JPH10218371A - パレット搬出装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 パレットの繰出しを連続的に、かつ、円滑に
行なわせるようにする。 【解決手段】 マガジン装置８の左右に同一諸元からな
る繰出し手段１を設ける。この繰出し手段１は、回転軸
１１と、当該回転軸１１の両端部に、同じピッチ、同じ
本数をもつように、かつ、放射状に設けられた複数本の
アーム１２と、当該アーム１２の先端部に設けられた保
持部１３と、からなる。これら左右の回転軸１１を同期
した状態で回転駆動するとともに、モータ３からの動力
を伝達する動力伝達手段２を設ける。この動力伝達手段
２は、モータ３に連結されるドライブシャフト２１と、
当該ドライブシャフト２１の両端部に設けられるもので
あって傘歯車からなるピニオンギヤ２２と、これら各ピ
ニオンギヤ２２と噛み合い、上記回転軸１１を回転駆動
する傘歯車状のドリブンギヤ２３と、からなる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、部品搬送用パレッ
トをマガジン装置等から一個づつ取り出して搬送ライン
中へ送り出すようにしたパレット搬出装置に関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来のパレット搬出装置は、例えば図３
に示す如く、複数個のパレット９０が積み重ねられた状
態において、それらの最下方部のものを下側から支える
リフタ１０と、当該リフタ１０の側面部に平行に設けら
れるチェーンコンベア装置３０、３０’と、上記パレッ
ト９０の積み重ねられた状態のものの、その四隅のとこ
ろに設けられるものであって、水平面内にて回転運動
（揺動運動）をする回転アーム２２０等にて形成される
ドライブ装置２０と、からなることを基本とするもので
ある。そして、このような構成からなるものにおいて、
上記リフタ１０が、まず、上記平行に設けられたチェー
ンコンベア装置３０、３０’の間から上昇するととも
に、上記積み重ねられた状態のパレット９０の最下方部
のものを下方から支える。このような状態において、上
記四隅に設けられたドライブ装置２０を作動させ、当該
ドライブ装置２０を形成する各回転アーム２２０を回転
運動させる。そして、当該回転アーム２２０を上記積み
重ねられた状態のパレット群の最下方部から２番目のも
の（９０’）に形成されたポケット部９９０のところに
嵌まり込ませるようにする。すなわち、これによって、
最下方部から２番目のもの（下から二番目のもの）９
０’より上方のパレット９０は、すべて、この４本の回
転アーム２２０にて支持されることとなる。このような
状態において、リフタ１０が降下をすると、当該リフタ
１０上には最下方部にあったパレット９０のみが搭載さ
れた状態となる。そして、このリフタ１０上に搭載され
たパレット９０は、両側のチェーンコンベア装置３０、
３０’上に載せられることとなる。その結果、このチェ
ーンコンベア装置３０、３０’上に搭載されたパレット
９０は、本マガジン装置のところから外へと搬出され、
最終的に搬送ライン５０上へと送り出されることとな
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のものは、四隅に設けられたドライブ装置２０及び
パワーシリンダ等にて駆動されるリフタ１０、更には当
該リフタ１０の両側に設けられるチェーンコンベア装置
３０、３０’等、多くの作動装置を必要とするものであ
る。その結果、装置全体が大掛りなものとならざるを得
ないとう問題点がある。また、四つのドライブ装置２０
の回転アーム２２０の作動を同期させる必要があるとと
もに、リフタ１０の上下運動と上記各回転アーム２２０
の回転作動（揺動運動）とのタイミングも調整する必要
がある。このようなことより、この従来のものにおいて
は、各作動装置間の時間的な関係についても制御する必
要があり、リレーあるいはマイクロコンピュータ等が余
分に必要となる。このような問題点を解決するために、
単純な機構からなる連続繰出し手段及び動力伝達手段等
を有するパレット搬出装置を提供しようとするのが、本
発明の目的（課題）である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては次のような手段を講ずることとし
た。すなわち、請求項１記載の発明においては、マガジ
ン装置等に積み重ねられた状態に置かれているパレット
を一個づつ搬送ラインへ送り出すことのできるようにし
たパレット搬出装置に関して、回転軸及び当該回転軸の
両端部に放射状に設けられた複数本のアーム等からなる
繰出し手段を基礎に、当該繰出し手段を並列に２個設け
るとともに、これら二つの繰出し手段を駆動するモータ
を設け、当該モータの駆動力を上記二つの繰出し手段に
伝達するとともに、当該二つの繰出し手段を同期させた
状態にて駆動する動力伝達手段を設けるようにした構成
を採ることとした。

