JPH10219191A - 高親水性塗料および該塗料を用いてなるアルミニウムフィン材 - Google Patents

高親水性塗料および該塗料を用いてなるアルミニウムフィン材

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JPH10219191A
JPH10219191A JP2014997A JP2014997A JPH10219191A JP H10219191 A JPH10219191 A JP H10219191A JP 2014997 A JP2014997 A JP 2014997A JP 2014997 A JP2014997 A JP 2014997A JP H10219191 A JPH10219191 A JP H10219191A
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alumina sol
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water
organic hydrogel
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JP2014997A
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Kimihide Shiozawa
公英 塩沢
Ichiro Saruwatari
一郎 猿渡
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Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、親水性・耐蝕性に優れ、穴開け加
工の際に金型磨耗しないような比較的軟らかい塗膜を与
える非シリカ系または非水ガラス系の高親水性塗料を提
供することを目的とする。 【解決手段】 分散粒子の平均粒径が0.5〜2μのア
ルミナゾル(A)、平均粒径が0.5〜2μである有機
ハイドロゲル粒子(C)及び水溶性樹脂(D)を含有す
ることを特徴とする高親水性塗料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高親水性塗料に関
する。詳しくは、空調機用熱交換器のアルミニウムフィ
ン表面に高度な親水性の持続性・耐蝕性を付与し、さら
には臭気吸着の極めて少なく、穴開け加工の際の金型磨
耗の少ない好適な高親水性塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、空調機の熱交換器にはその優れた
加工性・熱伝導性の点からアルミニウムおよびその合金
が広く利用されている。その構成は、基本的に、隣接す
る複数のフィン(比較的薄い板)を有する。空調機の熱
交換器では、冷房時に発生する凝縮水が水滴となってフ
ィンに付着するのは避け難く、その水滴によって、隣接
するフィン間に水のブリッジを形成されやすい。その場
合、水のブリッジが通風を遮り、通風抵抗を増大せし
め、熱交換率を悪化させる。従って、フィン材の表面に
親水化処理を施し、水滴によるブリッジの形成を抑制・
防止し、良好な熱交換率の維持を図っている。一方、近
年、家電製品には小型化が強く求められ、空調機も例外
ではない。特に空調機の中でも大容積を占める熱交換器
には最も強く小型化が求められ、フィン形状の複雑化、
フィン間隔の狭小化が望まれ、フィン材にはより一層の
親水性が求められている。
【0003】アルミニウムフィンに親水性を付与する方
法には、化成処理、新水性塗料をとする等の方法があ
る。前者の化成処理は一般的に、冷媒の流れるパイプを
通すために穴空け等のフィン加工をした後に施されるた
め、生産性に劣るという欠点を有していた。
【0004】この問題点を解決するために、フィン加工
前にフィンを水ガラスや親水性塗料により被覆する方法
が提案された。このような親水性塗料としては、有機親
水性樹脂からなる塗料や合成シリカ等の無機粒子を含有
する塗料等が挙げられる。
【0005】しかし、有機親水性樹脂、例えば水性ナイ
ロン、水性アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン等を用いた場合は、親水性が不十分だ
ったり、親水性と耐蝕性のバランスがとれなかったりと
いった問題点を有していた。一方、親水性を付与するた
めに合成シリカ等を含有する塗料を用いた場合には、親
水性や耐蝕性は有機親水性樹脂を用いた塗料よりは優れ
ているが、塗膜が硬いため穴空け等の加工に用いる金型
・加工工具等の摩耗が激しく工具の寿命が短くなるとい
う問題点や、臭気抑制(防止)効果が不十分だったりと
いった問題点を有していた。
【0006】また、水ガラス系塗料を塗布した場合に
は、合成シリカ等を含有する塗料を用いた場合と同様
に、金型・加工工具等の摩耗が激しく工具の寿命が短く
なるという問題点、あるいは空調機使用時にシリカ臭が
する等の問題点を有していた。
【0007】上記のような問題点に対し、親水性、防食
性に優れ、工具の寿命を短くしないような比較的軟らか
い塗膜を与える塗料が望まれ、種々の塗料が提案されて
きた。例えば、合成シリカ等を含有しないで、アルミナ
ゾルやアルミナを含有するものが、特開昭57−134
572号公報、特開昭58−76462号公報、特開昭
59−205596号公報、特開昭59−229197
号公報、特開昭60−164168号公報、特開昭63
−249643号公報、特開昭63−262238号公
報、特開昭63−262239号公報、特開平2−22
047号、特開平5−70711号公報、特開平6−1
72777号公報等いくつか提案されているが、親水性
の点でまだ満足のいくものではなかった。
【0008】また親水性架橋重合体微粒子を含有する塗
料が特開平8−3251号公報に、親水性架橋重合体微
粒子、水溶性樹脂、架橋剤よりなる組成物が特開平7−
268274号公報に提案されている。しかし、係る場
合も、親水性やその持続性の点でまだ満足のいくもので
はなかった。
【0009】
【解決しようとする課題】
【0010】本発明は、親水性・耐蝕性に優れ、穴開け
加工の際に金型磨耗しないような比較的軟らかい塗膜を
与える非シリカ系または非水ガラス系の高親水性塗料を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、分散粒子
の平均粒径が0.5〜2μのアルミナゾル(A)、平均
粒径が0.5〜2μである有機ハイドロゲル粒子(C)
及び水溶性樹脂(D)を含有することを特徴とする高親
水性塗料である。
【0012】第2の発明は、分散粒子の平均粒径が0.
