JPH1021887A - 絶縁性電池外装缶、及びこれを用いた電池 - Google Patents

絶縁性電池外装缶、及びこれを用いた電池

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JPH1021887A
JPH1021887A JP8186988A JP18698896A JPH1021887A JP H1021887 A JPH1021887 A JP H1021887A JP 8186988 A JP8186988 A JP 8186988A JP 18698896 A JP18698896 A JP 18698896A JP H1021887 A JPH1021887 A JP H1021887A
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JP
Japan
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battery
active hydrogen
curing agent
resin coating
polyurethane
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Application number
JP8186988A
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Atsushi Kato
篤 加藤
Shohei Tsunoda
正平 角田
Shin Konishi
伸 小西
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Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
Original Assignee
Nippon Polyurethane Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電気自動車用や一般家庭用などのより大きな
電力を必要とする用途に使用される、自己放電による消
耗の少ない高性能の電池、特に二次電池、及びそれに用
いる外部と絶縁した金属外装缶を提供する。 【解決手段】 導電性金属からなる電池外装缶の内面及
び/又は外面に、場合によりカップリング剤の存在下
で、長鎖ポリオールを含有する活性水素化合物と平均官
能基数2以上のポリイソシアネート硬化剤とを反応させ
てポリウレタン系樹脂被覆を設けた絶縁性の電池外装
缶、及びこれを用いた電池である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、家電分野やエレク
トロニクス分野などで使用されるニッカド電池、ニッケ
ル水素電池、リチウムイオン電池などの二次電池を含む
各種電池に用いられ、より高電力を得るため大型の電池
において電池の消耗を有効に防ぐ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、パソコン、携帯電話、ビデオカメ
ラなどの普及に伴い、高容量で充電により何回も利用で
きる二次電池の需要が高まっている。また、二次電池の
うちリチウムイオン電池などは、小型で高容量であるた
め、従来では考えられなかった家庭用電源や電気自動車
用電源などの分野への展開も図られている。
【0003】従来の二次電池は、例えば、正極と負極と
がセパレーターを挟んで一つの単位セル(電池)を作
り、これを用途に合わせ必要な数だけ組み合わせて1体
の電池としている。しかしながら、電池として、大きな
電力を蓄えて自動車の動力などに利用する為には、体積
効率をよくする意味で、単位セルの大きさをより大きく
する必要がある。この場合、使用していない時には、自
己放電による電池の消耗をできるだけ少なくする必要が
ある。
【0004】小型の単位セルの外装缶は、例えば、ステ
ンレスにニッケルやコバルト等のメッキが施されたもの
であるため導電性であり、単位セルの外装缶側面がその
まま負極として利用されているものもある。しかしなが
ら、この場合、単位セルを大型化すると、負極の表面積
が大きくなり過ぎ、自己放電による電池の消耗も起こり
やすくなるという問題が生ずる。このため、単位セルを
大型化するためには、外装缶に絶縁を施し、負極はリー
ド線等により取り出す技術が必須となっていた。
【0005】更に、リチウム二次電池では、ジエチルカ
ーボネート(以下DECと略称する)やプロピレンカー
ボネートなどの極性の強い有機溶媒に電解質を溶解させ
た電解液を封入してあることから、電解液と直接触れ合
う外装缶の内面に絶縁を施そうとする場合には、高度の
耐溶剤性と絶縁性を兼ね備えていなければならない。
【0006】電池の保存性を高める方法として、特開昭
53−51443号公報には、ポリビニルアルコール系
