JPH10221455A - X線発生検出装置 - Google Patents

X線発生検出装置

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JPH10221455A
JPH10221455A JP2287497A JP2287497A JPH10221455A JP H10221455 A JPH10221455 A JP H10221455A JP 2287497 A JP2287497 A JP 2287497A JP 2287497 A JP2287497 A JP 2287497A JP H10221455 A JPH10221455 A JP H10221455A
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JP
Japan
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waveform shaping
circuit
shaping circuit
wave
ray
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JP2287497A
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Inventor
Takao Minami
孝男 南
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Jeol Ltd
Jeol Engineering Co Ltd
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Jeol Ltd
Jeol Engineering Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 X線測定装置においてX線の発生を検出する
に際して、X線が入射してから検出までに要する時間を
短くし、複数個のX線が極めて近接した時間内に入射し
た場合にも各々のX線を検出でき、低エネルギーのX線
をも検出できるようにする。 【解決手段】 波形整形回路20、21の整形時定数は
互いに異ならされている。エネルギーの高いX線が入射
した場合は整形時定数が短い方の波形整形回路20で短
時間で検出でき、エネルギーが低いX線が入射した場合
は整形時定数が長い方の波形整形回路21によって検出
できる。波形整形回路21は論理和回路24からの検出
信号に基づいてリセットされ、次のステップ入力に備え
ることができるので、X線が入射してからそれを検出す
るまでに要する時間を短縮できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体検出器を用いた
X線測定装置に用いて好適なX線発生検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】試料に含まれる元素の同定及び定量を行
うものとして、半導体検出器を用いたX線測定装置が知
られている。図6にその構成例を示す。図中、1は半導
体検出器、2は前置増幅器、3は波形整形回路、4はA
/D変換器(以下、ADCと記す)、5はマルチ・チャ
ンネル・アナライザ(以下、MCAと記す)、6はX線
発生検出装置、7は制御装置を示す。
【0003】半導体検出器1はX線が入射されると、そ
の入射したX線のエネルギーに対応した信号を出力す
る。そして、半導体検出器1の出力信号は前置増幅器2
で階段波に変換され、波形整形回路3とX線発生検出装
置6に入力される。波形整形回路3は、前置増幅器2か
ら入力される階段波の各ステップを、各々のステップの
高さに比例したピーク値を有する孤立したパルスに変換
するものである。
【0004】いま、例えば図7に示すように、t1 ,t
2 ,t3 のときに半導体検出器1にX線が入射したと
し、前置増幅器2からの出力された階段波が図7(a)
に示すようであったとする。この階段波の最初のステッ
プの高さH1 はt1 に入射したX線のエネルギーに対応
し、2番目のステップの高さH2 はt2 に入射したX線
のエネルギーに対応し、3番目のステップの高さH3
3 に入射したX線のエネルギーに対応していることは
