JPH08321395A - X線発生装置 - Google Patents

X線発生装置

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JPH08321395A
JPH08321395A JP7127600A JP12760095A JPH08321395A JP H08321395 A JPH08321395 A JP H08321395A JP 7127600 A JP7127600 A JP 7127600A JP 12760095 A JP12760095 A JP 12760095A JP H08321395 A JPH08321395 A JP H08321395A
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Noriaki Kamitaka
典明 神高
Hiroyuki Kondo
洋行 近藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 X線の取り出し方向について、不都合な飛散
粒子の付着、堆積を低減して、その結果、長時間安定し
て使用できるX線発生装置を提供すること。 【構成】 減圧された真空容器内の標的部材303に励
起エネルギービーム311を照射してプラズマを形成さ
せ、該プラズマからX線を取り出すX線発生装置であ
り、前記標的部材303及び/又は前記プラズマから放
出される飛散粒子を阻止するためにバッファガスを用い
るX線発生装置において、前記X線を取り出す範囲に相
当する立体角領域に隣接または近接する飛散粒子阻止部
材330を設けたことを特徴とするX線発生装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、X線露光装置、X線顕
微鏡、X線分析装置などのX線装置に用いられるX線発
生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】レーザー光(励起エネルギービームの一
例)を減圧された真空容器内に置かれた標的部材に集光
して照射すると、標的部材は急速にプラズマ化し、この
プラズマから非常に輝度の高いX線が輻射(放出)され
る(X線を発生する)ことが知られている(例えば、こ
のようなX線発生源はLPX:Laser-Plasma X-raysour
ce と呼ばれる)。
【0003】X線の発生と共に、前記プラズマからは高
速の電子やイオン等の飛散粒子が、また前記標的部材か
らは部材材料の飛散粒子(例えば、ガス化した材料、イ
オン化した材料、材料小片など)が放出されて真空容器
内に飛散する(以下、これらをまとめて飛散粒子と呼
ぶ)。これらの飛散粒子のうち、比較的形状の大きなも
のをデブリ(debris)と呼んでいる。このような飛散粒
子(特に、デブリ)は、清浄光学面(例えば、X線光学
素子面)に衝突して、これらを破損したり、或いは付
着、堆積して機能や特性を低下させたり変化させるの
で、大きな問題であった。
【0004】この問題点を解決するために従来の方法で
は、X線源と清浄光学面との間に、X線透過性の高い物
質(例えば、Be)からなる薄膜(以下、飛散粒子阻止
用薄膜またはX線取り出しフィルターと呼ぶ)を設置し
て遮蔽することにより、飛散粒子が清浄光学面に到達し
ないようにしていた。その他の方法としては、真空容器
内にX線に対する透過率の高い低原子番号のガス(例え
ば、Heガス)を充填することにより、或いは該ガスの
ガス流を形成することにより、飛散粒子にガス分子を衝
突させて飛散粒子の阻止を図っていた(特開昭63-29255
3 参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】飛散粒子阻止用薄膜の
設置により、清浄光学面への飛散粒子の付着、堆積は防
げるが、そのかわり、飛散粒子阻止用薄膜上に飛散粒子
が付着、堆積するので、飛散粒子阻止用薄膜のX線透過
率が次第に低下する(X線取り出し方向における使用X
線強度が低下する)という問題点がある。
【0006】また、真空容器内にX線に対する透過率の
高い低原子番号のガス(バッファガス)を充填すること
により、或いは該ガスのガス流を形成することにより、
飛散粒子の阻止を図る方法では、必ずしも飛散粒子を有
効に阻止できるわけではないという問題点がある。例え
ば、標的部材がタンタルである場合に、十分に排気され
た(圧力10Pa以下)真空容器内では、飛散粒子は標
的部材表面の法線方向に多く分布する。そして、真空容
器内に飛散粒子阻止用のバッファガスを導入すると、飛
散粒子が多く放出される方向については、ガス分子によ
る散乱のために飛散粒子は減少するが、散乱した飛散粒
