JPH10218712A - 合成樹脂添加用抗菌剤 - Google Patents
合成樹脂添加用抗菌剤Info
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- JPH10218712A JPH10218712A JP4002297A JP4002297A JPH10218712A JP H10218712 A JPH10218712 A JP H10218712A JP 4002297 A JP4002297 A JP 4002297A JP 4002297 A JP4002297 A JP 4002297A JP H10218712 A JPH10218712 A JP H10218712A
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- Glass Compositions (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Abstract
発揮することができ、樹脂の持つ特性を損なわないで無
色透明性を維持できるようにすることである。さらに、
取扱いが容易で製造や加工性にも優れるとともに、いか
なる製造、加工条件や使用条件下においても着色変化す
ることがなく、製造コストの低減もできうる合成樹脂添
加用抗菌剤を提供しようとするものである。また、合成
樹脂添加用抗菌剤自体の低コスト化も見込まれるもので
ある。 【構成】 B2 O3 :40〜60モル%、MgO:30
〜50モル%、Na2 O:1〜10モル%、P2 O5 :
1〜10モル%の基本組成に、Ag2 Oを0.05〜3
重量%含有した溶解性ガラスを粒子径1μm〜50μm
に粉砕したもの。
Description
る樹脂製品(例えば、内容物が有姿のままよく見えるも
の、文房具のファイルシートやボールペン、密封容器
等)の性能を損なわないで、これらの製品に抗菌性を付
与するための合成樹脂添加用抗菌剤に関するものであ
る。
ては、様々な用途で使用されている。その中の多くの場
合には、デザイン上、制約を受ける、或いは外観上の見
栄えのよさを理由に製品に対して無色透明性が要求され
ている。そして、これらの製品は、日常生活の中で人間
と直接接触、あるいは直接目に触れることも多いため、
清潔感が要求されると共に、加工時、使用時においても
変色しないことが求められている。
作用を有する銀イオン含有ゼオライト粒子に代表される
珪酸塩化合物のような無機系抗菌剤が提案されている
が、ゼオライト粒子からの銀イオンの溶出量が少なく抗
菌効果が十分に発揮されなかったり、ゼオライト粒子自
体の吸湿性が大きいためにその取扱いが容易でなく製
造、加工が困難であるという欠点があった。また、銀が
移動しやすい構造になったものであるため、少量で抗菌
効果を示すものの、光学的異方性結晶質でもあるため、
光散乱で不透明化したり、銀の溶出が激しい環境下(人
間の汗及び光)ではAg+ →Ag0 の還元が起こりやす
く、製品が変色するおそれがあった。
酸ジルコニウム等のリン酸塩化合物を使用するものがあ
るが、上記のものと同様に1価の銀イオンが金属銀に還
元しやすく加工時、又は使用時の汗と光により変色する
おそれがあり、これら抗菌剤自体が高価で、コスト的に
も見合うものではなかった。
ものもあるが、銀がイオンとしてほとんど遊離しないの
で、変色の可能性はないものの、抗菌効果が低く、十分
な効果が得られなかった。そこで、確実に抗菌性を付与
するためには、含有量がどうしても多くなってしまうこ
とと、また、樹脂との屈折率差が0.4程度であるこ
と、更に光学的異方性であることも加わって透明性が極
度に低下するものであった。また、銀錯塩担持珪酸塩化
合物及び銀担持硼珪酸系ガラスも用いられることがある
が、無変色性、透明性の面で満足しえるものではなかっ
た。
しつつ、抗菌性を満たす無機系抗菌剤は存在していなか
った。
題を回避するために、万が一変色しても外観的に変化の
ないように樹脂の原料に着色剤を混合させて変色をカモ
フラージュさせる対応を実施しており、樹脂の製造コス
ト増加の一因となっていると共に、無色透明性の要求に
対しては、満足させることができていなかった。
の問題点を解決して、優れた抗菌機能を長期間にわたっ
て安定して発揮することができ、樹脂の持つ特性を損な
わないで無色透明性を維持できるようにすることであ
る。さらに、取扱いが容易で製造や加工性にも優れると
ともに、いかなる製造、加工条件や使用条件下において
も着色変化することがなく、製造コストの低減もできう
る合成樹脂添加用抗菌剤を提供しようとするものであ
る。また、合成樹脂添加用抗菌剤自体の低コスト化も見
込まれるものである。
めになされた本発明の合成樹脂添加用抗菌剤は、B2O3
:40〜60モル%、MgO:30〜50モル%、N
a2 O:1〜10モル%、P2 O5 :1〜10モル%の
基本組成に、Ag2 Oを0.05〜3重量%含有した溶
