JPH1021914A - 非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池

Info

Publication number
JPH1021914A
JPH1021914A JP8176516A JP17651696A JPH1021914A JP H1021914 A JPH1021914 A JP H1021914A JP 8176516 A JP8176516 A JP 8176516A JP 17651696 A JP17651696 A JP 17651696A JP H1021914 A JPH1021914 A JP H1021914A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
positive electrode
manganese oxide
lithium
active material
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP8176516A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Shizuka
賢治 志塚
Hiroshi Wada
博 和田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP8176516A priority Critical patent/JPH1021914A/ja
Priority to EP97104538A priority patent/EP0797263A2/en
Priority to US08/819,708 priority patent/US5866279A/en
Publication of JPH1021914A publication Critical patent/JPH1021914A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピネル系リチウムマンガン酸化物を正極活
物質とする非水電解液二次電池の電気化学特性を改善す
る。 【解決手段】 正極の活物質材料として一般式が 【化1】 (但し、0≦X≦0.02、−0.015≦δ≦0.0
12)で示され、かつMnの平均原子価が3.505〜
3.535価の範囲にあるスピネル系リチウムマンガン
酸化物を使用することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解液二次電池
の改良、特に正極活物質の改良に関わり、電池の充放電
容量及びサイクル特性の向上を意図するものである。
【0002】
【従来の技術】リチウム二次電池の正極活物質として、
マンガンとリチウムの複合酸化物であるLiMn2 4
が提案され、研究が盛んに行われている。高電圧・高エ
ネルギー密度という特徴を有しているものの、充放電サ
イクル寿命が短いといった課題を有しており、実用電池
としての利用には至っていない。これまで、特開平7−
282798等に開示されているようにリチウムを過剰
にしてLi1+X Mn2-X4 としたり、特開平3−10
8261、特開平3−219571等に開示されている
ようにマンガンの一部をCo、Cr等の他の金属で置換
してLiMn2-XCoX 4 、LiMn2-X CrX 4
としたりして、リチウムマンガン酸化物の改質を図り、
サイクル特性を改良することが提案されているがこれら
の改質方法では充放電容量の低下を招くため、充放電容
量を低下させることなくサイクル特性が改善されたリチ
ウムマンガン酸化物が望まれていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑み、充放電容量を高い値に維持しつつも、充放電サ
イクルに伴う容量劣化の少ない、スピネル系リチウムマ
ンガン酸化物を正極活物質材料としたリチウムイオン二
次電池を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】課題解決の手段は、正極
の主たる活物質として一般式
【0005】
【化2】
【0006】(但し、0≦X≦0.02、−0.015
≦δ≦0.012)で示され、かつ一般式中におけるM
nの平均原子価が3.505〜3.535価の範囲にあ
るスピネル系リチウムマンガン酸化物を使用する。
【0007】
【発明の実施の形態】スピネル系リチウムマンガン酸化
物(LiMn2 4 )を正極活物質とした電池におい
て、正極の充放電反応は次式で示される。
【0008】
【数1】
【0009】スピネル系リチウムマンガン酸化物は、上
記充放電反応を繰り返して行わせると、充放電機能を失
い易いという性質を有している。Mnサイトの一部をL
iやCo、Crなどの金属で置換することで充放電機能
の低下を改善することが可能であるが、充放電容量が小
さくなってしまうという欠点があるので、陽イオン置換
に着目した従来の手法では根本的な改善法とは言い難
い。そこで本発明者らはスピネル系リチウムマンガン酸
化物中の酸素量に着目した検討を鋭意行い、従来の合成
法では酸素欠損性のある酸化物が生成していることをつ
きとめた。さらに、酸素欠損性は若干の初期放電容量の
増加をもたらすものの充放電サイクル特性の低下を引き
起こし、酸素欠損量の増加に伴い定量的に低下していく
ことが判った。
【0010】
【化3】
【0011】の酸素欠損δの熱処理条件による変化及び
酸素欠損のあるマンガン酸リチウムの電気化学的キャラ
クタリゼーションはJ.Electrochem.So
c.,Vol.142,No.7,July,199
5.で報告されているが、酸素欠損に伴うサイクル特性
の低下については何ら明確な記載がないし、またその電
気化学的な測定のされたマンガン酸リチウムは本願発明
の範囲にはない。以上のことから、高い初期放電容量を
持ちながらもサイクル特性に優れたスピネル系リチウム
マンガン酸化物は上記一般式におけるX値ができるだけ
小さくかつ酸素欠損量δのないものが望ましい。すなわ
ち、Xとδのバランスを最適化したものがそれに相当す
るので、そのバランスを維持するためにXとδの値がお
互いに束縛しあう必要がある。そこで、本発明者らはX
とδの双方を反映した結果がMnの平均原子価であるこ
とに着目し、X、δ及びMnの平均原子価の範囲を限定
することによって本発明を完成するに至った。上述の一
般式が
【0012】
【化4】
【0013】(但し、0≦X≦0.02、−0.015
≦δ≦0.012)でありかつMnの平均原子価が3.