02〜0.2μのアルミナゾル(B)に塩基性化合物を
添加し、前記分散粒子を平均粒径0.5〜2μに凝集せ
しめてなるアルミナゾル凝集物の分散体(B’)、平均
粒径が0.5〜2μである有機ハイドロゲル粒子(C)
及び水溶性樹脂(D)を含有することを特徴とする高親
水性塗料である。
【0013】第3の発明は、有機ハイドロゲル粒子
(C)の粒度分布の変動係数が30%以下であることを
特徴とする第1の発明または第2の発明記載の高親水性
塗料である。
【0014】第4の発明は、有機ハイドロゲル粒子
(C)よりも、固形分でアルミナゾル(A)またはアル
ミナゾル凝集物の分散体(B’)を多く含有することを
特徴とする第1の発明ないし第3の発明いずれか記載の
高親水性塗料である。
【0015】第5の発明は、水溶性樹脂(D)が、スル
ホン酸またはスルホン酸ナトリウム基を有するα、β不
飽和単量体(a)を1〜80重量%、カルボン酸基を有
するα、β不飽和単量体(b)を5〜50重量%、アル
コ−ル性水酸基を有するα、β不飽和単量体(c)を5
〜50重量%を共重合してなる(ただし、(a)(b)
(c)の合計は100重量%)ことを特徴とする第1の
発明ないし第4の発明いずれか記載の高親水性塗料。
【0016】第6の発明は、第1の発明ないし第5の発
明いずれか記載の高親水性塗料をアルミニウム基材に塗
布し、硬化してなるアルミニウムフィン材である。
【0017】第7の発明は、有機ハイドロゲル粒子
(C)が塗膜の基材側により多く存在し、アルミナゾル
(A)の分散粒子またはアルミナゾル凝集物の分散体
(B’)の分散粒子が塗膜の表面近傍により多く存在す
ることを特徴とする第6の発明記載のアルミニウムフィ
ン材である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明は、アルミナゾル(A)又
はアルミナゾル凝集物の分散体(B’)を、有機ハイド
ロゲル粒子(C)と併用することにより、それぞれ単独
では成しえなかった高度な親水性とその持続性とを達成
し得たものである。
【0019】アルミナゾルは、アルミナ水和物の水性分
散体であり、アルミナ水和物はアルミナに比べて柔らか
く、その分散粒子は一般的には0.02〜0.2μm程
度のコロイドの如き大きさを呈することが多い。本発明
に用いられるアルミナゾル(A)は、その分散粒子が
0.5〜2μmと通常のものよりかなり大きく、具体的
には触媒化成工業(株)製「カタロイドAS−3」(平
均粒径0.8μm)が挙げられる。触媒化成工業(株)
製「カタロイドAP−3」(乾燥平均粒径20〜50μ
m)は、「カタロイドAS−3」をスプレードライ等の
方法によって乾燥せしめたものであり、乾燥時の平均粒
径は上記した通りであるが、容易に水に再分散し、元の
分散粒子の平均粒径0.8μmを示すので、「カタロイ
ドAP−3」の水分散体は、「カタロイドAS−3」と
同様に用いることができる。
【0020】本発明に用いられるアルミナゾル凝集物の
分散体(B’)は、平均粒径0.02〜0.2μmの一
般的な分散粒子径を呈するアルミナゾル(B)に、塩基
性化合物を添加することにより、アルミナゾル(B)の
分散粒子を0.5〜2μmに凝集せしめた凝集粒子(以
下アルミナゾル凝集物の分散体(B’)の分散粒子とい
う)が、水性媒体に分散しているものである。アルミナ
ゾル(B)として具体的には日産化学工業(株)製「ア
ルミナゾル−100」(平均粒径0.2μm)、「アル
ミナゾル−200」(平均粒径0.2μm)、「アルミ
ナゾル−520」(平均粒径0.02μm)、川研ファ
イケミカル(株)製「アルミナクリア−ゾル」(平均粒
径0.02μm)、「アルミゾル−10」(平均粒径
0.02μm)等が挙げられる。凝集に用いられる塩基
性化合物としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、ジ
メチルアミノエタノール、アニオン性高分子等が挙げら