フィルムにポリウレタン樹脂層及びポリ塩化ビニリデン
樹脂層を形成した被覆フィルムにより素電池を包被する
方法が開示されている。また、特開昭59−21565
5号公報や特開昭62−211854号公報には、ボタ
ン型リチウム電池のパッキングとしてポリウレタン樹脂
を使用することにより、水分の進入を防ぎ、保存性を高
める方法も開示されている。
【0007】しかしながら、いずれも電解液に対する耐
溶剤性が十分でなく、また充電時に体積が膨張する現象
等により長期間の絶縁性を保つことができなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電気自動車
用や一般家庭用などのより大きな電力を必要とする用途
に使用される、自己放電による消耗の少ない高性能の電
池、特に二次電池、及びそれに用いる外部と絶縁した金
属外装缶を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討し
た結果、長鎖ポリオールを含有する活性水素化合物と分
子内に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシ
アネートとを反応させて形成されるポリウレタン系樹脂
被覆で電池の金属外装缶を絶縁することにより前記目的
を達成しうることを見出し、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】すなわち本発明は、導電性金属からなる電
池外装缶の内面及び/又は外面に、長鎖ポリオールを含
有する活性水素化合物と平均官能基数2以上のポリイソ
シアネート硬化剤とを反応させてポリウレタン系樹脂被
覆を設けてなること、を特徴とする絶縁性の電池外装缶
である。
【0011】本発明は、導電性金属からなる電池外装缶
の内面及び/又は外面に、カップリング剤の存在下で長
鎖ポリオールを含有する活性水素化合物と平均官能基数
2以上のポリイソシアネート硬化剤とを反応させてポリ
ウレタン系樹脂被覆を設けてなること、を特徴とする絶
縁性の電池外装缶である。
【0012】本発明は、電池要素を絶縁性の金属外装缶
内に収容してなる電池において、前記絶縁性の金属外装
缶が、導電性金属外装缶の内面及び/又は外面に、長鎖
ポリオールを含有する活性水素化合物と平均官能基数2
以上のポリイソシアネート硬化剤とを反応させて、ポリ
ウレタン系樹脂被覆を設けた絶縁性の金属外装缶である
こと、を特徴とする前記電池である。
【0013】更に本発明は、電池要素を絶縁性の金属外
装缶内に収容してなる電池において、前記絶縁性の金属
外装缶が、導電性金属外装缶の内面及び/又は外面に、
カップリング剤の存在下で長鎖ポリオールを含有する活
性水素化合物と平均官能基数2以上のポリイソシアネー
ト硬化剤とを反応させて、ポリウレタン系樹脂被覆を設
けた絶縁性の金属外装缶であること、を特徴とする前記
電池である。
【0014】
【発明の実施の形態】まず、本発明において使用される
活性水素化合物について説明する。この活性水素化合物
は、長鎖ポリオールをその一部又は全部として含有す
る。このような長鎖ポリオールとしては、ポリエステル
ポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエ
ステルポリオール、ポリカーボネートポリオールなどが
挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して使用
することができる。
【0015】このポリエステルポリオールとしては、公
知のコハク酸、アジピン酸(以下AAと略称する)、セ
バシン酸、アゼライン酸、テレフタル酸、イソフタル酸
(以下IPと略称する)、ヘキサヒドロテレフタル酸、
ヘキサヒドロイソフタル酸等のジカルボン酸、酸エステ
ル、又は酸無水物等の1種以上と、エチレングリコー
ル、1, 3−プロピレングリコール、1, 2−プロピレ
ングリコール、1, 4−ブチレングリコール(以下BG
と略称する)、1, 5−ペンタングリコール、1, 6−
ヘキサングリコール、3−メチル−1, 5−ペンタング
リコール、2−ブチル−2−エチル−1, 3−プロパン
ジオール、ネオペンチルグリコール、1,8−オクタン
グリコール、1, 9−ノナンジオール、ジエチレングリ
コール、シクロヘキサン−1, 4−ジオール、シクロヘ
キサン−1, 4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、
トリメチロールプロパン(以下TMPと略称する)、グ
リセリン、ヘキサントリオール等のグリコール、トリオ
ール等の1種以上との脱水縮合反応で得られるものが挙
げられる。さらに、ε−カプロラクトン、アルキル置換
ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置