子はガス導入前には飛散粒子の放出が少なかった方向に
も飛散する。
【0007】そのため、飛散粒子を阻止するためにバッ
ファガスを使用すると、飛散粒子の放出方向の分布が均
一化される。このことは、飛散粒子の放出が少ない方向
については、飛散粒子の放出が多い方向と比較してガス
導入の効果が小さいか、むしろ逆効果となることを示し
ている。X線の取り出しは、飛散粒子の放出が少ない方
向において行うのが一般的であり、飛散粒子の放出が少
ないX線の取り出し方向について、ガス導入の効果が小
さいか、むしろ逆効果となることは大きな問題点であ
る。
【0008】特に、プラズマ近傍に飛散粒子の放出量の
方向分布を制御する飛散粒子制御部材であり、前記X線
を取り出す方向への飛散粒子の放出量を低減させる飛散
粒子制御部材を設ける場合に、X線の取り出し方向につ
いて、ガス導入の効果が小さいか、むしろ逆効果となる
ことは大きな問題点である。本発明は、かかる問題点に
鑑みてなされたもので、飛散粒子を阻止するためにバッ
ファガスを用いるX線発生装置であり、X線の取り出し
方向について、不都合な飛散粒子の付着、堆積を低減し
て、その結果、長時間安定して使用できるX線発生装置
を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決する為の手段】そのため、本発明は第一に
「減圧された真空容器内の標的部材に励起エネルギービ
ームを照射してプラズマを形成させ、該プラズマからX
線を取り出すX線発生装置であり、前記標的部材及び/
又は前記プラズマから放出される飛散粒子を阻止するた
めにバッファガスを用いるX線発生装置において、前記
X線を取り出す範囲に相当する立体角領域に隣接または
近接する飛散粒子阻止部材を設けたことを特徴とするX
線発生装置(請求項1)」を提供する。
【0010】また、本発明は第二に「減圧された真空容
器内の標的部材に励起エネルギービームを照射してプラ
ズマを形成させ、該プラズマからX線を取り出すX線発
生装置であり、前記標的部材及び/又は前記プラズマか
ら放出される飛散粒子を阻止するためにバッファガスを
用いるX線発生装置において、前記X線を取り出す範囲
に相当する立体角領域内に飛散粒子阻止部材を設けたこ
とを特徴とするX線発生装置(請求項2)」を提供す
る。
【0011】また、本発明は第三に「前記標的部材及び
/又は前記プラズマから放出される飛散粒子の放出量の
方向分布を制御する飛散粒子制御部材であり、前記X線
を取り出す方向への飛散粒子の放出量を低減させる飛散
粒子制御部材をさらに設けたことを特徴とする請求項1
または2記載のX線発生装置(請求項3)」を提供す
る。
【0012】また、本発明は第四に「前記飛散粒子阻止
部材を冷却する冷却手段をさらに設けたことを特徴とす
る請求項1〜3記載のX線発生装置(請求項4)」を提
供する。
【0013】
【作用】減圧された真空容器内の標的部材に励起エネル
ギービームを照射してプラズマを形成させ、該プラズマ
からX線を取り出すX線発生装置であり、前記標的部材
及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子を阻止
するためにバッファガスを用いるX線発生装置に、X線
を取り出す範囲に相当する立体角領域の外側(隣接また
は近接する領域)または内側に位置する飛散粒子阻止部
材を設けると、X線の取り出し方向について、不都合な
飛散粒子の付着、堆積(飛散粒子阻止用薄膜や清浄光学
面などへの付着、堆積)を低減できるので、その結果、
長時間安定してX線発生装置を使用できる(請求項1、
2)。
【0014】図1(a)のように、プラズマ101から
開口102を見込んだ立体角内の領域(X線を取り出す
範囲に相当する立体角領域)103を考える。図1
(b)はプラズマ及び開口を含む断面を示す。十分な真
空状態では、飛散粒子は直線的に運動し、立体角領域1
03(105)内に出射した飛散粒子110、111
は、領域103(105)内のみを通って開口102に
到達する。
【0015】しかし、真空容器内にバッファガスを導入
すると、飛散粒子はガス分子と衝突して散乱されるの
で、最初は領域103(105)の外に出射した飛散粒
子の中には、散乱の結果、領域103(105)内に進
入してくる粒子112が、また一度領域103(10
5)の外に出た飛散粒子の中には、再び領域103(1
05)内に戻る粒子113が、それぞれ存在する。
【0016】このことは、開口102に到達する飛散粒
子は、発生してから到達するまで、終始、領域103
(105)内を通過するとは限らないことを示す。これ
に対して、プラズマから発生したX線の光路は直線であ
