JPH10218825A - トリフルオロメトキシ基を含有する化合物とそれを含有する液晶組成物及びその製造方法 - Google Patents

トリフルオロメトキシ基を含有する化合物とそれを含有する液晶組成物及びその製造方法

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JPH10218825A
JPH10218825A JP2556797A JP2556797A JPH10218825A JP H10218825 A JPH10218825 A JP H10218825A JP 2556797 A JP2556797 A JP 2556797A JP 2556797 A JP2556797 A JP 2556797A JP H10218825 A JPH10218825 A JP H10218825A
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trans
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liquid crystal
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JP2556797A
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English (en)
Inventor
Sadao Takehara
貞夫 竹原
Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Tamejirou Hiyama
為次郎 檜山
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DIC Corp
Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリフルオロメトキシ基がシクロヘキサン環
等の飽和環に直結した構造を有する、化学的に安定でか
つ粘性が低い液晶化合物、それを用いた実用的な液晶組
成物、更にその化合物の製造方法を提供する。 【解決手段】 【化1】 一般式(I) (環A:トランス−1,4−シクロへキシレン、1,3
−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル、環B、環C
及び環D:独立に1〜2個のFで置換可能な1,4−フ
ェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、ピリミジン−
2,5−ジイル、ピラジン−2,5−ジイル等、J、
K、L:独立に単結合、CH2CH2、C≡C、CH
2O、OCH2、COO、OCO、m及びn:独立に0、
1、R:1〜2個以上のF、C1〜12のアルコキシル
で置換可能なC1〜16の直鎖、分岐状のアルキル、ア
ルコキシル、C2〜16の直鎖、分岐状のアルケニル、
アルケニルオキシ等、不斉炭素が生じる場合:光学的に
活性であってもラセミ体であってもよい。環Dが芳香環
である場合:Rは水素原子あるいはハロゲン原子を表し
てもよい。)で表される化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電気光学的液晶表示
材料として有用な、トリフルオロメチル基を含有する液
晶性化合物とそれを含む液晶組成物及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子は、時計、電卓をはじめと
して、各種測定機器、自動車用パネル、ワープロ、電子
手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いら
れるようになっている。液晶表示方式としては、その代
表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩
れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲス
ト・ホスト)型あるいは高速応答が可能なFLC(強誘
電性液晶)等を挙げることができる。また駆動方式とし
ても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動
が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近で
はアクティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】これらに用いられる液晶材料としては、こ
れまでにも非常に多種類の化合物が合成されてきてお
り、その表示方式や駆動方式あるいはその用途に応じて
使用されている。液晶化合物は通常コアと呼ばれる中心
骨格部分と両側の側鎖部分から構成されている。通常、
側鎖部分の少なくとも一方は鎖状基であることが多い
が、誘電率異方性が正のいわゆるp型液晶の場合には、
他方の側鎖部分は極性基であることが多い。液晶化合物
に用いられる極性基としては、シアノ基が代表的であ
る。このシアノ基を有する液晶化合物は極性が強く液晶
性にも優れる反面、粘性が比較的大きく、また高い電圧
保持率が得られないため前述のアクティブマトリックス
駆動方式には使用することができないなど問題点も多
い。そのため、極性基としてフッ素原子が用いられるこ
とが多くなっている。この極性基としてフッ素原子を有
する液晶化合物は上記シアノ系の液晶化合物と比較する
と極性が弱く、誘電率異方性こそ小さいけれども、粘性
が小さくまた高い電圧保持率を得ることも容易であるた
め、特にアクティブマトリックス駆動方式に適してい
る。最近、極性基としてトリフルオロメトキシ基を有す
る液晶化合物も報告(特表平2−501311号公報
等)されている。これらは極性基がフッ素原子である場
合とほぼ同様の極性を有することに加えて、高い電圧保
持率を得ることも容易で、さらにより低粘性化が可能で
ある等の優れた特徴を有することから注目されている化
合物である。このトリフルオロメトキシ基を有する液晶
化合物で、現在既に報告されているものは非常に多岐に
およんでいる。しかしながら、これらはすべてトリフル
オロメトキシ基がベンゼン環等の芳香環に直結した化合
物であり、シクロヘキサン環等の飽和環に直結した化合
物は全く報告されていない。ところで、トリフルオロメ
トキシ基に限らず、こうした極性基は通常ベンゼン環等
の芳香環に直結した形で使用される。しかしながら、さ
らに粘性を低減させたり、屈折率異方性を小さく押さえ
たい時等のように、極性基がシクロヘキサン環に直結し
た構造を有するほうがより望ましいと考えられる場合も
存在する。トリフルオロメトキシ基以外の極性基、例え
ばフッ素原子がシクロヘキサン環に直結した構造を有す
る液晶化合物は既に知られており、報告例(ドイツ公開
特許;3328638号等)もある。しかしながら、こ
のような構造の化合物ではフッ素が容易に脱離してシク
ロヘキセン誘導体となりやすいことから全く実用性に欠
けるものであった。ところが、トリフルオロメトキシ基
は脱離基とはなり難いため、シクロヘキサン環等の飽和
環に直結した場合にも安定で、かつ低粘性等の特性も期
待できる。しかしながら、トリフルオロメトキシ基を有
する液晶化合物のこれまでの報告例中に記載された合成
方法では、それが飽和環に直結した構造を有する誘導体
の製造は全く困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、トリフルオロメトキシ基がシクロヘキサン
環等の飽和環に直結した構造を有する、化学的に安定で
かつ粘性が低い液晶化合物を提供することにあり、また
それを用いて、実用的な液晶組成物を提供することにあ
り、さらにその化合物の製造方法をも提供することにあ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、 1.一般式(I)
【0006】
【化3】
【0007】(式中、環Aはトランス−1,4−シクロ
へキシレン基または1,3−ジオキサン−トランス−
2,5−ジイル基を表し、環B、環C及び環Dはそれぞ
れ独立的に1〜2個のフッ素原子により置換されていて
もよい1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイ
