JP2001135877A - レーザプラズマx線発生装置 - Google Patents
レーザプラズマx線発生装置Info
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Abstract
りX線光学素子が損傷を受けることなく、かつ、高繰返
しでも連続して安定した高い平均出力のレーザプラズマ
X線を発生することができる。 【解決手段】 レーザプラズマを生成する主パルスレー
ザ光が主パルスレーザ発生装置121から集光照射点1
10に集光照射された際にターゲットから放出されたタ
ーゲット材112の破片微粒子を、蒸散用パルスレーザ
発生装置131が生成する蒸散用パルスレーザ光の照射
により加熱し、破片微粒子を蒸発・気化させている。蒸
散用パルスレーザ光の照射は制御装置125により主パ
ルスレーザ発生装置121と同期して時間的に調整され
ている。更に、破片微粒子が放出される領域を照明光源
141が照射し、この照明を受けて検出器143が破片
微粒子の発生を検出して制御装置125へ通知してい
る。
Description
物質をターゲットとしてこのターゲットに高尖頭パワー
を有する繰り返しパルスレーザ光を集光照射して生じた
プラズマからレーザプラズマX線を発生するレーザプラ
ズマX線発生装置に関し、特に、高尖頭パワーを有する
繰り返しパルスレーザ光の照射でも、発生したレーザプ
ラズマX線を集めるX線反射鏡がターゲット材から飛散
した高速の微粒子により損傷を受けることなく、連続し
て安定した高い平均出力のレーザプラズマX線を発生す
ることができるレーザプラズマX線発生装置に関する。
を直径100μm以下の点に集光して、これを固体密度
のターゲットに照射することにより高温高密度のレーザ
プラズマが生成され、このレーザプラズマから高い輝度
のパルスX線がレーザプラズマX線として放射されるこ
とは1970年代から知られている。
u、アルミニウムAl、金Auなどの金属を主体とする
固体材料である。従って、レーザ加熱によって蒸発した
集光点近傍のターゲット材の蒸気分子が周囲のチャンバ
ー壁内面または放射されるレーザプラズマX線を集める
X線鏡の表面に堆積付着する。この結果、X線鏡の表面
に堆積付着したターゲット材の固体材料がX線を強く吸
収するため、鏡の反射率が減少し、使用できるX線の実
効強度が時間と共に低下するという問題点を発生する。
Hoffman,他により「Vacuum Scien
ce and Technology B3(1),p
p.258,1985年」において、図4に示されるよ
うな、X線鏡の表面までの空間に機械的なシャッターを
設ける技術が提案されている。また更に、N.Kand
aka,他により「Japanese J.Appli
ed Physics37,L147,1998年」に
おいて、図5に示されるような、ガスセルによる密度の
大きなバッファー(衝突)ガス領域を配置するなどの手
段を用いて、上述した蒸発ガス分子がX線鏡まで流れる
ことを阻止している。しかし、一般にX線鏡までの距離
が大きいので、X線を集める立体角度を大きくとること
ができない。
たは固体のクライオ材を用いるレーザプラズマX線発生
装置では、ターゲット材が粉砕されて生じた微粒子の速
度、すなわち運動エネルギーが大きい場合、この発生し
た微粒子が衝突することによってX線鏡の表面の多層膜
に回復不能な機械的損傷を与えるという問題点がある。
光によるレーザプラズマ生成ののち、ターゲット材から
は温度の比較的高い中性ガス分子の蒸発に遅れてターゲ
ット材が破砕されて生じた微粒子または破片が放出され
るためである。特に、微粒子の直径が5μm以上、速度
が毎秒1km程度以上ではX線鏡表面の多層膜に損傷が
発生する。上述した第2のガスセルの例では、運動量の
大きな高速微粒子に対してガスによる阻止効果が弱い。
他方、第1の機械式シャッターの例では、要求される応
答速度を実現することはできても、集光できる立体角度
を大きくとることはできない。
し、高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光の照
射でも、発生したレーザプラズマX線を集めるX線反射
鏡を含むX線光学素子がターゲット材から飛散した高速
の微粒子により損傷を受けることなく、連続して安定し
た高い平均出力のレーザプラズマX線を発生することが
