JPH10220193A - 大断面トンネルおよびトンネルの構築方法 - Google Patents

大断面トンネルおよびトンネルの構築方法

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JPH10220193A
JPH10220193A JP9028141A JP2814197A JPH10220193A JP H10220193 A JPH10220193 A JP H10220193A JP 9028141 A JP9028141 A JP 9028141A JP 2814197 A JP2814197 A JP 2814197A JP H10220193 A JPH10220193 A JP H10220193A
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広志 風間
Akira Kojima
彰 児島
Toru Miyao
亨 宮尾
Minoru Imai
實 今井
Hisashi Takenaka
久 竹中
Yasuhiko Shigeta
安彦 重田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 工期の短縮化と低コスト化を図るとともに、
高い強度と健全性を保つことのできる大断面トンネルお
よびトンネルの構築方法を提供する。 【解決手段】 複数の矩形シールドトンネル25,2
5,…を構築した後、互いに隣接する矩形シールドトン
ネル25,25間に、円形シールドトンネル15を後行
構築することによって、これらをを互いに重合させて一
体化した構成する。このとき、矩形シールドトンネル2
5,25,…を構成するセグメント20の外面は、裏込
充填材からなる充填コンクリート部23が付着される構
成とされるとともに、その外面の少なくとも一部には、
セグメント20と充填コンクリート部23との付着強度
を高めるための凹凸22が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大断面を有した断
面視矩形状のトンネルを構築するに際して用いて好適な
大断面トンネルおよびトンネルの構築方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】周知のように、トンネルの構築には、シ
ールド掘削機で地山を掘削し、その後方においてシール
ド掘削機と略同径のトンネルを構築するシールド工法が
多用されている。しかしながらシールド工法では、大断
面のトンネルを構築しようとすると、当然のことなが
ら、それに用いるシールド掘削機が大型化し、この結
果、シールド掘削機の製作、運搬、現場組立などのあら
ゆる面において人手およびコストがかさむものとなって
しまう。
【0003】このため、近年では、大断面トンネルの形
状に沿って小径トンネルを多数構築することによって、
これら小径トンネルから大断面のトンネル構造体を形成
する工法が開発されている。
【0004】ところで、特に内部に大空間を有する大断
面トンネルを構築しようとした場合、図10に示すよう
に断面円形のトンネル構造体1を構築し、その内方に所
定寸法の空間Sを形成していたのでは、空間Sに対して
トンネル構造体が大きいために、大断面トンネルTを構
築するに要する用地が広く必要となってコストが嵩んだ
り、用地確保ができない場合には所定寸法の空間Sを形
成することができないという問題がある。
【0005】このため、図11に示すように、断面視矩
形の大断面トンネルT’を構築するようにすれば、所定
寸法の空間Sを形成するための必要最小限の用地を確保
すればよく、これによりコストの低減を図れることか
ら、このような断面視矩形の大断面トンネルT’の構築
方法が各種開発されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たような従来の大断面トンネルおよびトンネルの構築方
法には、以下のような問題が存在する。図11に示した
ような断面視矩形の大断面トンネルT’のトンネル構造
体2を構築するに際しては、トンネル構造体2の四辺を
構成する水平部2a、鉛直部2bを、それぞれセグメン
トを断面視口字状に組んで構築した後、互いに隣接する
水平部2aと鉛直部2b同士を、継ぎ目部Aにおいて接