ル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,
5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、トラン
ス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シクロヘキ
セニレン基または1,3−ジオキサン−トランス−2,
5−ジイル基を表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に
単結合、−CH2CH2−、−C≡C−、−CH2O−、
−OCH2−、−COO−または−OCO−を表し、m
及びnはそれぞれ独立的に0または1を表し、Rは1個
または2個以上のフッ素原子または炭素原子数1〜12
のアルコキシル基により置換されていてもよい、炭素原
子数1〜16の直鎖または分岐状のアルキル基またはア
ルコキシル基、または炭素原子数2〜16の直鎖または
分岐状のアルケニル基またはアルケニルオキシ基、また
は炭素原子数2〜16の直鎖または分岐状のアルカノイ
ルオキシ基、または炭素原子数1〜16の直鎖または分
岐状のアルコキシカルボニル基を表し、これらは分岐に
より不斉炭素が生じる場合には光学的に活性であっても
ラセミ体であってもよい。また、特に環Dが芳香環であ
る場合にはRは水素原子あるいはハロゲン原子を表して
もよい。)で表されるトリフルオロメトキシ基を含有す
る液晶化合物。 2.一般式(I)において、環Aがトランス−1,4−
シクロヘキシレン基を表すところの上記1記載の化合
物。 3.一般式(I)において、Rが炭素原子数1〜12の
直鎖状アルキル基、あるいは環Dが芳香環の場合にRが
水素原子、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子を表す
ところの上記2記載の化合物。 4.一般式(I)において、環B、環C及び環Dがそれ
ぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子により置換されてい
てもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−シ
クロヘキシレン基またはピリミジン−2,5−ジイル基
を表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に単結合または
−CH2CH2−を表すところの上記3記載の化合物。 5.上記1記載の一般式(I)記載の化合物を含有する
液晶組成物。 6.上記1記載の一般式(I)で表される化合物の製造
方法であって、一般式(II)
【0008】
【化4】
【0009】(式中、環A、環B、環C、環D、J、
K、L、m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意
味を表し、Rは低級アルキル基を表す。)で表されるジ
チオ炭酸エステルをハロニウムイオン発生剤存在下に、
フッ化物イオンと反応させることを特徴とする製造方
法。 7.一般式(II)において、環Aがトランス−1,4
−シクロヘキシレン基を表し、環B、環C及び環Dがそ
れぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子により置換されて
いてもよい1,4−フェニレン基、トランス−1,4−
シクロヘキシレン基またはピリミジン−2,5−ジイル
基を表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に単結合また
は−CH2CH2−を表し、Rが炭素原子数1〜12の直
鎖状アルキル基または環Dが芳香環の場合に、水素原
子、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子を表すところ
の上記6記載の製造方法。を前記解決手段とした。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明の一例について説明
する。一般式(I)において、環Aはトランス−1,4
−シクロへキシレン基または1,3−ジオキサン−トラ
ンス−2,5−ジイル基を表すが、トランス−1,4−
シクロへキシレン基が好ましい。環B、環C及び環Dは
それぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子により置換され
ていてもよい1,4−フェニレン基、ピリジン−2,5
−ジイル基、ピリミジン−2,5−ジイル基、ピラジン
−2,5−ジイル基、ピリダジン−3,6−ジイル基、
トランス−1,4−シクロヘキシレン基、1,4−シク
ロヘキセニレン基または1,3−ジオキサン−トランス
−2,5−ジイル基を表すが、1〜2個のフッ素原子に
より置換されていてもよい1,4−フェニレン基、ピリ
ミジン−2,5−ジイル基またはトランス−1,4−シ
クロヘキシレン基が好ましく、1〜2個のフッ素原子に
より置換されていてもよい1,4−フェニレン基または
トランス−1,4−シクロヘキシレン基が特に好まし
い。J、K及びLはそれぞれ独立的に単結合、−CH2
CH2−、−C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、−
COO−または−OCO−を表すが、単結合または−C
2CH2−が好ましい。m及びnはそれぞれ独立的に0
または1を表すが、m+nは0または1が好ましい。R
は1個または2個以上のフッ素原子または炭素原子数1
〜12のアルコキシル基により置換されていてもよい、
炭素原子数1〜16の直鎖または分岐状のアルキル基ま
たはアルコキシル基、または炭素原子数2〜16の直鎖
または分岐状のアルケニル基またはアルケニルオキシ
基、または炭素原子数2〜16の直鎖または分岐状のア
ルカノイルオキシ基、または炭素原子数1〜16の直鎖
または分岐状のアルコキシカルボニル基を表し、これら
は分岐により不斉炭素が生じる場合には光学的に活性で
あってもラセミ体であってもよく、また、特に環Dが芳
香環である場合にはRは水素原子あるいはハロゲン原子
であってもよいが、炭素原子数1〜12の直鎖状アルキ
ル基またはアルコキシル基あるいは環Dが芳香環の場合
に水素原子、塩素原子、臭素原子あるいはフッ素原子で
あることがあることが好ましく、炭素原子数1〜12の
直鎖状アルキル基が特に好ましい。
【0011】本発明の(I)の化合物は前述の各種表示
方式のいずれにおいても使用可能であるが、特に単純マ
トリックス駆動あるいはアクティブマトリックス駆動の
TN型表示素子、及びSTN表示素子に用いることが適
している。
【0012】本発明の(I)の化合物は以下のようにし
て製造することができるが、本発明はこの製造方法をも
提供するものである。即ち、一般式(II)
【0013】
【化5】
【0014】(式中、環A、環B、環C、環D、J、
K、L、m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意
味を表し、Rは低級アルキル基を表す。)で表されるジ
チオ炭酸エステルをハロニウムイオン発生剤存在下に、
フッ化物イオンと反応させることにより一般式(I)の
化合物を得ることができる。R’は低級アルキル基を表
すが、好ましくは炭素原子数1〜4のアルキル基であ
り、より好ましくは炭素原子数1〜2のアルキル基であ
る。また、ハロニウムイオン発生剤としてはN−ヨード
こはく酸イミド(NIS)、N−ブロモこはく酸イミド
(NBS)、N−クロロこはく酸イミド(NCS)ある
いは1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン
(DBH)等を用いることができ、フッ素イオン源とし
ては(二水素三フッ化テトラブチルアンモニウム(TB
AH23)、フッ化水素−ピリジン錯体(HF−Py)
あるいはフッ化水素−メラミン錯体(HF−mel)等
を用いることができる。
【0015】ここで原料として用いた(II)のジチオ
炭酸エステルは対応する一般式(III)
【0016】
【化6】
【0017】(式中、環A、環B、環C、環D、J、
K、L、m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意
味を表す。)で表されるシクロアルカノールを強塩基存