当然である。なお、階段波のステップの高さは、入射す
るX線のエネルギーが大きい程高くなるものである。ま
た、前置増幅器2の構成は周知であるので詳細な説明は
省略する。
【0005】波形整形回路3はこのような前置増幅器2
の一つ一つの階段波を図7(b)に示すように孤立した
パルスに変換する。具体的には、t1 のときに高さがH
1 の階段波が入力されるとパルスに変換するための波形
整形動作を開始し、ピーク値がP1 のパルスを生成して
出力する。このピーク値P1 は当該階段波のステップの
高さH1 に比例している。同様に、高さがH2 の階段波
が入力されたときにはピーク値がP2 のパルスを生成
し、高さがH3 の階段波が入力されたときにはピーク値
がP3 のパルスを生成する。これらのパルスのピーク値
2 ,P3 がそれぞれ対応する階段波の高さH2 ,H3
に比例していることは当然である。
【0006】波形整形回路3で生成するパルスの波形と
しては、ガウス波、三角波、台形波等種々の波形がある
が、どのような波形のパルスであってもよいものであ
る。以下においては、単にパルスを生成する等と表現す
ることにする。
【0007】なお、ガウス波形のパルスを生成する波形
整形回路、三角波形のパルスを生成する波形整形回路、
台形波形のパルスを生成する波形整形回路等はいずれも
周知であるので、詳細な構成の説明は省略するが、例え
ば、ガウス波形のパルスを生成する波形整形回路は、初
段の微分回路と、その後段の複数の積分回路で構成され
ることは広く知られているところである。
【0008】そして、波形整形回路3で生成されたパル
スのピーク値はADC4でデジタル化されてMCA5に
供給され、MCA5において元素同定の処理、及び定量
の処理に用いられることになる。
【0009】ところで、波形整形回路3はフィルタで構
成されるので時定数を有している。その時定数は、通
常、整形時定数と称されている。従って、波形整形回路
3で生成されるパルスは整形時定数に応じた有限長の幅
を有することになる。
【0010】そのために、整形時定数に応じた有限長の
パルス幅より短い時間の間にX線が引き続いて半導体検
出器1に入射した場合には、波形整形回路3からはそれ
らのX線に対応するパルスを一つに合成したパルスが生
成されることになる。
【0011】その例を図8に示す。いま、X線が半導体
検出器1に入射し、t4 のときに前置増幅器2から図8
(a)のAで示すようなステップが出力されたとする
と、波形整形回路3はt4 のときに波形整形動作を開始
するが、このステップAに対する波形整形が終了する前
にX線が半導体検出器1に入射し、t5 のときに前置増
幅器2から図8(a)のBで示すようなステップが出力
されたとすると、ステップAに対する波形整形とステッ
プBに対する波形整形が同時に行われてしまい、波形整
形回路3からは図8(b)の実線で示すように、ステッ
プA,Bに対応する二つのパルス,が合成された一
つのパルスが出力されてしまうことになる。
【0012】このような現象は、当該分野ではパイルア
ップとして広く知られている現象であるが、パイルアッ
プされたパルスのピーク値は単一のX線のエネルギーを
示すものではないので、除外する必要がある。
【0013】そのために設けられているのがX線発生検
出装置6であり、このX線発生検出装置6はイベント検
出回路と称されることもある。
【0014】このX線発生検出装置6は前置増幅器2か
ら出力される階段波に基づいてX線が入射されたか否か
を検出し、X線が入射されたことを検出すると検出信
号、例えばパルスを制御装置7に出力するものである。
【0015】制御装置7は、X線発生検出装置6から検
出信号を受けた場合には、その検出信号から所定の時間
△Tの間にX線発生検出装置6から次の検出信号があっ
たときにはパイルアップが発生したと判断して、波形整
形回路3を制御して波形整形の動作を行わないようにし
たり、あるいはADC4を制御してA/D変換の動作を
行わないようにする。
【0016】ここで、上記の所定の時間△Tは、波形整
形回路3において前置増幅器2から階段波の一つのステ
ップが入力されてから当該ステップに対する波形整形が
終了するまでに要する時間であり、通常プロセスタイム
と称されている。このプロセスタイム△Tは波形整形回