れる。
【0021】本発明に用いられるアルミナゾル(A)の
分散粒子又はアルミナゾル凝集物の分散体(B’)の分
散粒子(以下アルミナゾル等の分散粒子という)は、平
均粒径0.5〜2μmであることが重要である。係る平
均粒径のアルミナゾル等の分散粒子を用いることによっ
て、塗膜の表面を粗面化して水との接触表面積を大きく
し、親水性を向上せしめることに成功したものである。
平均粒径が0.5μmより小さいものは塗膜に埋もれて
しまい、平均粒径が2μmより大きいものはブツ等の塗
膜欠陥となり、いずれも使用に適さない。アルミナゾル
凝集物の分散体(B’)の分散粒子の平均粒径は、アル
ミナゾル(B)と凝集に用いる塩基性化合物の割合を適
宜変えることによって制御できる。即ち、塩基性化合物
の使用量を増やすと大きな凝集体が得られる。
【0022】本発明に用いられるアルミナゾル等の分散
粒子は、不定型ゲルからベーマイトに移行する途中の段
階にあり、この状態は凝集過程および通常の塗膜の焼付
け条件(例えば、250℃×20秒)程度では、変化し
ない。この不定型ゲルからベーマイトに移行する途中の
段階のアルミナゾル等の分散粒子は、コロイダルシリカ
やアルミナと比較して軟らかく、従って、このアルミナ
ゾル等の分散粒子を含有する塗膜を加工する際のプレス
加工機の刃の磨耗も極めて少ない。
【0023】本発明に用いられる有機ハイドロゲル粒子
(C)は、平均粒径が0.5〜2μmであればよく、メ
タノール、イソプロピルアルコール等の混合(または単
独)溶媒中にて、(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸等の
単官能モノマーと、メチレンビスアクリルアミド、ポリ
オキシエチレンジアクリレート、ジビニルベンゼン等の
多官能モノマーとを分散重合してなることが好ましい。
【0024】さらに上記のようにして得られる分散重合
の粒子をシードとして、該シードの外側にスルホン酸
(ソーダ)基を有するエチレン性不飽和単量体、フォス
ホン酸(ソーダ)基を有するエチレン性不飽和単量体、
これらと共重合可能なエチレン性不飽和単量体を重合し
て得られる、親水性を強化したコア−シェル粒子なども
有機ハイドロゲル粒子(C)として好適に使用できる。
【0025】重合後の粒子が大き過ぎる場合には、遠心
分離または濾過等の手段によって分級してから有機ハイ
ドロゲル粒子(C)として用いればよい。
【0026】本発明において用いられる有機ハイドロゲ
ル粒子(C)は、変動係数が30%以下であることが好
ましく、さらに0〜20%であることが好ましい。変動
係数とは、有機ハイドロゲル粒子の粒度分布の標準偏差
を平均粒径で除した値であり、有機ハイドロゲル粒子の
均一性の指標である。係る変動係数が30%を越える
と、小さすぎる粒子や大きすぎる粒子が増え、小さすぎ
る粒子は塗膜中に埋まってしまい、一方、大きすぎる粒
子は塗膜の表面積を増大にあまり寄与しないので、塗膜
の親水性が小さくなる傾向にあるので30%以下である
ことが好ましい。
【0027】本発明に用いられる水溶性樹脂(D)は、
基材に本質的に親水性の塗膜を形成し、アルミナゾル等
の分散粒子および有機ハイドロゲル粒子を該塗膜中に固
定するために配合するものである。例えば、セルロース
系、アクリル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポ
リエーテルポリオール系、ポリアミド系、エポキシ樹脂
系等の水溶性樹脂1種又は2種以上の混合系が挙げら
れ、アクリル系樹脂が好適に用いられる。アクリル系樹
脂としては、アニオン系、カチオン系いずれも使用でき
る。カチオン系アクリル樹脂は、アルミナゾル等との相
溶性が良い点では好ましいが、樹脂の水溶化に際し酸を
使用するので生産設備の腐食等が懸念される。一方、ア
ニオン系アクリル系樹脂は、アルミナゾル等との相溶性
