JPH10219041A - 農業用オレフィン系樹脂フィルム - Google Patents

農業用オレフィン系樹脂フィルム

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JPH10219041A
JPH10219041A JP9020458A JP2045897A JPH10219041A JP H10219041 A JPH10219041 A JP H10219041A JP 9020458 A JP9020458 A JP 9020458A JP 2045897 A JP2045897 A JP 2045897A JP H10219041 A JPH10219041 A JP H10219041A
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JP
Japan
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olefin
weight
copolymer
vinyl acetate
resin film
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JP9020458A
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English (en)
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Akira Nishikata
晃 西片
Yasuhiro Nakagawa
康弘 中川
Nobuaki Wada
信明 和田
Hideaki Hashimoto
英明 橋本
Toshinori Sugiyama
聡教 杉山
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CI Kasei Co Ltd
Original Assignee
CI Kasei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防曇性、防霧性の持続性が向上し、長期間に
わたって使用しうる農業用オレフィン系樹脂フィルムを
提供する。 【解決手段】 酢酸ビニルとオレフィンとの共重合体又
はその共重合体とポリオレフィンとの混合物で、全体に
対する酢酸ビニルの含有割合が10〜20重量%のオレ
フィン系樹脂100重量部に対し、(A)リチウム・ア
ルミニウム・マグネシウム及び/又は亜鉛複合水酸化物
塩1〜20重量部、(B)ヒンダードアミン系光安定剤
0.05〜3重量部及び(C)防曇剤1〜4重量部
(D)防霧剤0.02〜1.0重量部を配合した樹脂組
成物から成る厚さ30〜180μmの基材層の片面又は
両面に、ポリオレフィン、又は酢酸ビニルとオレフィン
との共重合体若しくはその共重合体とポリオレフィンと
の混合物で、全体に対する酢酸ビニルの含有割合が9重
量%以下のオレフィン系樹脂から成る厚さ10〜50μ
mの被覆層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な農業用オレフィ
ン系樹脂フィルム、さらに詳しくいえば、オレフィン系
樹脂フィルムに配合された防曇剤、防霧剤の効果が、長
期間にわたって持続するハウス栽培用、トンネル栽培用
として好適な農業用オレフィン系樹脂フィルムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】ハウス栽培用やトンネル栽培用の農業用
フィルムとしては、従来、塩化ビニル系樹脂フィルムが
主流を占めてきたが、このものは可塑剤のブリージング
に伴う塵埃の付着により光透過性がそこなわれるという
欠点がある上に、使用済の廃棄物を焼却する際に有害な
塩化水素ガスが発生し、環境汚染の原因になるなどの理
由で近年オレフィン系樹脂フィルムに代替されつつあ
る。
【0003】このオレフィン系樹脂フィルムは可塑剤を
必要としないので、使用中における光線透過性の低下は
ほとんど認められないし、焼却に際して有害ガスを発生
することもなく、しかも加工しやすい点で塩化ビニル系
樹脂フィルムよりも優れている。
【0004】このオレフィン系樹脂フィルムをハウス栽
培、トンネル栽培といった農業用として好適に用いるた
めに、オレフィン系樹脂に光安定剤、無機充てん剤など
の種々の成分を配合して、耐候性、透明性、強度及び防
塵性を高めることが行われている。例えば、ハイドロタ
ルサイト類とヒンダードアミン系化合物を配合したもの
が報告されている(特公平6−6363号公報)。ま
た、さらにオレフィン系樹脂に防曇剤、防霧剤を配合す
ることが行われているが、これら成分の効果は長期間持
続しないという欠点を有していた。このような欠点を克
