JPH10222005A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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Publication number
JPH10222005A
JPH10222005A JP4139497A JP4139497A JPH10222005A JP H10222005 A JPH10222005 A JP H10222005A JP 4139497 A JP4139497 A JP 4139497A JP 4139497 A JP4139497 A JP 4139497A JP H10222005 A JPH10222005 A JP H10222005A
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JP
Japan
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pressure roller
heater
temperature
passing portion
fixing
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Application number
JP4139497A
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English (en)
Inventor
Takehiko Suzuki
健彦 鈴木
Tatsuya Kobayashi
達也 小林
Takao Kume
隆生 久米
Toshihiko Ochiai
俊彦 落合
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙幅方向に小サイズの転写材を複数枚連続し
て定着したときの、加圧ローラの非通紙部の昇温を防止
することにより、装置の熱損を防止したフィルム方式の
定着装置を提供する。 【解決手段】 トナー像を担持した転写材を定着フィル
ム1と加圧ローラ4との間に挟んで搬送し、セラミック
ヒータ2により定着フィルム1を介してトナー像を加熱
して定着させる定着装置において、加圧ローラ4の表面
を加熱するPTCヒータ52を用いた外部加熱器5が設
けられ、PTCヒータ52の温調温度Tが(加圧ローラ
4の通紙部温度)>T>(加圧ローラ4の非通紙部温
度)に設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プリンタ、複写機
などの画像形成装置の定着装置であって、特にセラミッ
クヒータの熱を定着フィルムを介して転写材上のトナー
像に付与する方式の定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックヒータの熱を定着フィルムを
介して転写材上のトナー像に付与する定着装置の従来例
が図7に示されている。
【0003】この定着装置は、回転可能に設けられた定
着フィルム1と、この定着フィルム1の内面に定着フィ
ルム1に対して摺動可能に配置されたセラミックヒータ
2と、セラミックヒータ2を支持すると共に定着フィル
ム1の回転動作のガイドを兼ねるホルダ3と、定着フィ
ルム1を介してセラミックヒータ2側に押しつけられて
設けられた加圧ローラ4とを有している。
【0004】ここで、定着フィルム1は、厚さ20μm
〜100μmのポリイミド樹脂からなる基体と、この基
体の上に設けられたPTFE,PFAなどのフッ素樹脂
からなる離型層とからなる。加圧ローラ4は、芯金41
と、その外周のシリコーンゴム層42とから構成されて
いるか、或はさらに、そのシリコーンゴム層42の表面
にPTFE,PFAなどのフッ素樹脂層を設けて構成さ
れている。
【0005】加圧ローラ4が図中矢印A方向に回転駆動
することにより、定着フィルム1が矢印B方向に従動回
転する。セラミックヒータ2は、サーミスタ(不図示)
により、その温度が測定され、所定の定着温度に温調さ
れる。転写材(不図示)が定着装置に到達するまでに、
加圧ローラ4が回転し始め、セラミックヒータ2が温調
され、これにより加圧ローラ4の表面温度は定着可能な
温度まで上昇する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図7に示したフィルム
方式の定着装置は、封筒や葉書といった幅方向に小サイ
ズの転写材を複数枚連続して定着すると、加圧ローラ4
の通紙部(転写材が通過する部分)が連続して通過する
転写材により熱を奪われて温度低下する一方、非通紙部