解性ガラスを粒子径1μm〜50μmに粉砕したことを
特徴とするものである。
御された溶解速度を持つようにガラスの物理的、化学的
特性を考慮して組成を調整したガラスの総称であり、抗
菌成分とは、銀イオンであり、それらを含有させた徐放
性のガラスは数時間から数年間の任意の期間にわたって
定められた速度で銀イオンを溶出させることができる。
そして溶出した上記金属イオンは細菌や微生物の細胞壁
に吸着したり細胞膜内に凝縮していわゆるオリゴジナミ
ー作用により細菌や微生物の生育を阻害し、抗菌機能を
発揮するものである。
O5 ,B2 O3 ,Na2 O,MgO,等のうち特定成分
を含むガラス組成物の他に、抗菌成分である銀イオンを
含んだものである。加えて言えば、組成が無限大の数あ
る抗菌性ガラスを鋭意研究により、見極めることにより
達成することができたものであり、さらに粒径を数μm
とすること、非晶質(光学的等方性)のものであるこ
と、屈折率の近似化をなすこと及び銀の含有量、溶出速
度を安定に保持することの全てを兼ね備えたガラスとす
ることにより解決することができるものである。
るためには、溶解性ガラスの組成中にAg2 Oを0.0
5〜3重量%含有しておく必要がある。0.05重量%
未満では、十分な抗菌機能が期待できないためである。
逆に3重量%を超えると、必要以上にAgの量が多くな
ることにより、練り込み変色又は経時変色を引き起こす
ことにつながってしまうからである。基本ガラス組成
中、B2 O3 は40〜60モル%である必要がある。4
0%未満では、結晶化して透明性が低下するためであ
り、60%を超えると、Ag+ の溶出速度が上昇し、経
時変色を招くためである。またMgOが30〜50モル
%である必要があるのは、30%未満では、Ag+ の溶
出速度が上昇し、経時変色を招くためであり、50%を
超えると、非晶質ガラスが得にくくそのため、透明性が
大きく損なわれるためである。さらにNa2 Oが1〜1
0モル%であるのは、1%未満では非晶質ガラスが得に
くくそのため、上記同様透明性が大きく損なわれるため
であり、10%を超えると、アルカリ性が強くなり、銀
の変色が目立つようになってしまうからである。P2 O
5 は1〜10モル%である必要がある。これは、1%未
満及び10%超のいずれでも非晶質ガラスが得にくくそ
の結果として、透明性が大きく損なわれるためである。
粉砕したものを使用する。50μmを超えると、異物感
が生じてきたり、樹脂本来の物性低下を招いてしまうか
らであり、逆に1μm未満であると光散乱が著しくな
り、透明性が劣り、さらに0.1μm未満では、透明性
は向上するが、ガラスの2次凝集が起こってしまうこと
と、コスト高で現実的には、良くなかった。そして、よ
り好ましくは2μm〜20μmがよい。このガラスを樹
脂に0.05〜0.5重量%の割合で含有させなければ
ならない。0.05%未満では、抗菌効果が不足してし
まうからであり、0.5%超では、透明性が劣ってしま
うからである。より好ましくは、0.1〜0.2%がよ
い。
いて20℃の水にAg+ を0.011mg/g/Hrの
スピードで溶出し、適正な粒径と少量の添加率で樹脂に
無色透明性と抗菌性を付与することができるものであ
る。
限定するものではないが、例えば、PS(ポリスチレ
ン)、AS(アクリルスチレン)、ABS(アクリルブ
タジエンスチレン)、PP(ポリプロピレン)、PE
(ポリエチレン)、PVC(塩化ビニル)、PC(ポリ
カーボネート)、PET(ポリエステル)、PMMA
(ポリメチルメタアクリレート)、尿素樹脂、ナイロン
等を挙げることができる。
抗菌剤は、使用時あるいは使用後における水分との接触
の際に樹脂等が持つ僅かな透水性、透湿性によって水分
が合成樹脂添加用抗菌剤本体の内部に浸透し、この水分
によって溶解性ガラスが微量ずつ溶解し、抗菌性能を有
する銀イオンを溶出することとなる。銀イオンの溶出量
は一定期間中ほぼ一定量であり、この結果、銀イオンの
抗菌作用によって合成樹脂添加用抗菌剤の表面上におけ
る細菌の繁殖、あるいはそれらによる変色等を完全に防
止することが可能になる。また、本発明の溶解性ガラス
によれば、抗菌剤の屈折率と種々の樹脂の屈折率の差が
0.10未満であり、しかも材料特性として光学的等方
性を有するため、適正な含有量範囲であれば樹脂の特性
を損なうことなく、無色透明性も維持されることとな
る。
り詳細に説明する。抗菌剤としてB2 O3 、MgO、N
a2 O、P2 O5 、Ag2 Oを表1に示す組成比となる
ようにB2 O3 塩、P2 O5 塩、Ag塩化合物を調合
し、1200〜1400℃で1時間溶融して、ガラス化
したものを用いた。これをロールクラッシャージェット
ミル粉砕により、各々の粒径とした。
化の有無により○、×で表示),練込変色(ポリプロ
ピレンに0.2重量%練込んで変色の有無を目視により
判断して○、×で表示。なお、これ以下の試験はいずれ
も本試験で作成したプレートによるテスト),耐光変
色(キセノンランプ450w/m2 に200時間照射後