できるレーザプラズマX線発生装置を提供することであ
る。
ズマX線発生装置は、固体または液体の物質をターゲッ
トとしてこれに高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレ
ーザ光を集中照射して生じたプラズマからレーザプラズ
マX線を発生するレーザプラズマX線発生装置におい
て、プラズマを発生させる前記パルスレーザ光を主パル
スレーザ光とし手発生する主パルスレーザ発生装置と、
ターゲット表面から放出されるターゲット材微粒子を加
熱して蒸発気化させる蒸散用パルスレーザ光を発生する
蒸散用パルスレーザ発生装置と、前記主パルスレーザ光
に対し時間的に遅延して前記ターゲットの集光照射され
た表面近傍を通過する前記ターゲットを避けた光路に、
前記蒸散用パルスレーザ光を導光し前記表面近傍に向け
て集光する光学系部材と、前記蒸散用パルスレーザ発生
装置に通知して導光される前記蒸散用パルスレーザ光の
遅延時間、パルス時間幅、およびパルスエネルギーを調
整する制御装置とを備えることを特徴としている。
パルスレーザ光によるレーザプラズマX線が発生した
後、ターゲットから温度の比較的高い中性ガス分子が蒸
発する時点より遅れて飛散する微粒子または破片を、蒸
散用パルスレーザ光によりレーザ加熱して蒸発気化する
ことができる。
置は、前記蒸散用パルスレーザ光の光路とほぼ同一の光
路を伝搬し、前記表面近傍を通過するパルス状および連
続のいずれか一方の照明光を発生する照明光源と、通過
して到来した前記パルス状および連続のいずれか一方に
よる記照明における強度および照明光中における飛来物
体の映像の少なくとも一方を検出する検出器と、前記検
出器から受ける信号を処理し同期信号として前記蒸散用
パルスレーザ光の発生を制御する前記制御装置へ転送す
る信号処理装置とを備えることができる。このような手
段により、蒸散用パルスレーザ光が適切に制御できるの
で飛来微粒子を照射・加熱を効果的に実効することがで
きる。
置は、蒸散用パルスレーザ光の集光照射領域を空間的に
掃引するために前記光路中の反射鏡の向きを揺動させる
機構を備えてもよい。更に、上述したレーザプラズマX
線発生装置は、前記ターゲットに、冷却して液体化およ
び固体化の少なくとも一方となった化学的に不活性で室
温ではガス状の物質であるクライオターゲットを充てて
いる。
の蒸散用パルスレーザ光を高速微粒子の発生源の表面空
間に、ターゲット表面の接線方向から集光することによ
り、飛来する高速微粒子を照射加熱して蒸散させてい
る。また、放出点の近傍で蒸散させることができるの
で、X線光学素子を放出点の近くに配置することができ
る。遅延時間は、実験により最適値を定めることもでき
るが、実時間で微粒子の発生を観測し、これに同期して
蒸散用パルスレーザ光のレーザパラメータをパルスのシ
ョット毎に制御することも可能である。
近傍の空間をターゲット表面に沿った方向から照明光ビ
ームにより照明し、その透過光または反射光を検出する
ことによって微粒子が照明領域に現れたことをモニター
して遅延時間を計測し、これを同期信号として上述した
蒸散用パルスレーザ光を発生させることにより主レーザ
パルス光を無駄にすることなく、飛散して空間を横切る
高速の微粒子に同期してこの微粒子を照射蒸散してい
る。
状の微粒子は、弱いファンデルワース力(分子間力)の
みで結ばれた原子分子の集合体であるため、固体金属タ
ーゲットから飛来する飛散微粒子に比べて少ないレーザ
加熱で容易に蒸散気化している。
強度が上記蒸散用パルスレーザ光の集光スポット内で十
分な大きさであっても、集光されたレーザビームの直径
が集光照射点から放出される微粒子の角度分布で決まる
円錐台形の空間寸法に比べて小さい場合には、上記蒸散
用パルスレーザ光の方向を振動する鏡などにより変化さ
せ、その結果、上記円錐台形の空間全体を微粒子の通過
する時間と比較して十分に高速にレーザビームを掃引す
ることによって、全ての高速微粒子を逃さずに蒸散させ
ている。
て図面を参照して説明する。
の概要図である。
置は、真空チャンバー111、液体または固体のターゲ
ット材112、プラズマ生成用の主パルスレーザ光を発
生する主パルスレーザ発生装置121、およびターゲッ
トから飛散する微粒子を蒸散させる蒸散用パルスレーザ
光を発生する蒸散用パルスレーザ発生装置131を主要
構成要素として備えている。