続する必要がある。これには、図12(a)に示すよう
に、トンネル構造体2の水平部2aと鉛直部2bとを別
々に構築した後、まず、これら水平部2aと鉛直部2b
との間の地盤G1を薬液注入あるいは凍結工法等を用い
て地盤改良する。続いて、図12(b)に示すように、
水平部2aを構築する際にその端部に組み込んでおいた
接続部土留材3を鉛直部2bに向けて押し出す。そし
て、接続部土留材3を鉛直部2bに到達させた後、水平
部2aと鉛直部2bのセグメント4を撤去し、鉛直部2
b側に接続用ブラケット5を取り付ける。このようにし
て水平部2aと鉛直部2bとを一体に接続した後、図1
2(c)に示すように、その内方に鉄筋6等を配し、コ
ンクリート7を打設することによってトンネル構造体2
が完成する。
【0007】このような工法においては、まず、接続部
土留材3を押し出すようになっているが、水平部2aを
構築するに際しては、その外周にモルタル等の裏込充填
材が注入されているため、接続部土留材3の押し出しは
困難である。また、継ぎ目部Aに止水および強度増加の
ために、薬液注入や凍結工法で地盤改良するようになっ
ているが、言うまでもなくこのような地盤改良には時間
とコストがかかり、しかも完全な止水効果を得ることは
困難である。
【0008】さらには、水平部2aと鉛直部2bとを接
続するに際しては、継ぎ目Aの地山を掘削し、ここに鉄
筋を配筋組立するが、このときには水平部2aと鉛直部
2bのそれぞれの側面を形成するセグメント4を一部解
体撤去しなければならない。このときセグメント4と、
その外側に充填された裏込充填材との付着が十分でない
場合には、セグメント4から固化した裏込充填材の層が
剥離したり、裏込充填材の層が損傷したりする懸念が生
じる。そもそも裏込充填材は、地山の沈下を防止すると
ともに、セグメントにできるだけ一様に荷重が加わるこ
とを目的として使用されるものであるから、上記のよう
に裏込充填材からなる層が損傷をきたした場合には、大
断面トンネルT’の強度および健全性に問題が生じるこ
とはいうまでもない。
【0009】もちろん、上記のようにセグメント4を撤
去するに際しては、地山の土圧、地下水圧に対抗するた
めに他の支保工を設ける必要があり、これには手間がか
かる。また、このような支保工の設置を、水平部2a、
鉛直部2bの軸線方向に長い区間で行うには、支保工が
大がかりなものとなるため、短い区間に区切って順次施
工を行う必要があり、これも工期の長期化とコストの増
大を招いてしまう。
【0010】さらに、上記の工法に限らず、一般的にシ
ールド工法を採用してトンネルを構築するにあたって
は、裏込充填材とセグメントととの付着強度について考
慮がなされていないため、裏込充填材からなる層の構造
的な強度を期待することができなかった。また、これに
よりセグメントのみで地山の土圧に対抗しなければなら
ず、セグメントを高強度化する必要が生じ、これにより
セグメントにかかる費用が、トンネルの建設費のうち大
きな割合を占めていた。
【0011】本発明は、上記事情に鑑み行われたもの
で、施工を円滑に行って工期の短縮化を低コスト化を図
るとともに、裏込充填材とセグメントとの付着を良好に
することによって、施工期間中および施工後のいずれの
時期においても、強度が低下することがなく、健全性を
保つことのできる大断面トンネルを提供することをその
目的とする。さらに、施工期間中および施工後のいずれ
の時期においても、トンネルの健全性を低下させること
がなく、さらにセグメントに係る費用を減ずることがで
きるトンネルの構築方法を提供することをその目的とす
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明においては、上記
課題を解決するために以下の手段を採用した。すなわ
ち、請求項1記載の大断面トンネルは、大断面を有した
トンネルが、断面略矩形状に形成されたトンネル構造体
と、その内方に形成されたトンネル空間とからなり、前
記トンネル構造体は、断面視矩形の矩形シールドトンネ
ルと、断面視円形の円形シールドトンネルとを交互に隣
接配置し、かつ互いに隣接する前記矩形シールドトンネ
ルと円形シールドトンネルとを、その一部を互いに重合
させて一体化した構成とされ、前記矩形シールドトンネ
ルは、セグメントの外面に、裏込充填材からなる充填コ
ンクリート部を付着した構成とされ、該セグメントの外