り、開口102に到達するX線の光は常に領域103
(105)内にある。ここで、例えば図2に示すよう
に、開孔付きの部材201(飛散粒子阻止部材の一例)
を設けた場合を考える。部材の開孔は、立体角領域10
3(105)の切断面に等しい。
【0017】部材201を設けても開口102に達する
X線には、なんら影響がなく、取り出されるX線の量は
変化しない。これに対して、飛散粒子のうち、領域10
3(105)内に進入しようとする前記粒子112、1
13は、部材201により阻止されるので、部材201
を設けないときに比べて、開口102に達する飛散粒子
は減少する。
【0018】このような効果をもたらす飛散粒子阻止部
材は、領域103(105)の外に出た飛散粒子が再度
領域103(105)内に進入するのを阻止できる形状
を有すればよく、部材201のような開孔付きの板状の
物に限定されるわけではない。また、厳密には取り出す
X線光量が低下することになるが、X線を取り出す範囲
に相当する立体角領域内に飛散粒子阻止部材を設けて
も、前記の効果が得られる。例えば、図8に示すよう
に、立体角領域内にあるX線の光路上に非常に薄い板を
光路に沿って設ける場合である。
【0019】このように、減圧された真空容器内の標的
部材に励起エネルギービームを照射してプラズマを形成
させ、該プラズマからX線を取り出すX線発生装置であ
り、前記標的部材及び/又は前記プラズマから放出され
る飛散粒子を阻止するためにバッファガスを用いるX線
発生装置に、X線を取り出す範囲に相当する立体角領域
の外側(隣接または近接する領域)または内側に位置す
る飛散粒子阻止部材を設けると、X線の取り出し方向に
ついて、不都合な飛散粒子の付着、堆積(飛散粒子阻止
用薄膜や清浄光学面などへの付着、堆積)を低減できる
ので、その結果、長時間安定してX線発生装置を使用で
きる(請求項1、2)。
【0020】また、飛散粒子の放出量の方向分布を制御
する飛散粒子制御部材であり、X線を取り出す方向への
飛散粒子の放出量を低減させる飛散粒子制御部材をさら
に設けると、X線の取り出し方向における飛散粒子阻止
効果が増大するので好ましい(請求項3)。かかる飛散
粒子制御部材により、X線取り出し方向への飛散粒子放
出量を低減させるためには、例えば、飛散粒子制御部材
に以下のような形状部分を設けるとよい。
【0021】かかる形状部分としては、例えば、前記飛
散粒子制御部材に設けられた貫通孔であって、0.1 〜3
mmの最小開口径部と該最小開口径部に対する開き角が
60〜140度である最大開口径部を有する貫通孔が好
ましい。前記最小開口径部を前記励起エネルギービーム
の前記標的部材上への集光部分に隣接又は近接させ、前
記励起エネルギービームが前記貫通孔を通って前記集光
部分に入射する角度を0〜60度に、また該集光部分に
対する前記X線の取り出し角を30〜60度にそれぞれ
設定すると、取り出し方向へのX線強度を減少させるこ
となく、取り出し方向への不都合な飛散粒子の付着、堆
積を著しく低減できるので好ましい。
【0022】X線を取り出す方向への飛散粒子放出量を
低減させる形状部分は、飛散粒子制御部材に設けた前記
貫通孔に限らず、例えば、飛散粒子制御部材が複数の部
材により構成されている場合には、該複数の部材のうち
の少なくとも二つの部材の間に形成されてなるテーパ状
の間隙であって、0.1 〜3mmの最小間隙部と、該最小
間隙部に対する開き角が60〜140度である最大間隙
部を有するテーパ状の間隙でもよい。
【0023】かかるテーパ状の間隙の最小間隙部を励起
エネルギービームの標的部材上への集光部分に隣接又は
近接させ、かつ、励起エネルギービームがテーパ状の間
隙を通って前記集光部分に入射する角度を0〜60度
に、また該集光部分に対するX線の取り出し角を30〜
60度にそれぞれ設定すると、取り出し方向へのX線強
度を低減することなく、不都合な飛散粒子の付着、堆積
を低減することができるので好ましい。
【0024】本発明にかかる飛散粒子制御部材に用いる
材料としては、例えば、タンタル、タングステン、ダイ
ヤモンド、セラミックなどの高融点、又は高硬度の材料
が好ましい。これは、飛散粒子制御部材がプラズマに非
常に近接した位置に配置されるので、プラズマから飛来
するイオンや電子の該部材表面への衝突による該部材材
料の放出を防止するためである。即ち、該部材材料の放
出があると飛散粒子と同様に不都合な付着、堆積が生じ
るので、これを防止するのである。
【0025】前記飛散粒子阻止部材を冷却する冷却手段
をさらに設けると、該部材が飛散粒子を吸着しやすくな
って、阻止効果が増大するので好ましい(請求項4)。
或いは、飛散粒子を吸着しやすいように、飛散粒子阻止