部材として、主パルスレーザ光を導く反射鏡122と入
射窓ガラス124を通してターゲット表面に集光照射さ
せる集光レンズ123とが備えられている。また、蒸散
用パルスレーザ発生装置131の光学系部材として、蒸
散用パルスレーザ光を導く反射鏡132と入射窓ガラス
134を通して微粒子が飛散する場所の近傍に集光する
集光レンズ133とが備えられている。また、蒸散用パ
ルスレーザ光の集光照射領域を空間的に掃引するために
上記反射鏡132の向きを揺動させる機構として揺動器
135が備えられている。
受ける同期信号に対し、制御された時間だけ遅延させて
蒸散用パルスレーザ発生装置131を制御して蒸散用パ
ルスレーザ光を発光させる制御装置125、ターゲット
表面上の集光照射点近傍の空間で微粒子により散乱され
る照明光を発生する照明光源141、散乱または透過す
る照明光を検出する検出器142およびその信号処理器
143、並びにX線出射口113を備えている。
る主パルスレーザ光は、高い尖頭パワーと高い繰返し型
のものである。
は、レーザ波長1μm、パルスエネルギー0.7J〜
1.0J、パルス幅15ns、および繰返し周波数10
Hz〜1kHzを有する主パルスレーザ光を主パルスレ
ーザ発生装置121から放射している。この主パルスレ
ーザ光はターゲットの表面に集光照射点110としてほ
ぼ100μmの集光径で集光照射される。この場合、タ
ーゲット表面上でのレーザ強度(電力密度)はほぼ10
12W/cm2となる。放射されたX線はX線出射口1
13から取り出される。この光強度により、プラズマ化
したターゲット材112からX線が放射される。主パル
スレーザ光を繰返し周波数10Hz〜1kHzで動作さ
せ、安定なパルスX線(レーザプラズマX線)を得るた
めには、1パルス毎に新しいターゲット表面を回転円筒
または無端回転ベルトなどにより集光照射点110に連
続して供給している。
レーザ光の発光に対する集光照射点110周辺の状況に
ついて説明する。
心に生成されたターゲットプラズマにより集光照射点1
10周辺は加熱される。この加熱により、集光照射点1
10周辺のターゲット材112から中性の原子および分
子が気化する。この気化の後、1μs程度の遅延時間で
ターゲット材の微小破片、すなわちターゲット材の微粒
子が放出される。この微粒子の速度は1km/s以下で
あり、その高速微粒子の直径は10μm以下である。
m離れた空間に到達するまでに要する飛行時間はほぼ1
μsである。従って、主パルスレーザ光のパルスよりほ
ぼ2μs遅れて蒸散用パルスレーザ光をターゲット表面
に沿って2μs〜6μsの間だけ入射させた場合、上記
高速微粒子を同期して照射することができる。
して飛散するターゲット材の微粒子と蒸散用パルスレー
ザ光との関係について説明する。
放出される角度の分布は、集光照射点110におけるタ
ーゲット面の法線に対し、ほぼ30度以内の円錐形領域
114の内側に集中している。従って、図示されるよう
に、蒸散用パルスレーザ光は、集光照射点110上の空
間において、ターゲット表面から1mm離れた面上に垂
直に2mmの幅を有し、集光照射点110からの垂直線
に直角方向にそれぞれ1mmの境界を有する正方形断面
を有する角柱状の照射領域130の内側を、上述した遅
延時間をもって照射している。飛散する高速微粒子11
5がこの照射領域130を横切るために必要な時間は2
μsである。
エネルギー100mJ、パルス幅2μs、波長1μm〜
10μmを有する場合には、上記2mm×2mmの照射
領域内に集光されたレーザ強度は1.3×106W/c
m2となる。このレーザ強度で照射されたターゲット材
の質量蒸発速度はほぼ5×103g/cm2/sとなる
ので、レーザパルス時間幅2μs以内では、質量密度が
ほぼ3g/cm3のターゲット(キセノンXe)の場
合、レーザ光を照射している間に直接蒸発する深さはほ
ぼ30μmに達する。従って、10μm以下の直径を有
する高速微粒子は十分に蒸散・気化される。
ングは、主パルスレーザ発生装置から送信される同期信
号に基づいて、制御装置125により遅延時間を調節さ
れたものである。照射領域130を照明する照射光の透
過光または反射光の光量または照射領域内に飛来する微
粒子の映像を検出器142でモニター検出することによ
り、微粒子の到着時間を計測し、認知することができ
る。
集光された蒸散用パルスレーザ光の集光スポットの寸法
