JPH10223395A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH10223395A
JPH10223395A JP9021212A JP2121297A JPH10223395A JP H10223395 A JPH10223395 A JP H10223395A JP 9021212 A JP9021212 A JP 9021212A JP 2121297 A JP2121297 A JP 2121297A JP H10223395 A JPH10223395 A JP H10223395A
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opening
scattered
excitation energy
energy beam
ray generator
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JP9021212A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Kondo
洋行 近藤
Noriaki Kamitaka
典明 神高
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積を十分
に抑制することができるX線発生装置を提供すること。 【解決手段】 減圧された真空容器101内の標的部材
106に励起エネルギービーム103を照射してプラズ
マ107を形成させ、該プラズマ107からX線を取り
出すX線発生装置において、前記標的部材106は、標
的物質がフィルム状またはテープ状に形成されたもので
あるか、或いはフィルムまたはテープの上に標的物質の
薄膜が形成されたものであり、また前記励起エネルギー
ビーム103が照射される前記標的部材表面の裏面側に
飛散粒子108を阻止する部材109を設けたことを特
徴とするX線発生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、X線露光装置、X
線顕微鏡、X線分析装置などのX線装置に用いて好適な
X線発生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】軟X線は物質により大きく吸収されるの
で、軟X線波長領域で使用できるレンズは存在しない。
そのため、軟X線波長領域における拡大または縮小結像
光学系は、反射光学系(例えば、反射鏡)にする必要が
ある。しかしながら、一般的な反射光学系(反射鏡)で
は、軟X線に対する反射率が非常に低いので、軟X線波
長領域における前記光学系には、多層膜反射鏡を用いる
のが一般的である。
【0003】例えば、波長13nmの軟X線に対して、
Mo/Si交互多層膜からなる多層膜反射鏡は、直入射
の場合でも数十パーセントという高い反射率を有する。
そのため、X線リソグラフィーにおいては、高い反射率
が得られる波長13nmのX線を使用することが有望視
されている。また、軟X線のうち、波長2.4 〜4.2 nm
の軟X線は、炭素原子と酸素原子とで吸収係数が大きく
異なる。このことは、波長2.4 〜4.2 nmの軟X線に対
して水とタンパク質とで良いコントラストが得られるこ
とを示す。
【0004】即ち、波長2.4 〜4.2 nmの軟X線を用い
たX線顕微鏡によれば、水分が多い生体内のタンパク質
の構造を染色なしで観察できる。しかも、X線顕微鏡で
は、生体試料の観察に広く使用されている光学顕微鏡よ
りもかなり短い波長の軟X線を用いるので、より微細な
構造の観察が可能である。このような、X線リソグラフ
ィーやX線顕微鏡に用いるX線を発生させるために、例
えば、レーザープラズマX線源が使用されている。
【0005】レーザー光(励起エネルギービームの一
例)を減圧された真空容器内に置かれた標的部材に集光
して照射すると、標的部材は急速にプラズマ化し、この
プラズマから非常に輝度の高いX線が輻射(放出)され
る(X線を発生する)ことが知られており、例えば、こ