服するために、防曇剤、防霧剤を配合したオレフィン系
樹脂にリチウムアルミニウム複合水酸化物塩を用いて、
防曇性及び防霧性の効果を長く持続させることが提案さ
れているが(特開平7−312996号公報)、防曇性
及び防霧性の持続がまだ十分とはいえず、より長期間と
なる農業用オレフィンフィルムの開発が望まれていた。
【0005】一方、塩化ビニル樹脂のようなハロゲン含
有樹脂に、その熱安定性を高めることを目的として、リ
チウムと、マグネシウム及び/又は亜鉛と、アルミニウ
ムからなる複合水酸化物塩を含有させた組成物が提案さ
れているが(特開平8−311284号公報)、このリ
チウムと、マグネシウム及び/又は亜鉛と、アルミニウ
ムからなる複合水酸化物塩が防霧剤、防曇剤の効果持続
に有効であるか否かは知られていなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来の農業用オレフィン系樹脂フィルムのもつ欠点を克
服し、特に防曇性、防霧性の持続性が向上し、長期間に
わたって使用しうる農業用オレフィン系樹脂フィルムを
提供することを目的としてなされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、性質の改
善された農業用オレフィン系樹脂フィルムを開発すべく
鋭意研究を重ねた結果、酢酸ビニルとオレフィンとの共
重合体を含み、酢酸ビニル含有割合の高いオレフィン系
樹脂に、多価アルコール系炭化水素界面活性剤である防
曇剤、フッ素系防霧剤又はシリコーン系防霧剤を配合し
た組成物に、さらに、従来用いられていたリチウムアル
ミニウム複合水酸化物塩の代わりとして、そのリチウム
の一部をマグネシウム、亜鉛のような原子量の大きな金
属イオンに置き換えたリチウム・アルミニウム・マグネ
シウム及び/又は亜鉛複合水酸化物塩を配合することに
より、オレフィン樹脂への防曇剤及び防霧剤の吸着性及
び徐放性が増加し、その効果が長期間にわたって持続す
ることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成する
に至った。
【0008】すなわち、本発明は、酢酸ビニルとオレフ
ィンとの共重合体又はその共重合体とポリオレフィンと
の混合物で、全体に対する酢酸ビニルの含有割合が10
〜20重量%のオレフィン系樹脂100重量部に対し、
(A)リチウム・アルミニウム・マグネシウム及び/又
は亜鉛複合水酸化物塩1〜20重量部、(B)ヒンダー
ドアミン系光安定剤0.05〜3重量部及び(C)防曇
剤1〜4重量部(D)防霧剤0.02〜1.0重量部を
配合した樹脂組成物から成る厚さ30〜180μmの基
材層の片面又は両面に、ポリオレフィン、又は酢酸ビニ
ルとオレフィンとの共重合体若しくはその共重合体とポ
リオレフィンとの混合物で、全体に対する酢酸ビニルの
含有割合が9重量%以下のオレフィン系樹脂から成る厚
さ10〜50μmの被覆層を設けたことを特徴とする農
業用オレフィン系樹脂フィルムを提供するものである。
【0009】基材層の樹脂成分として用いられるオレフ
ィン系樹脂は、その中へ配合される防曇剤や防霧剤との
親和性を高めるために、酢酸ビニルとオレフィンとの共
重合体、例えばエチレン・酢酸ビニル共重合体、又はそ
の共重合体とポリオレフィンとの混合物、例えばエチレ
ン・酢酸ビニル共重合体とポリエチレンとのブレンド物
で、オレフィン系樹脂全体に対し、酢酸ビニルを10〜
20重量%、好ましくは10〜18重量%という比較的
多量含有することが必要である。
【0010】酢酸ビニルの含有量が10重量%未満で
は、防曇剤や防霧剤との親和性が不十分で、十分な防
曇、防霧性の持続効果が得られないし、この量が20重
量%を超えると、得られるオレフィン系樹脂のフィルム
の強度が低下する。
【0011】ポリオレフィンとしては、α‐オレフィン
の単独重合体例えばポリエチレン、ポリプロピレンな
ど、2種又はそれ以上のα‐オレフィンの共重合体例え
ばエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共
重合体など、エチレンと他の不飽和単量体例えば(メ
タ)アクリル酸又はそのエステルとの共重合体を挙げる
ことができるが、特に密度0.910〜0.935g/
cm3の高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエ
チレン、低密度エチレン・α‐オレフィン共重合体が好
ましい。これらのオレフィン系樹脂は単独で用いてもよ
いし2種以上混合して用いてもよい。
【0012】次に、(A)成分のリチウムアルミニウム
複合水酸化物塩としては、一般式 [Al(Li1-xx)(OH)1+x・mH2O (I) (式中のMはマグネシウム及び/又は亜鉛、Yはn価の
アニオン、xは0.01〜0.99の範囲の数、mは0