面の少なくとも一部には、該セグメントと前記充填コン
クリート部との付着強度を高めるための凹凸が形成され
ていることを特徴とする。
【0013】この大断面トンネルにおいては、矩形シー
ルドトンネルと円形シールドトンネルとが互いにかみ合
った形態とされ、強固な構造が実現される。さらに、矩
形シールドトンネルの外面と充填コンクリート部とが良
好に付着しているため、構築に際して、また、構築後
に、充填コンクリート部が剥離、損傷する懸念が少な
い。
【0014】請求項2記載の大断面トンネルは、請求項
1記載の大断面トンネルであって、前記セグメントの外
面の少なくとも一部は縞鋼板からなり、前記凹凸は、該
縞鋼板上に形成されていることを特徴とする。また、請
求項3記載の大断面トンネルは、請求項1記載の大断面
トンネルであって、前記セグメントの外面の少なくとも
一部に鋼製部材が設けられ、前記凹凸は該鋼製部材によ
って形成されていることを特徴とする。
【0015】これらの大断面トンネルは、上記のような
構成とされているため、容易にセグメントの外面に対し
て凹凸を設けることができる。
【0016】請求項4記載の大断面トンネルは、請求項
1ないし3のいずれかに記載された大断面トンネルであ
って、前記裏込充填材は、高強度コンクリートによって
構成されていることを特徴とする。この大断面トンネル
は、上記のような構成とされているため、裏込充填材に
よって形成された充填コンクリート部の構造的な強度を
期待することができる。
【0017】請求項5記載のトンネルの構築方法は、地
山に形成された掘削坑内に設置されて、複数のセグメン
トを備えて構成されるトンネル構造体と、該トンネル構
造体の内側に形成されるトンネル空間とを備えてなるト
ンネルを構築するためのトンネルの構築方法であって、
前記地山に掘削坑を形成し、該掘削坑内面に沿って複数
のセグメントを配置し、該セグメントの外面側に裏込充
填材を充填して前記トンネル構造体を形成し、前記セグ
メントとして、その外面の少なくとも一部に凹凸を設け
たものを使用することを特徴とする。
【0018】このトンネルの構築方法においては、セグ
メントの外面に凹凸が形成されるために、裏込充填材と
セグメントとの付着が良好なものとなり、トンネルの強
度が向上される。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る大断面トンネ
ルおよびトンネルの構築方法の実施の形態を、図面に基
づいて説明する。ここでは、構築すべき大断面トンネル
として、上下二層構造のトンネルを例に挙げて説明す
る。図2に示すように、構築すべき大断面トンネル10
は、周囲の地山からの土圧に抗するトンネル構造体11
と、該トンネル構造体11の内方に形成された上下2段
の内部空間12、13とから構成されている。
【0020】トンネル構造体11は、略鉛直面内に位置
する両側の側壁部11a,11aと、これら側壁部11
a,11aの上端部,下端部間にそれぞれ設けられて略
水平面内に位置する上面11b,下面11cと、側壁部
11a,11aの中間部間に設けられて上下の内部空間
12、13を仕切る仕切面11dとから構成されて、全
体として断面視略日字状をなしている。このトンネル構
造体11は、断面視円形の円形シールドトンネル15
と、互いに平行な平面を有した平面シールドトンネル
(矩形シールドトンネル)16とが、周方向交互に配置
され、これらが一体化された構成からなっている。
【0021】円形シールドトンネル15は、平面シール
ドトンネル16の厚さよりも大径とされている。さら
に、トンネル構造体11の四隅と、三方に平面シールド
トンネル16が接合されている部分とに配置されている
円形シールドトンネル15Aは、他の部分のシールドト
ンネル15Bに対して、その径寸法が大きなものが採用
されている。また、トンネル構造体11の上面11b,
下面11cは、それぞれ、円形シールドトンネル15B
を頂点として外方に向けて凸形状をなした構成となって
いる。
【0022】そして、このようなトンネル構造体11内
には、その全周にわたって鉄筋18が配筋され、さらに
その内部にはコンクリート19が打設された構成となっ
ている。
【0023】図1は、図2に示した平面シールドトンネ
ル16を拡大して図示したものである。図中に示すよう