(転写材が通過しない部分)がセラミックヒータ2から
の熱供給により温度上昇する。
【0007】この連続定着時における加圧ローラ4の温
度変化が図8に示されている。この図8に示した温度差
ΔTにより、加圧ローラ4の通紙部と非通紙部との間に
熱膨張差が生じ、加圧ローラ4の長さ方向に径の差とな
って現れる。これにより、加圧ローラ4の通紙部と非通
紙部とで定着フィルム1の搬送速度差が生じ、その結
果、定着フィルム1にしわが寄ってしまうという問題が
あった。
【0008】また、他方では、加圧ローラ1の非通紙部
が温度上昇するので、その熱により加圧ローラ4や定着
フィルム1の構成材料であるシリコーンゴム、PTFE
またはPFAなどのフッ素樹脂層の耐熱温度を越えてし
まい、装置の破損をきたす問題があった。
【0009】このような、定着性が低下したり、また装
置に熱損を生じたりする現象は、セラミックヒータ2か
らの供給熱量が大きい高速印字やカラー画像定着におい
て顕著となる。
【0010】本発明の目的は、このような従来例の問題
点を解消せんとするものであり、小サイズの転写材を連
続定着したときの、加圧ローラの非通紙部の昇温を防止
することにより、装置の熱損を防止したフィルム方式の
定着装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本出願に係る第1の発明
によれば、上記目的は、定着用のセラミックヒータと、
このセラミックヒータに対して移動可能な定着フィルム
と、転写材を定着フィルムとの間に挟んでセラミックヒ
ータ側に加圧する加圧ローラとを有し、トナー像を担持
した転写材を定着フィルムと加圧ローラとの間に挟んで
搬送し、セラミックヒータにより定着フィルムを介して
トナー像を加熱して定着させる定着装置において、加圧
ローラの表面を加熱するPTCヒータを用いた外部加熱
器が設けられ、PTCヒータの温調温度Tが(加圧ロー
ラの通紙部温度)<T<(加圧ローラの非通紙部温度)
に設定されていることにより達成される。
【0012】本出願に係る第2の発明によれば、上記目
的は、定着用のセラミックヒータと、このセラミックヒ
ータに対して移動可能な定着フィルムと、転写材を定着
フィルムとの間に挟んでセラミックヒータ側に加圧する
加圧ローラとを有し、トナー像を担持した転写材を定着
フィルムと加圧ローラとの間に挟んで搬送し、セラミッ
クヒータにより定着フィルムを介してトナー像を加熱し
て定着させる定着装置において、PTCヒータを用いた
外部加熱器が加圧ローラの長さ方向に複数個設けられ、
転写材の幅を検知した信号に応じて複数個の外部加熱器
のうち加圧ローラの通紙部に対応する外部加熱器を選択
して電力供給するように構成されていることにより達成
される。
【0013】本出願に係る第3の発明によれば、上記目
的は、定着用のセラミックヒータと、このセラミックヒ
ータに対して移動可能な定着フィルムとを有し、転写材
を定着フィルムとの間に挟んでセラミックヒータ側に加
圧する加圧ローラが設けられ、トナー像を担持した転写
材を定着フィルムと加圧ローラとの間に挟んで搬送し、
セラミックヒータにより定着フィルムを介してトナー像
を加熱して定着させる定着装置において、温調温度の異
なるPTCヒータを有する1個の外部加熱器が設けら
れ、加圧ローラの通紙部に対向するPTCヒータが、非
通紙部に対向するPTCヒータより高く設定されている
ことにより達成される。
【0014】すなわち、本出願に係る第1の発明にあっ
ては、外部加熱器のPTCヒータが、温調温度Tを(加
圧ローラの通紙部温度)<T<(加圧ローラの非通紙部
温度)に設定される。これにより、加圧ローラの通紙部
へPTCヒータから熱が付与されると共に、加圧ローラ
の非通紙部からPTCヒータに熱が奪われる。したがっ
て、加圧ローラの通紙部と非通紙部との間の温度差が低
減され、加圧ローラの長さ方向に熱膨張差により径の相
違を生じることが極力防止され、もって定着フィルムに
しわが寄ることが防止される。また、加圧ローラの非通
紙部の温度上昇が極力防止される。
【0015】また、本出願に係る第2の発明にあって
は、転写材の幅を検知した信号に応じて複数個の外部加
熱器のうち加圧ローラの通紙部に対応する外部加熱器の
PTCヒータのみを発熱させる。これにより、加圧ロー
ラの通紙部へ対応するPTCヒータから熱が付与される
と共に、加圧ローラの非通紙部から対応するPTCヒー
タに熱が奪われる。したがって、加圧ローラの通紙部と
非通紙部との間の温度差が低減され、加圧ローラの長さ
方向に熱膨張差により径の相違を生じることが極力防止
され、もって定着フィルムにしわが寄ることが防止され
