の形態に限定され
るものではなく、たとえば上記の各実施の形態では、P
MOS型トランジスタによる差動回路で構成する場合に
ついてだけ実施の形態を示してきたが、PMOS型トラ
ンジスタをNMOS型トランジスタに変え、電源Vccを
GNDに、GNDを電源Vccに置き換えることにより、
全く同様のNMOS可変利得差動増幅器が構成できる。
当然ながら原理的にひずみを発生しないとか、制御範囲
が広いとか、ばらつきが少ないという利点は全く同じで
ある。
【0034】
【発明の効果】以上記載してきたように、この発明に係
るCMOSで構成する可変利得増幅器は、ソース接続点
を定電圧端子に接続した2組の差動MOSトランジスタ
対において、出力は逆極性出力同士を接続してこれを出
力端子とし、入力には直流オフセットを付加して入力信
号を与えることにより、原理的に無ひずみの出力を得る
ことができる。
【0035】また、制御範囲も無限小からの制御が可能
であり制御範囲が広いこと、利得が制御電圧に正比例す
るため制御が簡単で扱い易いこと、利得がCMOS素子
のkだけに依存し他のパラメータは原理的に利得へは影
響を及ぼさないためばらつきも少ない、など多くの利点
を持っており極めて利用価値が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図2】この発明の第2の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図3】この発明の第3の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図4】この発明の第4の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図5】この発明の第5の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図6】この発明の第6の実施の形態について説明する
ための回路図。
【図7】従来の可変利得増幅器について説明するための
回路図。
【符号の説明】
M1 〜M4 …MOSトランジスタ、Vc…直流オフセッ
ト発生部、I1 ,I2…電流源、31…オフセット反転
器。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電界効果トランジスタで構成し、ソース
    が互いに接続された2対の差動トランジスタ対であっ
    て、 それぞれ同じ差動信号を入力し、前記2対の差動トラン
    ジスタは入力に対してそれぞれ逆極性となるドレイン端
    子同士を互いに接続してこれを出力端子とし、 前記2対の差動トランジスタの2対のゲート端子へ少な
    くとも一方のゲート端子に直流オフセット電圧を付加し
    て入力差動信号を供給し、 前記2組のゲート端子間の直流オフセット量を相対的に
    変化させることにより、 前記差動信号に対する出力信号の利得を可変してなるこ
    とを特徴とする可変利得増幅器。
  2. 【請求項2】 前記2対の差動トランジスタの2組のソ
    ース接続点は、共通の定電圧点に接続することを特徴と
    する請求項1記載の可変利得増幅器。
  3. 【請求項3】 前記2対の差動トランジスタの2組のソ
    ース接続点を、互いに共通の定電流端子に接続すること
    を特徴とする請求項1記載の可変利得増幅器。
  4. 【請求項4】 前記相対的オフセット量は、0から一方
    向だけ制御することを特徴とする請求項1記載の可変利
    得増幅器。
  5. 【請求項5】 前記2対のゲート端子へそれぞれ別々に
    直流オフセット発生手段を付けて入力差動信号を供給
    し、その直流オフセットは同じ電圧を逆極性で与えるよ
    うに制御することを特徴とする請求項1記載の可変利得
    増幅器。
  6. 【請求項6】 前記2対のゲート端子の、一方には直流
    オフセット発生手段を介して入力差動信号を供給し、他
    方には前記直流オフセット電圧の反転手段を介して入力
    差動信号を供給したことを特徴とする請求項1記載の可
    変利得増幅器。
  7. 【請求項7】 前記相対的オフセット電圧は、0から一
    方向だけ制御することを特徴とする請求項6記載の可変
    利得増幅器。
  8. 【請求項8】 前記2対のソース接続点へそれぞれ別々
    にバイアス電圧制御手段を設け、2つのバイアス電圧の
    平均は常に電圧一定という関係を保ちながらその差電圧
    が変わるように制御することを特徴とする請求項6記載
    の可変利得増幅器。
  9. 【請求項9】 電界効果トランジスタで構成しソースが
    互いに接続された2対の差動トランジスタ対であって、 同じ差動信号を直接ゲート端子間にそれぞれ入力し、 前記2対の差動トランジスタは入力に対してそれぞれ逆
    極性となるドレイン端子同士を互いに接続してこれを出
    力端子とし、 前記2対の差動トランジスタの2対のソース接続点間に
    直流オフセット電圧が発生するようにソース接続点をバ
    イアスし、 前記直流オフセット電圧を変化させることにより入力信
    号に対する出力信号の利得を変えることを特徴とする可
    変利得増幅器。
JP9019239A 1997-01-31 1997-01-31 可変利得増幅器 Withdrawn JPH10224169A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7031684B2 (en) 2000-09-28 2006-04-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Variable gain amplifier device

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US7031684B2 (en) 2000-09-28 2006-04-18 Kabushiki Kaisha Toshiba Variable gain amplifier device
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