に平面シールドトンネル16は、セグメント20を備え
て構成されている。セグメント20の外面の一部には、
凹凸22が形成されており、さらにその外側には、高強
度コンクリートからなる裏込充填材によって形成された
充填コンクリート部23が設けられている。凹凸22
は、充填コンクリート部23とセグメント20との付着
を良好にする役割を果たす。
【0024】次に、このような大断面トンネル10の構
築方法について説明する。これには、まず、トンネル構
造体11を構成する平面シールドトンネル16,16,
…を形成するため、図3に示すように、矩形シールドト
ンネル25,25,…を先行構築する。図4(a),
(b)に示すように、各矩形シールドトンネル25の構
築には、まず、断面視矩形のシールド掘削機26に備え
たカッタ26aで地盤中に矩形の掘削孔27を削孔して
いき、凹凸22が形成されたセグメント20,20,…
を、その後方に組み立てていく。
【0025】図3に示したように、セグメント20は、
対向する2面が平板部20a,20aとされ、これら平
板部20aの両側が、略円弧状の凹部20b,20bと
されている。各凹部20bは、その円弧の曲率径が、側
方に構築される円形シールドトンネル15(図1参照)
の径よりも若干大となるよう形成されている。
【0026】図5は、凹部20bを構成するスキンプレ
ート21の形状を示した断面図である。スキンプレート
21は、凹部20bの形状に沿って、三日月状に形成さ
れており、その外面21aには、フラットバー(鋼製部
材)28が溶接されることによって、凹凸22が形成さ
れる。また、図6は、図5においてDとして示した方向
から、スキンプレート21を視た場合の図である。フラ
ットバー28は、このようにスキンプレート21の外面
21a上に格子状に配置されるとともに、溶接され固定
される。
【0027】このようなセグメント20を組み立てた
後、掘削孔27とセグメント20の外周面との間に、コ
ンクリートからなる裏込充填材29を充填して、充填コ
ンクリート部23を形成する(図4参照)。これによ
り、掘削孔27内には、断面視矩形の矩形シールドトン
ネル25が構築される。このとき、裏込充填材29を構
成するコンクリートの粗骨材の粒径寸法と比較して、凹
凸22の高さが大きいと、シールド掘削機26内部に裏
込充填材29が侵入する恐れがある。一方で、凹凸22
と充填コンクリート部23との付着力を高めるために
は、凹凸22の高さを大きくする必要がある。このよう
なことから、凹凸22の高さは、裏込充填材29の粗骨
材の粒形が20mm程度の場合には、10mm程度とするの
がよい。
【0028】次いで、図1に示すように、互いに隣接す
る矩形シールドトンネル25,25間の地山を断面視円
形のシールド掘削機(図示なし)を用いて円形の孔3
1,31,…を削孔していく。このときに用いるシール
ド掘削機(図示なし)は、その径寸法が、ここに構築す
べき円形シールドトンネル15A,15Bと略同径のも
のを用いる。このときには、矩形シールドトンネル2
5,25間の地山とともに、セグメント20,20の凹
部20b,20bの外側の充填コンクリート部23,2
3も同時に削られて、孔31が形成される。これによ
り、前記矩形シールドトンネル25の凹部25bの外側
の充填コンクリート部材23が削られて、平面シールド
トンネル16が形成された状態となる。
【0029】図7に示すように、このように各孔31を
掘削しつつ、シールド掘削機(図示なし)の後方で、円
形セグメント(セグメント)32,32,…を組み立て
ていく。そして、組み立てたセグメント32の外側に、
高強度コンクリートからなる裏込充填材33を充填する
ことにより、各孔31内に円形シールドトンネル15
A,15Bが構築される。これにより、断面視円形の円
形シールドトンネル15と、平面シールドトンネル16
とが、周方向交互に配置された状態となる。
【0030】続いて、構築したトンネル構造体11内に
鉄筋18を配筋し、さらにコンクリート19を打設充填
する。しかる後には、トンネル構造体11の内方の地山
を掘削し、ここに内部空間12,13を形成することに
より、図2に示したような所定形状の大断面トンネル1
0の構築が完了する。
【0031】上述した大断面トンネル10では、トンネ
ル構造体11が、円形シールドトンネル15と平面シー
ルドトンネル16とが交互に隣接配置され、かつ互いに