る。また、加圧ローラの非通紙部の温度上昇が極力防止
される。
【0016】また、本出願に係る第3の発明にあって
は、加圧ローラの通紙部に対向するPTCヒータの温度
が、非通紙部に対向するPTCヒータより高く設定され
ている。これにより、加圧ローラの通紙部へPTCヒー
タから熱が付与されると共に、加圧ローラの非通紙部か
らPTCヒータに熱が奪われる。したがって、加圧ロー
ラの通紙部と非通紙部との間の温度差が低減され、加圧
ローラの長さ方向に熱膨張差により径の相違を生じるこ
とが極力防止され、もって定着フィルムにしわが寄るこ
とが防止される。また、加圧ローラの非通紙部の温度上
昇が極力防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施形態を
図1〜図6に基づいて説明する。
【0018】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1〜図3を参照して説明する。
【0019】図1には、この第1実施形態の定着装置が
示されている。この定着装置は、回転可能に設けられた
定着フィルム1と、この定着フィルム1の内面に定着フ
ィルム1に対して摺動可能に配置されたセラミックヒー
タ2と、セラミックヒータ2を支持すると共に定着フィ
ルム1の回転動作のガイドを兼ねるホルダ3と、定着フ
ィルム1を介してセラミックヒータ2側に押しつけられ
て設けられた加圧ローラ4と、この加圧ローラ4の表面
を加熱する外部加熱器5とを有している。
【0020】外部加熱器5を設けたことが、本発明の最
大の特徴である。本実施形態の外部加熱器5は、一対の
電極51a,51bと、その電極51a,51bの間に
設けられたPTCヒータ52とから構成されている。電
極51a,51bは、電源(不図示)に接続されてい
る。
【0021】PTCヒータ52は、正温度特性サーミス
タ、つまりPTC(Positive Temperature Coeffic
ient)サーミスタからなる。PTCサーミスタは、原子
価制御されたチタン酸バリウム(BaTiO3)系半導
体の燒結体(セラミックス)である。このようにPTC
サーミスタからなるPTCヒータ52の電気特性は、図
2に示すように、温度T1にて電気抵抗の極小値をと
る。すなわち、PTCヒータ52は、当初、温度上昇に
伴って抵抗が下降し(負の温度特性)、温度T1で相転
移を生じ、その後、温度上昇に伴って抵抗が急激に上昇
する(正の温度特性)。
【0022】したがって、定圧電源に接続してPTCヒ
ータ52を発熱させると、温度T1までは抵抗が徐々に
下がるため、電流を増加、つまり消費電力を増加させな
がら発熱し、急速に温度T1まで上昇する。次いで、温
度T1を過ぎると、急速に抵抗が上がるので、電流が減
少、つまり消費電力が下がって温度上昇が低下する。結
局、抵抗の極小値である温度T1で平衡状態になり、自
己温調する。このようなPTCヒータ52を用いるの
で、外部加熱器5に対して別途に温度検知用のサーミス
タを設けて、温度を測定しながら温調を行う必要がな
く、外部加熱器5を低コストにて提供できる。
【0023】外部加熱器5における加圧ローラ4に対向
する電極51aは、PTCヒータ52の電極であると共
に、PTCヒータ52が発生する熱を加圧ローラ4の表
面に伝達する熱伝達部材を兼ねている。この熱伝達部材
としての機能上、電極51aは、加圧ローラ4との接触
面積を増やし熱伝達効率を向上させるために、加圧ロー
ラ4側の面が、加圧ローラ4の曲率に合わせた曲面に加
工されている。
【0024】外部加熱器5を図1中、矢印Cの方向から
見た二例が図3(A)(B)に示されている。図3
(A)(B)の外部加熱器5は、若干構成が異なるが、
基本的には同じである。すなわち、図3(A)(B)の
外部加熱器5は、共に、電極51a,51bの端部が給
電用端子511a,511bとなっている。本実施形態
では、上述のように電極51aが熱伝達部材を兼ね、こ
こに示すように電極51a,51bと給電用端子511
a,511bとが一体に形成されることにより、より低
コストの外部加熱器5を提供できるものとなっている。
【0025】ホルダ53は、外部加熱器5を保持するも
のであり、例えば、耐熱性樹脂から形成されている。さ
らに、本実施形態では、電極51aの加圧ローラ4に対
する当接曲面は、PTFE,PFAなどのフッ素樹脂を
コーティングするか、またはこれらのシートを貼ること
により、加圧ローラ4との摩擦係数を下げ、加圧ローラ
4の駆動トルクの低減を防止し、もって加圧ローラ4の
長寿命化を図るようになっている。
【0026】本実施形態では、定着フィルム1は、φ2