路3の整形時定数に応じて決定されるものであることは
当然である。
【0017】以上の動作が行われることによって、パイ
ルアップされたパルスを除外するようにしているのであ
る。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、X線発生検
出装置6は図9に示すように、波形整形回路8と、弁別
回路9とで構成されている。波形整形回路8は波形整形
回路3と同様の構成を備えており、前置増幅器2から入
力される階段波の各ステップを、各々のステップの高さ
に比例したピーク値を有する孤立したパルスに変換する
機能を有するものである。また、弁別回路9は波形整形
回路8から出力されたパルスのレベルと、予め設定され
ている閾値VREF とを比較し、波形整形回路8からの出
力パルスのレベルが増加しているときに閾値VREF を越
えたときに検出信号VOUT を出力するものである。
【0019】以上のように、X線発生検出装置6には波
形整形回路3と同様な構成の波形整形回路8が用いられ
るのであり、従って波形整形回路8は整形時定数を有す
ることになるが、この整形時定数がX線の検出に際して
重要な要素となる。
【0020】即ち、X線の検出という目的からすれば、
複数個のX線が極めて近接した時間内に入射した場合に
も各々のX線を検出できることが望まれることは当然で
あり、そのためには波形整形回路8の整形時定数を短く
すればよいことは明らかであるが、整形時定数を短くす
ると波形整形回路8のS/Nが劣化し、平均的なノイズ
レベルが高くなってしまう。
【0021】そして、平均的なノイズレベルが高くなる
と弁別回路9の閾値VREF をそれに応じて高く設定しな
ければならなくなり、そのために低エネルギーのX線を
検出することが難しくなるという問題が生じる。即ち、
上述したように低エネルギーのX線に対応する階段波の
ステップの高さは小さく、従って波形整形回路8で変換
されたパルスのピーク値が小さいので、弁別回路9の閾
値VREF のレベルが高くなると低エネルギーのX線に対
応するパルスの検出が難しくなるのである。
【0022】これに対して、波形整形回路8の整形時定
数を長くすればS/Nは良好となるので弁別回路9の閾
値VREF を低いレベルに設定することができ、それに応
じて低エネルギーのX線をも検出することができるよう
になるが、この場合には波形整形回路8のプロセスタイ
ムが長くなるので、複数個のX線が極めて近接した時間
内に入射した場合に各々のX線を検出することが難しく
なるという問題が生じる。また、この場合にはX線が入
射してからそれを検出するまでに時間が掛かるという問
題もある。
【0023】このことを図10、図11を参照して説明
する。なお、図10、図11において、(a)は前置増
幅器2から出力された階段波を示し、(b)は波形整形
回路8の出力パルス及び弁別回路9の閾値VREF を示
し、(c)は弁別回路9から出力される検出信号VOUT
を示す。また、△T′は波形整形回路8のプロセスタイ
ムを示す。
【0024】波形整形回路8の整形時定数を長くした場
合にはS/Nが良好であるので、弁別回路9の閾値V
REF は図10(b)、図11(b)に示すように波形整
形回路8の出力パルスのベースレベルに極めて近接した
レベルに設定することができ、従って低エネルギーのX
線をも検出することが可能であることは明らかである。
【0025】さて、いま、図10(a)に示すようにt
6 のときに階段波の一つのステップが入力されたとする
と、波形整形回路8は波形整形動作を開始する。そし
て、その出力パルスのレベルが増加して閾値VREF を越
えると弁別回路9は図10(c)に示すように検出信号
OUT1を出力する。その後、当該階段波に対する波形整
形動作が終了した後、前のステップからT1 (≧△
T′)時間後(t7 )に次のステップが入力されると、
波形整形回路8は再び波形整形動作を開始する。そし
て、その出力パルスのレベルが増加して閾値VREF を越
えると弁別回路9は図10(c)に示すように検出信号
OUT2を出力する。
【0026】このように、引き続いて入力される階段波
の二つのステップの時間間隔が波形整形回路8のプロセ
スタイム△T′以上であれば、これらのX線を検出する
ことができるのである。
【0027】これに対して、図11に示すように、t8