部材の表面を加工(例えば、つや消し加工)することも
好ましい。以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。
【0026】
【実施例】図3に本実施例のX線発生装置の概略構成図
を示す。また、図4は飛散粒子放出量の方向分布を制御
する飛散粒子制御部材であり、X線を取り出す方向への
飛散粒子の放出量を低減させる飛散粒子制御部材の一例
であるテープ押さえアパーチャー401の拡大断面図で
ある。
【0027】飛散粒子の放出量の角度分布は、このアパ
ーチャー401により制御されて、タンタルテープ表面
の法線方向に集中した分布となる。アパーチャー401
がある場合とない場合の飛散粒子放出量の角度分布を図
5に示す。YAGレーザー光(励起エネルギービームの
一例)311が集光レンズ312によりTaターゲット
(標的部材の一例)303の表面に集光される。Taタ
ーゲット303は、厚さ15μmのテープ形状であり、
テープ上の同位置にレーザー光が集光されることがない
ように、プラズマ発生時には、駆動手段(例えば、モー
ター、不図示)によりリール304を回転させてTaテ
ープを巻き取りながら、レーザー集光位置を変化させて
いる。
【0028】Taテープの移動速度は、一つのプラズマ
が生成されて次のプラズマを生成するレーザー光が入射
するまでに、プラズマの発生によりTaテープに生じる
孔の直径分以上に移動する速度である。発生したプラズ
マから放射(輻射)されるX線は、X線取り出しフィル
タ(飛散粒子阻止用薄膜)321を通過してX線光学系
に至る。
【0029】本実施例では、飛散粒子阻止部材330は
図3に示すように、フィルタ321に入射するX線の光
路を遮らないような開孔を有する3枚の板331、33
2、333を有し、各板は所定の距離にてそれぞれ隔離
されている。また、真空容器内には、バッファガスとし
てヘリウムが導入されており、またその圧力を一定に保
持するように、ヘリウムの導入及び排気を行っている。
【0030】Taターゲット303は、非常に高い融点
を有するので、発生する飛散粒子はイオン、原子レベル
の大きさである。飛散粒子放出量の角度分布は、図5に
示す通りであり、本実施例では、X線取り出し方向にお
ける飛散粒子放出量が少なくなるように、X線の取り出
し角度を45°としている。プラズマから板331まで
の距離は短いので、飛散粒子はバッファガスの影響を殆
ど受けることなく板331に到達する。即ち、最初にX
線取り出し方向に飛びだした飛散粒子以外は、板331
により殆ど阻止される。
【0031】図5に示すように、飛散粒子の放出はタン
タルテープ表面の法線方向に集中するが、この方向の飛
散粒子も板331により阻止されるので、バッファガス
により散乱しても、フィルタ321に到達することはな
い。また、板331の開孔を通過した飛散粒子は、バッ
ファガスにより散乱しながら進むので、その軌跡は直線
ではなくなり、フィルタ321に向かうにつれて、最初
の進行方向からずれていく。
【0032】そのため、板331の開孔を通過した飛散
粒子でも、板332または板333の開孔を通過できな
いものがでてくる。従って、最終的にフィルタ321に
到達する飛散粒子は、X線を取り出す範囲に相当する立
体角領域において最初に発生する飛散粒子よりもかなり
減少する。飛散粒子阻止部材330の形状は、図3の例
に限定されるものではなく、X線取り出し方向に放射さ
れたX線の光路を遮ることなく、飛散粒子を効率よく阻
止できるものであればよい。
【0033】例えば、図6に示すような中空の円錐台形
状の飛散粒子阻止部材341としてもよい。或いは、飛
散粒子阻止部材の微妙な位置合わせが困難である場合に
は、図7に示すように、1枚の板からなる飛散粒子阻止
部材351としてもよく、この場合でも、飛散粒子が多
い方向から散乱によってX線取り出し方向に向かってく
る飛散粒子を飛散粒子阻止部材351により有効に阻止
できる。
【0034】また、X線を取り出す範囲に相当する立体
角領域内にあるX線の光路を多少は遮ることになるが、
図8に示すように、X線光路上に非常に薄い複数の板か
らなる飛散粒子阻止部材811を光路に沿って設置する
ことも有効である。この場合、飛散粒子が立体角領域か
ら出ないときでも、バッファガスによりその進行方向が
少しでも変われば、飛散粒子阻止部材811に吸着され
る。
【0035】図8に示す飛散粒子阻止部材811を用い
た場合に、クリティカル照明を行うと、照明ムラが発生
するが、ケーラー照明を行うときやX線の総光量のみを
対象とするとき(例えば、分析機器など)には、ごく僅
かにX線量が低下するだけであり、実用上は問題がな
い。飛散粒子阻止部材330、341、351、811