隣接する円形シールドトンネル15と平面シールドトン
ネル16とがその一部を互いに重合させて一体化された
構成となっている。これにより、円形シールドトンネル
15と平面シールドトンネル16とが互いにかみ合った
形態となるので、強固で安定した大断面トンネル10を
構成することができる。
【0032】また、大断面トンネル10は、このような
構成とされるため、上記のような手順で施工することが
でき、従来の大断面トンネルのように、大ががりな支保
工を設置したり、地盤改良を施したりする必要がなく、
施工期間の短縮化および低コスト化が図られる。
【0033】さらに、矩形シールドトンネル25を構成
するセグメント20の外面を構成するスキンプレート2
1に凹凸22が形成されることにより、セグメント20
と充填コンクリート部23との付着が良好なものとな
る。これによって、大断面トンネル10のより一層の高
強度化、安定化が図られる。しかも、大断面トンネル1
0においては、複数の矩形シールドトンネル25,2
5,…を先行構築した後、円形シールドトンネル15を
後行構築するための孔31を、矩形シールドトンネル2
5,25間に位置する地山とともに充填コンクリート部
23を掘削して形成する構成とされていることから、上
記のようにセグメント20外面に凹凸22を設けておく
ことによって、孔31掘削時に、充填コンクリート部2
3が損傷を受けたり、セグメント20から剥離したりす
る懸念が減少する。このように、充填コンクリート部2
3の安全が図られるために、大断面トンネル10におい
ては、施工中および施工後のいずれの時期においても、
健全性が損なわれず、強度、止水性、および安全性の面
で優れた機能が期待できる。
【0034】また、これら凹凸22は、セグメント20
の外面に位置するスキンプレート21にフラットバー2
8を溶接した構成とされていることから、容易に形成可
能であり、また、凹凸22の形成に際して、特殊な加工
等を施す必要もない。
【0035】また、裏込充填材29が、高強度コンクリ
ートとされているため、裏込充填材29が固化すること
によって形成された充填コンクリート部23が強度を発
現することができ、さらに、この充填コンクリート部2
3は、上述のようにセグメント20に対して良好に付着
する構成とされていることとから、大断面トンネル10
においては、充填コンクリート部23の構造的な強度を
期待することができる。したがって、本実施の形態の大
断面トンネル10は、構造的にも非常に優れている。
【0036】また、大断面トンネル10を構築するにあ
たって採用した上述のトンネルの構築方法においては、
あらかじめ、セグメント20の外面に凹凸22を設けて
おき、矩形シールドトンネル25を形成するための掘削
孔27にセグメント20を配設した後、セグメント20
の外側に裏込充填材29を充填する構成となっている。
これにより、裏込充填材29が固化して充填コンクリー
ト部23が形成された場合に、この充填コンクリート部
23とセグメント20との付着強度が十分となり、した
がって充填コンクリート部23を上記のように掘削する
場合にも、充填コンクリート部23において損傷や剥離
などが生じる可能性が減少し、トンネル構造体11の健
全性が保たれる。
【0037】さらに、このような構築方法を採用するこ
とによって、裏込充填材29が固化して充填コンクリー
ト部23が形成されたときに、その構造的な強度を期待
することができ、したがって、従来のトンネルの構築方
法に比して、より安定したトンネルを建設することが可
能となる。
【0038】以上において、本発明の実施の形態の一例
を説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定される
ものでなく、必要に応じて、その形態や適用条件等を変
化させるようにしてもよい。例えば、上記実施の形態に
おいては、セグメント20を構成するスキンプレート2
1の外面21aにフラットバー(鋼製部材)28が溶接
されることによって、凹凸22が形成されているが、そ
のかわりにスキンプレート21の外面に図8において示
したようなエキスパンドメタル35を張り付けるように
してもよい。また、この他に鉄筋棒を使用するようにし
てもよい。また、このようにスキンプレート21に鋼製
部材を接合することによって凹凸を形成するだけでな