【０００５】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては次のような作用を呈することとなる。
すなわち、モータが作動を開始すると、当該モータから
の駆動力が動力伝達手段を介して左右の繰出し手段に伝
達される。そして、これら左右の繰出し手段を形成する
回転軸及び当該回転軸に放射状に取り付けられたアーム
は、左右同期した状態で回転運動をすることとなる。こ
のアームの回転運動に伴なって、当該アームの先端部に
設けられた保持部のところが、図２に示す如く、最下方
部のパレットに形成されたポケット部のところに挿入さ
れる。そして、このような保持部が、最下方部のパレッ
トを水平面内で保持した状態で除々に上記アームの回転
運動に伴なって下方へと降下する。そして、当該パレッ
トのポケット部に挿入されている（係合している）アー
ムが下方部を向くようになったところで、ポケット部に
係合しているアーム先端部（保持部）のところが、上記
ポケット部から外れて、パレットは下方の搬送ライン上
へと落下して行く。これによってパレットの搬送ライン
上への繰出し（搬出）が行なわれることとなる。

【０００６】また、一方、上記パレットとアーム先端部
の保持部との間の係合関係が解除される寸前の状態にお
いて、上記パレットのポケット部と係合しているアーム
の次のアームが、その次のパレット（最下方部から二番
目のもの）のポケット部と係合するようになる（図２参
照）。このように回転軸の回転運動に伴なうアームの回
転運動によって、積み重ねられたパレットは、最下方部
から、順次、搬送ライン上へと、連続的に繰出されるこ
ととなる。このようなパレットの繰出し作業（搬出作
業）が、モータ、動力伝達手段、及び繰出し手段の一方
向への回転運動によって、円滑に行なわれることとな
る。従って、従来のものにおけるようなリフタの上下往
復運動及び回転アームの水平面内での往復揺動運動等、
各種往復運動を要しないようになり、各作動手段の作動
が円滑に行なわれることとなる。また、リフタ装置ある
いはチェーンコンベア装置等が不必要となり、搬送ライ
ンの途中等に、随時、本パレット搬出装置を設置するこ
とができるようになる。

【０００７】次に、請求項２記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項１記載
のものと同じである。その特徴とするところは、本パレ
ット搬出装置を形成する動力伝達手段を、モータに連結
されるものであって当該モータからの動力によって回転
駆動されるドライブシャフトと、当該ドライブシャフト
の両端部に設けられるものであって傘歯車からなるピニ
オンギヤと、当該ピニオンギヤと噛み合う傘歯車状のも
のであって上記繰出し手段の回転軸に連結されるドリブ
ンギヤと、からなるようにしたことである。

【０００８】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては次のような作用を呈することとなる。
すなわち、モータに連結され、当該モータからの動力が
伝達されるドライブシャフトを主に、当該ドライブシャ
フトの両端部に設けられたピニオンギヤによって、左右
に設けられた繰出し手段の回転軸が回転駆動されること
となるので、これら左右の繰出し手段の各回転軸は同期
した状態で回転運動をすることとなる。すなわち、上記
左右のピニオンギヤ及び当該ピニオンギヤと噛み合う各
ドリブンギヤの各ギヤ比を左右で同一にしておけば、上
記繰出し手段の回転軸は左右同期した状態で回転運動を
する。従って、これら回転軸に放射状に取り付けられる
各アームも、すべて同期した状態で回転運動をすること
となる。その結果、このようなアームの回転運動によっ
て、その支持等の成されるパレットは、上記搬送ライン
上へ円滑に繰出される（搬出される）こととなる。そし
て、これらの各作動は、すべて一方向への回転運動の伝
達によって行なわれることとなるので、各作動手段（装
置）からの振動発生、あるいは騒音発生等が抑止される
こととなる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
１及び図２を基に説明する。本発明の実施の形態にかか
るものの、その構成は、図１に示す如く、複数のパレッ
ト９が積み重ねられた状態で設置されるマガジン装置８
の側面部等に設けられるものであって、上記マガジン装
置８から上記パレット９を一個づつ取り出して搬送ライ
ン５上へ投入するように作動する繰出し手段１と、当該
繰出し手段１を駆動するモータ３と、当該モータ３から
の動力を、上記マガジン装置８の両側面部等に設けられ
た二個の繰出し手段１に伝達するとともに、当該二つの
繰出し手段１の作動を同期させた状態で駆動する動力伝
達手段２と、からなることを基本とするものである。