又は正の数である)で表わされる化合物が好適である。
この一般式(I)中のYとしては、炭酸イオン、硫酸イ
オン、硝酸イオン、ケイ酸イオン、メタケイ酸イオン、
メソ二ケイ酸イオン、縮合ケイ酸イオン、過塩素酸イオ
ン、リン酸イオン、亜リン酸イオン、メタリン酸イオ
ン、縮合リン酸イオンなどの無機アニオンや酢酸イオ
ン、プロピオン酸イオン、シュウ酸イオン、アジピン酸
イオン、安息香酸イオン、フタル酸イオン、テレフタル
酸イオン、マレイン酸イオン、フマル酸イオン、クエン
酸イオン、酒石酸イオン、コハク酸イオン、p‐オキシ
安息香酸イオン、サリチル酸イオン、ピクリン酸イオン
などの有機アニオンを挙げることができる。
【0013】また(A)成分は、平均二次粒子径が5μ
m以下、より好ましくは0.1〜3μmで、BET比表
面積が50m2/g以下、より好ましくは10〜40m2
/gの六角板状の結晶から成るものが好ましい。上記の
複合水酸化物塩は、公知のハイドロタルサイトの製法を
利用して容易に製造することができる。例えば、アルミ
ニウム・マグネシウム及び/又は亜鉛複合水酸化物塩の
均一なスラリーを製造した後、そのスラリーに炭酸リチ
ウムや水酸化リチウム等の水溶性リチウム化合物を加え
て更に加熱処理し、これをステアリン酸等で表面処理し
た後、脱水、洗浄、乾燥することによって得られる。ま
た、他の製造方法としては、水酸化アルミニウムのスラ
リーに、炭酸リチウム等の水溶性リチウム化合物と塩基
性炭酸マグネシウム等のマグネシウム及び/又は亜鉛の
水溶性化合物とを加え加熱処理し、これをステアリン酸
等で表面処理した後、脱水、洗浄、乾燥することによっ
ても得られる。さらに、上記の複合水酸化物塩のアニオ
ンについては、イオン交換により他のアニオンを結晶の
層間に導入することも可能である。これらの複合水酸化
物塩は、オレフィン系樹脂に練り込みするので、公知の
表面処理剤で処理することが好ましい。これらの表面処
理剤としては、高級脂肪酸類、高級脂肪酸塩類、リン酸
エステル、界面活性剤及びシラン系、チタン系、アルミ
ニウム系、ジルコニウム系等のカップリング剤を挙げる
ことができる。
【0014】この(A)成分は、オレフィン系樹脂10
0重量部に対し、1〜20重量部、好ましくは3〜10
重量部の範囲の量で配合することが必要である。この量
が1重量部未満では、十分な防曇、防霧性の持続効果が
得られないし、また20重量部よりも多くなると、フィ
ルムに成形したとき、引張強度、引裂強度が低下する。
【0015】次に本発明の(B)成分のヒンダードアミ
ン系光安定剤は、これまで農業用オレフィン系樹脂フィ
ルムに慣用されていたものの中から任意に選ぶことがで
きる。このようなものとしては、例えば2,2,6,6
‐テトラメチルピペリジニル‐4‐ベンゾエート、ビス
‐(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジニ
ル)セバケート、トリス(2,2,6,6‐テトラメチ
ル‐4‐ピペリジン)ホスファイト、4‐ベンジルオキ
シ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン、4‐ア
セトキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジン、
ビス(2,2,6,6‐テトラメチル‐4‐ピペリジ
ル)テレフタレート、1,3,8‐トリアザ‐7,7,
9,9‐テトラメチル‐2,4‐ジオキソ‐スピロ
[4,5]デカン、トリ‐(4‐アセトキシ‐2,2,
6,6‐テトラメチルピペリジン)‐アミン、1,2,
3,4‐テトラ(4‐カルボニルオキシ‐2,2,6,
6‐テトラメチルピペリジン)ブタン、4‐(フェニル
カルバモイルオキシ)‐2,2,6,6‐テトラメチル
ピペリジン、(2,2,6,6‐テトラメチルピペリジ
ン)‐4‐スピロ‐2′‐(6′,6′‐ジメチルピペ
リジン)‐4′‐スピロ‐5″‐ヒダントイン、4‐
(p‐トルエンスルホニルオキシ)‐2,2,6,6‐
テトラメチルピペリジン、1,3,8‐トリアザ‐7,
7,9,9‐テトラメチル‐3‐n‐オクチル‐スピロ
[4,5]デカン‐2,4‐ジオン、4‐ステアロイル
オキシ‐2,2,6,6‐テトラメチルピペリジンなど
を挙げることができる。
【0016】この(B)成分は、オレフィン系樹脂10
0重量部当り、0.05〜3重量部、好ましくは0.1
〜0.4重量部の範囲の量で用いることが必要である。
この量が0.05重量部未満では、十分な光安定性が得
られず、耐候性が低下するし、また3重量部よりも多く
なると、透明性の低下をもたらす。
【0017】また、本発明の(C)成分の防曇剤も、通
常の農業用オレフィン系樹脂フィルムに慣用されている
防曇剤の中から任意に選んで用いることができるが、特