換δ−バレロラクトン等の環状エステル(すなわちラク
トン)モノマーの開環重合により得られるラクトン系ポ
リエステルポリオール等がある。
【0016】ポリエーテルポリオールとしては、例え
ば、ポリエチレングリコール(以下PEGと略称す
る)、ポリプロピレンエーテルポリオール、ポリテトラ
メチレンエーテルポリオール等が挙げられる。ポリエー
テルエステルポリオールとしては、前記のポリエーテル
ポリオールと前記のジカルボン酸等とから製造されるコ
ポリオール、ポリエステルポリオールにエチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド等を付加させて製造される
コポリオール等が挙げられる。
【0017】ポリカーボネートポリオールとしては、例
えば、ヘキサングリコール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等
とDEC、ジフェニルカーボネート等との反応から得ら
れるものであり、具体的な商品としては、日本ポリウレ
タン工業(株)製のニッポラン980、ニッポラン98
1等が挙げられる。
【0018】また、前記の長鎖ポリオールには、尿素樹
脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、
アクリル樹脂、ポリビニルアルコール等、公知の活性水
素基を1 個以上含有するものであれば、適量を混合して
使用することができ、又これらのうち水酸基を2個以上
含有するものは長鎖ポリオール自体として使用すること
もできる。活性水素化合物は、樹脂被覆の形成が簡易で
その接着性などが優れている、長鎖ポリオール、特に長
鎖ジオールのみからなるものが好ましい。
【0019】また、本発明において長鎖ポリオールに併
用することのできる活性水素化合物として、前記ポリエ
ステルポリオールの原料として挙げた低分子ポリオー
ル、すなわち、エチレングリコール、1, 3−プロピレ
ングリコール、1, 2−プロピレングリコール、BG、
1, 5−ペンタングリコール、1, 6−ヘキサングリコ
ール、3−メチル−1, 5−ペンタングリコール、ネオ
ペンチルグリコール、1, 8−オクタングリコール、
1, 9−ノナンジオール、ジエチレングリコール、シク
ロヘキサン−1, 4−ジオール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、TMP、グリ
セリン、ヘキサントリオール、クオドロールあるいはビ
スフェノールAのエチレンオキサイド又はプロピレンオ
キサイド付加物等、また、水や尿素を挙げることができ
る。
【0020】前記長鎖ポリオールの水酸基価は10〜5
00mgKOH/gが好ましく、より好ましくは50〜
300mgKOH/gである。長鎖ポリオールの水酸基
価が低すぎると、ウレタン基の導入量が減少し、分子間
の水素結合によるネットワークが少なくなり、ポリウレ
タン系樹脂被覆の強靭性や凝集力が減少し好ましくな
い。また、水酸基価が高すぎると、ポリウレタン系樹脂
は硬くなる傾向がある。この長鎖ポリオールの水酸基価
は用途により適当に選択する必要があり、耐熱性や凝集
エネルギーを高めるには、より水酸基価が高く分子内に
硬化剤との架橋点を多く有する物を用いることが望まし
い。
【0021】さらに、導電性金属基材との接着性能を考
慮した場合、テレフタル酸やIP等を用いた芳香族系ポ
リエステルポリオールやAAを用いたポリエステルポリ
オールが特に好適である。電解槽内での安定性について
は、長鎖ポリオールとしてポリエステルポリオールより
耐加水分解性、耐候性の高いポリカーボネートポリオー
ルを用いるのが有効である。また、絶縁性については、
電気抵抗は湿度でかなり変化するため、吸湿性、親水性
の少ない方が良い。このため、親水性の高い長鎖ポリオ
ールは好ましくない。
【0022】本発明において使用されるポリイソシアネ
ート硬化剤としては、有機ジイソシアネートであっても
よいが、例えば、これを分子量62〜250のグリコー
ル、トリオールなどと反応させ、一分子当たりの平均官
能基数(NCOの数)を2以上としたアダクト体、ま
た、有機ジイソシアネートの重合体やそのポリメリック
体も好ましい。本発明においては、有機ジイソシアネー
トをトリマー化したイソシアヌレート基を含有する平均
官能基数2以上のポリイソシアネート硬化剤が特に好適
であり、速乾性で、かつ、耐熱性や耐久性に優れた性能
が発現できる。
【0023】この有機ジイソシアネートとしては、例え
ば、2, 4−トリレンジイソシアネート、2, 6−トリ
レンジイソシアネート、キシレン−1, 4−ジイソシア
ネート、キシレン−1, 3−ジイソシアネート、4, 4
´−ジフェニルメタンジイソシアネート、2, 4´−ジ
フェニルメタンジイソシアネート、4, 4´−ジフェニ
ルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−
4, 4´−ジイソシアネート、2, 2´−ジフェニルプ
ロパン−4, 4´−ジイソシアネート、3, 3´−ジメ
チルジフェニルメタン−4, 4´−ジイソシアネート、
4, 4´−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−
フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシ
アネート、ナフチレン−1, 4−ジイソシアネート、ナ
フチレン−1, 5−ジイソシアネート、3, 3´−ジメ
トキシジフェニル−4, 4´−ジイソシアネート等の芳
香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシ
アネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイ
ソシアネート、水添化トリレンジイソシアネート、水添
化キシレンジイソシアネート、水添化ジフェニルメタン
ジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネ
ート等の脂環族ジイソシアネート等が挙げられる。
【0024】ポリイソシアネート硬化剤の具体的な例と
しては、日本ポリウレタン工業(株)製コロネートL、
コロネートHL、コロネートHX、コロネートHK、コ
ロネート2030、コロネート3041、等が挙げられ
る。活性水素化合物とポリイソシアネート硬化剤との配
合比は、前者の活性水素基と後者のイソシアネート基の
モル比OH/NCO=1.00/0.50〜1.00/
1.50が好ましく、特に1.00/0.60〜1.0
0/1.40が好ましい。ポリイソシアネート硬化剤の
使用量が少なすぎると樹脂被覆の耐久性が不十分とな
り、多すぎると樹脂被覆は柔軟性に欠けたものとなるの
で、不適当となる。
【0025】次に、本発明におけるポリウレタン系樹脂
被覆の形成原料の配合について述べる。本発明において
ポリウレタン系樹脂被覆の形成は、長鎖ポリオールを含
有する活性水素化合物とポリイソシアネート硬化剤とを
混合し、この混合物を電池(単位セル)特に二次電池の
外装缶の内面、外面、あるいは内外両面に塗布し、反
応、硬化させることによって行うことができる。
【0026】前記の活性水素化合物及びポリイソシアネ
ート硬化剤は常温で液体、固体又は粉状等であってもよ
く、また、導電性金属と樹脂被覆との接着力と共に絶縁
材料としての機能を向上させるため、これらに、必要に
応じて、カップリング剤を添加してポリウレタン系樹脂
被覆を形成させるのも好ましい。さらに、貯蔵時のゲル
化防止の為にエステル・ウレタン交換反応防止剤等のゲ
ル化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、加水分解防止
剤、染料、顔料、レベリング剤、難燃剤、粘度調整剤、
流れ性改良剤、可塑剤、揺変剤、充填剤等を加えてもよ
い。さらに、ポリウレタン系樹脂被覆の形成においてそ
の硬化を早めるために、触媒として、ポリウレタン樹脂
の製造において常用される金属触媒やアミン系触媒など
を併用してもよい。
【0027】次に、本発明において必要に応じて用いら
れるカップリング剤について述べる。このようなカップ
リング剤としては、シランカップリング剤、チタネート
系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等が
挙げられる。ここで、形成されるポリウレタン系樹脂の
固形分100重量部に対するカップリング剤の添加量
は、0.05〜10.00重量部が好ましく、より好ま
しくは0.1〜5.00重量部である。この添加量は、
カップリング剤の外装缶被覆面積と被覆効率等を考慮
し、樹脂被覆の接着力を検討した上で算出されたもので
ある。
【0028】シランカップリング剤としては、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシランなどのビニルシラン化合物や、β−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなど
のエポキシシラン化合物や、γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロ
ピルメチルジメトキシシランなどのアミノシラン化合物
や、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどの
メルカプトシラン化合物などが挙げられる。
【0029】チタネート系カップリング剤としては、イ
ソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロ
ピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソ
プロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタ
ネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファ
イト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシル
ホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリル
オキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシルホスフ
ァイト)チタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェ
ート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチル
パイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピ
ルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタク
リルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソス
テアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ
(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピル
トリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N
−アミドエチルアミノエチル)チタネート、ジクミルフ
ェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイ
ルエチレンチタネート等が挙げられ、具体的には、味の
素(株)製のプレンアクトKR TTS、KR 46
B、KR 55、KR41B、KR 38S、KR 1
38S、KR 238S、KR 338X、KR 1
2、KR 44、KR 9SA、KR 34S等を好適
に用いることができる。
【0030】アルミニウム系カップリング剤としては、
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等が
挙げられ、具体的な商品としては、味の素(株)製プレ
ンアクトAL−M等を好適に用いることができる。
【0031】本発明において使用される金属外装缶は、
ステンレス、銅、アルミニウム、真鍮、鉄等、あるいは
これらにニッケルやコバルト等のメッキが施された導電
性金属製のものである。これらのいずれの導電性金属に
対しても、本発明におけるポリウレタン系樹脂被覆は十
分な接着力を示す。
【0032】絶縁性のポリウレタン系樹脂被覆を電池、
特に二次電池の金属外装缶の内面及び/又は外面に形成
する具体的方法としては、例えば、任意の有機溶媒に前
記の活性水素化合物及びポリイソシアネート硬化剤など
を溶解し、乾燥厚0.1〜10ミクロン程度の塗膜を作
成する方法が、より安価で大量生産に向いている。ま
た、前記のポリウレタン系樹脂被覆を形成するための各
原料を混合し、溶融状態もしくは粉粒状態で金属外装缶
にコーティングしても構わない。前記有機溶媒として
は、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系
溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、メ
チルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶
剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プ
ロピレングリコールメチルエーテルアセテート、エチル
−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテル
エステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の
エーテル系溶剤、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセ
トン、N−メチルピロリドン、フルフラール等が挙げら
れる。
【0033】また、予め前記導電性金属の板に前記のポ
リウレタン系樹脂被覆を形成するための原料混合物を塗
布し硬化させておき、その後、この板を必要な形に変
形、加工することにより外装缶(その必要部品を含む)
を作製することもできる。前記のポリウレタン系樹脂被
覆形成原料混合物を塗布後、40〜80℃の温度で数時