【００１０】このような基本構成において、上記繰出し
手段１は、一本の回転軸１１と、当該回転軸１１の両端
部に放射状に設けられものであって、そのピッチ及び本
数が同じように形成される複数のアーム１２と、当該各
アーム１２の先端部に設けられるものであって、ある程
度の滑り性があるように形成される保持部１３と、から
なることを基本とするものである。なお、このような保
持部１３は、図１及び図２に示すようなコロ状のもの、
あるいは、この外にローラ状の形態からなるもの等であ
っても良い。そして、このような構成からなる繰出し手
段１であって、同じ諸元からなるものが、例えば図１に
示す如く、マガジン装置８の左右両側面部に設けられる
ようになっているものである。そして更に、このような
両繰出し手段１の各回転軸１１の一方の端部側には、次
に述べる動力伝達手段２の一部を形成するドリブンギヤ
２３が連結されるようになっているものである。

【００１１】このような構成からなる繰出し手段１に回
転運動を伝達する動力伝達手段２は、図１に示す如く、
モータ３のアーマチュア等に連結されるものであって、
本モータ３からの動力を引き出すドライブシャフト２１
と、当該ドライブシャフト２１の両端部に設けられるも
のであって同じディメンションからなる傘歯車状のピニ
オンギヤ２２と、当該ピニオンギヤ２２と噛み合うもの
であって傘歯車状のものからなるドリブンギヤ２３と、
からなることを基本とするものである。なお、このよう
な構成からなる本動力伝達手段２の、上記ピニオンギヤ
２２及びドリブンギヤ２３のところは、本実施の形態の
ものにおけるような傘歯車機構に限定されるものでは無
く、この外に、ウオーム・ギヤ方式の減速機構、あるい
は、適当な歯車機構からなるギヤボックス装置等であっ
ても良い。また、本動力伝達手段２全体についても、こ
の外に、チェーン及びスプロケット等からなる動力伝達
機構であっても良い。

【００１２】次に、このような構成からなる動力伝達手
段２に動力を伝達するモータ３は電動モータ等からなる
ものであり、上記繰出し手段１からのトルク反力（キッ
クバック等）を遮断するようなブレーキ付きの、いわゆ
るブレーキモータが採用されるようになっている。これ
によって、本モータ３を回転停止させることによって、
上記繰出し手段１の回転軸１１を、その状態に保持する
ことができるようになり、この状態でマガジン装置８内
に積み重ねられたパレット群９を、その状態に保持する
ことができるようになる。すなわち、回転軸１１及びア
ーム１２をロック状態に保持することができるようにな
っているものである。

【００１３】次に、このような構成からなる本実施の形
態のものについての、その作動態様等について説明す
る。まず、図１において、モータ３が作動を開始する
と、当該モータ３からの駆動力が動力伝達手段２を介し
て左右の繰出し手段１に伝達される。具体的には、モー
タ３からの動力がドライブシャフト２１に伝達される
と、当該ドライブシャフト２１の両端部に設けられたピ
ニオンギヤ２２が回転駆動され、これによって、マガジ
ン装置８の左右に設けられた繰出し手段１の回転軸１１
が、上記ピニオンギヤ２２と噛み合うドリブンギヤ２３
を介して回転駆動される。そして、これら左右の繰出し
手段１の各回転軸１１は同期した状態で回転運動をする
こととなる。すなわち、上記左右のピニオンギヤ２２及
び当該ピニオンギヤ２２と噛み合う各ドリブンギヤ２３
の各ギヤ比が左右で同一になっているので、上記繰出し
手段１の回転軸１１は左右同期した状態で回転運動をす
ることとなる。従って、これら回転軸１１に放射状に取
り付けられる各アーム１２も、すべて同期した状態で回
転運動をすることとなる。その結果、このようなアーム
１２の回転運動によって、その支持等の成されるパレッ
ト９は、図１の搬送ライン５上へと、一個づつ連続的に
繰出されることとなる。

【００１４】次に、この繰出し作動（搬出作動）につい
て、図２を基に説明する。まず、図２の（Ａ）に示す如
く、マガジン装置８に積み重ねられたパレット９のうち
の最下方部のものの、そのポケット部９９のところに繰
出し手段１のアーム１２の先端部に形成された保持部１
３が挿入され、このような状態で一群のパレット９が保
持される。このような状態において、回転軸１１及びア
ーム１２が回転運動を始めると、図２の（Ｂ）及び
（Ｃ）に示す如く、アーム１２の回転運動に伴なって、
当該アーム１２の先端部に設けられた保持部１３のとこ
ろが、最下方部のパレット９を水平面内で保持した状態
から、除々に下方へと降下する。そして、当該パレット
９のポケット部９９に挿入されている（係合している）
アーム１２が下方部を向くようになったところで（図２
（Ｃ））、ポケット部９９に係合しているアーム１２の
保持部１３のところが、当該ポケット部９９から外れ、
これによってパレット９は下方の搬送ライン５上へと落
下して行く（図２（Ｄ））。これら一連の作動によっ
て、パレット９の搬送ライン５上への繰出し（搬出）が
行なわれることとなる。