のようなX線発生源はLPX:Laser-Plasma X-raysour
ce と呼ばれている。
【0006】X線発生源には、その他に、シンクロトロン 放射
光光源やX線管があるが、レーザープラズマX線源は、
シンクロトロン 放射光光源よりもはるかに小型である、X線管
よりもはるかに強力な(高輝度の)X線源である、とい
う利点を有する。レーザープラズマX線源は、標的部材
の材料を変えることで、種々のスペクトルを有するX線
源となる。例えば、炭素などの軽元素を標的部材に用い
た場合のスペクトルは、ラインスペクトルに近いもので
あり、鉛などの重元素では、ブロードなスペクトルにな
る。従って、実際にレーザープラズマX線源を使用する
際には、使用目的に応じて適切なスペクトルを示す標的
部材を選択する。
【0007】例えば、複数の波長のX線を利用したいと
きは、鉛や金など、ブロードなスペクトルを有する重元
素を標的部材に用いるとよい。また、錫を標的部材に用
いると、13nm付近にピークをもつスペクトルが得ら
れるので、錫は前記Mo/Si交互多層膜からなる多層
膜反射鏡を用いたX線リソグラフィーを行う場合の標的
部材として有力な候補材料である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】レーザープラズマX線
源では、プラズマからの飛散粒子が問題となる。即ち、
X線の発生と共に、前記プラズマからは高速の電子やイ
オン等の飛散粒子が、また前記標的部材からは部材材料
の飛散粒子(例えば、ガス化した材料、イオン化した材
料、材料小片など)が放出されて真空容器内に飛散する
(以下、これらをまとめて飛散粒子またはデブリと呼
ぶ)。
【0009】このような飛散粒子(特に、径が比較的大
きい飛散粒子)は、清浄光学面(例えば、レーザー光を
真空容器内に導入する窓、レーザー光を集光するレン
ズ、X線反射ミラー等のX線光学素子面)や薄膜フィル
ター(X線透過−可視光カットフィルター)に衝突し
て、これらを破損したり、或いは付着、堆積して機能や
特性を低下させたり変化させるので、飛散粒子の発生は
大きな問題点である。
【0010】飛散粒子の重量は、単位体積あたりの標的
部材材料を融解させるのに必要なエネルギーに反比例す
るといわれている。そのため、低融点材料の標的部材を
用いると、飛散粒子が増大し、特に径が比較的大きい
(例えば、数μm〜数十μm)飛散粒子が増大する。例
えば、軟X線領域にピークを有するスペクトルが得られ
る錫、鉛、亜鉛を用いた標的部材では、錫、鉛、亜鉛の
各融点が、それぞれ232°C、328°C、420°
Cと低い値であるので、比較的大きな飛散粒子が発生し
やすいという問題点がある。
【0011】原子やイオン等の微小な飛散粒子は、プラ
ズマと光学系との間に気体を充満することで、清浄光学
面への付着、堆積をある程度は阻止できるが、径が比較
的大きい飛散粒子の付着、堆積を阻止することはできな
い。そこで、径が比較的大きい飛散粒子の発生を低減さ
せるために、標的部材の標的材料(標的物質)をプラズ
マ発生に必要な最小限の量にとどめる提案がされてい
る。
【0012】標的材料を必要最小限に抑えるためには、
標的部材の形状を粒子状、線状、または薄膜状またはテ
ープ状にすることが考えられる。このなかでも、薄膜状
またはテープ状の標的部材が標的材料を励起エネルギー
光(例えば、レーザー)の集光点に安定かつ容易に供給
できる点で好ましい。しかしながら、標的材料を必要最
小限に抑えるために、標的部材の形状を薄膜状またはテ
ープ状にした場合においても、前記清浄光学面への飛散
粒子の付着、堆積を十分に抑制することができないとい
う問題点があった。
【0013】本発明は、かかる問題点に鑑みてなされた
ものであり、清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積を十
分に抑制することができるX線発生装置を提供すること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決する為の手段】そのため、本発明は第一に
「減圧された真空容器内の標的部材に励起エネルギービ