4のポリイミド50μmの基体の上に、離型層としてP
FAコートしたものを用いた。また、加圧ローラ4は、
φ20のシリコーンゴムの外周面に、離型層としてPF
Aコートしたものを用いた。また、PTCヒータ52
は、チタン酸バリウム(BaTiO3)に酸化ランタン
(La23)を添加した混合焼結体を用い、その温調温
度を210℃に設定した。
【0027】ところで、外部加熱器5を用いていない従
来例(図7参照)では、小サイズの転写材の連続定着時
における加圧ローラ4の通紙部と非通紙部との温度はそ
れぞれ160℃、230℃であった。
【0028】次に、温調温度の異なるPTCヒータ52
を用いて、非通紙部昇温と定着性とを調べ、その結果を
次の表1に示した。
【0029】
【表1】
【0030】この表1からわかるように、PTCヒータ
52の温調温度が160℃以下であると、加圧ローラ4
の非通紙部の温度が下がるが、通紙部の温度も下がって
しまい、その結果、定着性が悪くなってしまった。一
方、PTCヒータ52の温調温度が230℃以上である
と、非通紙部の温度が下がらなかった。
【0031】このことから、PTCヒータ52から加圧
ローラ4の通紙部の方向へ熱伝達されると共に、加圧ロ
ーラ4の非通紙部からPTCヒータ52の方向へ熱伝達
されなければ、良好な定着性と非通紙部昇温防止とを両
立することができないことがわかった。
【0032】したがって、本発明では、PTCヒータ5
2の温調温度Tを次のように設定した(加圧ローラ4の
通紙部温度)<T<(加圧ローラ4の非通紙部温度)。
【0033】これにより、加圧ローラ4の通紙部と非通
紙部との間の温度差を極力抑制して定着性を維持すると
共に、加圧ローラ4の非通紙部昇温を防止することがで
きるようにした。本実施形態では、160℃<T<23
0℃に設定した。
【0034】(第2実施形態)本発明の第2実施形態を
図4(A)(B)を参照して説明する。
【0035】上述した第1実施形態では外部加熱器5を
1個だけ設けて加圧ローラ4全体をカバーするようにし
たが、この第2実施形態では、図4(A)に示すよう
に、外部加熱器5a〜5eが加圧ローラ4の長さ方向に
複数個(この例では5個)設けられ、それぞれの外部加
熱器5を独立して駆動させるように構成した。
【0036】個々の外部加熱器5a〜5eは、第1の実
施形態で示した外部加熱器5と同じ構成であり、図4
(B)に示すように、電極51aおよび51bと、その
電極51aと51bとの間に設けられたPTCヒータ5
2とからなる。外部加熱器5a〜5eは、それぞれ独立
してON/OFF可能なように、電源7に対してスイッ
チSW1〜SW5が並列に接続されている制御部6によ
り制御されるようになっている。制御部6は、通紙され
る転写材の紙幅サイズに応じてそれぞれの外部加熱器5
a〜5eのON/OFFを決定するように設定されてい
る。
【0037】すなわち、公知の紙幅検知手段8が検知し
た転写材の紙幅を示す信号を入力された制御部6は、そ
の紙幅に応じて、電圧供給される外部加熱器5a〜5e
の長さが紙幅よりも広く且つ最小限の幅になるように、
各外部加熱器5a〜5eをそれぞれON/OFFするよ
うに設定されている。公知の紙幅検知手段8として、コ
ントローラ(不図示)からの紙サイズ信号によるもの、
あるいは給紙時の紙幅検知方法によるものがある。
【0038】例えば、転写材が紙幅方向に大サイズなら
ば、スイッチSW1〜5の全てがONにされ、外部加熱
器5a〜5eの全てが発熱する。また、中サイズなら
ば、スイッチSW1,5がOFF、スイッチSW2〜4
がONにされ、両端以外の外部加熱器5b〜5dが発熱
する。さらに、小サイズならば、スイッチSW3のみO
Nし、他のスイッチSW1,2,4,5がOFFとさ
れ、中央の外部加熱器5cのみ発熱するようになってい
る。
【0039】これにより、加圧ローラ4の通紙部に対応
する外部加熱器のみONされ、加圧ローラ4の通紙部に
熱を供給する。一方、非通紙部に対応する外部加熱器が
OFFされ、加圧ローラ4の非通紙部から熱を受け取
る。したがって、加圧ローラ4の通紙部と非通紙部との
間の温度差が減少して所定の定着性を維持すると共に、
非通紙部の昇温を防止する。
【0040】本実施形態では、5個のPTCヒータ52
の長さは、外部加熱器5aから5eにかけて順次、2
0,35,120,35,20mmに設定し、各種サイ
ズの転写材に対応できるようになっている。また、セラ
ミックヒータ52は、温調温度を200℃に設定した。
【0041】そして、コントローラ(不図示)から紙幅
信号を制御部6に入力し、封書、葉書の場合には中央の
1個の外部加熱器5cのみONする。また、紙サイズが