く、スキンプレート21に、図9において示したような
縞鋼板36を接合するようにしても構わない。
【0039】また、スキンプレート21自体を、図9に
おいて示したような縞鋼板で構成することによって、凹
凸22を形成するようにしてもよい。また、上記実施の
形態において説明したトンネルの構築方法は、大断面ト
ンネル10を構築するにあたって適用するだけでなく、
一般の円形シールドトンネルに対して用いることによっ
て、トンネルの高強度化および健全性の向上を図るよう
にしてもよい。また、このとき裏込充填材として、高強
度コンクリートを使用するようにすれば、より一層のト
ンネルの高強度化が図られる。また、このトンネルの構
築方法を用いることによって、裏込充填材によって形成
された部分の構造的な強度を期待することができるた
め、使用するセグメントの強度を下げることができ、ト
ンネルの建設費のうち、比較的多くの割合を占めるセグ
メントの費用の負担を低減することができる。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に係る大
断面トンネルにおいては、トンネル構造体が、矩形シー
ルドトンネルと円形シールドトンネルとを交互に隣接配
置し、かつ互いに隣接する矩形シールドトンネルと円形
シールドトンネルとを、その一部を互いに重合させて一
体化した構成とされており、さらに、矩形シールドトン
ネルを構成するセグメントの外面には、セグメントと充
填コンクリート部との付着強度を高めるための凹凸が形
成される。この大断面トンネルにおいては、矩形シール
ドトンネルと円形シールドトンネルとが互いにかみ合っ
た形態とされ、強固な構造が実現されるとともに、矩形
シールドトンネルの外面と充填コンクリート部との付着
が良好となり、その構築に際して、また、構築後に、充
填コンクリート部が剥離、損傷する懸念が減少し、トン
ネルの安定性および健全性が保たれることとなる。
【0041】請求項2に係る大断面トンネルによれば、
セグメントの外面の少なくとも一部は縞鋼板からなり、
凹凸が、縞鋼板上に形成されていることから、請求項1
に係る発明を容易に実現することができる。請求項3に
係る大断面トンネルにおいては、セグメントの外面の少
なくとも一部に鋼製部材が設けられ、凹凸は該鋼製部材
が溶接されることによって形成される。これによって、
請求項1に係る発明を、市販のフラットバーやエキスパ
ンドメタルを用いて容易に実現することができる。
【0042】請求項4に係る大断面トンネルによれば、
裏込充填材が高強度コンクリートによって構成され、さ
らに、裏込充填材によって形成された充填コンクリート
部がセグメントに対して良好に付着されることによっ
て、充填コンクリート部の構造的な強度を期待すること
ができる。
【0043】請求項5に係るトンネルの構築方法は、地
山に掘削坑を形成し、掘削坑内面に沿って複数のセグメ
ントを配置し、セグメントの外面側に裏込充填材を充填
して前記トンネル構造体を形成する構成となっており、
セグメントとしては、その外面の少なくとも一部に凹凸
を設けたものが使用される。このトンネルの構築方法に
よれば、裏込充填材とセグメントとの付着が良好なもの
となり、トンネルの強度が向上される。また、このとき
裏込充填材として、高強度コンクリートを使用するよう
にすれば、より一層のトンネルの高強度化が図られる。
また、このトンネルの構築方法を用いることによって、
裏込充填材によって形成された部分の構造的な強度を期
待することができる、これにより、使用するセグメント
の強度を下げ、その費用負担を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態を模式的に示す大断面
トンネルの一部の拡大立断面図である。
【図2】 同、大断面トンネルの全体の立断面図であ
る。
【図3】 前記大断面トンネルの構築方法を示す図であ
って、トンネル構造体を構成する矩形シールドトンネル
を先行構築した状態を示す立断面図である。
【図4】 前記矩形シールドトンネルを構築している状
態を示す側断面図および平断面図である。
【図5】 前記矩形シールドトンネルを構成するセグメ
ントの凹部におけるスキンプレートを拡大して示した断
面図である。
【図6】 同、スキンプレートの正面図である。
【図7】 前記矩形シールドトンネル間に円形シールド