ームを照射してプラズマを形成させ、該プラズマからX
線を取り出すX線発生装置において、前記標的部材は、
標的物質が薄膜状またはテープ状に形成されたものであ
るか、或いは薄膜またはテープの上に標的物質の薄膜が
形成されたものであり、また前記励起エネルギービーム
が照射される前記標的部材表面の裏面側に飛散粒子拡散
阻止部材を設けたことを特徴とするX線発生装置(請求
項1)」を提供する。
【0015】また、本発明は第二に「前記飛散粒子拡散
阻止部材は、開口部を有する容器の形状を有し、前記励
起エネルギービームの前記標的部材表面における照射位
置の対向裏面位置に前記開口部が近接するように、設け
られていることを特徴とする請求項1記載のX線発生装
置(請求項2)」を提供する。また、本発明は第三に
「前記飛散粒子拡散阻止部材は、前記照射位置の対向裏
面位置の法線方向に伸びて末端が閉塞されたダクト部分
を有するか、或いは前記照射位置の対向裏面位置の法線
方向に伸びて、一端に開口を有し末端が閉塞されたダク
ト部材が前記開口を前記飛散粒子拡散阻止部材の別の開
口部に近接もしくは隣接または結合して設けられている
ことを特徴とする請求項1または2記載のX線発生装置
(請求項3)」を提供する。
【0016】また、本発明は第四に「前記飛散粒子拡散
阻止部材は、前記照射位置の対向裏面位置の法線方向に
伸びて末端に開口を備えたダクト部分を有するか、或い
は前記照射位置の対向裏面位置の法線方向に伸びて、一
端に第1開口部を末端に第2開口部をそれぞれ備えたダ
クト部材が前記第1開口部を前記飛散粒子拡散阻止部材
の別の開口部に近接もしくは隣接または結合して設けら
れ、かつ前記ダクト部分の開口または前記ダクト部材の
第2開口部に、飛散粒子を蓄積させる蓄積容器が着脱自
在に設けられていることを特徴とする請求項1〜3記載
のX線発生装置(請求項4)」を提供する。
【0017】また、本発明は第五に「前記飛散粒子拡散
阻止部材または前記ダクト部材は、着脱自在に設けられ
ていることを特徴とする請求項1〜4記載のX線発生装
置(請求項5)」を提供する。また、本発明は第六に
「前記標的部材を通過または貫通した励起エネルギービ
ームを通過させる開孔または透過させる窓を前記飛散粒
子拡散阻止部材に設け、かつ窓を設ける場合には、該窓
を設ける位置を入射する励起エネルギービームによる窓
材のアブレーションが起こらない程度に入射励起エネル
ギービームが減衰する位置としたことを特徴とする請求
項1〜5記載のX線発生装置(請求項6)」を提供す
る。
【0018】また、本発明は第七に「前記開孔を通過し
た、或いは前記窓を透過した励起エネルギービームを吸
収する部材または散乱させる部材を設けたことを特徴と
する請求項6記載のX線発生装置(請求項7)」を提供
する。また、本発明は第八に「前記開孔を通過した、或
いは前記窓を透過した励起エネルギービームをさらに透
過させる別の窓が前記真空容器に設けられ、前記吸収部
材または散乱部材は真空容器外に設けられていることを
特徴とする請求項6または7記載のX線発生装置(請求
項8)」を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】標的材料を必要最小限に抑えるた
めに、薄膜状またはテープ状にした標的部材に励起エネ
ルギービーム(例えば、レーザー光)を照射すると、励
起エネルギービームが入射する側へ飛散する粒子の量は
低減されるものの、大部分の飛散粒子は標的部材の裏面
側へ放出されることを、本発明者らは実験により見い出
した。
【0020】例えば、本発明者らによる実験により観察
された、フィルム状の標的部材上にレーザー光を照射し
たときの飛散粒子の放出の様子を図2に示す。図2で
は、フィルム状の標的部材を真横から観察しており、レ
ーザー光は左から照射されている。そして、本発明者ら
は、標的部材の裏面側へ放出された飛散粒子の一部が真
空容器の内壁に衝突し、反射、散乱された後、真空容器
内の清浄光学面(例えば光学素子)や真空容器に接続さ
れている清浄光学面(例えば透過窓)に衝突して、付
着、堆積することを見いだした。
