JPH10220876A - 温水装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は給湯用、暖房用、人体洗浄用などに
使用する瞬間加熱式の温水装置に関するものであり、低
吐水量においても熱交換効率が高く、制御応答が良好
で、かつ、確実に函体の密閉シールができる温水装置を
実現する。 【解決手段】 平板状加熱手段２の全周に一体に設けら
れたフランジ３と、平板状加熱手段２を収納するタンク
４と、タンク４に設けられた入水口７および出湯口８と
を備え、タンク４の内面と平板状加熱手段２の間に蛇行
水路１０を構成し、入水口７と出湯口８とを蛇行水路１
０を介して連通させるとともに、タンク４の開口端部と
フランジ３を締結することにより、低吐水量でも熱伝達
率を大きくすることができ、高負荷化、コンパクト化が
図れ、かつ、確実なシール構造とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、給水源から供給さ
れる水を所定温度の適温水に短時間で加熱して人体局部
の洗浄用などに使用する、瞬間加熱式の温水装置に関す
るものである。

【０００２】

【従来の技術】従来のこの種の温水装置には、図６に示
したようなものが一般的あった（例えば実公平１−４２
７５７号公報に記載）。

【０００３】図６に示されている温水装置１００は、有
底筒状に形成した金属製の加熱タンク１０１と、中空筒
状に形成した合成樹脂製の貯湯筒１０２からなり、加熱
タンク１０１は貯湯筒１０２内に、その上部に貯湯部１
０２ａを有するように収納して加熱タンク１０１の開口
端側を貯湯筒１０２の一方の開口部に嵌着し、この加熱
タンク１０１の開口端側の周縁に開口した通抜孔１０３
を介して加熱タンク１０１と貯湯筒１０２とを連通す
る。

【０００４】つづいて、表面または２層のセラミック基
板の間にプリントするなどして形成した電気発熱体を有
する中空円筒状のセラミックヒータ１０４を図示しない
給水ラインと連通させて遊嵌したあと、貯湯筒１０２の
一方の開口部をセラミックヒータ１０４の鍔部にて閉鎖
し、この貯湯筒１０２の他方の開口部は、フロートスイ
ッチ１０５とバキュームスイッチ１０６とを具備した函
体１０７を用いて、該函体１０７と貯湯筒１０２とを連
通させた状態で閉鎖することにより構成され、函体１０
７に止着した出湯管１０８から温水が出湯されるように
なっている。

【０００５】また、加熱タンク１０１に開口した通抜孔
１０３の上方には、セラミックヒータ１０４により加熱
した温水の温度を検出する温度センサ１０９が取付けら
れている。

【０００６】そして、瞬間加熱式の温水装置１００は、
セラミックヒータ１０４の内周面を通って加熱タンク１
０１内に流入する水をセラミックヒータ１０４の電気発
熱体により加熱し、長時間にわたって一定温度の温水を
吐出することができる。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
成のような従来の瞬間式の温水装置では、中空円筒状の
セラミックヒータ１０４の径を小さくすればする程製造
が困難になり、伝熱面積も小さくなってしまうので径寸
法には限界があり、セラミックヒータ１０４の大きさに
対応した容積の加熱タンク１０１や、貯湯筒１０２等の
水路部分に水の溜まる貯湯部ができてしまう。

【０００８】例えば、その貯湯部が２００ｃｃ程度であ
っても、毎分４００ｃｃ以下というような低吐水量に対
しては、昇温及び温度制御応答にかなりの時間を要する
ことになり、通水中の瞬時的な設定温度可変が困難であ
るという課題があった。

【０００９】また、低吐水量に対して、セラミックヒー
タ１０４内外周の流路断面が大きく、そこにおける流速
が小さくなるので、熱伝達が悪くなり温水装置の熱効率
も悪くなるという課題があった。

【００１０】さらに、中空円筒状のセラミックヒータ１
０４の寸法から加熱タンク１０１の容積が大きくなり、
装置のコンパクト化が図りにくいという課題があった。

【００１１】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、平板状加熱手段と、平板状加熱手段に一体
に設けられたフランジと、平板状加熱手段を収納するタ
ンクと、タンクに設けられた入水口および出湯口と、平
板状加熱手段とタンクの内面との間に設けられた蛇行水
路とを備え、入水口と出湯口とを蛇行水路を介して連通
するとともに、タンクの開口端部とフランジとを締結し
たものである。