在下に二硫化炭素と反応させ、次いでアルキル化剤と反
応させることにより容易に得ることができる。ここで強
塩基としては水素化ナトリウム等のアルカリ金属水素化
物、ブチルリチウム等のアルキルリチウム、ジイソプロ
ピルアミノリチウム等のリチウムアミド、t−ブトキシ
カリウム等のアルコラートが好ましく、メチル化剤とし
てはヨウ化メチル、ヨウ化エチル、臭化メチル、臭化エ
チル、硫酸ジメチルまたはp−トルエンスルホン酸メチ
ル等が好ましい。一般式(I)または(II)における
環A、環B、環C、環D、J、K、LあるいはRの選択
によっては、上記(II)のトリフルオロメトキシ化で
は(I)が充分には得られにくい場合も存在する。例え
ば、環B、環Cあるいは環Dが芳香環である場合にはハ
ロニウムイオンによって、その芳香環がハロゲン化され
る場合がある。その場合には得られたハロゲン化物をブ
チルリチウム等のアルキルリチウムでリチオ化した後、
プロトン化することにより(I)の化合物を得ることが
できる。また、Rがアルケニル基またはアルケニルオキ
シ基の場合にはやはり、ハロニウムイオンにより二重結
合がハロゲン化される可能性がある。その場合にはあら
かじめ、その二重結合をジオール等に変換して保護して
おくか、生成したハロゲン化物を脱ハロゲン化して二重
結合を再生成させる必要がある。また、Jが−COO−
の場合には以下のようにして、即ち縮合剤存在下に、一
般式(VI)
【0018】
【化7】
【0019】(式中、環Aは一般式(I)におけると同
じ意味を表す。)で表されるカルボン酸と一般式(V)
【0020】
【化8】
【0021】(式中、環B、環C、環D、J、K、L、
m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意味を表
す。)で表されるヒドロキシ化合物を縮合させることに
よっても得ることができる。あるいは(VI)を塩化チ
オニル等の塩素化剤と反応させて酸塩化物とした後に塩
基存在下に(V)と反応させてもよい。ここで、(V
I)のカルボン酸はカルボキシル基を保護したシクロア
ルカノール(VII)
【0022】
【化9】
【0023】(式中、環Aは一般式(I)におけると同
じ意味を表し、Zはベンジルエステル等の保護されたカ
ルボキシル基を表す。)を同様にしてトリフルオロメト
キシ化して次いで脱保護基することにより得ることがで
きる。また、Jが−OCO−を表す場合には、一般式
(VIII)
【0024】
【化10】
【0025】(式中、環Aは一般式(I)におけると同
じ意味を表す。)で表されるシクロアルカノールと一般
式(IX)
【0026】
【化11】
【0027】(式中、環B、環C、環D、J、K、L、
m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意味を表
す。)で表されるカルボン酸とを縮合剤存在下に縮合さ
せることによっても得ることができる。あるいは(I
X)を塩化チオニル等の塩素化剤と反応させて酸塩化物
とした後に塩基存在下に(VIII)と反応させてもよ
い。ここで、(VIII)のシクロアルカノールは一方
の水酸基を保護したシクロアルカノール(X)
【0028】
【化12】
【0029】(式中、環Aは一般式(I)におけると同
じ意味を表し、Z’はベンジルエーテル等の保護された
水酸基を表す。)を同様にしてトリフルオロメトキシ化
して次いで脱保護基することにより得ることができる。
【0030】また、一般式(I)において、Kあるいは
Lが−COO−あるいは−OCO−を表す場合にも同様
にして、製造することができる。また、Jが−OCH2
−の場合には(VIII)のシクロヘキサノールを塩基
存在下に、一般式(XI)
【0031】
【化13】
【0032】(式中、環B、環C、環D、J、K、L、
m、n及びRは一般式(I)におけると同じ意味を表
し、Wは塩素、臭素、ヨウ素あるいはp−トルエンスル
ホニル基等の脱離基を表す。)で表される化合物と反応
させることにより得ることができる。また、Jが−CH
2O−の場合には(V)の化合物を塩基存在下に、一般
式(XII)
【0033】
【化14】
【0034】(式中、環Aは一般式(I)におけると同
じ意味を表し、Wは塩素、臭素、ヨウ素あるいはp−ト
ルエンスルホニル基等の脱離基を表す。)で表される化
合物と反応させることにより得ることができる。
【0035】また、一般式(I)において、Kあるいは
Lが−OCH2−あるいは−CH2O−を表す場合にも同
様にして、製造することができる。斯くして製造された
一般式(I)で表される化合物の代表例を第1表に掲げ
る。
【0036】
【表1】
【0037】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、SAはスメクチックA相を、SXは帰属不明のス
メクチック相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表す。ま
た、1,4−シクロへキシレン基はトランス配置であ
る。相転移温度は「℃」である。) 本発明の一般式(I)の化合物の構造的に最も大きい特
徴は、側鎖としてシクロヘキサン環等の飽和環に直結し
たトリフルオロメトキシ基を有することである。前述の
ように側鎖としてベンゼン環に直結したトリフルオロメ
トキシ基を有する液晶化合物は既に報告されており、ま
た、シクロヘキサン環にフッ素原子等の他の極性基が直
結した液晶化合物も報告例がある。しかしながら、本化
合物においてはこの特徴によって、前者における粘性を
さらに低減し、後者における化学的安定性を増大させ
て、液晶組成物としての使用時の問題を解消し、その実
用性を大きく高めることを可能としたものである。第1
表からわかるように一般式(I)で表される化合物は3
環型以上の場合にはその多くは液晶性を示し、また2環
型の場合には液晶性は示しにくいが、他の汎用の液晶組
成物に添加した場合における液晶上限温度の降下度合い
は比較的小さい。従って、他の液晶化合物との混合物の
状態で、特にTN型やSTN型といった電界効果型表示
セルの材料として、好適に用いることができる。本発明
の(I)の化合物を液晶組成物の成分として用いること
による効果を以下に示す。第1表に示された(I−1)
【0038】
【化15】
【0039】を80℃に保ち10時間放置した後、室温
に戻してガスクロマトグラフィー(GC)でその化学純
度を測定したが、不純物の生成は観察できなかった。こ
れに対して、(I−1)と類似の構造を有するが、極性
基がフッ素原子であるトランス−4’−プロピル−トラ
ンス−4−フルオロビシクロヘキサン(A−1)
【0040】
【化16】
【0041】を同様に80℃に保ち10時間放置した
後、GC測定を行ったところ、(A−1)はほとんど消
失していた。従って、(I−1)は(A−1)と比較し
て高い化学的安定性を有していることがわかる。次に、
この(I−1)20重量%及び温度範囲が広く低粘性ホ
スト液晶として特にアクティブマトリックス駆動に好適
なホスト液晶(H)
【0042】
【化17】
【0043】80重量%からなるネマチック液晶組成物
(M−1)を調製したところ、液晶相上限温度
(TN-I)は90.1℃であった。この(M−1)を同
様に80℃で10時間放置した後にその転移温度を測定
したが、90.0℃で加熱前とほとんど変化がなかっ
た。また、この組成物の電圧保持率は調製時も加熱後も
ホスト液晶(H)と同様に充分高い値を示した。
【0044】次に、セル厚4.5μmのTNセルに充填
して液晶素子を作成し、その電気光学特性を測定したと
ころ、以下の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I) 90.1℃ 誘電率異方性(Δε) 5.17 屈折率異方性(Δn) 0.078 閾値電圧(Vth) 1.71V 応答時間(τ) 17.3m秒 一方、ホスト液晶(H)単独での物性値並びに電気光学
特性は以下の通りである。
【0045】 ネマチック相上限温度(TN-I) 116.7℃ 誘電率異方性(Δε) 4.80 屈折率異方性(Δn) 0.090 閾値電圧(Vth) 1.88V 応答時間(τ) 21.5m秒 ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下が
り時間(τd)が等しくなる電圧印加時の応答時間であ