【0021】そこで、本発明者らは、減圧された真空容
器内の標的部材に励起エネルギービームを照射してプラ
ズマを形成させ、該プラズマからX線を取り出すX線発
生装置において、径が比較的大きい飛散粒子の発生を低
減させるために、標的部材の標的材料(標的物質)をプ
ラズマ発生に必要な最小限の量にとどめるべく、標的物
質の形状を薄膜状またはテープ状として直接的に標的部
材を構成するか、或いは薄膜またはテープの上に標的物
質の薄膜を形成して標的部材を構成し、かつ標的部材の
裏面側へ放出された飛散粒子の真空容器内での反射、散
乱による拡散を阻止するために、励起エネルギービーム
が照射される標的部材表面の裏面側に飛散粒子拡散阻止
部材を設けた。
【0022】即ち、本発明のX線発生装置では、飛散粒
子の放出量が多い励起エネルギービーム照射位置の標的
部材裏面側に飛散粒子拡散阻止部材を設けることにより
裏面側に放出された飛散粒子が真空容器内に散乱、拡散
するのを防ぐことができる。従って、本発明(請求項1
〜8)のX線発生装置(励起エネルギープラズマX線
源)によれば、清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積を
十分に抑制することができる。
【0023】本発明にかかる飛散粒子拡散阻止部材は、
開口部を有する容器の形状を有し、励起エネルギービー
ムの標的部材表面における照射位置の対向裏面位置に前
記開口部が近接するように、設けられていることが好ま
しい(請求項2)。かかる構成にすることにより、標的
部材の裏面側へ放出される飛散粒子をより的確に阻止し
て、その結果、清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積を
抑制する効果を増大させることができる。
【0024】特に、励起エネルギービームの標的部材表
面における照射位置の対向裏面部を概略取り囲むよう
に、飛散粒子拡散阻止部材を配置することにより、標的
部材の裏面方向に放出された殆どの飛散粒子を取り込む
ことができるので、飛散粒子の真空容器内への拡散を効
果的に低減できる。標的部材の裏側に放出される飛散粒
子は、照射位置の対向裏面位置の法線方向に強い指向性
を有するので、前記法線方向に大量の高速飛散粒子が放
出される。
【0025】そのため、この様な高速飛散粒子との衝突
により飛散粒子拡散阻止部材が削り取られて、飛散粒子
拡散阻止部材から新たな飛散粒子が放出されたり、飛散
粒子拡散阻止部材に穴があいてしまう危険性がある。そ
こで、本発明にかかる飛散粒子拡散阻止部材は、照射位
置の対向裏面位置の法線方向に伸びて末端が閉塞された
ダクト部分を有するか、或いは前記照射位置の対向裏面
位置の法線方向に伸びて、一端に開口を有し末端が閉塞
されたダクト部材が前記開口を飛散粒子拡散阻止部材の
別の開口部に近接もしくは隣接または結合して設けられ
ていることが好ましい(請求項3)。
【0026】かかる構成にすると、飛散粒子は飛散粒子
拡散阻止部材のダクト部分の内壁面に、或いはダクト部
材の内壁面に浅い角度で衝突するので、ダクト部分また
はダクト部材から新たな飛散粒子が放出されたり、ダク
ト部分またはダクト部材に穴があくことを防止すること
ができる。また、ダクト部分またはダクト部材の全体が
飛散粒子を貯め込む容量が大きい蓄積部となるので、飛
散粒子拡散阻止部材またはダクト部材を交換することな
く、長時間にわたってX線発生装置を動作させることが
できる。
【0027】なお、ダクト部分の終端部またはダクト部
材の終端部を飛散粒子を貯め込む蓄積部としてもよい。
本発明にかかる飛散粒子拡散阻止部材は、照射位置の対
向裏面位置の法線方向に伸びて末端に開口を備えたダク
ト部分を有するか、或いは照射位置の対向裏面位置の法
線方向に伸びて、一端に第1開口部を末端に第2開口部
をそれぞれ備えたダクト部材が前記第1開口部を前記飛
散粒子拡散阻止部材の別の開口部に近接もしくは隣接ま
たは結合して設けられ、かつ前記ダクト部分の開口また
は前記ダクト部材の第2開口部に、飛散粒子を蓄積させ
る蓄積容器が着脱自在に設けられていることが好ましい