のときに一つのステップが入力されたとすると波形整形
回路8は波形整形動作を開始する。そして、その出力パ
ルスのレベルが増加して閾値VREF を越えると弁別回路
9は図11(c)に示すように検出信号VOUT1を出力す
る。その後、当該ステップに対する波形整形動作が終了
する前、前のステップからT2 (<△T′)時間後(t
9 )に次のステップが入力されたとする。このとき、波
形整形回路8はこの時点では未だ波形整形動作を終了し
ておらず、波形整形回路8の出力レベルは閾値VREF
下になっていない。そして、波形整形回路8はt9 の時
点から2番目のステップに対する波形整形動作を行うの
で、結局、波形整形回路8の出力レベルは、この2番目
のステップに対する波形整形動作が終了する間際まで閾
値VREF 以下になることはなく、2番目の階段波は検出
されないことになる。
【0028】このように、引き続いて入力される階段波
の二つのステップの時間間隔が波形整形回路8のプロセ
スタイム△T′未満であるときには、2番目のX線は検
出されないのである。このことは、引き続いて入力され
る階段波の二つのステップを検出できるのは、これら二
つのステップの時間間隔が波形整形回路8のプロセスタ
イム△T′以上である場合に限られることを意味し、こ
のプロセスタイム△T′は整形時定数が長くなる程長く
なるので、結局波形整形回路8の整形時定数を長くする
とX線を検出できる周期、即ち時間間隔は長くなってし
まうのである。
【0029】X線発生検出装置6としては、X線が入射
してから検出までに要する時間が短いこと、複数個のX
線が極めて近接した時間内に入射した場合にも各々のX
線を検出できること、そして低エネルギーのX線をも検
出できることが要求されるのであるが、上述したよう
に、従来のものにおいては、波形整形回路8の整形時定
数を短くして複数個のX線が極めて近接した時間内に入
射した場合にも各々のX線を検出できるようにすれば低
エネルギーのX線を検出することが難しくなり、また逆
に、整形時定数を長くして低エネルギーのX線をも検出
可能とすると、複数個のX線が極めて近接した時間内に
入射した場合に各々のX線を検出することが難しくな
り、更にX線が入射してからそれを検出するまでに時間
が掛かるものであった。
【0030】そこで、本発明は、X線が入射してから検
出までに要する時間が短く、複数個のX線が極めて近接
した時間内に入射した場合にも各々のX線を検出でき、
しかも低エネルギーのX線をも検出することができるX
線発生検出装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0031】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1記載のX線発生検出装置は、各ステップ
の高さが入射したX線のエネルギーに対応した階段波
を、その階段波の各ステップの高さに対応した高さを有
するガウス波、三角波、台形波等の所定の波形のパルス
に変換する波形整形回路と、波形整形回路から出力され
たパルスのレベルが増加して閾値レベルを越えたときに
検出信号を出力する弁別回路とを備え、弁別回路の検出
信号によって波形整形回路の波形整形動作をリセットす
ることを特徴とする。
【0032】また、請求項2記載のX線発生検出装置
は、各ステップの高さが入射したX線のエネルギーに対
応した階段波を、その階段波の各ステップの高さに対応
した高さを有するガウス波、三角波、台形波等の所定の
波形のパルスに変換する整形時定数が異ならされた複数
の波形整形回路と、各波形整形回路に対応して設けら
れ、対応する波形整形回路から出力されたパルスのレベ
ルが増加して閾値レベルを越えたときに検出信号を出力
する弁別回路とを備え、いずれか一つの弁別回路から検
出信号が出力された場合には、所定の波形整形回路の波
形整形動作をリセットすることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ実施の形
態について説明する。図1は本発明に係るX線発生検出
装置の第1の実施形態を示す図であり、図中、10は波
形整形回路、11は弁別回路、12はリセット信号発生
回路を示す。
【0034】波形整形回路10は、図6の波形整形回路