の色差ΔEの値),NaClO水浸漬(1%NaCl
O水溶液中に2週間浸漬後の色差ΔEの値),Na2
S水浸漬(1%Na2 S水溶液中に2週間浸漬後の色差
ΔEの値),透明性(600nmの光透過率差%),
抗菌性(黄色ブドウ球菌を含む1/50普通ブイヨン
をプレートに滴下、フィルムを密着させ、35℃、24
Hr放置後に、洗い出し、培養して生菌数を計数するこ
とによって行った。)について調べた結果を表2に示
す。
添加用抗菌剤は、優れた抗菌機能を長期間にわたって安
定して発揮することができ、樹脂の持つ特性を損なわな
いで無色透明性を維持できるようにすることである。さ
らに、取扱いが容易で製造や加工性にも優れるととも
に、いかなる製造、加工条件や使用条件下においても着
色変化することがなく、製造コストの低減もできるもの
である。従って、抗菌と美観が両立することができると
いう効果を有している。よって本発明は従来の問題点を
一掃した合成樹脂添加用抗菌剤として極めて大きい意義
がある。
Claims (1)
- 【請求項1】 B2 O3 :40〜60モル%、MgO:
30〜50モル%、Na2 O:1〜10モル%、P2 O
5 :1〜10モル%の基本組成に、Ag2 Oを0.05
〜3重量%含有した溶解性ガラスを粒子径1μm〜50
μmに粉砕したことを特徴とする合成樹脂添加用抗菌
剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04002297A JP3212903B2 (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | 合成樹脂添加用抗菌剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04002297A JP3212903B2 (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | 合成樹脂添加用抗菌剤 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10218712A true JPH10218712A (ja) | 1998-08-18 |
JP3212903B2 JP3212903B2 (ja) | 2001-09-25 |
Family
ID=12569287
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP04002297A Expired - Lifetime JP3212903B2 (ja) | 1997-02-07 | 1997-02-07 | 合成樹脂添加用抗菌剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3212903B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000160040A (ja) * | 1998-11-27 | 2000-06-13 | Kamaya Kagaku Kogyo Co Ltd | 生分解性樹脂製成形物 |
WO2003082758A1 (fr) * | 2002-03-29 | 2003-10-09 | Koa Glass Co., Ltd. | Verre antimicrobien et procede permettant de produire celui-ci |
JP4689019B2 (ja) * | 1999-12-28 | 2011-05-25 | 石塚硝子株式会社 | 抗菌性付与用ガラス組成物、及びそれを用いた抗菌性高分子複合材料、抗菌性高分子複合材料成形体 |
-
1997
- 1997-02-07 JP JP04002297A patent/JP3212903B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000160040A (ja) * | 1998-11-27 | 2000-06-13 | Kamaya Kagaku Kogyo Co Ltd | 生分解性樹脂製成形物 |
JP4689019B2 (ja) * | 1999-12-28 | 2011-05-25 | 石塚硝子株式会社 | 抗菌性付与用ガラス組成物、及びそれを用いた抗菌性高分子複合材料、抗菌性高分子複合材料成形体 |
WO2003082758A1 (fr) * | 2002-03-29 | 2003-10-09 | Koa Glass Co., Ltd. | Verre antimicrobien et procede permettant de produire celui-ci |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3212903B2 (ja) | 2001-09-25 |
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