(請求項4)。
【0028】かかる構成にすると、X線発生装置を一定
期間動作させた後、着脱自在の蓄積容器を交換するだけ
で直ぐに再動作させることができるので、X線発生装置
の休止期間を短くすることができる。また、本発明にか
かる飛散粒子拡散阻止部材またはダクト部材は、着脱自
在に設けられていることが好ましい(請求項5)。
【0029】かかる構成にすると、X線発生装置を一定
期間動作させた後、着脱自在の飛散粒子拡散阻止部材ま
たはダクト部材を交換するだけで直ぐに再動作させるこ
とができるので、X線発生装置の休止期間を短くするこ
とができる。本発明にかかる標的部材に励起エネルギー
ビームを照射すると、励起エネルギービームの一部が標
的部材を貫通して裏側に抜けることがある。また、何ら
かの原因により、標的部材上における照射位置をかえな
いで励起エネルギービームを照射した場合には、励起エ
ネルギービームが前回の照射であいた標的部材の穴を通
過して裏面側に抜けてくることがある。
【0030】この様な場合に、飛散粒子拡散阻止部材が
標的部材の近傍に配置されていると、標的部材を貫通ま
たは通過した励起エネルギービームが飛散粒子拡散阻止
部材に当たって飛散粒子拡散阻止部材から飛散粒子が放
出されたり、飛散粒子拡散阻止部材に穴があいてしま
う。そこで、これを解決すべく本発明においては、標的
部材を通過または貫通した励起エネルギービームを通過
させる開孔または透過させる窓を飛散粒子拡散阻止部材
に設け、窓を設ける場合には、該窓を設ける位置を入射
する励起エネルギービームによる窓材のアブレーション
が起こらない程度に入射励起エネルギービームが減衰す
る位置とすることが好ましい(請求項6)。
【0031】なお、前記開孔を通過した、或いは前記窓
を透過した励起エネルギービームによる不都合な事態の
発生を防止するために、通過あるいは透過した励起エネ
ルギービームを吸収する部材または散乱させる部材を設
けることが好ましい(請求項7)。前記開孔を通過し
た、或いは前記窓を透過した励起エネルギービームをさ
らに透過させる別の窓が前記真空容器に設けられる場合
には、前記吸収部材または散乱部材は真空容器外に設け
ればよい(請求項8)。
【0032】以下、本発明を実施例により更に詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0033】
【実施例1】図1は本実施例のX線発生装置を示す概略
構成図である。真空容器101内は予め、真空容器10
1に直接接続されている排気装置(不図示)により、レ
ーザー光が標的部材106上まで到達でき、かつ発生し
たX線が大幅に減衰することなく透過できるような圧力
(例えば数Torr程度)まで排気されている。
【0034】集光光学素子(不図示)によりレーザー光
103はレーザー光導入窓102を通してテープ状の標
的部材106上に集光され、プラズマ107が生成され
る。テープ状の標的部材106は、リール104、10
5に巻かれており、リール104からリール105へ、
或いはリール105からリール104へ巻き取られるよ
うになっている。
【0035】プラズマ107から発生したX線の一部
は、可視光カットX線透過膜(清浄光学面である光学素
子の一例、例えばBe膜)110を透過した後、他のX
線光学素子(例えばX線多層膜ミラーなど)へと導かれ
る。本実施例においては、飛散粒子108の放出量がも
っとも多い、レーザー照射部位(位置)における標的部
材の裏面側に、レーザー照射部位の対向裏面部位を取り
囲むように飛散粒子拡散阻止部材109が配置されてい
る。
【0036】即ち、飛散粒子拡散阻止部材109は、開
口部を有する容器の形状を有し、前記対向裏面部位に前
記開口部が近接するように配置されている。かかる構成
にすることにより、標的部材の裏面方向に放出された大
部分の飛散粒子は、飛散粒子拡散阻止部材109内に取
り込まれることとなり、阻止部材109内に入った飛散
粒子は、内部で何回か反射、散乱された後、部材内の壁
面に蓄積されるので、再び阻止部材109の外に出るこ
とはない。
【0037】従って、飛散粒子が可視光カットX線透過