3と同様の構成を備えており、前置増幅器2から入力さ
れる階段波の各ステップを、各々のステップの高さに比
例したピーク値を有する孤立したパルスに変換する機能
を有するものである。弁別回路11は、波形整形回路1
0から出力されたパルスのレベルと、予め設定されてい
る閾値VREF とを比較し、波形整形回路10からの出力
パルスのレベルが増加しているときに閾値VREF を越え
たときに検出信号VOUT を出力する。また、リセット信
号発生回路12は、弁別回路11から出力される検出信
号VOUT に基づいてリセット信号を生成して波形整形回
路10に出力する。つまり、このX線発生検出装置は、
図9に示す従来のX線発生検出装置にリセット信号発生
回路12を付加した構成となっている。
【0035】図2に波形整形回路10の構成例を示す。
図2は初段の微分回路と、その後段に2段の積分回路を
備える波形整形回路の構成例であり、図中、13は微分
回路、14、15は積分回路、16は演算増幅器、17
〜21はスイッチを示す。図2において、スイッチ17
〜21は例えばトランジスタで構成され、リセット信号
発生回路12からのリセット信号によって導通し、各コ
ンデンサに蓄積された電荷を放電するようになされてお
り、このことによって波形整形回路10の波形整形動作
をリセットするように構成されている。
【0036】図1に示すX線発生検出装置の動作を図3
のタイミングチャートを参照して説明する。図3におい
て、(a)は波形整形回路10に入力される階段波を示
し、(b)は波形整形回路10の出力パルスのレベルと
弁別回路11の閾値VREF の関係を示し、(c)は弁別
回路11の出力である検出信号VOUT を示し、(d)は
リセット信号発生回路12の出力であるリセット信号を
示す。
【0037】いま、図3(a)に示すようにt1 のとき
に階段波の一つのステップが入力されたとすると、波形
整形回路10は波形整形動作を開始する。そして、その
出力パルスのレベルが増加してt2 のときに閾値VREF
を越えると弁別回路11は図3(c)のイで示すように
検出信号VOUT を出力する。この検出信号VOUT に基づ
いてリセット信号発生回路12は図3(d)のロで示す
ようにリセット信号を出力するので波形整形回路10は
リセットされ、波形整形動作は停止される。このとき波
形整形回路10の出力レベルはパルスのベースラインレ
ベルになることは当然である。
【0038】その後、t3 のときに階段波の次のステッ
プが入力されたとすると、波形整形回路10は再び波形
整形動作を開始し、その出力パルスのレベルが増加して
4のときに閾値VREF を越えたとすると弁別回路11
は図3(c)のハで示すように検出信号VOUT を出力す
る。この検出信号VOUT に基づいてリセット信号発生回
路12は図3(d)のニで示すようにリセット信号を出
力するので波形整形回路10はリセットされ、波形整形
動作は停止される。以下、階段波のステップが入力され
る度毎に上記の動作を行う。
【0039】以上のように、このX線発生検出装置によ
れば、波形整形回路10はX線が検出されると直ちにリ
セットされ、波形整形動作が停止されて次のステップの
入力に備えることができるので、波形整形回路10の整
形時定数を長く設定したとしても、従来に比較してより
短い時間間隔で入射したX線を検出することが可能とな
る。
【0040】即ち、上述した動作から明らかなように、
図1の構成では、引き続いて入力される階段波の二つの
ステップの時間間隔、即ちX線が入射する時間間隔が、
波形整形動作が開始されてからリセットされるまでの時
間以上であればよく、従来のものが波形整形回路10の
プロセスタイム以上であることと比較すれば大幅に短く
することができることは明らかであろう。
【0041】以上、本発明に係るX線発生検出装置の第
1の実施形態について説明したが、次に図4を参照して
第2の実施形態について説明する。図4において、2
0、21は波形整形回路、22、23は弁別回路、24
は論理和回路、25はリセット信号発生回路を示す。
【0042】波形整形回路20、21は、前置増幅器か
ら入力される階段波の各ステップを、各々のステップの
高さに比例したピーク値を有する孤立したパルスに変換
する機能を有するものであり、共に同じ構成を有してい
るが整形時定数は互いに異ならされている。ここでは波