505〜3.535価の範囲にあるスピネル系リチウム
マンガン酸化物はリチウム化合物、マンガン化合物の混
合物を出発原料として、焼成することで生成され、初期
放電容量が大きく(初期放電容量>120mAh/
g)、加えてサイクル特性に優れた(100cycle
後の容量維持率>90%)ものが得られる。なお、本発
明では正極活物質となる
【0014】
【化5】
【0015】のX、δ値及びMnの平均原子価をそれぞ
れ0≦X≦0.02、−0.015≦δ≦0.012、
3.505〜3.535価と規定しているがこの範囲は
電池系において正極活物質からリチウムが脱ドープされ
る前の初期の状態の範囲を示している。この範囲を逸脱
すると所望の電池特性を得るのが困難となる。ここでさ
らに好ましくは、Xの下限は0.005、Xの上限は
0.015、δの下限は−0.005、δの上限は0.
005、Mnの平均原子価の下限は3.506、上限は
3.515価である。
【0016】この出発原料に用いられるリチウム化合物
としては、Li2 CO3 、LiNO 3 、LiOH、Li
OH・H2 O、LiCl、CH3 COOLi、Li2
等が挙げられ、中でもLiOH・H2 Oを用いることが
好ましい。また、マンガン化合物としては、Mn
2 3 、MnO2 等のマンガン酸化物、MnCO3 、M
n(NO3 2 等のマンガン塩等が挙げられるが、中で
もMn23 を用いることが好ましく、この場合のMn
2 3 はMnCO3 やMnO2 などの化合物を熱処理し
て作製したものを用いても構わない。
【0017】次いで、本発明では前記のMn化合物とL
i化合物を混合する。混合は通常の方法でよく、両原料
を乾式混合する、湿式混合する、Li塩水溶液中にMn
化合物を懸濁させた後、該懸濁液を乾燥する。または、
ボールミルで粉砕混合するなど均一に混合できる方法で
あればよい。本発明のリチウムマンガン酸化物は、例え
ば特願平8−125574号、特願平8−120068
号、特願平8−062616に開示されている方法で作
製すると比較的容易に得られる。具体的な製造方法の一
例として、Mn2 3 とLiOH・H2 OをLiとMn
のモル比で0.500≦Li/Mn≦0.515になる
ように混合した混合物を仮焼後、600℃から850℃
の温度で、酸素雰囲気で本焼し、500℃以下まで10
℃/min.以下の速度で徐冷する方法や、仮焼後、6
00℃から850℃で、airまたは酸素雰囲気で本焼
後、400℃、酸素雰囲気でアニールする方法を挙げる
ことができる。この時のサンプルの冷却方法としては急
冷すると酸素欠損が生じやすくなるので好ましくない。
なお、本発明は先に示した製造方法によって何ら限定さ
れるものではない。以上のような一般式、
【0018】
【化6】
【0019】を持ちMnの平均原子価の範囲を規定した
スピネル系リチウムマンガン酸化物よりなる正極と組み
合わせて用いられる負極活物質としては、通常、この種
の非水電解液二次電池に用いられる材料がいずれも使用
可能である。例えば、リチウムやリチウム合金であって
もよいが、より安全性の高いリチウムを挿入・放出でき
る化合物、例えば炭素材料が好ましい。この炭素材料は
特に限定されないが、黒鉛及び、石炭系コークス、石油
系コークス、石炭系ピッチの炭化物、石油系ピッチの炭
化物、ニードルコークス、ピッチコークス、フェノール
樹脂、結晶セルロース等の炭化物等及びこれらを一部黒
鉛化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラ
ック、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
【0020】負極は、負極活物質と結着剤(バインダ
ー)とを溶媒でスラリー化したものを塗布し乾燥したも
のを用いることができる。正極は、正極活物質と結着剤
(バインダー)と導電剤とを溶媒でスラリー化したもの
を塗布し乾燥したものを用いることができる。負極、正
極活物質の結着剤(バインダー)としては、例えばポリ
フッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EP
DM(エチレン−プロピレン−ジエン三元共重合体)、
SBR(スチレン−ブタジエンゴム)、NBR(アクリ
ロニトリル−ブタジエンゴム)、フッ素ゴム等が挙げら
れるが、これらに限定されない。
【0021】正極の導電剤としては、黒鉛の微粒子、ア
セチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコー
クス等の無定形炭素の微粒子等が使用されるが、これら
に限定されない。セパレーターとしては、微多孔性の高
分子フィルムが用いられ、ナイロン、セルロースアセテ
ート、ニトロセルロース、ポリスルホン、ポリアクリロ
ニトリル、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリブテン等のポリオレフィン高分子より
なるものが用いられる。セパレータの化学的及び電気化