の点でカチオン性のものにはやや劣るが、樹脂の水溶化
に際しアンモニアやアミン化合物を使用し、酸を使用し
ないので生産設備の保守管理の点からは好ましい。硬化
剤としてイミノ・メチロール型の水溶性メラミン樹脂に
ついては多量に添加すると水濡れ性を著しく悪化させる
が、塗料固形分100重量部に対して1〜10部程度で
あれば混合しても差し支えない。
【0028】本発明の高親水性塗料は、アルミナゾル等
の分散粒子と有機ハイドロゲル粒子(C)と水溶性樹脂
(D)とを含有するものであり、アルミナゾル等の分散
粒子は、塗料固形分100重量%中、1〜50重量%含
有することが望ましい。1重量%未満だと、親水性の点
で不十分であり、50重量%を超えると粘度が増大し塗
装性が悪くなりやすい。また有機ハイドロゲル粒子
(C)は、塗料固形分100重量%中、1〜50重量%
含有することが好ましく、さらに10〜30%であるこ
とが望ましい。1重量%未満だと、親水性の点で不十分
であり、50重量%を超えると、塗料の硬化性及び基材
との密着が阻害される。
【0029】さらに、アルミナゾル等の分散粒子は有機
ハイドロゲル粒子(C)より、重量分率において多く含
有することが好ましい。アルミナゾル等の分散粒子が、
有機ハイドロゲル粒子(C)より多いと、アルミナゾル
等の分散粒子が塗膜の表面近傍により多く存在し、有機
ハイドロゲル粒子(C)が塗膜の内側、即ち基材側によ
り多く存在する傾向にある。係る状態に配向した塗膜
は、塗膜表面近傍のアルミナゾル等の分散粒子が高次の
フラクタル表面を形成して親水性の持続・耐蝕性に寄与
し、基材近傍の有機ハイドロゲル粒子(C)は、臭気吸
着を低く抑え、金型を摩耗を小さくする傾向にあるので
アルミフィン用の塗膜として好ましいものである。
【0030】水溶性樹脂(D)は、塗料固形分100重
量%中、30〜98重量%含有することが好ましく、さ
らに40〜80重量%であることが望ましい。30重量
%未満だと相対的にアルミナゾル等の分散粒子や有機ハ
イドロゲル粒子(C)の含有量が大きくなり、塗料の粘
度が増大し塗装性が悪くなる傾向にある。一方、98重
量%を超えると相対的にアルミナゾル等の分散粒子や有
機ハイドロゲル粒子(C)の含有量が小さくなり、塗膜
の親水性が不十分になる傾向にある。
【0031】本発明の塗料には、アルミナゾル(A)ま
たはアルミナゾル凝集物(B’)、有機ハイドロゲル粒
子(C)、水溶性樹脂(D)以外に必要に応じて水分散
性樹脂、界面活性剤、親水性の有機粒子または無機粒
子、抗菌剤、滑剤、消泡剤、着色剤、溶剤等を配合して
も良い。
【0032】本発明の高親水性塗料は、アルミニウムフ
ィン材に塗装するプレコート塗料として用いられること
ができるほかに、加工されたフィンに塗装するポストコ
ート塗料としても使用することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明を説明する。 合成例1(水溶性アクリル樹脂の合成例) 500ccの三つ口フラスコに、イオン交換水220g
を60℃に保ち攪拌する。過硫酸アンモニウム0.4g
を仕込み、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンス
ルホン酸(2AA2MPSA)60g、ヒドロキシエチ
ルアクリレート(HEA)20g、アクリル酸(AA)
50g、次亜燐酸ソーダの10%水溶液20gの混合溶
液を1時間かけて滴下し、50分毎に過硫酸アンモニウ
ム0.4g(10%水溶液)を4回添加し、2回目の添
加時に反応系を80℃に昇温する。不揮発分が24%に
なった時点で重合を終了させ、水溶性アクリル樹脂を
得た。
【0034】合成例2〜4(水溶性アクリル樹脂〜
の合成例) 表1に示す組成(重量比)で合成例1同様に水溶液重合
を行い、水溶性アクリル樹脂〜を得た。
【0035】合成例5(有機ハイドロゲル粒子の合成
例) 1000ccのフラスコにエタノール539gとアクリ