に多価アルコールと高級脂肪酸との部分エステルが好ま
しい。このようなものとしては、例えばソルビタンモノ
ステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタ
ンモノベヘネート、ソルビタンとアルキレングリコール
の縮合物と脂肪酸とのエステルなどのソルビタン系界面
活性剤やグリセリンモノパルミテート、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、ジグリセリ
ンモノパルミテートなどのグリセリン系界面活性剤やポ
リエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレン
グリコールモノパルミテート、ポリエチレングリコール
アルキルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコー
ル系界面活性剤やその他トリメチロールプロパンモノス
テアレートなどのトリメチロールプロパン系界面活性剤
やペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリ
スリトールモノステアレートなどのペンタエリスリトー
ル系界面活性剤やそれらの異性体の他に、アルキレンオ
キシド付加物などを挙げることができる。
【0018】この(C)成分は、オレフィン系樹脂10
0重量部当り、1〜4重量部、好ましくは1.5〜2重
量部の範囲の量で用いることが必要である。この量が1
重量部未満では十分な防曇性の持続効果が得られない
し、また、4重量部よりも多くなると透明性がそこなわ
れる。
【0019】(D)成分の防霧剤としては、フッ素系防
霧剤又はシリコーン系防霧剤を配合することができる。
これらの防霧剤は、従来の農業用オレフィン系樹脂フィ
ルムに慣用されているものである。このようなフッ素系
防霧剤としては、例えばパーフロロアルキル基又はパー
フロロアルケニル基を含有する低分子又は高分子の化合
物であって、少なくとも0.001重量%、好ましくは
少なくとも0.01重量%の水中溶解度を有し、25℃
において水の表面張力を35dyn/cm以下、好まし
くは30dyn/cm以下に低下させる能力を有するも
のが好ましい。また、パーフロロアルキル基は、その炭
素鎖中に酸素原子が介在してもよい。このようなもの
は、例えばユニダインDS‐401、ユニダインDS‐
403、ユニダインDS‐451(以上、ダイキン工業
社製)、メガファックF‐142D、メガファックF‐
177(以上、大日本インキ化学工業社製)、フロラー
ドFC‐170、フロラードFC‐176、フロラード
FC‐430(以上、住友スリーエム社製)、サーフロ
ンS‐141、サーフロンS‐145、サーフロンS‐
381、サーフロンS‐382、サーフロンS‐393
(以上、旭硝子社製)などとして市販されている。
【0020】また、シリコーン系防霧剤としては、例え
ば、ポリエーテル変性シリコーンオイル、カルボキシル
変性シリコーンオイル、カルビノール変性シリコーンオ
イル、アミノ変性シリコーンオイルなどが挙げられ、一
般に、少なくとも0.01重量%、好ましくは少なくと
も0.1重量%の水中溶解度を有し、25℃において水
の表面張力を35dyn/cm以下、好ましくは30d
yn/cm以下に低下させる能力を有するものが好まし
い。このようなものは、例えばKF−354(信越化学
社製)、SH−3746(東レ・ダウコーニング社
製)、TSF−4445(東芝シリコーン社製)として
市販されている。
【0021】これらの防霧剤は単独で用いてもよいし、
2種以上組み合わせて用いてもよい。この防霧剤の配合
量としては、オレフィン系樹脂100重量部当り0.0
2〜1.0重量部、好ましくは0.04〜0.3重量部
の範囲の量で用いることが必要である。これよりも量が
少ないと十分な防霧性が得られないし、また多すぎると
高周波接着性やヒートシール性が劣化する。
【0022】本発明の基材層には、保温性をさらに高め
るために、所望に応じ、例えばシリカ、タルク、水酸化
アルミニウム、硫酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、水
酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、カオリンクレ
ー、マイカ、アルミナ、炭酸マグネシウム、アルミン酸
ナトリウム、導電性酸化亜鉛、リン酸リチウムのような
充てん剤を添加することができる。これらの充てん剤は
単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いて
もよい。その配合量は、ポリオレフィン系樹脂100重
量部に対し、10重量部以下、好ましくは5重量部以下
の範囲で選ばれる。