B5、EXEの場合には、両端を除く3個の外部加熱器
5b〜5dをONする。これにより、加圧ローラ4の非
通紙部の温度が200℃、通紙部の温度が180℃とな
り、定着性を落とすことなく、非通紙部の昇温を防止で
きた。また、特に本実施形態によれば、加圧ローラ4の
通紙部に対応するPTCヒータ52だけONするので、
外部加熱器5a〜5eの通紙部に対応する温調温度を加
圧ローラ4の非通紙部の温度よりも高くでき、通紙部の
温度を迅速に補正できる。
【0042】(第3実施形態)次に、本発明の第3実施
形態を図5を参照して説明する。
【0043】上述した第2実施形態では、外部加熱器5
a〜5eを複数個設けたが、この第3実施形態では、温
調温度の異なる複数個のPTCヒータ52a〜52gを
有する1個の外部加熱器5からなる。
【0044】すなわち、本実施形態では、温調温度の異
なる7個のPTCヒータ52a〜52gを一対の電極5
1a,51bの間に設けて、1個の外部加熱器5を構成
している。そして、PTCヒータ52a〜52gの温調
を外部加熱器5の長さ方向の中央部から両端部にいくに
従って低くなるようにして、伝熱部材を兼ねる電極51
aの温度分布が図6に示すように加圧ローラ4の両端部
にいくに従って低くなるようになっている。本実施形態
では、PTCヒータ52c,52d,52eの温調温度
Tc,Td,Te>PTCヒータ52b,52fの温調
温度Tb,Tf>PTCヒータ52a,52gの温調温
度Ta,Tgに設定されている。
【0045】これにより、加圧ローラ4の通紙部では外
部加熱器5から熱が付与される一方、加圧ローラ4の非
通紙部では外部加熱器5へ熱が奪われる。したがって、
加圧ローラ4の通紙部と非通紙部との間の温度差が減少
すると共に、非通紙部の昇温が防止される。
【0046】本実施形態では、中央の3個のPTCヒー
タ52c,52d,52eの温調温度が240℃、その
両側の2個のPTCヒータ52b,52fの温調温度が
220℃、両端部の2個のPTCヒータ52a,52g
の温調温度が200℃となっいる。これにより、加圧ロ
ーラ4の非通紙部の温度が210℃、通紙部の温度が1
90℃となり、定着性を落とすことなく、非通紙部の昇
温を防止できた。
【0047】また、特に本実施形態によれば、外部加熱
器5が加圧ローラ4の通紙部に対応する部分の温度を非
通紙部に対応する部分の温度より高くできるので、第1
の実施形態に比べて加圧ローラ4の通紙部と非通紙部と
の温度収束性を向上させることができる。また、紙サイ
ズによらず加熱動作するので、紙幅検知および制御回路
が不要となり、第2の実施形態に比べて低コストにて製
造できる。
【0048】
【発明の効果】本出願に係る第1の発明によれば、加圧
ローラの表面を加熱するPTCヒータを用いた外部加熱
器が設けられ、PTCヒータの温調温度Tが(加圧ロー
ラの通紙部温度)<T<(加圧ローラの非通紙部温度)
に設定されるので、加圧ローラの通紙部へ熱が加えら
れ、加圧ローラ4の非通紙部からは熱が奪われる。これ
により、加圧ローラの通紙部と非通紙部との間の温度差
が低減され、加圧ローラの長さ方向に熱膨張差により径
の相違を生じることが極力防止され、もって定着フィル
ムにしわが寄ることが防止される。また、加圧ローラの
非通紙部の温度上昇が極力防止される。すなわち、良好
な定着性を維持できると共に、加圧ローラの非通紙部の
温度上昇を防止できる。
【0049】また、本出願に係る第2の発明によれば、
PTCヒータを用いた外部加熱器が加圧ローラの長さ方
向に複数個設けられ、転写材の幅を検知した信号に応じ
て加圧ローラの通紙部に対応する外部加熱器のみONさ
れて通紙部に熱を供給する一方、非通紙部に対応する外
部加熱器がOFFされて加圧ローラの非通紙部から熱を
奪うものである。これにより、加圧ローラの通紙部と非
通紙部との間の温度差が低減され、加圧ローラの長さ方
向に熱膨張差により径の相違を生じることが極力防止さ
れ、もって定着フィルムにしわが寄ることが防止され
る。また、加圧ローラの非通紙部の温度上昇が極力防止
される。すなわち、良好な定着性を維持できると共に、
加圧ローラの非通紙部の温度上昇を防止できる。
【0050】また、PTCヒータの温調温度を加圧ロー
ラの非通紙部温度よりも高くできるので、通紙部の温度
を迅速に補正できる。
【0051】また、本出願に係る第3の発明によれば、
温調温度の異なる複数個のPTCヒータを有する1個の
外部加熱器が設けられ、通紙部に対向するPTCヒータ
の温調温度が非通紙部に対向するPTCヒータの温調温
度より高く設定されることにより、加圧ローラの通紙部
と非通紙部との間の温度差が低減され、加圧ローラの長