形整形回路20の整形時定数は波形整形回路21の整形
時定数より短く設定されているものとする。
【0043】弁別回路22は、波形整形回路20から出
力されたパルスのレベルと、予め設定されている閾値V
REF1とを比較し、波形整形回路20からの出力パルスの
レベルが増加しているときに閾値VREF1を越えたときに
検出信号を出力する。また、弁別回路23は、波形整形
回路21から出力されたパルスのレベルと、予め設定さ
れている閾値VREF2とを比較し、波形整形回路21から
の出力パルスのレベルが増加しているときに閾値VREF2
を越えたときに検出信号を出力する。上述したようにこ
こでは波形整形回路20の整形時定数は波形整形回路2
1の整形時定数より短く設定されているものとしている
ので、VREF1>VREF2となる。
【0044】弁別回路22、23の検出信号は論理和回
路24で論理和演算がなされ、合成検出信号VOUT とし
て出力される。リセット信号発生回路25は、論理和回
路24から出力される合成検出信号VOUT に基づいてリ
セット信号を生成して波形整形回路21に出力する。従
って、波形整形回路21は図2に示す構成と同じでよ
く、波形整形回路20は図2の構成からスイッチ17〜
21を除いた構成とすればよい。
【0045】図4に示すX線発生検出装置の動作を図5
のタイミングチャートを参照して説明する。図5におい
て、(a)は波形整形回路20、21に入力される階段
波を示し、(b)は波形整形回路20の出力パルスのレ
ベルと弁別回路22の閾値VREF1の関係を示し、(c)
は弁別回路22から出力される検出信号を示し、(d)
は波形整形回路21の出力パルスのレベルと弁別回路2
3の閾値VREF2の関係を示し、(e)は弁別回路23か
ら出力される検出信号を示し、(f)は論理和回路24
の出力である合成検出信号VOUT を示す。
【0046】いま、図5(a)に示すようにt1 のとき
に階段波の一つのステップが入力されたとする。このス
テップの高さは高いので、エネルギーが高いX線が入射
した場合を示している。このとき波形整形回路20、2
1は共に波形整形動作を開始するが、波形整形回路20
の方が整形時定数が短いので、その出力レベルは波形整
形回路21の出力レベルよりも速く高くなり、弁別回路
22の閾値VREF1に達する(t2 )。このことにより図
5(c)のイで示すように弁別回路22から検出信号が
出力され、図5(f)のロで示すようにこの検出信号が
論理和回路24から合成検出信号VOUT として出力され
る。
【0047】そして、リセット信号発生回路25はこの
合成検出信号VOUT に基づいてリセット信号を生成して
波形整形回路21に供給するので、波形整形回路21は
リセットされ、その出力レベルは出力パルスのベースラ
インレベルに戻されることになる。
【0048】その後、当該ステップに対する波形整形回
路20の波形整形動作が終了した後、図5(a)に示す
ようにt3 のときに階段波の次のステップが入力された
とする。図ではこのステップの高さは低いので、エネル
ギーが低いX線が入射した場合を示している。このとき
波形整形回路20、21は共に波形整形動作を開始する
が、入射X線のエネルギーが小さいので波形整形回路2
0の出力レベルは弁別回路22の閾値VREF1には達せ
ず、波形整形回路21の出力レベルが弁別回路23の閾
値VREF2に達する(t4 )。このことにより図5(d)
のハで示すように弁別回路23から検出信号が出力さ
れ、図5(f)のニで示すようにこの検出信号が論理和
回路24から合成検出信号VOUT として出力される。
【0049】そして、リセット信号発生回路25はこの
合成検出信号VOUT に基づいてリセット信号を生成して
波形整形回路21に供給するので、波形整形回路21は
リセットされ、その出力レベルは出力パルスのベースラ
インレベルに戻される。以下、階段波のステップが入力
される度毎に上記の動作が行われる。
【0050】以上のように、図4に示すX線発生検出装
置によれば、整形時定数が異なる二つの波形整形回路が
設けられているので、エネルギーの高いX線は整形時定
数が短い方の波形整形回路20で短時間で検出すること
ができ、またエネルギーが低いX線は整形時定数が長い
方の波形整形回路21によって検出することができる。