膜に衝突して損傷を与えたり、付着、堆積することはな
い。
【0038】
【実施例2】図3は本実施例のX線発生装置を示す概略
構成図である。本実施例では、飛散粒子拡散阻止部材3
09のうち、レーザー光の光軸が交わる部位に、レーザ
ー光が透過する窓311が設けられている。テープ状の
標的部材306を貫通または通過したレーザー光316
は、この窓311と、真空容器301に設けられている
窓312とを透過して真空容器外にでる。真空容器外に
出たレーザー光は、ビームストッパーなどにより、吸収
または散乱させられる。
【0039】かかる構成にすることにより、テープ状の
標的部材306を貫通または通過してきたレーザー光が
阻止部材309に照射されて、阻止部材309から飛散
粒子を放出させたり、阻止部材309に損傷を与えて穴
をあけてしまうことを防ぐことができる。ここで、窓3
11はレーザー光による損傷を受けない程度にレーザー
光強度が減衰している位置に設けることが好ましい。
【0040】また、本実施例では、飛散粒子拡散阻止部
材は、前記照射位置の対向裏面位置の法線方向に伸びて
末端に開口を備えたダクト部分313を有し、かつ該ダ
クト部分313の開口には、飛散粒子を蓄積させる蓄積
容器315がゲートバルブ314を介して着脱自在に設
けられている。標的部材の裏側に放出される飛散粒子
は、標的部材におけるレーザー光照射位置の対向裏面位
置の法線方向に強い指向性を持っているので、前記法線
方向に大量の高速飛散粒子が放出される。
【0041】この様な高速飛散粒子の大部分は、ダクト
部分313の内部に取り込まれ、ダクト部分313の内
壁面で反射、散乱されてそのエネルギーを失い、最後に
は蓄積容器315内に貯め込まれる。ここで、飛散粒子
とダクト部分313の内壁面との衝突は、その大部分が
浅い角度で起きるので、内壁面の損傷が少なくてすむ。
【0042】X線発生装置を長時間運転させると、飛散
粒子蓄積容器315内に多量の飛散粒子が蓄積される。
そこで、その際にはゲートバルブ314を閉じて、飛散
粒子蓄積容器315内をリークし(リークバルブは不図
示)、飛散粒子蓄積容器315を取り外して新しいもの
と交換する。
【0043】そして、交換した新しい飛散粒子蓄積容器
315の内部を排気した後(排気装置は不図示)、ゲー
トバルブを開ければよい。本実施例では、ダクト部分3
13はL字型の形状をしているが、これに限定されるも
のではなく任意形状で良い。また、ダクト部分313の
内部に入り込んだ飛散粒子が再び阻止部材309側に戻
らないように、ダクト部分313の内部にバッフルを設
けても良い。
【0044】さらに、ダクト部分313に排気装置を取
り付けて、ダクト部分からも排気できるようにすること
により、阻止部材309内に放出されたガス状の飛散物
質をも効果的に取り除くことができる。また、本実施例
では、ダクト部分313と飛散粒子蓄積容器315とが
分離していたが、これらが一体となったものでも良い。
【0045】本実施例で用いる阻止部材309と、その
ダクト部分313は飛散粒子と衝突するので、その材質
は硬い方が好ましい。例えば、ステンレスやチタン、タ
ングステンなどの物質により構成されていると良い。ま
た、阻止部材309と、そのダクト部分313の形状と
しては、円筒状、円錐状、立方体などにすることができ
るが、これらに限定されるものではなく、任意の形状で
よい。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のX線発生
装置によれば、飛散粒子との衝突による清浄光学面の損
傷を防止し、さらに清浄光学面への飛散粒子の付着、堆
積を十分に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1のX線発生装置を示す概略構成図
である。
【図2】は、フィルム状の標的部材にレーザー光を照射
したときの飛散粒子の放出の様子を示す実験図である。
【図3】は、実施例2のX線発生装置を示す概略構成図
である。
【主要部分の符号の説明】