ルアミド36gとメチレンビスアクリルアミド12gと
メタクリル酸12gを仕込み、80℃に保って攪拌す
る。アゾビスイソブチロニトリル0.9gを添加し重合
開始して2時間経過後、アゾビスイソブチロニトリル
0.5g添加し4時間後に重合は完了し、白濁の分散液
を得た。該分散液に脱イオン水を600gを攪拌しなが
ら添加し、次いでエバポレ−タで脱溶媒してエタノール
を除き、不揮発分10%に調整して、有機ハイドロゲル
粒子の分散体を得た。得られた有機ハイドロゲル粒子
の平均粒径及び変動係数(=粒度分布の標準偏差/平均
粒径)をCOULTER社製コールターカウンターN4
型で求めたところ、0.8μ及び10%であった。
【0036】合成例6〜7(有機ハイドロゲル粒子
の合成例) 表1に示す組成(重量比)で合成例5同様に分散重合を
行い、有機ハイドロゲル粒子を得た。合成例5と同
様にして得られた有機ハイドロゲル粒子の平均粒径及び
変動係数を求めた。結果を表1に示す。
【0037】合成例8(有機ハイドロゲル粒子の合成
例) 1000ccのフラスコにイソプロピルアルコール53
2gとアクリル酸45gとジビニルベンゼン15gを仕
込み、80℃に保って攪拌する。アゾビスイソブチロニ
トリル1.2gを添加し重合開始して2時間経過後、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.6g添加し更にまた2時
間後に同量のアゾビスイソブチロニトリルを添加2時間
後に重合は完了し、半透明の樹脂溶液を得た。該樹脂溶
液に1%水酸化ナトリウム溶液600gを攪拌しながら
添加すると、白濁の分散液となり次いでエバポレータで
脱溶媒してイソプロピルアルコールを除き、不揮発分1
0%に調整して、有機ハイドロゲル粒子の水分散体を
得た。合成例5と同様にして得られた有機ハイドロゲル
粒子の平均粒径及び変動係数を求めた。結果を表1に示
す。
【0038】合成例9(有機ハイドロゲル粒子の合成
例) 1000ccのフラスコにエタノール539gとアクリ
ルアミド24gとメチレンビスアクリルアミド9gとメ
タクリル酸9gを仕込み、80℃に保って攪拌する。ア
ゾビスイソブチロニトリル0.9gを添加し重合開始し
て2時間経過後、アゾビスイソブチロニトリル0.5g
添加し4時間後に重合は完了し、白濁した分散液を得
た。これをシード粒子として更にアゾビスイソブチロニ
トリル0.5g添加し、ビニルスルホン酸ナトリウム1
2gとアクリル酸6gを1時間かけて滴下し3時間後に
重合は完了した。該分散液に脱イオン水を600gを攪
拌しながら添加し、次いでエバポレータで脱溶媒してエ
タノ−ルを除き、不揮発分10%に調整して、有機ハイ
ドロゲル粒子の水分散体を得た。合成例5と同様にし
て得られた有機ハイドロゲル粒子の平均粒径及び変動係
数を求めた。結果を表1に示す。
【0039】合成例10(有機ハイドロゲル粒子の合
成例) 表1に示す組成(重量比)で分散媒をエタノールからイ
ソプロピルアルコールに替えて、合成例5同様に分散重
合を行い、有機ハイドロゲル粒子の分散体を得た。合
成例5と同様にして得られた有機ハイドロゲル粒子の平
均粒径及び変動係数を求めた。結果を表1に示す。
【0040】合成例11(有機ハイドロゲル粒子の合
成例) 表1に示す組成(重量比)で合成例5同様に分散重合を
行い、有機ハイドロゲル粒子を得た。合成例5と同様
にして得られた有機ハイドロゲル粒子の平均粒径及び変
動係数を求めた。結果を表1に示す。
【表1】
【0041】実施例1 触媒化成(株)製のカタロイドAS−3の分散粒子の粒
径を、日機装(株)製マイクロトラックMK−II粒度分
析計にて測定したところ、平均粒径が0.8μmであっ
た。合成例1で得られた水溶性アクリル樹脂を乾燥重
量で60部、カタロイドAS−3を乾燥重量で30部、
合成例5で得られた有機ハイドロゲル粒子を乾燥重量
で10部を攪拌下で混合し、イオン交換水で希釈して不