学的安定性は重要な因子である。この点からポリオレフ
ィン系高分子が好ましく、電池セパレータの目的の一つ
である自己閉塞温度の点からポリエチレン製であること
が望ましい。
【0022】ポリエチレンセパレーターの場合、高温形
状維持性の点から超高分子量ポリエチレンであることが
好ましく、その分子量の下限は好ましくは50万、さら
に好ましくは100万、最も好ましくは150万であ
る。他方分子量の上限は、好ましくは500万、更に好
ましくは400万、最も好ましくは300万である。分
子量が大きすぎると、流動性が低すぎて加熱された時セ
パレーターの孔が閉塞しない場合があるからである。ま
た、電解液としては、例えばリチウム塩を電解質とし、
これを有機溶媒に溶解した電解液が用いられる。
【0023】有機溶媒としては特に限定されるものでは
ないが、例えばカーボネート類、エーテル類、ケトン
類、スルホラン系化合物、ラクトン類、ニトリル類、塩
素化炭化水素類、エーテル類、アミン類、エステル類、
アミド類、リン酸エステル化合物等を使用することがで
きる。これらの代表的なものを列挙すると、プロピレン
カーボネート、エチレンカーボネート、ビニレンカーボ
ネート、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロ
フラン、1,4−ジオキサン、4−メチル−2−ペンタ
ノン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシ
エタン、1,2−ジメトキシエタン、γ−ブチロラクト
ン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオ
キソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスル
ホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニ
トリル、ブチロニトリル、バレロニトリル、1,2−ジ
クロロエタン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホ
キシド、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル等の単独
もしくは二種類以上の混合溶媒が使用できる。
【0024】電解質も従来公知のいずれもが使用でき、
LiClO4 、LiAsF6 、LiPF6 、LiB
4 、LiB(C6 5 4 、LiCl、LiBr、C
3 SO 3 Li、CF3 SO3 Li等が用いられる。ま
た、このような非水電解液に限らず、固体電解質を用い
るようにしてもよい。以下実施例によって本発明の方法
をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらにより何
ら制限されるものではない。
【0025】
【実施例】本発明の実施例および比較例を表1に示す。
ここで、初期放電容量並びに容量維持率を評価するに当
たり、負極として金属Liを用いており、初期放電容量
は正極活物質1g当たりに換算している。
【0026】実施例1 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で自動乳鉢で4時間混合した後、混合物を酸素中
で750℃、24時間加熱した後、450℃まで0.5
℃/min.の速度で徐冷した。
【0027】実施例2 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で自動乳鉢で8時間混合した後、混合物を酸素中
で750℃、24時間加熱した後、450℃まで0.5
℃/min.の速度で徐冷した。
【0028】実施例3 LiOH・H2 OとMn2 3 をLi/Mn=1/2の
割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中で
500℃、24時間仮焼した。次に大気中で750℃、
24時間本焼した後、加熱炉の電源を切り、炉冷した。
その際の450℃までの冷却速度は10℃/min.で
あった。
【0029】実施例4 LiOH・H2 OとMn2 3 をLi/Mn=1/2の
割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中で
500℃、24時間仮焼した。次に酸素中で750℃、
24時間本焼した後、酸素中で450℃、24時間アニ
ールし、その後、加熱炉の電源を切り、炉冷した。その
際の450℃までの冷却速度は10℃/min.であっ
た。
【0030】比較例1 Li2 CO3 とMn2 3 をLi/Mn=1/2の割合
で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中で65
0℃、24時間仮焼した。次に大気中で750℃、24
時間本焼した後、加熱炉の電源を切り、炉冷した。その
際の450℃までの冷却速度は10℃/min.であっ
た。