更に、整形時定数が長い波形整形回路21はX線が検出
されると直ちにリセットされ、波形整形動作が停止され
て次のステップ入力に備えることができるので、X線の
検出周期、即ち検出時間間隔を短縮することが可能とな
る。
【0051】以上、本発明の実施形態について説明した
が、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく種
々の変形が可能である。例えば、図4に示す実施形態で
は整形時定数が異なる波形整形回路を二つ備えるものと
したが、より多くの波形整形回路を備えるようにしても
よいことは当然である。その場合においてもそれらの波
形整形回路の整形時定数を互いに異ならせるのは当然で
ある。また、図4に示す実施形態では波形整形回路21
のみをリセット信号でリセットするものとしたが、これ
は波形整形回路20の整形時定数がリセットする必要の
ない程度に短いものとしているからであり、リセットす
るのが望ましいのであればリセット信号によってリセッ
トするようにしてもよいことは当然である。
【0052】更に、より多くの波形整形回路を備えた場
合にあって、リセットしない波形整形回路が複数存在す
るような場合には、図4に示した論理和回路24は、同
一のX線により複数の検出信号が出力されないように制
御される優先順位回路とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るX線発生検出装置の第1の実施
形態を示す図である。
【図2】 図1の波形整形回路10の構成例を示す図で
ある。
【図3】 図1に示すX線発生検出装置の動作を説明す
るためのタイミングチャートである。
【図4】 本発明に係るX線発生検出装置の第2の実施
形態を示す図である。
【図5】 図4に示すX線発生検出装置の動作を説明す
るためのタイミングチャートである。
【図6】 半導体検出器を用いたX線測定装置の構成例
を示す図である。
【図7】 図6の波形整形回路3の動作を説明するため
の図である。
【図8】 パイルアップを説明するための図である。
【図9】 従来のX線発生検出装置の構成例を示す図で
ある。
【図10】 従来のX線発生検出装置の動作を説明する
ための図である。
【図11】 従来のX線発生検出装置の動作を説明する
ための図である。
【符号の説明】
1…半導体検出器、2…前置増幅器、3…波形整形回
路、4…A/D変換器、5…マルチ・チャンネル・アナ
ライザ、6…X線発生検出装置、7…制御装置、8…波
形整形回路、9…弁別回路、10…波形整形回路、11
…弁別回路、12…リセット信号発生回路、13…微分
回路、14、15…積分回路、16…演算増幅器、17
〜21…スイッチ、20、21…波形整形回路、22、
23…弁別回路、24…論理和回路、25…リセット信
号発生回路。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】各ステップの高さが入射したX線のエネル
    ギーに対応した階段波を、その階段波の各ステップの高
    さに対応した高さを有するガウス波、三角波、台形波等
    の所定の波形のパルスに変換する波形整形回路と、 波形整形回路から出力されたパルスのレベルが増加して
    閾値レベルを越えたときに検出信号を出力する弁別回路
    とを備え、 弁別回路の検出信号によって波形整形回路の波形整形動
    作をリセットすることを特徴とするX線発生検出装置。
  2. 【請求項2】各ステップの高さが入射したX線のエネル
    ギーに対応した階段波を、その階段波の各ステップの高
    さに対応した高さを有するガウス波、三角波、台形波等
    の所定の波形のパルスに変換する整形時定数が異ならさ
    れた複数の波形整形回路と、 各波形整形回路に対応して設けられ、対応する波形整形
    回路から出力されたパルスのレベルが増加して閾値レベ
    ルを越えたときに検出信号を出力する弁別回路とを備
    え、 いずれか一つの弁別回路から検出信号が出力された場合
    には、所定の波形整形回路の波形整形動作をリセットす
    ることを特徴とするX線発生検出装置。
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