間硬化反応を行うことにより、より速く外装缶の表面に
樹脂被覆を形成することができる。
【0034】本発明の絶縁性の金属外装缶は、例えば図
1〜図3に示すように、正極(1)、負極(2)、セパ
レーター(3)、電解液などの電池要素を収容するもの
であるが、単なる外装缶であるよりも正極(1)又は負
極(2)を兼ねるものであるのが好ましい。図1は、本
発明の一実施形態の二次電池の電極部の構造の一部展開
模式図であり、図2は、本発明の一実施形態の単位セル
(二次電池)において、巻き込んだ電極部を(内面にポ
リウレタン樹脂被覆を設けた)外装缶に納めた状態を示
す模式図であり、図3は、金属製のセンターピン5を電
極部にさし込み、正極端子となるふたにより電解液を封
入した状態を示す、本発明の一実施形態の単位セル(二
次電池)の模式図である。図1〜図3において、(1
a)はアルミ端子(正極)であり、(2a)はアルミ端
子(負極)であり、(4)は外装缶であり、(5)はセ
ンターピンであり、(6)はふたであり、(7)は電極
部である。
【0035】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明により、電導
性金属素材との接着性、耐溶剤性、耐久性等に優れ、外
部と絶縁した金属外装缶、及びそれを用いた電池、特に
二次電池を提供することが可能となった。そのため、本
発明の電池、特に二次電池は、自己放電による消耗が少
なく、大型、大容量とすることが可能となり、電気自動
車用や一般家庭用などのより大きな電力を必要とする用
途に好適に使用することができる。
【0036】
【実施例】次に、本発明の実施例及び比較例について詳
細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定して解釈
されるものではない。特にことわりのない限り、実施例
及び比較例中の部及び%はそれぞれ「重量部」及び「重
量%」を意味する。
【0037】実施例1〜6 ポリエステルジオール(日本ポリウレタン工業(株)
製、ニッポラン800、水酸基価296mgKOH/
g)100部に、ポリイソシアネート硬化剤(日本ポリ
ウレタン工業(株)製、コロネートL、イソシアネート
基含量=13.2%)を166部添加し、更に固形分2
0%となるようにメチルエチルケトン/シクロヘキサノ
ン=1/1(重量比)の混合溶媒を添加して混合し、ス
テンレス板(30mm×120mm)に乾燥厚2〜3ミ
クロンとなるように塗布した。60℃で3時間硬化させ
て、ポリウレタン樹脂被覆を有する実施例1のテストピ
ースを作製した。以下同様にして、表1及び表2に示す
各原料を使用して、ポリウレタン樹脂被覆を有する各テ
ストピースを作製した。なお、実施例2と実施例6のポ
リエステルジオールの構成原料はIP/AA/TMP/
BGであり、実施例3のポリカーボネートジオールはヘ
キサングリコールを使用して得られたポリカーボネート
ジオールであり、実施例4のポリエーテルジオールはP
EGであり、そして実施例5のポリエステルジオールは
ニッポラン800である。
【0038】実施例7〜14 ポリエステルジオール(日本ポリウレタン工業(株)
製、ニッポラン800、水酸基価296mgKOH/
g)100部に、ポリイソシアネート硬化剤(日本ポリ
ウレタン工業(株)製、コロネートL、イソシアネート
基含量=13.2%)166部とアミノシランカップリ
ング剤(日本ユニカー(株)製、A−1100)1.0
部を添加し、更に固形分20%となるようにメチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=1/1(重量比)の混合
溶媒を添加して混合し、ステンレス板(30mm×12
0mm)に乾燥厚2〜3ミクロンとなるように塗布し
た。60℃で3時間硬化させて、ポリウレタン樹脂被覆
を有する実施例7のテストピースを作製した。以下同様
にして、表2〜表4に示す各原料を使用して、ポリウレ
タン樹脂被覆を有する各テストピースを作製した。な
お、実施例8と実施例14のポリエステルジオールの構
成原料はIP/AA/TMP/BGであり、実施例9の
ポリカーボネートジオールはヘキサングリコールを使用
して得られたポリカーボネートジオールであり、実施例
10のポリエーテルジオールはPEGであり、そして実
施例11〜13のポリエステルジオールはニッポラン8
00である。
【0039】比較例1 塩化ビニリデン含有率約90%の塩化ビニリデン・アク
リル酸共重合体に固形分20%となるようにメチルエチ
ルケトン/シクロヘキサノン=1/1(重量比)の混合
溶媒を添加して混合し、前記ステンレス板に乾燥厚2〜
3ミクロンとなるように塗布した。60℃で3時間硬化
させて、塩化ビニリデン・アクリル酸共重合体被覆を有
する比較例1のテストピースを作製した。
【0040】比較例2 塩化ビニル・酢酸ビニル・ビニルアルコール共重合体