【００１２】上記発明によれば、蛇行水路の断面積を小
さくすることにより、伝熱面積を確保したまま流速を増
大させ、熱伝達率を大きくすることができるので、熱効
率の向上、高負荷化、コンパクト化が図れる。

【００１３】しかも、フランジが平板状加熱手段の全周
に一体に設けられているので、シールが甚だ困難である
薄形矩形断面形状の平板状加熱手段をタンクに収納後、
確実にシールすることができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】本発明は、平板状加熱手段と、平
板状加熱手段に一体に設けられたフランジと、平板状加
熱手段を収納するタンクと、タンクに設けられた入水口
および出湯口と、平板状加熱手段とタンクの内面との間
に設けられた蛇行水路とを備え、入水口と出湯口とを蛇
行水路を介して連通するとともに、タンクの開口端部と
フランジとを締結したものである。

【００１５】そして、蛇行水路の断面積を小さくするこ
とにより流速を増大させ熱伝達率を大きくすることがで
きるので、低吐水量においても熱効率の向上、高負荷化
を行なうことができ、コンパクト化が図ることができる
とともに、タンクの開口端部とフランジとを締結するこ
とにより、確実に函体をシールすることができ、水漏れ
を防止できる。

【００１６】また、フランジが平板状加熱手段の発熱部
と給電端子の間に、前記平板状加熱手段の発熱部と垂直
に設けられたものである。

【００１７】そして、給電部からの発熱をフィン効果に
より放散し、給電部温度を下げることができ、安全性、
信頼性が高まる。

【００１８】また、平板状加熱手段として、電力により
ジュール熱を発生する発熱体をアルミナ等からなる一対
のセラミック板により挟んで形成したセラミックヒータ
を備えたものである。

【００１９】そして、平板状加熱手段として、防水絶縁
体で熱伝導率の高いセラミック板で外郭を構成されたセ
ラミックヒータを備えているので、水が直接ヒータに接
触する蛇行水路が構成でき、昇温速度と制御応答性の向
上を図ることができる。

【００２０】また、フランジにアルミナ等のセラミック
材を用い、平板状加熱手段であるセラミックヒータと一
体に焼成したものである。

【００２１】そして、フランジへの熱伝導が良く、平板
状加熱手段の温度分布が均一化され、安全性、信頼性が
高まる。

【００２２】また、フランジにアルミナ等のセラミック
材を用い、平板状加熱手段であるセラミックヒータにガ
ラス接着したものである。

【００２３】そして、焼成後のセラミックのフランジを
後工程で接着できるので、製造が容易となる。

【００２４】また、金属製のフランジを平板状加熱手段
にメタライズ層を介して接着したものである。

【００２５】そして、フランジをろう付けで接着できる
ので製造が容易であり、かつ、金属であることにより熱
伝導も良い。

【００２６】以下、本発明の実施例を図面を参照して説
明する。 （実施例１）図１は本発明の実施例１の温水装置の一部
切り欠き斜視図、図２は同側面図であり、図３はそのセ
ラミックヒータ部断面図である。図１〜図３において温
水装置１は、略中央に配された平板状加熱手段であるセ
ラミックヒータ２と、そのセラミックヒータ２の全周に
一体に設けられたフランジ３と、セラミックヒータ２を
包み込むように収納するタンク４とが設けられ、タンク
４の開口端部に設けられた鍔部５とフランジ３をねじ６
で締結することにより、函体を構成している。

【００２７】このタンク４は、もう一方の端部に内部と
連通する入水口７と出湯口８とを有し、その内面にリブ
９を設けセラミックヒータ２との間にリブ９を隔壁とし
た蛇行水路１０を構成している。

【００２８】また、タンク４の鍔部５のフランジ３側に
はＯリング１１が配設され、前記ねじ６の締結により確
実に水シールができる構成になっている。

【００２９】図３に示すように、セラミックヒータ２の
内部にはタングステンを主成分とした発熱体１２が配設
され、その両側には一対のセラミック板１３が発熱体１
２を包み込むように一体構成されている。

【００３０】その発熱体１２の発熱部Ｑと給電端子１４
とは、配設幅を広くすることにより発熱量を低減した給
電部１５で接続され、さらに、給電端子１４には給電線
１６が電気接続され、セラッミクヒータ２をなしてい
る。

【００３１】さらに、発熱部Ｑと給電端子１４の間にア
ルミナ等のセラミックからなるフランジ３が発熱面であ
るセラミック板１３と垂直に設けられ、セラミック板１
３と同時に焼成されることにより、一体となっている。