【0023】また、そのほかに、農業用フィルムに慣用
されている滑剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止
剤、粘着防止剤、帯電防止剤、着色剤などの添加剤も配
合することができる。この滑剤としては、例えば、ポリ
エチレンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、リシ
ノール酸バリウム、有機亜リン酸エステルのようなキレ
ーター、エポキシ樹脂、ステアリン酸アミド、パルミチ
ン酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスステアロ
アミドなどの脂肪酸アミドや、固体状の高級アルコー
ル、グリセリン脂肪酸エステルなどがある。
【0024】紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリ
アゾール系、ベンゾフェノン系、サリチル酸系のものな
どが挙げられ、ベンゾトリアゾール系のものの例として
は、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′,5′‐ジ‐ter
t‐ブチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾー
ル、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐tert‐ブチル
‐5′‐メチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾ
ール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐tert‐アミ
ル‐5′‐イソブチルフェニル)‐5‐クロロベンゾト
リアゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐イソブチ
ル‐5′‐メチルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリア
ゾール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′‐イソブチル‐
5′‐プロピルフェニル)‐5‐クロロベンゾトリアゾ
ール、2‐(2′‐ヒドロキシ‐3′,5′‐ジ‐te
rt‐ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2‐
(2′‐ヒドロキシ‐5′‐メチルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2‐[2′‐ヒドロキシ‐5′‐(1,
1,3,3‐テトラメチル)フェニル]ベンゾトリアゾ
ールなどがある。
【0025】また、ベンゾフェノン系のものの例として
は、2,2′‐ジヒドロキシ‐4‐メトキシベンゾフェ
ノン、2,2′‐ジヒドロキシ‐4,4′‐ジメトキシ
ベンゾフェノン、2,2′,4,4′‐テトラヒドロキ
シベンゾフェノン、2‐ヒドロキシ‐4‐メトキシベン
ゾフェノン、2,4‐ジヒドロキシベンゾフェノン、2
‐ヒドロキシ‐4‐オクトキシベンゾフェノンなどがあ
る。また、サリチル酸系のものとしては、フェニルサリ
チレート、パラオクチルフェニルサリチレートなどがあ
る。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系化合
物や、硫黄化合物系のものが用いられる。
【0026】本発明の基材層の厚さは、通常30〜18
0μm、好ましくは15〜130μmの範囲で選ばれ
る。この厚さが薄すぎると、防曇性、防霧性の持続が不
十分であるし、また厚すぎると光透過性が低下する。基
材層の厚さは、フィルム全体の厚さに対し、50〜80
%の範囲が好ましく、特に55〜75%の範囲が好まし
い。
【0027】本発明の農業用フィルムにおいては、前記
の基材層の片面又は両面にオレフィン系樹脂から成る被
覆層を設けることが必要である。被覆層の樹脂成分とし
て用いられるオレフィン系樹脂は、これまで農業用フィ
ルム材料として一般に用いられているポリオレフィンで
あるか、又は酢酸ビニルとオレフィンとの共重合体若し
くはその共重合体とポリオレフィンとの混合物で、オレ
フィン系樹脂全体に対し、酢酸ビニルを9重量%以下と
いう比較的少量含有するものであることが必要である。
【0028】ポリオレフィンとしては、α‐オレフィン
の単独重合体例えばポリエチレン、ポリプロピレンな
ど、2種又はそれ以上のα‐オレフィンの共重合体例え
ばエチレン・プロピレン共重合体、エチレン・ブテン共
重合体などを挙げることができるが、特に密度0.91
0〜0.935g/cm3の高圧法低密度ポリエチレ
ン、線状低密度ポリエチレン、低密度エチレン・α‐オ