(水酸基価250mgKOH/g)100部に、ポリイ
ソシアネート硬化剤(日本ポリウレタン工業(株)製、
コロネートL、イソシアネート基含量=13.2%)を
140部添加し、更に固形分20%となるようにメチル
エチルケトン/シクロヘキサノン=1/1(重量比)の
混合溶媒を添加して混合し、前記ステンレス板に乾燥厚
2〜3ミクロンとなるように塗布した。60℃で3時間
硬化させて、樹脂被覆を有する比較例2のテストピース
を作製した。
【0041】性能試験 前記の各テストピースについて、以下の各性能を測定し
た。これらの結果をまとめて表1〜表4に示す。 [接着性(1)]テストピースの樹脂被覆面について、
接着テープにより剥離試験を行い、以下の基準に従い目
視で評価した。 評価基準 ○:剥離なし ×:一部剥離
【0042】[接着性(2):電解液又は溶媒含浸後の
接着性] テストピースを電解液:プロピレンカーボネート/DE
C/LiBF6 に含浸し、常温で1ヶ月後に接着性評価
を行った。また同様にして、樹脂溶解溶媒:N−メチル
ピロリドンに含浸し、常温で1ヶ月後に接着性評価を行
った。 評価基準 ○:剥離なし △:一部剥離 ×:ほぼ完全に剥離
【0043】[絶縁性]テストピースについて、抵抗測
定器(横河ヒューレットパッカード(株)製16068
A、4329A)を使用して、ドライルーム(25℃、
50%RH)中で印加電圧100Vで直流における電気
抵抗を測定した。また同様の条件で、電解液に浸した場
合についても電気抵抗を測定した。これらの測定結果を
以下の基準に従って評価した。 評価基準 ○:絶縁性良好(測定不能、オーバーレンジ) ×:絶縁性不良(電気抵抗値100MΩ以下)
【0044】[耐久性] テストピースを電解液:プロピレンカーボネート/DE
C/LiBF6 に含浸し、40℃、湿度80%の条件で
1 ヶ月後、及び3ヶ月後の剥離状態と電気抵抗を測定し
た。これらの測定結果を以下の基準に従って評価した。 評価基準 ○:剥離なし、絶縁良好 ×:剥離発生、絶縁不良
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】表1〜表4の結果から、本発明により電池
の保存安定性が大きく改善され、これにより単位セル
(電池)の大型化が可能であることが明らかである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の、二次電池の電極部の
構造を表わす一部展開模式図である。
【図2】 本発明の一実施形態の単位セル(二次電池)
において、巻き込んだ電極部を(内面にポリウレタン樹
脂被覆を設けた)外装缶に納めた状態を示す模式図であ
る。
【図3】 金属製のセンターピンを電極部にさし込み、
正極端子となるふたにより電解液を封入した状態を示
す、本発明の一実施形態の単位セル(二次電池)の模式
図である。
【符号の説明】
1:正極 1a:アルミ端子(正極) 2:負極 2a:アルミ端子(負極) 3:セパレーター 4:外装缶 5:センターピン 6:ふた 7:電極部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性金属からなる電池外装缶の内面及
    び/又は外面に、長鎖ポリオールを含有する活性水素化
    合物と平均官能基数2以上のポリイソシアネート硬化剤
    とを反応させてポリウレタン系樹脂被覆を設けてなるこ
    と、を特徴とする絶縁性の電池外装缶。
  2. 【請求項2】 導電性金属からなる電池外装缶の内面及
    び/又は外面に、カップリング剤の存在下で長鎖ポリオ
    ールを含有する活性水素化合物と平均官能基数2以上の
    ポリイソシアネート硬化剤とを反応させてポリウレタン
    系樹脂被覆を設けてなること、を特徴とする絶縁性の電
    池外装缶。
  3. 【請求項3】 電池要素を絶縁性の金属外装缶内に収容
    してなる電池において、 前記絶縁性の金属外装缶が、導電性金属外装缶の内面及
    び/又は外面に、長鎖ポリオールを含有する活性水素化
    合物と平均官能基数2以上のポリイソシアネート硬化剤
    とを反応させて、ポリウレタン系樹脂被覆を設けた絶縁
    性の金属外装缶であること、を特徴とする前記電池。
  4. 【請求項4】 電池要素を絶縁性の金属外装缶内に収容
    してなる電池において、 前記絶縁性の金属外装缶が、導電性金属外装缶の内面及
    び/又は外面に、カップリング剤の存在下で長鎖ポリオ
    ールを含有する活性水素化合物と平均官能基数2以上の
    ポリイソシアネート硬化剤とを反応させて、ポリウレタ
    ン系樹脂被覆を設けた絶縁性の金属外装缶であること、
    を特徴とする前記電池。
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