【0031】比較例2 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中
で500℃、24時間仮焼した。次に酸素中で750
℃、24時間本焼した後、急冷した。これを、再び窒素
中で575℃、24時間加熱した後、炉内より試料を引
き出すことにより急冷した。
【0032】比較例3 Li2 CO3 とγ−MnO2 をLi/Mn=1/2の割
合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中で6
50℃、24時間仮焼した。次に大気中で750℃、2
4時間本焼した後、加熱炉の電源を切り、炉冷した。そ
の際の450℃までの冷却速度は10℃/min.であ
った。
【0033】比較例4 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中
で500℃、24時間仮焼した。次に酸素中で750
℃、24時間本焼した後、急冷した。これを、再び窒素
中で550℃、24時間加熱した後、炉内より試料を引
き出すことにより急冷した。
【0034】比較例5 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中
で500℃、24時間仮焼した。次に酸素中で750
℃、24時間本焼した後、炉内より試料を引き出すこと
により急冷した。
【0035】比較例6 Li2 CO3 とMnCO3 をLi/Mn=1/2の割合
で乳鉢を用いて湿式混合した後、混合物を大気中で65
0℃、24時間仮焼した。次に大気中で750℃、24
時間本焼した後、加熱炉の電源を切り、炉冷した。その
際の450℃までの冷却速度は10℃/min.であっ
た。
【0036】比較例7 LiOH・H2 Oとγ−MnO2 をLi/Mn=1/2
の割合で乳鉢を用いて湿式混合した後、オートクレーブ
にて250℃、3時間スチーム処理した。これを混合
し、大気中450℃、48時間仮焼後、混合・圧粉し、
これを大気中で750℃、48時間本焼した後、加熱炉
の電源を切り、炉冷した。その際の450℃までの冷却
速度は10℃/min.であった。
【0037】表1の実施例及び比較例における組成分析
値は以下に示す方法で求めた。
【0038】(Liの全量分析)50℃、1時間の真空
乾燥処理後、精秤したスピネル系リチウムマンガン酸化
物を塩酸酸性溶液中で加熱溶解させ、測定溶液を調製し
た。原子吸光装置を用い、検量線法によってLi濃度を
求め、一定重量当たりのLi含有量を算出した。
【0039】(Mnの全量分析:EDTAキレート滴
定)50℃、1時間の真空乾燥処理後、精秤したスピネ
ル系リチウムマンガン酸化物を塩酸酸性溶液中で加熱溶
解させ、測定溶液を調製した。溶液をホールピペットに
てコニカルビーカーに分取し、少過剰の0.01M−E
DTA溶液を加えた。次に純水を加えて全量を75ml
とし、8N−NaOH水溶液とアンモニア緩衝液を適当
量加えてpH10に調整した。純粋で全量が100ml
となるように調整し、その後BT指示薬を滴下した。滴
定溶液として0.01M−Mgイオン標準溶液を使用
し、ミクロビュレットにて滴定を行った。BT指示薬の
色が青から赤に変色したところを終点とした。この時の
滴定結果より、一定重量当たりのMn含有量を算出し
た。
【0040】(ヨードメトリー)50℃、1時間の真空
乾燥処理後、精秤したスピネル系リチウムマンガン酸化
物をコニカルビーカー中に入れた。次に少過剰のKI飽
和溶液、濃塩酸の順に加えて完全溶解させた後、純水を
加えて全量が100mlとなるように調整した。滴定溶
液として0.1N−チオ硫酸ナトリウム溶液を使用し、
ミクロビュレットにて滴定を行った。終点直前で一定量
のでんぷん溶液を加え、溶液の色がうす紫色から無色に
変色したところを終点とした。この時の滴定結果より、
一定重量当たりのMn3+、Mn4+の当量を決定した。
【0041】(Mn価数の算出)EDTAキレート滴定
法によるMnの全量分析結果とヨードメトリー法による
Mn3+、Mn4+の当量分析結果から以下に示す計算によ
りスピネル系リチウムマンガン酸化物のMn価数を求め
た。Mn4+、Mn3+、Mn2+がそれぞれサンプル0.1
g当たり、k、m、n molずつ存在したとする。す
ると、ヨードメトリー法では
【0042】
【数2】(Mn4+による反応) kMn4++4kI- → kMnI2 +kI2 (2) kI2 +2kS2 3 2- → kS4 6 2- +2kI- (3) (Mn3+による反応) mMn3++3mI- → nMnI2 +(1/2)mI2 (4) (1/2)mI2 +mS2 3 2 → (1/2) mS4 6 2- +mI- (5) (Mn2+による反応) nMn4++2nI- → nMnI2 (6)
【0043】Mn2+はI2 を遊離しないのでチオ硫酸ナ
トリウムとは反応しない。以上よりヨードメトリーでは
(2k+m)mol相当分の滴定値が得られる。一方、
EDTAキレート滴定では、(k+m+n)mol相当
分の滴定値が得られる。従って、
【0044】