揮発分10%の親水性塗料を調整した。予め燐酸クロメ
ート処理を施したアルミ板に、バーコーターNo. 6によ
り塗布後、250℃のガスオーブン(風速毎秒2m)に
て20秒間焼き付けして約1μmの塗膜厚のアルミニウ
ム塗装材を得た。
【0042】実施例2〜4 カタロイドAS−3の代わりにアルミナゾル−200を
用い、凝集のための塩基性化合物を変えて添加しpH7
〜8にして凝集せしめホモジナイザーで200Kg/c
2 加圧して分散した後、実施例1と同じ組成比で、合
成例1による水溶性アクリル樹脂及び合成例5で得ら
れた有機ハイドロゲル粒子を用いて親水性塗料を調整
し、アルミニウム塗装材を得た。
【0043】実施例5〜8 実施例1と同様に、表2に示す組成比でカタロイドAS
−3と合成例6〜9による有機ハイドロゲル粒子〜
と合成例1による水溶性アクリル樹脂を用いて親水性
塗料を調整し、アルミニウム塗装材を得た。
【0044】実施例9 実施例1と同様に、水溶性アクリル樹脂を乾燥重量で
72部、カタロイドAS−3を乾燥重量で8部、合成例
5で得られた有機ハイドロゲル粒子を乾燥重量で8部
を攪拌下で混合し、イオン交換水で希釈して不揮発分1
0%の親水性塗料を調整し、以下塗装は実施例1と同様
に行い、アルミニウム塗装材を得た。
【0045】実施例10 水溶性アクリル樹脂の代わりに、合成例2で得られた
水溶性アクリル樹脂を用いた以外は実施例1と同様に
して、親水性塗料を調整し、アルミニウム塗装材を得
た。
【0046】実施例11〜17 水溶性アクリル樹脂の一部を代替して表2に示すよう
に種々の水溶性樹脂・水分散性樹脂を用いた以外は実施
例1と同様にして、親水性塗料を調整し、アルミニウム
塗装材を得た。
【0047】実施例18 実施例1と同様に、水溶性アクリル樹脂を乾燥重量で
50部、カタロイドAS−3を乾燥重量で20部、合成
例5で得られた有機ハイドロゲル粒子を乾燥重量で3
0部を攪拌下で混合し、イオン交換水で希釈して不揮発
分10%の親水性塗料を調整し、以下塗装は実施例1と
同様に行いアルミニウム塗装材を得た。
【0048】実施例19〜20 水溶性アクリル樹脂の代わりに、合成例3〜4で得ら
れた水溶性アクリル樹脂〜を用いた以外は実施例1
と同様にして、親水性塗料を調整し、アルミニウム塗装
材を得た。
【0049】比較例1 合成例1で得られる水溶性アクリル樹脂を実施例1同
様に、燐酸クロメート処理アルミ板に塗布・焼き付けを
してアルミニウム塗装材を得た。
【0050】比較例2 水溶性アクリル樹脂を乾燥重量で 部、カタロイド
AS−3を乾燥重量で部を攪拌下で混合し、イオン交換
水で希釈して不揮発分10%の親水性塗料を調整し、以
下塗装は実施例1と同様に行いアルミニウム塗装材を得
た。
【0051】比較例3 水溶性アクリル樹脂を乾燥重量で 部、合成例5で
得られた有機ハイドロゲル粒子を乾燥重量で 部を
攪拌下で混合し、イオン交換水で希釈して不揮発分10
%の親水性塗料を調整し、以下塗装は実施例1と同様に
行いアルミニウム塗装材を得た。
【0052】比較例4〜5 有機ハイドロゲル粒子の代わりに、合成例10〜11
で得られた有機ハイドロゲル粒子〜を用いた以外は
実施例1と同様にして、親水性塗料を調整し、アルミニ
ウム塗装材を得た。
【0053】比較例6 水ガラス3号を30部、水溶性アクリル樹脂を乾燥重
量で70部用いた以外は実施例1と同様にして、親水性
塗料を調整し、アルミニウム塗装材を得た。
【0054】以上実施例1〜20、比較例1〜6の親水
性塗料の組成を表2に記載した。
【0055】
【表2】
【0056】得られた各アルミニウム塗装材(親水性塗
膜)に対して、下記の通り親水持続試験、密着性試験、
耐蝕性試験等を行った。結果を表3に示す。
【0057】(1)親水持続試験 塗装されたアルミニウム板を水道水(30リットルのプ
ラスチック製容器に対して毎分3リットル/分の流水量
で)に8時間浸漬した後、50℃の電気オーブンで16