レフィン共重合体が好ましい。これらのオレフィン系樹
脂は単独で用いてもよいし2種以上混合して用いてもよ
い。また、この被覆層には、ブロッキング防止のため、
無機充てん剤は1重量%未満で含有させることができ
る。
【0029】この被覆層は、農業用フィルムに表面平滑
性、ベタツキ防止性、防塵性を付与するために設けられ
るものであるが、オレフィン系樹脂全体に対する酢酸ビ
ニル含有量が9重量%を超えたり、無機充てん剤が多量
に含まれるとこれらの物性や透明性が得られず、むしろ
強度が低下することになる。この被覆層の厚さは、全体
として通常10〜50μm、好ましくは15〜30μm
の範囲で選ばれる。この厚さが薄すぎると防塵効果が十
分でないし、また厚すぎても光透過性が低下する。
【0030】本発明の農業用オレフィン系樹脂フィルム
は、それぞれ基材層及び被覆層を形成しうる各ペレット
を調製したのち、公知の方法、例えば共押出インフレー
ション成形法により所定層厚となるようにフィルム成形
することにより、製造することができる。この際の各ペ
レットの調製は、基剤層用ペレットについては、オレフ
ィン系樹脂成分と各種配合成分とをそれぞれ所定の割合
で用い、リボンブレンダー、バンバリミキサー、ヘンシ
ェルミキサー、スーパーミキサー、単軸又は二軸押出
機、ロールなどの配合機や混練機を用いて均質に配合し
た組成物を常法によりペレット加工することにより、ま
た被覆層用ペレットについては、オレフィン系樹脂成分
と各種添加成分とを適当な割合で用い、リボンブレンダ
ー、バンバリミキサー、ヘンシェルミキサー、スーパー
ミキサー、単軸又は二軸押出機、ロールなどの配合機や
混練機を用いて均質に配合した組成物を常法によりペレ
ット加工することにより行われる。本発明の農業用オレ
フィン系樹脂フィルムは、その外表面側に防塵塗料から
なる防塵層を設けたり、内表面側に防曇塗料からなる防
曇層を設けることができる。
【0031】
【発明の効果】本発明の農業用オレフィン系樹脂フィル
ムは、従来の農業用オレフィン系樹脂フィルムにおける
透明性、耐候性、強度などの諸物性を減じることなく、
しかも防曇性、防霧性の持続性が向上し、長期間にわた
って使用しうるという顕著な効果を奏し、温室ハウス栽
培やトンネル栽培用に好適である。
【0032】
【実施例】次に、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、農業用オレフィン系樹脂フィル
ムの性能は次のようにして評価した。
【0033】(1)防曇性 展張後所定期間経過したときのフィルムの防曇性を次の
基準で評価した。 ◎:水滴の付着がない ○:水滴の付着がフィルム全体の20%以下の範囲で生
じている △:水滴の付着がフィルム全体の20%以上50%未満
の範囲で生じている ×:水滴の付着がフィルム全体の50%以上の範囲で生
じている
【0034】(2)防霧性 展張後所定期間経過したときのフィルムの防霧性を次の
基準で評価した。 ○:霧発生が認められない △:わずかに霧が発生している ×:かなり霧が発生している
【0035】実施例1 エチレン・酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量14
重量%、メルトインデックス1.5g/10分)100
重量部に対し、式([Al2Li0.75Mg0.25(O
H)62(CO31.25・2.1H2Oに相当するリチウ
ム・アルミニウム・マグネシウム複合水酸化物塩(平均
二次粒子径2.5μm、BET比表面積30.5m2
g)5重量部、光安定剤としてチヌビン622(Tin
uvin 622)(チバ・ガイギー社製、ヒンダード
アミン系光安定剤)0.1重量部及びN−30(ヘキス
ト社製,ヒンダードアミン系光安定剤)0.2重量部、
防曇剤としてソルビタン−ジグリセリン縮合物モノステ
アレートとソルビタンセスキステアレートのエチレンオ
キシド5モル付加物との混合物(重量比1/1)1.7
重量部、防霧剤としてDS−403(ダイキン工業社
製、フッ素系界面活性剤)0.1重量部及びベンゾフェ
ノン系紫外線吸収剤0.1重量部を配合し、ペレット加
工して基材層用ペレットを調製した。別に、高圧法低密
度ポリエチレン(密度0.922g/cc、メルトイン
デックス2.5g/10分)50重量部とエチレン・酢
酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量14重量%、メル
トインデックス1.5g/10分)50重量部との混合
物(メルトインデックス1.5g/10分)に対し、防
曇剤としてジグリセリンモノステアレート1.0重量部
及びグリセリンモノステアレート0.3重量部、光安定
剤としてチヌビン622(Tinuvin622)(チ
バ・ガイギー社製,ヒンダードアミン系光安定剤)0.