【数3】 Mn価数=4×k/(k+m+n) +3×m/(k+m+n)+2×n/(k+m+n) =(4k+3m+2n)/(k+m+n) =2+(2k+m)/(k+m+n) =2+(ヨードメトリーの結果)/(EDTA キレート結果) (7)
【0045】(7)式より判るようにEDTAキレート
とヨードメトリーの結果からMnの価数が算出できる。 (酸素量の決定)前記で求めたLiの定量結果とMnの
定量結果よりLiとMnの組成比を算出した。組成比は
総和が3になるように求めた。LiとMnのモル比とか
ら求めたMn価数から電気中性の規則を利用して酸素量
を算出した。粉末X線回折により実施例及び比較例で合
成したサンプルは全て立方晶の単一相であることを確認
した。
【0046】電池の製造法及び充放電条件について以下
に説明する。表1に示した如く合成した正極活物質と導
電剤としてのアセチレンブラック及び結着剤としてのポ
リ4フッ化エチレン樹脂を重量比で75:20:5の割
合で混合して正極合剤とした。また、正極合剤0.1g
を直径16mmに1ton/cm2 でプレス成型して正
極とした。図1の上にセパレーター3として多孔性ポリ
プロピレンフィルムを置いた。負極4とした直径16m
m、厚さ0.4mmのリチウム板を、ポリプロピレン製
ガスケット5を付けた封口管6に圧着した。非水電解液
として1モル/1の過塩素酸リチウムを溶解したエチレ
ンカーボネート+1,2−ジメトキシエタン(50vo
l%:50vol%)溶液を用い、これをセパレーター
3上及び負極4上に加えた。この後、電池を封口した。
これらの電池の充放電サイクル特性の比較を行った。な
お、本実施例における充放電サイクル試験は、充放電電
流2mA、電圧範囲が4.35Vから2.75Vの間で
定電流充放電することで行った。
【0047】
【表1】
【0048】本発明にかなう実施例では、初期放電容量
が大きく(初期放電容量>120mAh/g)、加えて
サイクル特性に優れている(100cycle後の容量
維持率>90%)ことが判る。本実施例では電池の負極
材料として金属リチウムを用いているが、リチウム合金
またはリチウムを挿入・放出することができる化合物を
用いた場合にも同様の結果を得ている。
【0049】
【発明の効果】以上の様に、正極の活物質材料に一般式
【0050】
【化7】
【0051】(但し、0≦X≦0.02、−0.015
≦δ≦0.012)で示され、かつMnの平均原子価が
3.505〜3.535の範囲内にあるスピネル系リチ
ウムマンガン酸化物を使用すれば、充放電容量が大きく
かつサイクル特性の改善された電池となる。その結果、
安価な材料のリチウムマンガン酸化物が正極材料として
使用可能となり、高性能で安全で安価なリチウムイオン
二次電池が広い用途に供給できるようになりその工業的
価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の非水電解液二次電池用活物質
の製造法の試験に用いたコイン型電池の縦断面図
【符号の説明】
1 正極 2 ケース 3 セパレーター 4 負極 5 ガスケット 6 封口缶

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極にリチウムを挿入・放出することが
    できるリチウム含有金属酸化物を、電解液にはリチウム
    液を含む非水電解液を用いた非水電解液二次電池におい
    て、前記リチウム含有金属酸化物として、一般式 【化1】 (但し、0≦X≦0.02、−0.015≦δ≦0.0
    12)を満足しており、かつMnの平均原子価が3.5
    05〜3.535価の範囲にあるスピネル系リチウムマ
    ンガン酸化物を用いることを特徴とする非水電解液二次
    電池。
JP8176516A 1996-03-19 1996-07-05 非水電解液二次電池 Pending JPH1021914A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8176516A JPH1021914A (ja) 1996-07-05 1996-07-05 非水電解液二次電池
EP97104538A EP0797263A2 (en) 1996-03-19 1997-03-17 Nonaqueous electrolyte secondary cell
US08/819,708 US5866279A (en) 1996-03-19 1997-03-18 Nonaqueous electrolyte secondary cell

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8176516A JPH1021914A (ja) 1996-07-05 1996-07-05 非水電解液二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH1021914A true JPH1021914A (ja) 1998-01-23

Family