さ方向に熱膨張差により径の相違を生じることが極力防
止され、もって定着フィルムにしわが寄ることが防止さ
れる。また、加圧ローラの非通紙部の温度上昇が極力防
止される。すなわち、良好な定着性を維持できると共
に、加圧ローラの非通紙部の温度上昇を防止できる。
【0052】また、通紙部に対向するPTCヒータの温
調温度が非通紙部に対向するPTCヒータの温調温度よ
り高く設定されるので、加圧ローラの通紙部と非通紙部
との間の温度収束性が高い。
【0053】また、転写材サイズによらず加熱動作でき
るので、紙幅検知および外部加熱器を選択的にONする
制御回路が不要となり、低コストにて製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の定着装置を示す概略構
成図である。
【図2】図1の定着装置のPTCヒータにおける温度−
電気抵抗の相関関係を示すグラフである。
【図3】図1の外部加熱器を図1中C方向から見た平面
図であり、(A)は一例、(B)は他の例を示す図であ
る。
【図4】本発明の第2実施形態の定着装置を示す図であ
り、(A)は定着装置の全体構成概略図、(B)は
(A)図の中の単一の外部加熱器の概略構成図である。
【図5】本発明の第3実施形態の定着装置を示す概略構
成図である。
【図6】図5の外部加熱器の温度分布を示すグラフであ
る。
【図7】従来のフィルム方式の定着装置を示す概略構成
図である。
【図8】図7の従来の定着装置における時間−加圧ロー
ラ温度の相関関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 定着フィルム 2 セラミックヒータ 4 加圧ローラ 5 外部加熱器 51a,51b 電極 52 PTCヒータ 5a〜5e 外部加熱器 6 制御部 SW1〜SW5 スイッチ 52a〜52g PTCヒータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 俊彦 東京都大田区下丸子三丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 定着用のセラミックヒータと、このセラ
    ミックヒータに対して移動可能な定着フィルムと、転写
    材を定着フィルムとの間に挟んでセラミックヒータ側に
    加圧する加圧ローラとを有し、トナー像を担持した転写
    材を定着フィルムと加圧ローラとの間に挟んで搬送し、
    セラミックヒータにより定着フィルムを介してトナー像
    を加熱して定着させる定着装置において、加圧ローラの
    表面を加熱するPTCヒータを用いた外部加熱器が設け
    られ、PTCヒータの温調温度Tが 加圧ローラの通紙部温度<T<加圧ローラの非通紙部温
    度 に設定されていることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 定着用のセラミックヒータと、このセラ
    ミックヒータに対して移動可能な定着フィルムと、転写
    材を定着フィルムとの間に挟んでセラミックヒータ側に
    加圧する加圧ローラとを有し、トナー像を担持した転写
    材を定着フィルムと加圧ローラとの間に挟んで搬送し、
    セラミックヒータにより定着フィルムを介してトナー像
    を加熱して定着させる定着装置において、PTCヒータ
    を用いた外部加熱器が加圧ローラの長さ方向に複数個設
    けられ、転写材の幅を検知した信号に応じて複数個の外
    部加熱器のうち加圧ローラの通紙部に対応する外部加熱
    器を選択して電力供給するように構成されていることを
    特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 定着用のセラミックヒータと、このセラ
    ミックヒータに対して移動可能な定着フィルムと、転写
    材を定着フィルムとの間に挟んでセラミックヒータ側に
    加圧する加圧ローラとを有し、トナー像を担持した転写
    材を定着フィルムと加圧ローラとの間に挟んで搬送し、
    セラミックヒータにより定着フィルムを介してトナー像
    を加熱して定着させる定着装置において、温調温度の異
    なる複数個のPTCヒータを有する1個の外部加熱器が
    設けられ、加圧ローラの通紙部に対向するPTCヒータ
    の温調温度が、非通紙部に対向するPTCヒータの温調
    温度より高く設定されていることを特徴とする定着装
    置。
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