101,301・・・ 真空容器 102,302・・・ レーザー光導入窓 103,303・・・ レーザー光 104,304・・・ リール 105,305・・・ リール 106,306・・・ テープ状の標的部材 107,307・・・ プラズマ 108,308・・・ 飛散粒子 109,309・・・ 飛散粒子拡散阻止部材 110,310・・・ 可視光カットX線透過膜 311,312・・・ レーザー光透過窓 313・・・ 飛散粒子拡散阻止部材のダクト部分 314・・・ ゲートバルブ 315・・・ 飛散粒子蓄積容器 316・・・ 通過(貫通)レーザー光 以上

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧された真空容器内の標的部材に励起
    エネルギービームを照射してプラズマを形成させ、該プ
    ラズマからX線を取り出すX線発生装置において、 前記標的部材は、標的物質が薄膜状またはテープ状に形
    成されたものであるか、或いは薄膜またはテープの上に
    標的物質の薄膜が形成されたものであり、また前記励起
    エネルギービームが照射される前記標的部材表面の裏面
    側に飛散粒子拡散阻止部材を設けたことを特徴とするX
    線発生装置。
  2. 【請求項2】 前記飛散粒子拡散阻止部材は、開口部を
    有する容器の形状を有し、前記励起エネルギービームの
    前記標的部材表面における照射位置の対向裏面位置に前
    記開口部が近接するように、設けられていることを特徴
    とする請求項1記載のX線発生装置。
  3. 【請求項3】 前記飛散粒子拡散阻止部材は、前記照射
    位置の対向裏面位置の法線方向に伸びて末端が閉塞され
    たダクト部分を有するか、或いは前記照射位置の対向裏
    面位置の法線方向に伸びて、一端に開口を有し末端が閉
    塞されたダクト部材が前記開口を前記飛散粒子拡散阻止
    部材の別の開口部に近接もしくは隣接または結合して設
    けられていることを特徴とする請求項1または2記載の
    X線発生装置。
  4. 【請求項4】 前記飛散粒子拡散阻止部材は、前記照射
    位置の対向裏面位置の法線方向に伸びて末端に開口を備
    えたダクト部分を有するか、或いは前記照射位置の対向
    裏面位置の法線方向に伸びて、一端に第1開口部を末端
    に第2開口部をそれぞれ備えたダクト部材が前記第1開
    口部を前記飛散粒子拡散阻止部材の別の開口部に近接も
    しくは隣接または結合して設けられ、かつ前記ダクト部
    分の開口または前記ダクト部材の第2開口部に、飛散粒
    子を蓄積させる蓄積容器が着脱自在に設けられているこ
    とを特徴とする請求項1〜3記載のX線発生装置。
  5. 【請求項5】 前記飛散粒子拡散阻止部材または前記ダ
    クト部材は、着脱自在に設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜4記載のX線発生装置。
  6. 【請求項6】 前記標的部材を通過または貫通した励起
    エネルギービームを通過させる開孔または透過させる窓
    を前記飛散粒子拡散阻止部材に設け、かつ窓を設ける場
    合には、該窓を設ける位置を入射する励起エネルギービ
    ームによる窓材のアブレーションが起こらない程度に入
    射励起エネルギービームが減衰する位置としたことを特
    徴とする請求項1〜5記載のX線発生装置。
  7. 【請求項7】 前記開孔を通過した、或いは前記窓を透
    過した励起エネルギービームを吸収する部材または散乱
    させる部材を設けたことを特徴とする請求項6記載のX
    線発生装置。
  8. 【請求項8】 前記開孔を通過した、或いは前記窓を透
    過した励起エネルギービームをさらに透過させる別の窓
    が前記真空容器に設けられ、前記吸収部材または散乱部
    材は真空容器外に設けられていることを特徴とする請求
    項6または7記載のX線発生装置。
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