る。(M−1)の応答時間はホスト液晶(H)と比較す
ると20%も低減されており、(I−1)の化合物の粘
性が非常に小さいことがわかる。また、誘電率異方性は
ホスト液晶(H)よりもむしろ大きく、そのため閾値電
圧も低減されている。また、屈折率異方性は(I−1)
がp型の液晶化合物であるにもかかわらず、(M−1)
ではかなり低減されていることもわかる。これに対し
て、(I−1)と類似の化学構造を有するが、トリフル
オロメトキシ基がメトキシ基に置換した化合物(B−
1)
【0046】
【化18】
【0047】20重量%及び(H)80重量%からなる
液晶組成物(RB−1)を調製した。この(RB−1)
の物性値並びに電気光学特性は以下の通りであった。 ネマチック相上限温度(TN-I) 93.6℃ 誘電率異方性(Δε) 3.61 屈折率異方性(Δn) 0.077 閾値電圧(Vth) 1.98V 応答時間(τ) 26.8m秒 以上から明らかなように、ネマチック相上限温度はわず
かに高くなっているものの、応答時間は全く改善できて
おらず、むしろホスト液晶(H)よりもかなり遅くなっ
ていることがわかる。また、(B−1)は極性基を有し
ないn型の液晶であるので、誘電率異方性は小さくなり
そのため閾値電圧も15%以上も高くなっていることが
わかる。
【0048】以上のように一般式(I)の化合物は、
イ)粘性が低く高速応答が可能で、かつロ)閾値電圧が
低く低電圧駆動が可能であり、ハ)屈折率異方性が小さ
くさらに、ニ)電圧保持率が高くアクティブマトリック
ス駆動も充分可能であるような液晶組成物の調製するう
えにおいて非常に有用であることがわかる。
【0049】このように、一般式(I)で表される化合
物と混合して使用することのできるネマチック液晶化合
物の好ましい代表例としては、例えば、安息香酸フェニ
ル誘導体、シクロヘキサンカルボン酸フェニル誘導体、
シクロヘキサンカルボン酸ビフェニル−4−イル誘導
体、シクロヘキサンカルボニルオキシ安息香酸フェニル
誘導体、シクロヘキシル安息香酸フェニル誘導体、シク
ロヘキシル安息香酸シクロヘキシル誘導体、ビフェニル
誘導体、シクロヘキシルベンゼン誘導体、テルフェニル
誘導体、ビシクロヘキサン誘導体、4−シクロヘキシル
ビフェニル誘導体、4−フェニルビシクロヘキサン誘導
体、テルシクロヘキサン誘導体、1,2−ジシクロヘキ
シルエタン誘導体、1,2−ジフェニルエタン誘導体、
1,2−ジフェニルエチン誘導体、(2−シクロヘキシ
ルエチル)ベンゼン誘導体、4−フェネチルビシクロヘ
キサン誘導体、4−(2−シクロヘキシルエチル)ビフ
ェニル誘導体、1−(4−フェニル)シクロヘキシル−
2−シクロヘキシルエタン誘導体、1−(4−シクロヘ
キシルフェニル)−2−フェニルエチン誘導体、フェニ
ルピリミジン誘導体、(4−ビフェニル−4−イル)ピ
リミジン誘導体、フェニルピリジン誘導体、(4−ビフ
ェニル−4−イル)ピリジン誘導体、などを挙げること
ができる。
【0050】これらのうち、特にアクティブマトリック
ス駆動用としてはビフェニル誘導体、シクロヘキシルベ
ンゼン誘導体、テルフェニル誘導体、ビシクロヘキサン
誘導体、4−シクロヘキシルビフェニル誘導体、4−フ
ェニルビシクロヘキサン誘導体、テルシクロヘキサン誘
導体、1,2−ジシクロヘキシルエタン誘導体、1,2
−ジフェニルエタン誘導体、1,2−ジフェニルエチン
誘導体、(2−シクロヘキシルエチル)ベンゼン誘導
体、4−フェネチルビシクロヘキサン誘導体、4−(2
−シクロヘキシルエチル)ビフェニル誘導体、1−(4
−フェニル)シクロヘキシル−2−シクロヘキシルエタ
ン誘導体、1−(4−シクロヘキシルフェニル)−2−
フェニルエチン誘導体が好ましい。
【0051】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に
説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定され
るものではない。なお、相転移温度の測定は温度調節ス
テージを備えた偏光顕微鏡および示差走査熱量計(DS
C)を併用して行った。また、化合物の構造は核磁気共
鳴スペクトル(1H−NMR、13C−NMR、19F−N
MR)、赤外共鳴スペクトル(IR)、質量スペクトル
(MS)等により確認した。NMRにおけるCDCl3
は溶媒を表し、Me4Siは内部標準を表し、sは1重
線、dは2重線、tは3重線、mは多重線をそれぞれ表
し、例えばttは3重の3重線を表し、Jはカップリン
グ定数を表す。 (実施例1) トランス−4−(3,4−ジフルオロ
フェニル)−トランス−4’−トリフルオロメトキシビ
シクロヘキサン(第1表中No.(I−4)の化合物)
の合成 (1−1) トランス−4’−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)ビシクロヘキサン−トランス−4−オールの合
【0052】
【化19】
【0053】水素化アルミニウムリチウム(1.70
g,45.0mmol)のテトラヒドロフラン(TH
F)(60mL)懸濁液を氷浴で冷却し、反応溶液を激
しくかき混ぜながらトランス−4’−(3,4−ジフル
オロフェニル)ビシクロヘキサン−4−オン(8.77
g,30.0mmol)のTHF(40mL)溶液を徐
々に滴下した。滴下後,同温で15分間かき混ぜた後、
水(1.7mL)次いで30%水酸化ナトリウム水溶液
(1.7mL)をゆっくり加えて反応を停止した。室温
で30分間激しくかき混ぜた後、水(5.1mL)を加
えてさらに30分間室温で激しくかき混ぜた。ついで、
白色懸濁液にセライト、無水硫酸マグネシウムおよびジ
エチルエーテルを加えてスラリーにし、さらに1時間激
しくかき混ぜた。ついで、懸濁液を吸引ろ過し、濾液を
減圧下濃縮した。得られた白色固体をヘキサン/酢酸エ
チルから再結晶することにより白色針状結晶として表記
化合物(7.57g,25.7mmol)を収率86%
で得た。
【0054】トランス−4’−(3,4−ジフルオロフ
ェニル)ビシクロヘキサン−トランス−4−オール1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.98−1.49(m,10H),1.66−2.1
1(m,8H),2.41(tt,J=3,12Hz,
1H),3.54(tt,J=4,10Hz,1H),
6.82−7.11(m,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl3) −139.2(ddd,J=8,12,21Hz,1
F),−143.0(dddd,J=5,8,10,2
1Hz,1F) (1−2) O−[トランス−4’−(3,4−ジフル
オロフェニル)ビシクロヘキサン−トランス−4−イ
ル]ジチオ炭酸−S−メチルの合成
【0055】
【化20】
【0056】上記(1−1)で得たトランス−4’−
(3,4−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキサン−ト
ランス−4−オール(23.6g,80.0mmol)
のTHF(160mL)溶液を氷浴で冷却し、反応溶液
を激しくかき混ぜながら水素化ナトリウム(60%,
3.84g,96.0mmol)を徐々に加えた。反応
溶液を室温で1時間かき混ぜた後、反応溶液に二硫化炭
素(9.6mL,160mmol)を滴下し、室温で1
0時間かき混ぜた。ついで,反応懸濁液にヨウ化メチル
(6.0mL,96.0mmol)を徐々に滴下した。
滴下後、室温で1時間かき混ぜた後、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで
3回抽出した。有機層を併せ、飽和塩化ナトリウム水溶
液で洗った後、無水硫酸ナトリウムを加えて有機層を乾
燥した。有機層をセライトろ過、ついで濾液を減圧濃縮
し、得られた黄色固体をヘキサン/エタノールから再結
晶させて淡黄色結晶として表記化合物(26.5g,6
8.8mmol)を収率86%で得た。
【0057】O−[トランス−4’−(3,4−ジフル
オロフェニル)ビシクロヘキサン−トランス−4−イ
ル]ジチオ炭酸−S−メチル1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 1.00−1.30(m,6H),1.31−1.61
(m,4H),1.76−1.98(m,6H),2.