は、飛散粒子を吸着しやすいように、表面を加工(例え
ば、つや消し加工)することが好ましい。また、飛散粒
子阻止部材330、341、351、811を冷却する
冷却手段をさらに設けると、該部材が飛散粒子を吸着し
やすくなって、阻止効果が増大するので好ましい。
【0036】なお、標的部材の形状はテープ状に限定さ
れるものではなく、例えば、板状やバルク状であっても
よい。また、標的部材の材料もTaに限定されるもので
はなく、Al,Sn,Zn,Pbなどでもよい。
【0037】
【発明の効果】本発明のX線発生装置によれば、X線の
取り出し方向について、不都合な飛散粒子の付着、堆積
(飛散粒子阻止用薄膜や清浄光学面などへの付着、堆
積)を低減できるので、その結果、長時間安定してX線
発生装置を使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、プラズマ101から開口102を見込んだ
立体角内の領域(X線を取り出す範囲に相当する立体角
領域)103を示す斜視図(a)と概略断面図(b)で
ある。
【図2】は、飛散粒子阻止部材201を設けた場合にお
ける、プラズマ101から開口102を見込んだ立体角
内の領域(X線を取り出す範囲に相当する立体角領域)
105を示す斜視図(a)と概略断面図(b)である。
【図3】は、実施例のX線発生装置の概略構成図であ
る。
【図4】は、飛散粒子制御部材の一例であるアパーチャ
ー401の概略断面図である。
【図5】は、飛散粒子量の角度分布を示すデータ図であ
る。
【図6】は、中空の円錐台形状の飛散粒子阻止部材34
1を用いたときの実施例のX線発生装置の概略構成図で
ある。
【図7】は、1枚の板からなる飛散粒子阻止部材351
を用いたときの実施例のX線発生装置の概略構成図であ
る。
【図8】は、X線光路上に設けた、非常に薄い複数の板
からなる飛散粒子阻止部材811の概略断面図である。
【主要部分の符号の説明】
101・・・プラズマ 102・・・開口 103,105・・・取り出すX線が通過する領域(立
体角領域) 110,111,112,113・・・飛散粒子の軌跡 201・・・飛散粒子阻止部材 303・・・標的部材 304・・・リール 311・・・YAGレーザー光(励起エネルギービーム
の一例) 312・・・集光レンズ 321・・・X線取り出しフィルター(飛散粒子阻止用
薄膜) 330,341,351・・・飛散粒子阻止部材 331,332,333・・・開孔を有する板材(飛散
粒子阻止部材330を構成する部材) 401・・・テープ押さえアパーチャー(飛散粒子制御
部材の一例) 801・・・プラズマ 802・・・X線取り出しフィルター(飛散粒子阻止用
薄膜) 811・・・飛散粒子阻止部材 以 上

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 減圧された真空容器内の標的部材に励起
    エネルギービームを照射してプラズマを形成させ、該プ
    ラズマからX線を取り出すX線発生装置であり、前記標
    的部材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子
    を阻止するためにバッファガスを用いるX線発生装置に
    おいて、 前記X線を取り出す範囲に相当する立体角領域に隣接ま
    たは近接する飛散粒子阻止部材を設けたことを特徴とす
    るX線発生装置。
  2. 【請求項2】 減圧された真空容器内の標的部材に励起
    エネルギービームを照射してプラズマを形成させ、該プ
    ラズマからX線を取り出すX線発生装置であり、前記標
    的部材及び/又は前記プラズマから放出される飛散粒子
    を阻止するためにバッファガスを用いるX線発生装置に
    おいて、 前記X線を取り出す範囲に相当する立体角領域内に飛散
    粒子阻止部材を設けたことを特徴とするX線発生装置。
  3. 【請求項3】 前記標的部材及び/又は前記プラズマか
    ら放出される飛散粒子の放出量の方向分布を制御する飛
    散粒子制御部材であり、前記X線を取り出す方向への飛
    散粒子の放出量を低減させる飛散粒子制御部材をさらに
    設けたことを特徴とする請求項1または2記載のX線発
    生装置。
  4. 【請求項4】 前記飛散粒子阻止部材を冷却する冷却手
    段をさらに設けたことを特徴とする請求項1〜3記載の
    X線発生装置。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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