ID=16014997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8176516A Pending JPH1021914A (ja) 1996-03-19 1996-07-05 非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH1021914A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399248B1 (en) 1998-12-02 2002-06-04 Koji Hattori Spinel type lithium manganese complex oxide and lithium secondary battery
KR100781473B1 (ko) * 2000-06-09 2007-12-03 메르크 파텐트 게엠베하 이온성 액체 ⅱ
JP2014063732A (ja) * 2012-08-30 2014-04-10 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 全固体型リチウムイオン電池用正極、その正極を得るために用いる混合体、それらの製造方法、および全固体型リチウムイオン電池

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6399248B1 (en) 1998-12-02 2002-06-04 Koji Hattori Spinel type lithium manganese complex oxide and lithium secondary battery
KR100781473B1 (ko) * 2000-06-09 2007-12-03 메르크 파텐트 게엠베하 이온성 액체 ⅱ
JP2014063732A (ja) * 2012-08-30 2014-04-10 Jgc Catalysts & Chemicals Ltd 全固体型リチウムイオン電池用正極、その正極を得るために用いる混合体、それらの製造方法、および全固体型リチウムイオン電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5235282B2 (ja) 非水電解質二次電池用正極活物質及び電池
US7666551B2 (en) Positive electrode active material for non-aqueous electrolyte secondary battery, production method thereof, and non-aqueous electrolyte secondary battery using the same
KR100916088B1 (ko) 비수전해질 이차 전지 및 그의 제조 방법
US5866279A (en) Nonaqueous electrolyte secondary cell
JP4111806B2 (ja) 非水電解質二次電池及びその製造方法
WO2010135960A1 (en) Titanium system composite and the preparing method of the same
KR101959761B1 (ko) 양극 활물질의 제조방법, 및 이에 의해 제조된 리튬 이차전지용 양극 활물질
JP2003229126A (ja) 非水電解質二次電池用電極活物質、それを含む電極及び電池
JP3887983B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料及びリチウム二次電池
JP2011204695A (ja) 正極活物質、正極及び二次電池
JP2001243954A (ja) リチウム二次電池用正極材料
JP2001283845A (ja) リチウム二次電池用正極材料、リチウム二次電池用正極及びリチウム二次電池
JP3578902B2 (ja) リチウム二次電池
JPH1021914A (ja) 非水電解液二次電池
JP4884995B2 (ja) 正極活物質、正極及び二次電池
JPH11273679A (ja) リチウム二次電池
JPH05242889A (ja) 非水電解液二次電池用正極活物質の製造方法
JPH11185754A (ja) 非水電解液二次電池
JP3632374B2 (ja) 二次電池
JP3975505B2 (ja) マンガン酸リチウムの製造方法及び非水溶媒二次電池
JP2002321919A (ja) リチウムマンガン複合酸化物及びリチウム二次電池
JPH10188979A (ja) リチウム二次電池
JPH10214626A (ja) リチウム二次電池およびリチウム二次電池用正極活物質
JP3736169B2 (ja) リチウム二次電池用正極材料及びリチウム二次電池
JP2001068109A (ja) リチウム二次電池用正極材料及びその製造方法、リチウム二次電池用正極、並びにリチウム二次電池