【００３２】上記構成により、入水口７からタンク４内
に流入した水は図２のＡ部でセラミックヒータ２の両面
に分かれ、矢印のように蛇行水路１０を通過し、Ｂ部で
合流した後、出湯口８より流出する。

【００３３】セラミックヒータ２の給電線１６から電力
を供給した場合、発熱体１２により発生した熱がセラミ
ック板１３を経て、蛇行水路１０を流れる水に伝達さ
れ、水は温水装置１を流れる短時間の間に加熱され出湯
口８より連続して流出する。

【００３４】蛇行水路１０の内壁を形成するセラミック
ヒータ２の表面が熱伝達面となるが、タンク４の内面に
設けられたリブ９の高さやその間隔を小さくすることに
より蛇行水路１０の断面積を小さくして流速を増大させ
るように設定することが容易にできる。

【００３５】これにより、低吐水量においても十分な熱
伝達率を確保することが可能となり、高い熱効率、高負
荷化、コンパクト化が図れる。

【００３６】また、貯水部がなくタンク４内の水の熱容
量を低減できるので、使用開始から適温の温水が出湯さ
れるまでの昇温速度も速く、使用者が出湯温度を変更し
たい場合などの応答も良くなる。

【００３７】さらに、セラミック板１３が防水性及び電
気絶縁性を有しているので、セラミックヒータ２の発熱
部Ｑを水没させる構成が可能となり、熱効率をさらに高
める効果がある。

【００３８】このように平板状加熱手段の両面に蛇行水
路を形成する方式は、加熱流量が少ない場合などに極め
て有効であるが、一般的に薄形矩形断面を持つ平板状加
熱手段をタンク内に収納し密閉した函体とするシール構
造の形成が甚だ困難であった。

【００３９】本実施例に示すように本発明の温水装置で
は、フランジ３がセラミックヒータ２の全周に一体に設
けられているので、セラミックヒータ２の発熱部Ｑをタ
ンク４に収納後、フランジ３をシール面として容易にか
つ確実に水シールすることができる。

【００４０】さらに、給電部１５からの不要発熱を垂直
に構成されたフランジ３が放散するので、非発熱部温度
を下げることができ、安全性及び端子部等の耐久信頼性
が高まる。

【００４１】なお、本実施例においては、平板状加熱手
段として平板状のセラミックヒータを用いたが、シーズ
ヒータやマイカヒータ等、様々な応用が考えられる。

【００４２】（実施例２）図４は本発明の実施例２の温
水装置のセラミックヒータ部断面図であり、図１〜図３
と同符号のものは相当する構成要素であり、詳細な説明
は省略する。図において、セラミック材からなるフラン
ジ３は、セラミックヒータ２のセラッミク板１３の全周
にガラス接着剤１７により接着固定されている。

【００４３】上記構成により、セラミックヒータ２の給
電線１６から電力を供給した場合、発熱体１２により発
生した熱がセラミック板１３を経て、蛇行水路１０を流
れる水に伝達され、水は温水装置１を流れる短時間の間
に加熱され出湯口８より連続して流出する。

【００４４】セラミック材であるフランジ３は焼成した
後、固形物として後工程でセラミックヒータ２に一体に
固着できるので、製造が極めて容易になる。

【００４５】（実施例３）図５は本発明の実施例３の温
水装置のセラミックヒータ部断面図である。図１〜図３
と同符号のものは相当する構成要素であり、詳細な説明
は省略する。図において、セラミックヒータ２の全周面
にメタライズ加工によりメタライズ層１８を設け、ステ
ンレス材のフランジ３をメタライズ層１８に銀ろう１９
を用いてろう付け接着することにより構成されている。

【００４６】上記構成により、セラミックヒータ２の給
電線１６から電力を供給した場合、発熱体１２により発
生した熱がセラミック板１３を経て、蛇行水路１０を流
れる水に伝達され、水は温水装置１を流れる短時間の間
に加熱され出湯口８より連続して流出する。

【００４７】金属製のフランジ３をろう付けで接着する
ので、製造が容易であり、かつ、金属であることにより
熱伝導も良く、給電部１５からの不要発熱をフランジ３
がよく放散するので、非発熱部温度をさらに下げること
ができ、安全性及び端子部等の耐久信頼性が高まる。ま
た、輸送途中での衝撃によりフランジ３が割れることも
ない。