が照射領域130の寸法に比べて小さい場合には、蒸散
用パルスレーザ光導光用の反射鏡132の一つを電磁力
またはピエゾ効果を利用した揺動器135で揺動させ、
集光スポットの中心を微粒子115の通過時間のほぼ2
μsに比べて十分に短い時間で空間的に掃引することに
よって実効的に照射領域130の全域に蒸散用パルスレ
ーザ光を照射したものと等価な状態を形成している。
を参照し、かつ適切なデータを示して説明しているが、
図示され説明された形状大きさおよび相互位置、数量な
どの構成並びに組み合わせについては、相互に関連があ
るが上述した機能を満たす範囲で変更可能であり、本発
明は上記記載に限定されるものではない。
ーザプラズマ生成後、ターゲットから放出された破片微
粒子を時間的に調整された蒸散用パルスレーザ光で加熱
し、これを蒸発・気化させることができるため、レーザ
プラズマX線を反射する高価なX線反射鏡の多層膜を損
傷することがなく、また、蒸散用に極めて小さな空間の
みしか必要としないので、X線反射鏡をターゲットに近
く配置でき、プラズマX線を受ける明るい光学系の形成
が可能となる。従って、X線反射鏡の交換を不要とし、
実用的なレーザプラズマX線発生装置の提供を可能とす
るという効果がある。
射面近傍における状態を説明するタイムチャートであ
る。
示す説明斜視図である。
Claims (4)
- 【請求項1】 固体または液体の物質をターゲットとし
てこれに高尖頭パワーを有する繰り返しパルスレーザ光
を集中照射して生じたプラズマからレーザプラズマX線
を発生するレーザプラズマX線発生装置において、プラ
ズマを発生させる前記パルスレーザ光を主パルスレーザ
光として発生する主パルスレーザ発生装置と、ターゲッ
ト表面から放出されるターゲット材微粒子を加熱して蒸
発気化させる蒸散用パルスレーザ光を発生する蒸散用パ
ルスレーザ発生装置と、前記主パルスレーザ光に対し時
間的に遅延して前記ターゲットの集光照射された表面近
傍を通過する前記ターゲットを避けた光路に、前記蒸散
用パルスレーザ光を導光し前記表面近傍に向けて集光す
る光学系部材と、前記蒸散用パルスレーザ発生装置に通
知して導光される前記蒸散用パルスレーザ光の遅延時
間、パルス時間幅、およびパルスエネルギーを調整する
制御装置とを備えることを特徴とするレーザプラズマX
線発生装置。 - 【請求項2】 請求項1において、更に、前記蒸散用パ
ルスレーザ光の光路とほぼ同一の光路を伝搬し、前記表
面近傍を通過するパルス状および連続のいずれか一方の
照明光を発生する照明光源と、通過して到来した前記パ
ルス状および連続のいずれか一方による記照明における
強度および照明光中における飛来物体の映像の少なくと
も一方を検出する検出器と、前記検出器から受ける信号
を処理し同期信号として前記蒸散用パルスレーザ光の発
生を制御する前記制御装置へ転送する信号処理装置とを
備えることを特徴とするレーザプラズマX線発生装置。 - 【請求項3】 請求項1において、蒸散用パルスレーザ
光の集光照射領域を空間的に掃引するために前記光路中
の反射鏡の向きを揺動させる機構を備えることを特徴と
するレーザプラズマX線発生装置。 - 【請求項4】 請求項1から請求項3までのうちの一つ
において、前記ターゲットが、冷却して液体化および固
体化の少なくとも一方となった化学的に不活性で室温で
はガス状の物質であるクライオターゲットであることを
特徴とするレーザプラズマX線発生装置。
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JP31127799A JP3646588B2 (ja) | 1999-11-01 | 1999-11-01 | レーザプラズマx線発生装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3646588B2 JP3646588B2 (ja) | 2005-05-11 |
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1999
- 1999-11-01 JP JP31127799A patent/JP3646588B2/ja not_active Expired - Fee Related
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