14−2.30(m,2H),2.41(tt,J=
3,12Hz,1H),2.55(s,3H),5.4
5(tt,J=4,11Hz,1H),6.84−7.
07(m,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl3) −139.1(ddd,J=8,12,21Hz,1
F),−143.0(dddd,J=4,8,10,2
1Hz,1F) (1−3) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェ
ニル)−トランス−4’−トリフルオロメトキシビシク
ロヘキサンの合成(A)
【0058】
【化21】
【0059】N−ブロモこはく酸イミド(NBS)(8
90mg,5.0mmol)のジクロロメタン(2.0
mL)溶液をドライアイス/アセトニトリル浴で−42
℃に冷却し、これにピリジン(0.46mL)、ついで
70%フッ化水素ピリジン錯体(HF/Py)(1.0
mL)を滴下した。滴下後、反応溶液を氷浴中で5分間
激しくかき混ぜた。ついで同温で反応溶液中にO−[ト
ランス−4’−(3,4−ジフルオロフェニル)ビシク
ロヘキサン−トランス−4−イル]ジチオ炭酸−S−メ
チル(384mg,1.00mmol)のジクロロメタ
ン(2.0mL)溶液を徐々に滴下した。滴下後、反応
混合液を同温で1時間かき混ぜ、炭酸水素ナトリウム/
亜硫酸水素ナトリウム/水酸化ナトリウム水溶液(pH
=10)を加えて反応を停止し、ジエチルエーテルで3
回抽出した。有機層を併せ、飽和塩化ナトリウム水溶液
で洗った後、無水硫酸ナトリウムを加えて有機層を乾燥
した。有機層をセライトろ過した後、濾液を減圧濃縮
し、残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(展開
溶媒:シクロヘキサン)で精製することにより表記化合
物(154mg,0.42mmol)を収率42%で得
た。 (1−4) トランス−4−(3,4−ジフルオロフェ
ニル)−トランス−4’−トリフルオロメトキシビシク
ロヘキサンの合成(B)
【0060】
【化22】
【0061】フッ化水素カリウム(KHF2,1.17
g,15.0mmol)及び1,3−ジブロモ−5,5
−ジメチルヒダントイン(DBH,1.43g,5.0
mmol)のジクロロメタン(2.5mL)懸濁液をド
ライアイス/アセトニトリル浴で−42℃に冷却し、そ
こへ70%フッ化水素ピリジン錯体(HF/Py)
(1.0mL)を滴下した。滴下後、反応溶液の温度を
室温に戻し、5分間激しくかき混ぜた。ついで反応溶液
を−42℃に冷却し、O−[トランス−4’−(3,4
−ジフルオロフェニル)ビシクロヘキサン−トランス−
4−イル]ジチオ炭酸−S−メチル(384mg,1.
00mmol)のジクロロメタン(1.5mL)溶液を
徐々に滴下した。滴下後、反応混合液を同温で1時間か
き混ぜ、炭酸水素ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム及
び水酸化ナトリウム水溶液(pH=10)を順次加えて
反応を停止し、ジエチルエーテルで3回抽出した。有機
層を併せ、飽和塩化ナトリウム水溶液で洗った後、無水
硫酸ナトリウムを加えて有機層を乾燥した。有機層をセ
ライトろ過した後、濾液を減圧濃縮し、残渣をフラッシ
ュカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:シクロヘキサ
ン)で精製することにより表記化合物(112mg,
0.31mmol)を収率31%で得た。 トランス−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−トラ
ンス−4’−トリフルオロメトキシビシクロヘキサン 融点:43℃1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.96−1.26(m,6H),1.30−1.62
(m,4H),1.72−1.86(m,6H),2.