【００１５】また、一方、上記パレット９とアーム先端
部の保持部１３との間の係合関係が解除される寸前の状
態において、図２の（Ｂ）、（Ｃ）に示す如く、上記パ
レット９のポケット部９９と係合しているアーム１２の
次のアーム１２’及び当該アーム１２’の先端部に形成
される保持部１３’が、その次のパレット（最下方部か
ら二番目のもの９’）のポケット部９９と係合するよう
になる。このように、回転軸１１の回転運動に伴なうア
ーム１２の回転運動によって、積み重ねられた一群のパ
レット９は、最下方部のものから、順次、搬送ライン５
上へと、連続的に繰出されることとなる。このようなパ
レット９の繰出し作業（搬出作業）が、モータ３、動力
伝達手段２、及び繰出し手段１の一連の回転運動によっ
て、円滑に行なわれることとなる。従って、従来のもの
におけるようなリフタの上下往復運動及び回転アームの
水平面内での往復揺動運動等、各種往復運動を要しない
ようになり、各作動手段の作動が円滑に行なわれること
となる。

【００１６】

【発明の効果】本発明によれば、マガジン装置等に積み
重ねられた状態に置かれているパレットを一個づつ搬送
ラインへ送り出すことのできるようにしたパレット搬出
装置に関して、回転軸及び当該回転軸の両端部に放射状
に設けられた複数本のアーム等からなる繰出し手段を基
礎に、当該繰出し手段を並列に２個設けるとともに、こ
れら二つの繰出し手段を駆動するモータを設け、当該モ
ータの駆動力を上記二つの繰出し手段に伝達するととも
に、当該二つの繰出し手段を同期させた状態にて駆動す
る動力伝達手段を設けるようにした構成を採ることとし
たので、モータが作動を開始すると、当該モータからの
駆動力が動力伝達手段を介して左右の繰出し手段に伝達
されるとともに、これら左右の繰出し手段を形成する回
転軸及び当該回転軸に放射状に設けられたアームが、左
右同期した状態で回転運動をすることとなり、これによ
って、当該アームの先端部に設けられた保持部のところ
が、最下方部のパレットのポケット部に挿入されて、最
下方部のパレットから、順次、所定の搬送ライン上へと
繰出すことができるようになった。

【００１７】また、これら一連の作動を行なう各手段
が、一方向への回転運動のみによって行われるようにな
っているので、その作動が円滑に行なわれるようにな
り、振動発生、あるいは騒音の発生等を防止することが
できるようになった。また、リフタ装置あるいはチェー
ンコンベア等が不必要となり、搬送ラインの途中等に、
随時、本パレット搬出装置を設置することができるよう
になった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示す斜視図である。

【図２】本発明の作動態様を示す図である。

【図３】従来例の全体構成を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 繰出し手段 １１ 回転軸 １２ アーム １２’ アーム １３ 保持部 １３’ 保持部 ２ 動力伝達手段 ２１ ドライブシャフト ２２ ピニオンギヤ ２３ ドリブンギヤ ３ モータ ５ 搬送ライン ８ マガジン装置 ９ パレット ９’ パレット ９９ ポケット部

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 回転軸及び当該回転軸の両端部に放射状
   に設けられた複数本のアーム等からなる繰出し手段を基
   礎に、当該繰出し手段を並列に２個設けるとともに、こ
   れら二つの繰出し手段を駆動するモータを設け、当該モ
   ータの駆動力を上記二つの繰出し手段に伝達するととも
   に、当該二つの繰出し手段を同期させた状態にて駆動す
   る動力伝達手段を設けるようにしたことを特徴とするパ
   レット搬出装置。
2. 【請求項２】 請求項１記載のパレット搬出装置におい
   て、上記動力伝達手段を、モータに連結されるものであ
   って当該モータからの動力によって回転駆動されるドラ
   イブシャフトと、当該ドライブシャフトの両端部に設け
   られるものであって傘歯車からなるピニオンギヤと、こ
   れらピニオンギヤと噛み合う傘歯車状のものであって上
   記繰出し手段の回転軸に連結されるドリブンギヤと、か
   らなるようにしたことを特徴とするパレット搬出装置。