時間乾燥させる事を1サイクルとして、20サイクル迄
続けて水接触角を測定した。水接触角の測定は、サンプ
ルを水平に置きその上に純水5μl を滴下し、接触角計
(CA−Z:協和界面科学(株)製)により測定した。
評価は以下の通りである。 ◎:5°未満 ○:5°以上20°未満 △ 20°以上30°未満 ×:30°以上
【0058】(2)密着性試験 塗装されたアルミニウム板の塗装面を水で濡らしたペー
パータオルで拭き、評価した。 ◎:拭き取れない。 ○:表層が拭き取れるが基材の上に一層残る。 △:最大50%拭き取れる。 ×:完全に拭き取れる。
【0059】(3)耐蝕性試験 塗装されたアルミニウム板に対して塩水噴霧試験を40
0時間行い、腐食部分の面積の割合を評価した。 ◎:0%以上1%未満 ○:1%以上5%未満 ×:5%以上
【0060】(4)臭気 塗装されたアルミニウム板を水に濡らして乾燥途中で、
直接臭気を嗅ぐことにより、臭気の評価を行った。 ◎:全く臭気を感じない。 ○:殆ど臭気を感じない。 ×:明らかに臭気を感じる。
【0061】
【表3】
【0062】
【発明の効果】アルミナゾル等の分散粒子と有機ハイド
ロゲル粒子(C)を、バインダーである水溶性樹脂
(D)に添加せしめてなる本発明の高親水性塗料を塗布
・硬化せしめた塗膜は、極めて良好な親水持続性を有し
ており、密着性、耐蝕性、臭気も良好である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 分散粒子の平均粒径が0.5〜2μのア
    ルミナゾル(A)、平均粒径が0.5〜2μである有機
    ハイドロゲル粒子(C)及び水溶性樹脂(D)を含有す
    ることを特徴とする高親水性塗料。
  2. 【請求項2】 分散粒子の平均粒径が0.02〜0.2
    μのアルミナゾル(B)に塩基性化合物を添加し、前記
    分散粒子を平均粒径0.5〜2μに凝集せしめてなるア
    ルミナゾル凝集物の分散体(B’)、平均粒径が0.5
    〜2μである有機ハイドロゲル粒子(C)及び水溶性樹
    脂(D)を含有することを特徴とする高親水性塗料。
  3. 【請求項3】 有機ハイドロゲル粒子(C)の粒度分布
    の変動係数が30%以下であることを特徴とする請求項
    1または2記載の高親水性塗料。
  4. 【請求項4】 有機ハイドロゲル粒子(C)よりも、固
    形分でアルミナゾル(A)またはアルミナゾル凝集物の
    分散体(B’)を多く含有することを特徴とする請求項
    1ないし3いずれか記載の高親水性塗料。
  5. 【請求項5】 水溶性樹脂(D)が、スルホン酸または
    スルホン酸ナトリウム基を有するα、β不飽和単量体
    (a)を1〜80重量%、カルボン酸基を有するα、β
    不飽和単量体(b)を5〜50重量%、アルコ−ル性水
    酸基を有するα、β不飽和単量体(c)を5〜50重量
    %を共重合してなる(ただし、(a)(b)(c)の合
    計は100重量%)ことを特徴とする請求項1ないし4
    いずれか記載の高親水性塗料。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5いずれか記載の高親水
    性塗料をアルミニウム基材に塗布し、硬化してなるアル
    ミニウムフィン材。
  7. 【請求項7】 有機ハイドロゲル粒子(C)が塗膜の基
    材側により多く存在し、アルミナゾル(A)の分散粒子
    またはアルミナゾル凝集物の分散体(B’)の分散粒子
    が塗膜の表面近傍により多く存在することを特徴とする
    請求項6記載のアルミニウムフィン材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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