06−2.20(m,2H),2.41(tt,J=
3,12Hz,1H),4.09(tt,J=5,11
Hz,1H),6.82−7.18(m,3H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl3) −58.1(s,3F),−139.1(dddd,J
=1,8,12,21Hz,1F),−142.9(d
ddd,J=3,7,12,21Hz,1F) (実施例2) トランス−4’−プロピル−トランス
−4−トリフルオロメトキシビシクロヘキサン(第1表
中No.(I−1)の化合物)の合成 (2−1) トランス−4’−プロピルビシクロヘキサ
ン−トランス−4−オールの合成 トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン−4−オン
(2.241g,10.0mmol)から,実施例(1
−1)と同様にして、表記化合物(1.41g,6.3
0mmol)および、トランス−4’−プロピルビシク
ロヘキサン−シス−4−オール(349mg,1.56
mmol)をそれぞれ収率63%、16%で得た。
【0062】トランス−4’−プロピルビシクロヘキサ
ン−トランス−4−オール1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.79−1.38(m,18H),1.61−1.8
4(m,7H),1.91−2.08(m,2H),
3.51(tt,J=5,10Hz,1H) (2−2) O−[トランス−4’−プロピルビシクロ
ヘキサン−トランス−4−イル]ジチオ炭酸−S−メチ
ルの合成 実施例(1−2)と同様にして、トランス−4’−プロ
ピルビシクロヘキサン−トランス−4−オール(6.7
8g,30.2mmol)から表記化合物(7.49
g,23.8mmol)を収率79%で得た。
【0063】O−[トランス−4’−プロピルビシクロ
ヘキサン−トランス−4−イル]ジチオ炭酸−S−メチ
1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.73−1.55(m,15H),1.62−1.9
3(m,6H),2.20−2.35(m,2H),
2.53(s,3H),5.43(tt,J=4.5,
11.0Hz,1H)13 C−NMR(50.3MHz,CDCl3) 14.4,18.7,20.0,27.8,30.1,
31.2,33.4,37.5,39.7,42.1,
42.6,83.5,215.1 (2−3) トランス−4’−プロピル−トランス−4
−トリフルオロメトキシビシクロヘキサンの合成 実施例(1−3)と同様の操作により、O−[トランス
−4’−プロピルビシクロヘキサン−トランス−4−イ
ル]ジチオ炭酸−S−メチル(315mg,1.00m
mol)から表記化合物(118mg,0.404mm
ol)を収率40%で得た。
【0064】トランス−4’−プロピル−トランス−4
−トリフルオロメトキシビシクロヘキサン1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.87(t,J=7Hz,3H),0.75−1.9
2(m,19H),2.00−2.28(m,4H),
4.07(tt,J=5,11Hz,1H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl3) −58.0(s,3F) (実施例3) トランス−4”−プロピル―トランス―
4−トリフルオロメトキシ−トランス−1,1’:
4’,1”−テルシクロヘキサンの合成 (3−1) トランス−4”−プロピル−トランス−
1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス
−4−オールの合成(A) トランス−4”−プロピル−トランス−1,1’:
4’,1”−テルシクロヘキサン−4−オン(6.83
g,22.4mmol)から実施例(1−1)と同様に
して、ただし精製はおこない、表記化合物2.47g
(8.04mmol,収率36%)及びトランス−4”
−プロピル−トランス−1,1’:4’,1”−テルシ
クロヘキサン−シス−4−オール0.75g(2.43
mmol,収率11%)を得た。 (3−2)トランス−4”−プロピル−トランス−1,
1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス−4
−オールの合成(B) 4−(トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン−ト
ランス−4−イル)フェノール(4.19g,13.9
mmol)及び10%Pd/C(1.87g)の酢酸エ
チル100mL懸濁液を水素雰囲気下(20atm)に
70℃で1日間激しく攪拌した。不溶のPd/Cをセラ
イト濾過によりのぞき、1Lのジクロロメタンで洗って
濾液とあわせ、減圧下に濃縮した。残渣をフラッシュシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル/酢酸エチル=5/1/1)で精製し
て、表記化合物1.29g(4.25mmol,収率3
1%)及びトランス−4”−プロピル−トランス−1,
1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−シス−4−オ
ール2.01g(6.63mmol,収率48%)を得
た。
【0065】トランス−4”−プロピル−トランス−
1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス
−4−オール1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.79−1.41(m,23H),0.86(t,J
=7.1Hz,3H),1.57−1.85(m,9
H),1.87−2.05(m,2H),3.46−
3.54(m,1H) (3−3) O−(トランス−4”−プロピル−トラン
ス−1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トラ
ンス−4−イル)ジチオ炭酸−S−メチルの合成 トランス−4”−プロピル−トランス−1,1’:
4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス−4−オー
ル(305mg,1.00mmol)のTHF(5.0
mL)懸濁液を0℃で激しくかき混ぜながら、ブチルリ
チウム(1.5M,1.0mL,1.5mmol)を徐
々に加えた。反応液を室温で1時間かき混ぜた後、二硫
化炭素(0.12mL,2.0mmol)を滴下し、室
温で16時間かき混ぜた。次いで反応懸濁液にヨウ化メ
チル(0.09mL,1.5mmol)を徐々に滴下し
た。滴下終了後、室温で4時間かき混ぜた後、飽和塩化
アンモニウム水溶液を加えて、反応を停止し、ジエチル
エーテルで3回抽出した。有機層を併せ、飽和食塩水で
洗滌し、無水硫酸ナトリウムを加えて乾燥した。セライ
ト濾過後、濾液を減圧下に濃縮し、フラッシュシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン)で
精製して、表記化合物269mg(0.678mmo
l,収率68%)を得た。
【0066】O−(トランス−4”−プロピル−トラン
ス−1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トラ
ンス−4−イル)ジチオ炭酸−S−メチル1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) δ0.86(t,J=7.1Hz,3H),0.72−
1.58(m,23H),1.60−1.88(m,8
H),2.05−2.25(m,2H),5.43(t
t,J=4.5,11.0Hz,1H) MS(70eV,EI−DI),m/z(rel. i
ntensity),397(M+,2),287
(3),286(20),203(2),202
(4),160(13),146(16),135(1
1),121(26),108(31),94(4
2),83(67),81(98),69(94),6
7(100) (3−4) トランス−4”−プロピル―トランス―4
−トリフルオロメトキシ−トランス−1,1’:4’,
1”−テルシクロヘキサンの合成 O−(トランス−4”−プロピル−トランス−1,
1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス−4
−イル)ジチオ炭酸−S−メチル133mg(0.33
6mmol)から実施例(1−3)と同様にして、表記
化合物43.4mg(0.116mmol,収率34
%)を得た。 トランス−4”−プロピル―トランス―4−トリフルオ
ロメトキシ−トランス−1,1’:4’,1”−テルシ
クロヘキサン1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.87(t,J=7.1Hz,3H),0.77−
1.58(m,23H),1.65−1.90(m,8
H),2.05−2.18(m,2H),4.07(t
t,J=4.6,11.2Hz,1H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl
3) δ−58.13(s,3F) (実施例4) 4−(トランス−4−トリフルオロメ
トキシ)シクロヘキシル−4’−プロピルビフェニル
(第1表中No.(I−3)の化合物)の合成 (4−1) トランス−4−(4’−プロピルビフェニ
ル−4−イル)シクロヘキサノールの合成 実施例(1−1)と同様にして、トランス−4−(4’
−プロピルビフェニル−4−イル)シクロヘキサノン
(17.6g,60.0mmol)から表記化合物(1
1.5g,38.9mmol)を収率65%で得た。
【0067】トランス−4−(4’−プロピルビフェニ
ル−4−イル)シクロヘキサノール 1H−NMR(20
0MHz,CDCl3,Me4Si) 0.97(t,J=7Hz,3H),1.33−1.7
8(m,7H),1.88−2.19(m,4H),
2.42−2.70(m,3H),3.58−3.79
(m,1H),7.20−7.27(m,4H),7.
43−7.53(m,4H) (4−2) O−[トランス−4−(4’−プロピルビ
フェニル−4−イル)シクロヘキシル]ジチオ炭酸−S
−メチルの合成 実施例(1−2)と同様にして、トランス−4−(4’
−プロピルビフェニル−4−イル)シクロヘキサノール
(7.52g,25.6mmol)から表記化合物
(9.31g,24.2mmol)を収率95%で得
た。 O−[トランス−4−(4’−プロピルビフェニル−4
−イル)シクロヘキシル]ジチオ炭酸−S−メチル1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) δ0.96(t,J=7.3Hz,3H),1.59−
1.80(m,6H),1.86−2.12(m,2
H),2.24−2.42(m,2H),2.53
(s,3H),2.50−2.64(m,3H),5.