【００４８】

【発明の効果】以上の説明から明らかのように本発明の
温水装置は、次の効果を有する。

【００４９】すなわち、平板状加熱手段と、平板状加熱
手段に一体に設けられたフランジと、平板状加熱手段を
収納するタンクと、タンクに設けられた入水口および出
湯口と、平板状加熱手段とタンクの内面との間に設けら
れた蛇行水路とを備え、入水口と出湯口とを蛇行水路を
介して連通するとともに、タンクの開口端部とフランジ
とを締結したものであるので、 （１）蛇行水路の断面積を小さくすることにより、流速
を増大させ熱伝達率を大きくすることができ、熱効率の
向上、高負荷化、コンパクト化が図れる。

【００５０】（２）フランジが平板状加熱手段に一体に
設けられているので、平板状加熱手段をタンクに収納
後、容易にかつ確実に水シールすることができる。

【００５１】また、フランジが平板状加熱手段の発熱部
と給電端子の間に、平板状加熱手段の発熱部と垂直に設
けられたものであるので、給電部からの発熱をフィン効
果により放散し、給電部温度を下げることができ、安全
性、信頼性が高まる。

【００５２】また、平板状加熱手段として、電力により
ジュール熱を発生する発熱体をアルミナ等からなる一対
のセラミック板により挟んで形成したセラミックヒータ
を備えたものであるので、防水絶縁体で熱伝導率の高い
セラミック板で外郭が構成されたセラミックヒータを直
接タンク内に収納することができ、水が直接ヒータに接
触する蛇行水路が構成でき、昇温速度と制御応答性の向
上を図ることができる。

【００５３】また、フランジにアルミナ等のセラミック
材を用い、平板状加熱手段であるセラミックヒータと一
体に焼成したものであるので、給電部の不要発熱の放散
が促進され、給電部の温度が低下し、安全性、信頼性が
高まる。

【００５４】また、フランジにアルミナ等のセラミック
材を用い、平板状加熱手段であるセラミックヒータにガ
ラス接着したものであるので、焼成後のセラミックのフ
ランジを後工程で接着できるので、製造が容易となる。

【００５５】また、金属製のフランジを平板状加熱手段
にメタライズ層を介して接着したものであるので、フラ
ンジをろう付けで接着することができ、製造が容易とな
り、かつ、フランジが輸送途中の衝撃で割れるというこ
ともない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例１の温水装置の一部切り欠き斜
視図

【図２】同温水装置の側面図

【図３】同温水装置のセラミックヒータ部断面図

【図４】本発明の実施例２の温水装置のセラミックヒー
タ部断面図

【図５】本発明の実施例３の温水装置のセラミックヒー
タ部断面図

【図６】従来の温水装置の概略構成図

【符号の説明】

１ 温水装置 ２ セラミックヒータ（平板状加熱手段） ３ フランジ ４ タンク ７ 入水口 ８ 出湯口 １０ 蛇行水路 １２ 発熱体 １３ セラミック板 １４ 給電端子 １７ ガラス接着材 １８ メタライズ層

Claims (6)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】平板状加熱手段と、前記平板状加熱手段に
   一体に設けられたフランジと、前記平板状加熱手段を収
   納するタンクと、前記タンクに設けられた入水口および
   出湯口と、前記平板状加熱手段と前記タンクの内面との
   間に設けられた蛇行水路とを備え、前記入水口と前記出
   湯口とを前記蛇行水路を介して連通するとともに、前記
   タンクの開口端部と前記フランジとを締結した温水装
   置。
2. 【請求項２】フランジは、平板状加熱手段の発熱部と給
   電端子の間に、前記平板状加熱手段の発熱部と垂直に設
   けられた請求項１記載の温水装置。
3. 【請求項３】平板状加熱手段は、電力によりジュール熱
   を発生する発熱体をアルミナ等からなる一対のセラミッ
   ク板により挟んで形成したセラミックヒータである請求
   項１記載の温水装置。
4. 【請求項４】フランジはアルミナ等のセラミック材から
   なり、平板状加熱手段と一体に焼成した請求項３記載の
   温水装置。
5. 【請求項５】フランジはアルミナ等のセラミック材から
   なり、平板状加熱手段にガラス接着した請求項３記載の
   温水装置。
6. 【請求項６】フランジは金属からなり、平板状加熱手段
   とメタライズ層を介して接着した請求項３記載の温水装
   置。