1重量部及びN−30(ヘキスト社製,ヒンダードアミ
ン系光安定剤)0.2重量部及びベンゾフェノン系紫外
線吸収剤0.1重量部を配合し、ペレット加工して被覆
層用ペレットを調製した。これらのペレットを用いてイ
ンフレーション加工により、基材層70μm、各被覆層
15μmの2種3層の農業用オレフィン系樹脂フィルム
を得た。
【0036】実施例2〜5 リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合水酸化物塩
として表1に示す組成及び重量部のリチウム・アルミニ
ウム・マグネシウム及び/又は亜鉛複合水酸化物塩を用
いた以外は実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂フィ
ルムを得た。
【0037】比較例1 リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合水酸化物塩
の代わりに式[Al2Li(OH)62CO3・1.6H
2Oに相当するリチウムアルミニウム複合水酸化物塩を
用いた以外は実施例1と同様にしてオレフィン系樹脂フ
ィルムを得た。
【0038】比較例2 リチウム・アルミニウム・マグネシウム複合水酸化物塩
を用いなかった以外は実施例1と同様にしてオレフィン
系樹脂フィルムを得た。
【0039】これらのフィルム試料について、物性を評
価した結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】これより、本発明のフィルムは、いずれも
防曇性、防霧性の効果が展張後40日経過後も全く低下
していないことが分かる。一方、比較例1及び2から、
リチウム・アルミニウム・マグネシウム及び/又は亜鉛
複合水酸化物塩を含有しないフィルムは、防曇性、防霧
性の効果が展張後10〜20日経過後から次第に低下し
ていくことが分かる。なお、比較例2において、展張後
40日経過後防霧性が向上しているのは、防曇性の効果
がなくなったことに伴うものと考えられる。以上の結果
から、本発明のフィルムは、防曇性、防霧性の効果が長
期間にわたり持続し、農業用被覆材として優れることが
分った。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/00 C08K 5/00 5/3432 5/3432 //(C08L 23/02 31:04) (72)発明者 橋本 英明 東京都中央区京橋一丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内 (72)発明者 杉山 聡教 東京都中央区京橋一丁目18番1号 シーア イ化成株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酢酸ビニルとオレフィンとの共重合体又
    はその共重合体とポリオレフィンとの混合物で、全体に
    対する酢酸ビニルの含有割合が10〜20重量%のオレ
    フィン系樹脂100重量部に対し、(A)リチウム・ア
    ルミニウム・マグネシウム及び/又は亜鉛複合水酸化物
    塩1〜20重量部、(B)ヒンダードアミン系光安定剤
    0.05〜3重量部及び(C)防曇剤1〜4重量部
    (D)防霧剤0.02〜1.0重量部を配合した樹脂組
    成物から成る厚さ30〜180μmの基材層の片面又は
    両面に、ポリオレフィン、又は酢酸ビニルとオレフィン
    との共重合体若しくはその共重合体とポリオレフィンと
    の混合物で、全体に対する酢酸ビニルの含有割合が9重
    量%以下のオレフィン系樹脂から成る厚さ10〜50μ
    mの被覆層を設けたことを特徴とする農業用オレフィン
    系樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 リチウム・アルミニウム・マグネシウム
    及び/又は亜鉛複合水酸化物塩が、一般式 [Al(Li1-xx)(OH)1+x・mH2O (式中のMはマグネシウム及び/又は亜鉛、Yはn価の
    アニオン、xは0.01〜0.99の範囲の数、mは0
    又は正の数である)で表わされる化合物である請求項1
    又は2記載の農業用オレフィン系樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 基材層のオレフィン系樹脂が、エチレン
    ・酢酸ビニル共重合体又はそれと低密度ポリエチレン又
    はエチレン・α‐オレフィン共重合体との混合物である
    請求項1又は2記載の農業用オレフィン系樹脂フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 被覆層のオレフィン系樹脂が、低密度ポ
    リエチレン、エチレン・α‐オレフィン共重合体及びエ
    チレン・酢酸ビニル共重合体の中から選ばれた少なくと
    も1種である請求項1ないし3記載の農業用オレフィン
    系樹脂フィルム。
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