52−5.67(m,1H),7.19−7.24
(m,4H),7.45−7.51(m,4H)13 C−NMR(50.3MHz,CDCl3) δ13.8,18.8,24.4,31.3,32.
0,37.6,42.8,82.6,126.7,12
6.9,127.0,128.8,138.2,13
9.1,141.5,144.6,215.2 (4−3) 4−(トランス−4−トリフルオロメトキ
シ)シクロヘキシル−4’−プロピルビフェニルの合成 実施例(1−3)と同様の操作によりトランス−4−
(4’−プロピルビフェニル−4−イル)シクロヘキサ
ノール(3.85g,10.0mmol)から表記化合
物(904mg,2.50mmol)を収率25%で得
た。 4−(トランス−4−トリフルオロメトキシ)シクロヘ
キシル−4’−プロピルビフェニル 相転移温度:72℃(融点,Cr→SX),101℃
(SX−SA),135℃(SA−I)1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.97(t,J=7Hz,3H),1.42−1.8
0(m,6H),1.94−2.12(m,2H),
2.18−2.32(m,2H),2.43−2.68
(m,3H),4.24(tt,J=5,11Hz,1
H),7.22−7.25(m,4H),7.46−
7.53(m,4H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl
3) −58.13(s,3F) (実施例5) 化合物の安定性試験 実施例2で得た(I−1)
【0068】
【化23】
【0069】の化合物(純度97.3%,残りはシス
体)を80℃に加熱し10時間放置した。室温まで冷却
後、ガスクロマトグラフィー(GC)でその純度を測定
したが、新しい不純物の生成は観察されず、加熱前と同
様の純度であった。 (比較例1)トランス−4’−プロピル−トランス−4
−フルオロビシクロヘキサンの安定性 (I−1)と類似の構造を有するが、極性基がフッ素原
子であるトランス−4’−プロピル−トランス−4−フ
ルオロビシクロヘキサン(A−1)
【0070】
【化24】
【0071】(この化合物は実施例2で得られたトラン
ス−4’−プロピルビシクロヘキサン−シス−4−オー
ルをジエチルアミノトリフルオロ硫黄(DAST)と反
応させることにより得た。)を実施例5と同様に80℃
に加熱し10時間放置した。室温まで冷却後、ガスクロ
マトグラフィー(GC)でその純度を測定したところ、
(A−1)はほとんど消失していることが観察された。
従って、(I−1)は(A−1)のように極性基がフッ
素原子である化合物と比較しても極めて安定であること
がわかる。 (実施例6) 液晶組成物の調製 低粘性で温度範囲の広いネマチック液晶として特にアク
ティブマトリックス駆動用に好適なホスト液晶(H)
【0072】
【化25】
【0073】(シクロヘキサン環はトランス配置であ
る)は116.7℃以下でネマチック相を示した。この
(H)をセル厚4.5μmのTNセルに充填して液晶素
子を作成して測定したその電気光学特性は以下の通りで
ある。
【0074】 ネマチック相上限温度(TN-I) 116.7℃ 誘電率異方性(Δε) 4.80 屈折率異方性(Δn) 0.090 閾値電圧(Vth) 1.88V 応答時間(τ) 21.5m秒 ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下が
り時間(τd)が等しくなる電圧印加時の応答時間であ
る。
【0075】次に、ホスト液晶(H)80重量%及び
(I−1)20重量%からなるネマチック液晶組成物
(M−1)を調製した。その液晶相上限温度(TN-I
は90.1℃であった。この(M−1)を同様に80℃
で10時間放置した後にその転移温度を測定したが、9
0.0℃で加熱前とほとんど変化がなかった。また、こ
の組成物の電圧保持率は調製時も加熱後もホスト液晶
(H)と同様に充分高い値を示した。
【0076】同様にして液晶素子を作製し、その電気光
学特性を測定した。 ネマチック相上限温度(TN-I) 90.1℃ 誘電率異方性(Δε) 5.17 屈折率異方性(Δn) 0.078 閾値電圧(Vth) 1.71V 応答時間(τ) 17.3m秒 (M−1)の応答時間はホスト液晶(H)と比較すると
20%も低減されており、(I−1)の化合物の粘性が
非常に小さいことがわかる。また、誘電率異方性はホス
ト液晶(H)よりもむしろ大きく、そのため閾値電圧も
低減されている。また、屈折率異方性は(I−1)がp
型の液晶化合物であるにもかかわらず、(M−1)では
かなり低減されていることもわかる。 (比較例2)実施例6において(I−1)の化合物に換
えて、類似した構造を有するがトリフルオロメチル基が
メトキシ基に置換した化合物である(B−1)
【0077】
【化26】
【0078】20重量%及びホスト液晶80重量%から
なるネマチック液晶組成物(RB−1)を調製した。こ
の(RB−1)の物性値並びに電気光学特性は以下の通
りであった。
【0079】 ネマチック相上限温度(TN-I) 93.6℃ 誘電率異方性(Δε) 3.61 屈折率異方性(Δn) 0.077 閾値電圧(Vth) 1.98V 応答時間(τ) 26.8m秒 以上から明らかなように、ネマチック相上限温度はわず
かに高くなっているものの、応答時間は全く改善できて
おらず、むしろホスト液晶(H)よりもかなり遅くなっ
ていることがわかる。また、(B−1)は極性基を有し
ないn型の液晶であるので、誘電率異方性は小さくなり
そのため閾値電圧も15%以上も高くなっていることが
わかる。
【0080】以上のように一般式(I)の化合物は、
イ)粘性が低く高速応答が可能で、かつロ)閾値電圧が
低く低電圧駆動が可能であり、ハ)屈折率異方性が小さ
くさらに、ニ)電圧保持率が高くアクティブマトリック
ス駆動も充分可能であるような液晶組成物の調製するう
えにおいて非常に有用であることがわかる。
【0081】
【発明の効果】本発明に係わる一般式(I)で表される
化合物は、実施例に示したように工業的にも容易に製造
でき、熱、光、水等に対し、化学的に安定であり、現在
汎用されている液晶化合物あるいは組成物との相溶性に
も優れている。しかも(I)は、イ)粘性が低く高速応
答が可能で、かつロ)閾値電圧が低く低電圧駆動が可能
であり、ハ)屈折率異方性が小さくさらに、ニ)電圧保
持率が高くアクティブマトリックス駆動も充分可能であ
るような液晶組成物の調製するうえにおいて非常に有用
であることがわかる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】
【表1】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】(表中、Crは結晶相を、Nはネマチック
相を、SAはスメクチックA相を、SBはスメクチック
B相を、SXは帰属不明のスメクチック相を、Iは等方
性液体相をそれぞれ表す。また、1,4−シクロへキシ
レン基はトランス配置である。相転移温度は「℃」であ
る。) 本発明の一般式(I)の化合物の構造的に最も大きい特
徴は、側鎖としてシクロヘキサン環等の飽和環に直結し
たトリフルオロメトキシ基を有することである。前述の
ように側鎖としてベンゼン環に直結したトリフルオロメ
トキシ基を有する液晶化合物は既に報告されており、ま
た、シクロヘキサン環にフッ素原子等の他の極性基が直
結した液晶化合物も報告例がある。しかしながら、本化
合物においてはこの特徴によって、前者における粘性を
さらに低減し、後者における化学的安定性を増大させ
て、液晶組成物としての使用時の問題を解消し、その実
用性を大きく高めることを可能としたものである。第1
表からわかるように一般式(I)で表される化合物は3
環型以上の場合にはその多くは液晶性を示し、また2環
型の場合には液晶性は示しにくいが、他の汎用の液晶組
成物に添加した場合における液晶上限温度の降下度合い