トンネルを構築するための孔を掘削し、その後、前記円
形シールドトンネルを構築した状態を示す立断面図であ
る。
【図8】 前記スキンプレートに形成された凹凸の他の
実施の形態を示す斜視図である。
【図9】 前記スキンプレートに形成された凹凸の実施
の形態を示す図であって、図6、8に示されたものとは
別の例を示す正面図である。
【図10】 従来の大断面トンネルの一例を示す立断面
図である。
【図11】 従来の断面視矩形の大断面トンネルの一例
を示す立断面図である。
【図12】 図11に示した大断面トンネルの構築方法
を示す工程図である。
【符号の説明】
10 大断面トンネル 11 トンネル構造体 15 円形シールドトンネル 16 平面シールドトンネル(矩形シールドトンネル) 20 セグメント 23 充填コンクリート部 25 矩形シールドトンネル 27 掘削孔 29 裏込充填材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今井 實 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 竹中 久 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内 (72)発明者 重田 安彦 東京都港区芝浦一丁目2番3号 清水建設 株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 大断面を有したトンネルが、断面略矩形
    状に形成されたトンネル構造体と、その内方に形成され
    たトンネル空間とからなり、 前記トンネル構造体は、断面視矩形の矩形シールドトン
    ネルと、断面視円形の円形シールドトンネルとを交互に
    隣接配置し、かつ互いに隣接する前記矩形シールドトン
    ネルと円形シールドトンネルとを、その一部を互いに重
    合させて一体化した構成とされ、 前記矩形シールドトンネルは、セグメントの外面に、裏
    込充填材からなる充填コンクリート部を付着した構成と
    され、 該セグメントの外面の少なくとも一部には、該セグメン
    トと前記充填コンクリート部との付着強度を高めるため
    の凹凸が形成されていることを特徴とする大断面トンネ
    ル。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の大断面トンネルであっ
    て、 前記セグメントの外面の少なくとも一部は縞鋼板からな
    り、前記凹凸は、該縞鋼板上に形成されていることを特
    徴とする大断面トンネル。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の大断面トンネルであっ
    て、 前記セグメントの外面の少なくとも一部に鋼製部材が設
    けられ、前記凹凸は該鋼製部材によって形成されている
    ことを特徴とする大断面トンネル。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれかに記載され
    た大断面トンネルであって、前記裏込充填材は、高強度
    コンクリートによって構成されていることを特徴とする
    大断面トンネル。
  5. 【請求項5】 地山に形成された掘削坑内に設置され
    て、複数のセグメントを備えて構成されるトンネル構造
    体と、該トンネル構造体の内側に形成されるトンネル空
    間とを備えてなるトンネルを構築するためのトンネルの
    構築方法であって、 前記地山に掘削坑を形成し、該掘削坑内面に沿って複数
    のセグメントを配置し、該セグメントの外面側に裏込充
    填材を充填して前記トンネル構造体を形成し、 前記セグメントとして、その外面の少なくとも一部に凹
    凸を設けたものを使用することを特徴とするトンネルの
    構築方法。
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CN108915723A (zh) * 2018-07-27 2018-11-30 中铁第四勘察设计院集团有限公司 一种穿越垂直位错活动断层的盾构隧道管片结构
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