は比較的小さい。従って、他の液晶化合物との混合物の
状態で、特にTN型やSTN型といった電界効果型表示
セルの材料として、好適に用いることができる。本発明
の(I)の化合物を液晶組成物の成分として用いること
による効果を以下に示す。第1表に示された(I−1)
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0064
【補正方法】変更
【補正内容】
【0064】トランス−4’−プロピル−トランス−4
−トリフルオロメトキシビシクロヘキサン1 H−NMR(200MHz,CDCl3,Me4Si) 0.87(t,J=7Hz,3H),0.75−1.9
2(m,19H),2.00−2.28(m,4H),
4.07(tt,J=5,11Hz,1H)19 F−NMR(188MHz,CDCl3,CFCl3) −58.0(s,3F) (実施例3) トランス−4”−プロピル―トランス―
4−トリフルオロメトキシ−トランス−1,1’:
4’,1”−テルシクロヘキサン(第1表中No.(I
−2)の化合物)の合成 (3−1) トランス−4”−プロピル−トランス−
1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス
−4−オールの合成(A) トランス−4”−プロピル−トランス−1,1’:
4’,1”−テルシクロヘキサン−4−オン(6.83
g,22.4mmol)から実施例(1−1)と同様に
して、ただし精製はおこない、表記化合物2.47g
(8.04mmol,収率36%)及びトランス−4”
−プロピル−トランス−1,1’:4’,1”−テルシ
クロヘキサン−シス−4−オール0.75g(2.43
mmol,収率11%)を得た。 (3−2) トランス−4”−プロピル−トランス−
1,1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−トランス
−4−オールの合成(B) 4−(トランス−4’−プロピルビシクロヘキサン−ト
ランス−4−イル)フェノール(4.19g,13.9
mmol)及び10%Pd/C(1.87g)の酢酸エ
チル100mL懸濁液を水素雰囲気下(20atm)に
70℃で1日間激しく攪拌した。不溶のPd/Cをセラ
イト濾過によりのぞき、1Lのジクロロメタンで洗って
濾液とあわせ、減圧下に濃縮した。残渣をフラッシュシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサ
ン/酢酸エチル/酢酸エチル=5/1/1)で精製し
て、表記化合物1.29g(4.25mmol,収率3
1%)及びトランス−4”−プロピル−トランス−1,
1’:4’,1”−テルシクロヘキサン−シス−4−オ
ール2.01g(6.63mmol,収率48%)を得
た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 69/94 C07C 69/94 C07D 239/26 C07D 239/26 C09K 19/30 C09K 19/30 19/34 19/34 19/42 19/42

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I) 【化1】 (式中、環Aはトランス−1,4−シクロへキシレン基
    または1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル
    基を表し、環B、環C及び環Dはそれぞれ独立的に1〜
    2個のフッ素原子により置換されていてもよい1,4−
    フェニレン基、ピリジン−2,5−ジイル基、ピリミジ
    ン−2,5−ジイル基、ピラジン−2,5−ジイル基、
    ピリダジン−3,6−ジイル基、トランス−1,4−シ
    クロヘキシレン基、1,4−シクロヘキセニレン基また
    は1,3−ジオキサン−トランス−2,5−ジイル基を
    表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に単結合、−CH
    2CH2−、−C≡C−、−CH2O−、−OCH2−、−
    COO−または−OCO−を表し、m及びnはそれぞれ
    独立的に0または1を表し、Rは1個または2個以上の
    フッ素原子または炭素原子数1〜12のアルコキシル基
    により置換されていてもよい、炭素原子数1〜16の直
    鎖または分岐状のアルキル基またはアルコキシル基、ま
    たは炭素原子数2〜16の直鎖または分岐状のアルケニ
    ル基またはアルケニルオキシ基、または炭素原子数2〜
    16の直鎖または分岐状のアルカノイルオキシ基、また
    は炭素原子数1〜16の直鎖または分岐状のアルコキシ
    カルボニル基を表し、これらは分岐により不斉炭素が生
    じる場合には光学的に活性であってもラセミ体であって
    もよい。また、特に環Dが芳香環である場合にはRは水
    素原子あるいはハロゲン原子を表してもよい。)で表さ
    れるトリフルオロメトキシ基を含有する液晶化合物。
  2. 【請求項2】 一般式(I)において、環Aがトランス
    −1,4−シクロヘキシレン基を表すところの請求項1
    記載の化合物。
  3. 【請求項3】 一般式(I)において、Rが炭素原子数
    1〜12の直鎖状アルキル基、あるいは環Dが芳香環の
    場合にRが水素原子、塩素原子、臭素原子またはフッ素
    原子を表すところの請求項2記載の化合物。
  4. 【請求項4】 一般式(I)において、環B、環C及び
    環Dがそれぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子により置
    換されていてもよい1,4−フェニレン基、トランス−
    1,4−シクロヘキシレン基またはピリミジン−2,5
    −ジイル基を表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に単
    結合または−CH2CH2−を表すところの請求項3記載
    の化合物。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の一般式(I)記載の化合
    物を含有する液晶組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の一般式(I)で表される
    化合物の製造方法であって、一般式(II) 【化2】 (式中、環A、環B、環C、環D、J、K、L、m、n
    及びRは一般式(I)におけると同じ意味を表し、Rは
    低級アルキル基を表す。)で表されるジチオ炭酸エステ
    ルをハロニウムイオン発生剤存在下に、フッ化物イオン
    と反応させることを特徴とする製造方法。
  7. 【請求項7】 一般式(II)において、環Aがトラン
    ス−1,4−シクロヘキシレン基を表し、環B、環C及
    び環Dがそれぞれ独立的に1〜2個のフッ素原子により
    置換されていてもよい1,4−フェニレン基、トランス
    −1,4−シクロヘキシレン基またはピリミジン−2,
    5−ジイル基を表し、J、K及びLはそれぞれ独立的に
    単結合または−CH2CH2−を表し、Rが炭素原子数1
    〜12の直鎖状アルキル基または環Dが芳香環の場合
    に、水素原子、塩素原子、臭素原子またはフッ素原子を
    表すところの請求項6記載の製造方法。
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WO2004083340A1 (ja) * 2003-03-20 2004-09-30 Dainippon Ink And Chemicals, Inc. 液晶組成物

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